日本共産党新宿区議団は12月20日、中山弘子区長に、耐震強度偽装問題と子どもの安全確保についての「緊急要望書」を提出しました。

新宿区では、構造計算書の偽造が明らかになった「スカイコート西早稲田」のほかに、姉歯元建築士が関与した建築物が数件あるといわれています。
要望した内容は、(1)区長を本部長とする対策本部を設置して、▼姉歯元建築士が関与した物件の調査結果の公表、▼99年以降の区内の建築物について住民の要望に応えた点検と対策、▼相談窓口の設置、▼構造計算書などの再調査のための助成、▼民間が建築確認した物件について区の恒常的なチェック、▼専門資格をもった職員の増員など、総合的な対策を講じること、(2)国に、すべての建築物に自治体のチェックがはたらくよう建築基準法の改正、被害者支援策、再発防止のための自治体の体制強化にかかる財政措置を要求すること、です。
子どもの安全確保については、区教委が取り組んでいる「子どもたちの安全確保強化月間」が12月22日で終了しますが、「一時的な問題ではなく今後の安全対策が求められている」として、(1)全庁的に取り組む体制の確立、(2)空き交番の解消、(3)学校選択制による学区域外も含めた通学路・学童クラブからの帰宅経路の総点検、(4)冬休み期間中も含めた安全確保体制の確立、(5)ボランティアなどの協力もえた下校時、児童館・学童クラブからの帰宅時などの安全対策、(6)学童クラブの待機児童をつくらない、(7)GPS機能を活用し地域の協力もえた児童防犯システムの検討、を要望しました。
中山区長は、耐震強度偽装問題については「徹底した原因究明と対策を講じていかなければと考えている」、子どもの安全確保については「要望にあるように、各地域で、子どもや保護者の立場からあらためてシュミレーションをやってもらう必要があると思う」と答えました。
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緊 急 要 望 書
新宿区長 中山弘子 殿
2005年12月20日 日本共産党新宿区議会議員団
一、耐震強度偽装問題について
耐震強度偽装問題で、建築物の安心・安全に対して多くの国民が不安を持ち、建築確認制度や建築業界に対する不信が広がっています。新宿区内にも、姉歯元建築士が構造計算書を偽造した「スカイコート西早稲田」があり、その他にも姉歯元建築士が関与した物件があるといわれています。区民の間にも「自分の住まいは大丈夫だろうか」という不安が大きく広がっており、新宿区としての対応が求められています。 構造計算書偽造による耐震強度偽装は、組織的に行われていたことが明らかになってきましたが、そうした偽造をチェックするはずの建築確認が適正に行われていなかったことは問題です。1998年の建築基準法改定で、これまで自治体しか行えなかった建築確認を民間に開放し、指定確認検査機関が確認・検査を行った場合、自治体によるチェックがほとんどできない制度にしてしまったことが、そもそもの誤りでした。 しかし、最高裁判所及び横浜地方裁判所の判例では、指定確認検査機関が建築確認を行った場合でも自治体(特定行政庁)に責任があるとしており、これを踏まえた対応が早急に求められています。新宿区としても早急に対策を講じるよう、以下、要望いたします。
記
(1)区長を本部長とする「(仮称)耐震強度偽装問題対策本部」を設置し、以下のことを含む総合的な対策を講じること。
- 調査中の姉歯元建築士が関与した物件については、その結果をただちに公表すること。
- 99年に改正建築基準法が施行されて以降に区が建築確認した7階建て以上の建築物の総点検が行われていますが、住民の要望があれば、その他についても対応すること。また、結果によっては、必要な対策を講じること。
- 「(仮称)耐震強度相談窓口」を設置し、新宿区の広報やホームページに掲載し、区民からの相談に対応すること。
- 区内の建築物について、区民が構造計算書等の再調査が行えるよう、助成制度を早急に創設すること。
- 区が建築確認及び中間検査、完了検査を行わない場合でも区がチェックができるよう、抜き打ち検査等を恒常的に実施すること。
- 以上のことを実現するため、専門の資格を持った職員を増員し、体制を強化すること。
(2)国に対し、建築確認制度を抜本的に見直し、すべての建築物について自治体のチェックがはたらくよう建築基準法の改正等を要求し、被害者の支援策や、再発防止のための自治体の体制強化にかかる財政措置を求めること。
二、子どもの安全確保について
下校途中の小学生が殺害されるという痛ましい事件が連続して起こり、新宿区内でも不審者の情報が報告されています。 この間、教育委員会は、学校での取り組み、保護者と地域の方への協力依頼、警察へのパトロール強化の依頼と「子ども達の安全確保強化月間」に取り組んでいます。この取り組みは、冬季休業にはいるため12月22日で終了となりますが、子どもの安全の問題は解決したとはいえず、一時的な問題ではなく今後の安全対策が求められていると考え、以下、要望するものです。
記
(1)危機管理室を中心に、教育委員会、子ども家庭課など関連する部署の連携のもと、全庁的に取り組む体制をつくること。 (2)空き交番の状況を再点検し、関係機関に改善の要望をおこなうこと。 (3)全小学校の通学路について防犯の観点から総点検し、特に学校選択制で学区域外から通っている児童の通学路の安全を確認すること。同様に、学童クラブからの帰宅経路についても安全を点検すること。 (4)PTA、地域の防犯団体、地域住民など、地域ぐるみで児童を見守る体制が現在どの程度取り組まれているかを把握し、22日以後の体制について全庁的に検討すること。 (5)シルバー人材センター、ファミリーサポートセンター、社会福祉協議会の協力と地域ボランティアを募り、下校時、児童館・学童クラブからの帰宅時など、万全な安全対策をとること。 (6)学童クラブについては、安全性の観点から、利用調整を理由とした待機児童をつくらないこと。子どもと家庭の実情に応じた選択と受け入れができるようにすること。 (7)GPS機能を活用し地域住民の協力もえた児童の防犯システムについて、品川区の事例なども参考にして検討すること。 |