2010年第2回定例会 雨宮武彦議員の代表質問(質問・答弁要旨)

  日本共産党区議会議員団の雨宮たけひこです。私は2010年第2回定例会に当たり、日本共産党区議団を代表して区長と教育委員会に質問いたします。


 最初に、区長の政治姿勢についてうかがいます。
 6月2日、鳩山前首相が辞任を表明しました。アメリカ海兵隊普天間基地は「国外、最低でも県外」への移設を明言して政権交代を訴えたのに、公約をふみにじって名護市・辺野古への「移設」をアメリカと合意したことが沖縄県民・国民から強い批判を浴び、社民党の政権離脱も招き辞任に追い込まれました。日米合意の後の世論調査では、内閣支持率は20%を割り込み、公約違反を批判し辞任を求める声は6~7割に達しており、辞任は当然です。しかし、首相が辞任しても日米合意が破棄されるわけではありません。新首相は、公約を守り、県民・国民の声に耳を傾け、改めて普天間の国外・県外移設をアメリカに迫るべきです。
 もう一つ、鳩山前首相が辞任の理由で上げたのが政治とカネの問題で、自らの巨額の政治資金疑惑、小沢一郎幹事長の陸山会疑惑、小林千代美議員の北海道教組のヤミ献金事件でした。これまた当事者が辞めてすむ問題ではありません。臭いものに蓋をして真相を闇に葬るのでは教訓も明らかにならずクリーンな政治にすることはできません。
 区長は、今回の辞任や首相交代についてどのようにお考えかお聞かせ下さい。
 鳩山内閣と民主党は、普天間だけでなく後期高齢者医療廃止をはじめ数々の公約違反を重ね国民の支持を失いました。中山区長は、「50の施策」などを示し4年前の選挙で当選されましたが、区長にとってこのマニュフェストはどのようなものでしょうか。守らなくても破っても良心が痛まない、そんな軽いものでないと思いますが、どうでしょうか。

(区長答弁)

 雨宮議員のご質問にお答えいたします。
 はじめに、今回の首相の辞任、交代についてのお尋ねです。
 短期間で首相が交代することになりましたが、新たな体制ののもと、財政と社会保障の基盤の立て直しや経済状況への的確な対応などにより、国民生活の安定を図るとともに、地域主権の現実に取り組んでほしいと思っています。

 次に、私にとってマニュフェストはどのようなものかとのお尋ねです。
 マニュフェストは、立候補者が当選後に実行する政策を約束するものであり、大変重みのあるものです。そのため、マニュフェストの内容どおりに実施できない場合は、説明責任を果たすべきであると考えています。
 私のマニュフェストでは、2つの都市像や3つの区政運営の基本姿勢に加え、新宿のまちを創るための5つの視点、12の基本政策及び50
の政策を掲げ、施策ごとに達成時期を示しています。マニュフェストで示した施策は、基本的には第一次実行計画に盛り込み、計画的に実施しますが、社会情勢の変化や関係機関との調整等により事業内容や実施時期を変更する場合があります。その場合は、計画のローリングを行い、公表しているところです。

 

次に、区民の安全と平和施策について質問します。
 私は、NPT(核不拡散条約)再検討会議で実り成果が得られるように働きかけるため、4月30日から5月6日まで国際共同行動・ニューヨーク行動に参加してきました。渡米に先立ち中山区長にも「核兵器のない世界を」求める国際署名にサインしていただきましたが、これには全国の過半数を超える自治体首長などが署名されました。1万人を超す各国の平和・反核活動家やニューヨーク市民がデモンストレーションをした後、集まった690万1037人分の署名を、カバクチュラン・NPT会議議長とセルジオ・ドォアルテ国連上級代表に渡しました。
 NPT再検討会議は、一時は合意ができないのではという厳しい局面がありましたが、最終日の5月28日、核軍縮・核不拡散・核廃絶への具体的措置を含む、64項目の行動計画を盛り込んだ最終文書を全会一致で採択し閉会しました。NPT再検討会議は、2000年には「核保有国による核廃絶への明確な約束」を盛り込んだ最終文書を採択し大きな前進を見せましたが、2005年は意見が対立して後退しました。今回の最終文書の「行動計画」に、2000年の再検討会議で確認された「核兵器の完全廃絶を実現するという核兵器国の明確な約束を再確認する」と明記されたことは「核兵器のない世界」に向けて大きな前進となりました。とりわけ核兵器保有国に対して、核兵器廃絶への「いっそうの取り組み」「具体的な進展」を求めていることは、重要な前進であると受け止めています。様々な紆余曲折はあっても大局的には世界は核兵器廃絶の方向で前進しており、私たちの行動もこの前進に手を添え後押しできたのではないかと確信しています。。
 区長の署名に改めて感謝申し上げつつ、今年のNPT再検討会議の最終合意文書について、区長がどのように受け止め、評価しているのかうかがいします。
 国連事務総長も演説したように、国内の草の根の運動が核兵器廃絶・戦争のない平和な世界を実現する力となります。新宿区政もその一翼を担っていくことが大切です。区はこの間、区長が平和市長会議に参加し、平和マップを作成するなど施策を前進させてきました。さらに「新宿区平和条例」を制定し、例えば平和マップの小学生版を作成して子どもたちが戦跡にふれ戦争の追体験が出来るようにするなど、系統的・持続的に取組を発展させるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
 また、ヒロシマ・ナガサキの被爆体験を区内の子どもたちに語り継ぐことも大事です。ニューヨークでも被爆者の語り部が直接体験を話し大きな感動を呼びました。国連本部では被爆写真が展示され衝撃を与えました。今年3月の四谷区民ホールでの被爆者の体験を聞きましたが、被爆した家族の到着を疎開先のバス停で待つ男の子の姿が今も私の心に焼き付いています。被爆者は高齢に達し、直接お話を聞のは今しかありません。区内の被爆者団体・親和会の強力も得て、学校教育の中で被爆の体験を語り継いでいくことを積極的に位置づけるとともに、今のうちにCDやDVDに被爆者の話を収録し、図書館の平和ライブラリーを充実することにもぜひ取り組んでいただきたいと思いますが、いかがですか。
 そして、戦争の悲惨な体験では、空襲の被害や疎開の辛い経験等を語っていただくことも忘れてはなりません。敗戦の年の3月10日は下町が焼き尽くされた東京大空襲がありましたが、新宿では4月13日や5月24日、25日の空襲でたくさんの住民が亡くなりました。平和都市宣言20周年記念誌で生々しい絵とともに体験が述べられています。小学生・中学生がこの戦争体験を聞き、平和について考えることも今ならできます。また、これも平和ライブラリーに加え後世に伝えていくべきだと思いますが、いかがでしょうか。
 ところで、平和という点で看過できないのは、4月25日から26日にかけて新宿御苑でPAC3の機動展開訓練が行われたことです。私たちは、国会内で防衛省からヒアリングを受け、区長にも申し入れしましたが、区民の平和と安全を守る立場から、改めて以下3点について質問いたします。
 第1は、使用すれば区民に被害が及ぶおそれがあるPAC3の配備を中止し、配備済みのものは撤去するよう政府に要望すること。第2は、新宿御苑や市ヶ谷の防衛省敷地内はじめ、新宿区内でのPAC3の訓練は今後いかなる名目であろうと一切実施しないように防衛省に申し入れること。第3は、仮に今後区内で訓練等を実施する旨の連絡が防衛省からあった場合、事前に議会や区民に公表し、新宿区として抗議すること。以上の3点について、区長の回答を求めます。

