日本共産党区議団の雨宮武彦です。平和の施策について一般質問します。
私は、今年8月7日から9日まで、長崎で開かれた原水爆禁止世界大会に参加しました。昨年の広島の大会にも参加しており、この1年の核兵器廃絶をめぐる国内外の情勢の大きな変化を実感しました。
8月6日に、原爆症認定をめぐる集団訴訟の全面解決に向けた基本方針を示した確認書が、被爆者団体・原告団・弁護団と政府との間で締結され、全国で6年越しで争われた裁判が決着しました。再び原爆の被害者をつくってはならないとの被爆者の信念が国を動かしたのだと思います。
そしてなんといっても最大の変化は、アメリカのオバマ大統領が今年4月5日にプラハで核兵器廃絶を世界に呼びかける演説をしたことです。広島・長崎での原爆使用を人類的道義にかかわる問題だと表明し、その立場から核兵器廃絶の責任について語り、アメリカが核兵器廃絶を国家目標とすることを表明し、世界に向けて協力を呼びかけました。戦後の歴史の中でも特筆すべき前向きの変化です。今年の広島・長崎両市の平和式典には、ミゲル・デスコト国連総会議長が同職としては16年ぶりに参加するなど、核兵器廃絶の世論が高まっています。
原水爆禁止世界大会には、核軍縮問題を取り扱う国連の責任者セルジオ・ドゥァルテ上級代表など24カ国85名の海外代表が参加し、2010年5月に国連で開かれるNPT(核不拡散条約)再検討会議を「歴史的な転換点」にしようと熱心な議論がされました。
またほぼ同時期に、長崎市で第7回平和市長会議総会が開催され、区長も参加されました。今回の総会には、国内61市区町村から117人、海外17カ国の94人が参加し、2020年までのすべての核兵器廃絶などを提唱し、「ヒロシマ・ナガサキ議定書」がNPT再検討会議で受け入れられるためあらゆる努力をすることのアピールがだされています。中山区長はこの総会に参加してどのような感想をもたれたのか、またオバマ演説をどのように受け止めているのか、ぜひお聞かせ下さい。
平和市長会議では国内の自治体に加盟を呼びかけていますが、東京23区で加盟しているのは新宿区だけですので、区長会で他の区に加盟を呼びかけたり、「ヒロシマ・ナガサキ議定書」への賛同署名を働きかけてはどうでしょうか。また、同会議が提唱している「都市を攻撃目標にするなプロジェクト」の「核兵器の攻撃目標の解除と核兵器の廃絶を求める要請書」の署名用紙を区役所に置いて、区民に署名を呼びかけてはどうでしょう。区長には、総会に参加することに止まらず、もっとアクティブに関わることで核兵器廃絶の世論を高めるために尽力していただきたいと願うものですが、ご所見をうかがいます。
私は、原水爆禁止世界大会で「非核宣言運動ー自冶体・市民の共同を」という分科会に参加し、新宿区が平和事業として区議会議員を広島、長崎、沖縄の平和式典に派遣していることや「親と子の平和派遣事業」などを発言して参加者から注目をうけました。全国的にはこのような平和事業を続けている自冶体は少ないようで、大変誇りに思いました。
親と子の平和派遣に参加された方々は、「命の大切さ、平和への思い、戦争をしてはならないことなど」を学び、報告会・映画会を新宿区との協同事業として取り組み、今まで参加された人たちがOB会を作って平和活動に積極的に取り組むなど、継続的な活動をしています。現在は7組の親子を派遣していますが、もっと参加者を増やすようにすべきと思いますが併せて伺います。
核兵器廃絶の世論が世界的に新たな広がりをみせている中で、国内では、核持ち込みの密約が日米間に存在していたことが大きな問題となっています。
核兵器を積載したアメリカの艦船や航空機が、日本政府との事前協議抜きに、日本国内に自由に出入りできるとした秘密の協定が結ばれていたことが、歴代の外務事務次官の証言で明るみに出ました。日本政府は、1968年以降、「核兵器を持たず、作らず、持ち込ませず」の「非核3原則」を国是だと言ってきました。自民党政権が50年以上にわたって国民をだまし、「持ち込ませず」の原則を空洞化してきたことは絶対に許されません。
