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◆四十一番 (笠井つや子)
二〇〇〇年新宿区議会第一回定例会に当たり、私は日本共産党新宿区議会議員団を代表し、区長並びに教育委員会に質問いたします。
まず、最初に区政の基本方針説明について質問いたします。
新しい千年紀が明けました。その第一回の定例会である本区議会は、二十一世紀に向けて新宿区政がどのようにかじ取りをしていくのかが問われる大変重要な区議会です。
区長は九十年代を振り返って「失われた十年」という言い方をしていますが、戦後最悪の不況の十年だったというのが区民の生活実感です。「職場はリストラの嵐で、生活が苦しい」「将来が不安だ」という区民のこの声にまっすぐこたえ、国民だれもが希望を持って生きていける日本をつくる、その道筋を示すことが今政治に携わる者の責務となっています。ところが、国政では与党三党の関心はもっぱら連立をどう維持・延命させるかということのみで、国民が求める解決策を何ら示していません。日本共産党は来るべき総選挙で、国民不在の自自公体制に厳しい審判を下すため全力を挙げる決意です。
新宿区政はどうでしょうか。区長はことしを区政改革プラン実施の最初の年と位置づけ、この不況の中、区民の暮らし・福祉を次々削り、区民負担を一層ふやそうとしています。区長はそれを合理化するために、「時代の変化に明敏に対応する区制をつくるためだ」と言います。
そこで、まず初めに、区長御自身がその時代の変化なるものをどう認識しているのかお聞きします。
まず第一に、国と地方の借金と財政のあり方の問題です。小渕首相が内閣を発足させたとき四百五十兆円だった国と地方の借金は、今では五百四十兆円です。なぜこんなに借金が膨らんだのでしょう。答えは明瞭です。十三年前、六百三十兆円という公共投資基本計画がつくられ、ともかくこれを使い切るため目的を考えない、採算性も考えない、環境が破壊されることも考えない、むだな公共事業に毎年五十兆円も投資してきたからにほかなりません。新宿区の借金が急膨張したのもちょうどこの時期です。区長も基本方針説明で認められているとおり、この計画が景気対策として全く効果がないことは、もはや明らかではありませんか。
公共事業へのばらまきの一方で、社会保障への国庫支出はこの十数年間で大幅に圧縮されてきました。社会保障財源の中で国の負担が占める割合は一九七九年度には二九・九%ありましたが、それが十八年後の一九九七年には一九・〇%、三分の二に切り下げられてしまいました。今、全国の地方自治体が財政難で苦しみ、介護保険の発足に当たり財源確保に頭を悩めています。今こそ国は公共事業最優先の財政運営を改め、予算の主役を暮らしや社会保障へ転換すべきときだと思いますが、区長のお考えをお聞きします。
第二に「リストラ万能論」「市場原理万能論」への警告の問題です。今、リストラ、規制緩和の流れに対して各方面から批判の声が上がっています。社会経済生産性本部のメンタルヘルス研究所は、昨年八月に発表した調査結果で、「リストラによる従業員の減少は従業員の無気力を増長し精神を不安定にさせる。人的資源がこのような状態に陥っては今後の日本企業の再生はあり得ない」と警鐘を鳴らしました。日経連会長の奥田碩トヨタ自動車会長は昨年十月、文芸春秋誌上で「経営者よ、首切りするなら切腹せよ」と述べています。規制緩和の流れのもとで広がった大型店進出、マンション建設ラッシュに対しても「地域経済を守れ」「環境を守れ」の声が上がっています。
八十年代から九十年代にかけて民間活力の導入、自立自助、受益者負担、規制緩和の名のもとに、国や地方自治体が民間企業のまねをして職員を減らし、福祉や教育を市場原理にゆだねてしまおうとする動きがはやりました。区政改革プランでも社会構造の改革、適切な民間との役割分担、市場原理の適用がうたわれ、施策切り捨ての基本的考え方になっています。しかし、「リストラ万能」「市場原理万能」の考えに対しては、当の民間企業の側から、その行き過ぎに警告の声が上がり始めているのが現実です。区長はこれらの警告をどう受けとめておられますか。自治体の施策に市場原理を導入することが時代の流れなどと安易に言えないと思いますが、どうお考えでしょうか。
最後に、区政の基本姿勢にかかわって、区長が御自身の責務をどうとらえておられるかお伺いします。
この四月から施行される新地方自治法はその第一条で、地方自治体は住民福祉の増進を図ることを基本とすることが規定されます。今この立場を文字どおり実践することが求められています。区長はかねてより「区民に役立つ区政」と述べてきたではありませんか。構造改革という言葉を振り回し、冷たく区民施策を切り捨て、行政に依存しないことを新しい潮流だと手放しで褒めたたえることではないはずです。区長は基本方針説明の中で、職員に対しあれこれ求めていますが、新宿区の新生のために今一番求められているのは、区長自身が地方自治の原点である住民奉仕の精神にしっかり立つことだと思いますが、いかがでしょうか。お答えください。
次に、都と区の新年度予算と区民の暮らしを守る立場からの行財政運営について伺います。
石原慎太郎東京都知事は二月七日、東京都の二〇〇〇年度予算案を発表しました。この中ではシルバーパスの全面有料化や老人医療費助成制度、老人福祉手当の廃止、心身障害者、ひとり親家庭、乳幼児医療費の無料制度に自己負担を導入するなど、都民の命綱とも言うべき福祉関連十事業の廃止・切り下げ計画が打ち出されています。この十事業だけで都の歳出削減額は平年度ベースで一千三十三億円にも上り、都民・区民の生活、とりわけ弱い立場にある高齢者や障害者の暮らしを直撃する内容となっています。しかも、問題なのは都が財政難を強調しながら浪費的公共事業費の温存・拡大を図っていることです。
