2009年第1回定例会一般質問 近藤区議

日本共産党の近藤なつ子です。住宅施策について6点にわたり一般質問いたします。
 最初に、都営住宅の建替えについてです。
 全世帯約200戸の都営若松町アパートで昭和44年竣工の3~6号棟94世帯分が2008年度、突如建替えの対象に挙げられました。この住宅は過去10数年の間に窓枠等をアルミサッシに変え、07年度には火災報知機も設置したばかりで、多くの居住者はこのまま住み続けることが出来ると思っており、寝耳に水のことでした。
 しかし都は、該当する居住者だけを初めて10月17日に集め、建替えを前提にした移転の説明を行い、10月26日に移転先の見学会、10月末までに移転先の希望など書き込む調査票の提出、11月中旬に調査票に基づく個別相談会、12月中旬に抽選会、そして、4月15日が移転完了期限というスケジュールを一方的に示しました。その説明会では「そんな計画を知らなかったから、この夏にお風呂を38万円もかけて改修した」「こんな短期間では引越しできない」など率直な質問・意見が出されたのですが、全体での説明会はそれ以後一度も行われず、住民に是非も問わず、高齢者が多いのにこんな猛スピードでやるのはいかがなものかと思います。
 そこで伺います。区は都営若松町アパートの建替え計画について、説明は受けていたのでしょうか。高齢者であれば介護などの問題、保育園児を抱えていれば転園のことなど、区民生活にも大きな影響があります。このような事案については事前に都に対し説明をきちんと求めるとともに、移転に伴う様々な問題について、不安や負担を解消できるよう十分な時間をとるよう区としても要望すべきではないでしょうか。区長のご所見をお聞かせください。
 第2は、孤独死対策と新しいコミュニティを確立するための支援策についてです。
 若松町アパートでは、約半数の47世帯が今回移転を決めたのが、新築の「百人町四丁目第5アパート、16・17号棟」です。戻ることができない本移転となり、終の棲家となります。2棟全体で388戸という大規模な団地に、バラバラに入居するため、これまで築いてきたコミュニティが壊れてしまうことが懸念されます。若松町アパートの場合、60代~90代の高齢者のいる世帯が圧倒的多数ですが、おそらく他の住宅から来る方たちも同じような年代が中心であると思います。高齢者が新しいコミュニティをつくることはそんなに容易いことではありません。孤独死問題などで戸山団地のことが何度もマスコミで取り上げられる1つの要因になっているのです。
 みなさん、不安の中で新しい生活を始めるのです。当然お互いに1日も早く顔見知りになり、孤独・孤立を防いでいくことがどうしても必要です。16・17号棟には未利用住宅がまだあります。1点目の対策は、各棟に3室くらい団らん室を確保し、居住者が気軽に集まって、コミュニティを形成できるような場を提供すべきということです。区は都にそうした働きかけを行うべきではないでしょうか。
 また都営住宅の建替えにあたっては、益々進行する高齢化のもとで孤独死や孤立化を防ぐため、同時にハード面でも対策が必要です。この点では、区としても都に対し必要な意見を言っていくべきです。現在、都はまだ若松町アパートの設計をしている段階と聞いていますが、百人町3丁目アパート2号棟の建設の際には区が意見を言って、区の高齢者在宅サービスセンターやシルバーピア住宅などを入れさせています。2点目としては、港区にあるような「高齢者見守りつき住宅」=グループリビングや集会室など、今後の建替えに当ってはこうした高齢化に対応した設計や設備にするよう要望すべきということです。
 また、住み慣れた地域から多くの高齢者等がやむなく移転します。このことが引き金になって認知症の発症や悪化、体調不良を引き起こすことも大いに懸念されます。百人町3・4丁目アパートは、現在、地域包括支援センターの管轄が大久保と戸塚と2つに分かれています。3点目として、高齢化率50%を超えているこの地域内に地域包括支援センターを増設し、住民に積極的にかかわるよう対応すべきということです。以上3点について、区長のご所見をお聞かせください。
 第3は、早稲田南町第2アパートの建替え・再編についてです。
 早稲田南町第2アパートについてはまだ築35年で、本当に建替えが必要なのかどうかも含めて検討が必要と思いますが、区がどうしても建替えを実施するというならば、まずは弁天町にある3,300㎡の国有地を取得する決断をすべきです。この件について私は2006年第2回定例会の一般質問でも取り上げましたが、住み慣れた地域内で仮住まい先や移転先が確保されることが大切だ、ということをますます実感しています。弁天町の国有地を取得できるよう区として一刻も早く交渉をするべきです。そして、戸数を増やすよう区営住宅の建設をはじめ、要望の高い高齢者や障害者などの施設、保育園など子どもたちのため必要とされている施設を合築できるようにすべきです。現在の区の認識をお聞かせください。
 当然、建替えについては、都と同じような対応にならないよう申し上げておきます。
 第4は、都営住宅の事業用住宅についてです。
 2004年第1回定例会で「都営住宅の建替え住宅において地元割当公募の実施を求める意見書」を都に出しましたが、その後もほとんど募集を行わず、現在百人町4丁目と弁天町の2ヶ所のアパートで合計252戸の住宅が事業用ということで空き家になっています。「なぜ募集しないの」「もったいない」と多数の声が出ているのは当然です。区としても再度募集を行うよう要望べきではないでしょうか。。
