2008年 第3回定例会代表質問 松ヶ谷議員

2008年第3回区議会定例会に当たり、当区議会議員団を代表して、区長並びに教育委員会に質問をいたします。

1,諸物価高騰から区民のくらしと営業を守ることについて

 9月1日夜の福田首相の突然の辞任表明には、日本じゅうが驚くとともに、たった1年の間に2人もの首相が続けて政権を投げ出したことについて、あきれ果て怒っています。記者会見の様子を見ても、国民のことなど眼中にない身勝手な態度に終始しており、国政の責任者として、あるまじき無責任な行為だと厳しく批判せざるを得ません。 今度の事態は、自民・公明政権の破綻をさらけ出しました。「構造改革」名で一握りの大企業の利潤を最大限擁護する一方、庶民に痛みを押しつけ、格差と貧困を拡大してきた路線、アメリカ言いなりに自衛隊の海外派兵を強行してきた政策の転換が求められています。昨年の参議院選挙で、国民は自民・公明の政治にはっきりノーと審判を下したのに、二代にわたり国民に信を問うことなく政権を担ってきたことが、惨めな結末となったにもかかわらず、それには何の反省もなく、今総選挙目当てのお祭り騒ぎの自民党総裁選が行われています。
 新しい首相にだれがなろうとも、国政の基本問題について臨時国会で争点を明らかにした上で、解散・総選挙で国民の審判を仰ぐべきであり、私どもは政治の中身を変え貧困をなくし平和な日本への転換を求めて、奮闘する決意を申し上げ、以下質問をいたします。
  前者の方々の同様の質問項目もあります。そのまま答弁をいただかなくてもいいし、よかった答弁もございますけれども、若干質問の観点が違いますので、私にも御丁寧な御答弁をいただきますようお願いを申し上げておきます。
 最初に、諸物価高騰から区民の暮らしと営業を守る施策について質問をいたします。
 私どもは、第2回定例会でもこのテーマを取り上げました。その後も諸物価の高騰が続いていますが、区が発表した原油等価格高騰緊急対策は、第2回定例会での私どもの提案も取り入れられ、学校給食で牛乳を現物支給するほか、商工業緊急資金融資の拡充など、今年度中実施する5項目の対策が示されたことは評価するものであります。
 しかし、諸物価の高騰の影響は、あらゆる業種、すべての区民に及び、区民生活を脅かしています。区民に一番身近な区政が、今ほど区民の暮らしと営業を守ることが求められているときはありません。区の財政は、9月1日付の依命通達でも、「実質単年度収支が8年連続の黒字、経常収支比率が3年連続で70%台、財政調整基金を初めとする基金残高は7年連続で前年度末を上回る549億円となるなど、区財政は将来需要への対応力を着実に備えてきている」と述べているように、区民生活を支援するのに十分な財源があります。しかも基金残高は、またもや当初の見込みを超えて、ことし3月時点では、2007年度末で535億円と見込んでいたのが、14億円も多くなったのであります。
 そこでお伺いいたしますが、私はこの豊かな区財政を活かして、区民生活が非常事態となっている今、区が示した緊急対策5項目に限るのではなく、区民全体の負担軽減を行うために、(仮称)区民生活応援緊急対策会議を設置して、例えば、国民健康保険料、介護保険料などの負担軽減や、私どもが今回条例提案をしています高齢者のインフルエンザ接種への助成など、区民の暮らしと営業を応援する総合的な緊急対策を打ち出すべきではないでしょうか。このことを最初にお聞きた上で、以下質問をいたします。
 第1に、中小企業への支援についてであります。
 今回の商工業緊急融資拡充についてですが、期間が今年度中となっており、その対象業種も国が指定した建設・原油高騰関連業種等に限定されています。しかし、例えば、区の地場産業である中小の印刷関連業者は、インク代や印刷用紙が2割以上も上がっていても、下請単価に転嫁できずに泣き寝入りしているのが現状であります。原油高騰に端を発した原材料の値上がりなどの影響が、今年度中に解消する保証は何もありせん。
 そこで伺いますが、今回の商工業緊急融資資金の拡充を今年度に限らず来年度以降も継続して実施すべきであり、また、対象業種についても国の指定した業種に限らず拡大すべきと考えますが、いかがでしょうか。
 次に、利子補給と借りかえ制度の実施についてですが、本人負担利子という点では、第2回定例会で品川区の0.3%の例を紹介しましたが、港区の原油高騰対策緊急特別あっせん融資は0.1%、中央区の緊急融資も0.1%と、思い切った対策を打っています。こうした事例を参考に、本人負担利子を0.1%にすべきです。また、現在既存の制度融資を借り入れ、返済中の事業者に対しては、今回実施の融資制度に借りかえができるようにすべきと考えますが、いかがでしょうか。
 第2に学校給食への支援についてです。
 今回、牛乳の現物支給を実施するに当たっての試算で、給食の質を維持するには、食材費が約8%不足していることが明らかになりました。今までは現場の工夫と努力でしのいできたところを、いよいよ区費を投入して食材費の不足分を補てんすることに踏み切ったわけであります。これも今年度末限りの措置となっていますが、来年度以降も継続することによって給食費を据え置き、子育て世帯への負担増を抑制すべきと考えますが、いかがでしょうか。
 第3に、区施設の運営費等あらゆる事業の来年度経費についてです。
 今回の措置では、公共工事の単品スライド条項適用や、指定管理者、社会福祉施設等への契約変更、緊急助成などが盛り込まれましたが、7月末に総務課が行った原油等価格高騰による緊急対策調査によれば、32項目が調査対象となっており、予算内で充当可能などとして今回対象とならなかった施設や事業もありますが、それらも含めて来年度予算編成に向けては、諸物価高騰を反映した積算を行い、現場のやりくりや企業努力を強いるのではなく、当初予算に反映すべきと考えますが、いかがでしょうか。
 第4に、生活保護世帯への支援についてです。
 目黒区では、物価高騰に対応し、生活保護世帯に1世帯当たり5,000円を支給する緊急対策を予定し、9月補正予算案に約880万円を計上、冬場に間に合うように11月に支給する予定です。渋谷区でも生活保護世帯に年2回、各4,000円の支給を決め、1回目は既に支給済みと報道されています。暖房費がかさむ冬を前に、新宿区でも生活保護世帯に対して、目黒区や渋谷区のような現金給付を緊急対策として行うべきと考えますが、区長及び教育委員会にお尋ねをいたします。
