2009年第1回定例会代表質問 沢田区議

 (質問1)日本共産党の沢田あゆみです。私は、2009年 新宿区議会 第1回定例会にあたり、日本共産党新宿区議会議員団を代表し、区長並びに教育委員会に質問いたします。
 アメリカ初の金融危機が世界同時不況を引き起こし、大変な2009年の年明けとなりました。「年越し派遣村」の取り組みは、仕事と住居を失った多くの労働者を救い、支援の輪が広がりましたが、働くルールの規制緩和がまねいた「派遣切り」「期間社員切り」の異常事態は、今後、正規雇用にも拡大することが心配され、三月末までに職を失う人が製造業だけでも四十万人になると言われています。生身の人間をまるでモノのように放り出す大企業の横暴は、人道上も許されません。今、政治の責任が厳しく問われています。
 一方で、麻生首相が打ち出した緊急経済対策は、定額給付金とセットで消費税増税が提起され、国民の怒りが広がりました。定額給付金をめぐる迷走、あげくに中川前財務大臣の世界中に恥をさらした「もうろう記者会見」問題で、予算審議中に担当大臣の交代という異例の事態。政権そのものがまさに酩酊状態で麻生内閣の支持率は暴落しました。毎日新聞の電話による世論調査では、麻生内閣の支持率は11%で、1949年以降1989年の竹下内閣、2001年の森内閣の各9%に次ぐワースト3位の低水準となり、不支持率は73%で、森内閣の75%に次ぐワースト2位を更新したのです。今、解散総選挙で信を問えというのが国民の声ではないでしょうか。日本共産党は、来るべき総選挙・都議会議員選挙で躍進をし、国民、都民のみなさんとともに政治を変えていく決意を申し上げて、質問に入ります。
 最初に、区政の基本方針と財政運営について質問します。
 第1の質問は、区民生活の実態をどう認識しいているかについてです。
 世界同時不況の下で、区民生活も重大な影響を受け、私どものところに毎日のように寄せられる相談は、件数の多さでも、内容の深刻さでも、これまでに経験したことがないような事態が起こっています。
 区長の基本方針説明でも、「深刻な状況が出始めており、予断を許さないものとなっている」と述べられましたが、この間の様々な指標を見ても明らかなように、生活保護の居宅相談件数と居宅申請受理件数が、昨年1月は相談75件、申請受理48件だったのが、今年1月には相談、申請受理とも昨年同月比で2倍近くに激増しています。国民健康保険料の収納率は2008年1月末と2009年1月末との比較で、後期高齢者医療制度の導入による状況変化があるとはいえ、現年度分が58.93%から56.73%に低下し、滞納繰り越し分は16.08%から14.47%に低下しています。就学援助の認定率は、2001年度が18.85%だったのが2006年度には23%を超え、中学校では今年2月1日現在で29.8%、約3割となって、特に要保護の件数が2001年度59人から大幅に増えて、今年2月1日現在では190人と、就学援助を受ける子どものなかでも特に困窮しているご家庭の子どもが増えていることを示しています。これから3月4月にかけてますます深刻な事態が広がることが予想されます。
 区民生活の実態は、もともと大変だったところへ、世界同時不況が追い打ちとなって急速に厳しさを増しています。今、区政に求められていることは、区長が基本方針説明で、「区民の生活実態を直視し、区民の生活を支え、守っていくという観点から区民に最も身近な自治体として、その役割を積極的に果たしていくことが、今強く求められています。」と言われましたが、区民生活の厳しい実態を、区長は実感としてどのように認識されているかお聞かせください。
 第2の質問は、財政運営についてです。
 私どもはこれまでも、新宿区の豊かな財政を活かし、区民生活を応援すべきと言い続けてきましたが、基金残高は2007年度末549億円が2008年度末では582億円と、33億円も増える見込みです。区長の基本方針でも、「21年度は景気後退の長期化が予測される中、区民に最も身近な基礎自治体として、地域社会の安全、安心を下支えするため、これまで培った財政対応力を活かし、積極的に事業の予算化をはかりました。」と言われました。まさに今、区民にとって必要なこと、求められていることを実現し、区民が安心して生活できるように持てる力を最大限に発揮する時ではないでしょうか。
 質問の第1は、今後の財政見通しについてです。「第1次実行計画ローリング」でも示されたように、特別区税が今後落ち込んでも2011年度までは400億円台を維持し、特別区交付金も市町村民税法人分が落ち込む中にあっても、東西自由通路や再開発などの対象経費が後から普通交付金として入ってくるものを2010年度は約11億円、2011年度約20億円、2012年度約30億円見込んでいることなどから、少ない年度でも260億円、2011年度は266億円を見込んでいます。そうしたことや基金残高を勘案すると、区財政は充分な体力を持っており、それを活かして区民生活を支えることが、景気の浮揚にもつながると考えますが、区長の認識はいかがでしょうか。
 質問の第2は、負担増に対する施策についてです。私ども日本共産党区議団は、去る1月19日、区長に対して「緊急雇用・経済対策」について申し入れを行いました。区長が2月3日「緊急経済・雇用対策」を発表された中に、私どもの提案もかなりの部分で採り入れていただきました。具体的な施策については後の質問でお聞きしますが、そもそも区民生活が大変になっている要因は、給与所得者も年金生活者も収入は増えないのに税金や保険料などの負担増が重くのしかかっていることにあります。この負担を軽減することが今こそ求められているのではないでしょうか。
 区長を本部長とした「緊急経済・雇用対策本部」としてはこのことをどのように捉え、負担が重くなっている国保料、後期高齢者医療保険料、介護保険料などについてはどのように検討してきたのかお聞かせください。
 特に、国保料については毎年値上げが行われ、来年度についても均等割が300円値上げされる予定で、さらに住民税のフラット化の影響についても激変緩和措置が終了するため、年収200万円~400万円の階層に大きな影響が出ます。単身の給与所得者で年収400万円の場合、6.1%12,592円の値上げです。区費を投入してでも均等割を据え置き、値上げとなる所得階層については引き続き激変緩和措置を行うべきと考えますがいかがでしょうか。

