2010年2月25日 第1回定例会において、沢田あゆみ議員が代表質問を行いました。以下はその要旨です。
日本共産党区議団の沢田あゆみです。私は、2010年第1回定例会にあたり、日本共産党区議団を代表して質問いたします。
昨年夏の政権交代以来、間もなく半年が過ぎようとしています。民主党を中心とする新政権が打ち出した公立高校の授業料無料化などは、国民の期待に一定応えたものであり、また、肝炎患者や被爆者の救済など、自公政権下では実現しなかったことが前進しました。しかし一方で、米軍普天間基地の移転問題、後期高齢者医療制度の問題、さらには鳩山首相と小沢民主党幹事長の政治と金の問題では国民の信頼を失い、消費税増税問題も浮上した中、内閣支持率が急下降するに至っています。
私ども日本共産党は、国民のみなさんが政権交代という審判で作り出した前向きな変化をさらに大きく前進させ、国民のくらしを守る政治を実現するため力を尽くす決意を述べて以下質問いたします。
最初に、区政運営について質問いたします。
質問の第1は、障害福祉サービスを抑制する違法な内規の問題です。
65歳を過ぎて障害者となられた篠沢秀夫学習院大学名誉教授が、介護保険サービスだけでは足りず障害者自立支援法に基づく障害福祉サービスを受けたいと区に相談したのに対し、違法な内規を盾に応じなかったと多くのマスコミで報道され、私も衝撃を受けました。新宿は弱者に冷たい区政だと思われ、区民も心を痛めたと思います。区長が「好感度一番」を説き職員がコツコツ努力を重ねても、このような問題が発生すれば一瞬にして区政への信頼が失われるのです。このような事態が発生したことの責任について、区長はどうお考えなのか伺います。
この内規の前にも、自立支援法施行当初に作られた内規があり、当時も障害福祉サービスを受けていた方が65歳になったとたんに介護保険が優先と言われ、サービスの量が半減してしまったという話を聞きました。私は、中山区長は障害者福祉に理解があり、自立支援法の本人負担を3%に軽減したり、グループホームを増やしたりしてこられたと思います。しかし、こうした問題が起きた背景に、社会保障費削減を是とする自公政権時代の考えがいまだにはびこってはいないでしょうか。福祉予算を使い残すのがいい職員だとする作風がありはしないでしょうか。地方自治法では、地方公共団体の役割は「住民の福祉の増進を図ること」と定めています。その主旨を実現する立場に区政は立つのかという根本姿勢が問われる事件だと思いますが、区長はどう受け止めておられますか。
法令に則って仕事をするというあたりまえのコンプライアンスを踏みにじり、違法な内規を作ってサービス供給を拒むなどあるまじきことです。内規という文書になっていないまでも、窓口で違法な運用は他にもないでしょうか。たとえば、国会の質問趣意書の回答も無視して散歩同行に介護保険は使えないと言ったり、介護保険課にケアマネージャーが文書を持参したら「郵送して下さい」と受け取らない、ファックスで済む要件も来庁を求められるなどという、他の区に行ったら通用しないローカルルールが区役所内でまかり通ってはいないでしょうか。
区長は、篠沢教授に直接お詫びに伺ったそうですが、内規策定から4カ月も経っており、篠沢教授の他にも内規を盾に断われた区民がいるのではないでしょうか。2月10日の福祉健康委員会では調査すると答弁していますが、結果はどうだったのか、他にもあったとすれば区としてどのように対応されたのかお聞かせ下さい。
区はこの事態を受け、副区長を会長とする「適正化緊急対策会議」を設置し、事実把握と原因究明、区内部の総点検や今後の対応の検討などを行い、今月中にすべての事業課に対し内規の有無や、それが適法かどうかなどの調査を行っていると聞いています。先に申し上げたように内規に限らず、運用で区民の権利が制限されるようなことが行われていないかどうかも調査し、その調査結果は区民にも公表すべきと思いますがいかがでしょうか。また、区長はかねがね「公平性」「透明性」を唱えているのですから、この際、要綱、要領、内規も含め区政運営のルールとしている情報はすべて公開すべきと考えますがいかがでしょうか。
質問の第2は、下落合4丁目の「建築確認処分取消等請求上告受理申立事件」の上告を棄却する最高裁判所の判決、いわゆるたぬきの森の裁判で区が住民に敗訴した問題です。
区長は基本方針説明の冒頭でもこの問題に触れられましたが、判決からすでに2ヶ月が経ちました。事業者や住民とどのような話し合いが行なわれたのか、この間の区の取り組みについてお答えください。
報道によれば、マンション建設費用が26億円かかっており、事業者は区に買い取りと損害賠償を求めているようですが、もし区が損害賠償を支払うとか買い取りという事態になった時、その財源をすべて税金から充てるなどということは到底区民の理解は得られません。区長はその場合どう責任を取られるおつもりなのかお答えください。
今回の焦点になった安全認定のあり方について、本来区長の権限にもかかわらず課長決裁で判断されていたもので、現在は部長決裁となっています。しかし、先ほどの質問とも共通しますが、区長と職員が本当に区民の声に耳を傾けているのかが根本的に問われているのではないでしょうか。この判決を教訓に、区の建築行政のあり方も見直し、少なくとも安全認定については区長が直接判断をすべきと思いますがいかがでしょうか。
今回の最高裁判決では、建築審査会のあり方も問われていると思います。区の決定を承認する場になってはいなかったか、検証が必要だと思います。建築審査会が第三者機関としての存在意義をしっかり果たすべきと考えますが、区長の見解をお示しください。
(区長答弁)
沢田議員のご質問にお答えします。区政運営についてのお尋ねです。
初めに、障害福祉サービスについて、今回のような事態が発生したことは、あってはならにことと考えています。なぜこのようなことが起きてしまったのか、今回の経緯を徹底的に調査し、原因を究明するとともに、是正状況の確認を行い、区民の皆様に結果を公開します。また、全庁への内規の制定状況等の調査を行い、再発防止策等、必要な措置を講じること、責任を果たしていきたいと考えています。
そのために、副区長を長として「区政運営における行政手続の見直しと適正化を図る緊急対策会議」を立ち上げ、早急に報告を行うよう指示しました。今後、このようなことがないよう、区民の皆様の信頼回復に全力で取り組んで参ります。
次に、住民の福祉の増進を図るという地方公共団体の根本姿勢についてのお尋ねです。
今回の件の原因は現在調査中ですが、もう一度行政の基本に立ち返り、一人ひとりの職員が根拠法令への理解を深め、区民の立場に立った行政の構築に真摯に取り組んでいかなければならないと考えています。
