全国一斉学力テスト(全国学力調査)は、昨年度に引き続き今年度も4月に実施され、8月末に文部科学省から各教育委員会・学校に結果が返されました。
全国一斉学力テストは以前にも実施されていたのが、様々な問題が発生し、批判の声が強まって廃止された歴史がありますが、それを43年ぶりに復活したのです。
今年度は特に、結果の公表をめぐって社会的に問題となっていますが、新宿区でも昨年度にはなかった事態として、自校の結果をホームページ等で公表する学校が現れ、地域や保護者からも「序列化や競争をあおることになるのでは?」と危惧する声が寄せられています。
日本共産党区議団は、毎年の予算要望書の中で、全国一斉学力テストには新宿区教育委員会として参加しないよう、また、国に対しては中止を求めるよう要請してきましたが、こうした事態を受け、改めて教育委員会に来年度以降の不参加を申し入れました。
申し入れの全文は次の通りです。
新宿区教育委員会
委員長 木島 冨士雄 様
教育長 金子 良江 様
全国学力調査の来年度以降不参加等を求める申し入れ
2008年10月21日
日本共産党新宿区議会議員団
昨年度から始まった「全国学力調査」は、今年度も小学校6年生と中学校3年生を対象に、学力・学習状況の調査が行われ、8月末に文部科学省から結果が送付されました。
当初から批判が大きい「全国学力調査」について、今年2月に出された日弁連の意見書でも「学校教育現場にテスト成績重視の風潮、過度の競争をもたらし、教師の自由で創造的な教育活動を妨げ、文部科学大臣の教育に対する「不当な支配」(教育基本法16条1項)に該当する違法の疑いが強い。」と述べているように、様々な問題点が多く、学力を測るためなら我が国も参加したPISA(OECD生徒の学習到達度調査)や、TIMSS(国際教育到達度評価学会による国際数学・理科教育動向調査)のようなサンプル調査で充分であり、58億円もの巨額の税金を投入して実施する必要はありません。愛知県犬山市は昨年度に引き続き、今年度も不参加でしたが、私立学校の不参加率も38%から47%に増加していることにも見られるように、悉皆調査で行うことの意味自体がすでに失われています。
今年度は特に、成績公表をめぐって、秋田県が市町村別データの一部を公表したり、鳥取県や大阪府では知事が市町村への予算配分と結果公表の有無を関連させる発言をするなど、社会的に問題になっています。公表が進むことによって過度な競争が引き起こされることはこれまでの事例でも明らかです。
新宿区教育委員会は、各学校の平均正答率についての公表は行わない方針ですが、学校が公表することについては今年度、学校判断としたため、自校の成績結果をホームページ等で公表する学校が現れ、地域や保護者から「これが広がれば学校の格付けにつながる」と危惧する声が出されています。「全国学力調査」に参加をすれば、今後もこのような事態が起こることが予想されます。
以上のことから、区教育委員会に対し、来年度以降の「全国学力調査」には参加をしないよう申し入れるものです。


