2008年第4回定例会 代表質問 雨宮たけひこ議員

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 2008年新宿区議会第4回定例会に当たり、私は日本共産党新宿区議会議員団を代表し、区長ならびに教育委員会に質問します。

1、区長の政治姿勢について

 はじめに、区長の政治姿勢について質問します。
 政府・与党が「追加経済対策」の"目玉"として盛り込んだ定額給付金については、識者の多くが「支出の割に経済対策の効果が薄い」と指摘し、「選挙目当てのバラマキ」との批判を浴び、所得制限をどうするかなど閣僚の間でもバラバラの発言が相次ぎました。さんざん迷走した挙げ句、11月12日、所得制限の設定は支給窓口となる各市町村の判断にゆだねることを決め、自治体に判断を丸投げしました。
 麻生太郎首相は「全然現場は混乱しない。各自治体が自分で決めるのだから、公平性については全然問題ない」と語りましたが、翌13日に都内で開かれた全国市長会の理事・評議員合同会議では、不満や戸惑いの声が多数出されたと報じられました。
 区長は、定額給付金が2兆円の支出に見合う経済効果を上げるとお考えでしょうか。また、所得制限について自治体に判断を委ねることについてどう受け止めているのか、仮に実施されるとした場合の区の対応について、現段階で何らかの方向性を持っているのか伺います。
 さて、実施に向けては、所得制限以外にも難題山積です。いま想定されている流れは、区市町村が通知のハガキを出し、予め指定された日時に身分証明書などを持参して区市町村の窓口で手続きし、口座番号を記入し、後日区市町村が振り込むというものです。新宿区の世帯数は16万4800世帯ですから、その作業量は膨大で、区役所は混雑を極め、ハガキや振込の費用も大変なものでしょう。事務費の負担についても明確でなく、これから協議すると言っています。
 国の指導で人員削減がすすみ、年度末で多忙を極める時期に、経済効果が期待できない愚策=定額給付金は取り止めるべきだとはっきり政府に進言すべきと思いますが、区長はいかがお考えでしょうか。
 しかも許せないのは、3年後には消費税を引き上げるとしていることです。仮に消費税が5%上がると、4人世帯で年間16万円の負担が増えます。給付金は一度きり、増税は一生では、経済対策としても最悪です。消費税は、貧しい者に負担が重くかかる悪税です。消費税率の引き上げに反対し、食料品は非課税にするよう、区長として政府に迫るべきです。区長の見解を求めます。

2、中小企業、商店への緊急景気対策について

 次に、中小企業・商店への緊急景気対策について質問します。
 第1に、中小企業への緊急景気対策についてです。
 原油高の影響による、原材料の値上げ、売上げの落ち込み等、苦境に至っているところに、急激な円高の進行と株価の大幅下落が、経済とくらしに大きな影響を及ぼしています。新宿区内の業者の方々のお話を伺ったところ、  製本業を40年営業してきたSさんは、「9月、10月と仕事が半分に減り、11月、12月も心配です。」、印刷業のTさんは、「仕事がほとんどこない、リース料金を支払うことが出来ず、45年間続けてきたけれど、年内に廃業せざるをえない。」と言っています。スナックを30年やっているDさんは、「7月頃からお客さんが減り、アルバイトの子にやめてもらい何とか営業しています。」、クリ~ニング店のSさんは、「原油高で石油製品の原材料が2割も値上がりし、それに売上げが2割近く落ちているため、日曜日も休み無く働いてもどうにもならない。」など、深刻な状況です。このような、区内の中小企業や商店の実態について、区長はどのように認識しておられるのか、最初にお伺いいたします。
