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◆三十六番 (沢田あゆみ)
私は、二〇〇〇年第三回定例区議会に当たり、日本共産党新宿区議会議員団を代表して質問いたします。
まず初めに、三宅島の噴火、そして過日の東海豪雨により被災された皆さんに心からお見舞い申し上げます。
さて、六月二十五日投票で行われた総選挙は、自民党政治に対する国民の強い批判の中で行われ、また比例区の定数が削減されたもとでの激烈な選挙戦となりました。日本共産党はあらゆる面で行き詰まった自民党政治と、首相の資格がない森総理を支える自公保政権への審判を下し、国民と心の通じる新しい日本への展望を示して戦いました。
〔「そのとおり」と呼ぶ者あり〕
結果は、政権与党が改選比で大きく議席を減らし、自民党マイナス三十八、公明党マイナス十一、保守党マイナス十一、改革クラブマイナス五、合わせて六十五議席の後退となり、自公保政権と自民党政治への厳しい審判が下されました。
この選挙の中で、政権与党はまともな政策論争を避け、日本の選挙史上例を見ない謀略的な作戦を展開しました。発行者名もないような、または架空の団体名で、日本共産党に対する誹謗中傷、デマを振りまく違法文書が、全国的にも、また新宿区でも、相当な規模でまかれました。これらのことがある宗教団体も含めて組織的に行われたことは多くの事実で明らかです。選挙とは、正々堂々政策で戦うものではないでしょうか。
〔発言する者多し〕
今回のような、謀略的な手段に訴えるやり方は、日本の民主主義を根底から危うくするもので断じて許されるものではありません。日本共産党は、こうした無法な謀略選挙を日本の政治から一掃し、民主主義を守るため、国民の皆さんと力を合わせて頑張る決意を述べて質問に入ります。
区民の暮らしをめぐる情勢は依然として厳しいものがあります。
七月十四日、厚生省が発表した国民生活基礎調査によると、「生活が苦しい」と意識している世帯が五十二%と過去最悪。八月十七日発表の警察庁調査では、昨年一年間の自殺者は三万三千人で、二年連続過去最悪を記録しました。自殺の動機も「負債」「事業不振」「失業」「生活苦」「就職失敗」など経済・生活苦を理由とした自殺が増加しています。
新宿区内でも、「何の予告なく突然弁護士がやってきて、『きょうで会社は倒産だ』とかぎをかけ、締め出されてしまった」「会社の社長が倒れて賃金が払われなくなった」「頼まれて連帯保証人になったが債務者が子供を置いて逃げてしまった」など、私どもに寄せられる相談も切実さを増しています。今こそ、国民の暮らしを支える政治が求められています。
そこで、区長の政治姿勢に関連して二点お伺いいたします。
まず、消費税についてです。
日本共産党は、景気対策は従来のゼネコン型公共事業の積み増しではなく、個人消費を直接温めることを重点に置くべきだと主張してきました。政府は、大企業の企業収益と設備投資が上向いていることをもって、「経済に明るい兆しが見えてきた」と強調していますが、国民の実感とはなっていません。通産省自身、「設備投資は少しよくなったものの、個人消費は一進一退で、民需主導の本格的軌道にはまだ至っていない」と述べています。本格的な景気回復には雇用の確保、社会保障の充実に積極的に取り組み、GDPの六割を占める個人消費の回復へ手を打つべきときです。
ところが、政府税制調査会は、七月十四日「中期答申」を発表し、その中で消費税を税制上の「基幹税」と位置づけ、消費税率をさらに引き上げる方針を打ち出しました。政府税調の加藤寛会長は、現在の五%から一〇%に引き上げることを明言しており、もしこれが実施されれば、国民一人当たり年十万円の大増税となります。「中期答申」では所得税の課税最低限引き下げ、法人事業税の一律「外形標準課税」化もあわせて打ち出されており、これが国民生活と日本経済にはかり知れない打撃を与えることは明白です。
消費税は低所得者ほど負担が重い「弱いものいじめ」の税金であり、これが税制の最大の柱になるなら、一体庶民の生活はどうなってしまうでしょうか。
〔「そうだ」と呼ぶ者あり〕
「高齢化社会のため」と言いながら、消費税が増税されても、福祉予算は充実どころか削られるばかりです。社会保障の充実のためには、財政の浪費、とりわけ、むだの多い公共事業や「そごう」問題に見られるような、銀行や企業の不始末を税金で穴埋めするような仕組みにメスを入れることこそ必要です。