(区長答弁)

 今年のNPT再検討会議の最終合意文書について、どのように受け止め、評価しているのかのお尋ねです。
 NPT再検討会議で、核軍縮・核拡散防止・原子力平和利用の分野において具体的行動計画を含む最終文書が全会一致で採択されてことは、核兵器廃絶に向けて一定の成果があったと考えております。
 広島や長崎の悲劇が二度と繰り返されないよう、今後とも核保有国と加盟各国政府は、核兵器廃絶に向けて努力を続けていく必要があります。
 次に、新宿区平和条例を制定し、系統的・持続的に取り組みを発展させるべきとのお尋ねです。
 区は、昭和61年、世界の恒久的平和を希求して平和都市宣言を行い、以来、平和啓発事業を積極的に推進しています。既に宣言により、新宿区の平和に対する意思を表明していますので、さらに条例を制定する考えはありませんが、今後ともより多くの区民、特に次代を担う若い人達に、戦争の悲惨さと平和の大切さを伝えるため、作成した平和マップを活用するなど、引き続き、平和施策の充実に力を入れてまいります。

 新宿御苑で行われたPAC3の機動展開訓練についてのお尋ねです。
今回の訓練は、防衛省から、新宿御苑に展開訓練の機材を配置する、防衛省設置法に基づく教育訓練であるとの説明を受けました。お尋ねのPAC3の配備中止や撤去などについての要望、申し入れは考えていませんが、訓練の実施に当たっては、区民の安全に配慮してほしい旨、強く申し入れました。
 なお、区民への公表については、防衛省が新宿御苑周辺の混乱を招くおそれがあることから一般公表を差し控えていること、また、東京都も防衛省の意向にならっていることから、区としても差し控えたもので、国において説明責任が果たされるべきものと考えています。

(教育委員会答弁)

 教育委員会へのご質問にお答えします。
 被爆体験や新宿区の東京台空襲を語り継ぐ取り組み等についてのお尋ねです。
 戦争を知らない世代である子ども達に、戦争の悲惨さと平和の素晴らしさを知らせる機会を与えることは大切です。とりわけ広島・長崎の被爆体験を語り継ぐことは、日本が世界で唯一の被爆国であることから、大変意義があります。
 現在、区内には、「平和学習」として地域の方を招き、戦争体験等の話を伺う機会を設け、それを踏まえ、修学旅行では広島の平和記念資料館を訪れ、展示とともに直接被爆体験の話を聞いてきた中学校もあります。この取り組みで生徒からは、「平和への思いをつよく抱いた。」との感想が多く寄せられたと聞いております。
 また、新宿区でもかつては空襲があったという事実を知ることで、子ども達は戦争の悲惨さより具体的にとらえることができるようになります。
 学校では、社会科や道徳の時間、総合的な学習の時間などにおいて、中学校社会科副読本の中の「新宿区戦災焼失区域図」や「太平洋戦争と新宿の年表」などを活用し、戦争体験者の話を聞くなどと併せて新宿区の東京大空襲について学習しております。
 今年3月に配布された「新宿平和マップ」も活用してまいります。
 今後とも引き続き、さまざまな教育活動の中で子ども達に平和の大切さを考えさせる教育を一層進めて参りたいと考えております。
 また、新宿区立図書館では、平和に対する意識を一層高めるために、毎年、終戦記念日をはさんだ一ヶ月間、平和関連の図書館資料を展示するなどの平和啓発事業を実施しております。そのために、平和に関するDCD.DVD,ビデオなどの資料を積極的に収集しております。
 被爆者の体験に基づく資料としては、吉永小百合さんの朗読による「第二楽章~長崎~」のCDや「祈るように語り続けたい/広島編/長崎編」のビデオを所蔵しております。
 また、区内の戦争体験に基づく資料としては、平和宣言都市宣言20周年記念に区が制作した「語り継ぐ平和への願い~新宿区の戦争体験~」のDVDとビデオを所蔵しているところです。
 今後も、平和に関する資料を積極的に収集し、平和啓発事業を充実させてまいりたいと考えています。

 