次に、他区では通用しないローカルルールが区役所内でまかり通っていないか。また、内規に限らず、運用面で区民の権利が制限されていないか調査し、結果を公表すべきではないか、とのお尋ねです。
現在、他区では、適正化緊急対策会議を設置し、内規の制定状況について、悉皆調査を実施しています。その中で、区民の権利義務の範囲を示す考えが含まれているかどうか、含まれている場合には根拠規程と整合性が図られているかを点検するよう指示しているところです。今回の調査では、内規の名称を限定せずに、事務処理の参考とするものは全て点検することとしています。
今後、内規の制定状況等の調査結果を踏まえ、内規等の窓口等における運用実態がどうなっているか、必要に応じて調査する予定です。現在は、まだ調査の途中であり、その結果はまとまっておりませんが、調査結果については、まとまり次第公表してまいります。
次に、他にもに内規の改定により断られた区民がいるのではないかとのお尋ねです。断ったケースとして現在把握しているのは1件です。このケースの方は、現在入院中ですが、今後、住宅での生活が可能となる場合に備えて、連携して支援が出来るように関係機関で協議しています。また、保健センター、高齢者総合相談センター、ケアマネージャーの連絡会で、昨年10月以降お断りしたケースがあれば早急に個別調査を行い、対応してまいります。
次に、要綱、要領、内規も含めた区政運営のルールとしての情報は全て公開すべきではないか、とのお尋ねです。区では、これまでも、要綱、要領などについては、公開を原則として取り扱っています。情報公開制度は、公開請求される前に積極的に情報を提供していくことが大切です。得に、区民の申請手続きに関係する区政運営のルールは、行政手続条例の点からも公表する必要がありますので、今回の調査の結果も踏まえ、今後、公表出来る内規などについては、各課ホームページへの掲載を徹底するなど、より積極的な情報提供に努めてまいります。
次に、下落合4丁目の最高裁判所の判決に関し、判決後の区の取り組みや事業者からの土地の買収要求や損害賠償の請求についてのお尋ねです。
建築主である新日本建設株式会社とは、本年1月7日、双方の代理人立会いのもと、都市計画部長ほか関係職員が面会し、1月29日には、同社の代理人弁護士からの内容証明郵便が送達されています。
同社からの要求の趣旨は、26億円を超える資金を投じて遂行してきた開発事業に係る本件土地・建物の買い取りを含め、損害賠償の方法について区からの具体的な提案を求めるというものであります。
他方、原告住民を含む、下落合みどりトラスト基金のメンバーの方々からは、最高裁の判決後2回にわたり要望をいただいています。その要望の趣旨は、既存の違反建築物を取り壊し、当該土地を公園にしてもらいたいというものであります。
建築主に対しては、1月22日付けで安全認定を取り消した旨の通知書、また、建築基準法第6条第13項の規程による適合しない旨の通知書を送付し、併せて、建築基準法に基づく違反建築に関する是正計画の報告を求めたところであります。
これに対し、建築主の新日本建設株式会社は、1月29日付けの文書の中で、区の行政処分が違法として取消しされたことを理由に、会社が受けた損害の回復として本件土地・建物の買い取り等を求めています。
しかし、元々、法的には安全認定や建築買う人の申請は、申請者の責任においてなされるものであり、区が指示するものではなく、また、安全認定や建築確認は、申請者に建築着工を義務付けるものではないとされております。したがって、これに基づく建築工事は申請者の責任と判断に委ねられているものです。
加えて、本件は、建築主の申請を認めた行政処分が違法とされたもので、区が建築主に対し不利益処分を行い、それが違法とされたものではありません。
したがって、区は、建築主に対し損害賠償責任を負う立場には無いものと判断している旨を通知したところです。
次に、住民の方から要望のあった当該土地の公園化については、区は今まさに当該土地の所有である建築主からの要求、申し出について、代理人弁護士を通じて慎重に対応しているところであり、現時点で判断できるものではないことをご理解いただきたいと思います。今後、区民をはじめ、区議会、関係者のみなさまに説明責任を果たすとともに。多くの区民が納得できるかたちで解決を図っていきたいと考えています。なお、当該違反建築物の現状の管理について、建築主に対して、安全確保の観点から十分指導してまいります。
次にこの判決を教訓に、区の建築行政のあり方も見直し、少なくとも安全認定については区長が直接判断をすべきとのお尋ねです。
建築行政のあり方については、既に、都市計画部建築指導課内に「情報連絡会」を設置し、早い段階に建築関係の情報集約し、庁内で共有化する体制を構築するともに、特に大規模な民間開発については、都市計画部のみならず「みどり土木部」などと構成する「民間開発計画等連絡調整検討会」を設けて、組織の横断的な連携の徹底を図るなど、適正な運営に努めています。
また、安全認定については、建築物の防火、避難上の安全性を検証するなど技術的かつ専門的な内容に限定されることから、都市計画部長の決定としたものです。
今後は、関係機関との情報の共有化、連携の徹底、多面的・多角的なチェック体制の構築等により、同様の事例が生じないよう最善を尽くしていきたいと考えております。
次に、建築審査会が第三者機関としての存在意義を果たすべきとのお尋ねです。
建築審査会は、行政処分に対する不服申し立てなどについて、区民の審査請求に基づき、専門的な知識や経験を有する委員が、公平中立な視点から、区や民間の建築確認処分等を新圧死裁決を行う、行政庁から独立した第三者的行政機関です。昨年4月には、委員の改選時期にあたり、新たな委員を選任したところです。
区としては、新たに構成された審査会にも裁判の経緯を報告しており、今回の判決を受けて、審査会の役割の重要性を認識し、第三者的行政機関としての機能を十分に担っていただきたいと考えています。
(沢田議員)
次に、区政の基本方針と2010年度予算について質問いたします。
2010年度予算案は、一般会計で1383億2000万円と過去最大規模となっています。予算規模が大きくなった要因として、生活保護を中心に福祉費が増大したことや中小企業のための融資制度拡充で産業経済費が伸び、待機児解消のため子ども家庭費が増えたことがあげられます。これは私どもがこの間要望してきた施策もかなり反映されており、区税収入も特別区交付金も大きく減少した中で、区民の要望に応えようとする姿勢が一定うかがえる予算案だと受け止めています。