 10月30日、麻生首相は財政支出5兆円、総事業規模26、9兆円に及ぶ新総合経済対策を発表しました。東京都は、10月31日緊急対策として、中小企業支援、雇用確保対策等3つの対策を打ち出し、第4回定例会に緊急対策15項目、事業規模2000億円程度の補正予算が提案されています。新宿区としては、第3回定例会で原油高対策を実施しましたが、東京都が行う緊急対策の具体化等を含む、何らかの新たな緊急景気対策を講じるべきと考えますが併せてお伺いいたします。
 第2に、「新宿区商工業緊急資金」をさらに借り入れしやすいよう改善することについてです。
  今、産業振興課のみなさんは、新宿区の商工業緊急資金融資と、政府の「セーフティネット保証」の申請受付業務で、日常業務がほとんどできないほど窓口対応に追われていると思います。本当にご苦労さまです。区として中小企業診断士等を臨時的に増員するなど、緊急に対処することを求めて、以下質問します。
 区の原油等価格高騰緊急対策の1つとして拡充された商工業緊急資金融資は、一定数の申し込みはあるものの、まだまだ少ないのではないでしょうか。その理由は、貸し出し限度額、返済期間、負担金利にあると思います。他区の状況を調査したところ、本人の金利負担ゼロが、大田区、中野区、杉並区、板橋区などで、貸し出し限度額1000万円以上の区は、大田区など5区です。返済期間6年以上が中野区など5区あり、江戸川区は10年です。「新宿区商工業緊急資金融資」をさらに借り入やすくするため、借り入れ限度額1000万円以上、返済期間10年以上、本人の金利負担ゼロにすべきと思いますが、区長の見解を伺います。
 第3に、中小商店への緊急景気対策として、「新宿区共通買物券」を発行することについてです。
 今、区内の中小商店は売り上げが落ち込んでおり、大変厳しい状況におかれています。地域の中小商店の支援と、地域の活性化のためにも、区としての緊急対策が今こそ必要です。中央区では、2000年度から、「区内共通買物券」(ハッピー買物券)を発行し、区内中小商店への支援策として、顧客の増加や拡大を図ってきました。その仕組みは、商店は「ハッピー買物券」取り扱い店として区に登録し、区民はプレミア付きの券を区から購入し登録店で買い物をします。登録店は券をまとめて銀行に持って行き、銀行から区に連絡され、2~3週間後に登録店に現金が振り込まれるとのことです。2008年度は6月に3億3、000万円分のプレミア付き共通買物券が3日間で完売し、10月には緊急景気対策として追加分1億1、000万円分が1日で完売し、ニュースで放映されました。担当者の方に伺ったところ「区民の方も、商店の方も大変喜ばれている」とのことでした。1万円で1万1,000円分の買物ができる「中央区内共通買物券」は、使われた買物券は区が換金し、プレミア分は区が負担しています。港区、葛飾区、板橋区等では商店会と連携して、プレミア付き商品券の取り組みをしています。中央区のように区が直接行う方法なら商店会に負担をかけず、すぐに実施できます。共通買物券を実施している区は16区にもなります。新宿区も、中小商店への緊急景気対策として、「新宿区共通買物券」を発行すべきと思いますが、区長のご所見を伺います。
  以上のような対策を総合的に進めるためにも、私が決算特別委員会で提案した、「中小企業振興基本条例」の制定と、仮称「産業経済部」の創設を早急に具体化すべきと考えますがいかがでしょうか。お答えください。

