二〇〇〇年十二月四日 日本共産党新宿区議会議員団
団 長 佐 藤 文 則
一、一九九九年度の新宿区一般会計決算の審議を通じて区政全般について論議することを主な課題とする新宿区議会第四回定例会は、十一月九日より十二月四日まで開催された。
わが党は、本会議での代表質問や決算特別委員会などの質疑で、自民党政治と都・区の「行革」路線のなかで区民のあいだに深刻な所得格差が広がっている実態を示し、区が「区政改革プラン」の名のもとに推し進めている区民施策削減と負担増路線の転換を強くもとめた。
そして、小野田区長就任以来の十年間に投入した大型施設建設費が一〇四五億円にものぼっていることを示し、区のいう「財政難」の重大な責任は小野田区長自身にあることを明らかにした。同時にわが党は、いま検討されている法定外新税について、大企業、大銀行を対象としたものにすることを提案し、庶民増税ではない財源確保策を強く主張した。
また、実施後半年を経過し、様々な問題点が噴出している介護保険のついて、保険料・利用料の軽減対策などの改善策を提起したことをはじめ、中小企業対策、建築紛争とまちづくり、中小企業対策、教育環境の整備などについて、区民要求をふまえた論戦を行った。
一、今定例会の論戦のなかで大きな論点の一つとなったのが保育園をはじめ区の事業の民間委託化をめぐる問題であった。わが党は、自民党、公明党をはじめ他のほとんどの会派が委託化促進の質問をするなかで、民間委託・民営化論の行きつく先が住民の福祉や暮らしに対する公的責任の放棄であることを明らかにし、地方自治体のあり方と公務労働の意義を明らかにし、民間委託・民営化論の問題を徹底的に追及して奮闘した。
今定例会には区立障害者福祉センターの管理運営を社会福祉法人に委託するための条例が提案されたが、わが党はこの立場および委託の対象となっているセンター内機能訓練事業利用者から強い反対の意見が出されていることから条例案に反対した。
一、今定例会に小野田区長は、箱根にある岡田高原学園を今年度限りで廃止する条例を提案した。わが党は、岡田学園が喘息等に苦しむ児童のための健康学園として果たしてきた重要な役割を強調し、保護者をはじめとした関係者の存続への強い希望も示し、廃止に反対した。
一、今定例会には特定家庭用機器再商品化法、いわゆる家電リサイクル法の施行に伴う関係条例改正案が提案された。同法の最大の問題点は、家電製品製造企業の責任を回避し、もっぱら販売店と消費者に負担を負わせようとしていることであった。わが党は、議案質疑のなかで、消費者負担軽減のための区の努力姿勢を確認したうえで条例改正に同意した。
一、わが党は、質問のなかで、夏期における区立学校の暑さ対策を改めてとりあげ、普通教室の冷房化 を強くもとめた。この要求は、夏の普通教室の気温が四〇度近くになるという異常事態のもと、学校現場からも強い要求がだされ、区立小学校PTA連合会および区立中学校PTA協議会からも正式に 要望が提出されている緊急の課題である。ところがこれに対し、自民党と区民情報クラブの議員は、「日本には四季があり、夏は暑いのがあたりまえ。冷房に頼ろうとするから子どもがひ弱になる」などと暴言ともいえる質問を行い、関係者の願いを公然と否定した。わが党は、このような実態を無視した発言を看過することはできない。区民・関係者のみなさんと力をあわせ、教育環境のいっそうの改善に全力をあげるものである。
一、今定例会の開会中、新宿区選出の山崎泰都議会議員が「中小企業金融安定化融資制度」をめぐる出資法違反容疑で逮捕されるという事態が発生した。わが党は、三十五年ぶりの現職都議会議員の逮捕という事態、そして新宿区選出の議員で区を通じて申請された融資をめぐる容疑であることなどから特にこの問題を重視し、「事件の徹底解明を求める決議」を他会派に提案した。しかし、この提案に対し、自民党、公明党、民主無所属クラブ、一粒会が同意しなかったため、決議は合意することができなかった。
税金を「担保」に貸し渋り対策として実施された融資をいわば食い物にした不正事件の解明の声をあげることは区民の付託を受けた区議会の当然の責任であった。これに反対した各会派の姿勢がきびしく問われなければならない。
またわが党は、小野田区長が三年前の都議会議員選挙の際、山崎泰候補の選挙公報に推薦人として名前を掲載している問題を質問で取り上げた。小野田区長は「まったく承知していない」と答弁し公報掲載については調査することを約束した。わが党はこの点でも事実関係と責任の究明をすすめるものである。
一、八王子市など各地でPCB使用の蛍光灯破裂による汚染が重大問題となっているなかでわが党は、区に早急な調査と対策を要求するとともに、国に対して対策への財源措置を求める意見書案を議会各派に提案した。これに対しても自民党などが同意せず意見書提出が合意できなかったことは区民と児 童・生徒への安全への姿勢として重大といわなければならない。
一、今定例会では、西新宿七丁目の競輪場外車券売場開設問題で売場誘致を求める五件の陳情をいずれも全会一致で不採択とした。また、神楽坂の超高層マンション建築をめぐる紛争では、建築計画の抜本的見直しを求める陳情を全会一致で採択した。
これらの結果は、地域の環境をまもろうとする住民の道理あるねばりづよい運動の貴重な成果である。
一、今定例会に原町三丁目の住民から、マンション建築にあたって計画説明会の開催を建築主などに指導することを求める陳情が提出された。これは、現行の紛争予防条例が建築主に説明会の開催を義務づけていないことから生じるトラブルであった。
わが党は、先の第三回定例会で同条例の運用をより住民本位にする立場からの条例改正案を提案したところであるが、同条例の規定や運用にいっそうの改善をもとめるものである。
一、今定例会には、近く任期を迎える三名の教育委員の後任として有識者二名と現職の総務部長が区長より提案された。わが党は、教育委員の職務や任命にあたっての法的・行政的位置づけ等への党の見解を本会議の討論で明らかにしたうえで有識者二名の任命に同意した。総務部長については、教育委員としての今後の活動を見届けるという立場から態度を保留し、採決にあたっては棄権するとの対応をとった。
一、今定例会は臨時国会を通じて森内閣の混迷がいっそうすすみ、自民党政治への国民的批判が極限まで達し、また、石原都政の福祉切りすてによる都民生活への深刻な影響があらわれているもとで開催された。わが党は、論戦のなかで区長の国政・都政に対する政治姿勢もきびしく追求した。
都政との関係では、十二月十二日の大江戸線の開業に伴い都バス路線の廃止・縮小が重大な問題として取り上げた。わが党は、住民の願いに応えて、バス路線存続のため最後まで努力するものである。
一、いよいよあと二十日あまりで二十一世紀である。わが党は、新しい世紀に新しい政治を実現するため、いっそう奮闘するものである。


