2010年第4回定例会 あべ早苗議員の一般質問

10-4-abe.JPG2010年11月30日に行なわれた一般質問です。<これはあくまでも概要です。新宿区議会の議事録が出来次第入れ替えます。ご了承ください。>

(あべ早苗議員)
 日本共産党区議団の阿部早苗です。私はことぶき館について質問します。
 戸山児童館が来春完成する子育て支援施設に移転した後の施設活用方針について、今年3月に施設活用検討会は、ことぶき館をシニア活動館に機能転換するとともに、1階に若松町高齢者総合相談センターを移設する、施設を改修してエレベーターを設置する案を示して地域説明会等を行い、活用方針案が了承されたとして5月に原案を決定しました。そして、説明会で出されたお風呂存続の要望に対して、区は施設全体の間取りの中で検討すると回答していました。また、若松地域センターでの「区長と話そうしんじゅくトーク」でも風呂存続の意見が出され、区長は「検討しますから」と答えていました。地域の町会関係者・利用者は、中山区長の回答に希望を託しつつ、風呂存続を求める要請署名を区に提出しました。
 しかし区は、9月29日の決算特別委員会の質疑の中で、唐突に戸山ことぶき館の風呂を廃止することを表明しました。これを聞いた利用者はとてもがっかりし、町会関係者も区民の声を聞いてもらえないと落胆しています。
 私の知りあいにも戸山ことぶき館に行き、お風呂を利用している方が数人います。大久保に住んでいる82才の女性は、足が悪いので杖をついて週3回ことぶき館のお風呂に通い、顔なじみの仲間と茶飲み話しをすることを日課にしています。お風呂を目的に行っているので、風呂のないことぶき館には行かないと言っています。そして、町会や老人会の行事にもなるべく参加しているが、毎日のことではありませんから、普段は家に引きこもりになり、身体が衰え、認知症になっていくんだろうと心配しています。廃止の結論を出した後の10月15日の説明会でも、毎日来ているという戸山3丁目の女性の方が、「風呂がなくなったら、今まで来ていた人は来なくなるから」と最後におっしゃいました。西落合ことぶき館でもお風呂が廃止になり3世代交流事業が行われていますが、ここでも、お風呂があった頃に来ていた高齢者が来なくなり、どうしたら戻ってきてくれるかが課題にのぼっていると聞きます。
 私は、利用者・地域住民からこんなにも必要とされている事業は、行政にとっても誇りであり、宝だと思います。また、ことぶき館のお風呂は、シニア館の新たな目的である介護予防や見守り支え合い機能を今でも立派に果たしているではありませんか。区長は、ことぶき館のお風呂が果たしている役割についてどのように評価・認識しているのでしょうか。お聞かせ下さい。そして、戸山ことぶき館のお風呂は、利用者・地域住民の要望に応えて存続すべきだと考えますが、改めて区長の意思を表明願います。

 戸山ことぶき館のお風呂をなくす理由が、関係者には理解されていません。シニア活動館にして新たな機能を持たせることについては誰も異論はありません。でも、お風呂を廃止しないとその目的を達成できないとは考えられません。
 10月の説明会では、水道代などのコストと見守りの人件費がかかることを廃止理由に上げました。5月の福祉健康委員会の質疑で、コストについては簡単に出せないとしつつも、風呂のない施設に比べて年間120万円ぐらいかかっていると答えています。率直申し上げて、この程度のコストを節減しなければならないほど区財政は逼迫しているのでしょうか。ご説明願います。

 また、風呂のスペースを調理室に改造してボランティアによる食事サービスを提供すると説明しました。食事サービスは高齢者に栄養を考えた食事を提供するとともに、外出して人と会う機会を提供しておりたいへん意義ある活動です。でも、だいたい月2回の開催ですから、そのために費用をかけて改修するよりお風呂を残す方が施設の有効活用になるのではないでしょうか。新たな食事サービス提供というのであれば、若松地域センター調理室の稼働率は15.9%でずいぶんとゆとりがありますから、こちらで実施することが充分可能です。戸山ことぶき館に近い若松と大久保の両地域センターでは、それぞれ2つのグループが食事サービスをおこなっているようですが、月4回ですから、調理室はまだ活用の余地があり、戸山シニア活動館でなければ食事サービスが提供できないとは考えられませんが、この点についてもご説明願います。