新聞報道では、都の新年度予算では投資的経費がバブル前の水準にまで抑えられたかのように伝えられました。しかし、この数字にはごまかしがあります。今年度の最終補正予算と合わせるならば投資的経費の総額は一兆円を超え、バブル前の二倍に膨れ上がっているのです。この東京都予算案で打ち出された福祉施策の削減案に対して、都民の厳しい批判の声がまき起こっていることは当然です。
私は過日、区内のある障害者団体が主催する「成人を祝う会」に出席しました。この会には区長代理の福祉部長を初め、各会派の議員の皆さんも多数出席されていましたが、主催者代表あいさつの中で、「財政難はわかるが都を初めとした行政の施策は余りにも障害者に冷たいのではないか」との言葉に胸を痛めたのは私だけではなかったと思います。新宿区障害者団体連絡協議会では都知事と都議会各派に、施策の切り下げをしないよう求める要請活動を行いましたが、新宿区障害者団体連絡協議会がこの種の要請活動を行うのは初めてということです。また、二月二十三日の都議会開会日には、平日の昼間にもかかわらず三千八百人の都民が都庁舎を「人間の鎖」で包囲し、福祉切り下げ案の撤回を要求しました。
そこで、区長にお伺いします。
まず、初めに区長がこの都の福祉・暮らしの切り下げ案をどう認識しているのかという点です。区長会は昨年十二月、都から福祉施策の見直し案が提案された際、都の提案は「区民への影響が少なからずあることなど多くの問題点を含んでいる」として、都知事あてに六項目の要望書を提出しています。今回、都の予算案が示された削減案は、昨年提案された見直し案から一部は手直しされましたが、都民生活を直撃するというその基本的中身はそのままです。区長会が昨年の要望書で述べていた都予算案の区民生活への影響や多くの問題点について、区長はどう認識しているのかお答えください。
二点目は、区としての対応についてです。今回、都が切り下げを計画している福祉関連十事業のうち、老人福祉手当や心身障害者福祉手当、乳幼児医療費助成制度など六事業は二十三区が実施主体となり、その事業経費が都区財政調整において基準財政需要額に算入されてきました。区長会の昨年の要望書でも「都の見直しによって特別区の財源配分に影響を与えることのないようにすること」と述べていたところです。
ところが、区長会は一月二十日、都区財政調整協議で都に押し切られる形でこの需要額の削減を受け入れてしまいました。とんでもないことです。しかし、これらの事業はあくまで区の事業として実施されているものであり、都区財政調整上の取り扱いがどうなろうとも、その実施の判断は各区が行うものです。だからこそ、江戸川区長はこれらの事業を新年度も現行どおり実施することを表明し、予算措置も講じているのです。
ところが、小野田区長は区の予算概要の冊子の中で、都の福祉見直しに伴い、区としても見直しを実施する意向を表明し、さらに全員協議会の場では、関連条例案と補正予算案を追加議案として提出する予定であることを明らかにしました。都に財源のカットをしないように求めておきながら、それが押し切られたからといって区民、特に高齢者や障害者に犠牲を転嫁するとは余りにもひどいではありませんか。
区民の暮らし・福祉を守る姿勢に立ち、事業の現行どおりの継続に努めながら、都に対し予算の復元を求めることこそ区民の立場に立った区政運営と言えるのではないですか。
また、追加議案の提出時期について区長は、予算特別委員会の開始日には間に合わない旨を明らかにしています。災害の発生など緊急事態ならともかく、議会に提出した当初予算を審議途中に補正するなどということは、議会軽視も甚だしいと言わざるを得ません。これらの指摘に対する区長の御見解をお示しください。
続いて、区民の暮らしと福祉に大なたを振るう区政改革プランの全面的具体化となった区の予算案に関連して質問いたします。
区長は新年度予算について、「区民の暮らしを支えていくことができる区財政の再構築を図り、区の将来展望を切り拓く予算」と位置づけたとしています。しかし、果たしてそうでしょうか。率直に言って、区民の暮らしを圧迫し区財政の再建の見通しが立たず、将来展望を見出せない予算となっているのではないでしょうか。そのことを端的に示しているのが、区政改革プランで想定した歳出削減計画を達成したにもかかわらず、なお財源不足額が拡大していることです。私たちはかねてから、自らの収支バランスだけからのリストラ策では区民生活が冷え込み、一層の税収減をもたらし、財政立て直しも遠のいてしまうということを強調してきました。新年度予算の財源不足の主な要因が区民税の減収にあることは、まさに私たちの指摘を裏付けています。
先日、町会長と老人会長の方が私たちの議員控室をたずねられ、ことぶき館で行われている各種講座が廃止されることについて、「生きがいのためにやっている趣味の講座を有料にしたら参加できない人が出てしまう。介護保険で負担がふえ、その上福祉の施設まで有料化では何のための福祉か。金がないというなら、元気な老人がふえれば財政だって助かるのに、区のやっていることは逆さまだ」と怒りをぶつけておられましたが、全くそのとおりです。私は、区長が住民福祉の増進を基本的役割とする自治体の責務からして、予算案に示されるような不況下の区民生活の押しつけと施策の切り下げの方向から、区民生活をしっかりと支援し区民生活に活力を取り戻す中で、財政立て直しの道筋をつけていくという区政運営に転換すべきと思いますが、いかがでしょうか。
