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1.区長の政治姿勢について
2007年新宿区議会第1回定例会にあたり、日本共産党新宿区議会議員団を代表して、区長並びに教育委員会に質問いたします。
柳沢厚生労働大臣の発言についての感想を
◎あべ区議
最初に、区長の政治姿勢について質問します。
柳沢厚生労働大臣が、「女性は子どもを産む機械・装置」「一人頭頑張ってもらうしかない」と発言し、国民のひんしゅくと怒りを買いました。区長は、
2007年度予算で、「子ども医療費助成制度」をはじめとする子育て支援の具体策を充実させていますが、少子化対策で最も責任の重い厚生労働大臣がこのよ
うな発言をしたことをどのように受け止めたでしょうか。率直な感想をお聞かせ下さい。
◎中山区長
阿部議員の御質問にお答えします。
初めに、政治姿勢についての御質問です。
まず、柳沢厚生労働大臣の発言をどのように受けとめているかとのお尋ねです。
先ほどもお答えしましたが、子どもを産み育てることについては、男女がともに担うとともに、社会全体で支援していくことが、現在大きく求められています。
このような中で、このたびの厚生労働大臣の発言には、人権感覚の希薄さとともに、現状認識についてのずれがあると感じています。また、国の少子化対策の責
任者の発言であることについては、大変遺憾に思っています。
女性の人格と尊厳を否定した厚生労働大臣発言に対し、抗議や遺憾の意思を表明すべき
◎あべ区議
私は、この発言は、女性の人格と尊厳を否定し、女性を人口政策の道具としかみない思想に基づくもので、単に言葉遣いや表現にとどまらない問題であると考え
ます。「子育てコミュニティタウン新宿」をめざす区長として、また、男女共同参画を推進する区長として、厚生労働大臣のこの発言に対して抗議や遺憾の意思
を表明したのでしょうか。もしまだならぜひ実行していただきたいし、安倍総理に対して任命責任を果たして大臣を罷免するよう求めていただきたいと思います
が、いかがですか。
◎中山区長
次に、抗議や遺憾の意思を表明してほしい、総理に対し大臣の罷免を求めてほしいというお尋ねです。
厚生労働大臣の発言については、既に国会の場で大臣本人及び総理が謝罪していますので、私としては意見を表明する考えはありません。
少子化対策に逆行する政策を断念せよと政府にせまるべき
◎あべ区議
柳沢大臣と安倍総理は、「申し訳ない」を繰り返しながら、一方で所得の低い母子家庭の命綱である児童扶養手当を削り、生活保護の母子加算を段階的に廃止し
ようとしています。ただ働き長時間労働を合法化するホワイトカラーエグゼンプションの導入も断念しておらず、これでは、国は少子化をもっと加速させるつも
りとしか思えません。少子化対策に逆行するこれらの政策はきっぱり断念せよと、政府に迫るべきではありませんか。区長の見解をお示し下さい。
◎中山区長
次に、児童扶養手当や生活保護の母子加算の見直し、ホワイトカラー・エグゼンプションの導入などについての見解についてのお尋ねです。
児童扶養手当については、平成14年の母子寡婦福祉法の改正により受給開始から5年後以降は最大5割を減額することができることが規定されました。これ
は、これまでの給付中心の母子家庭施策から自立支援を主体とした施策に移行することを目的にしているものです。また、生活保護の母子加算は、ひとり親世帯
に対して、生活保護を受給していない母子世帯との公平性の確保と、生活保護を受給している母子世帯の自立を促進するために見直しを行うものです。
区としても、ひとり親家庭支援については、自立支援施策に重点を置くため、就労支援や就労につながる教育訓練事業の強化及び家事援助など、家庭生活支援の
拡充を図っていきたいと考えており、平成19年度予算にも反映しているところです。また、少子化対策を着実なものにするために、仕事と子育ての両立ができ
る働き方の実現は大きな課題です。ホワイトカラー・エグゼンプションは、一定の職種、職務や賃金水準の要件を満たすホワイトカラー労働者を、労働時間規制
の適用除外とする制度です。ホワイトカラーの多様な働き方に対応した時間にとらわれない制度の整備を行うことにより、過重労働を強いるのではなく、労働時
間を短縮し、ワークライフバランスが実現できる制度にしていくことが大切であると考えています。
以上です。
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2.区政の基本方針説明と2007年度予算について
次に、区政の基本方針説明と2007年度予算について質問します。
明るくない区民生活の原因はどこにあると分析しているか
◎あべ区議
区政の基本認識で区長は、「政府の2007年度の経済見通しでは、実質2%の成長が続くと予想していますが、足下の消費動向は弱く、区民生活の実態は必ずしも明るくはありません。」と分析しています。
ここで区長がいう「必ずしも明るくない区民生活の実態」とは具体的にどのような実態を指しているのでしょうか。空前の利益をあげている大企業には減税し
国民には増税です。富を再配分し格差を縮めるべき課税が、逆に貧富の差を拡大しているからこそ、区民は明るい生活から遠ざけられているのではありません
か。明るくない区民生活の原因はどこにあると分析しているかも併せてうかがいます。
区長はまた、基本方針説明の最後で、「社会の狭間で苦しむ人にも光を当てていく」と述べていますが、2007年度予算案は、果たしてそうなっているでしょうか。
2006年度末の基金残高は459億円で、昨年同時期から53億積み増しました。来年度予算案は財源不足9億で財政調整基金を充当するとしていますが、こ
れは昨年度決算の不用額からみても容易に穴埋めできる額であり、基金はさらに増え、8年連続黒字は確実でしょう。
税のフラット化によるマイナス27億円があるものの、課税人口の増加や定率減税廃止等で区税収入は昨年度比で約13億円の増、特別区交付金の配分率引き上
げにより約35億円の増等で、一般財源でも昨年度比約52億円増加です。依命通達では、「一定の対応力を身につけつつある」と控えめな表現をしています
が、区財政は大変好調に推移しています。
一方、区財政をささえている区民はといえば、増税による打撃で危機的状態は深まるばかりです。区は、2007年度も22項目、約1.8億円の税制改正等影
響緩和策を実施する予算を提案しており、これは私たちも主張してきたところであり、評価するものです。しかしながら、「社会の狭間で苦しむ人」と区長が形