◎区長(中山弘子) 松ヶ谷議員の御質問にお答えします。
 まず、諸物価高騰から区民の暮らしと営業を守ることについてのお尋ねです。
 今回、区が打ち出した緊急対策は、最近の原油等の価格高騰により、経営に深刻な影響を受けている事業者等に対して支援を行い、事業者等の経営の安定と区民サービスの水準の確保を図ることを目的としたものです。中小企業への支援、社会福祉施設等への支援、学校給食への支援など5項目の事業の実施により、事業者だけでなく福祉施設の利用者や区立小・中学校の保護者など、区民に対する支援を目的としています。
 今回の緊急対策は、全庁的に行った調査結果を踏まえ、現在区として行うべき最も効果的な支援策は何かという観点から、総合的に判断したものです。物価対策は、本来国が積極的に対策を講じるべき問題であり、全国市長会では8月8日に原油価格高騰対策の充実に関する緊急要望を国に提出したところです。区民の暮らしを支えるセーフティネット機能の充実については、第一次実行計画や平成20年度予算に位置づけ、着実な推進に努めているところであり、平成21年度予算編成においても、喫緊の課題として機動的、柔軟に対応していくことを方針としています。
 したがって、(仮称)区民生活応援緊急対策会議を設置することや、保険料の負担軽減、高齢者インフルエンザ予防接種助成などの緊急対策を行うことは、現時点では考えておりません。
 次に、中小企業への支援についてのお尋ねです。
 今回の商工業緊急資金融資の拡充は、原油高騰により経営に大きな影響を受けている特定業種を対象としているものです。区としては、本制度の積極的な運用を進めます。また、中小企業の経営実態を踏まえ、来年度の予算編成の中で、商工業緊急資金融資の対象業種の拡大等を検討してまいります。
 次に、本区の制度は、本人の利子負担を0.5%としたことに加え、信用保証料を全額補助し、実施期間も年度末までとしています。他区の制度は、それぞれ区の実情に応じて、本人の利子負担が0.1%であっても、信用保証料の補助割合が低かったり、実施期間が限定されていたりしています。総合的にとらえますと、本区の制度は他区の制度と比較しても遜色のないものです。この制度の一層の活用を図るため、区の広報や関連団体等を通じて、周知に努めてまいります。
 借りかえについては、制度上種類の異なる融資相互の間ではできませんが、既に商工業緊急資金融資を借りている事業者の方が今回の拡充された内容に変更するために、既存の債務を返済し新たに借り入れることは可能な制度にしております。
 次に、来年度当初予算の見積もりに当たっては、諸物価高騰の影響を適切に反映すべきとの御指摘です。
 これまでも予算の見積もりに当たっては、直近の契約実績や物騰率を基礎に、適切な積算を行ってまいりました。また、予算を編成する際には、効果的、効率的な事業手法や、業務改善などの不断の行財政改革の成果を反映させることはもちろんですが、現場のやりくりや企業努力を強いるようなことはありません。景気減速傾向が強まる中、平成21年度においても健全な財政運営を基本に、これまでに培った財政対応力を十分に活用し、区民生活に影響を与える喫緊の課題への機動的、柔軟な対応を図るとともに、適切な予算を編成してまいります。
 次に、生活保護世帯への支援についてのお尋ねです。
 生活保護基準は、低所得世帯の消費水準との比較において定められ、一定の水準を保っています。国基準では、11月から3月までの冬季加算の制度もあり、施策の公平性を確保する上からも、生活保護世帯への緊急支援を行う考えはありません。
◎教育長(金子良江) 教育委員会への御質問にお答えします。
 給食費を据え置き、子育て世帯への負担増を抑制すべきとの考え方についてのお尋ねです。
 今年度は、学校給食の食材料費が昨年度と比べ約8%の上昇が見られましたので、原油等価格高騰緊急対策の一環として、学校給食用牛乳を現物支給することにより、学校給食の質の維持を図ってまいりました。来年度の給食費など学校給食の支援については、今後の物価動向等を参考にしながら、区長部局と密接に連携を図る中で検討してまいります。

2、治水対策について

 次に、治水対策について質問いたします。
 地球温暖化の影響で、ハリケーン、竜巻、干ばつ、そして大雨など、異常気象が世界じゅうで大きな被害を発生させています。日本でも各地でゲリラ豪雨による被害が発生、8月5日には、豊島区内のマンホールで工事作業中の5人が、急な増水で流され亡くなられました。区内でも江戸川小学校観測地点で、時間当たり109ミリの降雨を記録し、床上・床下浸水124件という大きな被害が出ました。まず最初に、犠牲になられた方、被害に遭われた方々に、心からお見舞いを申し上げます。また、この夏は何度も東京23区西部に大雨洪水警報が出されましたが、そのたびに参集された区の道路課、危機管理課初め職員の皆さんの御苦労にも改めて感謝を申し上げたいと思います。
 水害発生を受けて開催された8月の防災等安全対策特別委員会で、区は予想を上回る雨量だったと繰り返し答弁されました。しかしここ数年、頻繁に発生するゲリラ豪雨は、予想外などで済まされないものであり、この異常気象に見合った対応策を緊急に講ずることが求められています。
 新宿区総合計画のまちづくり方針では、「学校の校庭等の公共施設や民間施設に雨水の一時貯留施設や、雨水を地下に浸透させるますの整備を促進するなど、雨水流出抑制対策を進めています」など、5項目の総合的な水害対策を促進するとしています。この5項目で、10分間に30ミリとか、時間当たり100ミリを超すゲリラ豪雨に対処できるのでしょうか。今回の被害を検証して、必要な見直しを行うべきではないでしょうか。
 また、2011年までの第一次実行計画には、この5項目は全く見当たりません。早急に実行計画に盛り込み、数値目標を定めて着実に具体化することが必要と考えますが、区長の見解を求めます。
 第2は学校などの区有施設の対策についてです。