 次に、子育て支援について質問します。
 はじめに、次世代育成支援計画についてです。
 新宿区は今年、第2期次世代育成支援計画を策定しました。「子育てしやすいまち」の実現を目標に取り組んで来た結果、「子育てしやすい」と思う人の割合が5年間で大幅に増えました。中3までの医療費無料化、児童手当の年齢引き上げ等、この間の区の施策が区民に評価された結果だと思います。引き続き2014年度の目標である「子育てしやすい」と思う人の割合45%をめざして、総合的な子育て支援をさらに推進していくことが必要です。区長はどのようにして目標を達成しようとお考えなのか、その決意も含めてお聞かせください。
 さて、昨年の新宿区次世代育成支援調査では、「子どもを育てやすい社会に必要なこと」の問いに対し、「経済的援助」が1位となりました。しかし、計画では、「国、東京都との役割分担、子育て支援に関する基盤整備とのバランス等を考慮しつつ、財源の確保に努めながら充実を図る」という取り組みの方向性は書かれているものの、具体的には既存事業の拡充や新規事業の計画はなく、どのように「充実を図る」のか疑問です。実際、国が子ども手当や高校授業料無料化を実施しましたが、区としては子育ての経済的支援をどう充実していくのでしょうか。お答えください。
 第2の質問は、子ども手当と財源の活用についてです。
 子ども手当の支給が今月から始まりました。喜びの声がある一方、疑問や異論も出されています。全国の首長からも「子ども手当の財源の一部を地方の裁量に任せてほしい」「給食費の滞納分を子ども手当から天引きできるようにしてほしい、いずれは給食費を無償にして子ども手当の一部をその財源に当てるべき」等の意見が出されています。区長は、子ども手当を巡る議論についてどのように思われますか。
  日本共産党は、全国の待機児童10万人分の保育所建設は1400億円あればできると試算していますが、喫緊の課題である保育園の待機児解消のために子ども手当の財源の一部を使うべきと考えます。待機児ゼロ作戦に取り組む新宿区長として、こうした要望を国に対して行うべきではないでしょうか。
 第3の質問は、小中学校の教材費や給食費を無料にすることについてです。
 憲法は26条で「義務教育は無償」としています。授業料だけでなく、教材費や修学旅行費、給食費など教育活動に必要な費用は無償であるべきです。
 北海道三笠市は2006年度から小学校の給食費を少子化対策の一環として無料にしています。担当者に伺ったところ、「子育て世帯に平等に行き渡る施策と考え、始めました。子育て家庭からは好評で、是非継続してほしいという声を聞いています。」とのことでした。また、山口県和木町も給食を始めた数十年前から幼稚園と小中学校の給食費を無料にしています。
 義務教育の完全無償化は本来国の責任であり、教材費・給食費の無料化を政府に求めるべきです。そして、国が実施に踏み出すまでの間、区として現在行っている給食費の一部助成を増額をすべきと考えますがいかがでしょうか。
 第4の質問は、認可外保育施設のなかでもいわゆるベビーホテル利用者への保育料助成についてです。
 昨年の第2回定例会の代表質問でもこの問題を取り上げましたが、区長は、「助成の基準をつくることは困難だが、今後実態把握には十分努める」と答弁されましたが、今もって実態把握の報告は聞いていません。早急に実態を把握するとともに、区民・保護者の要望にこたえていただきたいと思いますがいかがでしょうか。
 6月1日現在の待機児童数113人の内、いわゆるベビーホテルの利用者は8人で、昨年同時期に比べ(増減)しています。認証保育所や保育室、家庭福祉員と同様に認可保育園を補完する役割をベビーホテルも担っていることは明らかです。しかし、認証保育所・保育室・家庭福祉員の利用者には保育料の助成制度がありますが、ベビーホテル利用者にはありません。区内の施設事業者に伺ったところ、「認可、認証、保育室、どこにも入れず、ベビーホテルが『最後の砦』といって来る人が増えている。保育料を安くしたいが、施設の経営も苦しい。保育料を聞いたら預けることをあきらめる人もいるので、施設への補助も頂きたいが、利用者だけでも保育料を補助してほしい。」というお話でした。
 浦安市は、県に届出をした認可外保育施設のうち市が定める基準を満たした施設を『簡易保育所』や『認証保育所』と定め、設置者への運営費補助と、利用者への保育料補助を行っています。利用者への保育料補助は待機児童対策であり、保育に欠けるなどの認可保育園の入所条件と同様の条件が必要です。
 私は、待機児童が解消するまでの緊急措置的施策として、紹介した自治体の例なども参考に、区で一定の基準を設け、認可保育園に入れずやむなくベビーホテルに預けている方に対し、保育料の助成を検討すべきと考えますがいかがでしょうか。

(区長答弁)

 次世代育成支援計画における目標をどのように達成しようとしているのかとのお尋ねです。
 ご指摘のように、この計画では「子育てしやすいと思う人の割合」を平成26年度には46
%にまで引き上げたいと考えています。
 そのためには、区の喫緊の課題である保育園待機児童の解消をはじめ、就学前教育の充実、乳幼児親子や就学児の居場所づくり、相談しやすい環境の整備、子育てバリアフリーの推進など、すべての子どもと子育て家庭への支援の充実を図り、子育てや子どもの育ちを支える地域や社会環境の整備を推進してまいります。
 また、今回の計画では、新たなビジョンとして「ワーク・ライフ・バランスが現実するまち」を掲げ、性別や年齢に関わらず、誰もが自分らしい生き方を選択でき、仕事と子育て・地域活動等とのバランスが図れる社会づくりを重要な課題としました。
 こうしたワーク・ライフ・バランスの視点も持ちながら、妊娠期から青年期までのライフステージを見通した、総合的な次世代育成支援施策を推進することにより、目標を達成したいと考えています。
 今まで以上に、新宿区が「子育てしやすいまち」になるよう、子育て中の方だけでなく、未来を築いていく誰もが安心して子どもを生み育てられる社会を目指してまいります。

 次に、子育ての経済的支援についてのお尋ねです。
 子育て世帯への金銭的給付など、社会全体で子育ての費用を負担する仕組みづくりは、第一義的には国の責務であると考えています。
 しかし、各種の調査を通じて、子育てに伴う経済的負担感の緩和は区としても取り組まなければならない課題であると認識し、国手当を上回る中学生までの児童手当の支給や子ども医療費助成、私立幼稚園や認証保育所等の保育料の負担軽減などを、これまでに実施してきました。
 こうした経済的支援の他にも、保育園の待機児童解消や学校教育の充実など、さらに取り組むべき分野は数多くあります。
 子育て支援の施策を総合的に、着実に実行していくための子育ての基盤整備こそが各自治体の責務であると考えています。
 従いまして、子育て世代の経済的負担感の緩和については、次世代育成支援計画でお示ししたとおり、子育ての基盤整備、環境整備とのバランス等を考慮し、財源の確保に努めながら充実を図っていきます。
 そのための国や東京都への協議、要望は適宜行って行きます。