容する貧困層は今や広大に広がっており、少数派ではありません。この方々に光が当たっているか、手が差し伸べられているかといえばまだ不充分だといわざる
を得ません。堅調な伸びをしめしている区財政に鑑みれば、格差と貧困にあえぐ多くの高齢者・低所得者に継続して広く行きわたる暖かい支援策が可能ではない
でしょうか。
◎中山区長
次に、区民生活についてのお尋ねです。
私が基本方針の中で、「区民生活の実態は必ずしも明るくはありません」と申し上げたのは、暮らしやすさについての平成18年度新宿区区民意識調査の結果か
らです。区民意識調査では、「暮らしやすい」は22.5%で、前年度に比べて1.5ポイント上昇していますが、「暮らしやすい」と「どちらかといえば暮ら
しやすい」を合わせると69.3%で、前年度に比べて1.2ポイント低下しています。また、消費動向が必ずしも上向きになっていないことに加え、東京都が
示す中小企業の景況調査では、景況は依然として足踏み状態が続くとされていることなどから、一部に明るさは出てきているものの、まだ区民生活の実態につい
ては厳しい面があることも事実であると認識したところです。
区営住宅の新規建設及び高齢者等への家賃助成について
◎あべ区議 第1は、住宅への支援です。
住宅まちづくり審議会「答申」の中間のまとめでは、「区営住宅のセーフティネット機能」を重視しながらも、真に必要とする生活困窮者に供給すると言って、
入居者絞り込みの方向性を示しています。しかし、これは区営住宅が希望者に比べて圧倒的に不足しているという問題の本質をそらすものです。新規の供給がな
く、空き家募集だけでは、どんなに力を尽くしても狭き門を入れません。社会の狭間で苦しむ区民に光をあてるというならば、区営住宅の新規建設をすすめるこ
とこそ必要だと考えますが、いかがですか。
2007年度予算案では、東京都がなくしてしまう住み替え家賃助成を区独自で行うことや保証会社に支払う保証料の助成が新規施策で計上されており、歓迎す
るものです。しかし、引っ越しする高齢者だけが苦しいわけではありません。固定経費である住宅費を確保するために、閉店間際の半額のお総菜を買って節約し
たり、80歳近くなっても朝暗いうちに起きて清掃や管理人の仕事をしている方もいます。先の「答申」中間のまとめでは、高齢世帯への家賃助成も有効な政策
手段と指摘しつつ、財政負担など克服すべき課題があり、慎重に検討すべしとしています。財政負担の力量は備わってきています。
私は、住宅困窮度の高い方むけの都営住宅ポイント募集の申し込み基準に合致する高齢者・障害者・母子世帯などを対象に、月1万円の家賃助成を早急に実施す
ることを提起します。仮に500人に助成しても6000万円です。今の区財政でできない額ではありません。いかがでしょうか、お答え下さい。
◎中山区長
次に、区営住宅の新規建設についてのお尋ねです。
区営住宅は、平成19年1月末現在1,063戸と、世帯数における区営住宅の割合も23区の中で上位にあり、量的には充足していると考えています。今後
は、住宅まちづくり審議会からの御意見を踏まえ、区営住宅ストックの有効活用と公平で的確な運営により、区営住宅のセーフティネット機能を強化していきま
す。
また、民間賃貸住宅への円滑入居の促進など、住宅セーフティネットの構築に向けた総合的な取り組みを検討してまいります。したがって、現在のところ、区営住宅の新規建設は考えておりません。
次に、高齢者等への家賃助成についてです。住宅まちづくり審議会からも慎重に検討すべきとの御意見がありましたように、今後、高齢者等への家賃助成につい
ては、施策の有効性や後年度負担の問題、及び他の施策との関連など、さまざまな課題を十分整理して検討していく必要があると認識しております。
生活保護世帯への夏冬見舞金の復活を要求します
◎あべ区議
第2は、生活保護世帯への支援です。
老齢加算の廃止は憲法25条に違反するとして、今月14日生存権裁判が提起され、新宿福祉事務所も被告になっています。老齢加算は国が回復すべきものです
が、新宿区も、1999年度までは夏4000円冬6000円あった見舞金を翌年から1000円ずつ減らし、2002年度には廃止しました。「都の見舞金が
あるから」「財政危機だから」と見舞金をなくしましたが、今日そのいずれの理由も根拠を失いました。生活扶助費も下げられており、ここにこそ光を当て、手
を差し伸べるべきでないでしょうか。私は、生活保護世帯への夏冬見舞金の復活を要求するものですが、区長の見解を求めます。
◎中山区長
次に、夏冬見舞金の復活についてのお尋ねです。
区の夏冬見舞金については、平成14年度に廃止しました。その後、都の夏冬見舞金については、平成17年度に廃止をしたと同時に、被保護者の就労や社会参
加に向けた努力がより一層反映される制度として、見舞金という現金給付から、区が独自に取り組む事業に対して全額補助を行う被保護者自立促進事業を創設し
ました。
現在、新宿区では、被保護者の自立を促進するという生活保護制度の流れの中で、NPOとの連携によりこの被保護者自立促進事業を活用し、食事のセミナーや
パソコン教室などの講座講習会の開催、義務教育就学中の子どもと親に対する家庭訪問により、学習や生活に関する助言、指導を行うなど、健康の維持や基本的
な生活習慣の確立、社会参加の促進など、子どもを含む被保護者に対する自立を積極的に支援しているところです。
生活保護制度における生活扶助については、期末一時扶助や冬期加算なども含め、全国一律に決められた基準により運営しているものであり、生活扶助と同様な性格を持つ区の夏冬見舞金を復活する考えはありません。
職員の健康状態についての認識と、人員配置を含む事態打開策について
◎あべ区議
この項の最後に、施策の推進体制についてうかがいます。
区は、1998年度からの9年間で職員数を705人減らし、およそ5人に1人の割合で少なくなっています。そんななか、ここ2年程メンタルな病気で欠勤す
る職員が増えています。04年26名だったのが現時点では52名と倍加です。慢性的な人手不足は、職員の疲労を蓄積させ、新たな罹病者を生み出すことにな
ります。さらに、目標管理型人事考課制度で、身も心も追いつめられれば、悪循環の渦は広がるばかりです。生活福祉課は来年度ようやく6名増員するとのこと
ですが、減らすだけでなく、必要な部署に必要な職員を配置することは、区民サービス向上の観点からも重要です。職員の健康状態についての区長の認識と、人