〔「そうだ」と呼ぶ者あり〕
区民の暮らしを守る立場から、区長は、この消費税増税計画に反対の立場を取るべきと考えますが、いかがでしょうか。
また、緊急の景気対策として個人消費を温める上でも、消費税の食料品非課税を直ちに行うべきと考えますが、区長の見解をお示しください。
二つ目に、公共事業の見直しについてです。
これは、さきの総選挙でも大きな争点となりました。選挙後、政府与党が公共事業二百三十三件の見直しを言わざるを得なくなり、中海干拓や吉野川可動堰がともかく中止、白紙になったことは国民の厳しい批判の反映です。しかし、これによって削減される総額は二兆数千億円で、年間五十兆円という公共事業費のわずか〇・五%に過ぎず、抜本見直しとはほど遠い内容と言わざるを得ません。公共事業の見直しは自治体にとっても他人事ではありません。国による公共事業の押しつけは、全国の区市町村財政を圧迫しており、自治体としても公共事業の抜本的見直しに積極的に取り組むべきです。
今、大切なことは、六百三十兆円という「総額先にありき」の「公共投資基本計画」を抜本的に見直すこと。そして、欧米では早くから確立している事業評価制度を国の制度として確立することだと考えます。第一に、事業の必要性、採算性、環境の三つの角度から十分な吟味をし、第二に、事業が始まってからではなくて、計画、事前、事後の各段階にわたる評価・点検をし、第三に、住民・市民の参加を制度的に保障することが大切です。
公共事業の見直しと事業評価制度の確立について、区長の見解をお示しください。
次に、東京都政に関連して三点質問いたします。
第一は、ことし四月から、これまでの措置制度から介護保険制度に移行したもとでの特別養護老人ホームの運営についてです。
石原都知事が打ち出したいわゆる福祉施策の見直しは、私たちが指摘してきたとおり、長年にわたって築き上げてきた都民の貴重な財産である福祉の理念とサービスを大幅に後退させ、暮らしをも直撃するものでした。
そして、今、東京都の高齢者施策が後退させられる中で、深刻な影響が出ていることの一つに特別養護老人ホームの運営問題があります。
東京都は、本年四月から介護保険への移行を機に、約三十年にわたって東京の福祉制度の根幹を支えてきた「公私格差是正事業」と「都加算事業」を廃止してしまいました。それにかわって、新たに「民間社会福祉施設サービス推進費補助事業」が開始されたとはいえ、補助額は激減し、しかも三年間の時限措置です。
私たちは、この間、多くの特養ホームの施設関係者や、そこで働く職員、入所者やその家族と懇談し、調査を行ってきました。どの施設でも異口同音に、介護保険下で施設運営は大変厳しくなった。都加算の廃止の影響が「大きい」と答え、その対応として第一に、職員の削減や非常勤化、給与の抑制を挙げています。
あるホームの職員は、「都や区の加算がなくなって職員の数もめっきり減りました。私たちの仕事は人対人、心対心です。利用者の不満と職員の疲労は比例するものです。介助を求めている利用者に、『ちょっと待ってて』とばかり言っていることに、罪悪感と情けなさでいっぱいです。」と悲痛に訴えていました。
そして、利用者にとっては特養ホームが「終の住処」ではなくなりつつあります。入院した場合三カ月の在籍が確保されますが、ホームには一週間分の介護報酬しか入りません。収入確保のための空きベッドを利用したショートステイ事業も、入院期間の判断が難しくて思うような事業となっていないのが実態です。一方、利用者にとっては施設に席がなくなることが心配で入院を拒否する悲しいケースさえ生まれています。
また、経費削減のため、サークル活動や旅行会等行事の見直しも行われています。
そこで、区長にお伺いいたします。
第一に、私は、これまでの措置制度から介護保険下に移行したもとで、東京都の公私格差是正事業や都加算の廃止は全く許せないものと考えますが、区長はどのようにお考えでしょうか。そして、これによる特養ホームの状況の変化を、このままでよしとされるのかどうか、見解をお示しください。
第二に、東京都の経営支援事業についてです。この事業の継続と充実は、特養ホームの施設運営にとっても、利用者にとっても、これまでのサービスを維持する上で欠かすことのできない事業です。区長が、都に対しこの事業の継続と充実を要求すべきと考えますが、いかがでしょうか。
第三に、区政としての対応ですが、五年間で段階的に実施されている特養ホームに対する区からの財政支援削減計画を中止すべきと考えますが、区長の見解をお示しください。
