放課後子どもひろばについて質問します。
国は、2007年度、文部科学省が実施予定の「放課後子ども教室事業」と、厚生労働省が実施する「放課後児童健全育成事業」いわゆる学童保育ですが、この2つの事業を一体的あるいは連携して実施する総合的な放課後対策事業「放課後子どもプラン」を区市町村に呼びかけました。
子どもを巡る様々な事件が頻発し区内でも不審者情報が増える中、子供を持つ区民から、子どもの安全な居場所を求める声があがり、学校の校庭等施設活用については、私たちも議会で要望してきたところです。
新宿区はこうした中で2007年6月、各小学校ごとに校庭や空き教室等を活用し、子どもたちが自由に集い、自主的に活動する遊びと学びの場「放課後子どもひろば」をスタートさせました。初年度は6校のモデル校で実施し、現在は12校で実施されています。来年度は6校増え、2011年度には、全小学校で実施する予定です。現在登録者数は 人、平均1日に 人の子どもが利用しており、放課後の居場所の一つとして活用されています。運営は、学校内学童クラブのある学校はその受託事業者が放課後子どもひろばも運営しています。それ以外の学校は、生涯学習財団に委託されています。
放課後子どもひろばをより充実した事業にするために3点質問いたします。
第1に、放課後子どもひろばの位置づけについてです。
新宿区はこれまで、児童館を区内 箇所設置し、児童に健全な遊びを与え、その健康を増進し、情操を豊かにすることを目的とする事業を行ってきました。今家庭や地域で子どもたちが豊かに育つ環境作りが大きな課題です。放課後子どもひろばは、単なる校庭開放事業に毛が生えたというものではなく、児童館と同様に、子どもの健全育成に資する専門職または経験豊富な人員を配置して、児童館でこれまで培ってきたノウハウも生かし、遊びと学びの豊かなメニューを準備することが必要ではないでしょうか。区長は、今後全校で展開する放課後子どもひろばをどのように充実した事業にしようとお考えですか。
第2に、放課後子どもひろばのスタッフの資質向上についてです。
スタッフは、管理責任者、遊び支援者、学び支援者、無償ボランティアとなっています。 導入当初、6校のモデル校では、遊び支援者の3人の内1人は児童館の指導員と同様の「児童福祉施設の38条に規定する遊びを指導する者」という資格を持った人を配置していました。しかし現在12校の配置はそのようになっていません。導入当初に立ち返り、有資格者、または経験者を少なくとも1校一人は配置すべきではないでしょうか。
2~3時間のパートで有資格者、経験者を集めるのはご苦労があることは承知していますが、やはり、子どもを対象とした区の事業です。これからさらに拡充しようというのであれば、スタッフは誰でもいいという事業にしてはなりません。支援者の時給単価900円を引き上げることを検討するべきではないでしょうか。2007年に出されている国の通達「放課後子どもプラン推進事業の実施について」によれば、国の補助事業となる場合の事業費の積算について、新宿区の支援員にあたる人員への謝金単価は「1,080円までを上限」としています。これは全国一律の金額です。国が1,080円までは出していいといっているのに、都心の新宿区が900円とはあまりにも低すぎます。
調布市は放課後対策事業ユーフォークラブを実施していますが、有資格者の専門員は時給1400円、資格のない補助員は1100円です。新宿区としては調布市以上であっても決して高くはありません。ぜひ人材確保のために時給単価の引き上げを検討すべきです。
スタッフの資質向上に欠かせないのが研修です。現在、生涯学習財団が行っている定期研修は、安全管理者は室内研修と現場研修、支援者は現場研修のみと伺っています。支援者に対しても安全管理者と同様の室内研修を行う必要があるのではないでしょうか。
また、年度途中に採用されたスタッフに対して、仕事を開始する前の研修はしっかりと行われているのでしょうか。仕事の初日学校にいって、専用のジャンパーを渡されて仕事内容をほとんど説明されなかった、という話を聞いています。これでは働く人が困るのはもちろん、子どもの安全が脅かされる事態を招きかねない状況です。放課後子どもひろばのスタッフとして働き始める前の事前研修は十分に行うことを委託事業者に対して強く求めるべきではないでしょうか。
第3にスタッフの配置人数についてです。