 8月5日の大雨による区有施設の被害状況は、床上・床下浸水、雨漏り、その他合計で35件と今までにない多くの被害となりました。体育館、保育園は震災時の避難場所であり、特別出張所は地域の指揮所でありますから、一時的であっても使用できないようなことがあってはなりません。雨どいの詰まり、取りつけ位置など原因はいろいろのようですが、今回被害のあった建物については、すべて原因を明らかにして、直ちに修理・修繕をし、またすべての区有施設を総点検して、今回のような集中豪雨にも対処できるよう、対策を講じるべきと考えますが、いかがでしょうか。
 とりわけ西早稲田中学校の問題について伺いますが、西早稲田中はことし4月に新築したばかりであり、高台に位置して、普通なら浸水被害など考えられません。事実8月5日もこの周辺で被害は発生しておりません。ところが、体育館や校舎の1階が床上浸水したのです。
 そこでお伺いいたしますが、西早稲田中学校の場合は、グラウンドの排水ますの位置、校舎とのレベル差、雨量と貯水量との関係等について、設計や施工上の問題がなかったのか、設計業者、施工業者に瑕疵はなかったのかなど十分に調査をし、原因とその責任を明らかにした上で、それに基づく改修策を早急に実施することが求められていますが、現在どのような改修策が検討されているのか、お伺いをいたします。
 第3は、道路の冠水対策についてです。
 曙橋周辺、馬場下町周辺、柳町交差点周辺等に面的な被害が、道路冠水によって起きています。商店街の方からも、大雨が降ると床上浸水となり商売にならない、何とか根本的な対策を早くとってほしいとの声が出されています。早急に東京都と協議し、当面の対策と抜本的な対策を講じるべきです。今回の事態を踏まえて、東京都に対して区としてはどのような要望を出し、どのような協議をしているのかお伺いをいたします。
 例えば、曙橋周辺の対策としては、靖国通り下の下水幹線を増強することができないか、また、柳町交差点周辺では、道路拡幅とあわせて対策をとれないかなど、対策チームを区役所内につくり、東京都と本格的な協議をすべきではないでしょうか。新宿区独自の案を考えていれば、あわせてお聞かせください。東京都は、各局の所管事業を総点検し、東京都技術会議を開き、横断的な対策をとるとのことです。この間の水害では、都として西落合地域、新宿六丁目地域でのクイックプランによる貯留管の整備を行い、その後は水害を防止しています。積極的な協議をすべきです。
 新宿区が独自にできる対策としては、区道の透水性舗装があります。新宿区環境基本計画のヒートアイランド対策で、遮熱透水性舗装として、年間1,300平方メートルを実施する計画になっていますが、治水対策として位置づけの強化も念頭に入れ、実施量を2倍、3倍に計画を見直すべきと思いますが、いかがでしょうか。
 第4は、半地下の建物についての対策です。
 今回の水害被害の中で、何件かの半地下建物がありました。三方向から水が流れ込む地域に建てられた半地下の建物が、40センチもの床上浸水になってしまいました。このように、低い地域での半地下建物については、新宿区での独自の要綱をつくるなどして、建築確認と事前審査の際に、半地下建物の被害をなくしていくための強力な指導ができるようにすべきではないでしょうか。
 現在ある半地下建物を水害の被害から守るためには、止水板を設置することが有効であると言われています。当面の緊急対策として、止水板等設置の工事費に助成を行い、水害を防止すべきと思いますがいかがでしょうか、お答えください。
◎区長(中山弘子) 治水対策についてのお尋ねです。
 総合的な治水対策として、これまで東京都では、河川改修、環七地下調節池や下水道施設整備が鋭意進められてきています。区では実行計画の中で、遮熱透水性舗装を行うとともに、経常事業では雨水流出抑制施設の設置促進など、総合治水対策を積極的に進めています。これらによって、新宿区内の治水能力は大きく向上してきています。
 しかしながら、今回経験したゲリラ豪雨は、江戸川小学校の雨量計で10分雨量が28ミリ、時間雨量が109ミリと、これまで経験したことのない雨量でした。このたびの降雨に伴う被害の状況を踏まえ、今後どのようなことができるか、真摯に幅広く検討してまいります。
 次に、区有施設の雨水対策についてのお尋ねです。
 8月5日の豪雨で区有施設にも被害が発生しました。当日に状況を把握し、翌日には各施設に対し改めて漏水及び浸水箇所の原因や詳細な状況確認を行い、屋上排水溝や排水ますの点検、清掃を指示しました。その後、確認結果をもとに、排水ます等の改修工事を進めています。また、被害を受けなかったすべての区有施設に対しても、過去の大雨の際に漏水や浸水被害の有無と、同様な豪雨が発生した際、施設が被害を受けると思われる箇所を調査中であり、その結果をもとに適切な改修工事を実施することとしております。
 次に、西早稲田中学校の雨水対策についてのお尋ねです。
 予想以上の降雨量が排水設備の許容量を超過し、また公共下水本管の排水能力も超え、校庭に雨水滞留が発生し、床上浸水したものです。現在、排水設備の機能強化と雨水の屋上貯留を図るための改修工事を準備しています。今後は、公共下水本管に負担をかけないように、校庭雨水貯留施設を整備し、一層の雨水対策を進めてまいります。
 道路冠水についてのお尋ねです。
 8月5日の浸水被害を受け、8月12日に東京都建設局及び下水道局に呼びかけ、水害に関する打ち合わせを行いました。この中で、被害箇所などの情報交換を行うとともに、今後の対応についても協議していくことを確認しました。
 今回の被害状況を見ると、御指摘のように、曙橋駅周辺や市谷柳町、馬場下町などで被害が多く見受けられます。曙橋駅周辺では、現在靖国通りの南側区道において、来年3月完成を目指し、下水道幹線の再構築事業が行われており、これが完成すると、この地域の治水能力が大きく向上すると期待しています。市谷柳町や馬場下町についても、どのような対応ができるか、東京都と鋭意検討していきたいと考えています。
 また、遮熱透水性舗装については、ヒートアイランド対策のみならず、総合治水対策として有効な手段であると考えています。区では、これまで歩道はすべて透水性舗装としてきましたが、車道も含め、区道の改修に合わせて、遮熱透水性舗装の一層の推進を図ってまいります。
