2009年第3回定例会 代表質問  近藤なつ子区議

IMG_09,3定.JPG①区政運営について
②教育費の負担軽減について
③待機児童の解消について
④高齢者等への支援について
⑤障害者福祉手当の対象に精神障害者を加えることについて
⑥インフルエンザ対策について
⑦地上デジタル放送移行について
⑧建築紛争予防条例の改正について

 

 

 

【近藤なつ子】2009年新宿区議会第3回定例会に当たり、日本共産党新宿区議会議員団を代表し、区長並びに教育委員会に質問いたします。
 8月30日に投開票が行われた総選挙で、「自民・公明政権は退場」という歴史的な審判が下りました。私たちは、この結果を、日本の政治にとって前向きの大きな一歩であり、新しい歴史のページを開くものとして、心から歓迎するものです。
 同時に、この選挙結果が必ずしも民主党の掲げた政策に対する全面的な支持を示すものではないことは、選挙後の世論調査にも現れています。日本共産党は、新政権の下で、国民にとって良いことは積極的に前に進める役割を果たし、国民にとって有害なことにはきっぱり反対する「建設的野党」として力を尽くす決意を申し上げ、以下、質問に入ります。

① 最初に、区政運営について質問します。
 これまで続いてきた自公政権下で、国民のくらしや社会保障の制度も崩されてきましたが、新たな政権の下で、国の仕組みが大きく変ることが期待されています。そのことは、地方自治体の行財政運営にも大きく影響します。今後打ち出されてくる国の新たな政策の下で、区長がどのような区政運営をされるのか区民も注目しており、今定例会はそのような大きな変化の下で開かれる議会ですから、国の動向も見据えつつ、区政が一番身近な自治体としていかに区民生活を応援するのかが問われます。
 総選挙直後の9月1日に、来年度予算編成についての依命通達が出されましたが、必ずしも新しい政権に変わったことを踏まえたものにはなっていないように思います。しかし、来年度予算編成に向けて、私どもが要求してきたことも含めて国が次々と新たな方針を出してくることが予想され、既に子育て支援など具体化されようとしていることもある中で、区長はこうした動きに対してどのように対応しようとされているのかお聞かせ下さい。
 また、依命通達では、2008年度決算で区税等が大幅な減収になったとしながらも、実質単年度収支が9年連続で黒字、経常収支比率が4年連続で70%台、財政調整基金をはじめとする基金残高は、8年連続で前年度を上回り608億円となるなど、区は一定の財政対応力を備えてきたとして、「第一次実行計画の目標達成に向けた着実な取り組みと区民生活の向上に向けた積極的な対応が求められている。」と述べているように、新宿区は自他ともに認める財政力を蓄えてきたのです。区財政は減収になったとはいえ、基金残高は毎年のように当初見込みを大幅に上回る黒字が続いてきました。2008年度も当初は年度末基金残高を511億円と見込んでいたのが、決算では608億円と、見込みより97億円も多い結果となったのです。区長は、この要因をどのように分析されているのかお聞かせ下さい。
 私ども区議団は、これまでも区の財政力を活かして区民生活を支えるべきとの観点から、様々な具体策を要求してきましたが、今定例会に提出された補正予算では、借り換え融資制度の創設など、私どもの提案も盛り込まれた緊急経済・雇用対策(その3)が具体化されており、大いに評価するものです。国の補正予算成立を受けて、国の制度を活用したものがほとんどですが、それにとどまらない区独自の更なる対策が求められています。雇用対策は、国の示したメニューの範囲で失業者のつなぎ雇用をメインとしていますが、求められているのは安定的な雇用です。区として継続的雇用を創出すべきではないでしょうか。お答え下さい。
 私ども区議団が毎年行っている区政アンケートに、今年も多くの回答が寄せられています。途中集計ですが、「新宿区政でやってほしいことは?」の問いに、715人の回答のうち、最も多かったのが特別養護老人ホームなど介護施設の増設318人、介護保険料の引き下げ317人、国民健康保険料の値下げ286人、と続いています。こうした区民の願いに具体的に応えていくべきではないでしょうか。お答え下さい。

【区長】近藤議員のご質問にお答えします。
 まず、新政権の下、国が新たな方針を出してくることが予想される中、来年度予算編成に向けて、どのように対応するのかとのお尋ねです。
 平成22年度予算は、これまで培った財政対応力を有効に活用し、現下の厳しい経済状況の中、区民生活を支え活力に満ちた地域社会を実現するための、明日につなげる予算として編成することを基本的方針としています。
 区民に最も身近な基礎自治体として、効果的・効率的な施策を総合的に展開し、区民生活の現場から、区政課題の解決に向けて着実に前進していかなければなりません。
 一方、新政権の下で、今後、社会保障制度や税財政制度など、地方自治体を取り巻く環境が大きく変貌していくことが予想されます。
 新たな方針をはじめ、具体的な内容については、今後徐々に明らかになっていくと思いますが、その動向を注視し、補正予算での対応も含め、区民生活を支えることを第一に、柔軟かつ機敏な対応を図ります。
 次に、基金残高についてです。
 議員ご指摘のとおり、20年度決算時点での基金残高は、20年度当初予算編成時点の見込みに対して、97億円増の608億円となりました。
 これは、基金を積み立てたことによる増が50億円、取り崩しを行わなかったことによる増が47億円となったためです。
 基金残高の増減要因は、歳入歳出の両要素がありますが、19年度は一般財源が好調で収入実績が最終予算を上回ったことや執行実績が予算を下回り決算不用額を生じたことなどがあり、19年度中の取り崩しを行わなかったことによる増が14億円、前年度繰越金として20年度に積み立てたことによる増が50億円となっています。
 また、20年度は一般財源が減となったものの、決算不用額が前年度にも増して生じたことなどにより、取り崩しを行わなかったことによる増が33億円となっています。
 昨年秋以降の世界的な経済危機により、今後、区財政にとっても厳しい状況に直面することが、予想されますが、事業の企画・立案、予算の見積もり、執行など、それぞれの場面において、引き続き適切な進行管理に勤めるとともに、これまでに培った財政対応力を十分に活用し、持続可能な確かな財政運営を行ってまいります。
 次に、区独自の雇用対策として継続的雇用を創出すべきではないかとのお尋ねです。
 区は、厳しさを増す経済・雇用情勢の下、区民の暮らしを守り、中小企業の経営を安定させることを目的に緊急経済・雇用対策に取り組んでいます。
 雇用対策については、非常勤務員や臨時職員を区が直接雇用することと、それ以上の雇用創出に向けて、新たな委託事業の実施や既存の委託事業の拡充により全体としての雇用量を増やしています。
 また、雇用のミスマッチといわれる介護分野での人材確保・育成支援策も進めています。そして、就労支援の総合相談口を設置し、こうした就労情報の提供やハローワーク等と連携した就労支援を行うなど、区として可能な取り組みを総合的に講じて、雇用の拡大に努めているところです。
 今後も、経済・雇用情勢を踏まえて、現在実施している取り組みを検証しつつ、拡充を含めた検討を進めていきます。
 次に、特別養護老人ホームなど介護施設の増設についてのお尋ねです。
 区では、旧東戸山中学校の跡地に29人規模の小規模特別養護老人ホームやグループホームなどを来年5月の開設予定で、牛込消防署跡地には81人規模の特別養護老人ホームなどを平成23年2月に開設の予定で、いずれも民設民営による整備を進めています。
 今後も、在宅生活が困難になった方のために、高齢者保健福祉計画・第4期介護保険事業計画に基づき、公有地等の活用による特別養護老人ホーム等の整備を検討してまいります。
 次に、介護保険料の値下げについてのお尋ねです。
 介護保険料は、被保険者が利用するサービス水準を反映した金額となります。
 第4期の介護保険料については、施設設備などを踏まえ平成21年度から23年度までの総給付費の見込み額に基づいて算定し、また負担能力に見合った保険料を設定するため、世帯全員が住民税非課税世帯は第3期の介護保険料と同額としました。
 このように第4期の介護保険料は、給付と負担との関係に対応した適切なものと考えています。
 次に、国民健康保険料の値下げについてですが、国民健康保険料は、翌年度における特別区全体の医療費、被保険者数、住民税賦課額や国、東京都の負担額などを見込んで算定し、低所得者にも配慮した保険料となっております。
 また、特定健診や特定保険指導の受診率の向上に努め、医療費の上昇を抑止することにより、保険料に反映させていきたいと考えています。