員配置を含む事態打開策をお聞かせ下さい。
◎中山区長
職員の健康状態についての認識と、人員配置を含む事態打開策についてですが、区では従来から、職員を必要な部署に配置するとともに、非常勤職員や臨時職員
を採用するなど、職場の執行体制を整えてきました。また、職員定数の削減については、これまで職員が行ってきた仕事を業務委託したり、再任用職員を活用す
るなどの方法で効率的な区政運営を実現するために行ってきたところです。
御指摘のとおり、心の健康問題により病気休暇を取得する職員や休職となった職員が、ここ数年で増加していることは認識しております。心の健康問題を引き起
こす原因は人によってさまざまであり、特定することは困難ですが、目まぐるしい現代社会においては私たちを取り巻く生活環境や社会環境の急激な変化も、そ
うした要因の一つになるのではないかと考えております。
区では、これまでも、月1回の精神科医による面談を庁内で行うなど、職員への予防的なメンタルヘルス対策を講じてきましたが、平成18年7月からは外部の
医療機関と契約を結び、臨床心理士や精神保健福祉士による面接カウンセリングを、土曜日を含め随時行えるようにしました。さらに、心の健康問題により休業
した職員の職場復帰を支援する制度を平成19年度からの実施に向けて安全衛生委員会において検討しているところです。今後もこうした取り組みを充実させて
いくことで、職員の心の健康管理に努めてまいります。
四谷第五小学校を民間事業者に貸し付けるに至った決定過程について
◎あべ区議
さて、今月14日の総務区民委員会に、四谷第5小学校を吉本興業に10年間貸し付ける報告がされました。降ってわいたような突然の報告で、管理職の中にも
びっくりした方がいるでしょうし、まだ知らない区職員もいるのではないでしょうか。放置自転車や膨大な段ボールの箱はどうするのか、会議室の使用は今後ど
うするのかといった当面の問題も含めて、関係する部署や職員も加えた内部の検討が充分なされた上での決定だったのでしょうか。決定過程から疎外されて結果
だけ突きつけられる職員は、いくら意欲を持てと言われても素直には受け止められないことでしょう。トップダウンではない「柔軟で多様な開かれた参画システ
ム」は、まずは区役所の中から構築すべきであると私は考えますが、区長の認識と見解をうかがいます。
◎中山区長
次に、旧四谷第五小学校の校舎等を民間事業者に貸し付けるに至った決定過程についてのお尋ねです。
今まで、旧四谷第五小学校の校舎部分については、学校用途のまま一時的に会議室や書庫として使用しています。校舎の利用について、事務所への転用も検討さ
れるところですが、今後この部分を用途変更し事務所棟として使うことになれば、消防法上の課題として防火壁の設置や耐震補強工事に数億円の経費がかかるな
ど、さまざまな課題がありました。そして、これらの諸課題や地域の活性化に寄与できる方策について、関係部課とも協議、調整を行ってまいりました。
その後、昨年12月、歌舞伎町ルネッサンス推進協議会喜兵衛プロジェクトから、旧四谷第五小学校施設を活用し歌舞伎町ルネッサンスに協力する事業者を誘致
したい旨の提案があり、協議会から区に対して要望がありました。検討の結果、協議会からの提案を受け入れることが妥当と判断し、関係部課とも十分に調整の
上、ことし2月の政策経営会議において決定したものです。 以上でございます。
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3.住民税の減免について
◎あべ区議
次に、住民税の減免について質問します。
自民・公明政権によって、定率減税と老年者控除が廃止され、公的年金控除の縮小、高齢者の住民税非課税措置の廃止などの庶民大増税が強行されました。年金
は減っているのに住民税が上げられ、それにつられて国保料、介護保険料、医療費、公営住宅の家賃、シルバーパスと、相次ぐ値上げ攻勢に区民は悲鳴を上げて
います。昨年7月末から実施しているわが党の「区政アンケート」にも、怒りや不安の声がたくさん寄せられています。
この税制改定で新宿区は税収が増え、2007年度も定率減税の全廃で10億円の増収をみこんでいます。区民の収入が増えて区財政が豊かになるなら結構なことですが、そうではありません。あれこれの税控除をまとめて剥ぎ取られた高齢者は特に深刻です。
住民税を減免するための区税条例改正案を議員提案するが、区も実施する意向はないか。
◎あべ区議
新宿区特別区税条例36条は住民税の減免を規定しており、対象となるのは生活保護を受ける者と、所得がなくなり生活が著しく困難になった者若しくはこれに
準ずる者となっています。しかし、生活が苦しいと区役所に相談に来ても、分納には応じてくれるものの減免を適用された方はいないとのことです。川崎市や横
浜市には、定められた収入基準以下で、かつ生活が困難な少額所得者の住民税を減免する制度があります。
私たちは、川崎市の制度を調査しました。例えば65歳以上1人暮らしの場合なら、公的年金収入が232万7600円以下で、生活が困難な状況が把握できれ
ば、住民税が免除されています。給与収入の方も、年齢に関係なく定められた基準以下なら減免が可能となっています。川崎市ではこの制度で年間200人ほど
が住民税を減免されているそうです。日本共産党区議団は、川崎市の条例を参考にして、今定例会に住民税を減免するための区税条例の改正案を議員提案します
が、区としても実施する意向はないでしょうか、お伺いします。
◎中山区長
次に、住民税の減免についてお答えします。
地方税法第323条には、天災その他特別の事情がある場合等について、市町村民税の減免を必要とすると認める方に限り、市町村の条例で減免することができ
ると規定されています。本条は、徴収猶予や納期限の延長等によっても到底納税が困難であると認められるような、真に担税力の薄弱な方につき、その個別具体
の事情に即して税負担の軽減、免除を行うための措置として設けられているものです。
特別区税条例第36条は、これを受けて、区民税の減免に関する規定を設けているものですが、減免とするか否かは、個々の納税義務者の当該年度の納付時点
の担税力に着目してなされるべきものですので、一定の事由により一律に減免できるとする考え方は、法の趣旨に照らしますと強い疑義があるものと考えます。
また、所得金額が一定金額以下の低所得者の方に対しては、別途、地方税法上で、均等割非課税限度額の規定があり、御提案の方法ですと、この法定の均等割非