 低い地域での半地下建物については、独自の要綱をつくるなどして、建築確認と事前審査の際に、強力な指導ができるようにすべきとのお尋ねです。
 本年8月5日の集中豪雨では、半地下建物を初めとする地下施設への被害が、坂町などで3件発生しました。また、平成11年には、西落合三丁目の集合住宅で、浸水した地下室に居住者が閉じ込められ死亡するという痛ましい事故も発生しました。半地下建物については、集中豪雨などによる浸水から人命や財産を守るために、浸水対策を行うことが重要であると考え、これまでも台風シーズンや梅雨どきに「広報しんじゅく」やホームページを通じ、半地下建物に対する浸水対策の必要性について、意識啓発を行っているところです。
 また、洪水ハザードマップで、浸水が予測される区域内の建築物については、建築確認審査や事前審査時に、半地下建物に対し地下室を設けないことや、出入り口を道路より高くすることなどの浸水対策指導を行っています。しかしながら、この夏の豪雨に象徴されるような大雨が今後も引き続き起こることが予測されるため、現在行っている浸水対策をより効果のあるものにしていく必要があると認識しています。
 浸水対策を確実に促進するには、建築計画が固まった建築確認申請の段階ではなく、作成段階から計画に盛り込まれる仕組みが効果的であると考えています。今後は、区だけでなく、民間の指定確認検査機関が扱う建築物も含めて、浸水対策の実施を促進する実効性のある制度を検討してまいります。
 次に、当面の緊急対策として、止水板等設置の工事費に助成を行うべきとのお尋ねです。
 既存建物の地下室の出入り口に水の浸入を防ぐ措置をとることは、当面の対策として効果があると考えます。区としては、水害の備えとして、緊急時に御利用いただけるよう、土のうを提供していますが、このほかにもプランターや水を入れたポリタンクをビニールシートで包む方法、御提案の止水板設置などの方法があります。区として止水板の設置に対して、助成を行うことは考えていませんが、止水板等の設置の効果や方法、留意点などについて、情報の提供を行ってまいります。

3、介護保険について

 次に、介護保険について伺います。
 3年ごとに見直す高齢者保健福祉計画・第4期介護保険事業計画の策定が進められています。高齢者保健福祉推進協議会で中間のまとめを決定し、10月半ばまでには公表、その後パブリックコメントや地域説明会を行って計画を決定するというスケジュールで進んでおり、7月の推進協議会の中間のまとめ素案が、資料として示されている段階です。
 私たちはこの間、保険料・利用料の負担軽減、サービス抑制が進むもとで、保険外の区独自のサービスを実施すること、深刻化する職員不足への対応、施設整備等について条例を含むさまざまな具体策を提案してきました。第4期の計画にこれらの提案を取り入れるよう要望するとともに、中間のまとめに加えるべき事項について、改めて提案し質問をいたします。
 第1に介護保険料についてです。
 3月に区がまとめた高齢者保健福祉施策調査報告書で、保険料について、現在の保険料、介護保険サービスでよいとの回答が33.3%で最も多いことに驚きました。しかし、よく見ると、これはサービスがふえるとそれに応じて保険料が上がりますが、あなたはどちらを選びますかという問いかけへの回答です。収入の少ない高齢者に、このままでいいですと回答させるという何とも弱い者いじめの質問で、私にはこれ以上保険料を上げてほしくないという叫びが聞こえるようであります。
 中間のまとめ素案では、保険料について触れられていません。国が介護報酬を決定しなければ保険料が決められない仕組みになっているからであります。
 区長会は7月、介護報酬の引き上げに際し、保険料にはね返らないよう国に求めました。しかし7月28日付の毎日新聞では、前日開催された福祉人材フォーラムで、舛添厚生労働大臣が、年末までに必ず現場で働く人の処遇をよくする、そのためには介護保険料を引き上げる必要があると述べたと報道されています。
 社会保障費2,200億円のマイナスシーリングが先にありきで、あくまで国庫負担を引き上げようとしない態度です。改めて国庫負担を引き上げて保険料の値上げを抑えるよう、国に要望すべきと考えますが、区長の御所見を伺います。
 新宿区の第3期の介護保険料は4,300円、23区では高い方から7番目です。利用抑制やホテルコストなどの改悪が打ち出された後に決定された保険料でしたが、サービスの利用が見込みを大きく下回り、介護給付準備基金が多額に残る結果となっています。高齢者人口がふえているのに、介護認定者・利用者・給付費とも横ばいないし減少していることは大いに問題があると考えますが、取り過ぎた保険料を払った方に還元するのは当然のことです。
 2006年度末の同基金残高が4億8,159万8,000円、2007年度末は6億7,293万9,000円に激増しています。同様に推移すれば、今年度末には8億円から9億円と推定されますが、今期末の介護保険準備基金の残高をどのように見通されていますか。第2期、3期とも取り過ぎた分を充当して、介護保険料の値上げを抑えましたが、第4期も基金残高を全部つぎ込んで保険料負担を抑制することを求めます。
 埼玉県美里町では、第3期の見直しの際、町独自の財政負担で3,757円になるところを2,980円に抑え、「先が安心です」と喜ばれています。新宿区も保険料負担を軽減するため、一般財源を投入することを検討すべきです。区長の見解をお伺いいたします。
 第2に、施設整備についてであります。
 何年も待って、やっとけやき園への入所が決まったと喜んでいたのに、開園の1カ月前に亡くなった方がおられました。6月にけやき園が開園したものの、特別養護老人ホームの待機者は、依然として1,220人に上っています。第3期介護保険計画と時期が重なる第一次実行計画期間中、矢来町に80床程度の特別養護老人ホーム、旧東戸山中学校跡地に、小規模特別養護老人ホームの29床の整備が計画されており、中間のまとめ素案の利用見込みもこの範囲にとどまっています。1,220人の待機者、緊急性の高い待機者に絞っても170人を超す現状に対して、110床の整備は少な過ぎます。今から準備しても開設は2年、3年後になるのですから、早急に整備方針を確定して取り組むべきであります。その際、区内で売却予定の国公用地の活用、場合によっては区が買い取って貸与してでも、事業者の参入を促すべきだと考えます。