3、雇用対策について

 次に雇用対策について伺います。
 金融危機・円高を口実に、トヨタ・日産などの大手自動車会社やキャノン・NECなどIT関連企業が相次いで人員削減を発表し、連日新聞紙上で報じられています。真っ先に首を切られているのは、低賃金で蓄えがなく且つ失業保険ももらえない派遣・請負・期間工などの非正規労働者です。テレビでも、家のローンが払えないとハローワークに日参する姿やネットカフェ難民となっている様子が伝えられ、社会問題となっています。いま、非正規雇用を爆発的に拡大した労働者派遣法の抜本的な改正が求められています。
 政府は、国民の批判にこたえるとして、今臨時国会に日雇い派遣禁止を含む労働者派遣法「改正」案を提出しましたが、関係者からは、これでは規制が極めて不充分なばかりか、あらたな規制緩和をすすめると反対の声が上がっています。
 私は、20代・30代の若者の前途を憂慮するとともに、少子化や社会保障の持続性といった観点からしても、労働者保護を保護する法律に抜本改正し、派遣は臨時的・一時的なものに限定し、常用雇用の代替にさせてはならないと考えます。区長は、派遣をはじめとする非正規雇用の拡大や、大企業が人間をモノのように使い捨てする大量解雇についてどのような認識・見解をお持ちでしょうか、おうかがいします。また、行政の責任者として、政府に対し、労働者派遣法を抜本的に改正し、労働者を保護する法律を制定するよう要請すべきと思いますがいかがでしょうか。
 第2の質問は、緊急の雇用対策についてです。
 雇用状況が悪化し、失業率は4月以降4%台で推移し、有効求人倍率はここ3ヶ月は0.8台に下がっています。帝国データバンクの発表によれば、10月の倒産件数は1231件で、2005年4月以降で最多の倒産件数に上っています。
 こうした中で、東京都が10月31日に「東京緊急対策Ⅱ」を打ち出し、悪化する雇用環境への対応として50万人の公的雇用を生み出す緊急雇用対策を実施することは注目に値します。都は、08・09年度で直接実施する延べ20万人分の対策に加え、09年度区市町村と連携で延べ30万人分の雇用対策を行うとしています。まだ都から詳細な内容は示されていないようですが、新たな雇用が創出されるよう、具体的な施策について早急に検討を行い、手を挙げるべきだと思います。また、国に対しても以前実施していたような緊急の雇用対策を早急に打ち出すよう強く要望すべきと思いますが、いかがでしょうか。
 第3の質問は、新たなネットカフェ難民やホームレスなどをつくらせないための対策についてです。
 私は先日、住所喪失不安定就労者サポート事業として、今年4月から東京都健康プラザ「ハイジア」内で事業を実施しているTOKYOチャレンジネットに調査に行ってきました。相談総件数1816件、そのうち就労相談が1342件で143人が採用され、住宅資金等の相談は703件、貸付申請が118件で111件が実行されています。半年間でこれだけの実績を上げたことは大変な成果です。
 また、この事業をすすめる中で、現実に突き当たっている問題点もうかがってきました。相談者の多くがネットカフェ難民などで、住宅だけではなく住民票も失い、住所不定になっています。多重債務の整理で自己破産を申し立てるにも、公的な資金の貸付を申請するにも、住所不定のために手続きできずデッドロックに乗り上げる、履歴書に現住所を書けず、就職に有利な免許証の更新もできず、八方ふさがりの悪循環に陥っていると言っています。そしてTOKYOチャレンジネットの担当者は、この状態になる前にもっと身近な行政で支援することはできなかったのだろうか、と言われました。本当にその通りだと思います。
 私は、住所喪失に陥る瀬戸際で、区ができることはあると考えます。
 その1つが、生活資金の貸付です。
 安い給料でカツカツの暮らしでは、ささいなことでも住まいを失ってしまいます。手持ち金がなくて、敷金・礼金なしのゼロゼロ物件を借りて高い違約金の支払いに苦しむアリ地獄も社会問題になっています。少しの間だけと思って借りた10万・20万の借金が雪だるま式にふくらんで、何年もサラ金の督促から逃げている人もいます。いまは、最初のちょっとしたつまづきが、その後の人生を大きく狂わせる時代です。その時、行政が手を差し伸べることで、救われる人がたくさんいると思います。
 江戸川区には、区の直貸しで限度額30万円、特別な理由があるときは50万円までの生活一時資金の貸付制度があり、賃貸契約更新料や食糧その他日常の生活必需品の購入費用などに困窮する場合にも貸付されています。5年前で999件、今年度も約300件の実績があります。新宿区には区の直貸しはなく、社会福祉協議会の制度だけです。今年9月までの実績で、応急小口資金7件、生活福祉資金が6件、緊急小口が1件、合計14件しかなく、江戸川区とは雲泥の差があります。
 私たちは、今定例会に江戸川区とほぼ同じような生活一時資金貸付制度を条例提案しますが、区長はこのような制度の必要性についてどうお考えでしょうか、ご所見をうかがいます。
 最後に、区は昨年に引き続き、来年1月、ハローワークと共同して、住まい付の仕事を紹介する就職説明会を開催する予定と聞きました。住み込みや寮のある仕事は、住宅と仕事の両方を確保する良いチャンスになります。こうした種類の仕事では、行ってみたら求人情報と条件が違っていたというケースもままありますから、担当者のご苦労は大変だと思います。しかし、ぜひ頑張っていただき、年間通して2回3回と継続して開催していただきたいと思いますがいかがでしょうか。

