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◆三十五番 (近藤なつ子)
二〇〇〇年新宿区議会第二回定例会にあたり、私は、日本共産党新宿区議会議員団を代表し区長並びに教育委員会に質問いたします。
いよいよ国会が解散いたしました。今度の総選挙は、森首相の「神の国」発言も一つの要因として、内閣の支持率が急激に下がるという情勢の中で行われます。
森内閣の支持率急落で問われているのは、森首相個人にとどまりません。森首相をひたすらかばい続け、参議院で問責決議案を否決した自民、公明などの与党の責任も重大です。同時に、その背景には、年来の自民党政治のもとで、我が国の政治・経済・外交などあらゆる分野で行き詰まり、国民がその転換を強く求めていることを指摘しなければなりません。
今、日本には介護、年金、景気、雇用、国の借金、少年犯罪など、どれ一つ取っても解決が急がれる問題が山積しています。先日、総理府は国民生活に関する調査を行ないましたが、そこでは、実に六十二%の人が、日常生活の中で悩みや不安を感じていると回答しました。戦後最高の数字です。雇用の危機は、失業者数で言えば、八〇年代最高だった円高不況時の二倍、三百四十六万人にも上り、完全失業率は四・八%に達しています。とても景気が持ち直したなどと言える状況ではありません。
〔「そのとおり」と呼ぶ者あり〕
こういう中で、こんな政権にはとても政治を任せられないというのが、国民の率直な気持ちではないでしょうか。
我が党は、二十一世紀に向けて山積みした問題を解決するため、暮らし、社会保障を中心に税金の使い方を切りかえる。国民を大切にする世間並みのルールを持った国にする。安保条約をなくすことを目指しながらも、一歩一歩平和の道を歩むこと。そして憲法を守り、政治、社会のゆがみを正すこと。子供と教育の問題に、国民みんなで取り組むことを提案し解決のために全力を尽くす決意です。
半世紀続いた自民党政治のもとで、二十一世紀に向けて日本の国の舵取りをどうしていったらいいのか、今度の総選挙で問われます。総選挙を挟んで行われる今定例会でも、ぜひこうした問題を真剣、率直に論じ合い、実りある議会にしていきたいと思います。
そこで、国政の争点ともかかわって、新宿区民が切実に願い、関心を持っている問題について、順次質問させていただきます。
前者と重複する部分がありますが、何とぞ誠意ある御答弁をお願いいたします。
まず、森首相の「神の国」発言についてです。
首相は、神道政治連盟議員懇談会で、「日本は天皇を中心にしている神の国であるぞということを国民にしっかりと承知していただく」と述べました。その後行われた記者会見でも「誤解を招いたので反省する」と述べる一方で、「間違ったことは言っていない」と開き直り、ついぞ撤回という言葉を聞くことはできませんでした。
事の重大性がわかっていないという声が上がるのも当然です。戦争中、子供たちは修身の授業で、「日本ヨイ国、キヨイ国、世界ニ一ツの神ノ国」と教えられ、一たん緩急あればと戦場に駆り出されて行きました。終戦直後、国会で「教育勅語排除に関する決議」が上げられた最大の理由も、詔勅が主権在君並びに神話的国体観に基づいているからにほかなりません。
首相の発言は、戦争中の神国思想を美化し、主権在民を否定するもの、政教分離の原則に反するものです。その後も首相は、我が党に対する見当違いの発言の中で、「日本の国体が守れるか」と戦前の「国体護持」の思想をあからさまに述べており、誤解を招いたとか、事実上の撤回などと言ってごまかすことはできません。
そこでお伺いします。
区長は、今度の森首相の発言をどのように受けとめているのでしょうか。主権在民否定につながる発言として、撤回すべきと思わないでしょうか。答弁を求めます。
次に、介護保険についてお伺いします。
介護保険が四月から始まり、私たちが予想をしていたような深刻な事態があちこちで起こっています。新宿でも、我が党区議団にさまざまな声が寄せられています。
利用料の負担が重く、必要なレンタルの介護用ベッドを返し、ヘルパーの派遣時間も減らし、介護負担もふえ、症状が重くなっている要介護度二の方。せめて入浴をと願う家族の方が、ことしの二月に訪問入浴を申し込んだが、一割の利用料がかかることがわかり断ってしまった要介護度三の方。ヘルパーさんと話をするのが楽しみだったのに、介護保険でかえって派遣時間が短くなり、その不安から痴呆が進み、家族の負担が精神的にも、肉体的にもふえているケースなどなど、これはまだほんの一部の例に過ぎませんが、このまま放置しておけば、四月一日に新潟県で起こった、老夫婦の無理心中という痛ましい事件が他人事ではなくなってしまいます。
そこで、私たちが調査し、つかんでいる実態から、緊急に改善を図るための幾つかの提案、質問をいたします。
質問の第一は、区が介護を必要とする区民の実態を正確につかむことです。
これまでは、区が福祉サービスを提供する場合、利用者の所得に応じ対応していたため、区は所得階層別の利用者状況を把握していました。ところが介護保険下では、区は認定状況はつかむものの、それぞれの利用者がどのくらいのサービスを受け、所得によって抑制は起こっていないかなどを把握しておらず、このことが区の対応を緩慢にさせている原因になっていると思わざるを得ません。
やはり、区は保険者としての責任において、直ちに区民の実態をつかむべきです。例えば東久留米市のように、すべてのプランの写しを提出してもらい、実態をつかみ、それに応じた区の必要なサービス基盤の目標を設定すべきですし、既に不足しているサービスについては、急いで手を打つべきと思いますが、区としてはどのようにお考えでしょうか。また区長は、介護保険実施後二カ月の状況について、どのような認識を持っているかも含め、御所見をお聞かせください。
あわせて、区長自らが直接現場を知る機会として、ぜひ制度の根幹を担っているケアマネージャーの話を聞く場を持っていただきたいと思います。この点についてもお聞かせください。