一方で、第一次実行計画期間中の基金残高推移の「見込み」を見ると将来不安がないとは言い切れず、経済・景気動向が今後どう推移していくと見通しているか先ずうかがいたいと思います。また、ここ数年来、当初予算では基金から繰り入れるとしていたものを年度途中の補正で繰り戻すことが繰り返され、結果として「見込み」を裏切って基金残高を増やしてきました。これからも同様のことが考えられると見るのは楽観しすぎでしょうか。基金残高「見込み」の確実性についてご説明願います。
さて、区税収入の減少、扶助費の増大など、来年度予算案からも困窮する区民生活が見て取れます。私は先日、家庭内の暴力から逃げ新宿区内でいわゆるマック難民状態になってさまよっていた母子を、緊急一時保護から生活保護につなぐという体験をしました。根底には貧困の問題をかかえていました。現下の社会情勢の下で精神を病んでしまい生活保護を受けざるをえない方もいます。年金生活の高齢者の中には生活保護水準か、それ以下の生活をしている方も少なくありません。また、生活保護受給者も母子加算は復活しましたが老齢加算は切られたまま、夏冬の見舞金もなくなったという中で、生活保護の方はお香典やご葬儀に行く交通費を捻出することが大変で、「世話になった人が亡くなっても知らなかったことにする。」という切ない話を聞きました。窓口への相談が激増し、職員のみなさんもご苦労されているように、私共の所へも日々深刻な相談が持ち込まれています。
質問の第1は、区民生活の大変さについて肌身で感じてこそ実態に則した区民に必要とされる政策が打ち出せると思います。区長はどう実感されていらっしゃるのか伺います。
質問の第2は、弱い立場の人々にもっと光を当てた予算にすることです。
この間区長が、子育て支援の分野などで一定区民の要望に応えてこられたことは評価をするものです。しかしながら、2010年度の区の予算案を見ても、高齢者や生活保護受給者など弱い立場の人々に対してどれほど光が当てられているかというと、きわめて不充分と言わざるをえません。区長は区政の基本方針で「こうした時こそ、基礎自治体は、知恵と工夫により『生活者の視点』を持って区民の生活を守り支えていかなくては」ならないと言われました。確かにこれまでも国の就職安定資金のつなぎ融資など、国のセーフティネットを補完するような施策が行われてきました。しかし、国の就職安定資金そのものが再就職できた人には返済を一部免除し、できなかった人には全額返済を求めるという矛盾した制度で、低所得者のための融資制度も改善の余地があります。その点では、私共がこれまでも提案してきた生活資金貸付制度や高齢者・低所得者に対する家賃助成や住宅施策の充実、生活保護世帯に対する老齢加算や夏冬の見舞金の復活。後の質問でも具体的に触れますが、国民健康保険・後期高齢者医療保険・介護保険の保険料の負担軽減などを具体的に実施すべきではないでしょうか。お答えください。
質問の第3は、高齢者が安心して地域に住み続けられる住宅施策の充実です。
生きていくために必要な住宅の問題は大変深刻です。生活保護の基準内でアパートを探そうとしてもなかなか見つからない。高齢者は敬遠されどこも契約してくれない。不動産業者の方からは「そういう方たちの要望に添いたいと思っても民間では無理。何かあった時に大家さんや不動産屋の負担が大きすぎる。行政で公営住宅を増やすとか何らかの対策を取ってもらわなければお手上げです。」とよく言われます。
文京区では、「高齢者賃貸住宅登録事業」を来年度から実施予定で、アパートのオーナーがこれに登録をすることでバリアフリーの義務が生じますが、その工事費用に対する助成が受けられ、高齢者が入居すると年間10万円の謝礼金がオーナーに支給され、仲介した不動産業者には仲介手数料として家賃1ヶ月分が支給されるというものです。他からの転居で家賃が高くなってしまう高齢者には、旧家賃と新家賃との差額を月額2万五千円を上限に助成することで、高齢者の入居を助ける制度となっています。 また、品川区では新年度予算案で、「見守り機能付住宅と住み替えの仕組み」に六億円を計上し、入居後介護が必要となっても要介護3までは住み続けることができ、在宅で必要なケアが受けられるというものです。さらに、成年後見制度と連携した住み替えの仕組みを運営し、高齢化した団地の世代交代や木造住宅密集地の防災対策の促進に寄与するという全国にも例のない取り組みが始まろうとしています。
新宿区でも、文京区や品川区の事例を参考に、高齢者が安心して地域に住み続けられる仕組みを作るべきではないでしょうか。お答えください。
(区長答弁)
今後の経済・景気動向の見通しについてのお尋ねです。
現在の状況では、経済の急激な回復は望むべくもありませんが、政府の22年度経済見通しでは、「景気は緩やかに回復していくと見込まれる」とし、国内総生産の実質成長率は1.4%程度と3年ぶりのプラス成長を見込んでいます。しかし、経済状況は極めて不透明なため、今後の区財政を取り巻く環境を厳しく注視していく必要があると考えています。
また、お尋ねの基金残高見込みについては、現下の経済情勢を踏まえつつ、国が発表する月例経済報告や毎日勤労統計調査などの統計情報に加え、新宿区の人口や納税義務者数、高齢化率などの動向を総合的に勘案して作成した収支見込みに基づいたものです。
収支見込みは、実行計画期間を対象に施策の着実な推進と健全な財政運営を目的として作成しており、歳入。歳出とも真摯に見込んでいますが、今後、21年度の決算状況や経済動向の変化等により、変更が生じることもあります。
次に、低所得の方など、弱い立場の人々にもっと光を当てた予算とすべきとのご指摘についてです。深刻な経済状況を反映し、生活保護の増加、失業率の悪化など厳しい状況月付いています。こうした状況に対して、22年度予算では、障害者や一人暮し高齢者への支援、また、子育て家庭や中小企業者などへの支援、さらには、新たな就労支援の推進など、積極的に予算化したところです。
しかしながら、雇用対策や所得保障、社会保険など、社会全般にわたる現金給付等のセーフティネットの役割は、本来、国が第一に責任を負うべきものです。区としては、健全な財政運営を基本に、区の財政能力を勘案し、持続可能な行政サービスを行っていく必要があると考えています。したがいまして、ご提案の生活資金貸付制度や高齢者・低所得者に対する家賃助成、生活保護世帯に対する夏冬の見舞金の復活などを実施する考えはございません。
次に、高齢者が安心して住み続けられる住宅施策の充実についてのお尋ねです。