②【近藤なつ子】次に、教育費の負担軽減について区長と教育委員会に質問します。
 9月9日、OECD(経済協力開発機構)は、日本の教育予算が対GDP比3.4%で、加盟28カ国中最下位と公表しました。OECD教育局は「各国が教育予算を増やす傾向にあり、日本と差が開きつつある。将来に向け教育にどう戦略的に投資するかが日本の課題だ」と指摘しています。世界の流れは、1966年に国連総会で採択された国際人権A規約13条「高校・大学の学費無償化をめざす条項」にそって教育予算を増やしてきました。この条項をいまだに留保しているのは、東アフリカのインド洋に位置するマダガスカルと日本だけです。日本では、特に高等教育機関の公費支出の割合が低く、大学の学費は1970代以降値上げの一途をたどり、いまや国立大学でも初年度納付金は80万円にもなります。デンマークやフィンランドの無料、フランスの2万円などと比較すると異常な高負担で、さらに奨学金は利子付きまであります。
 先の総選挙では、各党が競って高校授業料の無償化や給付型奨学金を公約に掲げ、教育費の負担軽減が戦後はじめて政治の中心課題に上りました。民主党は、政策集インデックス2009の中で、国際人権A規約13条の留保を撤回するとしています。区長としても、新政府に直ちにこの公約を実行することを要求してはいかがでしょうか。
 また、文部科学省は、来年度予算の概算要求に「給付型の高校奨学金事業」を新規に盛り込みました。従来の奨学金に加えて、入学金・教科書代・制服代・修学旅行費などを支援するというもので、対象は収入350万円以下の世帯の高校生で約45万人、支給額は国公立3年間で約27万円、私立3年間で約67万円となっています。これが高校の授業料無償化とあわせて実現すれば、経済的理由での中途退学や修学旅行に行けない等ということはなくなります。自公政権が残したものであっても良いものは良いのですから、授業料無償化と給付型奨学金のどちらも来年度から実施するように、区としても要望すべきと考えますが、いかがでしょうか。
 義務教育である小中学校教育費のさらなる負担軽減が求められます。
 年々受給者が増加している就学援助については、適用基準を生活保護基準の1.2倍から1.3倍に引き上げて対象者を拡大し、援助の額についても新政府に引き上げを要求してはいかがでしょうか。
 また、義務教育無償の原則からすれば、いまは保護者負担となっている修学旅行費、社会科見学等の校外活動費、教材費は本来は公費で負担すべきものと考えますが、当面、教育委員会が半額でも補助すべきではないでしょうか。
 さらに、卒業アルバム代は毎年単価が上がり保護者の大きな負担となっています。1人あたりの金額は9000円から2万円と学校によりばらつきがあり、特に少人数だと1冊あたりの単価が高くなっています。教育委員会が制作費を補助して、格差を縮め、保護者の負担を軽減する必要があると考えますがいかがでしょうか。アルバム代の法外援助についても、現行の6,600円ではかなりの自己負担が発生しています。第2回定例会で沢田議員が実費支給を要求しましたが、段階的にでも額を引き上げ、実態にあった援助をすべきではないでしょうか。お答えください。

【区長】教育費の負担軽減についてのお尋ねです。
 初めに、新政府に直ちに国際人権A規約13条の留保撤回を実行することを要求してはいかがとのご質問です。
 質の高い教育を身につけることは、子ども自身の生涯に渡っての財産となるものです。また、子どもは将来の社会を支える存在であることを考えれば、教育の保障は広く社会全体の問題でもあります。
 そのような観点から、公教育の果たす役割は大きく、高等教育においても、公立高校の授業料は低額に保たれており、また低所得世帯に対する授業料の免除制度もあります。
 しかしながら、そのような制度の下でも、授業料の滞納等が増えている状況があることは認識しており、区としても、子どもの教育を保障する視点で、新政権の対応を注視していきたいと考えています。
 次に、高校の授業料無償化と給付型奨学金のどちらも来年度から実施するように、国に要望すべきとのお尋ねです。
 現在でも、低所得世帯については、授業料の減免制度があるため、このような世帯の子どもたちには、授業料無償化が実現されてもそのメリットは少ないと考えられます。
 家庭の経済状況が、子どもの進学機会や就学の継続に影響を及ぼし、それが格差の固定化や再生産につながることのないような社会を目指すという高校の授業料無償の趣旨に照らし、さらなる低所得世帯への配慮の必要性については、文部科学省もご指摘のような奨学金の創設を提案するとの新聞報道もあり、今後の国の対応を見守っていきたいと考えます。

【教育委員会】教育委員会へのご質問にお答えします。
 小中学校教育費の負担軽減についてのお尋ねです。
 就学援助の認定基準については、現在23区中15区が新宿区と同様の1.2倍を適用していることから、現状としては適当と考えます。また、昨今の経済情勢や生活保護基準の改定等により、今後、認定者数の増加が予想されることからも、倍率の引き上げについては考えておりません。なお、各費目の援助額については、各自治体で定めております。
 次に、保護者負担金の補助についてです。
 現在、社会科見学等の校外活動では、入場料等の自費負担分以外のバスの借り上げや交通費について公費負担としています。また、移動教室では賄い費のみが保護者負担であり、音楽鑑賞教室、演劇鑑賞教室、美術鑑賞教室では、鑑賞費用・交通費ともに公費負担としています。ただし、行程が各学校において様々である修学旅行費や、各校の児童・生徒の実態や、特色により、異なる教材費への補助については考えておりません。
 次に、卒業アルバム代への補助についてです。
 卒業アルバム単価のばらつきは、児童・生徒数の差だげでなく、各校のアルバム内容の違いによるところが大きいことから、修学旅行と同様に補助は考えておりません。
 なお、アルバム代の法外援助については、各校で卒業アルバムの製作に対する考え方やかかる経費にかなりの幅があることから、各校の実態にあった形での引き上げは難しいと考えます。