4、子育て支援について

 次に、子育て支援について質問します。
 第1は、出産育児一時金についてです。
  子どもを出産した後で支給される出産育児一時金は、一昨年までは世帯主に直接払っていましたが、昨年から「受取代理制度」が始まり、予め申請すれば、一時金35万円を保険者が病院に直接支払うので、その分本人が払わなくてよくなりました。利用した方からは、安心して出産にのぞめると喜ばれています。最近の報道によれば、厚生労働省はこの制度を全面的に義務化する法案を来年の通常国会に提出する方針を固め、来年秋から実施予定とのことです。実現すれば、妊産婦にとってはさらに歓迎すべきことです。
 「受取代理制度」の利用は、昨年度は530件中61件、今年度に入っても10月までで283件中60件と2割強に止まっています。今定例会には、分娩費用の増額が想定されるため、支給額を35万円から38万円に引き上げる条例改正が提案されています。義務化される来年秋までの約1年間、「受取代理制度」の周知を工夫し、医療機関にも協力を求めて、区民の利便を図る必要があると考えますが、いかがですか。
 また、厚生労働省は、現在全国一律の支給額を地域別にする方針で、全国の標準的な出産費用を調査したうえ、都道府県別の支給額を決めるそうです。高額な出産費用がかかる都心部の実態を反映させること、また増額分が保険料に跳ね返らないよう財源は国が補填することを区として国に要望することが必要ではないでしょうか。
 第2は、保育園の待機児童解消策についてです。
 区長が待機児ゼロの目標を掲げたにもかかわらず、新定義で昨年4月は26名、今年4月は60名の待機児が発生しました。11月1日現在の待機児童数は、新定義で164名、旧定義では204名です。この時期の待機児童数としては、2003年に無認可保育室や認証保育所に入所していると待機児童にカウントされない新定義の導入以来最も多い人数です。先日、「保育園に入りたい~待機児童をなくそう~会」のお母さんたちが赤ちゃんを抱いて議会要請にみえ、切実なお話も伺いました。待機児解消は待ったなしの状況です。
 昨今の厳しい経済状況を反映して保育需要が増し、各自治体は対応を迫られています。港区は、今年「緊急暫定保育施設」を2カ所設置しました。定員は併せて188名、一つは廃校した小学校を改修、もう一つは民有地を借り上げてプレハブを建設、5年後に認可保育園が整備されるまでの暫定的な施設なので無認可ですが、入所手続きや保育料は認可と同じだそうです。世田谷区は待機児童解消策として、区が土地を用意して私立認可園を誘致したり、区立中学校の敷地などを活用し、私立認可園の分園を新設することなどで定員を増やしています。また文京区は,緊急対策として区立幼稚園の空き教室を利用し,退職した保育士を再任用して0,1歳のグループ保育室を設置するそうです。
 こうした他区の取り組みも参考にしつつ、新宿区ならではの抜本的かつ緊急の対策が求められます。区内のあらゆる土地を視野に入れ,適地を購入し,認可園を新設するべきではないでしょうか。また、休園中の江戸川幼稚園や学校の空き教室など、区の遊休施設を活用し、区立保育園・私立認可園・保育室の分園などをつくることはできないでしょうか。さらには、保育室をB型認証保育所にするだけでなく認可園も視野に入れて定員拡大を図ることも求められますが、いかがでしょうか。
 第3は、高校生を対象とした奨学金について、区長と教育委員会に質問します。
 教育費の負担は増加しており、国民金融公庫総合研究所の「教育費負担の実態調査・平成19年度版」によると、学校に通うために必要な費用は、国公立高校が年間48万円、私立高校が94万8千円です。一方、格差と貧困は、子どもたちにも情け容赦なく影を落としています。全日制の都立高校で授業料減免を受けている生徒は、99年度は4.59%でしたが、06年度は13.29%であり、わずか7年の間に3倍近く増えています。高校に入るために保護者が借金をせざるを得ない、経済的な問題で修学旅行に参加できない、学費が払えずに学校を辞めざるを得ないなどの状況も出てきています。
 親から子へと引き継がれる「貧困の連鎖」「再生産」が社会問題になっています。憲法26条は、「すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する」と教育の機会均等を謳っています。この権利を国民に保障することは第一義的には国に求められますが、住民に身近な自治体としても重要な課題です。
 教育の機会均等を経済的に保障するものとして、奨学金制度があります。
 神戸市や京都市では、高校生対象の奨学金「教育扶助資金」制度があり、卒業後に返還する必要がない給付型の制度です。京都市では募集定員に制限がなく、市民税非課税世帯、高校に在学し、留年していないという要件を満たせば給付されます。受給者は右肩上がりで,一昨年は2000人を超えたそうです。
 新宿区にも給付型の島田育英基金奨学金がありますが、募集枠が15名程度しかなく、"狭き門"となっています。選考の最大の要件は「成績優秀」であり、次に「生活態度」や「健康」があり、最後に「経済的負担の軽減が必要な人」が上げられています。私は、新宿区でも、京都市や神戸市のように、募集人数に制限を設けず、「経済的に修学が困難な人」を対象にした給付型の奨学金制度を新たに立ち上げることが必要と考えますが、いかがでしょうか。
 新宿区には貸付型の奨学金制度もあります。しかし、20名の募集に対して、今年度と昨年度は8名の申込みしかありませんでした。申込みが少ない理由として、父母以外の連帯保証人を立てるという条件があるため、連帯保証人が見つからず申し込みを断念したケースがありました。東京都育英資金は新宿区奨学金とほぼ同様の制度ですが,連帯保証人は、申し込み時に父か母を第1連帯保証人とし、卒業後に父母以外の一定条件を満たす第2連帯保証人を立てます。これであれば申し込み時に父母以外の連帯保証人が見つからなくても応募することができます。新宿区奨学金も連帯保証人については都制度のように改善すべきではないでしょうか。また、募集期間内に定員に満たない場合は、随時募集もすべきではないでしょうか。お答え下さい。