課税限度額の引き上げにつながると危惧されますので、区として実施する考えはありません。
なお、平成18年度の特別区民税については、年度途中で生活保護法の規定による扶助等になった方などに対し、1月末現在で30人について減免を行っています。
区報で、税金控除の仕組み等について、区民にわかりやすく知らせるようにすべきではないか
◎あべ区議
住民税についての2つめの質問は、残されている税控除の制度である障害者控除、医療費控除、介護保険サービス費控除などの制度解説・利用促進を新宿区が積極的におこなうことです。
介護認定を受けている方が、「寝たきり」とか「認知症」などの場合、必要な手続きをすれば、障害者控除や特別障害者控除が受けられ、税金が安くなるケース
があります。昨年私が相談を受けた方は、障害者控除の申告をして課税から非課税にもどりました。2006年度は障害者10件、特別障害者43件の認定が
あったとのことですが、要介護状態の高齢者の人数からすれば、もっとあってしかるべきでしょう。この程度の数にとどまっているのは、制度の存在が区民にま
だよく知られていないからにほかなりません。
また、私もそうであったように、医療費控除は10万円以上と思いこんでいる方が多いと思います。200万未満の所得の方はそれ以下でも医療費控除が可能です。介護サービスも内容によっては、医療費と同様に控除されます。
私たちは昨年来、確定申告することで税金が控除され、納税額が下がったり、非課税になる制度を区民に効果的に周知することを求めてきました。区役所税務課
の窓口で丁寧に対応していることは承知していますが、区役所に来れない区民にも懇切丁寧にお知らせし、制度の活用をもっと促していただきたいのです。1月
25日号の区報で確定申告についてのお知らせがありましたが、お話したようなケースを丁寧に取り扱い、説明している記述は見当たりませんでした。再度、区
報で税金控除の仕組みと手続きの仕方をわかりやすくお知らせをすべきではないでしょうか。また、ケアマネージャーなどを通じて個別に情報提供して活用を促
すならば、さすがは「好感度一番の区役所」といわれるでしょう。税務課はじめ関係部署が共同して制度の周知に努めることを求めますが、いかがですか。
◎中山区長
次に、税に関する制度解説、利用促進のあり方についてお答えします。
毎年度、税申告の仕方や税制改正の内容などにつきましては、区広報紙のほか税務課のホームページや税務関係団体の広報紙などを利用して、区民の皆様への周
知に努めています。税制の内容は多岐にわたりますので、すべての件について具体的に詳しく説明することには限界がありますが、特別区民税、都民税の申告書
や納税通知書の送付時には、医療費控除を初めとした各所得控除の内容等も含めて、より詳しく記載したチラシを同封して、わかりやすい説明となるようにして
います。特に、平成19年度は税源移譲に伴う税制改正の適用がありますので、その件について再度、区民の皆様に周知する際にあわせて、御指摘の医療費控除
や障害者控除の内容についてもわかりやすく周知できるよう努めてまいります。
また、高齢者サービス課などの関係部署は、従来から障害者控除等の税制上の仕組みを窓口などで説明をしてきましたが、より一層制度の対象になる方々が適正に利用できるよう、ケアマネジャーの連絡会であるケアマネット新宿などを通じた周知を図ってまいります。
以上です。
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4.国民健康保険料の引き下げについて
次に、国民健康保険料の引き下げについて質問します。
均等割保険料を上げず、保険料を据え置くべき
◎あべ区議
今定例会に国民健康保険条例の一部改正が提出されています。今回の一部改正の主な理由は、国の地方税法の改正で、個人住民税所得割税率のフラット化がされ
たことにより、保険料負担が増加する被保険者に配慮するための激変緩和措置を規定する必要が生じたためとしています。
しかし、提案されている条例案は、たとえ「激変緩和」の措置をとったとはいえ、均等割でまたしても1,800円の値上げです。この5年間で見ると、
2002年度に27,300円だった均等割が、2007年度案では35,100円になり、7,800円も値上げされています。所得割においても、65歳以
上の一人世帯、200万円から230万円の年金所得者の場合、20%から30%もの値上げという、低所得者により多くの負担を強いるものとなっているので
す。これは、個人住民税で65才以上の高齢者の合計所得金額が125万円以下の者に対する非課税措置が廃止されたことによるものです。最も深刻なのは65
歳以上の2人世帯で200万円の年金所得者の場合です。33,300円だった保険料が、なんと倍以上の70,200円となり、あらたに36,900円の値
上げになってしまいます。このような国民健康保険料の値上げが実施されれば、昨年6月も税務課と国保年金課の窓口に疑問や苦情が殺到しましたが、その時以
上の混乱が予測されます。
そこで、お伺いしますが、第1に、毎年のように連続して値上げされている均等割保険料のこれ以上の値上げをおこなわず、今年度保険料を据え置くべきと考えますが、いかがでしょうか。
◎中山区長
次に、国民健康保険料の引き下げについての御質問にお答えします。
国民健康保険料については、保険者負担分医療費の2分の1を保険料で賄うという原則に基づき、23区統一保険料方式により算定しているものです。また、中
間所得層への負担の偏在を是正するため、従来から所得割と均等割の賦課割合の改善を進めており、平成19年度では1ポイントの改善を行ったところです。こ
れらのことから、均等割保険料の値上げを行わず、保険料を据え置くことは困難であると考えております。
都へ保険安定基盤率の引き上げを要求すべき
◎あべ区議
第2には、今回の条例改正によって最も影響を受ける低所得者への新たな負担を軽減するために、区の一般財源を投入してでも値上げを押さえる努力を尽くすべ
きです。また、区長会にも呼びかけて共同し、東京都に対して被保険者の負担軽減のための保険安定基盤率の引き上げを要求すべきと考えますがいかがでしょう
か。
◎中山区長
国民健康保険特別会計への一般会計からの繰入金については、平成17年度決算において50億円という規模にもなっており、区民の皆様に支えていただいている国民健康保険の現状を考えれば、保険料引き上げはやむを得ないことと考えております。
条例改正案への区長の認識は?