 次に、子ども手当と財源の活用についてのお尋ねのうち、子ども手当を巡る議論についてです。
 近年、我が国における少子化の進展は、社会保障や経済産業に深刻な影響を与え、国の健全な存続に関わる重大な問題となっています。
 このような中、国は次代の社会を担う子どもの健やか育ちを社会全体で支えていくという理念の下に子ども手当を創設しました。
 しかし、この制度は平成22年度限りの暫定処置として子ども手当と児童手当との併給方式を採り、児童手当の地方負担を継続して求めている点や、所管する厚生労働省から地方に対して一切の協議・説明がなかったことなどが問題であったと認識しています。
 こんご、国は、児童手当制度においても議論があった海外別居監護者への手当支給の問題や子ども手当制度における国と地方の財源負担や所得制限の問題等について、制度の実施主体である地方自治体の意見を十分に取り入れたバランスの良い制度設計を行うべきと考えます。
 次に、子ども手当の財源の一部を保育園の待機児童解消のために当てるよう国に要望すべきとのお尋ねです。
 国からは、来年度の子ども手当の仕組み作りに当たっては、自治体の意見も取り入れながら作っていくと聞いております。
 そこで、経済的給付と、保育事業の充実等の環境整備の双方に配慮した子育て支援策を構築し、その際には、自治体の自主的な財源活用が可能となるよう、国に対し、意見具申をするとともに、様々な機会を捉えて要望も行ってまいります。

 次に、ベビーホテルの実態把握についてのお尋ねです。
ベビーホテルについては、指導監督権限をもつ東京都が、年1回以上立入調査を実施しており、区も同行しています。調査結果についても、都ホームページで広く公開しています。 平成22年4月、保育課に運営指導係を新設し、ベビーホテルなどの認可外保育施設の実態把握についても、迅速に対応できる体制を整えました。
 5月にベビーホテルについての投書があり、都へ連絡し、翌日に都と区で立入調査を行い、投書内容の事実確認を行いました。
 今後も、ベビーホテルを含む認可外保育施設の保育の実態や保育環境、施設状況の実態把握に努めていきます。
 また、認可外保育施設への指導監督などに関する事務については、特別区長会において、都から区への移管対象事務として検討しているところですが、私は速やかに区へ移管されすべきと考えています。 
 次に、ベビーホテル利用者への保育料助成についてのお尋ねです。
平成22年6月1日現在の待機児童数113名のうちいわゆるベビーホテルや院内保育所を含む認可外保育施設の利用者は8名となっています。
 待機児童が解消するまでの緊急処置的施策として、区で一定の基準を設け、認可保育園に入れずやむなくベビーホテルに預けている方に対し、保育料の助成を検討すべきとのことですが、そうぢて助成制度が児童福祉施設の基準等に合致しない施設への利用促進と誤解されることや、利用状況の定期的な把握が困難なことなど課題もあります。しかし、認可保育園に入れずやむなくベビーホテルに預けている方への保育料の一部助成をどのようにすべきかを含め今後検討していきます。

(教育委員会答弁)

 教育委員会へのご質問にお答えします。
義務教育における教材費・給食費の無料化を国に求めるべきとのお尋ねです。
 憲法第二十六条の趣旨は、「義務教育は、これを無償とする」という規定の趣旨は、保護者に対し、子女の義務教育の対価を徴収したいことを定めたものであり、教育基本法第五条および学校基本法第六条において、義務教育については授業料を徴収しない旨規定していることからも、同条の無償とは授業料を徴収しないことを意味するものと理解しています。
 したがって、教材費や給食費の無料化を国に対して求めることは考えておりません。

 次に、給食費の一部助成の増額についてのお尋ねです。
給食費への支援は、平成20年度の原油等の価格高騰に伴う給食食材費への影響を考慮し、保護者負担の軽減を図ることを目的に実施しているもので、今年度も金額を精査して継続しています。
 区が実施している支援と給食費の無料化とは、目的を異にするものであることから、増額については考えておりません。

(区長答弁)

 特別養護老人ホームの増設と介護保健施設にたいする支援策についてのお尋ねです。
はじめに、特別養護老人ホームの増設のための公有地の活用についてです。
 来年2月、矢来町に開設予定の特別養護老人ホームを含めると、区内の特別養護老人ホームは7か所480床となり、区外の施設に確保している503床と合わせると、区民の方が都内で利用できるベッド数は983床となります。
 特別養護老人ホームは、在宅での生活が真に困難になった方のセーフティーネットとして整備を進めています。しかしながら、待機者の中には、例えば、要介護1の方が将来の安心のために申し込んでおくといった事例も多く含まれています。こうした方々については、訪問介護や通所介護、在宅医療などの在宅サービスが、日常生活の中で適切に提供されることが、より重要と考えます。
 したがって、特別養護老人ホームのための国有地をはじめとした新たな公有地については、長期的視点に立った的確な事業予測のもとに、その整備の可能性について検討していきたいと考えています。

