2009年第3回定例会 一般質問 あべ早苗議員 

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日本共産党区議会議員の阿部早苗です。
 私は、選挙制度や投票所等の改善について、区長と選挙管理委員会に一般質問します。7月、8月と、東京都議会議員選挙、衆議院選挙が相次いでたたかわれました。その中で、改定が必要だと感じた点についてうかがいます。
 第1に、公職選挙法を改正して、参政権を名実ともに保証することについてです。
 マニュフェスト選挙といわれて久しいですが、現実に多くの有権者の手元に政党や候補者のマニュフェストが届き、それを検討して投票ができているかと言えばそうではありません。公職選挙法第142条の2は、国政選挙におけるパンフレット又は書籍の頒布について、政党本部が総務大臣に届出た1種類を、政党や候補者の選挙事務所、演説会場、街頭演説の場所でなければ頒布することができないと定めています。選挙期間内に、各政党のこの3つの場所を調べて足を運べる有権者がどれだけいるでしょう。インターネットで手に入れることはできますが、よほど関心の高い人でなければそこまでしないでしょうし、パソコンのない人にはできません。
 公選法はあれもこれもまかりならんの「べからず法」といわれており、諸外国では当たり前の戸別訪問も禁止しています。違反や不正をおそれる余り、選挙の自由を奪うことは憲法の大原則である国民主権を侵害することになります。若者が選挙に無関心だといわれ、選挙管理委員会も様々努力しておられますが、肝心要の公選法が変わらなければ限界があるというものです。
 選挙管理委員会は、有権者が政策や公約に基づいて選挙するという、国民主権の原則に照らして、現行のマニュフェスト頒布方法に改善が必要だとの認識を持っておられるのか、政府に対して法改正を求めるべきだと考えるものですが、いかがですか。また、衆院選の公示日を前後して、政党のホームページ更新が公選法に抵触するかどうかが話題となりました。有権者が選挙に最も関心をもつ時期に積極的に情報発信することは当然だと考えますが、この点についても併せてお答え下さい。
 さて、来年は区長選挙があります。次回選挙からローカル・マニュフェストの配布が解禁されますが、政令市以外の市の長の選挙の場合、2種類以内のビラで、16000枚の頒布しか認められていません。パンフレットはダメですから詳細な政策は伝えることができませんし、16,000枚では有権者約245,000人に対して6.5%にしかなりません。どうせ解禁するならこんなみみっちい制限を設けず、もっとどーんと拡大すべきです。中山区長も、ご自身が発表されるマニュフェストをより多くの区民・有権者に読んでもらいたいと感じていると思いますが、この点についていかがでしょうか。そして、区長として、国に対して法改正を求める必要があるとはお思いにならないでしょうか。お聞かせ下さい。
 公選法の改正では、郵便投票の対象範囲の拡大も求められます。2003年に不在者投票から期日前投票に変わり、その際に、要介護5の方の郵便投票や、上肢障害や視覚障害者の代理記載も可能になりました。ALS=筋萎縮性則策硬化症の患者が国家賠償請求訴訟を提起して世論に訴えたりする中で少しだけ前進しましたが、まだまだ不充分です。
 新宿区の選管の発表では、今回の衆議院選挙の郵便投票は、前回より10名増えたとはいえ、35名に過ぎません。投票所に行けないのは、要介護5の方ばかりではありません。今回の衆議院選挙で、知人の車に乗せてもらって数年ぶりに投票したという要介護3の方は、いままで投票したくても行けなかった、投票できて良かったと言っておられました。全国市区町村選挙管理委員会連合会に対して要介護4まで拡大するように国に要望をすることを求めているとうかがいましたが、介護度にとらわれず拡大し、国民の最も大事な権利である参政権を保証することが問われています。郵便投票の対象をもっと広げ、代理投票についても立ち会い人が自宅を巡回する方法も認めるなど、諸外国が行っている投票制度を早急に実行すること、自分で書くことが困難な方も容易に投票できるような電子投票システムを開発・採用することも政府に強く求めるべきだと考えますが、いかがですか。
 次に、区として改善すべき事についてです。
 1つ目は、期日前投票の方法についてです。
 衆院選では、区内の投票総数の23.4%、およそ4人に1人が期日前投票をしており、今後もっと増加すると思われます。私は、今回の衆院選挙で、近所の89才の在宅酸素の方に期日前投票所まで付添いしました。この方は投票日の8月30日にご気分が悪くなり、救急車で病院に運ばれて2週間入院し、期日前投票をしておいて良かったと言っています。新宿区は期日前投票所が近隣他区に比べてカ所数が多く、買い物のついでなどに気軽に行けます。選管のご努力は評価に値すると思います。
 ところで、衆議院選挙は、小選挙区と比例代表選挙に加え、最高裁裁判官国民審査もあり3回投票をするという、高齢者等にとってはけっこう複雑な選挙です。区役所第一分庁舎では、まず小選挙区の投票用紙が渡されて投票した後、比例代表と最高裁裁判官審査用紙が渡されましたが、他の期日前投票所では、3枚まとめて説明され渡されました。投票台には、候補者一覧と政党一覧の両方が貼ってあり、どの紙に何を書くのか迷ってドキドキしたと、実際に期日前投票した方は言っていました。出張所が狭く、時間帯によっては混雑するので、まとめて投票させて短縮をはかっているのかもしれませんが、これも投票の権利を阻害するものであり、改善を図るべきだと思います。いかがですか。
 2つ目は、投票所の広さや動線についてです。
 今回の衆院選投票日は、台風で風雨が強まることが予測されたためか、10時半頃に行ったらとても混んでいたとか、外までズラッと並んでいたので1回帰ってまた行った方もいます。また、スペースの関係からか動線が複雑で、投票し終えるまで次はどっちに行くのかまごついた投票所もあると聞きました。長い距離歩かないように入口に近い学校の会議室などを投票所に当てているのだと思いますが、天気の悪い日に外に並んだり、中でまごつくことのないような広さの確保や配置の工夫をしていただきたいと思いますが、いかがですか。また、投票所には車イスが備えられていると思いますが、そのことをお知らせする大きな掲示や声かけをすることが必要と思いましたので、この点もおうかがいします。
 3つ目に、公営掲示板の設置箇所についてです。
 公営掲示板については、公職選挙法で1投票区につき5から10カ所と定め、選挙人名簿登録者数と面積に応じ具体的な設置数が決められており、区内のすべての投票区はこの規定を満たしています。しかし、保育園や学校の周辺に2カ所3カ所とまとまっていたり、広いエリアに1カ所しかない地域もあって、かなり偏在しています。高齢化によって行動範囲が狭くなる方が増えており、なるべく身近な場所に掲示板を設ける必要性は今後さらに増すでしょう。場所探しは大変だと思いますが、私有地への設置も含めて偏在をなくしていく努力をすべきではないでしょうか。お聞かせ下さい。