東京都に関連する第二の質問は、東京都がん検診センターの廃止計画についてです。
東京都衛生局は、先月、第二次「衛生局改革アクションプラン」を発表しました。この中で、東京都健康推進財団の改革の一環と称して、平成十四年度末までに、東京都がん検診センターと多摩がん検診センターを統合し、調査研究や従事者養成機能等を持つ新たなセンターとして再編整備するとあり、お茶の水にある東京都がん検診センターの廃止を打ち出しました。しかし、本当に東京都がん検診センターの役割は終わったのでしょうか。
計画の発表に先だって三月に開かれた東京都健康推進財団の評議委員会の中で、東京医大の教授から、がん検診センターについては学問的にも重要との指摘がありました。
新宿区においても九九年度の実績として、区の胃がん検診や大腸がん検診で、区内医療機関の受診者総数のうち約一割の区民ががん検診センターを利用しています。さらに、この間の区議会におけるがん検診のあり方についての論議の中では、理事者や与党の皆さんからも、「近くの医療機関で受診するよりかなり安く受診でき、しかも年間を通してやっている」などと、繰り返し都のがん検診センターへの受診を奨励していたではありませんか。
私は、早期発見、早期治療が最も重要といわれるがん検診事業にとって、先進的な役割を果たし、多くの都民、区民の健康を維持する上で貴重な施設である東京都がん検診センターを存続するよう都に要求すべきだと思います。区長の見解をお示しください。
第三の質問は、東京都交通局が去る九月六日発表した「大江戸線開業等に伴う都営バス路線の再編整備計画」についてです。
私たちは、地下鉄大江戸線の全面開通そのこと自体は歓迎するものですが、一方では、その全面開通に伴い、それに並行する都営バス路線の縮小・廃止を懸念してまいりました。区議会としても、一昨年の第四回定例会において、「都営地下鉄十二号線環状部開業後も、関連するバス路線の存続を求める意見書」を、さらには昨年の第三回定例会においても、重ねて同様の意見書を全会一致で採択、提出しているところです。
区長におかれましても、このような区議会の経過を踏まえ、九八年二月、東京都交通局に対し、地元住民を初め利用者の意向を十分配慮していただきたい旨、要請されたことは御記憶のことと思います。
ところが、今回発表された再編整備計画の内容はどうでしょうか。新宿区にかかわる実施内容には、大江戸線「等」として、大江戸線とは直接関係のない四谷地域の住民に大きな影響が予想される四97の一系統の経路変更、四92と都03の二系統が短縮する路線として発表されたのです。
また、廃止する路線として挙げられている秋76を初めとする三系統は、二度にわたって区議会が提出した意見書でも指摘した「大病院や高齢者等の福祉施設等が多くあり、地下鉄利用者とは異なる従来の細やかなバス運行によるサービスを必要としている利用者が大勢いることを考慮すべき路線」ばかりであり、しかも、その実施日はわずか三カ月後の大江戸線全面開業の当日、十二月十二日としているのです。
私は、これまで区議会が全会一致で提出した意見書にあるとおり、「こまめに停留所がある都営バスは、交通弱者にとってなくてはならない利用しやすい交通機関」だと思います。それを採算性を優先する余り、廃止・縮小することは、自治体としての都の役割を放棄していると言わざるを得ません。
〔「そうだ」と呼ぶ者あり〕
そこで、区長にお伺いいたします。
第一に、区長は、今回の再編整備計画についてどのようにお考えになっているか。区議会の意見書や区長自らも要請した経緯も踏まえてお答えください。
第二に、新宿区にかかわるバス路線の再編整備の実施については、大江戸線開業をもってその計画を「見切り発車」することなく、地元住民や利用者の合意を得た上で結論を出されるよう、区長として都に要求すべきではないでしょうか。
以上二点について、区長の見解をお示しください。
次に、介護保険に関連して質問いたします。
介護保険スタートから間もなく半年が過ぎようとしていますが、当初の懸念どおりさまざまな問題が噴出しています。私たちは、ケアマネージャー、事業者やそこで働く労働者、在宅サービスの利用者にお話を伺いましたが、サービスを受ける側、提供する側、どちらにとっても苦難が多く、改善すべき点が山ほどあることを実感しました。