区はこれまで、「新宿区住宅マスタープラン」に基づき、高齢者等入居支援、住み替え居住継続支援、住宅相談などの事業の充実やワンルームマンション条例の改正による高齢者用住戸の設置割合の引き上げなど、高齢者の住いの安定確保のための施策を実施してきたところです。ご提案の、文京区や品川区の事例を参考に、高齢者が安心して地域に住み続けられる仕組みを作ることについては、今後、国や都の動向に注視するとともに、他区で実施している事業やその効果を検証し、区としてふさわしい施策を検討していきます。
(沢田議員)
次に保育園の待機児童解消対策等について質問いたします。
区は昨年2月の待機児童数が旧定義で291人、新定義で236人になったことを踏まえ待機児童解消緊急対策部会を設置し、今年度認証保育所の増設や保育ルーム開設による24名の受け入れ枠拡大などを行い、また区立高田馬場第一保育園から私立オルト保育園への移行に伴い13名の受け入れ枠の拡大が予定されています。しかし、今年の2月1日現在も、旧定義で287人、新定義で224人と、昨年と同じ水準です。児童福祉法に基づき、2009年4月時点で待機児童が50人以上いる特定市町村は、「市町村保育計画」を策定することが義務付けられており、該当する全国101市区町村に新宿区も含まれているのですから、早急な対策が求められています。
質問の第1は、待機児童解消の見通しと計画についてです。
区長は基本方針説明の中で、待機児童解消対策として4月には(仮称)オルト保育園の新設のほか、区立・私立認可保育園や、子ども園の定員拡大、定員の弾力化によって、全体で88人の受け入れ枠の拡大を行うとしていますが、それで今年4月の待機児童数は0になるのでしょうか、現在の見通しについてお答えください。
区は一貫して4月年度当初待機児童0を目指していますが、これでは本格的な対策にはなりません。雑誌「アエラベビー」の「子育てに優しいまち全国ランキング」で1位の新潟市は2008年度に380人保育所利用が増えましたが、あらゆる努力を行ない待機児童0を継続。第2位の宇都宮市はアンケート調査等に基づく保育需要量予測を行い2017年度のピーク時には保育サービスが2000人分不足するとして、保育所と認定子ども園を含む幼稚園で各1000人の受け入れ枠を増やすことを含む2010年から2017年度を計画期間とする「宇都宮市保育サービス向上ビジョン」を策定中です。そして、金沢市も待機児童0を続けています。自治体によって地域的な違いがあるとはいえ、年度を通して待機児童0をめざす姿勢に新宿も学ぶべきではないでしょうか。
区は2011年10月までに527人の枠が拡大されるとしていますが、そのことをもって待機児童が0になると見込んでいるのでしょうか、お答えください。緊急的な対応と計画的な対応の両面から認可保育園や分園の設置、保育ルームの拡充や家庭福祉員の増員計画などを策定すべきと思いますがいかがですか。
質問の第2は、区立戸山第三保育園を存続することです。
2012年4月には国立国際医療センター内に130名定員の私立認可保育園が設置される計画です。一方で区は、近隣の戸山第三保育園の廃園を決め、すでに2月20日には保護者説明会を開いています。区民の中からは「待機児童解消の展望も見えないのに廃園なのか」と驚きの声が上がっています。区はこれまでも私立保育園の誘致をしつつ、北山伏、薬王寺、新宿第一、下落合など区立保育園を廃園にしてきました。しかし、その廃園が待機児童解消対策の大きな障害になってきたことはこれまでの経験でも明らかで、この間の待機児童解消のために区の担当者がどれだけ苦労してきたかを考えても、戸山第三保育園の廃園は到底納得できるものではありません。
2月1日時点で戸山第三保育園は定員100人に対し96人が在園。つくし保育園は定員20人で待機児童が40人近くいることを考えれば、新園の定員130人では足りません。さらに、認証保育所ポピンズナーサリーでは1月1日現在定員60人に対し78人が在園、待機児童数は170名近くいると伺っています。客観的に見ても、新園を設置すれば戸山第三保育園は必要ないなどということは実証できないばかりか、潜在的な保育需要を考えるならば、戸山第三保育園の廃園計画は撤回すべきです。区長の見解をお示しください。
質問の第3は、保育園設置基準の緩和の問題です。
鳩山内閣のもとで都市部における待機児童解消のためと称して東京などの都市部に限って時限的に面積基準の緩和が行われようとしています。そもそも保育園の最低基準が制定されたのが戦後間もない1948年で、戦後の救貧対策という位置づけでしたが、今も面積基準は0から1歳児一人当たり3.3㎡以上、2歳児以上一人当たり1.98㎡と、当時のままになっています。全国社会福祉協議会は専門家らを集めた実証研究で2009年3月に食事と午睡の空間を分けるため2歳児未満は一人当たり4.11㎡以上、2歳児以上は2.43㎡以上必要であると提言しました。同時にアメリカ、イギリス、フランスなどとの国際比較でも最低レベルであると指摘しています。区の現状は0歳児は5.0㎡、1歳児が3.3㎡、2歳児から5歳児が1.98㎡であり、充分とは言えないまでも、東京都が基準を緩和してもこれまでの保育環境を守ってきました。
昨年12月11日に「赤ちゃんの急死を考える会」が1961年から2008年度までに保育施設で240件の死亡事故が起きたとの調査結果を厚労省に提出し、認可保育所の基準を緩和しないよう申し入れています。政府はこれを受けて調査を行ない、2004年4月から2009年11月までに保育施設で起きた乳幼児の死亡事故は49件あり、52人が死亡したと公表しました。基準の緩和は子どもの安全にとって大きな影響を与えると懸念されています。保育関係者も面積基準の緩和が待機児童解消につながるどころか、保育環境の悪化につながることを指摘し待機児童の解消のためには保育園建設などのための財源対策こそ求められていると述べています。
そこで区長にお伺いします。第1に、待機児童解消のためには安易な基準の緩和で定員を増やすことではなく、施設の改修や新設こそ必要ではないでしょうか。第2に、時限的措置といいながら財源対策を新たに打ち出さない政府に対しては、財源措置を求めるべきです。第3に、東京都に対しても区立保育園の建設・運営に補助を出すことを強く求めるべきと思いますがいかがでしょうか。お答えください。
(区長答弁)
保育園の待機児童対策等についてのお尋ねです。
まず、待機児童解消の見通しと計画についてです。ご指摘のように、平成22年度については、4月に(仮称)オルト保育園を開設するほか、認可保育園や子ども園の定員の拡充や弾力化による受け入れ枠の拡大を図っていきます。
初めに、平成22年4月1日の待機児童数がゼロになるかというお尋ねですが、平成22年1月15日現在のところ難しい状況にあると認識しています。