第二の質問は、介護報酬についてです。
私たちがケアマネージャーなど介護現場の方々と懇談を進める中で、共通して指摘されたのは、介護保険になって、民間事業者がサービスの供給を行うということで、区の責任があいまいになっているのではということでした。
ケアプランの作成、ホームヘルプサービス、施設運営などなど、どれが欠けても介護保険は成り立ちません。しかし、現在国が設定している介護報酬は、当初の予想よりはるかに低く、しかもそれぞれの実態に合っていないため、資本金の少ない事業者は、サービスから撤退するか、内容をより好みしなければならなくなっています。
また、これまで福祉サービスを担っていた社会福祉法人などに対する委託費、補助金も大幅に削減され、経営の危機に直面し、そこで働く労働者の待遇が悪くなり、サービスの質が低下してしまっています。このまま放置すれば、絶対的に不足しているサービスは、ふえるどころか減っていく恐れもあります。
今、介護の現場で働きたいという方はふえています。しかし、現在働いている方々からは、仕事はふえているのに収入は減った、働きがいも夢もないなど、たくさんの悲鳴が聞こえているのです。
まず国に対し、このような事態を解決するため、低過ぎる介護報酬を引き上げるよう区としても要求すべきですし、必要な財政的措置については、保険料や利用料にはね返すのではなく、国の負担を抜本的に引き上げるよう要求すべきです。
質問の第三は、ケアプラン作成についてです。
ケアプランの作成については、現実的に利益につながらない人、特に痴呆の方など、負担能力がはっきりしない人は受けないといった傾向が出ていますし、介護保険の認定を受けた人からは、ケアプランの作成を依頼するため、ケアマネージャーを探すのに五十件も電話をかけた、二十件かけたという声を聞いています。とりわけ老老介護の高齢者世帯、単身高齢者、痴呆性の疾患がある方、そもそも介護保険制度を理解することさえ大変な方については、自らケアマネージャーを探すことさえ困難です。新たな制度から取り残され、孤独で苦しんでいるような方もいるのです。区はこのような事態をどう解決しようとしているのでしょうか。
このような場合、地域に密着して活動している保健婦や民生委員、また、かかりつけ医などとも大いに連携し、区のケアマネージャーが積極的に受けていくべきではないでしょうか。少なくとも、ケアマネージャーの業務に従事している区職員は、高齢者サービス課に六人、区立訪問看護ステーションに十人、六カ所の在宅介護支援センターに十四人、合計三十人います。区は、保険者としても責任をきちんと果たすため、民間事業者任せではなく、困難なケースについては積極的に調査、認定後のケアプラン作成も受けるべきです。今のままではできないというのなら、ケアマネージャーの増配置も含めた体制整備を行うべきではないでしょうか。区長のお考えをお聞きします。
質問の第四は、ヘルパーについてです。
ヘルパー事業については、区自身が指定居宅サービス事業者の申請をし、区職員のヘルパーを現場に派遣すべきではないでしょうか。特に介護報酬の低い家事援助サービスが不足し、現場は混乱しています。
あわせて要望いたしますが、ヘルパーが使用している自転車がときどき撤去されることがあり困っているという話を耳にします。巡回型の自動車のように、「ヘルプサービスのため滞留中」というようなステッカーをつけ、仕事を安心してできるようにすべきではないでしょうか。この点についてもお答えください。
質問の第五に、利用者の経済的負担を軽くする問題です。
利用料の負担によるサービスの抑制は、最初にも触れましたが、予想以上に深刻です。我が党は、低所得者だからと、サービスを抑制することが最も心配されたため、前回の第一回定例議会では、低所得の高齢者に対する保険料とホームヘルプサービスの利用料を助成する条例、高齢者福祉手当の段階的な廃止や、医療費助成の改悪を中止するための予算修正案などを提出いたしました。
私たちの提案は、残念ながら否決されましたが、全国の多くの自治体では、形はいろいろですが、住民の立場に立ち、経済的負担を軽くするための施策が実施されています。港区、世田谷区、三鷹市、東久留米市では、低所得者への利用料の軽減制度が実現しています。従来のサービス利用者のみではなく、新規利用者にも、自立認定者にも適用し、これまでの福祉水準を落とさないよう自治体としても努力しています。
当区でも、在宅介護サービスの利用料について、低所得への一割から三%への軽減措置を、新規利用者も含め、ホームヘルプサービスだけではなく、すべての在宅サービスに広げることが必要だと思います。訪問看護や訪問入浴は単価が高く、利用抑制が特に生まれやすいサービスです。これらが三%になれば、ほぼこれまでどおりの負担になりますから、従前と同様に活用されるのではないでしょうか。
こうした措置を国に対して要求するとともに、区としても助成すべきではないでしょうか。区長の見解を求めます。
質問の第六は、自立認定者にも個別のプランを作成し、担当窓口を設置することです。
自立認定の方にも、区のさまざまな施策を組み合わせた個別の援助プランをこれまでのように作成すべきです。新宿区では、四月十四日時点で、自立と認定された方は百五十四人と、ごくわずかです。とりあえず認定を受けてみようという方以外は、何らかのサービスが必要だからこそ申請しています。幾つかの自治体では、自立認定者にも同様の個別プランをつくり、日々の生活を助け、介護予防につなげています。
当区でも、区職員のケアマネージャーやヘルパーによって作成し、サービスにつなげられるよう担当窓口を設置すべきと考えますが、いかがでしょうか。
質問の第七は、福祉用具購入費の支給や住宅改修費の支給などの手続を簡素化させ、償還払いを基本的にやめさせることです。