 

 (答弁、選挙管理委員会)  まず、いわゆるマニフェストの領布方法の改善についてのお尋ねです。
 有権者が投票するにあたって適切な判断を下すためには、候補者や政党等の政策に関する情報を入手しやすい環境を作ることが重要であると考えます。
 しかし、一方でポスターやビラなどの文書図画の氾濫が選挙運動費用の高騰をもたらしたという過去の反省から現在の法規制が生まれたという経緯もございます。改善すべきであるとしても、その具体策については充分な議論が必要ではないかと考えます。いずれにいたしましても、今後の国の動向を見守りたいと考えております。
 次に、政党等による選挙の際のホームページの更新などについてですが、現在国においても、インターネット上の選挙運動について、様々な議論がされているところですので、それを見守りたいと考えております。

 (答弁、区長) マニフェストをより多くの有権者に読んでもらうことと、国に対して法改正を求める必要があると思わないかとのお尋ねです。
 マニフェストは、候補者や政党が、有権者に対し当選後に実行する政策を予め明確にし、有権者に政策本位の判断を可能にするものであること。さらに当選した際には、その政策を進行管理し、有権者に説明責任を果たせることからも、大変重要であると考えています。
 現在、地方公共団体の長の選挙においても、マニフェストが配布できるよう一定の改善がされた者の政策等について十分に有権者に伝えようとすると制約があります。今後、マニフェストの配布方法などの見直しについて法改正を要望してまいります。
 

(答弁、選挙管理委員会) 次に、郵便投票の対象拡大、巡回投票の実行及び電子投票システムの開発採用を政府に求めるべきとのお尋ねです。
 参政権は国民の大切な権利であり、特に身体の不自由な有権者に対する投票機会についても可能な限り保障されるべきものと考えております。
 しかし、一方で投票は適切な手続きをもって公正に行なうという原則があります。現行の郵便等投票制度も、「投票所における投票管理者の下での投票」という大原則にに対する例外的な制度であり、そのため利用できる有権者も限定されております。
 いずれにしましても、これからは選挙制度全体にかかわる問題であり、今後の立法の動向を見守ってまいりたいと思います。
 次に、期日前投票所では3枚まとめて投票用紙が渡されたことについて、改善を図るべきとのお尋ねです。
 特別出張所の期日前投票所は、 特別出張所が通常の業務を行なう中で設置しており、現在以上のスペースをとることは難しい状況です。また、従事職員の確保も難しくなっており、投票用紙を分けて交付することは、現状では、困難と考えております。
 次に、投票所の広さや動線についてのお尋ねです。51箇所の投票所すべてに広い面積を確保することは難しい状況ですが、配置の工夫などに努め、有権者が利用しやすい投票所をめざしてまいります。
 次に、投票所に車いすを設置していることの周知についての尋ねです。現在、すべての投票所及び期日前投票所には車いすを設置し、従事職員も車いすが必要な方には案内をしておりますが、今後はより利用しやすい環境を整えるため、表示等を工夫してまいります。
 次に、公営ポスター掲示場の設置箇所の偏在についてのお尋ねです。公営掲示場の設置に際しては、スペースや安全確保に加え、配置バランスが重要であることはご指摘のとおりです。選挙管理委員会としても公営ポスター掲示場の適正な適正な配置に努めております。私有地についてもご協力いただいており、このたび2つの選挙では、375箇所のうち、それぞれ105箇所に設置することができました。
 新宿区は都心区のため、全ての条件を満たす場所を新たに確保することは難しい状況にありますが、今後も、選挙管理委員会として、偏在の是正に努めて参ります。

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