(あざみ議員)
私は、富久町地区の環状4号線道路整備計画と都市計画公園について一般質問します。
富久町地区の環状4号線道路整備計画は、抜け弁天交差点と住吉町交差点を結ぶ放射6号線に面する余丁町児童遊園から旧小石川工業高校までの延長330㍍、富久町を斜めに縦断する道路計画です。
平成13年に現況測量が行われて以降、地域からは「今後どのようなスケジュールになるのか」などの意見があるにもかかわらず、東京都から何の音沙汰もありませんでした。しかし昨年10月、東京都第3建設事務所が用地測量説明会を突然開き、測量が終わり次第事業認可の手続きに入り、事業をすすめる、と説明しました。
環状4号線は、昭和21年に戦災復興事業として都市計画決定されました。説明会では、この間建築制限を守ってきた住民から、「生首さらしているような60年間だった」「本当に道路が必要なのか」「現況測量から8年間もなぜ空いたのか」等、道路行政への不信の声が続きました。
富久町は新宿区のほぼ中心に位置していますが、4つの町会を中心に大変良好なコミュニティをつくっている落ち着いた住宅街です。富久町の環状4号線道路計画は、現行道路を拡幅する大多数の都市計画道路事業とは違い、まったく道のない住宅地を斜めに新しい道路を造ろうというものです。富久町が大きく2つに分断され、これまで築いてきたコミュニティを壊してしまうのではないか、という危惧があります。また高齢者のみの世帯が多く、代替地を準備したとしても立ち退き後の生活再建は大変困難であろうと思われます。
そもそも環状4号線はどのような必要性があって計画されているのでしょうか。当然、昭和21年の戦災復興事業から、目的は変わっているはずです。説明会でも東京都から納得のいく説明がありませんでした。
充分な説明がないもとで様々な情報が飛び交っています。道路にかかる方及び沿道の住民のみなさんの多くは、道路の必要性、計画決定から事業開始まで長期間あいたことへの疑問、立ち退いた場合の生活再建への不安などなど、気持ちの整理がつかない日々を過ごしています。
区は、道路を整備するという東京都の意向を受けて住民に対するのではなく、住民の立場に立ち、これまでの経過と、道路の必要性、将来予測等、正確な情報提供を十分に行い、住民が納得しない状況のもとで拙速に事業認可するべきではない旨を、区として東京都に要請するべきではないでしょうか。
一方、富久町地区には、都市計画公園である富久公園の計画地もあり、環状4号線道路計画地とまったく重なるエリアがあります。よって、現在環状4号線計画地の住民と公園計画地の住民、どちらの計画地にもなっている住民がいるのです。富久公園計画は、昭和18年に防空緑地として決定し、昭和32年に東京都が都市計画公園として都市計画決定しています。その後平成12年に一定規模以下の都市計画公園が区市町村に移管され、その際、富久公園計画が新宿区に移管されました。
公園計画地内は、環状4号線と同様、戸建ての住宅が密集する住宅地であり、長年にわたり建築制限されている状態にある地権者のみなさんは「これからどうなるのか」という不安を抱えています。
そこで伺います。
道路計画と公園計画が重なっているのは都市計画上あり得ないことではないでしょうか。区はこの矛盾をどう考えますか。
私は、富久公園計画については新宿区の権限であるのですから、区として計画を廃止にすべきと考えますがいかがですか。その際、当該地権者から出される要望には誠意を持って応え、できる限り対策を講じるべきではないでしょうか。
富久公園計画は、この地域の防災性を高める目的があると聞いていますが、その目的自体は重要なことです。昨年、富久公園計画地から数十メートルのところにある公務員宿舎跡地に富久さくら公園が完成しました。富久さくら公園は地域の防災性を高める役割を富久公園に代わって担うことができるのではないでしょうか。富久公園計画を廃止してもその目的は失われてはならないと思います。そして、富久さくら公園の面積は、 ㎡であり、富久公園計画地の ㎡には ㎡及びませんから、その足りない分は、細街路の拡幅や、ポケットパークの設置など、防災性を高めるための手段を、別途検討すべきではないでしょうか。
昨年9月、区は富久地区まちづくり協議会を立ち上げましたが、今後の富久町のまちづくりを考えていく上で有効な場になることを願望いたします。住民の意向はこの協議会を通じて聞いていくのはもちろんですが、こうした会合に来ることができない住民、特に計画地内の住民のみなさんに対しては、区が責任を持って説明し、お一人お一人の意向をくみ上げることが必要ではないでしょうか。
(答弁要旨)
あざみ議員のご質問にお答えします。
初めに、住民が納得しない状況のもとで拙速に事業認可するべきでないとのお尋ねです。
区は、環状第4号線の整備に伴い大きく変化する富久地区のまちづくりについて、地域の皆さんと、まちの将来像を話し合うことを目的に、平成21年7月に「富久地区まちづくり協議会」を立ち上げました。
さらに、個別の課題を詳細に検討するための専門部会として、本年1月に「富久公園部会」を、2月に「環状第4号線沿道部会」を立ち上げたところです。
区は、この沿道部会において、東京都と連携して住民への情報提供に努めていますが、今後も、必要があれば、道路に関する疑問や要望など、住民の意見を取りまとめ、東京都へ働きかけていきます。
次に、道路計画と公園計画が重なっているのは都市計画上ありえないことではないか、区はこの矛盾をどう考えるのかとのお尋ねです。
都市計画道路「環状第4号線」は昭和21年に決定され、都市計画公園「富久公園は」昭和32年に一部区域が道路と重複して決定されています。
このように都市計画道路と都市計画公園が重複している事例は他にもありますが、区としては、富久地区のまちづくりの視点から、環状第4号線の整備と併せて、どのように解決したらよいか、十分に検討していきます。
次に富久公園計画を廃止すべきであり、その際には地権者の要望に誠意を持って応えるべきではないか、また、都市計画公園の目的に沿って地域の防災機能を別途に検討すべきとのお尋ねです。
区は、法務省及び最高裁判所職員宿舎の跡地を取得し、この地域の防災性の向上に資する公園として、平成21年4月に「富久さくら公園」を整備しました。
区としては、地域の現状を踏まえ、地権者の方々や地域の皆さんで組織されている「富久地区まちづくり協議会」で、富久公園のあり方や更なる防災性の向上について検討していきます。
次に、計画地内の住民に対して、区が責任を持って説明し、一人一人の意向をくみ上げることが必要ではないかとのお尋ねです。
現在、富久地区まちづくり協議会及び専門部会では、区と地域住民とが共同で富久地区のまちづくりにかかわる課題について議論を進めているところです。
区は、まちづくりを進める上で、協議会に参加できない住民との情報格差を作らないことが重要なことから、地権者、住民全員にまちづくりニュースを配布します。
また、協議会において重要な意思決定を行う場合には、あらかじめアンケートなどにより意向調査を行うなど、住民一人一人の意見を伺いながら、富久地区のまちづくりに取り組んでいきます。
以上で答弁を終わります。