 小規模多機能型居宅介護と認知症高齢者グループホームも整備がおくれています。小規模多機能型は介護報酬が低くて、都内、首都圏では3分の2が事業所単体では赤字になっています。区内でもそれに加えて用地確保もネックで、まだ1所しかありません。これらの施設整備も、公有地を活用して整備を促進すべきであります。区長の見解を求めます。
◎区長(中山弘子) 介護保険についてのお尋ねです。
 最初に介護保険料についてですが、御指摘のとおり、平成21年4月に予定されている介護報酬の改定では、深刻化する介護人材の確保のため、都市部の実情に合った改定と同時に、保険料への影響がないような方策を講じるように、特別区区長会を通して国に要望したところです。介護報酬の改定は、不足する介護人材の確保に必要なことと考えますが、介護給付費の増大となり、結果として保険料の増額につながります。このため、調整交付金を国庫負担割合の25%の枠外とするなどの方策を講じるように、機会をとらえて国に対して要望していきます。
 次に、介護給付費準備基金ですが、平成19年度の保険料余剰分を含め、8億円程度の残高が見込まれます。この基金残高は、第2期及び第3期と同様に、第4期においても繰り入れ、保険料を適正な水準にすることを予定しています。
 次に、保険料を下げるために、一般財源を投入することについてです。
 介護保険財源の負担割合は、65歳以上の第1号被保険者は19%を、40歳から64歳までの第2号被保険者は31%を、残りの半分は公費で負担しています。このように、介護保険制度は、皆で支え合う社会連帯の仕組みとなっています。このため、第1号被保険者の保険料を下げるために一般財源を投入することは、高齢者自身も負担能力に応じて保険料として賄う分を補うことになり、社会連帯の仕組みとしての介護保険制度の理念に反することになります。さらには、給付と負担の関係を不明確にし、繰り入れを常態化してしまうおそれがあることから、適切ではないと考えています。
 次に、施設整備についてのお尋ねです。
 区では、要介護高齢者の在宅生活を支援するため、引き続き小規模多機能型居宅介護などの地域密着型サービスの整備を進めてまいります。セーフティネットとしての特別養護老人ホームについては、現在予定されているもの以外は第4期介護保険事業計画の中では見込んでおりませんが、今後も公有地の活用などによる整備を検討していきます。公有地の活用に当たっては、区有地の活用を基本としますが、国有地や都有地の活用についても視野に入れてまいります。
 小規模多機能型居宅介護の整備ですが、この事業が進まない大きな理由は、介護報酬が低く、事業の採算性が低いことが挙げられます。ただし、来年度の介護報酬の改定により、都市部の単価が増額された場合には、参入事業者の増加が見込まれます。当面、こうした介護報酬の改定の行方を見据えつつ、現在の施設整備補助制度を活用した整備を進めてまいります。認知症高齢者グループホームの整備は、現在矢来町の都有地及び旧東戸山中学校の区有地を活用した整備を進めており、今後も公有地の活用を含めた整備を進めてまいります。

4、地下鉄駅などの交通バリアフリー化について

 次に、区内の地下鉄駅などの交通バリアフリー化について質問をいたします。
 本格的な高齢化社会の到来と、障害者も障害がない人と同じように社会に参加できるノーマライゼーションの考え方が広まり、だれもが公共交通機関を利用して移動しやすくすることを目的として、平成12年11月に高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化の促進に関する法律、いわゆる交通バリアフリー法が施行されて、既に8年がたちました。
 新宿区においても、この法律のもとに平成22年をバリアフリー化の達成を目標として、平成17年4月に交通バリアフリー基本構想を策定しました。この基本構想では、区内22の鉄道駅を有する周辺地区の中で、日本一の大ターミナルを抱えた新宿駅周辺地区や、駅施設の規模を上回る相当数の昇降客数があり、多くの障害を持つ方たちが利用する高田馬場周辺地区を、整備優先度の高い重点整備地区として選定、その重点整備地区以外の対応については、基本的には、各関係事業者がそれぞれの方針に基づき事業計画を策定、平成22年を目途に整備を進めることを基本方針としています。
 そこで第1にお伺いいたしますのは、目標達成をあと2年後に控えた今日の時点での、基本構想が示したバリアフリー化の進捗状況についてであります。私は、基本構想が優先度の高い2つの周辺地区を重点整備地区と選定し、全体の交通バリアフリー推進委員会から特化して、2つの推進部会を設置したことは当然だと思います。しかしながら、もともと国の交通バリアフリー法が示している重点整備地区の要件には、1日の利用者数が5,000人以上の旅客施設とあります。それに照らして見るなら、区内の22地区のすべてが重点整備地区であり、残りの20駅周辺地区のどれ一つとしておろそかにできないものであります。基本構想が2つの優先度の高い重点整備地区以外は、基本的には関係事業者がそれぞれの方針に基づき云々との理由で、それ以外の20地区は事業者任せでよいはずはないと思いますが、その点の考え方を含め、目標達成を2年後に控えた今日の時点に立った進捗状況に対する評価と、未整備となっている地区の今後の整備促進の取り組みについて、明らかにすべきと考えますがいかがでしょうか。
 2つ目の質問は、いまだにバリアフリー化が未整備となっている地下鉄東西線の神楽坂駅についてであります。
 区内を走る地下鉄東西線の5つの駅の中で整備済みの駅は高田馬場駅のみであり、落合駅は改札口から地上間、早稲田駅と飯田橋駅は、西船橋方面のみが整備済みと一定の進捗が見られるものの、現状で何の手も打たれていないのが神楽坂駅であります。しかも同駅は、上下線のホームが平行して設置されておらず、地下2階、3階と二層構造になっているため、下りの西船橋方面のホームから矢来口の地上に出るには、何と88段もの階段を上らなければなりません。中高層建築物で言うなら、6階建てか7階建てのビルにエレべーターが設置されていないのと同様であり、高齢者やベビーカー利用者などの交通弱者はもちろん、健常人でさえとても耐えられるものではありません。