次に年度を通して待機児童ゼロを目指すべきではないかとのお尋ねです。自治体によって、保育需要などの条件は様々であり、地域の実情に応じた施策が講じられていると考えています。区は、平成23年度までの第一次実行計画期間中の計画事業についても、計画の修正や条件を進め、毎年度の受け入れ枠を増やしてきました。また、緊急対策として、待機児童の増加傾向を見据えた機動的な対応を図っています。いずれにしても4月1日の待機児童ゼロに向け、対策を推進していきたいと考えています。
次に、平成23年10月までの527名の受け入れ枠の拡大で待機児童がゼロになるのか、とのお尋ねです。
まず、待機児童数と受け入れ枠増の比較において、区では、平成15年度から平成19年度までの各年4月の待機児童数の合計217名に対して、受け入れ枠を2倍以上502名分拡大しました。平成20年4月の待機児童60名に対しては、信濃町保育園分煙の開設、認証保育所2所の新規開設などにより受け入れ枠を129名拡大しました。
この結果、平成21年7月に東京都がプレス発表した「保育所の状況等について」によれば、平成21年4月の就学前人口に対する保育サービス定員の割合は、23区平均で約31%のところ、新宿区は約40%とトップクラスになっております。さらに、平成21年度4月の待機児童70名に対しては、認可保育園4所の新規開設などで受け入れ枠254名の拡大となります。平成22年度から平成23年度までは、3つの私立認可保育園の建設、2つの区立認可保育園の増設などにより、ご指摘のように527名の受け入れ枠の拡大を計画しています。
しかしながら、昨今の厳しい経済状況や働き方の多様化が進む中で、保育園の利用希望者が急激に増加している状況から、待機児童ゼロを目指すには、さらなる対策が必要と考えています。
次に、緊急的な対応と計画的な対応の両面から認可保育園や分園の設置、保育園ルームの拡充や家庭福祉員の増員計画などを策定すべき、とのお尋ねです。
区では、平成21年2月に待機児童解消緊急対策部会を設置して以来、これまで6回開催し、待機児童の推移を見ながら、適宜、計画の変更及び緊急対策による受け入れ枠の拡大を打ち出してきました。今後についても、国立国債医療センター内への新たな私立認可保育園の誘致や既存認可保育園の受け入れ枠の拡大、認証保育所の増設等を図っていきます。また、今回、新たな公有地及び公共施設の活用として、西戸山第二中学校の統合後の跡施設に、私立認可保育園を誘致する案をお示ししているところです。
待機児童解消対策については、引き続き対策部会を開催し、緊急的な対応と計画的な対応の両面から、全力を尽くして推進してまいります。
次に、区立戸山第三保育園の存続についてのお尋ねです。
戸山地区のつくし保育園(都制度保育室)については、かねてより認可化の要望があり、その際には戸山地区の区立保育園の再編を考慮することを申し上げてきました。この度、国立国際医療センター内に新たな認可保育園設置が可能となり、その際の定員規模は賃借できる約1,000㎡から換算し、つくし保育園の20名及び区立保育園の100名規模と合わせた130名規模を妥当と考えました。病院敷地内の保育園となることから、病児・病後児保育室を設置するとともに、需要の高い専用室型一時保育を実施します。
その上で、戸山地区内の区立保育園、戸山第一、第二、第三の三園について、深淵からの距離、、平成15年度以降の各年4月及び年度末の待機児童数の発生状況、定員に占める入所状況の推移などを総合的に検討した結果、戸山第三保育園を廃園し、新園への移行を決定しました。既に保護者へは、最初の説明を行ったところですが、今後も保護者及び地域住民への十分な説明をしていきます。
なお、新宿区全体の待機児童解消対策については、地域ごとの待機児童の発生状況、保育園の設置状況を踏まえ、今後とも取り組んでまいります。
次に待機児童解消と面積基準の緩和についてのお尋ねです。
待機児童解消に向けては、基本的に、施設の改修や建設により定員の拡充を行っているところです。その際、面積基準については、国の最低基準を上回る区独自の基準として、園児1人あたり、0歳児が5.0㎡。1歳児が3.3㎡、2歳児から5歳児が1.98㎡で設定し、良好な保育環境に配慮しています。
しかしながら、保育園の入所を待つ児童の数も増加の一途をたどっており、面積基準の緩和が、一定程度、待機児童の解消に寄与できるものと考えています。今後、区として、良好な保育環境及び乳幼児の心身の発達への影響になどに十分配慮しながら、適切な面積基準について、検討が必要と考えています。
次に、国への財源措置の要望についてのお尋ねです。
都市部における、保育所施設整備のための用地確保及び賃貸物件による保育所設置に要する改修費は事業者にとって大きな負担です。これらに対する補助制度は、都市部の実態に照らし合わせても、決して十分なものでは無いと考えています。こうした現状に対し、特別区長会を通じて、用地確保に対する補助制度創設や賃貸物件の改修費等補助の拡充を要望していきたいと考えています。
次に、都に対する区立保育園の建設運営補助の要望についてのお尋ねです。
区立保育園の建設費は平成18年度から、三位一体改革により公立保育所施設整備交付金が一般財源化された時点で、都補助金は廃止されました。公立保育所運営費についても、平成16年度から一般財源化されています。
しかしながら、都は「少子化打破」緊急対策として、平成22年度から3年間、集中的に取り組むとしており、その中で活用できる補助については、積極的に活用していくとともに、機会を捉えて、必要な補助については、要望していきます。
(沢田議員)
次に、来年度の国民健康保険料と後期高齢者医療保険料について質問いたします。
質問の第1は、国民健康保険料についてです。
来年度の国保料は、均等割が39,900円で、前年比2,700円7.3%の値上げ、所得割も100分の103で9.6%値上げの案が示されています。これにより、平均保険料は93,105円となり6,223円7.2%も上がり、過去5年間で最大の上げ幅です。新設の2割減額によって下がる所得層がいるものの、均等割のみの方をはじめ大半の区民が値上げになります。勤労世帯の収入が減り、業者は廃業の瀬戸際に立たされている中での値上げは大打撃です。今回の値上げの最大の要因は、65才から75才未満の方の医療給付費負担の保険者間の不均衡を調整するとして2年前に創設された前期高齢者交付金が、当初の概算額を23区で196億円も下回り、多くの区で交付金を返還しなければならなくなったためです。
2008年に制度が変わった際、交付金の清算が2年後で、返還が必要になったら保険料が上がる可能性があるという説明は、議会にも区民にも何も知らされないで、今になってツケだけ回されるのは如何なものかと思います。制度変更の際、区も保険者として被保険者に説明する必要があったと思いますが、区長の認識を伺います。