これらの事業は、介護保険実施前から行われてきており、現在も自立認定者にも実施されている福祉サービスです。ところが、四月から介護保険で利用する際、この手続が煩雑になり、利用者はもちろんケアマネージャーも困惑しています。
これまでは、本人等の申し出に基づいて、区の担当者が実態や見積りなどを確認し、所得に応じ負担をしていました。今度は、ケアマネージャーがケアプランの範囲内で、改めて調査項目をチェックした理由書を区に提出し、オーケーが出た後も、自立認定者には、区が行っている手続も、要介護者等についてはケアマネージャーの仕事になります。余りにも手続が煩雑なので、ケアマネージャーも敬遠する傾向があります。
また、費用が償還払いになる問題では、全額負担が大変な方に、貸付制度はありますけれども、現金を用意できる人しか申請しなくなってしまうのではと、ケアマネージャーの方も心配しています。
現在も、自立認定者に行っている事業なのですから、保険で利用する際も、ケアマネージャーがオーケーを出したら、後は区が責任を持って手続を行ない、一割の支払いで済むようにすべきではないでしょうか。
以上、実態に即して介護保険について質問いたしました。区長の誠意ある御答弁をお願いいたします。
次に、高齢者施策についてお伺いいたします。
介護保険への心配に加え、高齢者の不安を一層かき立ててしまっているのが、「区政改革プラン」に基づく福祉切り捨てだということを率直に指摘しなければなりません。ここでは、とりわけ矛盾と問題点が出ている三つの事業について質問いたします。
第一に、紙おむつの支給についてです。
一九八一年から、おむつを必要とする高齢者に対し、紙おむつ等の支給をすることにより、当該高齢者の衛生状況及び健康の向上を図ることを目的として、約二十年間実施してきたこの「紙おむつ等の支給事業」を、介護保険実施に伴い区は廃止しました。新たに区で行われているおむつ費用助成事業は、基本的に国の特別対策と同じ内容です。
四月から支給がなくなった家庭では、市販のおむつは値段が高い上、運ぶのも大変で、何日も同じものをしているとか、ずらして使っているなどの事例が起きています。ある医者は、「これでは別の新たな病気をつくり、全体的には症状を悪化させる結果につながってしまう」と漏らしていました。従前の事業の目的とかけ離れた事態が広がっているのです。
二十三区の中でも、文京、港、品川、大田、世田谷、板橋、葛飾、江戸川区と八区は、当区の従来と同様の事業を、一区を除きすべてが無料で実施しています。また、その他の区でも、介護度を緩和するなど、事業そのものの役割を認め実施しています。最低限の人間の尊厳にかかわることです。要介護度に連動させるのではなく、従来どおり、紙おむつを必要とするすべての方へ支給を復活すべきと思いますが、いかがですか。
第二は、高齢者の公衆浴場入浴券の廃止についてです。
高齢者への入浴券発行事業は、長い間親しまれてきたもので、健康増進、地域コミュニティの育成に大きく貢献してきた事業です。同時に、区内公衆浴場の振興にとっても欠かせないものでありました。四月から始まった「ふれあい入浴」についてさまざまな声が聞かれます。
この五月まで使える入浴券を持ってお風呂屋さんに来た高齢者は、「これがあるから、好きなときに入れるのにね」と言われ、お風呂屋さんからは、「お年寄りには指定された日を覚えられない人もいる、せめて低所得の人には出してあげたら」、「ふれあい入浴の日だけがいっぱいで、その前後はがら空き、その上、区だって知っていると思うが、この事業が始まって困った問題も起きている」などと、早くも見直しを要求する意見が出ています。また、「やっぱり入浴券が一番」こういう区民の声も広がっています。
そこで質問いたします。
区長は、現時点で率直に利用者と事業者の意見に耳を傾け、高齢者への入浴券の発行の再開を含めた事業の再見直しを行うべきと考えますが、お答えください。
第三は、ことぶき館における各種講座の廃止についてであります。
この事業は、もともと高齢者の教養の向上、閉じこもりを防止することによって、介護予防に寄与することを目的としていたもので、各ことぶき館における講座は、年間で約四千回と高齢者に大変親しまれていました。しかし、この四月から区主催の各種講座を廃止しました。当然講師料が出なくなり、各自主グループの負担となったのです。
私はこの間、この事業が廃止になった後も、引き続き自主グループとして、講座に通っている何人かの高齢者の方々にお会いする機会がありました。ある老人会の会長をされている方は、「老後の楽しみにと書道の講座に通っているけれども、月二千円の会費を納めることになった。わずかの会費と言われるかもしれないが、介護保険も始まり、何もかもお金ではやるせないと言ってやめる人も出ている。会員が減れば減るほど負担がふえ、しまいにはなくなるかも」と言われていました。これでは元気な高齢者施策にもなりません。
区としても、その後の講座の実態調査を行ない、利用者の意見を聞いて、この事業についても講師料を一部補助するとか、講座への参加がふえるよう広報について支援するなど再見直しをすることを求めます。区長の御所見をお聞かせください。
次に、障害者施策について質問いたします。
まず最初に、さきの国会で成立した「社会福祉の増進のための社会福祉事業法等の一部を改正する等の法律」についてです。
新法の最も重大な内容は、身体障害者福祉法、知的障害者福祉法、児童福祉法の障害児関係についての一部「改定」をし、二〇〇三年四月から「措置制度」を「利用制度」に移行するものです。
同法では、障害者福祉サービスについての利用者が指定業者に申し込むとともに、区市町村に支給申請し、区市町村は、適切であると認めるときは支給を決定、決定の範囲内の利用料全体額から、本人及び扶養義務者の負担能力に応じた、本人負担分を除いた支援費が支給され、そして本人及び扶養義務者は、事業者に自己負担分を支払うという仕組みになっています。保険給付と支援費支給の違いはあるものの、介護保険制度とよく似た制度となっています。