その上で、二点目として、そのような区政運営を行うための財源確保策について提案し、区長の見解をお伺いします。
その第一は、商工業融資資金の原資としての預託金の活用についてです。現在、区は大手の都市銀行や信用金庫、信用組合などに総額十一億一千六百万円の預託をしています。これらの預託金はもちろん単なる貯金ではなく、各種融資資金の原資として預託されているわけです。しかし、実際の融資あっせんの運用を見るならば、この預託金の有無で融資条件が緩和されているわけではありません。金融機関はあくまで申込者の事業内容や返済能力を厳密に審査し、融資するかどうかを判断しているのです。
また、高金利の時代は預託金の利子が区の歳入に貢献するという意味もあったわけですが、今ではそうしたメリットはありません。したがって、これだけ財政逼迫を強調しているわけですから、この際、預託金の引き上げについて金融機関側と真剣に協議してはいかがですか。もちろんこのことにより、制度融資の事業を縮小すべきでないことは当然ですので、念のため申し上げておきます。区長のお考えをお示しください。
第二は、都市計画道路補助七十二号線関連用地の買い戻し経費の繰り延べによる財源確保についてです。新年度予算ではこの買い戻しなどのための経費として約二十億円が計上され、まさに突出しています。この経費の繰り延べについて私たちはこれまでも提案してきましたが、区長の答えは「利子負担を考えると、たとえ財政が苦しくても早く買い戻すべきだ」というものでした。しかし、この区の言い分は今や矛盾を抱え込んでいます。その一つは、区が今定例会に提案した九九年度の最終補正予算で、七十二号線用地の買い戻し経費の財源として四億九千三百万円の起債を起こしていることです。
利子がつくから早く買い戻すのだと言いながら、その財源として利子のつく借金をするというのですから、まさに自己矛盾と言わなければなりません。私は区長が従来の主張に固執することなく、この際、我が党の提案に真剣に耳を傾けることを要求いたします。
第三は、これも重ねての提案となりますが、法定外普通税と目的税の創設の問題です。この点に関しては、まず、石原都知事が打ち出した大手銀行を対象にした外形標準課税の導入について、区長の評価をお伺いしておきます。
我が党は既に二年前に都議会の質問で、大銀行に対象を絞った外形標準課税を提案していました。今回の石原都知事の提案は、まさに我が党の提案どおりの内容となっています。一九八九年には二千百三十四億円に達していた大手銀行二十行の法人事業税が、業務純益は減っていないにもかかわらず、九九年にはわずか三十四億円に激減しているわけで、今回の措置は道理にかなったものです。圧倒的多数の都民が歓迎しているのも当然です。しかし、地方分権の推進などと言っている政府は、またしても不当な圧力と妨害を行いました。とんでもありません。区長は石原都知事が打ち出した大手銀行への外形標準課税と、政府の圧力にどういう見解をお持ちなのでしょうか、お伺いします。
その上で質問いたします。
私たちはこの四月から施行される新地方自治法で、創設が容易となった法定外普通税と目的税について、区民生活を守る立場からの検討を早急に開始することを求めてきました。具体的には、新宿という立地を活用して事業活動を展開している大手事業者を対象とした新税の創設です。石原都知事の判断も参考にし、区長の決断を重ねて要求し、答弁を求めます。
次に、区有財産の売却や貸付について質問します。
第一に、区長が基本方針説明で区有地の売却に触れた問題です。基本方針説明の中で、区長は第二次実施計画の策定のために区有地を売却せざるを得ないと三度にわたって述べられました。昨年十二月二十一日の公有地等対策特別委員会では、特別出張所や学校跡地など十二施設を貸し出すとの報告がされました。その際、区は学校法人等の建てかえの際の仮校舎として借り手がつけばいいという希望まで示されました。私たちは住民合意のない貸出には賛成できませんが、売却となれば事は一層重大です。
区有地は区民共通の大切な財産です。私の住んでいる地域でも学校跡を避難所、サッカー場、介護施設などに使いたいと住民からさまざまな要望が出ています。区はこれまで、学校統廃合した跡は住民の要望を聞いて活用すると言ってきました。その約束をほごにして売却してしまえば、多岐にわたる区民要望にこたえることができません。区長の言う売却は、十二月の報告で貸出となっていた施設を売却するという趣旨なのかどうか、まず伺います。
もしそうであるならば、報告からわずか二カ月程度しかたっていない、まさに朝令暮改であり、区当局の財政見通しや運営に対する信頼が保てません。なぜ「貸出」から一転して「売却」に変更したのか、その理由についても述べていただきたいと思います。
第二に、新地方自治法でうたわれている「住民福祉の増進を図る」ために区有財産を活用することについてです。介護保険制度を実施する上で、今基盤整備が決定的におくれています。とりわけ施設系サービスは土地の確保がネックとなり、いまだ供給の見通しが立っておりません。介護保険事業計画ではサービス量確保策の具体例として、「区有地、区有施設の有効活用
(統廃合小中学校跡地の活用等) 」がうたわれており、供給量を確保することは区の責務です。
「角筈出張所管内には高層ビルばかりで介護施設が一つもない。統廃合した学校跡地を使ってお年寄りの施設をつくってほしい」という要望があることを述べておきます。また、清掃事業の区移管を踏まえてのリサイクル活動の拠点、資源化施設整備のおくれに対応した活用も求められています。区長は介護保険や清掃事業の基盤のおくれをどう認識しているのでしょうか。今後基盤整備を進めるための具体策と、そのために特別出張所や学校跡地などを検討する意思はあるのかどうかお聞きします。