5、新宿区障害者福祉計画、第2期新宿区障害者福祉計画について

 次に新宿区障害者計画、第2期新宿区障害福祉計画について質問します。
 第一に、同計画の前提となる障害者自立支援法についてです。
 現在、障害者自立支援法について、憲法が定める「法の下の平等」に反するなどとして、全国の障害者ら30人が10月31日、国や各自治体に自己負担をなくすよう求め、東京、大阪、福岡など8地裁に一斉提訴されました。原告は、障害者が地域社会で働き、生活するために必要な支援や介護は、障害者が受ける「利益」ではなく、人間らしい生活をするために、社会が広く負担して支えるべきものだと主張し、同法によって障害者だけに二重の負担を強いることで、さらに生活が不自由になったことは、生存権や幸福追求権の侵害にあたると訴えているのです。
 そこで、区長に伺います。ここまで、問題点が指摘され、当事者が廃止を訴えている障害者自立支援法については、国に廃止を求めるべきと考えますが、いかがでしょうか。 
 第2に、新宿区障害者計画・第2期新宿区障害福祉計画と第一次実行計画との関係についてです。
 第2期新宿区障害福祉計画は、第一次実行計画の期間と重なります。先行して策定された第一次実行計画にない事業でも、障害者団体をはじめパブリックコメントで出された意見をふまえ、必要な施策ついては盛り込むべきと考えますがいかがでしょうか。
 以下、具体的施策について伺います。
 質問の第1は、障害者の入所施設など、ハード面の整備についてです。
 重度重複障害者福祉ホームは9年の計画期間で新設がありません。またグループホーム・ケアホーム・ミニ療護施設については、家族の高齢化でまったなしの状況です。知的障害者の入所支援施設・グループホームも同様です。精神障害者のグループホームについても、地域生活移行を進める上では素案の内容では不充分です。
 これらの整備で最大のネックになっているのは、土地や物件の確保です。現在空いている国・都・区の施設・土地を洗い出し、計画達成のために必要な助成を行った上、次期計画期間内に整備するべきと考えますがいかがでしょうか。
 特に、精神障害者のグループホームについては、現在入院されている方で地域生活移行事業の対象と考えられる113人の方を視野に入れて考えるならば、まだ定員も何名になるか見通せない高田馬場福祉作業所跡地の入所施設だけでは、必要な環境整備はとても期待できません。一般の不動産物件に入居できるよう、宅建業協会と連携を取ることを、区が積極的に行うべきと考えますが、いかがでしょうか。
 また、障害者計画では公営住宅の入居をすすめるとしていますが、直近の応募状況からしても現実的には困難で、区として公営住宅を増やす取り組みをすることと同時に、民間の力を借りてグループホームの設置を積極的に進めなくてはならないと思います。そのためにも、港区で行われているような運営費・施設借り上げ料の補助の仕組みを作り、助成を行うべきと考えますがいかがでしょうか。
 質問の第2に、高次脳機能障害への対策についてです。
 今回の計画で、新しく高次脳機能障害について触れたことは評価するものです。しかし、具体的施策は、国や都の施策については紹介されていても、肝心の区の具体的計画は不充分と言わざるを得ません。
 区内にお住まいの元タクシー運転手Aさんは、数年前の事故で高次脳機能障害になりました。事故後、ケガが治って個人タクシーの仕事に復帰したけれども、お客さんからの指示にもたついてしまう、記憶ができないなど、どうもおかしいということになり、何度も病院に通った結果、高次脳機能障害と診断されました。本人も家族も現実を受け入れるのに時間がかかったそうです。その後Aさんは、デイサービスなどを探しましたが、自分が通えるものがみつからず何のサービスも利用できませんでした。
 新宿区では、障害者福祉センターで高次脳機能障害者を対象としたグループ活動を月2回実施しています。また、センターで実施している理学療法・作業療法・言語療法の機能訓練を利用することもできます。しかし、Aさんはそのことを知らず、従ってサービスを利用できなかったのです。まだまだリハビリなどの社会的資源が不足しており、また、せっかくあっても医療機関からつながらないのが現状です。
 今回採用された協働提案事業の中に、高次脳機能障害者生活サポート事業があり、希望の光が少し見えてきましたが、区の施策という点では、全く不充分です。まず東京都に対して、東京都障害者福祉センターに支援室を設置して、医療機関と社会的資源の連携をすすめるよう要望するとともに、新宿区でも予防課と障害者福祉課相談係との連携を強化し一体となって支援する係を設置するすべきと考えますがいかがでしょうか。
 これらの活動をしている民間の団体・家族会を育成・支援していく上で、日中活動に必要な場所の確保や、活動への助成などが必要と考えますがいかがでしょうか。同時に、グループホームの設置開設支援、ショートステイやデイサービスなどの在宅生活支援のための助成や育成などの支援を行うべきと考えますがいかがでしょうか。区長の見解をお伺いします。
最後に、以上のような施策の全体の底上げのため、東京都に対し(仮称)高次脳機能障害手帳の発行と、拠点病院以外の病院・医師・ソーシャルワーカーにたいしても病気への理解と社会的資源につなげるための啓発を進めるよう要望すべきと考えますがいかがでしょうか。