介護保険制度のさまざまな矛盾や問題点については、既に指摘したところでございますが、このままでは、三年後には、同種の問題が障害者施策に関して発生することは必至です。
現行の措置制度では、利用者の選択権がないというのがこの改定の根拠になっていますが、そもそも措置制度は、障害者が必要としている福祉を行政の責任で実施するための制度であり、この議論は多様なニーズにこたえて弾力的な運用をしてこなかった責任を棚上げしたものです。
そこで第一に、区長がこの法改定についてどのような認識を持っておられるのかをお伺いします。
第二に、サービスの基盤整備についてです。
基盤整備が今のようにおくれたまま、しかも行政の責任を大幅に後退させる中で利用契約制度に移行するならば、障害者が求めるサービスを選択するどころか、逆に事業者が障害者を選別する事態さえ生まれるでしょう。
基盤整備がおくれている端的な例が入所サービスです。現在区が措置している入所障害者は百二十九人、うち三十三人、ほぼ四人に一人は三百キロ以上離れた東北地方などの施設にいます。
私の知っている方は、四十数年間、女手一つで障害を持つお子さんを育ててきて七十歳近くに差しかかり、子供の行く末と御自身の老い先を考えて施設への入所を決めました。飛行機や列車の長旅、しかも、そこからさらにバスやタクシーに乗り継がなければ着かない施設に会いに行かなければなりません。高齢化した親にとって、体力的にも費用的にも多大な負担です。また自然環境も、取り巻く人間も、全く異なる世界に行くことになり、障害者本人の身体的、精神的負担も大きなものがあります。
私は先日、知的障害者の親でつくっている「手をつなぐ親の会」の総会に出席させていただきました。総会決議でも、「ともに住みなれた地域の中で、必要に応じた福祉サービスを受けながら、いつまでも暮らしていける」、このことを求めています。しかし今のままでは、多くの障害者とその家族は、この当たり前の希望をかなえることはできません。
新宿区では、障害者施策推進協議会で、今後の障害者施策を計画することとし、今アンケートによる実態調査の集計が行われている最中です。二〇〇一年度中には計画を策定することとなっていますが、それを待っているのではなく、早急に基盤整備に取りかからなければ、到底二〇〇三年四月の制度開始には間に合いません。
そこで、質問します。
一番目は、区の責務に関してです。新法では、事業実施主体から国と地方公共団体を削除し、行政の公的責任を後退させました。共同作業所を初め障害者福祉は、今でもかなりの部分民間によって担われています。区の責務をこれ以上縮小することなく、入所及び通所、在宅サービスの基盤整備に区が責任を持つべきだと考えます。
二番目に、施設を必要とするサービスを確保する上で、公有財産を有効活用することについてです。区長は、公有財産は貸出、売却との方針を打ち出しましたが、活用に当たっては、収益第一ではなく、公益性・公共性を基本的視点に据え、高齢者や障害者の福祉を増進する立場で有効活用すべきと考えます。
三番目に、基盤整備にあたり、区として、国に対して必要な財源措置を厳しく求めるべきです。
まず、以上三点について、区長のお答えを求めます。
障害者施策に関する質問の二点目は、同じく先の国会で成立した、「高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化に関する法律」、いわゆる交通バリアフリー法への対応についてです。
この法律は、公共交通機関の車両や駅などの施設を、だれでもが使いやすいものに改善していくことを、交通事業者及び国と自治体の責任で推進していこうとするものです。
公共交通機関のバリアフリー化については、従来も各種通達やガイドラインによって設備の改善が図られてきました。特にエレベーター、エスカレーターに関しては、一九九三年に、一日当たり乗降客数が五千人以上の鉄道駅に順次設置するよう通達が出されていて、JRなどの鉄道事業者でも計画的に整備が進められているところです。
交通バリアフリー法は、こうした、この数年のバリアフリー化の流れが定着したことを受けて法制化されたのではないでしょうか。
我が党は、この法案の国会審議の中で、法制化そのものは、関係者の粘り強い運動の成果として評価しつつも、改善すべき問題点も少なくないことから、法律の目的と理念に、「移動の自由と安全確保は基本的権利」であることを明記すること及び法の対象を、知的障害者も含めたすべての障害者に拡大することなど、六項目の改善案を修正案として提出いたしました。
我が党の修正案は、残念ながら、他党の賛同を得られず実りませんでしたが、法律が成立した今、今後の改善を求めつつも、法制化の成果を確実に生かしていくことが重要と考えます。
そこで、まずお伺いしたいことは、区長はこの法律の成立をどのように評価し、また区の行政としてどう生かしていこうとしているかということです。
交通バリアフリー法第六条では、区市町村は国が定める基本方針に基づき、当該自治体の重点整備地区について、バリアフリー化推進に関する基本構想を作成することができる旨が規定されています。こうした規定が盛り込まれたことも踏まえ、区長の基本的姿勢をまずお示しください。
二つ目は、具体的な区の取り組みとして、区内鉄道駅へのエスカレーター設置の促進についてです。
三年前に策定された新宿区基本構想は、「高齢者や障害者を持つ人などの利用に配慮した、人にやさしい……、交通施設の整備を図ります」と述べ、この課題を区の重要な課題と位置づけています。
今回の交通バリアフリー法で、鉄道事業者は、駅施設等について、移動円滑化基準に適合させるために、必要な措置を講ずるよう努めなければならないこと。すなわち、エレベーター等を設置するよう努めなければならないことが改めて明記されたわけですから、区として、鉄道事業者への一層の働きかけが求められています。