第三に、箱根岡田高原学園や館山さざなみ荘などは貸付対象から外すべきです。この二施設については区政改革プランで廃止予定とされた後、区民から存続の要望が出されています。廃止も決まらぬさきから貸出を決定することは余りにも強引すぎるのではありませんか。少なくともこの二施設については対象から外すべきと考えますが、区長の見解をお示しください。
第四に、公有財産運用・価格審査会の構成についてです。二十三区では公有財産を処分したり取得する際の価格を審査・評定する審議会の設置は、条例によって定められている区が多く、委員会は学識経験者と区職員、区によっては区議会議員で組織されています。委員の比率では学識経験者の方が高くなっています。しかし、新宿区では公有財産運用・価格審査会は条例ではなく規程で定められており、この審査会は助役が会長、委員は区の幹部職員のみで構成されています。第四条に顧問を置くことができるとの規定はあるものの、義務規定とはなっておりません。同審査会は取得や処分の適正価格を審査するという重要な役割を担っており、公開制を高め、公平性を担保する上でも学識経験者など、複数名の外部委員を構成メンバーに加えるべきだと思いますが、区長はどのようにお考えなのか伺います。
次に、介護保険事業と高齢者保健福祉事業について質問をいたします。介護保険実施まであと一カ月となりました。新宿区介護保険事業計画等作成委員会は約一年半の議論を経て、二月八日に最終報告をまとめました。その過程で、中間のまとめの素案の段階から区民の意見を聞くための一定の努力がなされ、情報公開も積極的に行われたことは、他の自治体と比べても評価できることです。四人の公募委員を含めた作成委員の皆さんや、事務局の皆さんの御苦労に改めて敬意を表するものです。
質問の第一は、ケアプランの作成とケアプランに基づいたサービスの実施まで区が責任を持って援助する問題です。区長は区政の基本方針説明の中で、介護保険について「多くの点でわかりやすい仕組みとなっております」とか、「より合理的なシステムではないかと考える」などと述べていますが、今回の介護保険ほどお年寄りにとってわかりにくく、非合理的な制度はないというのが、この間多くの区民から相談を受けた私たちの実感です。制度そのものが理解されていません。要介護認定を受けてもケアプランの作成を依頼しなければならないこと、ケアプランに基づいて事業者と契約しなければ、サービスが受けられないことを知らないお年寄りがほとんどではないでしょうか。
こうした手続をしなかったために、これまでサービスを受けていた人が四月一日からぷっつりと途切れてしまうようなことがあってはなりません。このことが今大きな問題としてマスコミでも取り上げられています。
区としては、これまで何らかのサービスを受けていた人には要介護認定を申請するように働きかけ、要介護、要支援の認定がされた人にはケアプラン作成を依頼されたかどうかチェックをされていますが、それでもなお在宅で要支援、要介護の認定を受けた人約二千五百名のうち、ケアマネジャーにケアプラン作成を依頼した人は約千百人と聞いています。認定だけ受けたという人を除いたとしても、相当数の人がケアプランを作成しないまま取り残されているのです。早急に対策をとるべきです。
民間事業者によるセールスも盛んに行われていますが、利用料を払えるだけの財力が十分ある人や、要介護度の高い人を優先しているという話がされています。そうなると、低所得者などが取り残されてしまうのではないかという心配があります。介護を必要としている人が一人も取り残されることなく、四月からのサービスがスムーズに行われるためには民間任せにせず、区として責任を持って対策をとるべきです。区民の状況を一番把握できる立場にあるのは区の職員です。通常業務もあって大変だとは思いますが、区として早急に臨時体制を整え、区職員のケアマネジャーが総がかりでケアプラン作成を進めるべきではないでしょうか。
質問の第二は、保険料、利用料の減免についてです。実施を一カ月後に控え、今各地で保険料、利用料の減免措置が行われようとしています。例えば、狛江市では一号被保険者のうち、住民税非課税世帯の老齢福祉年金受給者については保険料を全額助成し、ホームヘルプサービスの利用料も全額助成する要綱を定める方針です。三鷹市では世帯全員が住民税非課税の人についてホームヘルプサービスの利用料を、自立の人も含めて当面三年間無料とし、通所介護、通所リハビリの利用料は住民税非課税の人はすべて当面三年間は無料とする方針です。お隣の渋谷区はホームヘルプサービスの利用料を三%にする国の特別対策に加え、新規利用者にも適用する措置を講じると聞いています。
国の特別対策は時限的な措置であり、ホームヘルプサービスについては新規の利用者は対象としないなど、問題の根本的解決にはなりません。要介護認定は受けたけれども、利用料が払えそうにないからケアプランの作成は頼まないという人や、限度額いっぱいのサービスが利用したくてもできないという事例もあります。また、保険料を払えなければ、そもそも介護を受けられないのです。保険あって介護なしにしてはなりません。
新宿では第一号被保険者の保険料第一段階該当者が千二百四十六人、その二〇〇〇年度の保険料見込み額は六百七万五百十二円です。介護保険を理念だけに終わらせないためにも、区として低所得者に対する保険料、利用料の減免制度をつくり、他の自治体がやろうとしているように、せめて保険料の第一段階は免除する、居宅介護サービスの利用料は第二段階まで無料とする措置をとるべきではないでしょうか。