 都営住宅にお風呂がついていることが廃止の背景にあったのではないかと、私なりに解釈しました。しかし、戸山ハイツアパートは風呂場スペースが狭く、団地によくあるバランス釜で風呂桶が狭くて埋め込み式でないため、足を大きく上げて跨ぎ、膝を抱えて湯船に浸かるタイプです。膝や腰が痛くて足を上げられない高齢者には結構つらい風呂なんです。ですから、手足を伸ばしてゆったり風呂に入りたい高齢者にことぶき館のお風呂が喜ばれてきました。また、登録しているのは都営住宅の方が圧倒的ですが、戸山3丁目や大久保2丁目、新宿7丁目などからも通っています。この地域には風呂なしの木造アパートが多く、低所得の単身高齢者がたくさん住んでいます。特に戸山3丁目は、近くに公衆浴場がなく、一番近い銭湯も500mも先で、坂を上って下りなくては行けません。こうした事情はどの程度斟酌されたのかおうかがいします。

 9月頃に、旧東戸山中学校跡地に建築中の施設に風呂ができるから大丈夫だという風評があると聞き訝しく思っていたところ、東戸山在宅サービスセンターの風呂に入浴できるように検討するとの決算特別委員会の答弁を聞き、あーこのことかと合点がいきました。ひとり暮らしで高齢の方は、多かれ少なかれ入浴時に異変が起こることに不安を持っています。ことぶき館の風呂がダメでもディサービスの風呂があるから安心と思っている方がまた期待はずれでは気の毒ですので、いったい何名くらいが利用でき、対象者はどのような基準で選ばれ、利用料は払うのかお聞かせ下さい。また、ディサービス利用者と出入り口を同じにするのか、機械浴も利用できるのか、見守りの人が配置されるのか等々、ディサービス利用者も保険外で利用する方も安心できるような対策が必要と考えますが、これらの点についてもご説明下さい。さらに、他の介護施設でも今後はこうした保険外サービスの提供を展開していくのかについてもお聞かせ下さい。

 決算特別委員会で、田中議員が信濃町シニア館の風呂は存続し、戸山ことぶき館を廃止する根拠は何かと質問したのに対し、区は総合的判断だと答えました。インターネットで見た関係者からは全然理由になっていないとの声が寄せられています。西落合は廃止、信濃町は存続、そして戸山は廃止と、どこでも風呂存続の要望が強かった中で、区の方針はコロコロ変遷してきました。改めて、この3館の違いの判断基準をお示し下さい。そして、区はことぶき館21館中10館程度をシニア活動館に機能転換するとの方針を出していますが、今後も同様の根拠に基づいて風呂の取扱いを決定していくものと理解していいのでしょうか。あわせてお聞かせ下さい。同じ新宿区民でありながら地域によって扱いが違い、それが総合的判断などという曖昧模糊とした理由で片づけられるのでは、マニフェストでいうところの「公正かつ透明性の高い区政」とは名ばかりと言わざるを得ません。区民の誰が聞いても納得できる判断基準や根拠をお示し下さい。

 最後に、今後のことぶき館のあり方についてです。
 H19年の報告では、21館あることぶき館をシニア活動館と地域交流館に地域バランスを考慮して機能転換させるとし、これまでにシニア館2館と地域交流館6館ができ、進行としてはほぼ中間地点にさしかかっています。この辺りで、検討会が意図した新たな機能がどの程度進んだのか検証し、このまま進めるべきかどうか等ローリングが必要ではないでしょうか。次期計画の策定にあたっては区民討議会を開催するとのことですが、ことぶき館についても、利用者・地域住民の声を聞き、お風呂のことも含めて再考すべきと考えますが、区長の見解をうかがいます。

(福祉部長)
 阿部議員の質問にお答えします。ことぶき館についてのお尋ねです。
 はじめに、ことぶき館のお風呂についてです。
 ことぶき館のお風呂は、高齢者の外出機会の提供や交流の促進を目的に設置してきました。
 しかし、利用人数は1日に数名から30名程度であり、多くの高齢者に利用されているとは言い難いことから、大規模改修を行う際はお風呂は廃止する方針としています。
 ご指摘の戸山ことぶき館についても、シニア活動館としての機能を付加し、施設を十分に活用するために大規模な改修工事を行うことから、お風呂は他の用途に振り向けていきます。