一方、JR東日本では、既に一昨年九月、「駅におけるエスカレーターの整備について」と題する方針を発表、「エスカレーターを駅の標準的な設備と位置づけ、東京からおおむね五十キロ圏について、計画的かつ積極的に整備を進める」とした上で、このことにより、「東京二十三区内七十五駅については全駅に設置されることになる」ことを明らかにしました。
JRでは、この方針に基づき、当時四割程度残っていた未設置駅へのエスカレーター設置に順次取り組んでいます。
区内では、高田馬場駅及び新大久保駅が未設置駅として残っています。JRでは、この二駅についても整備計画を進めているようでありますが、区としても計画の進捗状況を的確に把握し、早期・確実な設置を適切に働きかける必要があるのではないでしょうか。
さらに、高田馬場駅については、その構造や配置が、西武鉄道や地下鉄への乗りかえの利便性を配慮したものとなるよう要請すべきと考えます。
また、エスカレーター、エレベーターが未設置のJR以外の鉄道駅についても、各鉄道事業者に早期設置を働きかけるべきです。
これらの点について、区長の見解をお聞きします。
また関連して、利用しやすい駅施設とするために、バリアフリー化の視点に立った駅利用ガイドブックの作成についてお伺いします。
せっかく駅施設のバリアフリー化が進んでも、その施設が駅のどこに配置されているのかわからなかったら、その意味がありません。鉄道事業者とも協力し、障害者や高齢者向けの駅利用ガイドブックを作成することを提案しますが、区長のお考えをお聞きします。
障害者施策の最後に、知的障害者ガイドヘルパー事業についてお伺いします。
今年度から、国が障害者のためのホームヘルプ事業の対象を、重度から中程度の知的障害者に広げ、あわせて東京都も中程度の知的障害者のガイドヘルプなどの事業について予算化いたしました。現在東京都は事業要綱を作成中で、「実施時期は本年四月一日にさかのぼってする」と聞いています。都に問い合わせたところ、既に一部の市では実施の予定であり、要綱を待つことなく、「先に始めていただいて結構です」との回答でした。
親の会を初め関係者の長い運動が実を結び、実現の運びとなりました。この上は都の要綱待ちではなく一日も早く実施に取りかかるべきだと考えます。実施時期やその内容について区長のご見解をお示しください。
次に、子供と教育をめぐる問題について、区長並びに教育委員会に質問いたします。
「児童は人として尊ばれる、児童は社会の一員として尊ばれる、児童はよい環境の中で育てられる」、これは今から四十九年前、すべての子供の幸福を図ることを目的に制定された児童憲章の一節です。
このような憲章があるにもかかわらず、今子供をめぐる状況は極めて深刻です。名古屋市での中学三年生による五千万円恐喝事件。十七歳少年による主婦殺害事件に継いで、高速バス乗っ取り事件は日本じゅうを震撼させました。
その後も、連日のように引き起こされる少年がかかわる凶悪な事件に、多くの国民が胸を痛め、なぜ起きるのか、どうしたらなくせるのか。何をすればよいのかを真剣に考えています。家庭の問題、学校教育の問題、メディアの問題などなど、さまざまな議論がされていますが、二十一世紀を前に、日本社会の現在と将来の問題として、子供たちの健全な成長への条件を確保するということは国民的な課題です。
我が党は、この児童憲章の精神に恥じない社会をつくるため、子供をめぐる教育と社会の危機的な状況を改革するために、学校教育の抜本的改革、各分野の社会的道義の確立、社会の自己規律の確立の三つの問題で取り組みを提案し、国民的な討論を呼びかけてきました。
また、少年犯罪の背景や原因について全面的に解明されているわけではありませんが、テレビ番組での暴力シーン、刃物による殺傷シーンなど報道のあり方、とりわけ自分の命、他人の命が軽んじられていることに対する危惧が、専門家などからも共通して指摘されています。
九四年、日本が批准した子どもの権利条約では、第三条で「児童に関するすべての措置をとることにあたっては、児童の最善の利益が主として考慮されるものとする」と規定しています。
その後の日本を調査した国連子どもの権利委員会からは、二年前、日本政府あてに、日本の学校教育は「高度に競争的な教育制度」で、それが子供にストレスを与えていることや、暴力やポルノなどが子供の世界に入り込むのを防ぐ、子供たちを守る有効な手だてが講じられていないなど厳しい改善を勧告されました。
しかし政府は、この大事な勧告も全然問題にしてきませんでした。これでは子供たちのことを真剣に考える政治ではなく、教育不在の政治ではないでしょうか。
政府は何か問題が起きると、道徳教育を口にし、森首相もだから「教育勅語」だと言っています。この教育勅語の最大の徳目はといえば「天皇のために命を投げ出せ、そして相手の命を奪え」ということです。
これで、どうして命の大切さを教えることができるのでしょうか。少年犯罪の防止に役立つというのでしょうか。今必要なのは、人間の命、お互いの人格や権利を尊重し、みんなのことを考える、真実と正義を愛する心と一切の暴力、うそやごまかしを許さない勇気を持つなどの市民道徳の教育こそ求められているのです。
そこでまず第一に、区長並びに教育委員会は、今日の深刻な事態についてどのような認識をお持ちなのか。私が今指摘したことを踏まえてお答えください。
第二は、社会問題として、だれしも心を痛めている少年犯罪や非行の問題について、学校、保護者、地域が心を通わせて、行政と一体となってどう取り組んでいくかという問題です。
新宿区は、これまで平和都市宣言、環境都市宣言、住宅基本条例など区のあるべき姿を示した宣言や基本条例を定め、その目標に向けて計画的に事業を進めてきました。
二十一世紀に向けて今求められているのは、子供たちが人として尊ばれ、大切にされる新宿区をつくる。子供たちが安心して過ごせる新宿区をつくる。その精神と姿勢を区政の基本問題としてしっかり確立することです。