◎あべ区議
今回の住民税フラット化により、区民税・都民税の合算ベースで、税率が5%から10%となる課税総所得金額が200万円以下の国保被保険者の保険料は、別
途減額の制度はあるにしても、およそ4億円の負担増となります。一方、東京都にいたっては、なんと2,974億円もの個人都民税の増収が見込まれるのです
から、還元して当然です。
私は、このままでは、「低所得者だけが泣き寝入りをしなさい」といわんばかりの条例改正案でしかないと思いますが、この点での区長の認識も含めてお答えください。
◎中山区長
保険基盤安定制度については、基準政令に基づく全国的な制度であり、東京都へ改善の要求を行うことは困難ですが、低所得者への負担軽減のために、従来から
全国市長会を通して国の責任において保険料の統一的な減免制度を創設することを要望しているところです。このような状況の中で、今回の条例改正につきまし
ては、特別区が採用している保険料所得割の算定方法である住民税方式の枠組みの範囲内で、できる限りの対応として激変緩和措置を行ったものと認識していま
す。
また、保険料の一般減免制度についても、特別区共通基準に基づいて実施しており、その認定に際しては、実収月額を確認できる書類の添付などをお願いしているところです。
減免制度の周知と窓口での申請者の立場の尊重に努めるべき
◎あべ区議
第3には、国保料の一般減免申請の周知についてです。毎年のように行われる国保料値上げに比例して滞納者は増加しています。一方、一般減免申請者は、10
年前には100件以上あったのが、近年は、その3分の1程度しかありません。私は、所得の格差が激しく拡大している今、あらためて、区広報への掲載をはじ
めとして一般減免制度の周知を図るとともに、担当窓口で申請者の立場を尊重した対応に一層努力すべきと考えますがいかがでしょうか。お答え下さい。
◎中山区長 制度については、区広報や「くらしと国保」などで周知を図っているところですが、なお一層の充実に努めるとともに、申請者の方に対してもきめ細かく丁寧な対応に努めてまいります。
以上です。
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5.介護保険料・利用料の減免について
次に、介護保険の保険料、利用料の減免について質問します。
新宿区独自の介護保険料、利用料の減免制度の創設を求めます
◎あべ区議
区長は所信表明で、「区民の生活実態に目を凝らし、真に支援が必要な場合については、適切な行政サービスを提供していく必要があります。」と述べられまし
た。しかし、具体的な施策として介護保険の保険料、利用料の負担を軽減するようなものはほとんど打ち出されませんでした。
基本構想、基本計画の策定に向けた、区民会議からの提言書や、基本構想審議会の骨子案に対する区民会議第2分科会からの意見に見られるように、「介護が必
要となった時に、経済的理由や施設の定員、サービスの供給量といった要因で、住み慣れた地域の中で必要なサービスが受けられないといったことがないよう」
という願いは区民全体の願いを反映しているのではないでしょうか。2006年度の区民意識調査でも、区政への要望の第1位は、前年度同様「高齢者福祉の充
実」でした。
区内の都営アパートに住んでいるご夫婦の話です。月約20万円の年金で細々とくらしてきましたが、ご主人が脳梗塞で倒れ、要介護5で介護保険の施設に入所
しました。介護保険法の改悪で施設への支払いが月14万円にもなるので、奥さんが自宅で介護しようと検討していた矢先に、奥さんの肝臓と食道にガンが見つ
かり、自宅での介護どころか自分の病気で月8万円も治療費がかかるようになってしまいました。生活保護の相談に行っても月20万円の年金収入があるので対
象外です。返済できないので借金もできません。施設への支払いを先延ばしして、なんとかしのいでいますが、施設から追い出されはしないかと心配でなりませ
ん。こんな現実が区内にはあるのです。
政策研究大学院大学の黒川清教授が代表理事を務めている民間研究機関「日本医療政策機構」が行った「日本の医療に関する二〇〇七年世論調査」では、病気に
なったときに医療費を払えない不安を持つ人は、高所得層36%、中間層は74%、低所得層は84%でした。また、過去一年以内に、具合が悪くても医療機関
に行かなかった人の割合は、高所得層16%、中間層25%に比べて低所得層40%であり、医療に関しても格差が大きいことが浮き彫りになりました。
医療の分野でも介護の分野でも、重い負担が受診抑制、利用抑制につながっています。
区長は、介護保険の保険料負担がくらしを圧迫し、いざ介護が必要となったときの利用料が大変で、必要な介護を充分利用できない人がいるということについてどのようにお考えでしょうか。介護保険の保険料や利用料を減免する制度があれば、区民を救えるのです。
自分ではどうすることもできず困っている区民に手をさしのべることが区政の役割ではないでしょうか。介護や医療の負担が重くて命を削るようにして暮らして
いる区民こそ、真に支援が必要と言えるのではないでしょうか。しかも、新宿区には豊かな財源があるのですから大いにその役割が果たせるではありませんか。
昨年の第3回定例会でも、渋谷区の例を示して、一般財源を投入してでも介護保険料の負担を軽減すべきと要求してきましたが、その頃よりさらに区民の負担が
増えています。改めて介護保険料の減免策を要求します。また、利用者負担の軽減ではすでに通所介護等食費助成事業を区の一般財源で行っており、さらに対象
事業を拡大すべきです。新宿区独自の介護保保険料、利用料の減免制度創設について、区長の答弁を求めます。
◎中山区長
介護保険料、利用料の減免制度についてのお尋ねです。
まず、介護保険料についてですが、第3期の保険料は、階層の多段階化や税制改正に伴う保険料の激変緩和、さらに区独自の低所得者への特別対策など、きめ細