区長会の資料では「新制度のため・・・・実績給付費の把握が困難だった」ので精算額が過大となったと述べられています。であれば給付費を正確に把握するための手だても講じないまま拙速に制度をスタートさせた国が責任をとるのが筋であり、国の無責任なやり方に区長としてきちんとモノを申すべきではないでしょうか。お答えください。
新宿区を含む4区は、2008年度の前期高齢者交付金の確定額が概算額を上回っており、その他の区とは事情がちがいます。新宿区では逆に一般財源ベースで2億4000万円負担が軽くなりますから、国保料をこんなに値上げする必要はないのです。さらには、来年度から国が低所得者対策を拡充したため、これまで法定減額10%上乗せして減額してきた区の独自措置の財政負担が軽減されます。これらを活用すれば財政負担をさほど増やすことなく国保料値上げを抑制することが可能です。23区は統一保険料方式を採ってはいますが、法令との矛盾が出る区は保険料所得割を独自に調整可能となっています。そもそも国保料は各区が条例で決めるわけですから、今述べたような事情を勘案して新宿区の来年度国保料は値上げしないようにすべきと思いますが、いかがでしょうか。
そして、2009年度交付金も概算額に比べて確定額が23区で156億円少ない見通しです。2011年度は今回のように国保料に転嫁するようなことはやめるべきと考えますが、区長のご所見を伺います。
ところで、特別区長会は1月15日の総会で、2011年度から保険料の賦課方式を現在の住民税方式から旧ただし書き方式に変更することを申し合わせています。これにより所得が低く扶養家族の多い世帯などの保険料値上げが心配されます。区によってはかなりの割合で値上げになるとの試算が出ていると聞きます。賦課方式の変更によって新宿区ではどれ位の方が値上げになるのでしょうか。また、保険料負担が増えることがないように対策を十分に講じるべきと考えますが、いかがでしょうか。賦課方式の変更によって影響を受ける加入者に対しては丁寧な説明が求められます。個々の世帯にどんな影響が及ぶのか、それに対して区はどのような対策をとるのか等、事前に情報を周知し、加入者・区民の意見聞きながらすすめる必要があると思いますが、いかがでしょうか。
質問の第2は、後期高齢者医療保険料についてです。
75才以上の高齢者の保険料は、均等割は据え置きですが、所得割が引き上げられ1人平均4,165円4.9%の値上げ案が1月29日の広域連合議会で承認されました。対象者の約半数にあたる均等割のみの方は影響はないものの、年金が年額約180万円を超える単身者などは保険料が上がることなります。
そもそもこの制度は国民の批判が集中し、昨年の総選挙で民主党は制度の廃止をマニフェストに掲げたのに、4年後まで先送りしたことは公約違反です。その上、長妻厚労大臣が保険料上昇の抑制措置を概算要求に盛り込んだと国会答弁しておきながら、昨年末には一人当り給付費を5%までなら値上げしていいと通知するのは、二重の約束違反です。区長はこうした政府の態度についてどのようにお考えですか。お聞かせください。
ところで、東京都広域連合の2008年度決算では、予算の98%以上を占める保険給付費が、当初予算に対して執行率は90%でした。2009年度の6ヶ月間の給付費も当初予算比39.4%の執行率で、このままいけば当初予算比80%程度の執行率に止まる可能性もあります。現時点での2009年度決算の見通しをお聞かせください。
保険料は当初予算で設定され、執行率が低くても2年間は変わらず、余剰分は基金に積まれます。公費負担部分は国や自治体に返されますが、それぞれの医療保険加入者のもとには戻りません。基金に積んでおき2年後の保険料改定の時に活用するとはいえ、保険料の取りすぎは避けるべきだと思います。東京都広域連合は第2期の1人当り給付費を3.1%増加と見込んで保険料を算出しています。2008年度の1人当たり給付費は対前年比マイナス1.49%と聞いておりますが、どのように分析された結果なのでしょうか。保険給付費が伸びないというのは受診抑制の可能性もあり、単純に良いこととは言えません。だからといって過大な見積もりで保険料を上げるべきではありません。区長はこの点についてどのようにお考えかお伺いいたします。
(区長答弁)
来年度の国民保険料と後期高齢者医療保険制度についてのご質問です。
始めに、国民健康保険料における前期高齢者交付金の影響に関するお尋ねです。
平成20年度は、制度創設初年度であるため、交付金の算出根拠となる前期高齢者の給付実績に代り、過去の医療給付費実績から推計した額を基に、前期高齢者交付金が概算交付されました。また、この交付金のほか、例年「後期高齢者支援金」や「療養給付費等負担金」なども精算され、その額は保険料に反映されることになるので、区長会では、前期高齢者交付金の精算額については賦課総額に反映される額の半額を一般会計から繰入れし保険料の上昇を緩和する措置を講じました。
お尋ねの被保険者への説明につきましては、制度開始時に精算額を含めた説明をすることは困難でしたが、来年度に向け、既に 特別区町会ホームページでお知らせしているほか、必要に応じて説明してまいります。また、国に対して2月12日に今後精算額が保険料に転嫁されない措置を講ずるよう要望書を提出しており、東京都に対しても区長会を通じて同様の要望をしてまいります。
次に、新宿区の来年度の保険料を値上げしないようにすべきとのお尋ねです。
平成22年度の新宿区国民健康保険特別会計当初予算では、前期高齢者交付金の精算などにより、一般会計からの繰入額が、約2億4000万円圧縮されることになります。
また、これまで賦課総額における均等割の比率が45%から55%の保険者が適用できることとなります。これにより、現行制度上6割、4割としている軽減割合に、特別区が独自に1割を上乗せしている措置が必要ではなくなるので、区の財政負担も軽減されることはご指摘の通りです。
しかし、これらの財政負担の軽減がなされても、新宿区では、平成22年度では、やく48億円に及ぶ大幅な一般会計からの繰入額があることや、国民健康保険の広域化への対応を踏まえると、今後も特別区統一保険料を値上げしないようにするのは困難と考えています。
次に、平成23年度保険料における前期高齢者交付金精算額の影響についてのお尋ねです。
平成21年度に概算交付された前期高齢者は平成23年度に清算されることになります。その額については今後精査されてまいりますが、保険料を算定する際には、被保険者や区財政への影響を十分勘案してまいりたいと考えています。