そのために、子供とともに命の大切さや生きることの喜びを語り合う、子供の人権を大切にする一大区民運動を展開することが求められているのではないでしょうか。そのきっかけとして、「児童憲章」や「子どもの権利条約」にもならい、「仮称・新宿子ども憲章」を制定することを提案します。
もちろん、こういうことは上からの押しつけではうまくいきません。以前、教育委員会とPTAが共催した講演会がありましたが、例えば命の大切さと子供の人権を考えるシンポジウムなど、専門家を交え開催するとか、保護者、教師、子供、地域がともに考える場を提供するなどして、区民からの運動の積み重ねの上に、そのコンセンサスとして憲章をつくり上げることが必要ではないでしょうか。そして区は、この理念の実現に向けて、年次計画も持って一貫して取り組んでいくことが求められていると思います。
区は、「子育て支援新宿プラン」をつくりました。しかし、その中でも位置づけが弱い教育行政も含めた抜本的な対策が必要です。今まさに区長並びに教育委員会自らが、生きることの大切さを子供と区民に語りかける、そういう時期にきているのではないでしょうか。区長並びに教育委員会のお考えをお聞かせください。
第三に、スクールカウンセラーの増員についてです。
私たちは、全小・中学校へのスクールカウンセラーの配置、もしくは巡回相談の制度化を一貫して要求してきました。
現在、教育センターの相談は、四人の臨床心理士と退職校長、三人の非常勤職員で行われています。昨年度相談件数は千七百十七件、実人員は百五十三人に上り、非行、不登校、いじめなどの相談が寄せられ、ふえている傾向です。一方、学校への配置は、今年度五校へと一校ふえましたが、まだ不足しています。現場の悩みに直接対応するスクールカウンセラーの一層の増員が求められていると思います。この間、相談にどう対応してきたかと、あわせて教育委員会にお伺いいたします。
第四に、学級崩壊に関する文部省委嘱調査についての認識と三十人学級の実施について伺います。
去る五月十八日発表された「学級崩壊に関する文部省の委嘱調査」の最終報告は、今後の学校づくりや教育のあり方を問うものとして注目されています。
その報告では、学級がうまく機能しない状況にある小学校百五十事例を分析した結果、三十人以上のクラスが五十四・一%と最も多かったとして学級規模を問題にしています。また、児童数の減少による学級の統合、急激な学級環境の変化も一因になっていると見ています。「この事例から、学級機能を回復させるヒントも示されており、今後これを生かせるかどうかが課題でもある」と、教育評論家の尾木直樹氏は教育新聞等にコメントしています。教育委員会は、この報告に対する認識をどのようにお持ちでしょうか、お伺いします。
その上で、三十人学級の実現についてですが、この問題では、一昨年中央教育審議会答申が、学級編成や教員配置の弾力化の方向を打ち出しています。国が財政措置をしないことは問題ですが、一方で、区の裁量で実現可能な課題にもなりました。区としても、三十人学級の実現を目指し、三十九人、三十八人と、学級定数基準を確実に減らしていく年次計画を立て、順次実施していくべきではないでしょうか。教育委員会のお考えをお聞きします。
最後に、関連して「学校適正配置等審議会の答申」についてお伺いします。
この間、児童数が減少すると教育効果が上がらないなどとして、学校の統廃合が進められてきました。しかし、文部省の委託調査の結果や中教審答申から見ても、四十人学級を前提とした「学校適正配置等の答申」は、現時点に立って抜本的な見直しが必要ではないでしょうか、お伺いいたします。
次に、建築紛争についてお伺いします。
新宿各地で用途地域の変更などに伴い、日影規制が撤廃された地域などで中高層の建築物ができ、近隣住民の日照など住環境に大きな影響を及ぼすことから建築紛争が起こっています。
昨年度、区に対する相談は騒音、振動、日影問題など多岐にわたり、電話での相談、来庁しての相談など、その件数は千三百四十件に上っています。また職員によるあっせんも九十八件に上っています。これらの数字からも、建築の紛争調整担当の皆さんが、区民から頼りにされているということが言えると思います。
建築紛争は、近隣住民にとってみれば、長年の居住環境や今後の生活環境にとっても多大な影響を受けることから、見過ごすわけにはいかない問題です。住みよい環境をつくるために、区として一層の対策の強化が求められています。
そこで、区長に三点質問いたします。
第一に、住民に対する説明の問題です。
これまで区は、「中高層建築物の建築に係る紛争の予防と調整に関する条例」の改正で、建築主に、建築計画について、説明会等の方法による近隣住民への説明を義務づけました。しかし、業者によってはあいさつをもって説明にかえてしまうなど、必ずしも住民の期待にこたえ、また条例の趣旨にのっとったものになっていない事例がかなりあります。
そこで、紛争予防条例の趣旨を生かして、建築主が標識の設置を区に届けた場合、まず説明会の開催を強く指導すべきではないでしょうか。
第二は、区の職員体制についてです。
紛争解決にとっては、紛争現場の環境や影響をどれだけ把握するかが大切です。しかし、現在の紛争調整の職員体制では、担当職員が現場の状況を具体的に把握することは困難ではないでしょうか。
新宿区の建築許可事務は、これまでの五千平米から一万平米に対象が拡大する。さらに、民間建築主事による確認申請が行われるというもとで、紛争の中身がより多岐に、そして複雑になっている中で、より的確な対応が求められています。
紛争調整担当の体制を増員し、現場にも出かけ、状況を十分認識した上で、住民側と建築主側との調整ができるように改善してはどうでしょうか。答弁をお願いいたします。
第三に、建築紛争のノウハウや制度についての住民説明会を行うことを提案したいと思います。
建築紛争に直面している住民からは、専門的知識を持った事業者の説明に対して、なかなかどうしたらよいかわからないという声が上がっています。紛争解決には、住民の側にも建築基準法、用途地域、日影規制などについての基礎的知識が必要です。