③【近藤なつ子】次に、待機児童の解消について質問します。
 厚生労働省は9月7日、待機児童が今年の4月1日現在、全国で前年同期比5834人増の2万5384人になっていると発表しました。このことはマスコミでも大きく報道され、待機児童解消が社会的にも解決が急がれる重要課題であることが浮き彫りになりました。
 区は今年2月に待機児童が新定義で236人、旧定義で291人になったことを踏まえ、区長を本部長とする新宿次世代育成支援推進本部のもとに待機児童解消緊急対策部会を設置しました。今年2月12日に第1回の推進本部と緊急対策部会を合同開催し、80人規模の(仮称)大京町保育園を2011年10月に民設民営で開設、また東五軒町保育園を増設し2011年1月に定員81人の拡大を決定しました。
 新宿区の待機児童数は4月1日と直近の9月1日で比較すると新定義では70人が146人に、旧定義では145人が179人と増えており昨年を上回る勢いです。区民の中には「新宿区が子どもの産めない、育てられないまちになってしまいそう」と不安の声も広がっています。最初に、区長の待機児童解消に対する認識と決意をお聞かせください。
 今年度は、次世代育成支援計画の後期計画策定の年です。2008年に調査を実施した「新宿区次世代育支援に関する調査報告書」によると、就学前児童の保護者の中で新宿区が子育てしやすいまちだと思う人の割合が03年度の24.7%から35.9%へと増え、その理由の3位に「保育園、幼稚園などが利用しやすいこと」となっています。また、「子どもを育てやすい社会に必要なこと」については「児童手当や税金・教育費の軽減など経済的な援助」の割合が最も高く、次いで「待機児解消、一時保育、病後児保育などの保育サービスの充実」の割合が高くなっています。私どもの区政アンケートでも、子育て・教育分野でダントツに要望が多かったのは「認可保育園の増設」です。子育てしやすい新宿区のためにもますます待機児童解消が求められています。
 6月の第2回定例会で、わが党が行った代表質問では、緊急の待機児童解消策として区有施設の活用による認可保育園分園や保育室の早急な設置等を提案しました。その後、6月26日の推進本部で、四谷保健センター施設活用を含めた四谷保育園のあり方の見直しでゼロ歳児保育の実施及び受け入れ枠を70人程度拡大することを決定し、さらに8月7日に推進本部と緊急対策部会との合同開催により、2歳児までの信濃町保育園分園については来年度から受入れ年齢を3歳児まで拡大し20人の定員を増やすこと、今年の12月から2012年3月まで鶴巻・落合第五の両幼稚園内に1・2歳児各6人、新宿区直営の保育ルームの設置で、計24人定員受入れ、合計44人分拡充することを決めました。
 しかし、9月の新定義の待機児童数は0歳児が86人、1歳児が41人、2歳児が15人であり緊急対策としては低年齢児対策のために分園や保育室の設置、家庭福祉員の増大など、区施設はもちろん民間施設を活用してでも対策を行うことが求められています。これらを進める上では、私立保育園にも協力を求めてはいかがでしょうか。その際、国の「安心子ども基金」も大いに活用すべきと思いますがいかがですか。また区としては今後の対策の中で待機児童がどのくらい解消される見通しをもっているのか、また新たな対策をどのように考えているのかお聞かせください。
 杉並区は第3回定例会に待機児童解消のため、民間保育所の設置や区営保育室を3所新設など、1億8千万を超える補正予算を計上しています。また、2013年度までに1200人分の保育定員の拡大を打ち出し、2010年度は推計234人の待機児童数に対し307人定員増の計画にするなど前倒しで年度途中にも対応できるような計画を立てています。新宿区も、推進本部と緊急対策部会の合同開催を行い、改めて緊急と中長期の計画を持ち、年度当初だけでなく年度を通しての待機児童ゼロ計画を示すことが求められているのではないでしょうか。お答えください。
 また、区政の最重要課題の一つとなっている待機児童解消を遂行する専任の部署を設け、推進本部や緊急対策部会のもとに取り組むべきと考えますが、いかがでしょうか。
 次にこれまで私どもが要望・提案してきたことに加えこの際、思い切った計画の見直しを行なうべきと思います。第1は、現在の高田馬場第一保育園がある旧戸塚第3幼稚園舎の活用についてです。来年度から児童館などとして使用することになっていますが、(仮称)大久保三丁目地域西地区開発事業では2013年度に約780戸の住宅が建設されることを考えれば、少なくとも保育ルームを園舎内に設置できるよう一緒に工事をすることを検討すべきではないでしょうか。第2に、中落合第一保育園の仮園舎を東京都とも協議し本格活用を検討すべきです。第3に、下落合駅近くの関東財務局所有の旧東京国際交流会館跡地については、2011年度以降に地元並びに周辺の地方公共団体の意向調査があると聞いています。区として跡地を取得し、保育園の新設も視野に活用を計画してはどうでしょうか。これまでも国の弁天町参議院宿舎など跡地の取得や東京都の児童相談所跡地なども提案してきました。新政権となった国や、東京都にあらためて用地取得に対する補助制度や財政的な優遇措置を求めるべきだと思いますがいかがですか。第4に、信濃町保育園の分園については3歳児まで拡大されますが、旧四谷第3小学校が活用できる間は受け入れ対象年齢を拡大することや、再開発の計画の中に保育施設を入れることを区として行うべきではないでしょうか。以上4点について、お答えください。

【区長】待機児童の解消についてのお尋ねです。
 初めに、待機児童解消に対する認識と決意についてです。
 待機児童の解消は、区政の最重要課題のひとつであり、待機児童解消緊急対策部会を設置し、区全体で積極的な対策に取り組んでいるところです。
 東京都が平成21年7月にプレス発表した「保育の状況等について」によれば、新宿区は、平成21年4月の保育サービスの定員の割合が、就学前人口に対して約40%を占めており、23区でトップクラスとなっています。
 しかし、平成20年4月に60名と増加に転じた待機児童数は、ご指摘のとおり、平成21年4月には70名、9月には146名となりました。
 これまでの状況を踏まえると、保育需要は価値観の多様化やライフスタイルの変化により、今後もますます増加していくものと認識しています。
 特に、0歳から2歳の待機児童数が全体の90%を超えている現状については、育児休業明け世帯の増加が主な要因と考えています。
 待機児童の解消は、地域ごとの将来需要を見据え、老朽化した園舎の建替え公有地の活用による認可保育園の定員拡大、認証保育所の増設、保育サービスの平準化などにより、地域バランスを考慮しながら計画的に進めていくことが基本と考えています。
 しかし、急激な待機児童の増加に対しては、これまで以上に機動的に待機児童解消対策を打ち出すことで、効果的かつ緊急的な対応を考えてまいります。
 次に、民間施設を活用した待機児童解消対策についてのお尋ねです。
 先ず、私立保育園にも協力を求めてはいかがか、というご提案については、私立保育園の園長会等において、随時申し入れを行い、これまでも定数を超えて受け入れ可能な弾力枠の増など、協力をいただいているところです。
 今後についても、引き続き私立保育園の協力をいただき、待機児童解消に向けた施策を推進したいと考えています。
 次に、国の安心子ども基金を大いに活用すべきとのお尋ねです。
 この基金による補助事業の一つとして保育所等緊急整備事業がありますが、平成21年度から平成22年度までの時限措置のため、新宿区では、私立保育園の施設整備として、中落合第1保育園の改築で活用します。
 さらに、この基金以外の国や都の補助金についても、活用できるものは積極的に活用していきたいと考えています。
 次に、区として今後の対策の中で待機児童がどのくらい解消される見通しをもっているかとのお尋ねです。
 待機児童を解消するためには、まず受け入れ枠を拡大することが最優先と考えています。
 第一次実行計画期間中の平成20年度から平成23年度にかけて主な受け入れ枠の増としては、区立高田馬場第一保育園から(仮称)私立オルト保育園への移行時の13名、公募による認証保育所の増設による約330名、(仮称)東五軒町保育園分園開設による約80名、四谷保育園改修による約60名、(仮称)大京町保育園開設による約80名などです。このような待機児童解消策により、計画期間の中で、約630名の受け入れ枠拡大を予定しています。
 次に、新たな対策をどのように考えているのかとのお尋ねです。
 実行計画事業の着実な推進とともに、様々な緊急対策を検討し、受け入れ枠の増に努めてまいります。
 次に、緊急と中長期の計画を持って、年度当初だけでなく年度を通しての待機児童ゼロ計画を示すことが求められているのではないかとのお尋ねです。
 区は、平成23年度までの第一次実行計画期間中の計画事業についても、計画の修正や条件整備を進め、毎年度の受け入れ枠を増やしてきました。
 また、緊急対策については、待機児童数の増加傾向を見据え、機動的な対応を図っています。
 これにより、平成20年4月の待機児童60名に対しては、平成21年4月までに信濃町保育園分園の開設による50名や認証保育所の増設による56名などの受け入れ枠の増を行いました。
 また、平成21年4月の70名に対しては、認証保育所の増設による150名、保育ルーム開設による24名、区立高田馬場第一保育園から(仮称)私立オルト保育園への移行時の13名などの受け入れ枠の増を行う予定です。
 いずれにいたしましても、次世代育成支援推進本部会議と待機児童解消緊急対策部会において検討し、4月1日現在の待機児童数のゼロに向け、対策を示していきたいと考えています。
 次に、待機児童解消を遂行する専任の部署を設けることについてのお尋ねです。
 専任の部署については、子どもと家庭に関する施策を、総合的に行う組織として設置した子ども家庭部を中心として、さらに庁内組織の連携を密にし、待機児童解消に向けて、積極的に取り組んでまいります。
 次に、旧戸塚第3幼稚園舎内に保育ルームの設置を検討すべきとのお尋ねです。
 現在、高田馬場シニア活動館の2階を使用し、それぞれの利用者の皆さまには、ご不便をおかけしているところです。
 ご指摘の旧戸塚第3幼稚園舎は、平成22年7月に高田馬場第1児童館、学童クラブが仮施設から移転し、乳幼児から18歳までの子どもと保護者が利用する地域の子育て支援の拠点になります。リニューアルオープンに向け準備が進んでおり、保育ルームとして活用する予定はありません。
 次に、中落合第1保育園仮園舎の本格活用についてのお尋ねです。
 仮園舎は、利用期間に応じた暫定施設として建設していますので、建築基準法による仮設建築物の許可基準で建てられています。引き続き認可保育園の分園として活用するためには、本施設としての基準を満たす改築が必要となるため、この施設の継続活用は困難です。
 次に、下落合駅近くの関東財務局所有地の所得と保育園新設についてのお尋ねです。
 中落合第2保育園、私立せいが保育園があり、平成22年度には、高田馬場第1保育園の民営化に伴う(仮称)私立オルト保育園が開設しますので、保育園用地として、この土地の取得については考えておりません。
 次に、国や都への用地取得に対する補助制度や財政的優遇措置を求めるべきとのお尋ねです。
 特別区長会を通して、多様な保育環境の整備に向けて財政支援を行うことを要望しています。保育園用地取得への財政的支援については、引き続き国や都に対して申し入れを行っていきます。
 次に、信濃町保育園分園の対象年齢拡大と再開発の計画に保育施設を入れるべきとのお尋ねです。
 信濃町保育園分園の4、5歳までの対象年齢拡大については、周辺の既存園での受け入れが可能であるため拡大の必要はありません。
 また、再開発計画の中に保育施設を入れることについては、既に四谷保育園の0歳児を含めた定員の拡大、(仮称)大京町保育園の新規開設など四谷地域全体での施設整備を計画的に行っていることから、予定しておりません。