区長 (区民生活の厳しい実態をどのように認識しているか)
2月の政府月例経済調査では、「景気は急速な悪化が続いており、厳しい状況にある」とし、昨年10月から5ヶ月連続で下方修正しています。また、「雇用情勢は、急速に悪化しつつあり、個人消費は、緩やかに減少している」としています。このように、経済状況や雇用情勢の急速な悪化により、区民のくらしは一層厳しさを増しており、先行きへの不安を感じずにはいられない状況にあると認識しています。そうした中、私は、区民の生活を守り、支えていくことが基礎自治体の長として大きな責務であると考えています。
    (財政運営について)
 基本方針説明で述べたとおり、区は、区民の生活実態を直視し、区民の生活を支え、守っていくという観点から区民にもっと身近な自治体として、その役割を積極的に果たしていくことが、今強く求められています。21年度予算は、世界的な経済不況が国内経済や区民生活にも大きな影響を及ぼす中での予算編成となりました。景気後退の長期化が予測される中、区民生活にも影響を与える喫緊の課題への機動的、柔軟な対応を編成の大きなテーマとて、商工業緊急資金融資の拡充や社会福祉施設等緊急助成など、これまでやしなった財政対応力を活用し、地域経済対策の積極的な予算化を図りました。一方景気の悪化により、今後、区税等の一般財源が減収することが予想される中、区施設の更新経費や少子高齢化の進展に伴う社会保障経費などの行政需要の増加が見込まれます。
 今後の景気変動への備えとして、23年度末で、300億円の基金残高を確保することとしていまが、機動的に安定した行政サービスを提供していくためには、強固で弾力的な財政基盤を確立することが欠かせません。
 今後も、効果的、効率的な行財政運営により、区民生活を支えてまいります。
   (緊急雇用対策)
 各保険料については、「緊急経済、雇用対策本部」設置以前から経済状況も考慮しながらそれぞれ検討してまいりました。国民健康保険料は、保険料総額における均等割の比率が据え置かれ、低所得者の方の負担増加に一定の配慮がなされています。後期高齢者医療保険料は、所得割料率と均等割額が据え置かれるとともに、新たな均等割9割軽減が実施されるなど高齢者の方の負担に配慮された内容になっています。介護保険料は、現行の10段階から12段階へと、よりきめ細やかな段階設定をおこなうとともに第1段階や第2段階を第3期と同額にするなど、所得の低い方には充分な配慮を行いました。
 区としては、保険料の支払いが困難になった方に対して、生活の実態を踏まえた、よりきめ細やかな納付相談などに努めてまいります。
 つぎに、国民健康保険料の均等割額や激変緩和策などについては、23区で統一して設定しています。また、一般会計から国民健康保険料特別会計への繰入れが毎年50億円を超える規模になっており、区民の皆様で国民健康保険を支えていただいていることを思えば更に区費を投入して、均等割の据え置きと激変緩和策措置を継続することは困難であると考えます。

 (質問2) 次に、緊急経済・雇用対策について質問します。
 2月3日、区は「緊急経済・雇用対策」を発表しました。この対策には日本共産党区議団が申し入れた事項もかなり取り入れられており大いに評価するものですが、状況は悪化の一途をたどっており、更なる対策の拡充を求めて以下質問いたします。
 第1の質問は、区の執行体制についてです。
 質問の第1は、実務にあたる職員の配置やスペースの問題です。産業振興課では、拡充された商工業緊急資金融資の申込みが殺到し、予約が600件もあり、その審査に4月までかかると伺いました。信用保証協会の審査も追いつかず、実際に融資を受けられるのは数ヶ月先になると言われています。これでは「緊急対策」の意味が失われかねません。審査をしていただく中小企業診断士を増員し、必要な職員を配置し、執務スペースを広げるなどの対策を講じる必要があると考えますが、いかがでしょうか。
 生活福祉課の相談も急増し、在宅の生活保護も住所喪失者の相談も昨年同月比でおよそ2倍で、月初め・週の初めなど第2分庁舎1階はあふれかえっています。自立支援係も相談係もワーカーも多忙を極めていると推察しますが、現状がどうなっているのか、職員の増員や相談場所を広げる措置を早急に行うべきと考えますが、いかがでしょうか。
 また、緊急一時保護施設も自立支援施設もどこも満員状態と聞いています。受入施設が不足すれば、担当者の業務はますます困難を極めることになります。仕事も住宅も失って全国から上京する人たちを対象にしているのですから、新宿区だけの課題ではありません。当然国や東京都が施設を確保すべきです。都にはすでに要望していると伺っていますが、区長自ら国や都に出向いて、強く求めるべきだと考えます。いかがでしょうか。
 質問の第2は、庁内の組織のあり方です。区長を本部長とする対策本部を立ち上げましたが、経済や雇用情勢は今後さらに悪化すると考えられますから、区として先を見越した体制を整える必要があります。雇用対策は消費者行政と兼務で副参事の担当ですが、いずれも今後位置づけが重くなってきます。この機会に、雇用促進専任の「課」を設置すべきではないでしょうか。また、職員定数削減計画は見直し、正規職員増員に方針転換すべきではありませんか。お答え下さい。
 第2の質問は、借換融資制度についてです。
 昨年第3回定例会で、区長は制度上種類の異なる融資相互の間では借り換えができない旨答弁されました。まさにそれを実現したのが、江戸川区が昨年10月31日から受け付けている借換融資制度です。
 江戸川区では、業者のみなさんに加え、区内業者の経営や資金繰りの実態を熟知している信金・信組などの金融機関にも聞き取り調査をしています。その結果、業者は今まで借りた融資の返済に追われており新規に借入れを起こす余裕がない、いま一番必要なのは毎月の返済を減らすことだと指摘され、借換融資に踏み切ったそうです。ネックとなったのは都があっせんした融資でしたが、東京都と交渉して認めさせ、異なる制度間での借り換えを可能にしたのです。現場・現実から出発し、都とねばり強く交渉し、23区で初めて風穴をあけた江戸川区職員の熱意に感銘を受けました。
 例えば、総額806万円の3本の債務をかかえて毎月17万3000円返済しているケースでは、残高に約100万円プラスして900万円借りても、月の返済は8万6000円と、およそ半分になります。利用実績は、11・12月の2ヶ月で844件、あっせん額で約73億2500万円だそうですから、まさに時宜にかなった対策といえます。