そこで区として、ふれあいトーク便などの制度の活用も含め、建築紛争に係る住民説明会や勉強会を積極的に持ってはいかがでしょうか、お伺いいたします。
次に、商店街振興と中小企業施策についてお伺いします。
ことし五月末で大店法が廃止され、この六月一日から大店立地法が施行されました。
私たちはこの間、区内の中小企業、小売店などを訪問し、直接お話を伺う取り組みを行ないました。ある八百屋さんでは、「もう商売なんてやめたいよ、大型店にお客さんが行くのは当たり前だからね。でも、お年寄りの方などは身近な商店街で買い物したいし、地域を支えているのも商店街じゃないですか」と、切実に訴えられていました。
商店会の役員さんからも、「大手のチェーン店やディスカウント店ばかりふえているけれども、こうした店は、商店会の運営にはほとんど協力してくれない」と言っておられました。
施行された大店立地法では、店舗面積一千平米未満の大型店の出店は全くの自由となります。各地で、店舗面積を九百九十九平米にして、商店街や住民とトラブルを起している業者がありますが、このままでは、そうしたところへの指導が一層困難になります。
今こうした状況のもと、各自治体では、地球環境の保全という面から、中・大型店の出店に、行政や地域住民が対応できる仕組みづくりが検討実施されています。
渋谷区では三月の議会で、店舗面積三百平米以上の深夜営業の商業施設の事前届出を義務づける条例が制定され、また杉並区では、間もなく始まる議会に、店舗面積五百平米以上の商業施設の地域住民との協定締結を義務づける条例を提案する予定と聞いています。
私たちは、新宿区でも同趣旨の対応策をとるべきとの考えから、条例案文も作成し、区及び他会派の皆さんへも提起させていただいたところです。
こうしたなか、区長は、一昨日の各派幹事長会の席上、「新宿区におきましても……、関係する部が協力し、横断的な検討をするよう指示した」と述べ、この問題に区独自の対応策を講じていく方針を明らかにされました。私たちは区長の姿勢を評価するところですが、現時点で区長の考えている対応策の方向性と実施時期のめどについてもお示し願いたいと思います。
二点目は、関連して、政府の「規制緩和政策」についてお伺いします。
今日の規制緩和政策は、一九九〇年の日米構造協議でアメリカと約束した構造改革路線に基づいて進められてきました。一時は、規制緩和こそ経済に活力をもたらす万能薬のように言われてきましたが、決してそうなっていないのは、今大型店問題で述べたとおりです。区内の酒屋、薬屋、床屋、タクシーの業界からも悲鳴の声が上がっています。必要なのは、野放しの規制緩和ではなく、中小商工業を支えるルール、地域経済と暮らしを支えるルールを確立することではないでしょうか。報道によると、自民党の国会議員の中にも「規制緩和を見直す会」ができたそうです。
そこでお伺いします。
区長は第一回定例会で、グローバリゼイションの中では、日本的システムの構造改革は不可欠、景気の回復のためにも構造改革は進めなければならないという認識を示されましたが、区長は、この構造改革のもとで新宿の地域経済の実態をどのように認識しているのでしょうか。規制緩和を進めていけば本当に地域経済が活性するとお思いですか。実態から見て、行き過ぎた規制緩和政策は見直すべきだと思いますが、いかがでしょうか、お答えください。
三点目は、銀行の貸し渋り対策を強めることです。
昨年十二月、区内の商工団体等から、区に貸し渋り対策についての要望書が提出されましたが、これに対する回答の中で、区は、「区制度の紹介者や金融安定化特別保証制度の認定事案については、いわゆる貸し渋りの情報には接していない」と回答しています。しかし実際は、「保証協会の保証は取りつけてあるのに、銀行が受けつけてくれない」という事例が相次いでいます。あるインテリア業の方も、保証を取りつけていながら、十年来メイン銀行としてつき合ってきた銀行に、「このような小額では商売にならない、他の銀行に当たってほしい」とあっけなく断られたと語っています。
区長は、区内の貸し渋りの実態をどのように認識されていますか。区制度の紹介者、金融安定化特別保証制度の認定事業以外についても、貸し渋りによる被害の状況がないか調査すべきではないでしょうか。その上で、区に貸し渋り相談窓口を設置することを要求し区長の答弁を求めます。
次に、当面の行財政運営についてお伺いします。
区はさきに第二次実施計画を発表し、それに付随して企画課が作成した「第二次実施計画の策定に伴う対策並びに特色ある区政の展開について」という文書を明らかにしました。
「第二次実施計画」は、その前書きで、「平成十年度に職員定数削減計画を、平成十一年度には区政改革プランを作成し、抜本的な施策の見直し等を実施した。東京都の福祉の見直し等に対応した措置をとった。その結果、平成十二年から十四年度の実施計画については、財政的見通しを持つことを可能にした」と述べています。
これらは端的に言えば、職員のリストラ、福祉、暮らしにかかわる施策の廃止、縮小、受益者負担の名による区民への押しつけによって、単に財政の帳尻をつけたというものです。しかし、大事なことは、それによって区民生活がどうなっているのかに視点を当てた真剣な検討ではないでしょうか。
「区政改革プラン」をほぼ全面的に実施した二〇〇〇年度の事業が実施されていますが、それが区民生活にいかに重くのしかかっているかは、さきに高齢者施策のところで若干触れさせていただきました。しかしこれは一部に過ぎません。そのほかにも高齢者福祉手当の削減、配食サービスの有料化、福祉タクシー券の削減、保育料の三十五%の値上げ、学童クラブ、地域センターの有料化、スポーツセンター利用料の値上げなど、区民の暮らしに既に多大な影響が与えられています。