 次に、特別養護老人ホームや老人保健施設など、介護保険施設に対する支援策についてのお尋ねです。
 まず、国に対して療養型病床抑制の方針転換を区として求めること、及び医療と介護の制度改善を要求することについてです。
 国は、従来から平成24年3月31日までに療養病床を再編し、医療の必要に応じた機能分担を推進するとしています。去る5月31日までに療養病床を再編し、医療の必要度に応じた機能分担を推進するとしています。去る5月31日に開催された社会保障審議会介護保険部会では、医療病床のベッド数を削減させず、現在の医療病床に入院している患者のいきばのない状況を防ぐことが検討されています。
 しかし、介護療養型の廃止については言及されていません。
 区では、高まる医療ニーズに対応した介護型療養型の必要性から、24年3月の廃止については慎重な検討を国に要望しています。
 また、医療と介護の制度改善ですが、住み慣れた地域で暮らし続けるためには、様々な医療ニーズに対応したサービスの整備が必要です。
ご指摘のように施設における医療については様々な課題があることは十分に認識しています。老人保健施設での必要な診療報酬の摘要については、平成23年度の介護放縦と診療報酬の同時改正に向け、様々な機会を捉え、国に要望してまいります。
 次に、医療処置に対応するための人件費助成についてのお尋ねです。
 区内の特別養護老人ホームに対しては、平成18年度より、医療処置を必要とする入所者受け入れのための体制整備に関わる運営経費として、看護職及び介護職の人件費等を助成しています。 
 その結果、現在、区内各特別養護老人ホームでは、施設によって条件の差はありますが、胃ろうなどの経管栄養をはじめ、様々な医療処置が必要な方の受け入れを行っています。 ご指摘のありました夜間対応ですが、看護職員だけでなく医師、介護職員等、施設全体の受け入れ態勢の整備も必要となります。平成22年4月からは、介護職員も、たんの吸飲や胃ろうによる経管栄養の行為が行えるようになりましたので、施設での取り組みを注意深く見守っていきたいと考えています。
 次に老人保健施設も対象にすべきとのことです。老人保健施設では、医師や看護職員が特別養護老人ホームに比べ、手厚く配置されているにも関わらず、医療ニーズの高い方の入所が実現しないのは、診療報酬上の課題が大きいと認識しています。
 このため、老人保健施設を助成対象とするまえに、診療報酬上の問題を解決することが、まず必要であると考えています。

 次に、特別養護老人ホームの増設と、介護保険施設に対する支援策について質問します。
 第1の質問は、特別養護老人ホームの増設についてです。
 2011年度までを計画期間とする第4期介護保険事業計画では、矢来町に建設中の特別養護老人ホームの開所をもって計画を達成することとなります。
 しかしながら、特別養護老人ホームの待機者は1000人を超える状況が続いており、入所を待っている区民とご家族にとって区内特養ホームの増設は切実な願いです。第5期計画の策定にあたっては需要に見合った計画にすることと同時に、第5期計画の策定待ちにならず、次の建設に向けて動き出すことが求められています。
 区内で特養の建設がなかなか進まない原因は用地確保が困難だからで、区として事業者の用地取得に対して助成することや、区有地はもちろん、国有地、都有地含めて公有地を活用することなしに特養の建設は進みません。区内に存在するあらゆる公有地を洗い出し、具体的に国や都に提供することを求めるべきではないでしょうか。とりわけ国有地は、区内に多くの公務員宿舎があり売却などが検討されています。国が売却する際、まず地元自治体の意向を聞きますが、それを待って検討するのではなく、弁天町の参議院議員宿舎跡地のように区が目標と展望を持って今から国に対して働きかけ、特養ホームをつくるべきではないでしょうか。お答えください。
 第2の質問は、特別養護老人ホームや老人保健施設など、介護保険施設に対する支援策についてです。
 私どもに寄せられる相談の中で、「医療処置が必要な人は受けられないと特養でも老健でも断られてしまった。こんなに困っているのになぜ入れないのか。」という切実な相談が増えています。
 施設に実情を聞くと、医療処置が必要な人を受け入れるには、看護師が24時間常駐している体制や、緊急時の医療機関の受け入れ態勢が欠かせないのだけれど、それが整わないため介護職の心理的物理的負担が重すぎて受け入れられないと言うのです。
 新宿区では、胃ろうなど医療処置を必要とする人を受け入れるため区内の特養に対しては1施設あたり介護職1人分と看護職1人~2人分の人件費を区独自に助成していますが、経管栄養でも胃ろうは受けるが鼻腔は困難とか、痰の吸飲が常時必要な人、酸素療法が必要な人などはなかなか受け入れてもらえないのが現状です。中にはやっと順番が回って来たと思ったら面接をしたら断られたという場合もあり、施設側の説明に納得がいかずトラブルになるケースも少なくありません。
 一方、老健では常勤の医師や看護師の体制が特養よりは厚い配置基準になっていますから、医療処置の必要な人も受け入れやすいはずなのですが、実態としては夜は看護師が常駐していないので受け入れられないとか、24時間看護師が常駐している施設でも、救急車を呼んだ時に受け入れ先の病院が決まらず3時間も停車していたなどとという実態があるので、リスクの高い人の受け入れは躊躇するというのです。
 さらに老健では他科受診と言って、常駐の医師が内科であれば内科以外の受診は医療保険が使えるのですが、内科については医療保険が一切使えず医療費はすべて施設の負担になるという仕組みになっています。そのため、例えば在宅酸素の対応をしている人が病院なら酸素ボンベを1割負担の8000円で使えるのが、施設に入所すると本人の負担はなく、8万円すべてが施設の負担、持ち出しになってしまいます。また、パーキンソン病など難病の方は医用費が高く、在宅であれば難病医療の対象で本人負担はないのですが、この場合も入所すればすべて施設の負担となるためどこも受け入れてはくれません。高い薬を常時飲んでいる人なども敬遠されるのは、施設の経営が成り立たなくなるからです。
 本来、こうした方々を受け入れるのは療養型病床ですが、かつては新宿区内にもありましたが今は1床もありません。自公政権下の方針で2012年3月までに介護療養病床は廃止、医療療養病床も多くの病院が経営難を抱える中2012年4月からは看護・介護職員配置が強化され、これを満たせないと診療報酬が下げられるという事態に直面するなかで療養型のベッド数が激減しているのです。今年の5月に全国保険医団体連合会が国に対し介護療養病床廃止の撤回などを求め要望書を提出するなど医療現場からも切実な声があがっています。さらに、他科受診など制度上の問題が現場の矛盾を大きくしています。国に対して療養型病床抑制の方針転換を区として求めるとともに、医療と介護の制度改善を要求することが必要ではないでしょうか。そのことをお聞きした上で、区独自の対策について以下質問します。
 第1は、医療処置に対応するための人件費助成を充実することです。
 港区は、区立の特養については指定管理者に対して規準より多く看護職7人と介護職6人を増は位置するための人件費を含んだ指定管理料とし、これによって医療処置者の比率は約2割となっています。また、老健に対しても看護職の人件費を1人700万円として2人分の1/2を補助しています。中央区は、区内の民間特養に対して、胃ろう・在宅酸素・人工肛門・人工膀胱・インシュリン自己注射などの医療処置者を定員の15%以上受け入れるため、看護職3人分の人件費を補助しています。千代田区は、区立の特養だけでなくグループホーム、ケアハウスの指定管理者に対して助成をすることで医療処置の対応や、より重度の人を受け入れる体制を作っています。
 新宿区も胃ろうなど医療処置者をベッド数の1割以上受け入れるという条件で、特養に対しては介護職1人と看護職1人~2人分の助成を行っていますが、夜勤の対応は難しいため医療処置者の受け入れは相当制限せざるをえない実態です。老健に対しては助成制度がありません。新宿区も夜勤の対応が可能な看護職の配置を可能にするため、助成額を増やし、特養だけでなく老健も対象とすべきと考えますがいかがでしょうか。
 第2は、介護施設の空きベッド対策を支援することです。
 特養は老健などとは違って入所者が入院したら即退所というわけにはいかず、また退所から次の人の入所までに時間がかることも多く常に空きベッドをかかえています。しかし待機者から見るともったいない状況なのです。空きベッドが多いと施設の経営上も負担となり、入院した人に退所を促さざるをえなくなります。区内施設の稼働率は老健では98%や99%に対し、特養は90%~95%前後と必死の努力にも係わらず苦戦しています。
 港区は、長期入院者に対する退院後のベッド確保のため2006年度から5年計画で助成額は年々減額する仕組みですが、例えば80床の施設には感染症対策とあわせて初年度1,460万円を助成し、ある区立特養ではこれを活用してショートステイ専門の相談員を雇用し対策を強化した結果、稼働率が92%から98%まで引き上げることができ、収入も増えたそうです。新宿区でも空きベッド対策の助成をすることで施設の運営を助け、区民の利用向上に資するようにすべきではないでしょうか。お答えください。