質問の第三は、紙おむつの支給についてです。国は特別対策の中で家族介護用品支給事業として紙おむつ、尿とりパット、使い捨て手袋、清拭剤、ドライシャンプーなどを対象としていますが、区はこのうち紙おむつのみの支給を事業化しようとしています。しかも、対象を国が示した基準どおりの要介護四、五の認定を受けた人に限定しているため、現在支給されている人の約半数が対象から外されてしまいます。これは区政改革プランでうたっていた「真に必要な人」という対象をさらに狭めてしまうものです。必要ないのに申請する人はいないのですから、区としても、少なくとも紙おむつについては必要な人すべてに支給するようにし、また対象用品も国の制度にあわせて拡大すべきではないでしょうか。
質問の第四は、介護保険導入に伴って生じる障害者施策の後退の問題です。介護保険は他の制度より優先する制度となることから、医療や障害者福祉との関係で混乱が予想されています。若いころから障害を持ち、障害者施策としてのホームヘルプサービスを受けていた人も、特定疾病が原因となった障害の場合、介護保険の対象とされ、これまでホームヘルプサービスなどを無料で受けていた人も自己負担が生じるため、大変経済的負担となります。私の周りでも、低肺機能で二十四時間酸素をつけた寝たきりの夫を、障害者の妻が見ているという御家庭がありますが、「これからのことを考えると不安で眠れない」と言っておられます。国の特別対策では、障害者ホームヘルプサービスを利用していた六十五歳以上の低所得者の利用料負担を軽減し、五年間は三%にする措置がとられますが、区としてさらに上乗せをして、低所得者の障害者に対するホームヘルプサービスはこれまでどおり無料にすべきではないでしょうか。
以上、四点について区長の御答弁をお願いいたします。
〔発言する者あり〕
次に、商工行政について質問いたします。
今日、長引く不況のもとで商店街、中小小売店は消費不況と大型店の進出で二重苦に陥っています。一方、銀行の貸し渋りや資金回収が激化する中で、商工ローンの被害も急速に拡大しています。「いつつぶれても不思議ではない」と多くの業者の皆さんの声を聞いています。既に新宿区では第一種と第二種の大規模店舗の合計で、店舗面積は約五十万平方メートルと都内で最大です。また二十四時間営業のコンビニエンスストアが区内には約二百店舗という状況になっていて、地域環境や地元商店街に多大な影響を及ぼしています。
この上、この五月末で大店法が廃止されます。これによって、小売商店や商店街の閉店や崩壊がこれまで以上に進むのではないかという不安が広がっています。一方、六月に新たに施行される大規模小売店舗立地法では大型店の出店が前提であり、これまで大店法にあった、周辺の小売業との調整という目的も外されることから大型店の進出が容易となり、中小小売業にとって深刻な影響を受けることになります。
このままこうした事態が推移し業者が少なくなれば、一つには区の税収が減少し、また区内には住み続けられず人口減少を招く。二つ目には町に活気がなくなる。地域コミュニティが崩壊し、高齢者社会と言われる中で町や地域での支えあい、助け合いができなくなっていくのではないでしょうか。新宿駅周辺だけは副都心として活気を帯び、大店舗やコンビニエンスストアがふえてもお祭り、盆踊り、夜警、町内会活動、商店会などが活発になるわけではありません。今こそ、この新宿の現状の沿って思い切った商工行政を行うべきです。
大店法が廃止され、大型店の出店への対応は改正都市計画法や大店立地法によることになりましたが、それでも生活環境を保持するために必要な措置を講ずることができるという条項が残っており、それを活用することも重要です。こうしたことが実効性を持つように、新宿区としても「大規模小売店舗の出店に伴う生活環境対策要綱」を発展継承させ、独自のまちづくり条例を制定し、大型店の出店に必要な規制措置をとるようにすべきだと思います。また、改正都市計画法に基づき特別用途地区として中小小売店舗地区をつくるなど、これ以上の大型店の進出を規制するようなゾーン規制に真剣に取り組むべきだと思います。
次に、中心市街地活性化法の活用についてです。活性化法では自治体が基本計画を策定し、まちづくりの管理をしていこうとする組織として、まちづくり推進組織、いわゆるTMOを設置できるようになっています。そこで、商工会議所等とともに住民も積極的に参加するTMOづくりを検討してはどうでしょう。
そして、基本計画は、その地域に住む人たちが心地よい生活をするためのまちづくりが前提にならなければなりません。これまでのコンサルタント会社がつくる計画ではなく、住民参加型のTMOによる計画策定が求められています。商店街の活性化とまちの活性化は表裏一体です。したがって、地域振興課、特別出張所、商工課とともに都市計画調整課、開発指導課等が一体となって、経営診断士の力も借り「元気を出そう、わが町、わが商店会」とか「がんばっています、わがまちの中小企業」など、住民参加のTMOをつくり、地域経済振興のために皆さんとともに話し合い、振興策をつくっていってはどうでしょうか。
新年度予算では工業集積地活性化事業などに取り組むことになっています。また、産業振興会議の答申を受けた実態調査や広域商店街診断なども行われます。そこで、空き店舗対策やあるいは共同事業の試み、また幾つかの業者の共同化の試みなど、今後の商店会や中小企業の皆さんの新たな事業などに、こうした融資制度の創設をすべきと思います。