6、介護保険について

 次に、介護保険について質問します。
 新宿区高齢者保健福祉計画・第4期介護保険事業計画の素案が発表され、地域説明会とパブリックコメントが実施され、19日まで地域説明会が行われ、25日にパブリックコメントが締め切られました。計画に盛り込むべき事項について、以下質問します。
 第一に、次期介護保険料についてです。
 素案では、次期基準介護保険料は月4500円と提案されています。介護給付準備基金約8億8000万円を繰入れたこと、保険料段階を12区分とし、低所得者は2150円に据え置くなどの対策をとることは一定の評価に値すると考えます。しかし、さらにきめ細かい低所得者対策を講じる必要があると考えます。
 月15000円以上の年金から天引きする特別徴収は100%徴収ですが、それ以下の方の普通徴収の未納率をみると、第2段階が27.24%、第3段階が21.28%で、他の所得階層に比べて高くなっています。この方たちは、来年になったら収入が増えるわけではなく、2150円に据え置いても払えるようになるわけではありません。
 低所得者に対する自治体独自の軽減策について23区を調査しました。新宿区同様、第3段階のみ対象という区が多いのですが、所得や資産要件を設けて個別に減額している自治体もかなりあります。中野区は第1・第2段階が半額、目黒区は第1から第3段階まで半額、渋谷区が第2・第3段階が半額、千代田区は第2段階が年3000円安くなる、足立区も第1、第2段階が半額に近くなる等の個別減額制度があります。
 さらに基準保険料に対する倍率で低所得者に配慮をしている区もあります。港区は第1・第2段階の保険料が基準の0.4倍で月1800円、第3段階は0.65倍です。渋谷区は、第1段階の老齢福祉年金受給者は0.32倍、第2段階が0.432倍で、第3段階が0.448倍、第4段階も0.496から最高で0.788倍に設定しています。
 このように、第3期の保険料でも各区がそれぞれ低所得者に対してきめ細かく工夫して配慮した対策を講じています。第4期の計画案は、まだほとんどの区が出していませんが、今期よりさら踏み込んだ低所得者対策を提案するのではないかと予想されます。
 新宿区も、素案で示された保険料の案にとどまらず、さらなる低所得者への負担軽減を行うべきだと考えます。例えば、第1、第2、第3段階の特別対策対象者の倍率を提案された0.48倍から0.4倍に引き下げて月1800円にする、第3段階は0.7から0.65倍に、第4段階の軽減措置は0.8から0.75倍に、それぞれ倍率を引き下げると、年間およそ1億円程度の影響が出ます。これを区の一般財源で補填することは、現在の区の財政力からみて充分可能だと考えます。低所得層の倍率引き下げと、第1から第4段階までを対象とした個別減額制度を設けることを求め、区長の見解をうかがいます。
 第2は、介護報酬と人材確保についてです。
 政府は、追加経済対策の一環として介護報酬引き上げを発表しました。報酬を3%引き上げ、月2万円アップ、介護人材10万人確保と銘打っています。これに対して、各界から3%では「焼け石に水」という指摘があがっています。11月5日付の日本医師会の「意見」では、算定の根拠や3%という数字に強い疑問を呈し、公私の賃金格差が月4~5万円あり、少なくとも5%の引き上げ、4500億円の財源が必要としています。区長は、国が打ち出した3%の報酬アップで新宿区内の介護人材は確保されるとお考えでしょうか。
 介護報酬は過去2回のマイナス改訂がされました。03年は-2.3%、06年は-2.4%、これに前回の見直しで軽度者へのサービス抑制が加わり、実質では10%以上下がっていると言われています。そのため、介護従事者の5人に1人が離職し、在宅・施設とも人材不足は深刻です。11月13日の全国市長会の理事・評議員合同会議が決定した重点要望では「都市自治体の意見を充分踏まえて適切に報酬を設定すること」を求めています。こんな遠慮がちの漠然とした要望ではなく、最低でも日本医師会が求めているように5%以上の引き上げを、全額国庫負担で行うこと、人手不足が深刻な都市部についてはもっと加算するように国に強く働きかけるべきだと考えますが、いかがですか。
 特別養護老人ホームの利益率が低下し、中でも東京23区は-4%となっており、職員確保が深刻です。新宿区社会福祉事業団の評議員会でも、常勤職員が不足したままだと報告されており、事情は他の施設も似たりよったりです。特別養護老人ホームが不足しており、第3回定例会では次期計画に盛り込むことを求めましたが、このままでは現にある施設でも、人手不足のために定員を減らさざるを得なくなってしまいます。
 千代田区は、今年から3500万円の予算を組み、「介護保険施設等人材確保・定着・育成支援補助」を実施し、特養やグループホームの職員を確保するための対策を講じています。新宿区でも、第4期の計画に盛り込むとともに、来年度予算でも施設の職員確保策を講じる必要があると考えますが、いかがですか。
 居宅サービスも厳しい状況にあります。知り合いのケアーマネージャーは、土日や夜間のヘルパーを手当するのに20以上の事業所に電話をかけまくったと言っています。とりわけ困難な休日・夜間のヘルパーを確保するため、区独自に「深夜・休日手当」を上乗せすることを提案しますが、いかがですか。
 第3は、利用者負担の低所得者への軽減策についてです。
 千代田・港・渋谷・中央の新宿の周辺区では、低所得者の居宅サービス利用者負担を3%に減額する個別減額制度を独自に実施しています。他に世田谷区・目黒区も5%軽減の制度があります。一方新宿区の独自の利用者負担軽減策としては、ディサービスの食事代支援と軽度要介護者のベッドの貸与助成と購入費助成がありますが、訪問介護などのその他の居宅サービスではありません。第4期計画では、利用者負担の低所得者対策を拡充し、居宅サービス利用料について個別減額制度を実施すべきと考えますが、いかがですか。
 第4は、介護保険外サービスについてです。
 素案では、地域見守り体制と災害時の対策を充実させるとしていますが、具体的な保険外サービスでは新たな施策は見受けられません。
 素案では、一人暮らし高齢者が増加し、認知症の方が増え、重症患者が在宅になる傾向がさらに進行するとしています。こうしたケースでは隣近所のボランティアの方もどこまで関わっていいのか躊躇します。同居家族がいても半分以上は配偶者の老々介護ですから忍耐にも限度があります。最近、2人とも認知症の夫婦というケースがテレビで放映され、「認・認介護」が話題になっています。いま求められているのは、単なる見守りではなく看護や介護です。介護保険の範囲では不足するサービスや、保険給付が受けられない通院時の介助などを区が上乗せする保険外サービスを実施し、在宅でその人らしい尊厳ある生活を保障すべきだと考えます。
 以上、介護保険について区長の答弁を求めます。