政権が変わり、民主党中心の新たな政権が核密約の真相を究明し、密約を廃棄するかどうかに国民は注目しています。9月10日、日本共産党志位委員長は、民主党の鳩山代表と会談し、同氏がテレビの党首討論で、密約を調査し、核兵器を持ち込ませない方向でアメリカと協議すると述べたことを改めて確認し、日本共産党もそのために協力することを表明し、アメリカで入手した密約の核心的な公文書を資料として渡しました。
区としても、速やかな調査と真相の公表、「持ち込ませず」も含め非核3原則を文字通り実現するよう、新政府に要請することが求められます。それは、2020年までの核兵器廃絶を誓った平和市長会議の「ナガサキアピール」に照らしても、目の前の課題に真摯に取り組む区長の姿勢を示すものだと思いますが、見解をお聞かせ下さい。
次に、平和マップについてうかがいます。
私は、予算・決算の特別委員会で、「平和マップを作成するよう」度々提案してきましたので、今年度予算に平和マップの作成が盛り込まれたことを高く評価しています。そこで、より充実したものとなるように、いくつか提案したいと思います。
まず、作成に当たっては、実行委員を募り、幅広い区民に協力・協働を求め、素晴らしい平和マップを作成することです。新宿区には長きにわたって平和の活動をしている団体や個人が存在します。この方々が蓄積してきた知識や知恵をお借りし、また資料も提供していただいて内容豊かな「平和マップ」をつくって欲しいと思います。
さらに、区民のみなさんにも幅広く呼びかけ、その土地にまつわる戦争の思い出や資料をお借りして写真を載せるなどして、そこに行ってみたい、その地に立ってみたいと思わせる工夫をお願いしたいのです。そのためには、1枚の地図だけでなく、ガイドブック的なものも必要になりますが、予算にとらわれず充実した中身にして後々役に立つようにすべきと思います。
そして、学校ではマップに掲載された場所を直接訪ねて、戦争体験者の話を聞くなどして、戦争の怖さ・愚かさを実感をもって学習する平和教育に活用して欲しいと思います。そのために、実行委員会にはぜひ社会科の先生などにも加わってもらい、小中学生版のガイドブックを作成するとか、DVDも製作して普及して欲しいと思います。
また、平和マップが完成した際は、お披露目を兼ねたイベントを実施し、区民にお知らせすることも必要でしょう。マップのコースを実際に歩いてみる「ピース・ウォーク」とか「平和ミニツアー」企画したり、平和ボランティア・ガイドを区報で募集して養成するなど、つくったらそれで終わりではなく、その後の活用に意味をもたせる取り組みをすべきだと思います。
以上、平和マップについて提案しましたが、区長のご所見をうかがいます。
(区長)
雨宮議員の質問にお答えします。
まず、平和市長会議総会に参加しての感想、およびオバマ演説をどのうように受けとめているかのお尋ねです。
平和市長会議に参加して、唯一の被爆国である日本からのメッセージをはっしていくことの大切さや自治体のレベルから草の根レベルで平和という問題を考えて行く重要性を改めて感じました。
また、核兵器を使用した唯一の核保有国であるアメリカのオバマ大統領がプラハでの演説で、核兵器のない世界を目指すことを明確にしたことは、核兵器廃絶に向けてのこれまでの長い歴史の中で画期的なものであると思います。
次に、平和市長会議の加盟よびかけや「ヒロシマ・ナガサキ議定書」を紹介していきたいと思います。
次に、「都市を攻撃目標にするなプロジェクト」の要請書の署名用紙を区役所に置いて、区民に署名を呼びかけることについての質問です。
このプロジェクトの「子どもたちをはじめ一般の市民が日常生活を営んでいる都市を攻撃目標にしてはいけない」という核兵器廃絶へのとりくみの趣旨を区民に伝えていくことが大事であると考えていますので、ホームページ等を通じてPRしていきます。