 第5は、公営住宅の増設についてです。
 既存ストックの活用で住宅は充足するから公営住宅はつくらないというのが、この間の行政の姿勢です。しかし、貧困層が入れる安いアパートは老朽化で取り壊され、空き家はあっても収入の乏しい者が入居できる住宅が減少しています。
 だからこそ、都営住宅の応募倍率は単身者で399倍、シルバーピア単身で536倍など、応募倍率は高い数値でほぼ横ばいに推移しています。1999年石原都知事就任以後、すでに都内全体で10年間都営住宅の新規建設が全く行われず、新宿ではもう30年間ありません。都内全体の管理戸数は、最高時から約1800戸も減らしているのです。都も区も管理戸数を減らし、あとは再編だけと言うのでは時代に逆行しています。「住まいは人権」です。市場任せではなく、いま必要なのは公営住宅の増設です。区営住宅を新規建設すべきではないでしょうか。あわせて、都にも都営住宅の新規建設計画を持ち、区内でも建設するよう強く要望すべきと思いますが、区長のお考えをお示しください。
 第6、最後に家賃補助についてです。
 公営住宅を造るにしても実現までには時間がかかります。低収入で劣悪な居住環境もしくは、家賃が高く食費などを極端までに節約しているような世帯の状況は待ったなしです。昨年の第1回定例会で私どもは家賃補助の拡大を提案しましたが、現行の家賃補助の対象者数を増やすこととあわせ、低所得の単身者及び世帯にも拡大して実施すべきです。区長のご所見をお聞かせください。以上で、私の一般質問を終わります。


(回答)
1、(都営若松町アパートの事前の相談)
 住宅建替えに伴う区民の方々の不安などの解消は、大切なことと認識しています。このため、都営住宅をはじめ、大規模な住宅の建替え計画がある場合については、区として事前に十分な情報収集に努めてまいります。
 また、移転に伴い、高齢者の介護や保育園児の転園など区民生活に大きな影響がある場合は、東京都との連携を密にして、適切に対応する。
2、(コミュニテイの確立)
 都営住宅建替えにともなう新しい住宅のコミュニテイの形成は、不慣れな地域での生活を支え、閉じこもりや孤独死を防止する点からも大切です。区では、地域での仲間づくりや居場所づくりを支援するため、社会福祉協議会に委託し、「ふれあい・いきいきサロン」事業を実施しています。この事業は、地域の方々にサロン開設のためのアドバイスやボランティアのご相談にお応えするとともに、サロン立ち上げや施設整備、継続的活動のための経費助成も行っています。百人町4丁目第5アパート、16,17号棟には99平方メートルの集会室があると聞いています。この施設をご利用いただくとともに、区の「ふれあい・いきいきサロン」事業を活用していただきたいと思います。
3、(高齢化対応の設計、設備)
 都営住宅の建替えの際、都は東京都地域開発要綱に基づき、事業計画を策定したときには区市町村に計画を提示し、区市町村においては公共施設、公益的施設及び公共住宅の設備に関する意見をまとめ都に回答し、その後、両者で協議を行うことになっています。
 現時点では、都営若松町アパートの事業計画が策定されていないため、都からの計画の提示はありませんが、区として都に協議を申入れてます。
4、(地域包括支援センター)
 地域包括支援センターが設置され、早3年になり、高齢者の身近な総合相談場所として定着してきていますが、区内の高齢化が進むなかで、地域包括支援センターの重要性や果たすべき役割は一層高まっています。平成21年度を準備期間とし、平成22年度には直近の高齢者数や要支援・要介護認定者数を勘案して、地域ごとに適切な職員数を配置し、体制や機能を強化して認知症高齢者への対応など、地域の様々なニーズに応えていきます。
 このため地域包括支援地域センターの増設は考えていませんが、高齢者の多い地域については、このように体制の強化を図ることで地域に出向き、相談に応じるなどして、積極的に関わっていきたいと考えています。
5、(弁天町国有地)
 この土地については、積極的な活用を求める声があることは承知しており、事業の推進のためには、重要な鍵となるものと思っています。したがって、今後、国の処分の動向に十分注意するとともに、取得も視野に入れ、区有施設の再配置について、総合的に検討を進めていきたい。
6、(事業用で空き家)
 東京都では、都営住宅の建替え時の住み替え用の住宅として事業用住宅を確保していると聞きいていますが、区議会からも地元割り当てを求める意見書が出されていることを踏まえ、埋まらない空き住戸について地元割当を行うよう東京都に要望していく。
7、(公営住宅の増設)
 区内の区営住宅のあり方については、昨年、策定した「新宿区住宅マスタープラン」で、区が管理する公営住宅の総戸数及び世帯数に対する割合は、特別区の中で上位にあることからいまある区立住宅ストックを有効に活用することとしています。
 東京都は、現在のところ、供給管理戸数を抑制し、新規建設計画を行う予定がないこととしていることから区として、都営住宅の新規建設計画を持つことを要望することは困難である。区内に建替えを行う際には、増戸などの要望をおこなっていきます。
8、(家賃助成)
 現在区では、民間賃貸家賃助成のほかに、子育て世帯や高齢者に対する居住継続支援など、多様な施策にとりくんでいることから家賃助成を拡大することは考えておりません。