 次に、特別養護老人ホームの空きベット対策についてのお尋ねです。
区内の特別養護老人ホームの稼働率をみると、平成21年10月、11月の時点で、5
か所の平均が96.8%です。ご指摘にある入院中のベット確保や、退所ら次の入所までに時間がかかる等、施設の特性を考慮すると、この数字は低い水準ではないと考えています。したがって、空きベッド対策としても特別養護老人ホームに助成を行う考えはありませんが、一方で特別養護老人ホームに多くの待機者がいる現状ではまず待機している方がスムーズに入所できることが大切です。
 そこで、数多くの待機者がいることを踏まえ、次の入所までの時間短縮やショートステイとしての活用等、稼働率の更なる向上に取り組んでいきます。

 

 次に、区民の命と健康を守る施策について質問します。
 質問の第1は、国民健康保険についてです。
 2008年以降の厳しい経済社会情勢を反映して国保加入者が増え、保険料滞納世帯も増加しています。非正規雇用の拡大、解雇の横行、中小企業の倒産、個人消費の減退等々、日本社会が抱える矛盾が新宿区の国保会計にも大きな影響を及ぼしていると思われます。
 新宿区議会は本年第1回定例会で、高すぎる国保料や自治体の財政負担軽減のために国庫負担の増額を求める意見書を採択し、内閣総理大臣他関係機関に提出しました。国が制度のひずみを是正していくことも急務の課題です。
 こうした問題に加え、新宿は流動人口や外国籍の方が多く担当課がご苦労されていることは承知していますが、区民の命と健康を守る努力を尽くすべきと考え、以下質問します。
 その第1は、短期被保険者証発行の基準を見直すことです。
 短期証発行基準は各自治体がそれぞれに設定しており、23区でも基準は異なります。新宿区は、12ヶ月証は保険証更新前の半年間に3ヶ月分の未納が1万円以上ある場合、6カ月証はそれに加えて前年度以前に滞納がある場合、と基準を設定しています。昨年の更新時には12ヶ月証が3,284件、6ヶ月証が11,216件発行されています。新宿区では資格証発行数が比較的少なくその点は評価しますが、短期証が多いのは残念です。渋谷区では、過去1年以上、30万円以上の滞納者で、高齢者や中学生以下の子がいない場合としており、発行数も400件弱とのことです。ペナルティ的に負担を負わせるのではなく、短期証発行により相談のきっかけづくりにしたいと担当者は語っています。短期証が14000件もあれば、これをきっかけにじっくり相談に乗るというより、郵送か電話で一渡り督促するのがせいぜいではないでしょうか。払いたくても払えず心苦しく感じ病院に行く度に肩身の狭い思いするのでは病気にいいはずがありません。短期証の発行基準を見直し、もっと緩和すべきではないでしょうか。区長のご所見をうかがいます。
 その第2は、減免についてです。
 解雇等を理由とする一般減免は過去2年間増加しており、4月からスタートした非自発的離職者の保険料減額の届出件数は5月10日現在270件にのぼります。
 保険料は前年所得で算定されるため、失業して国保に移行した年は高い保険料が大変な負担です。減免の失業理由は非自発的離職者に限られています。本質は解雇なのに自己都合にさせられて失業した方にも減免を拡大適用していただきたいと考えます。また、減免適用基準は23区横並びで生活保護基準の1.15倍です。山口県宇部市は生保の1.5倍、神奈川県大和市は1.2倍です。新宿区も基準引き上げを図り、保険料を減額することで生活保護を受けなくても自立した生活をできるよう応援すべきと思いますが、区長の見解をうかがいます。
 質問の第2は、子供のワクチン接種に対する助成を拡充することです。
 子供のワクチン接種は、全国全ての子供の生命と健康を等しく守る意味で国が一元的に定期接種化や公費助成すべきことは言うまでもありません。日本共産党の小池晃議員は、4月13日、参議院厚生労働委員会で子どもの細菌性髄膜炎の原因となるヒブと肺炎球菌ワクチンを定期接種化し、子宮頸ガンワクチンに公費助成することを求めました。長妻厚生労働大臣は、この「3種は優先順位が高い。法定接種や公費助成についても議論を急いでもらおうと考えている」と述べました。また東京都は、子供の子宮頸ガンと肺炎球菌ワクチンの予防接種に助成する自治体に包括補助する方針を決定しました。国や東京都もワクチン接種の経済的負担軽減の方向で前向きの姿勢を示し、23区でも今年度予算で費用助成が大きく拡充しています。ヒブワクチンの助成は新宿区を含め18区が実施しており、子宮頸ガン、肺炎球菌、おたふくかぜ、水ぼうそうに助成する区もあります。
 この間区議会では、日本共産党を含め複数の会派から、子どものワクチン接種の有効性と費用助成を求める意見が出され、これを受けて区も、ヒブワクチンへの助成に踏み切りました。さらに一歩進めて、都の子宮頸ガン・肺炎球菌ワクチン助成の方針を受け、新宿区もこの2つについては早急に助成を決断すべきと思いますが、いかがですか。
 そのうえで新宿区として、都内の全ての子供たちが接種を受けられるよう、包括補助ではなく目的を特定した補助金や負担金にするよう都に対して要望すべきです。また、全国すべての子供に行きわたるよう、ヒブ・肺炎球菌・子宮頸ガンなどのワクチン接種を定期接種化・公費負担にするよう政府に要望すべきです。区長のご所見をうかがいます。
 経済的負担軽減とあわせて、保護者がワクチン接種に連れて行きやすい工夫も求められます。改正育児・介護休業法施行により子の看護のための休暇日数が拡充されます。新宿区社会福祉事業団は、この機会に子どもの看護休暇に予防接種を含む規定の改正をしました。改正法は従業員100人以下の職場では2年遅れの施行となっており、また事業団のように予防接種を範囲に含む義務もありません。保護者が職場に気兼ねすることなく予防接種に行けるよう、区内の企業に予防接種も看護休暇に含むよう働きかけるとともに、医師会と相談して土曜の午後や日曜日にワクチン接種が可能となるよう計らっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