 以上を踏まえ、区長に伺います。区内の中小業者からは、不況でお客が減り融資の返済が困難だ、返せるメドがないから新たな借り入れはできないという声をお聞きしますが、区長はこの実態は認識しておられますか。現場の実態をリアルに掴むため、江戸川区のように、当事者や信金・信組などの金融機関に聞き取り調査を行ってはいかがですか。また、江戸川区が先べんをつけた都制度分も借り換えできるという前例にならい、新宿区も都や区の異種制度間の借換融資制度に踏み切るべきだと考えますが、いかがでしょうか。
 第3の質問は、商店会振興と生活支援の両面で効果があるプレミア付商品券(=区内共通買い物券)についてです。
 この間、自治体の生活支援・経済対策としてプレミア付商品券が注目を集めています。23区の実施状況を調査したところ、来年度実施する区が13区、それ以外に3区が検討中となっています。定額給付金の給付時期にあわせて新規実施に踏み切る区もあれば、練馬区のように10億円に規模を拡大する区もあります。23区では10%のプレミア付きで商店会連合会が実施主体となり、区がプレミア分や印刷費等を支援するのがほとんどですが、前定例会で質問したように、中央区では区が実施主体となっています。私ども区議団は、この方法を区内の商店会の会長さんにご紹介してご意見を伺っていますが、だいたいの方が賛成して下さり、「中央区の同業者からとても良かったと聞いている。個人の小売業は大変苦しんでいる。資金繰りの手当も良いが、売り上げが上がらなければ借金返済が増すばかり」などの声が寄せられています。
 前回の質問に区長は、“区商連から具体的な相談を受けておらず、商品券の発行は考えていない”旨答弁をされ、個々の商店や商店会の負担にも言及されました。改めて区長に伺います。私どもは、前定例会の後も、直接中央区の個店・商店会を尋ねて聞いてきましたが、共通買い物券を歓迎する声ばかりで、負担が重いという話はついぞ聞かれませんでした。区は、第4回定例会以降、中央区にこの点について調査されたのでしょうか。また、その後公式・非公式を問わず、区長は区商連の役員さんや商店会の方からプレミア付商品券発行の要望を直接聞いておられないでしょうか。さらに、区商連等から要望があれば区が主体となって実施する意向をお持ちなのかも伺います。
 プレミア20%の雫石町では朝暗いうちから家族総出で購入していましたが、10%でも消費者である区民の生活は大助かりです。仮に区商連等から要望がなくても、是非実行していただきたいと思いますが、区長の見解をお示し願います。
 第4の質問は、生活一時資金の貸付についてです。
 区の緊急経済・雇用対策には、離職退去者が一時的な住居先を確保するための資金を支給することが盛り込まれました。これは、他自治体の施策と比べても特色のある積極策であると評価しています。この年明け以降、仕事も住まいも喪失した方々からの相談が増えていますが、住所がないと就職できずどん底から抜け出せない現実を見せつけられています。つなぎ資金の出る30日以内に運良く次の仕事がみつかればラッキーですが、双方のニーズがマッチしないなどで継続した仕事に就くのはそう簡単ではありません。また、生活が困窮する理由は失業だけとは限りません。
 私たちが今回再度条例提案させていただく生活一時資金は、さまざまな理由により一時的に生活に困窮したとき、生活や住まいを維持し、健康で文化的な自立した生活を継続するための制度です。同様の制度のある江戸川区では、区役所本庁と出張所でも受け付け、担当者の裁量で2日程度で決済するワンストップサービスが提供されています。貸付事由が限定され、申込みから貸付まで時間がかかり、しかも借入が成就しないことの多い社会福祉協議会の制度だけでは、今日の深刻な区民生活に対応しきれません。
 自殺を考えるほど追いつめられたり、住所を喪失してマイナスのサイクルから抜け出せなくなる前に、一時的に生活資金を提供して安定した生活を確保することは、本人にとっても行政にとっても良いことだと思います。生活一時資金の貸付は、区民生活の不安を払拭し、これを支えるセーフティネットを充実するという区政の基本方針に合致するものと考えますが、区長の見解をうかがいます。

区長(産業振興課の体制について)
 産業振興課の職務体制について、1月28日の商工業緊急資金融資を拡充したところ、多くの中小企業経営者の方々からの融資相談がよせられ、商工相談員の面接が大変混雑している状況です。これについては、2月23日から商工相談員を増員するとともに、緊急的措置として面談時間を短くして面談枠数の増加を図って対応しています。
 また、職員体制についきましては、再雇用非常勤職員を雇用するとともに、産業振興課全体として融資業務の支援体制をとって対応しています。
 また、執務スペースについては、産業会館の貸し出し用研修室の一部屋を、当分の間、融資相談業務の執務スペースとして活用することで対応していきます。
 (区の執行体制について)
 今年1月の相談者の数は、昨年1月と比較して概ね2倍の実績を示し、生活保護申請に至るケースも倍に近い状況です。相談者には長時間お待ちいただくこともありますが、相談にあたっては個々の職員が精一杯、適切な対応に心がけています。
 職員の増員については、4月に保護担当課も含め6名の増員をしますが、現在の状況を十分勘案し生活福祉課内部の配置換えも含め適切に配置します。
 相談場所を広げる措置については、4月に保護担当課が第2分庁舎2階に移転することにともない、1階、2階部分に相談場所を確保し十分な改善を図ります。
 緊急の一時保護施設や自立支援施設などの施設の確保については、いずれの施設も万床状態に近く、十分な確保が困難な状況です。
 施設の確保は、国や都の責任と役割においては対応することが基本であり、2月10日には福祉部長が福祉保険局生活福祉部に出向き、新宿区の現状を説明し強く施設確保の要望を行いました。2月13日には、厚生労働省社会援護局が緊急一時保護センター「千代田寮」を訪問し、現場の実態を視察しました。
 今後も施設の確保は厳しい状況が続くものとかんがえてられますので、様々な機会を捉え国や東京都に対し強く要望をしてまいります。
 (雇用促進専任の課を設置)