 私たちもこの問題では何回も東京メトロ当局に要請してきているところであり、東京メトロ当局の整備促進のための努力も認めるものではありますが、結果的には、赤城口側も矢来口側も出入り口周辺の民有地の用地確保が困難との理由でいまだに具体化がされず、先の見通しが見えてきません。だとするなら、もう一つの改札口を設置することを念頭に入れた、民有地の協力の交渉のエリアを改札口間の中間にも広げ、用地の交渉を進めるべきであり、区としても東京メトロ当局に対し、この点を含めた用地確保を強力に要請すべきと考えますがいかがでしょうか。
 3つ目の質問は、副都心線開業に伴う都バス路線・池86系統の運行の減便の影響についてであります。
 この点につきましては、区長におかれましても、地元や利用者等の要望を十分に酌みながら利便性の確保を図るよう、都交通局長に要請もされておられることは評価するものであります。しかし、今回の減便による影響は、例えば日中、これまで1時間に平均して8便あったのが半分の4便となってしまい、とりわけ障害者や高齢者などの利用するノンステップバスの減便の影響は、交通バリアフリーの後退と言わざるを得ません。この点については、障害者団体の皆さんからも、増便の要請がされたと聞き及んでいますが、重ねて都交通局に要請すべきと思いますが、いかがでしょうか。
 以上、3点について御答弁をお願いします。
◎区長(中山弘子) 目標達成を2年後に控えた、バリアフリー化の現時点での進捗状況に対する評価と、未整備地区の今後の整備促進への取り組みについてのお尋ねです。
 新宿区では、平成17年4月の新宿区交通バリアフリー基本構想の策定以降、特定事業計画の検討とともに、駅利用者の御意見を反映させていくため、高齢者や障害者の方々、公共交通事業者や道路管理者の方々などの御参加を得て、交通バリアフリー推進委員会を設置し、重点整備地区以外の地区も含め、その整備促進を図っているところです。
 区内の鉄道駅における現時点でのバリアフリー化の進捗状況については、全49駅のうち34駅が完了しており、残る15駅のうち7駅は部分的に整備が完了しています。バリアフリー化が完了していない駅においては、技術的、物理的な問題など解決すべき課題が多い中、各事業者があらゆる可能性について努力、工夫していると認識しています。
 区は今後ともバリアフリーを推進する立場から、交通バリアフリー推進委員会の場を活用したり、直接事業者に要望を行うなど積極的に調整を図り、早期のバリアフリー化実現に向け取り組んでまいります。
 次に、東西線神楽坂駅について、もう一つの改札口の設置も念頭にした用地確保を強力に要請すべきとのお尋ねです。
 神楽坂は、風情のある路地や坂など、昔ながらの情緒ある町並みが形成されたにぎわいあふれるまちです。このまちには、高齢者や障害を持った方も含め多くの住民が暮らし、魅力を感じて多くの来街者も訪れています。神楽坂駅は上下線が重なっているとともに、ホームが線路の片側にしかないため、バリアフリー化のための適地が限られるなど、用地確保が他の駅に比べ困難な状況がありますが、神楽坂駅がバリアフリー化され、だれもが自由に駅を利用できるようになることは、大変重要なことと考えております。また、このたび地元の方々からも神楽坂駅のエレベーター設置について要請があり、重く受けとめております。このため、東京地下鉄株式会社に、地下鉄東西線神楽坂駅へのエレベーター設置などについて、より一層の努力を行うよう要望を行いました。
 次に、副都心線開業に伴う都バス路線・池86系統の運行の減便の影響についてです。
 本路線では、運行本数の減便に伴って、ノンステップバスの本数についても減っているという状況にあります。7月に行われた障害者団体の皆さんとの懇談会で、ノンステップバスの運行本数の増加について要望をいただきましたので、東京都交通局にその趣旨を伝え、交通局からは、平成24年度までにすべての路線バスをノンステップバスに更新する予定であるとの回答を得ています。さらに改めて早期実現を要請してまいります。

5、牛込地区の学校適正配置について

 最後に、牛込地区の学校適正配置についてお伺いをいたします。
 昨年10月からことし2月まで5カ月にわたり、牛込地区学校適正配置に関する懇談会が開かれ、委員の皆様には真剣な議論をし、意見書を区教育委員会に提出いたしました。適正配置イコール統廃合ではなく、学校選択制の検証と学校間格差の解消、学級編制基準の引き下げなどが求められました。しかし、今回の区教育委員会が示した「牛込地区学校適正配置の考え方と取り組み方針について」と「懇談会意見に対する教育委員会の考え方」は、懇談会の意見とは大きくかけ離れています。
 教育委員会の方針は、中学校3校は、均等化し生徒数が安定しているためしばらく推移を見守るとされ、懇談会意見書が一定尊重されたとも言えますが、小学校についてはそうではありません。江戸川、天神、富久の各小学校が小規模小学校存置の目安である150人程度を下回っていることを理由に統合の対象校にし、A地区では江戸川小学校と隣接する全校児童200人がいる津久戸小学校を、B地区では天神小学校と富久小学校を統廃合する方向を打ち出しました。結果的には、2002年適正配置ビジョンが示した5校削減が2校に縮小されたものの、意見書で述べられた住民の要望や対策にはこたえていません。
 第1に、区教育委員会の進め方の問題です。私は、懇談会は意見を聞くだけの場で、方針はあくまで区教育委員会が決定するというやり方に異論を唱えてまいりましたが、結果的にはそうなっており、区教育委員会の何が何でも統廃合をという姿勢には、怒りを禁じ得ません。区教育委員会は、この方針と考え方の文書を懇談会の皆さんに送付しましたが、それで済ますつもりだとしたら、多忙な中で時間を割き半年近くにわたる協議をしてきた方々に対し礼儀を欠くのではないでしょうか。懇談会の皆さんにもう一度集まっていただき、区教育委員会が直接説明をし、質問等にも答えるのが筋というものではないでしょうか、お答えください。