安全管理と健全育成のためには1人1人のスタッフの資質向上は当然ですが、何人配置するかも重要です。現在1校5人が基本ですが、利用人数の多い学校はスタッフの課外を行っていますが、利用人数だけでなく、学校施設の利用範囲や配慮を必要とする子どもへの対応などにも加配の必要があると思いますがいかがでしょうか。
新宿区の小学校には現在5校に特別支援学級があります。また、通常の学級に在籍しているLD,ADHD、高機能自閉症等の発達障害の児童も増えています。先ほどの国の通達では、「障害を有する子どもたちに対しても、放課後や週末等における活動の場として活用されることが望ましいことから、障害を有する子どもたちが本字業に参加する場合は、ここの状況に配慮した活動を行うために、人的体制確保等の適切な措置を必要に応じて高じること。」とあります。障害を持つ児童が登録した場合は必ずスタッフの加配をするべきではないでしょうか。そして、障害を持っていても安心して利用ができることを広報するべきではないでしょうか。
(答弁)
1(放課後広場有資格者1校1人)
放課後子ども広場は、乳幼児から中・高校生までの対象とした児童館と異なり、小学校を活用し、小学生に特化した児童の健全育成に資する事業です。子どもに安全安心な居場所を提供するとともに、子ども自身が主体的に遊び、交流することを支援し、見守っていくことを事業の基本理念としています。
見守りには、地域の中で放課後子どもひろばを支援していく意欲のある方に支援スタッフとして携わっていただくことを趣旨としています。
有資格者の配置については、ご指摘のとおり導入当初は遊びの支援者のうち1人は有資格者でしたが、事業の拡大につれ、短時間勤務の有資格者の確保にも努めるとともに、地域での子育てや児童指導の経験があり、子どもの遊びや学びの支援に熱意や意欲のある方をできるだけ配置できるように努めていきたいと考えています。
2(スタッフの時給)
支援スタッフの時給についてですが、支援スタッフについての国の補助事業の考え方では、地域のボランティアとしての人材活用を基本としており、当初、謝金は時給360円でした。その後、時給360円ではスタッフを確保できない、開催回数も国の示した回数ほど実施できないなど、様々な意見がが自治体から出て、国はスタッフの時給の引き上げをおこなってきました。
新宿区では、平日開催を基本に長期休業中も実施するなど開催回数を可能な限り多くし、スタッフの数も安全面を考え、多めに配置しています。そのため、事業費全体に対する国の補助金は1割にも満たない状況です。実施回数や従事スタッフ数の増などの状況から、事業を受託している生涯学習財団では、他の職員の賃金とのバランスにも配慮し、財団の賃金規定に基づき、時給900円の賃金を支給しているところです。また、財団では、人事評価を行い、勤務実績に応じて時間単価の引き上げを行っています。
3(委託費の引き上げについて)
調布市の例と比較しても、管理責任者は、新宿区の場合、契約社員で、時給にすると1400円相当になります。配置されるスタッフ数も調布市の3人に対し、5人であり、さらに利用者数が多かったり、特別な配慮が必要な場合には、加配するなどの手当てを行っています。委託費については、今後の運営状況等を十分考慮し、適切に見積もってまいります。
4(研修について)
スタッフの資質向上のために、研修の充実は重要と考えており、生涯学習財団では、管理責任者と同様に支援者に対しても、採用時及び年間を通して、応急救護や児童指導に関する室内研修を実施しています。
財団では、年度途中に採用されたスタッフに対しても支援者の心得、安全管理マニュアル等を活用した事前研修を行っています。しかし、事前研修を行っています。しかし、事前指導が十分でない事例があったことについては、区も把握しており、今後このような事例が発生しないよう、財団に対し指導を徹底するとともに研修の内容・時期についても十分調整していきたい。
5(スタッフの配置人数)
現在1校当たり、管理責任者のもとに、学び支援者1名、遊び支援者3名の合計5名体制を基本にスタッフの配置をしていますが、利用人数の多い学校だけでなく目の行き届にくい施設である場合等には、必要に応じてスタッフの加配を行っています。
愛日小学校は、平成21年度開始に向け、特別支援学級があることや、体育館が通りをはさんで向かい側の幼稚園舎の2階にあることなどの諸条件を勘案したスタッフの配置や、活動内容の検討が必要と考え、調整している。
放課後子どもひろばは、障害のある子どもにとっても安全な遊び場であることが望ましいと考えており、その環境整備に配慮するとともに、広報についても充実していきたいと考えています