④【近藤なつ子】 次に、高齢者への支援についてです。
 第1に、介護保険改定問題についてです。
 介護保険がはじまって10年目に入りました。3年ごとの見直しも2回行われましたが、介護報酬のマイナス改定で介護労働者が働き続けられないことが社会問題ともなる中、今年4月から介護報酬が初めて3%引き上げられたのです。一方で厚生労働省は、その財源を確保するため要介護認定の改悪もセットで行いました。4月の実施前から、介護度が軽く判定される認定制度の改悪には批判の声が上がるなか、日本共産党の小池参院議員が、この改悪は、3%の介護報酬分の財源確保のため、数百億円の介護給付費の削減をするのが目的であることを、厚生労働省の内部文書をもとに明らかにし、4月以降の一定の経過措置を実施させ、10月からの一部見直しのきっかけをつくりましたが、根本的な問題解決には至っていません。
 新宿区でも、「介護度が下がって以前と同じサービスが受けられない。」とか、「介護報酬が引上げられたのに利用限度額が据え置かれたため、これまで通りのサービスを受けようとすると利用限度額を超えてしまい、サービスを削った。」などの例が出ています。区長は、介護報酬の引き上げや、認定制度が改悪されたことで、区民にどのような影響が出ているのか事態を把握すべきではないでしょうか。
 そもそも、政府の都合で認定者数を調整する道具として認定制度を使うなどというのは言語道断です。区長として、認定制度の改悪を撤回するよう、新政権となった国に対して要求すべきではないでしょうか。そして、国が抜本的に改善するまでの間は、国の制度改悪の影響でサービスが受けられなくなった人に対して、改悪前と同様のサービスが受けられるよう、区独自に対策を講じるべきと考えますが、いかがでしょうか。
 第2に、認知症高齢者の介護者リフレッシュ事業についてです。
 区独自の保険外サービスとして、7月から認知症高齢者の介護者リフレッシュ事業が始まりました。関係者の期待が高い事業ですが、現在の登録者は80名を超えた程度に留まっています。要介護認定者数からしても、今年度予算2200万から逆算推計した利用数から見ても少ないように思いますが、2ヶ月半を経過した段階での評価や今後の見通しをお聞かせ下さい。利用してもらうには、ケアマネージャーに制度の中身や手続きの仕方を知ってもらい、利用者さんやご家族に伝えてもらうことが重要です。ケアマネージャーへの周知は充分になされているのかもうかがいます。
 ところで区は、10月以降に最初の手続きをした人は年間の利用上限が半分の12時間に制限するとしています。制度の周知も充分ではなく、申込みの時期で不公平が生じるのは理解されないと思います。せっかく良い制度を始めたのですから、このような制限はなくして、喜んで利用してもらうべきではないでしょうか。区長のご所見をうかがいます。
 第3に、「回復型家事援助サービス」についてです。
 この夏、私の知り合いの方が右鎖骨を骨折しましたが、入院させてはもらえず自宅療養しています。この方は要支援2で、1回1時間で週2回ヘルパーが来ています。右手が自由に使えませんので、高齢者総合相談センターのケアマネジャーに「回復型家事援助サービス」が使えないか相談しましたが、「このサービスは自立認定の人しか使えない」と言われました。「回復型家事援助サービス」は、1時間から3時間までを単位として週当たり合計6時間の利用が可能で、通院の付添いなどにも柔軟に対応しています。自立の人が怪我をしたら週6時間までヘルパーに来てもらえるのに、もっと機能が低下している要支援の人が怪我をしても2時間しか利用できないというのは、どう考えても説明がつきません。要支援や要介護の方にもサービスの対象を広げ、最低でも逆転にならないようにすべきではないでしょうか。
 また、自立の方には担当ケアマネージャーがいませんから、医療機関などを通じて制度を周知して、退院したらすぐにサービスが利用できるようなきめ細かい対応が必要と思いますが、いかがでしょうか。
 第4に、リハビリの支援についてです。
 病気や怪我のリハビリ治療は、日常生活を送るためにかかせないものです。厚生労働省は2006年4月に医療保険の診療報酬改定を行い、脳血管疾患は6ヶ月、心疾患や運動機能疾患は5ヶ月などと保険適用の日数を制限しました。多くの批判を受けて若干制限を緩和しましたが、まだ現状のリハビリ制度では、十分に身体機能が回復しないまま打ち切られてしまうケースが出ています。医療のリハビリに続いて、介護保険による通所リハビリが、今年4月から月に8回以上行っていなければマネジメント加算がつかなくなり、事業所によっては週1回程度利用しようとする場合は単位が少なくなるため断られるか、必要ないのに週2回月に8回以上になるようマネジメントされてしまうなどの事態が発生しています。区長は、このような実態をどのように思われますか。必要なリハビリは制限しないよう国に求めるべきではないでしょうか。お答え下さい。
 墨田区では、脳卒中などの病気や骨折などの怪我で入院し、リハビリを受けて退院した方などを対象に、在宅での運動プログラムの指導と、希望にあわせ区内の認定医である「在宅リハサポート医」の紹介を受け、年4回の範囲で各自渡されている「在宅リハビリ手帳」持参の上「在宅リハサポート医」を受診し、リハビリを行う上での指導や注意、相談、評価などを受けることができる「在宅リハビリ支援事業」を昨年度から実施しています。東京都から補助金も受け、当面自己負担は無料です。
 新宿区では、15歳以上で障害が固定した方対象のリハビリを障害者福祉センターで実施していたり、在宅の方対象に保健センターの保健師と非常勤・理学療法士が訪問し、リハビリを自分で行うための動機付けをしている事業があり、利用者に大変好評です。まずは既存のこの事業を多くの対象者へ周知することが必要です。同時に、対象にならない方には、墨田区の事業なども参考にして新たな事業を展開すべきではないでしょうか。区長のご所見を伺います。