 第2に、地域住民への対応についてであります。区教育委員会は、9月2日から統廃合対象校4校のPTAの役員会などや、保護者会、11日から始まっている新入生対象の学校説明会に、方針案の説明に出向いています。懇談会には地域の代表も参加されましたが、これは学校が地域のコミュニティをつくる大事な拠点だとの認識を持っていたからではありませんか。学校ごとに関係者に説明するのは当然ですが、地域住民全体を対象にした説明も行うべきだと考えます。牛込地区の3特別出張所と大久保特別出張所で説明し、意見を聞く場を設定すること、あわせて区全域を対象に公聴会をも開催すべきだと考えますが、いかがでしょうか。
 第3は、150人以下の小規模校だから統廃合の対象とする、区教育委員会の認識についてであります。懇談会の意見書では、小規模校でもいいという意見が示されました。この意見は世界の趨勢と符合しています。1999年のユネスコ文化統計年鑑では、世界平均学校規模は、中国223人、カナダ192人、イギリス190人、イタリア140人、フランス99人であります。国際学力調査で、過去3回9年間にわたりトップを維持してきて注目されているのがフィンランドで、平均学校規模101人、学級規模も25人程度、実際には教師1人当たり15人程度の配置となっています。国連のWHOも子どもの心身の健康に責任を負う立場から、学校は100人以下が望ましいとしています。江戸川小学校84名、天神小学校116名、富久小学校82名という規模は世界の流れに合致しており、WHOが望ましいとしている条件に近いということであります。区教育委員会は、懇談会の意見や世界の流れをどのように認識しておられるか、お伺いいたします。
 また、なぜ牛込A地区で江戸川小学校と津久戸小学校を、B地区で富久小と天神小を統廃合の対象としたかについて伺います。
 江戸川小学校は、平成4年の答申が発表されて以来、いつ統廃合されるかわからないという不安や、幼稚園の休園の実施、さらには学校選択制の導入により敬遠され、児童数の減少が続いています。しかし、江戸川小学校の学区域内にはマンションがふえるなどして、学齢期の子どもが220人以上います。東五軒町保育園は待機児がおり、東五軒町学童クラブは定員25人のところに58人も通っています。
 一方、津久戸小学校は、200人も児童がいるのに、なぜ統合しなければならないのかという声が上がっていますし、両校の学校のすべての児童が統合後の学校に通学すれば、500人近い大規模校となってしまいます。
 B地区の天神小と富久小について言えば、それぞれの地域で大規模な再開発が推進され、子育て世帯を誘導する計画内容になっていると聞いていますが、このような動きについてはどのように検討され、この4校の地域動向、とりわけ、児童数の推移をどのように見通しているのか、お答えをいただきたいと思います。
 第3に、大規模校の抱えている課題と、学校選択制についてであります。区内で最大規模の小学校が、児童数560人の市谷小学校です。都心の学校は、校舎、校庭が大変に狭いためさまざまな問題が起きています。休み時間の校庭利用に制限がある、余裕教室が全くないために少人数指導ができない。人口密度が高いためけがが多いなど、ハード面での問題があります。
 500人以上の学校は、早稲田小学校と市谷小学校です。両校はいわゆる人気校で、併設する幼稚園もあるので、学区域外から入学希望者が多く大規模化しています。これら2校と余丁町小は、学校選択制でたびたび抽せんが行われることになり、キャパシティいっぱいになっています。人為的にも格差がつくられているのであります。1人当たりのスペースや教師1人当たりの人数にも格差ができています。
 こうした状況を踏まえ、懇談会からは、現状のままではなく学校定員の見直し、学区域のあり方など、大規模か小規模かではなく、一つ一つの学校が適正な教育環境になることを求めているのであります。このような大規模校の抱える課題について、区教育委員会はこれまでどのような対策をとってきたのですか、お答えください。
 東京都を除く46道府県すべてで、何らかの少人数学級が実施されています。これだけでも、既に1992年答申や2002年の適正配置ビジョンの時代とは、事態が異なっています。区教育委員会が牛込の地域住民や保護者とともに、学級編制基準、学校の適正規模などについて根本的に見直すとともに、地域の連携を崩す学校選択制についても、懇談会意見書にあるように、それが与えた影響について検証を行い、廃止を含めた見直しを行うべきであります。区教育委員会の見解を求めます。
 第4に、中学校3校の施設改善についてであります。
 懇談会意見書では、老朽化した校舎の建てかえを強く望むとあります。ところが、区の教育委員会の考え方では、校舎の建てかえについては、今後適正配置も含めて考えるとなっており、統廃合するまで建てかえはしないということかと、懇談会の中からも教育委員会不信の声が既に上がってきています。統廃合しなくても順次計画を立て、建てかえを実施すべきと考えますが、いかがでしょうか。
 以上、教育委員会の御見解を求めます。
◎教育長(金子良江) 教育委員会への御質問にお答えいたします。
 牛込地区の学校適正配置についてです。
 まず、懇談会委員の方々への説明についてのお尋ねです。
 昨年度設置した牛込地区学校適正配置に関する懇談会において、委員の方々の熱心な議論のもとに、意見書を取りまとめていただいたところです。教育委員会では、平成4年7月の答申や、平成14年2月の学校適正配置のビジョンを踏まえ、懇談会の意見を参考にしながら、牛込地区学校適正配置の考え方と取り組み方針を取りまとめ、委員の方々にお送りしました。したがって、懇談会委員の方々への説明会を開催することは考えておりません。
 地域住民の方々への説明についてのお尋ねです。
 牛込地区学校適正配置の取り組みに当たっては、地域の方々の御意見をお聞きするために、今回は懇談会を開催し、いただいた御意見を参考にしながら、取り組みを進めています。現在、統合対象校のPTA役員会、保護者会及び新1年生向け学校説明会において、取り組み方針を説明しています。また、通学区域内の町会など地域の方々に対して個別に取り組みの説明をしているところです。今後、保護者から合意を得られた後、地域代表を含めた統合協議会の中で議論をしていきます。したがって、改めて地域全体への説明会や公聴会を開催する予定はありません。