昨年、中小企業基本法が改正され、国の政策は中小企業全体から優良中小企業への個別支援と後退しましたが、一方では地域経済を支える中小企業政策を自治体が策定できるようになりました。今こそ「ファイト、新宿区の中小企業、中小業者」という気持ちで、商工行政に区長が先頭になって取り組むために中小企業振興条例を制定し、地元、業者、住民、専門家を加えた現在の産業振興会議をさらに発展させた形で、地域経済振興会議を設置し、中小業者の要求、地域の要求を機敏に、正確に施策に反映できる体制をつくるべきだと思います。
以上について、区長のお考えをお聞かせください。
次に、清掃事業についてお聞きします。
いよいよ本年四月、清掃事業が東京都から二十三区に移管されます。清掃事業が身近になることで区民の皆さんは大きな期待を寄せています。その期待にこたえるためには、基礎的自治体として横並びでない新宿区の独自性が求められると思います。
そこで、区長に質問いたします。
第一は、可燃ごみの収集回収をふやすことについてです。昨年十月から可燃ごみの収集が週三回から二回になりました。可燃ごみを減らしてでも古紙回収を行う、この意味の理解が困難であり、多くの区民はこれをサービス低下と感じています。商店街や飲食店、一般の区民からも「これからどんどん暖かくなることを考えると恐ろしい」という声が上がっています。そこで伺いますが、やはり可燃ごみ収集は三回に戻すべきではないでしょうか。
質問の第二は、小規模事業者に対する事業系ごみの減免措置についてです。東京都は一九九六年十二月から事業系ごみの全面有料化を実施しました。これは中小零細業者にとって大きな負担になっています。区内のある八百屋さんは、有料化になって生ごみだけで月に約一万円かかりました。現在は生ごみを液体化させる粉砕器を使用しており、このリース料月八千四百円、その他のごみとあわせてごみ処理経費は一月に約一万円五千円、年間十八万円にもなり、大変な負担です。
都は実施に当たって激変緩和として生業的・家業的事業者に対して減免措置を行いました。その後も、長引く不況による中小業者の厳しい状況があり、都議会は一九九八年三月、減免措置の再開を全会一致で決議し、都も経済対策の一つとして減免措置を再開せざるを得ませんでした。区内の中小業者も非常に深刻な状況であり、支援を求めているのは区長もご存じのことと思います。
そこで伺いますが、小規模事業者への減免措置を区として行うべきではないでしょうか。
なお、これに関連して、移管に伴う有料シールの取り扱いについてお聞きします。
都から区に移管されるにあたり有料シールは区が発行することになりますが、経過措置として都の有料シールも六月末まで使えることになっています。これを過ぎると都の有料シールは無効になってしまうため、区は取扱店に六月までというポスターを貼らせ、販売のときには口頭でも伝えるよう指導していますが、まだ都から区に移管されることさえ知らない事業者もいるのです。今回の移管で何よりも配慮しなければならないことは、移管に伴う混乱やサービス低下を避けることです。
そこでお聞きしますが、取扱店に対して周知の責任を押しつけるのではなく、区が主体的にこれを周知徹底すべきです。そして、六月末を過ぎて業者の手元に残ってしまった都のシールは、すべて買い取るよう東京都に要請すべきです。
質問の第三は、家庭ごみの有料化についてです。
私もリサイクル推進協議会委員として、一般廃棄物処理基本計画の策定にかかわってきました。私は計画案に対する意見を出し、家庭ごみ有料化について言及した記述の削除を求めましたが、計画ではリサイクル清掃審議会等の場で議論すべき課題となりました。これは区にとってごみ処理経費が大きな負担なので、住民も負担を分かち合ってくれということです。しかし、日本ではそもそも製品をつくる企業の責任を免責しているのが自治体過重負担の主な原因です。製造者責任を明確にした法律を早急につくることを国に強く求めていくべきで、家庭ごみの有料化は行うべきではないと考えます。
質問の第四は、捨てれば粗大ごみになってしまう家具や家電製品等のリサイクルについてです。現在、フリーマーケットやリサイクルショップ、また雑誌やインターネットなどさまざまな媒体で不要物の交換が旺盛に行われており、中でも家具や家電製品は目玉商品のようです。一般廃棄物処理基本計画の中では、資源化施設として公共施設等を活用し、家具の再利用を内容とした施設を目指すとしています。私はこの「公共施設等」に含まれる統廃合した学校の空き教室が、すぐにでも使える施設として活用に最適だと考えます。
以上、四点について答弁を求めます。
次に、大気汚染防止とディーゼル車対策、道路建設の見直しについて伺います。
一月三十一日、自動車の排ガスなどで苦しむ公害認定患者とその遺族らが、国と阪神高速道路公団に対し大気汚染物質の排出差し止めと損害賠償を求めていた尼崎公害訴訟で、神戸地裁は大気汚染訴訟では初めて、排出差し止めを命じる画期的な判決を言い渡しました。判決は九五年の西淀川、九八年の川崎公害訴訟に続き、三たび自動車排ガスと健康被害との因果関係を認めた上、大気汚染地域に住む原告に加えて、通勤する原告の被害も認定し損害賠償を命じたのです。さらに、国、公団に対して一立方メートル当たり一日平均〇・一五ミリグラム以上の浮遊粒子状物質、いわゆるSPMが形成をしないよう改善を求めています。
ぜんそく患者はこのところふえる傾向にあり、新宿でも十八歳以下の都条例の認定患者だけでも八八年の百三十八人から、九八年には九百六十五人と七倍です。また、区の四カ所の大気測定結果はSPMについて環境基準を達成していません。区環境保全課も、原因として自動車保有台数の伸びや大型車のディーゼル化などによる発生源の増加や、区内を縦横に走る主要幹線道路の慢性的な交通渋滞が上げられるとしています。