【区長】高齢者への支援についてお答えします。
 最初に、この4月の制度改正により、区民にどのような影響が出ているか、事態を把握すべきではないかとのお尋ねです。
 区では、高齢者総合相談センターやサービス事業所に寄せられる利用者からの声をはじめとし、苦情相談や認定調査など、日々の業務の中でいただく要望に対して真摯に耳を傾け、その実態把握に努めています。また、来年度、実施予定の「高齢者保健福祉施策調査」において、区民の保健福祉及び介護保険サービスの利用等の実態を把握してまいります。
 次に、新要介護認定の撤回要望とこの改正によりサービスを受けられなくなった方への対応についてのお尋ねです。
 今年4月により始まった新要介護認定では、これまで使用していた介護の手間にかかわるデータが更新され、また、調査結果のバラツキを是正するために調査方法や選択基準等の一部が修正されました。
 しかし、この新方式では、一次判定が従来より軽く出ると検証されたため、10月1日以降の申請から、さらに認定調査の基本項目等の考え方や選択基準等を修正した認定調査を実施することになっています。このため、懸念されているような事態は生じておりません。
 また、新制度の検証期間中は、更新申請者の中で希望する方は、申請前の要介護度で引き続き認定する「経過措置」を実施してまいりました。そのため、ご指摘のようなサービスを受けられなくなった方はいないと考えております。
 認知症高齢者の介護者リフレッシュ等支援事業についてのお尋ねです。
 この事業は、認知症高齢者を介護するご家族等のリフレッシュにつながる事業として、この7月から開始しました。
 申請者数は9月14日現在90件を超えています。介護保険外の福祉サービスとしては、概ね順調なスタートだと考えており、今後も月30件程度のペースで申請者が増加するものと見込んでいます。
 次に、ケアマネジャーへの事業周知についてのお尋ねです。
 ご指摘のとおり、ケアマネジャーに制度の内容や手続きを周知し、ご家族等に伝えてもらうことは重要である考えています。
 そのため、区は事業開始から「ケアマネジャーネットワーク新宿連絡会」等で、事業の周知に努めてきました。今後も積極的に情報提供を行っていきます。
 次に、10月以降に申請した場合の利用時間についてのお尋ねです。
 本事業では、認知症の方を介護するご家族等のリフレッシュとして、1ヶ月あたり2時間程度の利用を想定しています。従いまして、10月以降の6ヶ月の利用時間は12時間分とし、1ヶ月あたり2時間を下回ることのないようにしました。
 区としては、事業の周知に心を配り、介護者の皆様に幅広くリフレッシュを図っていただけるよう、今後も努めてまいります。
 回復型家事援助サービスについてのお尋ねです。
 このサービスは、要介護・要支援認定を受けていない方のうち、退院直後や通院治療中のため、一時的に家事援助が必要となり、3ヶ月以内に回復が見込まれる場合にホームヘルパーを派遣する区独自のサービスです。
 一方、要支援の認定を受けている方に対しては、高齢者総合相談センターの専門職種による介護予防ケアマネジメントによって、常時介護を要する状態の軽減・悪化防止のために、適切な家事援助サービスを提供しているところです。
 骨折等により、状態が変化し、より多くの介護が必要となった場合には、要介護認定の区分変更の申請が可能です。このことにより、その時点の状態に即した「暫定プラン」による家事援助サービスを速やかに受けられる仕組みとなっておりますので、引き続き高齢者総合相談センターにご相談いただきたいと思います。
 従いまして、回復型家事援助サービスの対象を広げることなく、対応は可能だと考えておりますが、今後も高齢者の実態を注意深く見守ってまいります。
 次に、医療機関などを通じて制度を周知し、退院したらすぐにサービスが利用できるようにすべきとのお尋ねです。
 ご指摘のように、医療機関に対する制度の周知は重要であると考えています。区はこれまでも、区内の医療機関にチラシや申請書類を送付するなど、制度の周知に努めてきましたが、今後も引き続き、きめ細かい対応を図っていきます。
 次に、リハビリテーションの支援についてのお尋ねです。
 最初に、リハビリテーションの実態についてです。
 ご指摘のとおり、医療で行うリハビリテーションは、平成18年の診療報酬改定により、疾患の特性に応じた標準的な治療期間が定められました。しかし、医療現場の意見を踏まえ、平成20年の改定では、より疾患の特性と治療上の効果に応じたリハビリテーションが可能になったと認識しております。
 従って、現時点では、国に要望することは考えておりません。
 次に、介護保険における通所リハビリテーションの実態ですが、区としてはケアマネジャーからの相談等を通じて、このような事態が発生していることを憂慮しております。ケアマネジメントの主旨は、事業所の都合で加算をとることが前提ではなく、あくまでも利用者の自立支援に必要な回数のサービスを提供することであると考えております。従いまして、区ではこうした考え方に基づいて、ケアプランを作成するようケアマネジャーには助言しております。また、機械的一律に月8回以上の通所リハビリテーションをケアプランに位置づけるよう求める事業所に対しては、東京都に情報を提供し、協力して指導していきたいと考えております。
 次に、既存のリハビリテーション事業の周知と新たな事業の展開についてのお尋ねです。
 保健センターから保健師と理学療法士がご自宅に伺って行う訪問指導については、現在、高齢者総合相談センター、ケアマネジャー、障害者福祉課、医療機関等を通じて周知しております。
 障害者福祉センターでのリハビリ事業については、区や障害者福祉センターのホームページのほか、医療機関への周知も行っております。
 引き続き必要な区民の方に各事業をご利用いただけるように、区の広報紙への掲載やぬくもりだよりの活用など、今後も工夫して周知を図ってまいります。
 また、住み慣れたご自宅での生活をできるだけ長く続けるためには、医療機関でのリハビリテーションを終了した後の生活面でのリハビリテーションや、在宅で身体機能が低下したときの集中的なリハビリテーションも必要です。
 区では、このような方を対象として、今年度新たに立ち上げたモデル事業を通し、在宅療養を支えるより良い体制づくりに向けて、リハビリテーション専門医など関係機関の方々と具体的事例を対象に検討を始めたところです。

⑤【近藤なつ子】 次に、障害者福祉手当の対象に精神障害者を加えることについて伺います。
 精神障害は、2006年4月の障害者自立支援法によって、身体障害、知的障害とともに制度的に一元化されました。にもかかわらず、身体障害や知的障害には福祉手当など各種制度が普及している一方、精神障害は一部にとどまり、身体・知的・精神の3障害一元化の理念とは相反する状態のままです。この自立支援法によって、精神障害者にも自己負担が増えており、障害者福祉手当があれば助かりますが、未だに支給されていません。
 そもそも精神障害者への障害者福祉手当の支給は、国や東京都が実施すべき事業と思いますが、品川区では昭和53年から障害者福祉手当を精神障害者に対しても独自に支給しています。
 私たち日本共産党区議団は、毎年実施している予算要求書で障害者福祉手当を支給することなどを要望してきたところですが、新宿区は今年4月から、3障害の福祉施策を一体に進めるため、医療等を除いた福祉サービス部門を健康部から福祉部の障害者福祉課へ移管しています。このような時期をとらえ、先行している制度の一元化を進める一歩として、新宿区としての判断で障害者福祉手当を精神障害者にも支給すべきではないでしょうか。区長の見解をお聞かせください。