かな対応を行っています。このため、第3期の保険料について、さらに一般財源を投入し区独自の減免制度を創設することは適当ではないと考えております。
次に、利用料についてですが、介護保険制度の中で高額サービス費や施設サービス費などの居住費、食費などの負担額の減額などの軽減制度があります。また、
区独自で通所介護などの食事費用助成を行っています。このため、新たな区独自の利用料の減免制度を創設することは考えておりません。
また、保険料の滞納により給付が制限されることのないように、個別の事情を聞きながら適切に対応するなど、住みなれた地域の中で必要なサービスが受けられるよう努めてまいります。
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6.障害者施策について
次に、障害者施策について質問します。
応益負担の撤回と、障害者制度と介護保険制度を統合しないことについて国に求めよ
◎あべ区議
障害者自立支援法が、昨年4月に施行され、10月からは本格実施となり、矛盾が噴出しました。利用者からは「利用料が高く払いきれない。軽減してほし
い」、施設・事業者からも「減収で運営が困難。月払いにしてほしい」など改善を求める声と運動が大きく広がりました。厚生労働省は、昨年12月26日に
「障害者保健施設関係主管課長会議」を開き、利用者負担の軽減など3点の改善策を発表しました。厚生労働省がこのような措置を講じたことは障害者のみなさ
んの実態からして当然のことですが、施行から1年もたたないで大きな見直しをせざるを得なかったことは、自立支援法が狙った応益負担がいかに障害者の実態
から乖離したものであったかを改めて浮き彫りにしました。昨年の第3回定例会に、日本共産党区議団は、利用者負担を区独自に法定上限の半分に押さえる条例
を提案しました。残念ながら2会派を除き反対だったため否決されましたが、この提案に道理があったことを厚生労働省も認めた結果となりました。
また、新宿区も4月から通所施設利用者を含む全サービスの利用者負担を3%に軽減する予算を組んでいます。私たちは早くから応益負担をやめて元のように無
料に戻せと主張してきましたが、3%は大きな前進です。国の対策で重度の方が助かりますし、区の対策はサービスを利用するすべての障害者の負担を軽減する
ことになります。
では、これで問題がないかと言えばそうではありません。自立支援法の応益負担はまだなくなってはいません。応益負担の撤回を重ねて国に求めるべきと思いま
す。また、国は3年後を目途に介護保険制度との統合を計画しています。その狙いは障害者予算の削減です。高齢者と障害者は、生活の実態もニーズも異なりま
す。必要とするサービスの内容も量もちがいます。それを無理矢理統合することは、障害者の自立を損なうことです。障害者施策と介護保険制度を統合するなと
いうことも国に求めるべきです。いかがでしょうか。
◎中山区長
障害者施策についてのお尋ねです。
初めに、障害者自立支援法の応益負担の撤回を国に求めるべきとの御質問です。
障害者自立支援法制定の趣旨の1つは、増大する福祉サービスの費用を皆で負担し支え合うという考え方です。サービスの利用者が、利用したサービスの量や所
得に応じた公平な負担を行うとともに、国と地方自治体が責任を持って費用負担を行うことで、財源を確保し、必要なサービスの充実を図ろうとするものです。
このような法の趣旨による費用負担の考え方は必要であると認識しており、また、新たな負担軽減策も導入されているため、国に対し撤回を求めることは考えて
おりません。
区としては、これまでの独自の軽減策に加え、さらなる軽減策を実施いたしますが、地域で生活する障害者の生活実態を把握する中から、区として国に要望する必要があることについては要望をしてまいります。
次に、高齢者と障害者は、生活実態もニーズも必要とするサービスの内容も量も異なるので、障害者施策と介護保険制度を統合しないよう国に求めるべきとの御質問です。
御指摘の点については、制度の運営を行っている区市町村の意見、要望を反映して、十分な議論や検討が行われることが必要と考えております。
心身障害者巡回入浴サービスの巡回回数の増加について
◎あべ区議
もう一点、心身障害者巡回入浴サービスについてうかがいます。
私の知り合いで、重度の息子さんを在宅で介護している70代のお母さんがいます。これまではお母さんが息子さんを抱き抱えてお風呂まで運んでいました
が、膝を悪くしたため風呂場まで運べず、いまは区の巡回入浴サービスを利用しているそうです。でも巡回入浴は月3回までしか利用できません。カレンダーの
都合で次の巡回まで間があくときなどは、やむなく全額自費でお願いしているそうですが、1回の支払いが14,070円もかかり、気安くは頼めません。せめ
て週に一度、夏場ならもう少し巡回の回数を増やしてもらえないかというのです。これは贅沢ではなく、ささやかな願いだと思います。このお母さんの切なる願
いをかなえることはできないでしょうか。お答えください。
◎中山区長
次に、心身障害者巡回入浴サービスについてです。
本事業は、区の単独事業で、現在の巡回入浴回数は月3回を限度としております。自宅での入浴については、ほかに障害者自立支援法の身体介護でも行えますの
で、御相談いただきたいと思います。また、障害者自立支援法の施行により、他の障害者福祉制度の見直しが行われており、本事業もこれらの見直しにあわせて
利用回数や利用者負担などについて見直しを行っているところです。
以上でございます。
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7.学校選択制見直しと30人以下学級の実施について
次に、学校選択制度の見直しと30人以下学級の実施等について教育委員会に質問いたします。