 これまで担当の副参事を置き総合的な就労支援施策を実施してきましたが、本年4月からは、新たに設立する一般財団法人新宿区勤労者、仕事支援センターに専任の担当部長を配置し、就労支援への総合的で幅広い取り組みをより一層強化していきます。
 また、本年1月には、現在の厳しい経済状況、雇用情勢に迅速に対応するために緊急経済、雇用対策本部を設置し、雇用対策として総合相談窓口の開設や離職退去者への居住支援などの全庁的な取り組みを開始しました。
 今後とも働く意欲をも区民の貯めに総合的な就労支援施策を全庁的に取り組んでまいります。
 (職員定数削減見直し)
 平成23年度までに計画期間とした第一次実行計画に基づく定員適正化計画により、より簡素で効率的な行政運営を推進するため、定員の適正化に努めています。
 計画の推進に当たって、子育て支援事業の充実や就労支援事業の推進など、新たな行政需要については、今後も適切な人員配置を行っていきます。
 一方、指定管理者制度の導入や業務の委託化、再任用職員の活用などにより、職員定数の削減にも計画的に取り組んでまいります。
 (借り換え融資)
 産業振興課の融資相談等の窓口を通しての情報や、また、様々な業界団体都の会合でのお話をうかがっており、厳しい実態にある中で経営者の方々が努力、工夫されているという認識をもっています。
 産業振興課における日々の融資相談業務の中で中小企業経営者からの声をお聞きしているとともに、制度融資の取り扱い金融機関とは幹事店を中心に産業振興課が連絡会を行っています。              今年度から産業振興フォーラムの金融分科会を、信用金庫を中心に立ち上げ既に2回実施し、情報や意見の交換をおこなっています。このようななかで中小企業の経営状況を踏まえ、1月28日から商工業緊急資金融資の対象業種を拡大し、貸付額の上限を1000万円、本人利子負担0%、信用保証料全額補助を行いました。
 次に、借り換えについてのお尋ねです。新宿区としては制度上の種類の異なる融資相互の間では、貸し付け趣旨条件等も異なるため、借り換えはできない制度となっています。
 ただし、既に商工業緊急資金融資を借り手いる事業者の方が、今回拡充されや内容に変更するために、既存債務を返済し新たに借り入れることは可能な制度にしています。
 しかしながら、現下の厳しい経済状況を考慮刷れば借り換え融資制度も有効な施策と考えられる。江戸川区での制度の運用状況を把握し仕組みについて検討します。
 (プレミア付商品券)
 プレミア付商品券に関する他区の取り組み状況については情報収集しており、中央区についても取り組み方法等についてお伺します。入手したデータからは、取り扱い店舗の利用店舗率は、各年度50%程度で、利用業種も飲食関連業が多いなど使用先が一部の商店や商品に偏る傾向がみられます。
 次に、新宿区商店街連合会の役員の方々や商店会の方からプレミア付商品券発行の要望について、直接聞いたことはありません。
 次に、新宿区商店街連合会からプレミア付商店街連合会からプレミア付商品券について要望があった場合には、プレミア付商品券が個々の商店や商店街の振興に寄与するかどうか見極め、発行するかどうか検討します。商店街振興における区の基本的な役割は、商店会の自主的な取り組みを支援する。
 従いまして新宿区商店街連合会からのプレミア付商品券の発行の要望がないためにもかかわらず区が一方的に発行はしません
 (生活一時資金)
 新宿区社会福祉協議会の応急小口資金は、区が3千万円を拠出した基金により、収入が生活保護法にもとづく生活扶助基準額のおおむね1.7倍以下の方に対して、緊急に資金を必要とし他からの借り入れが困難な場合、通常時は10万円、水害時は50万円を限度として貸し付けをおこなっています。
 また、東京都社会福祉協議会では療養介護資金や就学資金を始め、低所得者や障害者、高齢者を対象に11種類の貸し付けをおこなっています。この内、利殖者支援資金貸付については2月から貸付金利率の無利子化や子育て世帯への金額上乗せなど施策強化を図っております。
 区独自の新たな貸し付け制度の導入はかんがえておりませんが、区民の皆様に制度を理解して頂けるよう十分周知を図ります。

(質問3) 次に、保育園の待機児解消と子育て支援策について質問します。
第1の質問は、待機児解消についてです。この問題は前定例会でも質問しましたが、その後、信濃町分園の整備で50名の定員拡大など前向きな取組を開始していることは評価いたします。2月1日現在、新定義236名、旧定義291名の待機児童がおり、この時期の待機児童数としては、2003年度以降で最も多い人数です。更なる取組の強化が求められています。
先日、NHKの生活ほっとモーニングで新宿区の待機児童問題が報じられました。特に牛込地区の待機児童の現状は深刻で、この地域にある無認可の「つくし保育園」では「定員20名に対し47名の申し込みで例年の4倍。4月に申し込みをした人がまだ入れないでいる。」という状況です。区長は、2月1日「待機児童解消緊急対策部会」を発足し、「待機児童解消に向けた区の総合的な取組を強力に推進する体制を整備する」としました。従来の延長線上ではない取組が待機児童を持つ保護者、子育て世代から強く期待されています。
 そこで区長に伺います。すでに4月入園の希望で、1歳児201名の募集枠に309名の希望が出されています。4月1日時点で新定義・旧定義で待機児童数をどのように見通されているのか、来年度末までの見通しもあわせてお答え下さい。区長はご自身のマニフェストで、H19年4月1日に「待機児解消」を掲げられていましたが、「待機児ゼロ」を目指されていた区長としては、この現状をどのようにお考えですか。お答えください。
待機児解消のため、区内のあらゆる土地を視野に入れ、区が適地を購入し認可園を新設すること、信濃町のような分園を増設することなど、全ての可能性をくみつくすべきです。例えば、弁天町にある3300平米の国有地の内、すでに普通財産になっている元国税庁の部分については、この間、住宅展示場などとして使用していましたが、ここを活用してはいかがでしょうか。関東財務局によると、今年度いっぱいで一時的な活用の委託を終え、参議院宿舎の跡地が普通財産になれば、物納物件と合わせて1筆にして売却する予定のようです。ただ、時間はまだ掛かるようなので、地元区として具体的な事業のため必要であれば、協議の上、売却までの間は貸与もできるとのことです。ここに弁天町保育園の分園をつくってはいかがでしょうか。また、関係者の同意を得られれば旧北山伏保育園=「ゆったりーの」の場所の活用を検討できないでしょうか。今述べてきたようなあらゆる可能性を検討すべきと考えますが、区長のご所見を伺います。