7、新宿区教育ビジョンについて 

次に、「新宿区教育ビジョン」の策定について質問します。
 新宿区教育委員会は、区の教育振興基本計画である「新宿区教育ビジョン」素案を発表しました。区内3カ所の地域説明会や関係者との懇談を行い、のべ313名の方が参加され、パブリックコメントも実施されました。同時に牛込地区では、統廃合の対象校とされた学校ごとに適正配置の説明会が行われましたが、そこでもビジョンの内容に係わる意見が出されています。それらを踏まえて、以下具体的に質問します。
 第1は、新宿区独自の、特色ある「新宿区教育ビジョン」を策定することについてです。
 「新宿区教育ビジョン」は、新宿区の現状を直視し、区民の期待に応える計画を、徹底した住民・関係者の参画のもとで策定すべきで、様々批判の多い国の教育振興基本計画に縛られるものであってはなりません。
 素案では、第3章で、教育をめぐる現状と課題や、今求められる教育の姿が書かれていますが、区民意識調査の記述以外は、国の教育振興基本計画や中教審の報告をそのまま引き写しにしたような文章になっており、「これでは新宿区の計画なのかどこの自治体の計画なのかわからない。」という声が出ています。
 新宿区は、全国的には導入率の低い学校選択制を早くから実施しており、全国で少人数学級の実施が進んでいるもとで東京都だけが40人学級に固執しているその枠内で教育が行われており、小・中学校とも私立への進学率が高く、区立学校では外国籍など日本語が充分話せない子どもが増えている実態があります。教育委員会の議論にもあったように、経済的格差、学力の格差、学校間の格差など、様々な格差が拡大しているのではないでしょうか。そのような新宿区の現状を直視した分析を行い、その上でそれらを解決する方策をビジョンで示すべきではないでしょうか。お答えください。
 また、素案では改定された教育基本法については再三触れられていますが、憲法や、子どもの権利条約には一言も触れられていません。地域説明会でもスクールコーディネーターの方から「憲法はすべての基本である」という意見が出されていたとのことですが、憲法が基本にあるのは当然のことだからビジョンには書かないと言うのではなく、憲法をビジョンに位置付け、子どもの権利条約で謳われている「子どもの最善の利益」を追求することを明記すべきと考えますがいかがでしょうか。
 第2は、少人数学級の実現を目指すことについてです。
 素案では、現在行っている少人数指導については触れていますが、学校関係者からの強い要望である少人数学級について、区独自で教員採用して実施することはせず、東京都に対しても40人学級を崩す少人数学級編成の要望はしないという姿勢に終始しています。
 一方で、第5章「ビジョンを推進するために」では、「現在の学級編成や教職員の配置の弾力的な運用が求められている」ので、国や東京都に、教員の人事権を区に移譲することを求めるとしています。それが実現すれば少人数学級などにも柔軟に対応できるというのですが、都区のあり方検討会幹事会で人事権を「移管する方向で検討することに合意し」たと言ってもクリアしなければならない問題が山積しており、具体的協議の日程すらまったく決まっていないという状況なのです。
 いつ実現するかわからない人事権の移譲に委ねて課題を先送りにするのではなく、人事権の移譲と少人数学級の実現を国や都に要望しながら、区教委として少人数学級に一歩でも踏み出すことをビジョンの課題に示すべきと考えますがいかがでしょうか。
 第3は、学校選択制の問題です。
 学校選択制についてはこの間、正式な会議だけでも、新宿区民会議、外部評価委員会、牛込地区学校適正配置に関する懇談会、学校評議員連絡会、教育ビジョンの地域説明会などで再三問題点が指摘され、検証と見直しを求める意見が出されてきました。また、区立小学校校長会からの要望でも、「学校選択制と適正配置に対する将来構想をさらに明確に示していただくように」とあり、区立小学校PTA連合会からも学校選択制の見直しについて要望が出されているのではないでしょうか。にもかかわらず、区教委は、学校選択制は一切見直す考えのないことを示しています。
 これまでも区教委は、新1年生保護者アンケートの結果で学校選択制に賛成が多いことを根拠にするだけで、学校選択制についてまともな検証を行ってきませんでした。しかし、区教委は、制度を導入した2004年の決算特別委員会や2005年の予算特別委員会で、5年、6年という期間で状況を見ながら抜本的な見直しについては検討するという主旨の答弁をしてきたのです。学校選択制導入から6年目を迎えようとしています。これほど地域から反対の声や検証を求める声があるのに、このまま学校選択制を10年先まで続けるつもりですか。見解をお示しください。