ところが、今回の企画課の文書は、区民の不安をよそに、「計画期間中の財源は確保できたが、平成十五年度予算の編成には支障を来す」と、さらなるリストラ計画を推し進める方向を明らかにしています。「区政改革プランで予定されている見直しの早期実施」、「事務事業の民間委託」が当然のようにうたわれていますが、これは区民と職員への一層の負担増と民間委託による自治体としての役割の後退を推し進めるものです。
そこで質問の第一は、「区政改革プランの検証」の必要性についてです。
プランの早期実施を大前提にするのではなく、これだけ大きな事業の見直しをやり、実際に区民からさまざまな不安が上がっているわけですから、財政面からだけの検証ではなく、区民への影響がどうなっているかを一定の期間に調査することが必要ではないでしょうか。そして、その実情に応じて、区政改革プランの実施は区民本位に見直すことが必要だと思いますが、いかがでしょうか。
〔「そのとおり」と呼ぶ者あり〕
質問の第二は、財政見通しにかかわって区政運営の基本姿勢の問題です。
企画課の文書で、平成十五年度予算の編成に支障を来す最大の理由とされているのは税収の伸びの見通しです。区政改革プランでは、税収等の一般財源は、平成十二年度、十三年度は一%の伸び、十四年度、十五年度は二%の伸びと見込んでいたものを、実施計画ではゼロ%に下方修正しました。区の税収の見通しが猫の目のようにくるくる変わり、それを口実にリストラを押しつけられる区民はたまったものでありません。
これまで私たちは、区民施策の切り下げ、負担の強化をやればやるほど区民の消費を冷え込ませ、税収も落ち込み、財政再建も遠のいてしまう。これでは悪循環だと指摘してきましたが、税収見込みの下方修正は、まさにそのとおりになっていることを示したのであります。
区民生活をしっかりと支援し、区民生活に活力を取り戻す中で、財政建て直しの道筋をつけていくという区政運営に転換することが急務だということを重ねて要求し、答弁を求めます。
次に、防衛庁のヘリコプター飛行による騒音防止について質問いたします。
五月八日、防衛庁が六本木から市谷に移転しました。新庁舎の中央棟は十九階建てで屋上にヘリポート二面を備えています。この新しいヘリポートを使った習熟訓練が四月二十一日から二十八日まで行われました。事前周知が区と四谷、榎、箪笥、若松の各町連に対して行われましたが、この期間中、区民の方から音がうるさい。なぜ毎日飛ぶようになったのかなどの苦情が区へも寄せられました。
五月十八日、十九日と、私どもにもまた苦情があり、防衛庁に問い合わせをすると、四月の訓練で、天候などで行えなかった分を十八日から二十三日まで行うということでした。この期間の事前の周知は、どこに対しても全くありませんでした。
防衛庁に最も近い学校である牛込第三中学校では、ヘリコプターの音がうるさくて授業が妨げられることがあり、何とかしてほしいと、区に要望が上がっています。周辺住民の皆さんは、これからも頻繁にヘリコプターが飛ぶようになるのは耐えがたい、どうしたらいいのかと不安を抱いています。区民の日々の生活が騒音によって脅かされること、子供たちの学習の場まで妨害されるなど、こういうことはあってはなりませんし、もちろん許されるものではありません。
そこで、区長に質問いたします。
第一に、ヘリコプターの飛行は、災害時の緊急出動など必要最小限にとどめ、訓練、国賓や要人の輸送は行わないこと。
第二に、やむを得ず飛行を行う場合でも、騒音被害が区民に及ばないようにするための取り決めを区との間に結ぶこと。
第三に、周辺の公共施設、民家等に対し防音設備の補償を行うこと。
以上三点について、区民の良好な生活環境を守る立場である区長は、防衛庁に対して要請すべきと思いますが、区長のお考えをお聞かせください。
最後に、石原都知事の、いわゆる「三国人」発言について質問いたします。
石原知事は、四月九日陸上自衛隊第一師団の記念行事に出席し、「東京では不法入国した三国人、外国人の大きな犯罪が繰り返されている。大災害が起こったら騒擾事件も想定される」と発言しました。加えて、来る九月三日、東京都の防災訓練を、陸・海・空三軍の統合大演習として実施すると述べました。
三国人という言葉は、日本統治下にあった在日朝鮮・韓国人・台湾人を指す言葉として、敗戦直後に使われた蔑称、差別語としてされてきたものです。石原知事は、「差別的な意味では使っていない。在日の人に向かって言ったのではない」と言っていますが、事実、多くの在日朝鮮・韓国人の方、外国人の方が傷つき、怒りの声を上げています。
さらに、十二日の会見では、「歌舞伎町は女の人は夜とっても一人で歩けない無法地帯」、「騒擾事件を防ぐために一番発信源になりそうな歌舞伎町を対象として演習をする」と発言しています。
これらの発言は、二十三区中最も外国人登録が多い新宿区、歌舞伎町を有する新宿区として見過ごすことはできません。歌舞伎町振興組合の役員の方は、新宿新聞の紙上で「怖い街のイメージでは、客はますます来なくなる。知らない人でも十分探索できる街だ、抗議文を送りたい」と話しています。
歌舞伎町には、安心して飲食できるお店もたくさんあります。確かに性風俗店も多く不健全な部分もありますが、多くの飲食業を初めとした関係者、この新宿区も町の健全化と外国人との共生を目指して努力しているのです。
歌舞伎町のお隣、大久保・百人町では、商店の方々も加わって、「外国人とともに住む新宿区まちづくり懇談会」をつくり、外国人との共生とまちづくりを一体のものとして取り組んでいます。石原都知事の発言は、これらの住民の努力を踏みにじるものであり、断じて許されるものではありません。
〔「そうだ」と呼ぶ者あり〕
そこで、区長に質問します。
区長は、このような石原都知事の発言をどう認識しているのでありましょうか。新宿区長として、石原都知事に発言の撤回と謝罪を求めるべきと考えますが、お答えください。
〔「そうだ」と呼ぶ者あり〕
以上で私の質問を終わります。長い間の御静聴まことにありがとうございました。 (拍手)
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