 次に、お風呂にかかるコストについてです。
 各ことぶき館のお風呂の維持経費については、複合施設がほとんどないため、正確に算定することはできません。そのため、単独館でお風呂のある施設とない施設の光熱水費の差額から、年間およそ120万円程度と算出しています。経費としてはこの他に、清掃や利用者の安全管理等に係わる人件費及び老朽化に伴う維持修繕費がかかっています。
 お風呂の廃止については、維持経費の削減もその理由の一つではありますが、利用者が固定化していることや今後の高齢化社会に対応した機能を付加する必要性等を勘案し、総合的に判断しました。

 次に、食事サービスについてです。
 現在、ボランティア団体が、地域センター等を利用し、月に2回程度の食事サービスを実施しています。高齢者の外出機会の提供として、区内14団体に活動して頂き、大変好評を得ています。今後、ひとり暮らし高齢者が増加する中で、食事サービスの需要は益々伸びていくと考えています。そのため、現在の活動場所に加え、新たにシニア活動館においても同様のサービスを広げていくことが必要です。
 仮称・戸山シニヤ活動館では、食事サービス以外にも高齢者向けの料理教室等、調理スペースを有効に活用した事業を特色のひとつとして展開していくことを考えています。

 次に、戸山ことぶき館のお風呂廃止の背景についてです。
戸山ハイツの設備状況や戸山地区の状況等を把握し、様々な観点から検討を行い、入浴に見守りが必要な方には別の方法で入浴機会を提供することが望ましいと判断しました。
 次に、東戸山在宅サービスセンターで行う予定の入浴事業についてです。
 この事業は、単身高齢者等で自宅での日常の入浴が困難な方を対象とした、福祉的観点に立った入浴事業と考えています。
 現在の東戸山在宅サービスセンターには、個浴が2槽あり、午前中はデイサービスの利用者が利用しています。既存施設の有効活用という観点からデイサービスでは利用しない午後の時間帯を使って一般向けの事業を予定しています。
 介護保険事業であるデイサービスには影響のないよう、入口は別にする等の設備面での検討も進めています。また、見守りのための人員も配置する予定です。
 対象人数、対象者の選定、利用料金等の具体的内容については、現在、検討中です。今後も、関係部署と十分に協議し、皆様が安心して利用できる事業にしていきたいと思っております。
 なお、この事業は戸山ハイツの地域特性に配慮したものであり、現時点で、他の区立及び区有施設での実施は想定しておりません。

 次に、ことぶき館の機能転換におけるお風呂の取扱の判断基準についてです。
ことぶき館の機能転換にあたり大規模改修を行う際は、お風呂は廃止しその面積を他の用途に振り向ける事を基本としています。信濃町シニア活動館については、工事内容及び、お風呂があってもシニア活動館の機能は十分に発揮できる等の判断から、お風呂を存続しました。
 しかし、50歳以上の方が利用し、社会貢献活動、介護予防事業を展開していくシニア活動館では、お風呂ではなく、その本来的機能に即した用途に使えるスペースが必要です。
 戸山ことぶき館のシニア活動館への機能転換では、調理スペースを整備することで、シニア活動館としての特性を発揮し、社会貢献活動や介護予防事業の拠点として有効活用していきたいと考えています。
 また、今後も大規模改修を伴うシニア活動館への機能転換にあたっては、同様の考え方で進めてまいります。

 次に、今後のことぶき館のあり方についてです。
 ことぶき館の機能転換については、第一次実行計画において、シニア活動館2館と地域交流館7館の機能転換をすることとしています。現在、シニア活動館2館、地域交流館6館が開館し、計画どうり進んでいます。第二次実行計画の策定にあたっては、ことぶき館の機能転換について、これまでの成果を検証したうえで、設置数や内容等についても検討していきます。その際に、「区民討議会」方式を踏まえ区民に十分に説明するとともに、パブリックコメント等に寄せられた意見と併せて総合的に判断していきます。
 以上で、答弁を終わります。

(あべ早苗議員)
 信濃町と戸山の取扱の違いについて説明をうけたが、これでは納得できない。信濃町だけが特別であり、今後、シニア活動館の風呂は一切なくすと理解してよいか。

(福祉部長)
 そのとおり。

(あべ早苗議員)
  戸山の風呂はゆったりしており、2~30人が利用してきている。区の宝をつぶす必要はない。
 利用者が固定化していることが廃止の理由とのことであるが、食事サービスを開始しても、利用者は固定化していくのではないか。風呂との差別化の基準を問うていきたい。
  

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