【区長】次に、障害者福祉手当の対象に精神障害者を加えることについてお答えします。
 精神障害者に対する手当は現行の東京都の制度の中で位置付けられてこなかったという経緯があり、今後の障害者制度全般の見直しを行うなかで検討すべき大きな課題であると認識しております。
 現状では、東京都における心身障害者福祉手当制度は、対象者等の基準を都条例により定め、市町村に対しては本手当支給に要する経費を都が負担しています。また、特別区ではこれを標準として条例を定め実施しており、都条例基準分については都区財政調整制度の算定対象となっています。
 都条例の基準には、精神障害者が含まれておらず、仮に精神障害者を手当支給対象者とする場合、経費の全額を区単独で負担することとなります。
 経済的支援は第一義的には国が行うべきであり、区はその財政力や地域の実情に応じて支援を実施しております。したがって、本手当の精神障害者への支給拡大を行う際には、なお慎重な検討が必要と考えます。

⑥【近藤なつ子】 次に、インフルエンザ対策について質問します。
 第一は、新型インフルエンザについてです。
 新型インフルエンザは、8月半ばには流行期に入ったと見られ、厚生労働省の見通しでは、毎年の季節性インフルエンザの2倍程度にあたる国民の2割が発症した場合、ピーク時には1日あたり76万2000人が発症、4万6400人が入院するとしています。新型インフルエンザの集団感染で、全国の学校が学級閉鎖や休校に追い込まれ、新宿区の区立学校でも学級閉鎖等が連日発生し、昨日までに学級閉鎖42学級、学年閉鎖7学年となっています。今後予想される感染拡大のピークに備え、感染拡大と重症化を防ぐ対策が急いで求められています。
 新型インフルエンザは、一般に症状が軽いといわれているものの、子どもたちが感染しやすく、喘息や糖尿病など基礎疾患がある人や妊婦は重症化しやすいとされており、死に至る危険は季節性のインフルエンザよりかなり高いというのが専門家の見方です。
 東京大学医科学研究所が行ったシンポジウムでは、WHOが掴んだ重症例のうちウイルス性肺炎がもっとも多く、健康小児・成人が重症例の半数近くを占めていたとの報告がされ、ワクチンは感染者の拡大防止ではなく、重症化しやすい人たちの重症化を防ぐのが目的だと強調されました。また、新型インフルエンザが季節性インフルエンザと変わらないというとらえ方は間違っており、新型の流行では短期間にウイルス性肺炎やインフルエンザ脳症などの重症患者が多数発生すると警鐘を鳴らしています。
 新型インフルエンザに対応したワクチンは生産が始まったばかりです。厚生労働省は、ワクチンの接種について、その優先順位などを示し、接種を行うのは国と委託契約を結んだ医療機関に限ると発表しました。舛添前大臣は当初、ワクチンの購入は公費で行う方針と述べていましたが、9月8日の厚生労働省の発表では、国産と輸入ワクチンで費用に格差が生じないよう国が価格調整はするものの、1人2回の接種で6000円~8000円の自己負担が生じるとし、生活保護世帯などの低所得者に対して負担軽減策を自治体が行うよう、国が補助金を出すとしています。また、輸入ワクチンの治験が不充分なまま使用することで、副作用被害が心配されていますが、これに対する補償も検討されています。
 質問の第一は、現時点に立って、国や都に対し、必要な要望を行うことです。
 特別区長会では来年度予算要望の中で新型インフルエンザ対策についても要望していることは承知していますが、その後の経過も踏まえて、例えば、重症化した患者の入院受け入れ体制の確保や、せめて優先順位の高い人たちへのワクチン費用はすべて国の負担とし、低所得者対策は補助率を10分の10にすることなど、緊急に必要な要望を行うべきではないでしょうか。
 質問の第2は、区としての対策です。
 各施設や窓口に配置する消毒薬やマスクの備蓄が少なくなっているため、マスクは大人用7万枚、子ども用4万枚など追加発注をし、今月末までに各施設等に配布予定と聞いています。特に集団感染が発生している学校や保育園などの施設では、通常用意しているものの他夏前に緊急に配布されたものを使用しているそうですが、消毒薬などは不足ぎみであると聞いています。区として在庫をただちに配布すべきではないでしょうか。さらに、今後の季節性インフルエンザの流行も考えた時に、消毒薬やマスクの備蓄が本当に足りるのか不安です。今年5月の連休明けには、町中の薬局からマスクが消える事態が発生し、本当に必要な人にマスクが行き渡らないことが懸念されました。大流行時にはそうした区民への斡旋も含めて行う必要があるのではないでしょうか。
 新型インフルエンザの流行で、最も影響を受ける学校での対策は、とりわけ重要です。WHOは、早期の学校閉鎖によって治療が必要な患者が最大で50%減少するという分析結果を発表し、感染拡大防止に効果があると結論付けました。新宿の区立学校では適切な判断がされていると思いますが、全都的に見ても新宿区の学年閉鎖、学級閉鎖は多く、学校現場での適切な対応が求められます。新型インフルエンザは弱毒性と言われることから甘く見られがちですが、重症化の問題、タミフル耐性菌の出現など、決して侮ってはなりません。学校でも、予防の基本である手洗い・うがいを一般論ではなく具体的に指導することや、現場の教員の健康を守ることも、感染拡大を抑えるために重要です。欠席者への家庭訪問などは慎重に判断し、なるべく感染の機会をなくすことや、体調が悪い時は早めに休めるような環境作りが大事ではないでしょうか。教育委員会の答弁を求めます。
 新型インフルエンザのワクチンについては、アメリカのニューヨーク市では全児童生徒約100万人を対象にワクチンを無料で提供することが報道されました。新宿区としても新型インフルエンザの予防接種について、国の動向を見ながら費用の助成を検討すべきではないでしょうか。特に、最も優先度の高いとされる人たちが無料で接種できるよう、国の補助制度に上乗せをして、区として行うべきと考えますがいかがでしょうか。
 さらに、区内の医療機関に対する支援も必要です。診療所などが、インフルエンザの疑いがある患者を隔離して診療するため、同じ建物内にもう一部屋借りて診察室を確保する例もあるようです。そのような場合に必要な経費の一部を区として助成してはいかがでしょうか。
 第二は、季節性インフルエンザの予防接種についてです。
 区は、75歳以上の高齢者に対し、今年10月からインフルエンザ予防接種を無料化することを決め、補正予算が今定例会に提出されています。6月9日に全会派の幹事長が区長に申し入れを行い、それを受けて区長が決断されたものであり歓迎するものです。
 今後は、その周知を充分に行い、接種率を高めることが重要です。対象者一人ひとりに接種票を送付する際に、無料で受けられることと、受けることの意義を、わかりやすく大きな文字で書いた文書を付けて接種の促進を図るべきと考えますがいかがでしょうか。また、医療機関やことぶき館などにポスターを掲示したり、すべての高齢者クラブに対して個別にお知らせし、これから行われる秋のイベントなど様々な機会に周知が図られるようにすべきではないでしょうか。お答え下さい。
 子どものインフルエンザ予防接種に対する助成も区民からの強い要望が寄せられています。台東区は1回2000円2回まで、渋谷区は1回2000円で小学生までは2回まで、世田谷区は1回1000円で2回まで、それぞれ1歳から中学3年生までを対象に助成を実施しており、千代田区も来年度実施に向け医師会との協議が行われています。世田谷区では60%台の高い接種率となっており、対象者に接種費用助成券を送付することが勧奨にもなって、経済的支援と合わせて効果をあげているとのことでした。新宿区でも、子どものインフルエンザ予防接種助成制度を創設すべきではないでしょうか。お答え下さい。