次に、賦課方式の変更についてのお尋ねです。
国民健康保険料について、住民税額に賦課する現行方式は、計算しやすくわかりやすいという利点がある一方で、住民税が課税されている世帯のみで保険料の所得割を負担する偏在が生じ、また、税制改正の影響を受けにくいことから全国のほとんどの自治体で採用されています。特別区では、国民健康保険の保険者の広域化や、今後予定されている税制改正の動向等を踏まえた検討を行い、平成23年度の子億民保険料から賦課方式を変更する申し合わせを行ったものです。賦課方式により、どのくらいの方に影響するかにつきましては、現時点では推計ができておりません。今後、平成23年度の保険料率等を試算していく段階で、賦課方式の変更により保険料負担が増加することが予想される階層の方について、2年間の減額措置を講じていく予定でございます。
区民の皆様の意見につきましては、詳細がお示しできる段階で、国民健康保険運営委員会のご意見を参考にしてまいります。
次に、後期高齢者医療保険料の政府の態度についてのお尋ねです。増え続ける医療費を国民全体で納得して負担できる仕組みとして新たな制度が発足するまで現行制度を続けるべきと考えます。例えば、即時に現行制度を廃止して老人医療制度に戻してから新制度に移行すれば、余計な経費と度重なる制度改正で、被保険者に不安や混乱を招く恐れがあります。また平成22年度からの保険料所得割については、広域連合が、国からの通知を受けて、財政安定化基金を使い保険料の値上がり巾を抑制したので、一定の評価をしています。
次に、平成21年度の広域連合決算見通しについては、上半期の財政状況が示されただけで、決算見通しの説明は受けていませんが、1月29日に開かれた広域連合会議では、保険給付費を9,290億円から8,832億円の減額補正を議決しています。
次に、一人当り給付費の伸びについての分析は、平成20年度医療費の伸びが対前年度と比べ、マイナス1.49%となっていますが、直近の単年度で比較することは適当ではないので、老人医療制度を含めた過去5年間の伸び率3.1%が採用されたものです。
次に、保険給付費を過大に見積もることで保険料を上げるべきでないとのご意見ですが、保険財政を運営する上で、保険給付費を正確に見積もることは適正な保険料を決定する大事な要素です。広域連合で算定した今回の保険料は、これまでの給付実績から積算された適正な保険料率であると考えています。
(沢田議員)
次に、牛込地区学校適正配置と学校選択制の見直し・少人数学級について区長と教育委員会に質問いたします。
質問の第1は、牛込地区学校適正配置、とりわけ江戸川小学校と津久戸小学校の統廃合問題についてです。
これまでの学校適正配置では、統合協議会を立ち上げる際、対象校のPTAが「統合やむなし」の「合意」をしていることが前提条件でした。ところが、江戸川小と津久戸小の統廃合問題で昨年11月になって突然、これまでのやり方では暗礁に乗り上げてしまった教育委員会は、自らのルールを変更しPTAの合意なしに統合協議会を設置する方針を決定しました。
昨年12月4日の新宿区教育委員会では、PTAの合意を得ないで設置するのだから「統合ありきではない統合協議会」であるということが確認されましたが、昨年末に行われた学校ごとの説明会で教育委員会事務局は、「統合ありきではない」とは「統合時期ありきではない」ということだと解釈をすり替えた説明をしました。それに対して今年1月18日に行われた地域説明会では、PTAの方からも「教育委員会はなぜ嘘をついて、だますようなことをしてまで統廃合をしなければならないのか。」という厳しい意見が出され、またある町会長さんからは「教育委員会主導で統合協議会を設置することに反対する陳情署名が、わずか1週間で3000名集められ区議会に出されたことを教育委員会は重く受け止めるべきだ。」と発言したのに対し、教育委員会事務局は「陳情の内容が教育委員会の考えと違う部分があるので」重く受け止めることはできないという主旨の答弁をしました。教育委員会の意に沿う意見は重く受け止めるが、そうでない意見は重く受け止めない、ここに今の教育委員会の姿勢が現れていると、参加者から怒りの声が寄せられました。
今月5日に開かれた教育委員会では、事務局が示した統合協議会設置要綱について委員から、協議会委員の人選は「資格要件を拡大して色んな意見が反映出来るように」との意見が出ましたが、事務局はそれには正面からこたえず、昨日は、統合協議会の設置に向けた意見交換会を非公開で行っているのです。
こうした経過を見ても、今回の教育委員会事務局のやり方は、学校関係者や地域のみなさんの不信を買い、教育委員会だけでなく区政そのものが大きく信頼を失ってしまったのではないでしょうか。区長は区政の基本方針で「牛込地区の学校適正配置については、学校関係者や地域の意見を聞きながら進めてまいります。」と述べられました。この間、区長のところにも学校関係者や地域のみなさんから、今の教育委員会のやり方は納得がいかないという声が寄せられていると思いますが、区長はこの間の経過についてどのように思われますか。今の教育委員会の姿勢が区民に信頼をえられる誠意あるやり方だと思われますか。「地域主権」や「好感度一番の区役所」を標榜される区長としては、教育委員会の強引なやり方にストップをかけて白紙に戻すことこそが、今、教育委員会が失った信頼を取り戻す道だと思いますが、区長はいかがお考えでしょうか。見解をお示しください。
そして、教育委員会は、PTAの合意のない統合協議会設置をやめ、牛込地区適正配置計画については白紙に戻すべきと考えますがいかがでしょうか。お答えください。
質問の第2は、学校選択制の見直し・少人数学級についてです。
学校選択制は導入されて7回目の選択が行われました。PTAをはじめ多くの関係者から見直しの要望が出され、私共も繰り返しその検証と廃止を含めた見直しを求めてきました。教育委員会がようやく検証すると表明したのが1年前でしたが、今年度は23区の学校選択制を導入している区のみを対象に検証方法のアンケートを実施したくらいで、区民から見れば何一つ具体化せず学校選択制を続けながら、一方で統廃合を強引に迫るというやり方に不満が広がっています。教育委員会は来年度予算で、教職員や町会・青少年育成会など5000人規模でのアンケートを実施するとしていますが、教育委員会が一方的にアンケートの分析をして方針を決めるのではなく、教育ビジョンの説明会でも要望があったように、学校選択制をテーマの一つとした教育懇談会を開催するなどして幅広い区民の意見を聞く場を設けるべきと考えますがいかがでしょうか。