学校選択制度の見直しについて
◎あべ区議
学校選択制度が導入されて通学区域が自由になったことで、この時期には希望の学校にいけない児童生徒がいます。理由の如何に関係なく自由に学校を選択でき
ると導入しましたが、定員制の下で抽選から落ち、区立中学校でありながら、希望の学校に入学できない子どもの心は傷ついています。
ところで、学校選択制導入以降、区立の小・中学校のへの入学は確実に増えたでしょうか。昨年度は小学校で9%、中学校では37%の子どもたちが私立に進ん
でいます。なぜ私立の学校に進まなければならないのか、区立学校の教育に魅力がないのか、ここにこそ根本的なメスをいれることが求められています。
そもそも私立に行かず区立に通うだけで、親の教育費の負担は大幅に軽減されます。2005年の文科省のデータでは、公立中学校3年間で131万円なのに対
し、私立中学校ではその約3倍の370万円かかっています。文科省の子どもの学習塾費用の調査では、公立中学校では74%が塾に通い費用は年間23万円、
私立は55%で年間22万円かかっています。今更ながら教育費の大きさに愕然としますが、区立学校の教育を充実させ、入学率を高めることは、結果として保
護者の負担軽減にもつながります。にもかかわらず私立学校進学の傾向は、新宿区に限らず都市部では顕著です。学力や進路など志望動機が多岐にわたるととも
に、私立学校側も必死の経営努力をおこなっています。区立教育でも一層信頼を高める本格的な取り組みが求められています。
そのためには、第一に学校選択制度を見直すことです。
昨年の学校選択制度の保護者アンケートでは小・中ともに94%の方が満足しているという結果がだされています。しかし、学校選択の事由は、自宅からの距離
や通学区域内など基本的にはこれまでと変わりありません。これらは導入前も指定校変更で対応されていました。選択制導入から丸3年が経過して、むしろ学校
間で入学数の差が大きくなっていることが深刻です。その結果、教員の体制をとってみても、小規模校は先生の事務量が増えて大変だ、逆に大規模校はスクール
カウンセラーなど一律配置ではなく人数をふやしてほしい、もっと巡回の数を増やしてほしいなど、新たな問題もうまれています。
教育委員会は、著しく児童・生徒数が増減した学校が生じた場合にはその原因や問題点を早期に調査し、学校と連携して適切な対策を講じて改善をしていく必要があると述べていましたが、これまでどんな対策をとられてきたのかご説明ください。
◎金子教育長
教育委員会への御質問にお答えします。
学校選択制の見直しについてのお尋ねです。
まず、児童・生徒数が著しく増減した学校の対策についてです。
児童・生徒数が増減している学校もありますが、学校選択制のねらいである魅力ある教育活動の推進と開かれた学校づくりという側面から、教育委員会と学校が
緊密な連携のもとに、その学校に応じた特色ある学校づくりに資するよう、区費講師を配置するなどの支援を行っております。
◎あべ区議
また、当初から5年ぐらいをめどに検証の必要性があるといっていたのですから、問題をこれ以上拡大しないためにも早急な検証と見直しが必要なのではありま
せんか。検証する際は、区立だけでなく、私立等を選択した保護者・児童生徒へのアンケート調査を実施することも求めます。あわせてご答弁願います。
◎金子教育長
次に、検証と見直しについてです。学校選択制度導入時より、毎年、新1年生の保護者アンケートを実施しており、特に平成17年からは満足度調査等の検証も
加味して行っています。その結果、入学満足度も小・中ともに94%に達しています。アンケートの中には、「通学区域の学校が良いので通っていますが、いろ
いろ選択肢があるのはとてもよいことだと思う」という声もあり、保護者の代表的な御意見と受けとめております。
学校選択制につきましては、保護者アンケートを今後も引き続き実施するなどの検証を行ってまいりますが、保護者の大多数から支持されている状況から、現在の方式を継続してまいりたいと考えております。
小中学校の先生の交流により魅力ある学校づくりをし、入学数のちがいを是正することが必要ではないか。
◎あべ区議
特に区立中学校で、入学数に大きなひらきが出ています。このことを是正する上では小・中学校の交流を今以上にすすめることが必要ではないでしょうか。とく
に先生方の交流が求められています。近くの学校でもお互いの顔も知らないことが珍しくないそうです。先生方も大変だと思いますが、子どもたちが通っていた
小学校、これから通う中学校の先生方が互いに魅力ある学校づくりに協力し合い、地域の教育力を高めることが求められています。負担にならない形で何とかで
きないかと思いますがいかがですか。
◎金子教育長
次に、小・中学校の交流についてお答えします。
小・中学校の先生が交流することでお互いの指導法を学び合うことができ、また、お互いの子どもの成長過程を共有することで、一貫性のある指導がより充実していくものと考えます。
そこで、平成19年度には、連携教育の推進を初め、推進研究校で9年間を見通したカリキュラム開発及び指導方法の研究等を行います。この事業の特徴の一つ
である推進研究校に区費講師を配置することで、お互いの先生が無理なく学校を離れて教育活動に相互参加したり、合同研修することがスムーズにできるように
なります。今後も、小・中学校の一層の連携を図るとともに、地域に選択される魅力ある学校づくりを支援してまいります。
30人以下学級を本格的に取り組み、区費講師ではなく、区費の常勤教員を採用すること。
◎あべ区議
第二に、思い切って30人以下学級に本格的に取り組むことです。
30人学級に踏み出していないのは都道府県は東京都だけになっています。2005年10月3日の「今後の学級編制及び教職員配置についての最終報告」では