専門家も指摘するように小児ぜんそくが治らなくなっていること、きのうまで元気に働いていた若い人が重症の発作で亡くなるなど、軽視できない状況が広がっています。「おいしい空気を新宿でも吸いたい」「ぜんそくの苦しみを広げないでほしい」などの区民の願いにこたえるため、区の積極的な姿勢が問われています。区長はこの裁判の結果をどう受けとめているのか、区の実態についてどのようにお考えなのか、率直にお答えください。
次に、ディーゼル車の排ガス規制についてです。ぜんそくとの因果関係が指摘され、裁判でも排出の差し止めを命じられたSPM発生源のほとんどはディーゼル車の排ガスで、ガソリン乗用車の十倍から六十倍近い量を排出しています。ディーゼル車の排ガスの総量規制は避けられない課題です。東京都でもディーゼル車ノー作戦を展開しようとしています。自動車メーカーに対してディーゼル車の製造停止、除去フィルターの開発などを求めるとともに、低公害車への転換のための助成制度の実現などを国及び東京都に求めていくべきと思いますが、いかがでしょうか。
第三に、幹線道路建設の見直しについてです。先日、我が党国会議員団は尼崎の公害訴訟判決を受けて、建設省に道路事業の見直しを申し入れています。建設省道路局長は「控訴はするが、判決の重みは感じており、車線を見直すなど道路整備を見直していく」として、今後の道路行政に「地域、沿道の意見を一層反映させる努力をしたい」と述べています。新宿区でも現在、幹線道路十路線で拡幅事業を行い、さらに八事業が前期事業化予定路線として上がっています。尼崎判決を踏まえ、幹線道路建設計画については事業の存廃も含めて見直しを検討すべきと思いますが、いかがでしょうか。
第四に、大気汚染被害者の救済についてです。十八歳以上の未認定患者の救済のため、公害認定指定地域を復活するよう国に強く要求をすべきと思います。また、同時に都が来年度実施しようとしている大気汚染の公害認定患者への医療費助成制度に、一部自己負担を導入する計画を撤回し、逆に年齢の拡大を図るような被害者救済策を求めるべきと思いますが、区長のお考えをお聞かせください。
次に、いわゆるホームレス対策について質問いたします。
新宿区内におけるホームレスの人は約一千名と言われていますが、その内容が長期の不況のもと極めて深刻になっています。これは区内の例ではありませんが、ある区では建設関係の自営業者が仕事不足から債務超過となって、行方不明となり、公園でブルーシートのテント生活に陥ってしまったのですが、その家庭には子供がいて、公園から学校に通学していたということがわかったそうです。実際、最近ホームレスの人々はついこの間まで定職についていたり、商売をしていた方がふえているようです。ホームレス生活をしている人は決して特別な人ではなく、だれもがいつ何どきホームレスになってしまうかもしれない、今の経済不況はそういう段階に達しているのではないでしょうか。
ホームレス問題は新宿区議会の中でも繰り返し議論されてきました。二年前の第二回定例会では我が党の提起に基づき、国に対し総合的な路上生活者対策を求める意見書を全会一致で議決し、提出しています。こうした地方自治体の働きかけが一定の成果を上げ、国においても昨年二月、ホームレス問題連絡会議を設置し、五月には五項目の施策方向からなるホームレス問題に対する当面の対応策が決められ、この方針に基づき現在国会で審議されている二〇〇〇年度政府予算案では、ホームレス自立支援事業として八億九千万円が予算計上されました。この事業は地方自治体が設置する自立支援事業に対し、国が経費の二分の一を補助するというもので、二〇〇〇年度は全国八カ所、定員千三百名を予定しているとのことです。
国が初めてホームレス対策を予算化したことは重要なことですが、このことが自立支援センター事業の効果的促進に単純に結びつくものでないことは、センター設置をめぐる現状が物語っています。地方自治体の施策への財源措置をしたことだけでは国の責任を果たしたことにはなりません。
アメリカではワシントンなどでホームレスが裁判で勝訴するという経過の中で、国の責任を明記したマッキーニ法が制定されていることは有名な話です。また、最近発売された週刊誌によると、お隣の韓国でも我が国をしのぐホームレス対策が実施されているそうです。記事によると、ソウル市庁舎には対策班が設置され、約三百名の専従職員がホームレスの人たちの衣食住の世話から就業の面倒まで、幅広いケアを行っているそうです。施設面の整備も進んでいるようです。
我が国でも国の責任を明確にする法整備と、それに基づく取り組みが強く求められているところですが、当面国の決めた対応策の早期の全面的実施が必要になっています。国の当面の対応策では雇用の安定や住まい等の確保についても、例えば日雇い労働者を多数雇い入れる事業主に対する奨励金支給制度を初め、幾つかの具体例が示されています。しかし、これらについては今回の国の予算案においては具体的方向が明らかにされておりません。新宿区は東京都及び政令指定都市以外で唯一連絡会議に参加している地方自治体です。区長はホームレス問題に対する国のこの間の動きをどう評価し、また国に対して当面の対応策で掲げられた事業の早期具体化と実施を、どう働きかけていこうと考えているのかお答えください。
また、都と区が共同で設立を勧めている自立支援センターについても、従来のように何十人という規模では近隣住民の合意を得るのはなかなか困難と思われます。数名単位でも設置できるようにすれば住民の理解を得やすくなるのではないでしょうか。こうした点も踏まえ、区長は自立支援センターの設置についてどのような姿勢で臨んでいるのでしょうか、お答えください。