第2の質問は、一時保育などの子育て支援策について伺います。この間新宿区は、一時保育についても専用室型やひろば型を拡大してきましたが、課題は圧倒的なサービス量の不足です。保護者のみなさんからも、「一時保育を申し込むための登録・面接も予約がいっぱいで一ヶ月もかかった」と言われています。基本方針の中では、榎町子ども家庭支援センターでのひろば型一時保育について言及はありますが、まったく需要に追い付いていません。今回の待機児童解消策の中で認可保育園を増設することと合わせ、区立保育園既存園全てに専用室型の一時保育の体制を整備すべきと考えますが、いかがでしょうか。
同時に、足立区では子育てホームサポート事業として、一定の資格のある方を保護者宅に派遣して保育に当たらせています。その内容は、一時保育をはじめ、病後児保育、産前産後の家事支援です。これは今、新宿で求められている支援とも重なります。新宿区では社会福祉協議会のファミリーサポート事業があり、大きな役割を果たしています。ただ、例えば夕食準備にかかる時間帯など提供会員とのマッチングが難しいという問題もあります。保護者の方のお話でも、「提供会員さんには4時間までしか見てもらえず、求職や仕事は出来なくて困っています」とのことでした。そこで区長にお伺いします。新宿区が、一時保育・病後時保育などの派遣型保育事業を行うことにより、社会福祉協議会のファミリーサポート事業と一体となって総合的な子育て支援をすすめることができ、いっそうの子育て支援が進むと考えますがいかがでしょうか。ご所見を伺います。
また、新宿区では病児保育がいまだ実現しておりません。これは医療機関との連携など課題が多いと伺っていますが、板橋区では急な発熱などで集団保育が難しい幼児を区内の総合病院で一時的にあずかる事業を来年度から開始するとしています。板橋区の事業は、区医師会病院、帝京大学付属病院と委託契約を締結し、病院に専用スペースを確保、複数の看護士・保育士を配置して行うものです。また、必要があれば看護師が保育園に迎えに行き、子育てと仕事の両立を支援するとしています。休日・年末年始を除いて午前8時~午後6時まで利用でき、保護者は1日1500円の利用料金と、お迎えの時のタクシー代など実費を支払い、これらの施策に1億4800万円の予算を計上しています。新聞報道を見た多くの区民の方から、「これなら新宿でもできるのではないか。ぜひ実現してほしい」との声を聞いています。
そこで区長にお伺いします。板橋区のような方式であれば新宿区でも早期に実現できると考えますがいかがでしょうか。今後の、新宿区内の病児保育についてどのように進めようとお考えか、合わせてお聞かせ下さい。

区長(保育園待機児童解消についての認識)
 4月1日時点と年度末における新定義・旧定義での待機児童数をどのように見通しているかについてです。これから2次の入所申し込みの審査を始めるところでお答えできません。
 平成19年4月の待機児童を解消するため、平成15年度~区政の最重要課題の一つに位置づけ取り組んでまいりました。その結果、当初247名の受け入れ枠を拡大する計画でしたが、502名の拡大を行い、平成15年4月に89名いた待機児童は平成19年4月には26名まで減らすことが出来ました。しかし、今年2月には236名にのぼっています。待機児童増加の要因は一つではなく様々な原因が考えられます。一つには、価値観やライフスタイルの変化による女性の就業率の上昇があげられます。また、昨今の経済状況の悪化にともな就業の必要性も高まり、そのことが保育園の入所申込者数を増加させ、結果的に待機児童の大幅な増加をもたらしたと思われます。
 さらに、延長保育等の保育サービスが平準化されていないことで特定圏への希望が集中してしまう事も原因の一つと考えられてします。今後は、更なる定員拡大や延長保育園の拡充に取り組み、待機児童の解消に努めてまいります。
 次に、待機児童を解消するには、受け入れ枠の拡大が最優先となります。そのために用地等を確保を行い施設を拡充していく方針です。弁天町の国有地は、今後の国の処分に向けた動向を注視してまいります。また、「ゆったりーの」については、地域の子育て支援施設として機能しており、施設の活用形態を変えることは考えておりません。その他の既存施設等については、待機児童解消緊急対策本部で検討し、対応してまいります。
 (待機児童解消について)
 一時保育を利用する事で子育ての負担感から開放されたり、短時間の就労も可能となるなどこの事業の需要は高いものと認識しております。現在、専用室方一時保育保育は、保育園3所と四谷子ども園で実施しています。また、平成22年度に高田馬場第一保育園後の民営化園(仮称)愛日、中町子ども園で、更に平成23年度には、中落合第一保育園後の民営化園と(仮称)西新宿子ども園で専用型一時保育を実施する予定です。待機児童が多い中で、既存の区立保育園の施設に一時保育の専用室を設けることは困難ですが、今後も、保育園の民営化や子ども園化、また園舎の増改築の機会に、専用室型の一時保育の実施を検討してまいります。
 社会福祉協議会に委託して実施しているファミリーサポート事業では、保育園の送迎に加え、一時的保育や病後児への対応等も行われており一定の役割を担っています。この事業との整合性や民間事業者の供給能力、新たな補助制度等、区財政の負担のあり方も踏まえて今後課題の整理をしていきたいと考えております。
 次に、区内の病児保育についてどのように進めようとしているのかについてです。急性期の乳幼児を保育刷る病児保育については、ご指摘の通り医療機関との密接な連携が不可欠です。区内には医療機関が多数あり、すでに、医療機関との意見交換もしておりますが、今後更に病児保育の形態や安全面の検証等、問題点をつめてまいりたいと考えています。なお、この3月に開設する認証保育所では、民間事業所と連携し、派遣型の病児保育を実施していく予定です。
 派遣型保育や病児保育のあり方については、後期高齢者医療保険次世代育成支援計画策定中で検討していきたい。

(質問4)介護保険について質問いたします。
第1の質問は、介護保険料についてです。