「実際、小学校低学年の場合、学級とは別に学習集団を作るよりも、基本的な生活集団と学習集団を一体として少人数化を図ることが効果的と考えられる」とし
ています。これをまとめた教職員配置等のあり方に関する調査研究協力者会議には、当時の横山都教育長も委員として参加していますが、その後一向に事態は前
進していません。現在開会中の都議会でも少人数学級実施の質問に対し、都教育委員会は学級規模について「生活習慣としての教育効果を考えた場合、児童生徒
が集団の中で互いに切磋琢磨し社会的適応能力をはぐくむためには、学級には一定規模が必要であると考えている従来との方針とかわりない」と答弁して、いま
だに固執しています。
京都市は、今年の4月から全中学校の3年生を対象に、30人学級に取り組むそうです。京都市はこれまでも小学校1・2年生を対象に35人学級に取り組んできました。新宿区でも30人以下の学級が多く、そこでの教育効果もすでに実証済ではないでしょうか。
確かな学力の育成への取り組みの意識調査・分析では、学力推進員がはいったことで丁寧な指導や多様な指導に効果的であると評価されています。また、多忙感
の緩和については、小学校で5割、中学校で6割の先生が肯定的に応えており、確かな学力推進員が校務分掌や部活動を担当できることが要因になっていると指
摘しています。
学校が抱える諸問題解決の方向が、30人以下学級にして、教員を増やすことにあることはこの調査結果からも明らかです。したがって、区教委としても小学校1年生から30人以下学級の編成に直ちにとりくむべきです。
そのためには、まず区が実施を決断し、東京都教育委員会に対して学級編制の裁量を強く求めるとともに、区教育委員会が非常勤講師ではなく常勤の教員を採用することが求められると考えますが、いかがですか。
◎金子教育長
次に、30人以下学級の本格的取り組みについてお答えします。
区が独自に常勤の教員を採用することについては、任用上及び財政的負担等多くの課題があり、考えておりません。したがって、人的、施設的な面で多くの課題のある30人以下学級の実施についても、実現は難しいとの考えに変わりはありません。
既に各学校では、教科等の特性に応じて学級編制と異なる学習集団を編成して、加配教員や区費講師等による少人数授業を行っています。複数の教員によるきめ細かな指導を通して、学力の向上に向けて効果を上げています。
スクールカウンセラーの常駐化、複数配置について。また、教育委員会にソーシャルワーカーを配置することについて
◎あべ区議
第3にスクールカウンセラーの常駐化・複数配置と、ソーシャルワーカーの配置です。
選択制度のもとで学校規模の格差が広がっています。スクールカウンセラーも一律の配置ではなく、大規模校には生徒数に応じて増やすなど、実態に即した対応
が求められています。この際、学校に常駐させ、生徒数によっては複数配置に踏み切ってはいかがでしょう。
また、教育委員会にはソーシャルワーカーを配置し、貧困が拡がる下で福祉的な対応ができるようにすべきと思います。お答えください。
◎金子教育長
カウンセラーの常駐化、複数配置に関する御質問にお答えします。
スクールカウンセラーは、小・中学校全校に配置されており、いじめや不登校、発達障害等の対応について、定期的に養護教諭や教職員と情報交換を行い、各校
の教育相談活動の充実に重要な役割を果たしています。生徒数に応じて複数配置が必要なのではとの御意見についてですが、これまでの各校の相談状況を見ます
と、カウンセラーへの相談件数は必ずしも児童・生徒の在籍数に比例するわけではありません。全校児童・生徒数が少なくても、課題を抱えた児童・生徒がいる
場合、本人やその保護者、または学級担任への助言等でカウンセラーの活用度が高い場合もあります。
教育委員会としては、各校の実態に応じて、目白大学との協定によるメンタルサポートボランティアや、子どもと親の相談員を導入するなど、少しでも子どもたちにきめ細かくかかわれるようにしています。
次に、教育委員会にソーシャルワーカーを配置することについてのお尋ねです。
ソーシャルワーカーは、生活保護における相談援助及び障害者や児童、高齢者への相談業務など幅広く福祉を中心とした生活相談を担当する職種です。経済的事
由に限らず、問題を抱える家族やそのような環境で育つ子どもに対し、個々の事情に応じた指導や相談体制が求められております。こうした対応は、第一義的に
は、各学校における教育活動を通じて行っておりますが、教育委員会においても就学相談やいじめ相談など必要な体制を整えてまいりました。今後も、家庭や子
どもの実態や社会状況の変化に応じ、現体制の中で必要な指導、相談を行ってまいります。
区はただちに特別教室の空調化に取り組むべきと思うがどうか
◎あべ区議
第4に特別教室の空調化についてです。
普通教室の空調化は子どもたちから大歓迎されました。でもまだ特別教室が残されています。区はただちに特別教室の空調化に取り組むべきと思いますがいかがですか。
子育てと教育は新宿の未来を創る大事業です。米百俵の精神で課題に取り組まれることを要求します。
◎金子教育長
次に、特別教室の空調化についての御質問です。
特別教室のうち、音楽室、コンピュータ室、図書室については、既に空調化を完了しています。残りの全特別教室の空調化につきましては、課題としては認識し
ていますが、現在、施設整備の優先順位の高い耐震対策などに取り組んでおり、空調化による財政負担などを考えると、これらが一段落してから検討を始めたい
と思います。その際は、空調の運用状況などを検証した上で、近隣への排熱、騒音、地球環境への影響なども考慮し、真に必要な教室についての空調化を検討し
てまいります。
以上で私の答弁を終わります。
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