教育委員会は、学校間の児童生徒数の格差について、「もともと、その学校の通学区域の在り方によって児童・生徒数の隔たりが生じる」と答弁してきました。学校間格差を解消するためには学校選択制を廃止すると同時に、通学区域の見直しを求める声も一方ではあります。地域とのつながりや歴史があることは理解していますが、通学区域の問題についてもアンケートや教育懇談会で区民の幅広い意見を聞きながら、学校選択制とあわせて見直しを検討すべきと考えますがいかがでしょうか。
江戸川小と津久戸小の統廃合問題で教育委員会は、とりわけ江戸川小の小規模化を問題視しています。しかし、その論拠はいわゆる「平成4年答申」の「小規模校は、活気に満ちた雰囲気に欠け、集団の相互作用による思考力の育成や、学習や運動に於いて学び合うたくましさが不十分になりがちな傾向がある。集団で行う体育活動、劇、合唱、合奏などで支障をきたしやすい」などという指摘ですが、去る1月23日、江戸川小で行われた算数の研究発表と授業参観、児童の吹奏楽の演奏を見ても、答申の懸念は現場の実践が見事に払拭しているのではないでしょうか。
2月5日の教育委員会でも委員が触れられましたが、「平成4年答申」は40人学級という”壁”を前提としており、今、流れは少人数学級です。昨年12月に都教育委員会が打ち出した「小1問題・中1ギャップの解決」のための教員加配の新しい方針は、学級編成基準は変えないというものの、明らかに全国の流れや教育関係者からの要求に突き動かされたものであり、今こそ区教育委員会が少人数学級の実現に向けて行動すべきです。区教育委員会はこれまで、少人数学級の実施を都に求めることはせず、あくまで人事権の委譲を求め加配教員も学級担任を可能にするのだと言って来ました。しかし、今ある加配教員の制度も新宿はフルに活用していないことからも、加配の活用では限界があることを示しています。都教委は都立高校の定時制は30人学級、商業・工業などは35人学級を実施しており、高校では少人数学級が必要で小中学校では必要ないなどとは言えないはずです。しかも、政権交代の実現で全国学力テストが大幅な規模縮小となったように、教育分野も大きな変化が始まっており、40人学級に固執する石原知事の任期もあと1年余です。区教育委員会もここで頭を切り換えていただき、いよいよ都に少人数学級の実現を迫るべきではないでしょうか。お答えください。
学校選択制を廃止すると同時に、低学年から順次30人学級を導入していけば、学校間格差もおのずと解決に向かい、子どもたちにより良い教育環境を作ることができると考えますがいかがでしょうか。教育委員会の答弁を求めます。
(区長答弁)
牛込地区学校適正配置についてのお尋ねです。
私は、子どもたちの学習や生活の場としてふさわしい学校づくりを行うためにも、教育委員会と学校関係者や地域の皆様が力を合わせ、統合協議会などで十分議論して、皆様のご理解を得ながら、丁寧に進めてほしいと考えています。
(教育委員会答弁)
教育委員会へのご質問にお答えします。
牛込地区学校適正配置に取り組むにあたり、新たな試みとして「牛込地区学校適正配置に関する懇談会」を開催し、まとめられた意見を参考にしながら進めてまいりました。
昨年度は、江戸川小学校が統合やむなし、津久戸小学校は統合に反対という結論が出されるとともに、PTAに負担がかかっているとのご指摘もあり、今年度は教育委員会が主催の説明会を重ねてまいりました。しかし江戸川小学校の来年度入学予定者数の減少傾向が止まらないことや、不確かな情報による地域の混乱を避けるため、11月に統合協議会設置のお願いを津久戸小学校の保護者にお知らせして意見集約を行ったうえで、12月の教育委員会において、統合協議会を決定したものです。
ただし、これまでの統合協議会とは異なり、両校保護者の合意がない中での設置となりますので、初めに適正配置の必要性について統合協議会の中で共通理解を図ったうえで進めたいと考えています。また、統合協議会で協議された内容を正確な情報として、保護者や地域の方に伝えてまいります。
次に、陳情の受け止め方についてですが、津久戸小学校で実施した説明会では、江戸川小学校を津久戸小学校に吸収合併すべきという意見が何度も出され、有志の会から出された陳情書では、「両校並行以外の方法があるにも関わらず両校を閉校し」と書かれています。しかし教育委員会ではどこの学校の子どもたちも平等であるとの考えを基本に、協議を進めてまいります。
統合協議会の人選に関して、教育委員会で資格要件を拡大して様々な意見が反映できるようにとの意見がありましたので、統合協議会構成員に保育園代表を加えるほか、構成員以外の意見を述べられるような場を設けることも検討してまいります。
教育委員会としましては、よりよい教育環境の実現を目指して、統合協議会で十分にご意見を伺いながら、共通理解を持っていただけるよう、意を尽くしてまいります。
次に、学校選択制度の検証についてのお尋ねです。
学校選択制度については「あったほうがよい」「どちらといえばあったほうがよい」と回答した方が83%おり、当事者である保護者からは、高い支持を得ていると考えています。
しかし、制度導入から一定期間が経過し、また、学校の規模や地域コミュニティに影響を与えているのではないかという声もあることから、教育懇談会等の開催は考えておりませんが、従来の対象者に拡大したアンケート調査を実施し、様々な声を聞くことにより、制度が果たしてきた役割や、制度実施後に見えてきた課題などを検証してまいります。
次に、通学区域の見通しについてのお尋ねです。
通学区域は、地域とのつながりや歴史的経緯のもと、昭和28年に制定され、その後、学校の変遷に合わせて若干の変更を行いながら、現在の形になっていることから、にわかに見直すことは困難と考えています。
しかし再開発等による通学区域内児童生徒数の変動や、道路拡幅幅等により通学区域内の状況に変化があることも認識しており、まずはそれらの実態把握に努めてまいります。
次に、少人数学級実現に向けた都への要望についてです。
教育委員会では、これまで東京都の40人という学級編成基準のもとで、現状のさまざまな課題に対応していくために、加配教員の活用による学級編成や教職員の弾力的な運用について東京都に要望してきました。
今回の「小一問題」「中一ギャップ」に関する教員加配の制度は、学級規模の縮小、ティームティーチング、少人数指導等、学校の実情に応じて活用できる制度であると評価しています。しかしながら、この制度は、活用できる学年に制限があるため、今後も引き続き、学級編成や教職員の弾力的な運営について、要望してまいります。
子どもたちへのよりよい教育環境づくりについて教育委員会としては、新宿区教育ビジョンの施策推進をとおして、実現してまいります。
以上で答弁を終わります。


