2010年第4回定例会 雨宮たけひこ議員の一般質問

10-4-amemiya.JPG2010年11月30日に行なわれた一般質問です。<これはあくまでも概要です。新宿区議会の議事録が出来次第入れ替えます。ご了承ください。>

(雨宮たけひこ議員)
 日本共産党区議団の雨宮武彦です。公衆浴場対策について一般質問をいたします。
 質問の第1は、公衆浴場存続のための支援についてです。
 冬至の日にゆず湯に入り、小豆がゆやカボチャを食べて風邪をひかないようにするなど、お風呂は日本人の文化・慣習と深く結びつき、江戸の昔から、銭湯は人々の情報・交流の場として親しまれ、暮らしにとけ込んできました。しかし、戦後、自家風呂の普及などライフスタイルの変化にともない、銭湯が次々姿を消し、それとともにコミュニティが希薄になってきたことを淋しく感じるのは私だけではないと思います。
  新宿でも、35年前1975年に89あった公衆浴場が15年前には50になり、20年の間に半分ちかく廃業しました。その後も廃業が続き、今では30浴場になってしまいました。西新宿で最後まで頑張っていた梅月湯が今年9月に廃業し、地域内に公衆浴場が全くなくなったところも出てきました。
 銭湯の廃業が続く中で、国も1981年に「公衆浴場の確保のための特別措置に関する法律」を制定しました。この法律は、公衆浴場が住民の日常生活において欠くことのできない施設であり、住民の健康増進等に重要な役割を担っているにもかかわらず、著しく減少しているので、特別措置を講じて利用の機会の確保をはかることを目的に定めています。そして、経営の安定を図る等必要な措置を講じることを国と地方公共団体の任務とし、公衆浴場の活用について適切な配慮をすることに努めなければならないとして、貸付にあたって有利な条件にすることや助成その他必要な措置を講じるように努めるとしています。
 新宿区も、この法律に基づき低金利の貸付や補助金の交付、ふれあい入浴証事業などで公衆浴場を支援してきました。それでも存続は厳しく次々と廃業しており、さらなる支援が求められています。
 四谷地域の浴場経営者に話を聞きましたが、安定的な経営のためには何と言ってもお客さんが増えることが必要だと言っています。利用者の増大を図る意味でも、この間何度も要望してきたふれあい入浴証の利用回数を増やすことが必要ではないでしょうか。銭湯代も450円でそうそう毎日行けないという高齢者や低所得者などからも回数を増やして欲しいとの声があります。また昨今の夏の猛暑時などは月4枚ではとても衛生的な生活は送れません。区民の健康増進のためにも、浴場経営維持のためにも、ふれあい入浴証利用回数増は一石二丁の施策と考えます。また、浴場経営安定化という点では、現在450円の入浴料金に対して300円で引き受けていただいていますが、これの増額も検討すべきではないでしょうか。2点についてお答えください。
 また、新宿区は区内公衆浴場の転廃業を防止するために、公衆浴場に対し設備改善の補助をしています。私がお聞きしたところでは、例えば湯釜の取り替えは補助金の範囲内ではとても工事が出来ないと言っています。補助金の額は工事の実費に見合うように増額すべきと思いますが、いかがですか。
 さらに、補助を受けて工事しても、2年以内に廃業すると全額補助金を返還しなければなりません。後継者のいない高齢の経営者の中には、2年間必ず経営を維持できる確信がもてずに改修に踏み切れず、施設が劣化してお客さんが減少し、やがて廃業に追い込まれるという悪循環の一因にもなっています。公衆浴場設備費補助金の返還については、個別の事情を考慮して、減額・免除などの措置を取れるようにする必要があると考えますが、どうでしょうか。2点お答えください。

質問の第2は、銭湯がなくなった西新宿のみなさんが、渋谷区の浴場でふれあい入浴証を使えるようにすることについてです。
 この地域では、4年前に西新宿4丁目にあった第二良の湯が角筈都営住宅の移転後に廃業し、唯一残っていた梅月湯が今年9月に廃業したため、公衆浴場が一軒もなくなってしまいました。区内で最も近い公衆浴場は北新宿2丁目の天神湯ですが、青梅街道、税務署通りを渡り「行くのに35分もかかり遠くて不便」「帰ってくるまでに湯冷めしてしまう。」と言われています。
 西新宿地域のみなさんはいま、区境の渋谷側にある羽衣湯とかねき湯に行っていますが、渋谷区の公衆浴場では新宿区のふれあい入浴証が使えません。そのため「ふれあい入浴証を使うには遠くて不便な天神湯まで行かないといけない。」「ふれあい入浴証を渋谷区で使えるようにしてほしい」との声があがり、11月5日には福祉部に435筆の陳情署名を提出しています。福祉部長も「すでに検討しています」と回答したと聞いていますが、遠くの銭湯に行って湯冷めして風邪に罹ったりしないように、本格的な冬を迎える前に渋谷区で新宿のふれあい入浴証を使えるようにすべきと考えますが、いかがですか。お答えください。