【区長】新型インフルエンザ対策についてのお尋ねです。
 国や都に対し、重症患者の受け入れ体制の確保やワクチン接種費用の助成など、緊急に必要な要望を行うべきではないかとのお尋ねです。
 既に、特別区長会は国及び都に対し、22年度予算に関する要望として、医療体制に必要となる設備等に対する財政的支援を行うことや、ワクチンの供給体制を早急に整備することなどを要望しました。
 さらに、この9月、特別区は都に対し、新型インフルエンザの医療供給体制、特に入院医療に関して、都が責任を持って早急に確保するよう要望したところです。新型インフルエンザのワクチン接種の費用負担については、国は9月8日に示した方新案の中で、今回のワクチン接種は個人予防を主たる目的をすることから、接種を受けた方から実費相当額を徴収するとしています。一方、低所得者の負担軽減については、今後検討するとしています。
 区としては、低所得者の負担軽減については、国は要望してまいります。
 次に、備蓄のマスクや消毒液を区有施設に配布すべきではないかとのお尋ねです。
 区は、5月1日に新宿区インフルエンザ対策本部を立ち上げると共に、マスク、手指消毒剤、消毒用アルコールを各施設や本庁舎窓口に配布しました。
 ご指摘のとおり、急激な需要増により、5月の連休明けにはマスク等の入手が困難な状況となりましたが、7月には供給が回復したため、対策本部としてマスク等の補充を緊急に決定し、購入できる最大限の数量を手配しています。
 現在、マスク、消毒剤等は充分な量の在庫を保有しており、各職場からの要望に迅速に対応しています。
 また、区民の皆様に対しては引き続き、マスク等の予防物品の周知に努めると共に、国や都を通じて、業界団体に供給量の確保を要請してまいります。

 次に、新型インフルエンザの児童への予防接種費用や最も優先度の高い人への無料での接種についてのお尋ねです。
 国は、9月8日に示した方針案において、今回の、新型インフルエンザのワクチン接種は、個人予防を主たる目的とすることから、接種を受けた方から実費相当額を徴収するとしていますが、低所得者の負担軽減については今後検討するとしています。
 区では、新型インフルエンザの児童への予防接種や、最も優先度の高い人たちへの助成も含め、独自の費用助成による新型インフルエンザ予防接種の無料化については、現在のところ考えておりませんが、今後国の検討状況等も見守ってまいります。
 次に、診療所などの施設整備に必要な経費の助成についてのお尋ねです。
 今回の新型インフルエンザは弱毒性であるため、外来診療時の感染防止対策としては、患者の動線を分けることや時間を分けること等での対応がとられています。
 なお、強毒性の新型インフルエンザの発生時の医療体制の整備として、都では診療協力医療機関に対して、施設の新設、増設、改築、改修のために必要な工事費等に対する補助を実施しています。また、区では、診療協力医療機関と同程度の外来機能を担う医療機関を対象に、施設整備に関する補助制度を設けており、広く補助制度について周知してまいります。
 次に、季節性インフルエンザの予防接種についてのお尋ねです。
 今回の無料化の対象者である75歳以上の高齢者は、一人ひとりに対し分かりやすく周知することが重要であると考えています。区では、接種票を個別に送付しておりますが、その際、75歳以上の方が無料で接種できることを、分かりやすく目立つように記載したご案内を同封することとしています。毎年、インフルエンザ予防接種の有効性についてのお知らせも同封しております。
 また、医療機関やことぶき館などにポスターを掲示するとともに、高齢者クラブについては会長会においてお知らせします。秋の高齢者福祉大会などのイベントの機会も利用して周知を行い、接種率向上に努めてまいります。
 子どものインフルエンザ予防接種に対する助成制度を創設すべきではないかとのお尋ねです。
 65歳以上の方への季節性インフルエンザ予防接種は、法定予防接種となっており、自己負担の一部を以前から助成してきました。
 特に、75歳以上の高齢者は、季節性インフルエンザに罹患すると重症化しやすく、死亡率も高くなることから、積極的に接種することが重要であると認識し、今回無料としたものです。
 一方、子どものインフルエンザ予防接種は、発熱の予防効果はあるものの、重症化防止や発病予防の効果については議論があります。
 こうしたことから、現在のところ、子どものインフルエンザ予防接種の助成については考えておりません。

【教育委員会】 教育委員会へのご質問にお答えします。
 教員への新型インフルエンザの感染拡大を防ぐためには、現場の教員の健康を守ることも、有効かつ重要なことと考えております。
 学校では、新型インフルエンザで欠席中の児童・生徒の状況については、電話等で保護者に確認するなどして、極力感染の機会をなくすように努めております。
 また、教員に発熱等体調不良がある場合は、無理せず出勤を控えるように、学校長に指導いたしました。
 いずれにしましても、今以上に児童・生徒、教員に新型インフルエンザの感染が拡大しないように努めて参ります。

⑦【近藤なつ子】 次に、地上デジタル放送移行について質問します。
 最初に、地上デジタル放送移行に関する政府の対応について伺います。
 テレビ放送が地上デジタルに完全移行する2011年7月24日まであと2年を切りましたが、このままアナログ波を打ち切れば、多くの「テレビ難民」が出ることが懸念されます。
 政府は、地デジ移行の大前提として、地デジ受信機の「全世帯普及」「1億台普及」を掲げてきました。しかし、現在の世帯普及率は60.7%、普及台数は約5千万台であり、移行の前提条件は整っていませんし、共同視聴施設のデジタル改修も大幅に遅れています。
 政府の低所得者対策も不十分で、対象拡大は示唆しているものの、今のところ、NHK受信料免除世帯約260万世帯へのチューナーの配布だけで、高齢者や母子家庭など経済的に困難な世帯が対象から外されています。
 高齢者を中心に「きめ細かな説明・対応」をするとした「総務省テレビ受信者支援センター」、いわゆるデジサポも、全国51カ所、人員は300人程度で、求められる対応を遂行するには、まったく不足しています。
 そこで区長にうかがいます。新政府に対して、地デジ化に円滑に移行できるように、計画の延期と抜本的な低所得者対策を求めるべきと考えますがいかがでしょうか。
 新宿区は移行のための弱者対策を講じていますが、東京都内でも自治体によってばらつきがあります。23区が行う低所得者対策にかかる費用については都区財政調整の算定に反映させること、高層建築物が林立する東京の電波障害解消にかかる費用について東京都独自の対応を求めるべきと思いますが、いかがでしょうか。
 次に、新宿区の地上デジタル放送移行支援について伺います。
 区は、住民税非課税で、65歳以上の方のいる60歳以上の方のみの高齢者世帯、ひとり親家庭の医療費助成を受けている世帯、精神障害者の通院のための自立支援医療証を所持している世帯への助成を決め、広報や特集号の折り込みによって反響が広がっています。私どもは新宿区の他に先駆けた対応を評価するものですが、千代田区のように助成の範囲を、NHKの受信料が半額免除となる対象とほぼ同じ、1、2級の手帳をもっている心身障害者や精神障害者、要介護者が属する世帯へも拡大すべきと考えますが、いかがでしょうか。お伺いします。
 なお、政府の対策の対象となるにはNHK受信料免除の申請が行われていることが条件となりますが、生活保護は受けていても免除申請をしていない世帯も多く残されており、申請を促す努力をしていただきたいと思いますが、この点もうかがいます。
 次に、共聴施設の問題です。
 新宿区内の現在の視聴形態は、ケーブルテレビ加入が14万1千件、受信障害対策のための共聴施設からの視聴が349施設5万1千件、その他、アンテナによる個別受信、集合住宅での受信があります。今回は、共聴施設のデジタル改修についてお聞きします。
 近隣世帯200件分のアナログ波を配信する共聴施設のあるビルでは、加入者から要望が強いためデジタル改修したいけれども、総務省の助成を使っても費用負担が大きく、助成の申し込みが12月までなので、加入を続けるか脱退するか個々の加入者との確認をする見通しが持てないし、既存施設を撤去するための助成金もない等、多くの難問を抱えています。共聴施設設置後にさらに大きなマンションが建ち、電波障害が複合的に生じているなどの複雑なケースもあり、費用負担の問題を含め、近隣住民との交渉が難航するケースは今後本格化すると予想されます。
 そこで、伺います。現在、受信状態の調査を申し込んでも3週間から1ヶ月かかってしまっているデジサポの体制を強化し、デジタル化によってどのような受信障害が起こるか調査し、共聴施設の所有者と加入者に対して啓発や助成のための手続きを促進するように総務省に強く求めるべきです。その際、中高層建築物による電波障害が多いのは東京全域の課題ですから、都に対しても独自の対策を講じるように求めてしかるべきと考えますがいかがでしょうか。
 また、総務省では、紛争を調整する機関を設置することにしているとのことですが、体制を整え区民が身近に相談できるものとすることを要望すると共に、区役所1階の総合相談窓口が分庁舎に移転した後のスペースに、地デジ移行に関する総合的な相談窓口を設けて、区民からの諸々の相談を受けるようにしてはいかがでしょうか。お答え下さい。