この質問の最後は、ホームレスの人たちの実態把握についてです。さきに述べたように、年少者さえテント生活をする事態まで生まれています。区としても現行法や制度に基づき緊急に保護することが可能、かつ必要な事態が生まれていないかよく調査し、敏速な対応をすることが求められています。こうした問題への認識について区長の見解を求めます。
次に、北新宿四丁目の住環境の保全のために、日影規制を回復させることについて伺います。
昨年十一月、千八百八十五名を超える署名を添えて「仮称北新宿四丁目共同住宅新築工事に関する陳情」が議会に提出されました。そして、日照を奪う高層建築物はごめんだという地域住民の声に、建築主は建築計画を断念いたしました。今回の北新宿四丁目における建築紛争は、区の建築とまちづくり行政にとって重要な教訓を残すものとなったと思います。今回の建築紛争はこの地域が四年前の用途地域見直しに関連して、都条例に基づく日影規制の対象地域から除外されたことを要因としています。住民の一人は、「まさか自分の家の前に十四階もの高層ビルが建つとは思っていなかった。この地域の区画整理事業には泣く泣く協力させられたが、以来お互いに我慢するところは我慢し住環境を守ってきた。なのに区がこうした日影規制の撤廃という生活圏を脅かすような計画を、住民に十分説明しないで実施したことは我慢ならない。太陽の光の差さない住宅地にはしたくない」と訴えていましたが、当然の意見だと思います。
我が党は九四年の予算特別委員会で、この地域の日影規制の見直しの動きが表面化した際、日影規制を緩和することは住環境上重大な問題が生じることを指摘し、慎重な検討を求めました。これに対し区は「御指摘のことも十分勘案して検討させていただき」と答弁しました。しかし、その後、今にして思えば住民への周知と議論が極めて不十分なまま、九五年一月、都に対し規制撤廃の区原案を提出したのです。そして、結局我が党が指摘したとおりの問題が発生してしまったのです。
私は区長が今回の問題を新宿区のまちづくりを進める上で、ぜひ教訓にしていただきたいということを申し上げた上で、以下質問します。
その第一は、この地域に日影規制を回復させることについてです。確かにこの地域は都条例に基づく標準的規制値からするならば、適用外の地域ではあります。しかし、従前は区の判断として日影規制をかけ、それがさきの住民の声にあるように、住環境の保全に大きな役割を発揮してきたのです。今定例会には都市計画審議会条例の改正案が提案されています。その精神は地域ごとに住民の声を踏まえた特色あるまちづくりを進めようというものです。したがって、千八百八十五名のこの署名に込められた地域住民の願いにこたえ、この地域での日影規制を再び適用することについて住民に提起し、大いに議論を深めてもらう必要があるのではないでしょうか。区長のお考えを求めます。
第二に、まちづくりにかかわる住民説明は徹底してきめ細かく、またわかりやすくする必要があるということです。北新宿四丁目の多くの住民は建築主の説明会で、日影規制撤廃の事実を初めて知ったのです。確かに広報も出され、説明会も開催されましたが、やはり不十分だったわけです。これからは用途地域の見直しは言うに及ばず、まちづくりなどにかかわる住民生活は、より丁寧に行うべきと考えます。この点についても区長のお答えを求めます。
最後に、教育問題で二点伺います。
まず、人事考課制度導入についてです。中央教育審議会答申に基づく一連の教育改革として進められている通学区域の拡大、学校選択制度、学校評議員制度や職員会議を校長の補助機関とする問題などは、真に学校教育を保護者、地域と一緒になって立て直そうというものではありません。今やらなければならないことは子供の学びたい、わかりたいという要求にどうこたえるのか、情報を公開し、保護者や地域は何ができるのか一緒に考えていくことが求められているのではないでしょうか。まさにこれまで以上に先生と保護者、地域が一体となって取り組むことが求められています。しかし、この四月から都の教育委員会が導入を決めた人事考課制度は、教職員をランクづけして賃金や処遇に差をつけるものであり、校長の評価を気にして、教師が集団としての子供を真ん中に置いての学校運営が困難になるのではないでしょうか。これでは現在の教育問題の解決にとって大きな障害になるのではありませんか。教職員の八割もが反対しているのであり、拙速な実施を見送るよう東京都教育委員会に働きかけるべきであります。
質問の最後は、開かれた学校づくりについてです。学校運営に住民の意向を反映するために文部省が導入を決めた学校評議員制度は、校長が推薦して教育委員会が委嘱をした人から意見を聞くというもので、今求められている方向ではありません。区教育委員会は検討中ですが、この際、意見や提案など酌み上げられるよう公募をかけるなどして、文字どおり開かれた学校づくりを目指すべきです。
また、幾つかの中学校で父親懇談会やおやじの会がつくられていると聞いています。これまでは学校で問題が起こってから対応していますが、今、日常的にこうした取り組みを強めることが必要だと考えます。
以上、二点について教育委員会のお考えをお聞かせください。
以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。 (拍手)
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