第4期介護保険事業計画の1号被保険者の標準月額保険料が4400円と示されました。次期保険料について当初は、基準保険料を4700円と算出していましたが、これに、私たちが強く主張した介護給付準備基金8億8千万円を投入して4500円とすることが「素案」で示されました。その後、政府が介護報酬の3%引き上げを打ち出したため、保険料はさらに上がることが懸念されましたが、国は、保険料負担を軽減することを目的に総額1154億円の「介護従事者処遇改善臨時特例交付金」を一般会計から繰り入れる措置を講じました。その結果、新宿区は素案からさらに100円安い4400円を次期介護保険料とすることになり、今期に比べると100円の値上げとなるのです。
区も現在、保険料段階を10段階から12段階にするなど低所得者の負担を増やさない工夫をしていますが、利用が増えれば保険料が上がるという制度上のジレンマが大きく立ちはだかってきました。国はこの間、自治体が一般財源を投入することを厳しく禁止してきたわけですが、その国が「特例交付金」に踏み切ったことは、今までのやり方の破綻を認めたに等しいと思います。今回の国の対応について、区長がどのように受け止めておられるか、まずお伺いします。
さて、私ども区議団は、この間の定例会の度ごとに、第4期介護保険料の値上げを押さえ、低所得者対策を実行する上で、区の一般財源投入は避けられないと主張し続けてまいりました。しかし、その都度区長は、「給付と負担の関係を不明確にする」「社会連帯のしくみとしての介護保険制度の理念に反する」などと、厚生労働省ばりの理由でこれを拒否し続けてきましたが、ここに来て国自身が方針転換を図ったのです。新宿区が自立した「地方政府」として、住民福祉の向上に努めるという区長の姿勢を明確に示す時です。2月6日時点では、都内自治体の次期保険料は、7区11市2町村が引き下げ、6区10市3町村が据え置きとなっています。この間、埼玉県美里町、石川県川北町、千葉県浦安市が一般財源を投入し、すでに先例はあります。このことも踏まえて、次期介護保険料については区の一般財源を投入して値上げをやめるべきだと考えますが、いかがでしょうか。
第2の質問は、区独自の保険外サービスの実施についてです。
区は、保険外のサービスとして認知症高齢者の介護者リフレッシュ等支援事業を来年度から実施することにしました。他区に比べても保険外サービスが乏しかったことを考えれば画期的です。しかし、介護が必要なのは認知症の方ばかりではありませんし、認知症にさせないためのサービスが必要なのではないでしょうか。
私たちは、今定例会に「新宿区要介護者に対する生活援助・外出介助サービスの実施に関する条例」と「新宿区高齢者に対する家事援助の実施に関する条例」を議員提案しています。3年前の制度見直しで削られたサービスを保険外で提供するもので、23区のかなりの自治体で実施されています。
例えば外出支援が保険で認められず、身体機能や意欲が低下してしまった事例なども耳にします。またがん末期の方は短期間に病状が悪化し、区分変更を申請してもその結果が出たころには亡くなっていたという痛ましい事例が生まれています。こういう方には、最初から要介護2程度の認定を出して欲しいという要望も聞きます。提案している条例が実現すれば、区分変更の結果が出なくても一定のサービスを利用することができます。
また、散歩が身体機能の維持や認知症予防に効果があることは指摘されているところですが、新宿区の道路や歩道は人や車が多くて要介護状態の方が歩くのは危険です。ヘルパーさんに散歩に同行してほしいという要望も出されています。
この2つの条例は、利用者の立場に立って生活の質を維持し、身体機能の低下を防ぐために必要なものです。区としても実現すべき内容と思いますがいかがですか。
ところで、散歩同行については条例の如何に関わらず直ちに改善が求められています。昨年12月2日、参議院で大河原雅子議員の質問主意書に対する政府答弁書が出て「安全を確保しつつ常時介助できる状態なら、自立した生活の支援につながるので、介護報酬の算定は可能である」と、散歩同行を認める考えが示されました。見直しを検討する自治体もでてきているようですが、新宿区はこれまで散歩同行についてはどのように考えて指導していたのでしょうか。お答えください。政府答弁の立場から、直ちに散歩同行を認めることを各事業所やケアマネジャーに徹底すべきだと思いますが、いかがですか。
第3の質問は、ケアマネジャーへの支援についてです。
昨年3月の「高齢者保健福祉施策調査報告書報告」では、50%以上のケアマネジャーが「今後、仕事を継続しない」または「続けるかどうか迷っている」と回答しています。介護保険制度のキーマンともいえるケアマネジャーの深刻な実態が浮き彫りになりました。
知り合いのケアマネージャーは、昨年家庭の事情でリタイアしました。そろそろ復帰しないのか聞いたところ、「もう区役所の担当と争って嫌な思いをしたくないから、ケアマネには戻らない。それだけの元気がないと自分が壊れていきそうだから。」と言われました。どうすれば高齢者のためになるかを一番に考えて、ヘルパーの確保が困難ななかで誠実にプランを作成しても、区の監査で不要だと判断されれば、プランを変更せざるを得ない。どんなに必要だと思っても、区に認められなければ介護事業者に報酬が入らず迷惑をかけると板挟みで苦しんでいます。行きすぎた給付抑制がケアマネジャーのやり甲斐を喪失させています。中には区の指導に対し、「そんなにいうのなら区にケアプランを作ってもらったほうがいい」というケアマネージャーの声も聞いています。ケアマネジャーは長期に総合的に利用者の状態をみてケアプランを作成しています。そのプランを最大限尊重し、行きすぎた抑制の指導はやめるべきだと思いますが、区長はどのように思われますか。
報酬が低くて収入に対して支出が17%も多い赤字で、事業者の経営が厳しいのが実態ですし、そのうえ事務量の多さも苦痛の要因になっています。FAXやメールのやりとりで対応できることは来庁しなくていいように負担を軽減するなど、区との関係で減らせる事務は減らす工夫をすべきです。また、自主研修費用の助成、更新時の講習会の費用助成や交通費補助など、経済的な支援にも取り組むべきだと思いますがいかがですか。お答え下さい。

区長 (介護保険について)