【区長】 地上デジタル放送移行についてのご質問です。
 はじめに、地上デジタル放送の計画の延期及び抜本的な低所得者対策を国に求めるべきとのお尋ねです。
 地上デジタル放送移行については、平成23年7月24日という期限に向け、国が中心となって放送事業者やメーカーなどと連携し、計画的に取り組んでいるため、現在その進捗について推移を見守っていきたいと考えています。また、国の低所得者対策については、必要に応じて国に要望を伝えていくとともに、総務省テレビ受信者支援センターと連携し、説明会や個別相談会等を通じてきめ細やかに対応していきます。
 次に、低所得者対策の費用を都区財政調整の算定に反映させるとともに、電波障害解消にかかる費用について都独自の対応を求めるべきとのご質問です。
 低所得者対策については、都区協議の俎上にあげるべき課題と認識しています。都独自の対応については、広域自治体として都が総合的に対応するよう要望していきます。
 次に、千代田区のように助成の範囲を心身障害者や精神障害者、要介護者が属する世帯へも拡大すべきであるというお尋ねです。
 総務省は、NHKの受診料が全額免除となっている生活保護受給世帯や非課税の障害者世帯などに対してチューナーの給付やアンテナ工事を無償で実施することとし、本年10月1日から申込み受付を開始します。
 また、千代田区は、この国の助成制度が始まる以前の平成20年7月から実施していますが、身体障害手帳1、2級を所持している非課税対象者が対象に含まれるなど、国の助成制度と重複している部分があります。また、課税・非課税の区別が無く、10,500円を上限として助成しています。
 一方、新宿区では、国の助成制度の対象とならない高齢・精神障害・一人親の世帯で、かつ経済的に地デジ対応が難しい住民税非課税世帯は特に助成が必要であると判断し、20,000円を限度に助成しています。したがって、対象者を拡大することは考えておりません。
 また、身体障害者1、2級の手帳をもっている方などで、NHK受診料半額免除世帯は課税世帯であるため、同様の理由により、助成対象とすることは難しい状況です。
 生活保護受給者でNHK受信免除申請をしていない世帯については、ケースワーク業務を通して免除申請を促してまいります。
 区としても、平成23年7月の地上デジタル放送移行に向けて、この助成制度を有効に活用していただくため、積極的に広報してまいります。
 次に、受信障害調査や共聴施設の所有者や加入者に対する啓発や助成手続き促進を総務省に求めるべきとのお尋ねです。
 共聴施設の対応については、当事者間の問題でありますが、可能な限り解決に向けたきめ細かな支援を実施していくことが必要です。今後、総務省テレビ受診支援センターと連携して説明会や個別相談等で区民に周知するともに、啓発や手続き促進を求めていきます。都独自の対策ついても都に対して総合的に対応するよう要望していきます。
 次に、紛争調整機関を身近に相談できるよう要望するとともに、区役所に総合的な相談窓口を設けるべきとのご質問です。
 紛争調整機関については、総務省テレビ受信者支援センターで9月28日から共聴施設の当事者間に紛争が生じた場合等の法律専門家による相談及び調停の受付が開始されますので、区民からの相談があった場合は紹介してまいります。また、区に相談窓口を設置することについては、区民が身近に相談できるよう新宿区デジタル放送移行相談員が総務省テレビ受信相談センターと連携し、本庁舎1階フロアで10月から月2回実施していきます。相談窓口では、デジタルテレビを展示して実際に体験できるようにするとともに、地上デジタル放送を受信するための具体的な相談に応じてまいります。
 
⑧【近藤なつ子】 最後に、建築紛争予防条例の改正について質問いたします。
 9月5日の朝日新聞に新宿第2保育園の隣地に建設されるマンションの建設によって日照が損なわれることに対し、保護者で作るおひさまを守る会が児童の健康をまもるためにおこなっている活動が紹介されていました。
 現在保護者とともに設置者である区も保育課を先頭に建築主に要望も出し保育環境を守るために奮闘されています。しかし、当初から建築主との協議が円滑に行なわれてわけではありません。これまでも保育園や小学校の隣地に建設される中高層建築物の影響で日照などの紛争が起こっていました。今回の新宿第2保育園の事例は特別なものではなく新宿区では「起こりうるべくしておこった」と言えるのではないでしょうか。
 これらを解決するためにも教育施設や福祉施設等に対する配慮事項を盛り込んだ「中高層建築物の建築に係る紛争の予防と調整に関する条例」の改正が急がれています。
 23区では千代田区が「建築計画の早期周知に関する条例」に定めていますが、中央区、杉並区、豊島区は指導要綱や施行規則で定めています。名古屋市では以前から条例で定めており、たしかに法的な強制力はないものの、改善をした事例も生まれています。 名古屋市の事例にも習い、その経緯からも新宿区ではいつでもおこりうる環境にある以上、条例の整備が求められているのではないでしょうか。今回教育施設等への配慮と言う項目を設けるべきだと思いますが、区長の答弁を求めます。

【区長】「中高層建築物の建築に係わる紛争の予防と調整に関する条例」に、教育施設等への配慮の項目を設けるべきとのお尋ねです。
 新宿区の条例では、一定の範囲内にある全ての建築物に対して、建築主は「中高層建築物の建築計画に当たっては、周辺の生活環境に及ぼす影響に十分配慮するとともに、良好な近隣関係を損なわないよう努めなければならない」と明記しています。
 この条例に基づき、建築主は説明会で計画内容を説明し、住民から出される様々な質問や要望に対して、当事者の責務として、誠意をもって解決に努めています。
 しかしながら、紛争が生じたときは、互譲の精神をもって解決していけるよう、区は、直接建築主に対して、建築主が、出席し、充分な話し合いを行なうことを指導しています。
 私は、建築主が建築する際に、教育施設等公共性の高い施設に対して、日照などの影響に特別な配慮をすることと考えています。
 教育施設等への特別な配慮については、他の自治体の事例なども参考にし、今後、検討していきます。