次に積極的に関わることで核兵器廃絶の世論を高めるために尽力すべきとのお尋ねです。
新宿区はこれまで、平和のつどい、親と子の平和派遣、平和コンサートや映画会など、様々な平和啓発事業を実施してきました。区民が、日常のくらしのなか中で、こうした平和の尊さについて思いを共有していくことが、大切なことと考えています。
平和はすべての基本であり、平和があってこそ現在の私たちの暮らしがあると考えていますので、今後とも世界の恒久平和の実現に向けて、平和に関する事業を積極的に推進してまいります。
次に、平和派遣の参加者をふやすべきとのお尋ねです。
平和派遣に参加された方々の多くは、被爆地広島や長崎に行って原爆被害の実態だけでなく、戦争の悲惨さや平和の大切さを周りに伝えて行くことの大切さを学んでいます。そして、自主的に学校などで戦争の悲惨さや平和の大切さを伝えるなど、平和啓発の活動の和を広げています。
したがって、派遣を増やすのではなく、むしろ自主的な発表の場の支援などにより、多くの人に戦争の悲惨さや平和のやい接さを伝えていきたいと考えています。
次に、核密約の速やかな調査と真相の公表、非核3原則の実現を新政府に要請すべきとのお尋ねです。
区は、昭和61年に平和都市宣言を行い、以来、平和啓発医業を積極的に推進しています。既に宣言により。新宿区の平和に対する姿勢を表明していますので、新政府の対応を見守っていきたいと考えています。
次に、平和マップの作成についてのお尋ねです。平和マップは、戦争体験者が減少する中で、風化しつつある戦争の記憶を次の若い世代にも継承し、多くの区民に平和の大切さを考えるきっかけを作る目的に、区民が手軽に手に取り、ウオーキングコースなども掲載し、実際に足を運んでもらえるように作成しています。
お尋ねの平和マップの作成に当り実行委員会を募り、区民に幅広く協力・協働を求めることについては、区が毎年行っている平和派遣の参加者での組織する「平和派遣の会」のメンバーや歴史博物館の学芸員と協働して作成していくとともに、区内で平和活動をしている団体や個人の方からも、意見や資料を提供いただきながらすすめていきます。
次に、平和マップのガイドブック的なものや小中学生向けガイドブック的なものや小中学生向けガイドブックDVDの作成についてのお尋ねですが、区では、従来から地球にまつわる戦争の想い出や資料を平和の記念誌という形でお伝えしてまいりました。今回の平和マップで、平和の記念誌で掲載したものも地図に落とし込み、効果的に平和マップが機能するよう図ってまいります。なお、完成した平和マップは、区内の全小中学生や各施設に配布します。そのため、ガイドブックやDVDを作成する予定はありません。
次に、平和マップを活用したイベントについてのお尋ねですが、平和マップを活用したイベントについてのお尋ねですが、平和マップが完成した際には、平和マップのコースを実際に親子で歩くツアーなどのイベントを検討してまいります。
(教育長)
教育委員会へのご質問についてお答えします。
平和教育を進める上で、実際に戦争にかかわった場所を訪ねたり、戦争体験者の話を聞いたりするなどの体験を通した学習は、子どもたちに平和の大切さを実感させるために大変有効です。
現在学校では、社会科や道徳の時間、総合的な学習の時間なっどにおいて、教育委員会が作成した中学校社会科副読本の中の「新宿区戦災消失区域図」や「太平洋戦争と新宿の年表」を活用するなどし、平和教育を行なっています。中には戦争体験者の話を聞く取り組みを行っている学校もあります。
今後は、作成が予定されている「平和マップ」も活用し、さまざまな教育活動の中で子どもたちに、平和の大切さを考えさせる教育活動の中でも子どもたちに、平和の大切さを考えさせる教育を一層進めて参ります。
以上で、答弁を終わります。