 まず、国の特例交付金についてです。今回の介護報酬の改定は、介護人材の不足や離職率の高い現在の状況を打破する目的で行われたものです。「介護従事者処遇改善臨時特例交付金」は、その際の第一号被保険者の保険料の上昇を緩和するため、あくまでも、臨時的で特例的に行われる措置であると考えています。
 また、その背景には、今回の介護報酬の改訂に向けて、深刻化する介護人材の確保のため、都市部の実情に見合った改訂を行うと同時に、保険料への影響がないような方策を講じるように特別区区長会から国に要望したことなどが実ったものと思っています。
 次に、区の一般財源を投入して次期介護保険料を値上げしないようにすることについてです。第4期介護保険料は、所得の低い方に配慮し、非課税層への対応で第1・第2段階の保険料額を据え置き、第3段階で実施している区の特別対策も引き続き行います。また、第4段階における負担軽減策も実施します。さらに、課税層のうち合計所得金額500万円未満の段階を増やすなど、きめ細かな配慮をすることで区民の皆様のご理解は得られるものと考えております。
 なお、第1号被保険者の保険料を下げるために一般財源を投入することは、高齢者自身も負担能力に応じて保険料として支払う分を区が補填することになり、社会連帯の仕組みとしての介護保険制度の理念に反することになります。さらには、給付と負担の関係を不明確にし、繰り入れを常態化してしまう恐れがあることから、適切ではないと考えています。
 (家事援助サービス)
 次に、要支援及びそれ以外の軽度者に対して家事援助サービスを提供する条例についてです。区は現在、要支援の方に対しては、介護保険制度の基本理念である自立支援を促す必要から、地域包括支援センターの専門職種による介護予防ケアマネジメントによって、適切な家事援助サービスを提供しています。
 また、要支援認定を受けていない方に対しても、自立生活を支援する視点から、回復支援家事援助サービスを提供しています。
 このように、現行制度において、生活の質の維持や身体機能の低下を防ぐためのサービスは提供されているため、新たな条例を制定する考えはありませんが、今後も、高齢者の生活実態を注意深く見守り、必要な支援を行ってまいります。
 (散歩同行)
 次に、散歩の同行についてのお尋ねです。区は、これまでも訪問介護については、原則居宅内で行われるものであり、外出介助は例外として認められるものとしてきました。
 外出介助で認められるのは、自立支援のための見守り的観点からの日常生活に必要な「買い物」や「通院」等であり、「散歩」を外出介助として算定することは困難と考えております。
 介護保険制度の財源は、介護保険サービスを利用していない多くの区民の負担で支えられているとともに、サービス利用の拡大が保険料の算定に直接影響する仕組みとなっています。このため、日常生活に必要不可欠なサービスとまではいえない「散歩」の同行を介護保険サービスとして提供することは、保険料の上昇につながるという観点からも、多くの区民のコンセンサスを得られにくいものと考えます。
 なお、身体機能の維持のためには、介護保険サービスとして訪問リハビリやディサービスの利用、外出介助の「買い物」等をご利用いただく方法があります。さらに区では、新規事業の「認知症高齢者の介護者リフレッシュ等支援事業」の中で、認知症高齢者の方の散歩の同行についてもご利用いただける仕組みを来年度から実施いたします。
 今後も、事業所やケアマネージャーに対してはこのような考え方に基づき、サービス利用について周知してまいります。
 (ケアマネージャーの支援)
 第3にケアマネージャー支援についてのお尋ねです。まず、ケアプランに対する指導についてです。区は、アセスメントからはじまるケアマネジメントの手順を踏んで作成された利用者の自立支援に資する適切なケアプランであれば、そのプランを尊重しております。従って、お尋ねにあるような過度な抑制をするような指導は行っておりません。
 次に、事務量の軽減ですが、昨年8月よりケアプラン作成に必要な様式が一部削除され、若干ですが事務負担が軽減されました。また、現在も区とのやりとりは、FAXなどでも行っており、必要以上に来庁を求めるようなことはしておりません。また、現在、ケアマネージャーなども構成員としている居宅介護支援業務検討会を立ち上げ、様式の簡略化や平準化など事務量を軽減する方向で作業も進めております。
 また、自主研修費用の助成など、経済的支援に取り組むべきとのお尋ねですが、区は、現在、介護人材確保のための支援策として、スキルアップやモチベーションアップのための研修の充実を考えております。その中で、ケアマネージャーに対する研修についても検討してまいります。

 (質問5)次に、「新宿区教育ビジョン」について質問いたします。
 新宿区教育委員会は、教育分野の総合計画とも言える「新宿区教育ビジョン」を策定中で、数値目標も明示した「案」が2月6日の教育委員会で協議され、3月に決定する予定で進められています。私ども区議団は、昨年の第4回定例会でも質問し、「素案」に対する「意見」を教育委員会に提出してまいりましたが、決定を間近に控えた現時点で次の2点に絞って質問いたします。
 第1の質問は、少人数学級の実現と確かな学力の向上についてです。
 私どもがこの間、一貫して求めてきた30人以下学級など少人数学級の実現については、教育ビジョン(案)の中でまったく展望が示されませんでした。しかし、私も保護者の一人として実感しているのは、校長先生や現場の先生方、保護者も、「一日も早く少人数学級を実現してほしい」という願いがとても強いということです。東京都は石原都政の下で、都道府県では唯一、40人学級に固執していますが、2年後には都知事選挙もありますし、10年先まで今のような都の姿勢が続くとは思えません。教育委員会は、「現段階では教員を区として独自に採用するしかなく、教員の採用、任用、財政的負担等多くの課題があるので教職員の人事権の移譲が不可欠だ」と言います。そうすれば少人数学級などにも柔軟に対応できると言うのですが、人事権の移譲を目指すなら実現した暁にはどうするのか、具体的なビジョンを描くべきではないでしょうか。お答えください。