 次に、懇談会の意見や世界の流れに対する認識についてのお尋ねです。
 懇談会では、学級規模はある程度の人数を確保し、複数学級でクラスがえのできる規模が望ましいという意見が大勢を占めていました。また、少数意見の中には、小規模校は子どもたちに教師の目が行き届くので問題はないという御意見もありました。
 日本においては、学校教育法施行規則により、学級規模は12から18学級を標準としております。教育委員会では、子どもたちのよりよい教育環境を実現するため、一定の集団規模や複数学級を確保する必要があると考えています。
 次に、統合対象4校の選定についてのお尋ねです。
 小学校については、牛込A地区において統合を進めるための根拠となる存置の目安である150人程度を下回る学校は江戸川小であり、通学距離1キロメートルの範囲で統合校を考えると、津久戸小が最も適しています。牛込B地区は、存置の目安としている150人程度を下回る学校は、富久小と天神小の2校です。答申では、隣接する2校の学級規模がともに存置の目安を下回る場合には、この2校の通学区域をあわせ1校の通学区域とするとされています。また、通学距離がおおむね1キロメートルの範囲内であるため、この2校を統合することが最も適切であると考えます。
 東京都による平成23年度推計では、牛込地区の江戸川小が81人、津久戸小が234人です。また、牛込B地区の天神小が137人、富久小が87人と推定されています。今後の大規模な再開発についても想定しておりますが、統合しても適正規模を超えることはなく、十分受け入れ可能であると考えています。
 次に、大規模校の抱える課題と学校選択制についてです。
 各学校の規模については、もともと通学区域内の学齢人口により差があります。また、学校選択の結果により、児童・生徒数の増減があることも事実です。こうした中で、御指摘のとおり、都心部の学校では施設面での制約がある中でさまざまな工夫を凝らし、よりよい教育を行うために努力をしております。
 なお、市谷小学校、早稲田小学校、余丁町小学校の学級数は、いずれも学校教育法施行規則で定める標準規模、12学級から18学級の範囲内であり、適正な規模であると考えています。学級編制基準について、その見直しを行うためには、教員の増員が必要となりますが、教員の人事権が東京都教育委員会にある現状では、教員の採用、任用上の問題や施設整備等を含めて、多額の財政負担を要するなど多くの課題があります。
 学校選択制は、保護者がみずから主体的に学校を選択できる仕組みとして、地域に開かれた学校づくり、魅力ある教育活動の推進を目的に導入したものです。毎年保護者アンケートを実施しており、例年90%以上の保護者の方が、入学した学校に満足していると回答していることなどから、見直しについては考えておりません。
 最後に、中学校3校の施設改善のお尋ねです。
 当面は、中学校3校の建てかえの計画はありませんが、懇談会意見に対する教育委員会の考え方で述べてあるとおり、校舎の建てかえについては、今後生徒数の推移を見守りつつ、適正配置も含めて考えてまいります。
 以上で答弁を終わります。

 (松ヶ谷まさお) ただいま区長並びに教育委員会から御答弁をいただきました。かなり積極的な答弁もございましたし、評価する部分もあります。
 1つだけ、再質問はいたしませんけれども、神楽坂駅のバリアフリー化の問題については、私はもう両方の出入り口の周辺の民有地は事実上不可能だというふうに考えているんです。ですから、その中間のところまで広げて用地買収の交渉をすべきだ、そのことを区からも強力にお願いしたい。このことをぜひとも十分踏まえてお願いをしたいということだけは強調しておきたいと思います。
 それから、教育委員会の学校適正配置についての答弁であります。
 私、第1回定例会で、この点で一般質問もいたしました。そのとき次長は今の次長ではありませんでしたけれども、答弁が、木で鼻をくくったような答弁でございました。
 ところが今回も大して中身は変わらないわけですよね。それで、本当なら5分もまだ発言時間が残っていましたから、もう一回質問してもいいくらいなんですけれども、意見だけ申し上げておきたいと思います。
 どうしてもその考え方の前提に、そちらは学校統廃合が先にありきと、こうなっているんですよね。だから、幾ら懇談会をやろうが、幾らPTAの皆さんの意見を聞こうが、そこから一つも出ていない。こう言わざるを得ないんです。
 9月に入って皆さんの案が出されて、それをPTAの関係者や何かに説明に入っておられるようですよね。どこかでいい話聞きましたか。恐らく江戸川小学校であれ、津久戸小学校であれ、富久であれ、天神であれ、考えてもらえないだろうか、こういう意見が多かったと思うんですよ。例えば、津久戸小学校のある方から私聞きましたが、PTAが合意しなければ統合しないのかと、こういう質問に対して、それは文科省の方針なんだと、まず前提はそこにあるんですよ。延期、先送りになるけれども、みんな初めは反対する。でも、他校では苦渋の選択をしてきた。ほかがやってここではやれないというのは無理でしょう、こういう御答弁なんですよね。何が何でもねじ伏せてでも賛成に回らせるんだと、この考えしか考えられないんです。これだけはやめていただきたいと思います。
 したがって、繰り返しになりますけれども、ぜひ多くの皆さんの意見を聞くようにお願いをしたい。
 それから、中学校のことについて一言だけ言っておきますけれども、学校を統廃合しない限り、老朽化を改修することはしないということだけは、絶対やめてもらいたい。まるでペナルティのようなものですよ、それじゃ。学校の本来のあり方からして、老朽化した建物については、建てかえを含めた早急な検討をお願いしたい。このことだけ申し上げて、あとは私、決算特別委員会に入っていませんので、同僚議員が大いに質問すると思います。
 以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)

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