 質問の第3は、公設民営の公衆浴場の設置についてです。
 私が住んでいる四谷地域には今は公衆浴場が3軒ありますが、それぞれ事情をかかえており、あと10年もしないうちになくなってしまうのではないかと心配されています。高齢化がすすんで、自宅に風呂があっても掃除ができないとか手足を伸ばして入りたいなど銭湯に対するニーズは依然として根強くある地域です。ゼロになったりしたら、四谷はバスの便も悪く高齢者は銭湯に行けなくなってしまいます。そんな事態に備えて、今から公設民営の公衆浴場の設置を検討すべきではないでしょうか、お伺いいたします。
 中央区には銀座1丁目に「銀座湯」、入船3丁目に「入船湯」という公設民営の公衆浴場があります。「銀座湯」は、1975年(昭和50年)に東京都が設置し、1980年に中央区に移管されました。浴場組合から経営者を紹介してもらい、1階が女湯、2階が男湯、3階は経営者の住まいになっています。入船湯は、地域に銭湯がなくなっては困ると住民から強い要望があり、再開発の際に民間ビルと賃貸借契約を締結し開設したもので、地下1階に男湯と女湯と風呂あがりゆっくりくつろげる休憩室もあり、1日平均184人が利用していてるそうです。経営的にも採算がとれているため、区から特別の持ち出しはないとのことでした。中央区の議員と区の職員の方の案内で「銀座湯」を見せて頂き、経営者のお話を聞きました。「地域の方々から大変に喜ばれていること」「仕事帰りの方も利用されていること」「経営は厳しいが区の支援を受けながら頑張っている」と言っていました。千代田区にも神田淡路町に公設民営の「神田アクアハウス江戸遊」という公衆浴場があります。
 他区の公設民営施設の実態も調査して、ぜひ検討していただきたいと思います。お答えください。

(福祉部長)
 雨宮議員の質問にお答えします。
 公衆浴場対策についてのお尋ねです。
 初めに、ふれあい入浴事業の回数の増及び契約料金の増額についてです。
 区では、60歳以上の高齢者等を対象に月4回無料で利用できるふれあい入浴事業を東京都公衆浴場業組合新宿支部の協力により、入浴料金より安い金額の単価を基に契約を締結し実施しています。
 平成22年度の高齢者福祉事業費では一人暮し高齢者への助成、高齢者総合相談センターの機能強化等の事業を実施していますが、その中でふれあい入浴事業は、予算の1割を越えています。また、60歳以上の高齢者人口の増も見込まれるところです。
 そのため、今後の高齢者福祉事業費の予算の伸び等を考慮すると、現在の入浴事業の回数や契約料金で事業を実施してまいりたいと考えています。

(地域文化部長)
 次に、公衆浴場設備費補助金の額を工事の実費に見合うよう増額すべきであるとのお尋ねです。
 公衆浴場設備補助金については、毎年度、新宿浴場組合と定期的に協議を行い、公衆浴場経営者の要望を確認しながら、その都度、必要な改善を行っているところです。
 公衆浴場設備費補助金については、1件あたりの補助額が小額でもより多くの件数を補助して欲しいという新宿浴場組合の要望を踏まえ、平成21年度から一般補助金の交付件数を10件から15件に改善し、予算額も1千万円増額し、総額2千万円の予算枠で補助しております。
 また、補助金受領後、次の補助金を受けられない制限期間についても、一部短縮したり、制限期間中でも緊急時には重ねて補助金が受けられるよう制度を改善するなど、浴場組合の意向を十分にくみ取り、きめ細やかな対応を行っているところです。
 次に、公衆浴場設備費補助金の返還金について、個別の事情を考慮して、減額・免除などの措置を取れるようにする必要があるとのお尋ねです。
 ご指摘のとおり、現在は、補助金申請書受理後2年以内に廃業すると、交付された補助金を全額返還しなければならない制度となっています。補助金の助成制度は、区民の保険衛生の確保とともに、浴場経営の安定と存続を図ることを目的としていますので、経営者の責めによらない事由で廃業した場合等についての特例的な措置を、今後、検討しています。

(福祉部長)
 次に、渋谷区でのふれあい入浴証の利用についてのお尋ねです。
 新宿区は、東京都公衆浴場業組合新宿支部と契約を締結し、ふれあい入浴事業を実施しており区内の30の公衆浴場で利用できます。
 ご指摘のとおり、9月に、角筈地区の梅月湯が廃業したことで、角筈地区にはふれあい入浴ができる浴場がなくなり、一番近くの浴場へは青梅街道・税務署通りを渡らなくてはなりません。高齢者の方には、とても大変なことだと思います。
 角筈地区の高齢者の方が、ふれあい入浴が利用できるよう、現在、新宿区との境にある渋谷区の浴場を協議しています。

(地域文化部長)
 次に公設民営の公衆浴場の設置についてのお尋ねです。
 区民の保健衛生の維持向上、健康増進、地域コミュニティーの場を担う公衆浴場は、地域にとって大切な施設であり地域的偏在が生じないことが、望ましいものと認識しています。
 今後とも、浴場経営者の皆さんの意見を聞きながら、公衆浴場の転廃業に歯止めがかけられるよう、現行の補助制度の活用を基本的に支援してまいります。

(雨宮たけひこ議員)
 西新宿は道路一本挟んで渋谷区となっている。答弁では渋谷区の浴場と協議中と答弁されたが、私は質疑の中で「寒さがあるうちに・・・」と聞いている。めどが立つかどうか再質問したい。

(福祉部長)
 今まで2度ほど対象浴場と話し合いをしている。期待に応えられるよう努力していく。

(雨宮たけひこ議員)
一日も早く結論を出してほしい。以上で終わります。

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