 私ども区議団は、学校選択制は廃止し、導入前の通学区域制度のもとで指定校変更は柔軟に対応する制度に戻すべきと考えています。私どもが行った区政アンケートでは、賛否両方の意見がありましたが、賛成意見の方も、「学校によって人数に差が出すぎないように見直すべき」という意見が多く寄せられました。ビジョンの地域説明会でも、「区民会議の時から学校選択制には反対だと言い続けているが、教育委員会に門前払いされている。江東区は見直し、前橋市は廃止し、これから検討しようとしている区もあるが、新宿区は門前払いなのか。」という意見や、「自分は、部分選択制に賛成だが、教育委員会は反対意見に蓋をしているように見える。民主主義の問題として、反対意見にも耳を傾けるべき。両者が議論できる場を作ったらどうか。」というもっともな意見を、区教委はどのように受け止めましたか。学校選択制については、町会、青少年育成委員会、民生委員など地域で活動している方々の意見も聞いて、区教委として現状を分析し、検証を行うべきです。また、学校選択制をテーマにした教育懇談会を開いて議論の場を設けてはいかがでしょうか。お答えください。
 第4は、学校適正配置の問題です。
 牛込地区の学校適正配置について私ども区議団は、区教委の統廃合ありきのやり方を批判してきました。学校選択制を道具としながら学校間の格差を広げ、小規模校となったところは統廃合でつぶし、小規模校を望む保護者の選択肢をも奪っていく区教委のやり方が地域や学校関係者の怒りをかっているのではないでしょうか。
 素案では、牛込地区学校適正配置については、「懇談会で出された意見を参考にしながら統合協議会設置に向けた協議を進めていく」としていますが、区立小学校PTA連合会からも意見が出ているように、統廃合を推進する前に、児童数の格差是正に対して学区域、学校選択制の見直しを行い、校舎建設費用を教員増員やソフト面の改善にあてるべきという地域・保護者・学校関係者の願いに、区教委はどう応えるのかお答えください。
 素案では、学校選択制は変えない、少人数学級の展望も示さないというのでは、せっかく懇談会を設置して意見を聞いても、結局区教委は区民の意見を本当に聞く気がないのではと言われても仕方がありません。"区民の意見は参考として聞くが、あくまで区教委が決めたことを強行する"という姿勢から、"区民の意見が区教委の考えと違ったとしてもそれを尊重する"という姿勢に変えるべきで、学校統廃合についてもその姿勢を貫くべきと考えますがいかがでしょうか。
 また、牛込地区で共通して出されているのが、子育ての環境整備です。幼稚園が休園になった学校が小規模校となり統廃合の対象にされていくという現実がありますが、一方で保育園は待機児童が多く、学童クラブも定員を大きく超えている現状があります。休園になった幼稚園施設や空き教室を活用して、保育園や学童クラブを作って欲しい。子育て世代が住みやすくなれば学校を統廃合しなくても済むのではというのは当然の意見です。区教委は、1992年7月に学校適正配置等審議会が出した、いわゆる平成4年答申を根拠に統廃合を強行しようとしていますが、答申の第4章第2節には、学校施設の複合化について、遊休施設などを学校教育以外にも活用し、地域のコミュニティ・センターとしての役割を果たすことが強調されています。平成4年答申を言うのなら、学校統廃合の前にそうした努力をこそすべきです。そうすれば、江戸川小学校を残すことができるし、そもそも津久戸小学校は統廃合の必要がないのではないでしょうか。保育園などの整備は、第一義的には区長部局の課題でしょうが、区教委としても子育てをトータルで考えることが必要で、ビジョンでも積極的に教育施設の資源を活用した子育て支援を位置付けるべきと考えますがいかがでしょうか。
 第5に、施策と数値目標を明確にし、それも含めて徹底した区民・関係者の参画のもとで計画を策定することについてです。
 数値目標の明確化については、文教委員会でも要求してきたところですが、地域説明会でも出されたように、5年、10年後にこうなっているという具体的イメージが示されてこそ「ビジョン」と言えるのではないでしょうか。区教委は、成案にする時までに、実行計画などと整合性を取りながら数値目標を示せるところは示したいと、地域説明会などで答えていますが、「意見は聞きました。後はお任せ下さい。」というのでは、本当の意味での住民参加とは言えません。区の基本構想・総合計画を策定した時は、新宿区民会議、基本構想審議会、地区協議会、区内10カ所の地域説明会と、住民参加の仕組みを作る中で策定されましたが、それでも不充分さは残りました。「新宿区教育ビジョン」は、区教委が初めて策定する10年計画です。区の総合計画に匹敵するものであり、徹底した住民・関係者の参加が重要です。現在の素案に、パブリックコメントなどで寄せられた意見と数値目標を盛り込んだ案にした時点で、最終決定する前にもう一度、区民や関係者が意見を言える場を作り、それも踏まえてビジョンとすべきと考えますがいかがでしょうか。

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