(区長答弁)

 国民健康保険についてのご質問です。
短期証の発行基準を見直し、もっと緩和すべきではないかとのお尋ねです。
 国民健康保険制度は区民のみなさまに支えていただいておりますので、滞納を解消して収納率を上げることは、極めて重要な課題です。
 短期証の交付に至るまでには、催促状及び催告書の発送、徴収嘱託員による訪問、夜間・休日納付相談なっどを行っています。このような対策を行っても連絡がつかない方は、納付困難な実態について把握することができません。そのため有効期限が短くても一般証と同様に医療機関で受信できる短期証を交付して、更新の度に被保険者との接触を図り、相談をしながら保険料の滞納解消に努めているところです。今後も確実な納付に結びつけるために、短期証の交付基準を見直す考えはありません。

 次に、本質は解雇なのに自己都合にさらされた失業者への減免拡大適用についてのお尋ねです。
 区では、非自発的失業者に関わる国民健康保険料の軽減について、離職者がハローワークで失業給付の際に発行される「雇用保険受給資格者証」に基づいて、軽減の手続きを行っています。すでにハローワークにおいて、離職者の離職者理由が解雇にも関わらず自己都合になっている場合、事務所に事実を確認し、離職理由を変更しているため、新宿区独自の対応は必要がないものと考えております。
 次に、保険料減免の取扱に関する基準の引き上げについてのお尋ねです。
 減免の基準は、特別区民国民健康保険事業の調整に関する共通基準の一つとして定めており、新宿区だけが、引き上げることは考えておりません。

 次に、子どものワクチン接種に対する助成の拡充についてのお尋ねです。
1点目の子宮頸がんワクチン・肺炎球菌ワクチンに対する助成です。国もこの2つのワクチンについては、予防接種の法定化やワクチン接種費用の負担のあり方などについて検討することとしています。これらの動向を踏まえ、区の財政状況を見極めた上で各種予防接種の優先度などを含めて検討してまいります。
 2点目の包括的補助ではなく、目的を特定した補助金や負担金にするようにとの都への要望についてです。
 現在、都が行っている包括補助事業は任意の予防接種事業を支援するためのものです。予防接種は、区市町村事業であるため、目的を特定した補助金や負担金とする要望を行う考えはありません。
 3点目のワクチン接種の定期接種化や公費負担にするようにとの政府への要望についてです。接種費用の自己負担、公費負担のあり方については、「公衆衛生対策として、地域格差や経済的理由によって接種を受けられないことがないよう検討すること。」「その際、疾病の種類によっては保険診療の適用も検討すること。」を全国保健所長会を通じて国に要望しております。
 4点目保護者が子どもを予防接種に連れて行きやすくなるような企業への働きかけについてです。
 子どもの予防接種の大切さを周知し、保護者が接種に行きやすい職場環境を整えるよう企業に対し働きかけてまいります。
 次に、土曜日の午後や日曜日にワクチン接種が可能となるような取り計らいについてです。
 予防接種は、接種後、数時間から数日間の体調観察も必要です。接種を受けた子どもの体調に変化があった場合、適切な対応が取れるよう接種医療機関での体制を整えることも不可欠と考えます。こうした点も踏まえて、土曜日の午後や日曜日にワクチン接種が可能かどうか医師会と話し合ってまいります。

 