 少人数学級は、確かな学力を付けていくためにも求められていますが、それが実現しない下で、区としてできる有効な施策が区費講師の充実です。教育ビジョン(案)では、第3章の課題1に「確かな学力の向上」をあげ、基本施策及び個別事業として筆頭に挙げられている「確かな学力推進委員」の配置は現在51名です。この事業により授業が分かりやすくなったと感じる児童・生徒の割合が2006年度60.6%を、2011年度には70%に引き上げ、総合計画では10年後に80%を目標としています。「確かな学力の育成に関する意識調査」によるこの指標は、2007年度64.62%でしたが、2008年度はどのような数値だったのでしょうか、その結果をどのように分析されているかも含めてお答えください。
 この数値目標については、高いところに目標を設定し、そこに教育委員会の決意が示されたものと思いますが、目標に対してなかなか数値が伸びていかない一つの要因は、各校に1人、多くても2人程度の配置では、半数以上の子どもが確かな学力推進員の授業を全く受けられないか、週1・2日程度しか受けられないため、それによって授業がわかりやすくなったという実感が持ちにくいのではないでしょうか。
 「確かな学力推進員」の全校配置は、現場で大変喜ばれており、区の内部評価でも教育指導課自身が「達成度」、「実施の効果」で最高点を付け、「今後ますます、区費講師のニーズは高くなってきており」「学習指導要領の改訂、新教育課程の実施に伴い、今後さらに重要度が増す」としています。そうした背景から、小中学校とも校長会からは「確かな学力推進員の複数配置」など、その充実を求める予算要望が出されているのです。PTA連合会からも確かな学力推進員の配置は高く評価され、「区費講師の充実」が要望されています。教育指導課は、確かな学力推進員の配置について学校現場からの要望を聞いていると思いますが、小中学校それぞれ何人の配置要望が出されているのかお聞きいたします。様々な区費講師の配置がありますが、とりわけ要望の強い確かな学力推進員の配置については増員すべきと考えますがいかがでしょうか。
 また、区長にお聞きいたしますが、区政の基本方針のなかで、「今は、将来の世代のために種をまき、育てていく時です。環境やみどり、子育て、教育、そして文化など、未来の区民のために大きく育てる施策の種をまき、投資をしていくことが必要です」と言われ、学校教育の分野で「確かな学力の育成」などを強調されました。私も区長と同感です。教育はなんと言っても人です。ゆたかな人材が必要です。区長としては、確かな学力推進員など人を配置するために財政を投入することについてはどのようにお考えですか。私は、そいうことにこそお金を使うべきで、安定した雇用の創出という観点からも、充分に区民の理解を得られる使い方だと思いますが、区長のご所見をお聞かせください。
 第2の質問は、学校選択制についてです。
 昨年の第4回定例会でもその検証と抜本的見直しを要求してきましたが、教育委員会の答弁は、新一年生保護者を対象にしたアンケート調査の結果のみを根拠に、見直しをしないと繰り返してきました。しかし、その後も牛込地区の学校適正配置説明会などで学校選択制の矛盾が厳しく指摘される中で、区民に対する教育委員会事務局の答弁が、「絶対見直さないとか、そういう考えではない。どう検証するかだ。」という言い方に、昨年とは明らかに変わってきました。
 学校選択制が導入されて6年が経とうとしている今日の時点にたって、改めてこの制度の検証をおこなうことが必要です。教育ビジョン(案)には、「アンケート等による課題の検証をおこない」とありますが、この「検証」が、これまでのような新一年生保護者へのアンケートにとどまらず、すべての保護者や教員など学校関係者、町会、青少年育成会、民生委員などを始めとした地域に対しても広く意見を聞いて「検証」を行うべきと考えますがいかがでしょうか。その上で、学校選択制は廃止を含めた見直しをすべきと考えますが、いかがでしょうか。お答えください。


教育長 (「新宿区教委区ビジョン」について)(確かな学力推進員の配置)
 教育委員会へのご質問にお答えします。
 少人数学級の実現と確かな学力の向上についてのお尋ねです。はじめに、人事権の移譲についてです。人事権が移譲された場合は、学校の実態に応じて、弾力的な運用が可能になると考えています。このことにより、様々な課題を抱えた学級において、担任ができる教員を増員し、学校の課題に応じた学級編成など、柔軟な対応が可能になります。
 次に、今年度の「確かな学力の育成に関する意識調査」の結果についてです。「確かな学力推進員の先生が入ることで勉強がわかりやすくなった」という質問について児童・生徒の回答は、昨年度は一昨年度と比べて64.6%と上がりましたが、今年度は60.0%であり、若干数値が下がっております。これは、確かな学力推進員の授業力や活用の仕方等、様々な要素があると考えられます。今後、学校との情報交換を通して結果の分析に努めるとともに、区費講師の授業力を向上させるために、次年度に向けて研修の充実を図ってまいります。
 最後に、確かな学力推進員の増員要望についてです。各学校からは、小学校49名、中学校22名の配置要望がありました。確かな学力推進員に加え、連携教育推進員を10名配置するとともに、東京都教育委員会からの加配教員も配置することにより、学校からの要望に対応してまいります。区長 次に、確かな学力推進員など、人を配置するための財政投入についてのお尋ねです。
 私は、現在の厳しい経済状況の下でも、自立した基礎自治体として、未来を見据え、時代の要請に合った行政サービスを展開し、次の世代が夢と希望を持てる社会を築くことが必要であると考えています。
 そのためには、子どもが個性や能力を伸ばし、それぞれの可能性を開花させるための基礎を培う、より質の高い学校教育を実現することが大切であるとの認識から、必要な人材を確保するために、一定の財源を投入しているものです。
(学校選択制)
 学校選択制についてのお尋ねです。学校選択制度は、平成16年度新1年生より導入し、本年度で6年となります。今年度は、新1年生の保護者アンケートで学校の満足度だけではなく、学校選択制度の適否についてもお聴きしたところ、小学校は、制度が「あったほうがよい」が62%「なくてよい」が10%、中学校は、それぞれ67%、7%となっています。従いまして、直ちに制度を見直すことは考えておりませんが、どのような形で検証するかについては、今後、検討してまいります。
 

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