 次に、住宅の確保策についてお伺いします。
 第1に、仕事や住居を喪失した方への支援についてです。
  昨年10月からはじまった住宅手当緊急特別措置事業の区の取り扱い件数は、3月までの半年間で申請370件で支給150件、4月以降も150件を超える申請が行われており、担当課の窓口は引きもきらない現状です。これまで支給に至った割合は4割で、あとの6割は利用できていません。その理由で最も多いのが、借金を抱えているために敷金・礼金等の住宅入居費を含む総合支援資金が借りられないことだと聞きました。入居費が借りられなければ住宅が借りられず、そうなれば住宅手当も受けられず、手当が前提条件の生活支援金もダメで、自立支援の相談に行くか路頭に戻ることになります。相談に来られた方が半年でまた自立支援センターに戻ったということも聞きました。
 総合支援資金は借金がある方は債務整理のメドがつかなければ申請ができず、区の窓口では一旦生活保護を受給して自己破産の相談に行ってもらい、破産申請のメドをつけて申請し、免責決定が出て破産手続きを完了したところで支給に結びつけるなどのきめ細かい対応もしているとうかがいました。しかし如何せん相談者が多く、社会福祉協議会の相談予約も4、5日先といった有様で、職員は相談から処理まで少人数で四苦八苦しています。
 そもそもこの制度は、派遣切りなどで仕事も住宅もなくした方が対象であり、窓口にたどり着くまで霞を食べてきたわけでなく、借金があることは充分考えられます。そうした方も一旦住宅を確保して、その後で法律扶助制度も活用して債務整理手続きに入り、安心して求職活動に専念できるように制度の改善をはかるべきではないでしょうか。消費者支援の窓口や社会福祉協議会の努力に応えて、区として制度の改善を国に求めるべきと考えますが、いかがでしょうか。
 第2に、高齢者が安心して住める住宅の確保策についてです。
 現在、新宿区は、区内の約100店舗の住み替え促進協力店と連携し、「高齢者等入居支援事業」を実施しており、新宿区が業界団体と協力して高齢者の住宅確保に取り組んでいるものと評価をしますが、制度の改善が必要と思われます。
 一つは周知の問題です。高齢者等入居支援事業の実績は、07年度助成6件、08年度助成3件、09年度助成6件に止まっています。新宿区は、住み替え促進協力店に制度説明やチラシを配布するなど、周知に努めているとのことですが、私が遭遇した事例でも、協力店の方でも、制度をご存知なく、保証人がいなくて困っていらっしゃる借主に、この制度を利用するようにお勧めしていませんでした。
 そこでお伺いします。高齢者等入居支援事業について、住み替え促進協力店にどの程度周知がされているでしょうか、住み替え促進協力店の拡大とあわせ、さらに周知を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。
 もう一つは、保証会社を増やすことについてです。高齢者等入居支援事業について不動産屋に聞くと、それぞれが保証会社を利用しているので、新宿区の紹介する1社だけだと使いにくいとの声がありました。そこでお伺します。宅建協会など業界団体によく意見を聞くなどして一定の評価をした上、保証会社を増やすべきと考えますがいかがでしょうか。
 次に、高齢者の家賃補助について伺います。
 2009年の区民意識調査でも、転出したい理由で家賃が高いと答えた方が29.3%ですが、高齢になるほど深刻と思われます。それは、今年2月の都営住宅単身者向けの申込み倍率が新宿区で約137倍となっていることからも見て取れます。2007年4月、住宅まちづくり審議会は「年金等に頼らざるを得ない高齢者世帯に対する家賃助成は、高齢者の居住の安定確保に有効な政策手段であると考えられる」「導入するにあたっては、対象、給付基準、財政負担など、克服すべき課題も多く、慎重に検討していくことが必要」との答申を出しました。答申からすでに3年たち、慎重に検討したとしても、もうそろそろ結論を出していい頃と思いますが、この検討はその後どうなっているのでしょうか。早急に検討し家賃助成を開始すべきと考えますが、区長のご所見をお聞かせください。

(区長答弁)

 住まいの確保策についてのお尋ねです。
まず、仕事や住居喪失した方への支援について、住宅手当緊急特別措置事業の制度改善を図るべきとのお尋ねです。
 当該事業は、平成21年10月から第2のセーフティーネットとして全国の区市町村で開始された制度です。新宿区では社会福祉協議会との連携により同一窓口で 住宅手当から融資の相談まで行うことのできる体制を整備し、さらに生活福祉課との連携によりワンストップサービスを行っています。また就労支援員による面談を通して住宅手当受給者の常用就職へ向けた支援も提供し、総合的な生活支援策を実現しています。申請者の視点からきめの細かいサービスの提供を目指し、その甲斐あって150件を越える支給決定につながったと考えています。現在でも生活福祉課による法外援護からの支援を活用し、現行制度の枠組みの中で対応しています。今後も生活福祉課との連携を強化し、法テラスだけでなく消費生活センターで行う多重債務相談など提供可能な支援を活用し、現行制度のなかでとりくんでまいります。
 現場で把握した制度上の問題については、厚生労働省に対し、改善の方向性を必要に応じて提起してまいります。

 次に高齢者が安心して住める住宅確保策についてのお尋ねです。
はじめに、住み替え促進協力店への高齢者等入居支援事業の周知についてのお尋ねです。 区では、東京都住宅建物取引業協会新宿支部が実施する、住み替え促進協力店向けの説明会に出席し、当事業の説明を直接行うほか、すべての促進協力店に対し、パンフレットやポスターを配布しています。
 今後も、同協会新宿支部と連携をとりながら、促進協力店の拡大を進めるとともに、効果的な周知方法を検討していきます。
 

 次に、高齢者世帯に対する家賃補助についてのお尋ねです。
区では、平成19年度の新宿区住宅まちづくり審議会答申、「新宿区における新たな住宅政策のありかたについて」を踏まえ、ご質問の家賃助成を含めた住宅施策全体について検討し、同年度に「新宿区住宅マスタープラン」策定しました。
 そして、同マスタープランに基づき、高齢者等入居支援、住み替え住居継続支援、住宅相談などの事業の充実やワンルークマンション条例の改正による高齢者用住戸の設置割合の引き上げなど、高齢者の住まいの安定確保のための施策を実施してきたところです。
 ご提案の、高齢者世帯に対する家賃助成については、財政負担など克服すべき課題が多く、実施する考えはありません。


 以上で答弁を終わります。

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