要介護四の認定を受けた八十代後半のおばあちゃんのいる御家庭の例です。息子さんも六十五歳以上、その奥さんも六十代で、息子さんの老齢基礎年金とおばあちゃんの遺族年金、老人福祉手当で生計を立ててきました。
要介護四ですから、サービスは三十万六千円まで受けられますが、実際は三月までと同じ訪問看護しか利用していません。これまでやめると命にかかわるからです。おばあちゃんは痴呆が進んでおり、だれかがそばにいなければなりません。息子である御主人は心臓が悪く、この春も手術をし、仕事どころかおばあちゃんの世話もかないません。幸い病院が近かったため、奥さんは毎日御主人に面会しながらおばあちゃんの面倒を見ていました。ヘルパーさんに来てもらうことも考えたけれども、四月からの新規利用だと一〇%の自己負担、二の足を踏んでしまいました。三月まで一回二百五十円だった訪問看護が八百七十円になり、三人分の保険料に加えて老人福祉手当の削減もあり、合わせて二万円も負担がふえるんです。
この御家庭は確かに制度導入前に比べてサービスは減っていません。しかし「家族介護の負担軽減」とか、「多様なメニューからの選択」といううたい文句は空手形に過ぎず、重い負担だけがのしかかっています。
区長は、介護保険制度によってこのような状態に立ち至っている区民の日々の暮らしについてどう思われますか。このことをまずお伺いいたします。
その上で、介護利用料の負担軽減について、以下二点にわたり質問いたします。
一つ目は、訪問介護の四月からの新規利用者に対しても、本人負担を三%に軽減することです。利用料の独自の減免策を講じた自治体は、四月時点で全国に二百五十近くあります。都内では武蔵野市が、ホームヘルプ、デイサービス、デイケアの本人負担を一律三%にしました。三鷹市は、所得税非課税世帯の訪問介護利用料が当面三年間無料、通所介護と通所リハビリが三年間三%。狛江市は、第一段階の老齢福祉年金受給者に全額助成し、ホームヘルプの新規利用者負担が三%です。渋谷区と国分寺市も、ホームヘルプ新規利用者負担を三%に軽減しました。新宿区も、せめてホームヘルプ新規利用者の本人負担を三%にして、本人と家族の負担を少しでも軽くすべきだと考えます。
二つ目は、訪問介護だけでなく、すべての在宅サービスの利用料を本人負担三%に引き下げ、恒久的な制度とすることを区として国に要望することです。利用料負担が足かせとなり、必要なサービスを受けられない実態については、マスコミなどでも報道されているところです。
私たちがお会いしたケアマネージャーの皆さんが、利用者から「この金額の範囲でお願いします」と言われ、サービスの時間も種類も削り、特別対策で三%負担のヘルパーを確保するのに大変な労を費やしています。ヘルパーさんも家事援助が多く、移動や待ち時間が多く、収入はがた減りだと憤慨しています。視察に入ったデイサービス施設では、利用率が上がらず、採算点を割って経営的に大変厳しいと嘆いています。
このように、利用者はもとより事業者にとっても、働く人にとっても、現行の利用料ではやっていかれない状況となっています。早急に改善が求められており、国に対して、すべての在宅サービス利用料を恒久的に三%にすることを要望すべきです。
以上二点について、区長の見解をお示しください。
第二に、介護保険料についてです。
十月から六十五歳以上のお年寄りからの保険料徴収が始まろうとしています。既に通知書を発送した杉並区では、通知がついた翌九月二日には千件、翌週も日に五百件からの問い合わせ、苦情が殺到したそうです。年金からの天引きという初めての方法にとまどい、公共料金のように自分で振込手続をするのかなど、手続に関するものが多かったといいます。杉並では臨時電話六本を増設して二十本をこれに充て、他課の職員も含めた体制で当たったと聞きました。
新宿区は、九月二十九日に通知書と納付書をあわせて発送する予定となっていますが、通知書の記載は、本人や家族が知りたい情報は大きな字にするなどし、無用な心配や誤解が生じないように配慮することが求められています。また、通知直後には電話を待たせず、納得できるまで親切丁寧な対応ができるように、電話や職員数などでも特別の体制が必要です。この点での区長の対応策について、まずお聞きします。
今でもサービスを切り縮めている高齢者に保険料負担が加われば、今以上に利用抑制が進むことは火を見るより明らかです。日本共産党区議団は、本年第一回定例会で、第一段階の保険料を助成する条例案や予算修正案を提案しましたが、残念ながら実現しませんでした。しかし、四月の厚生省の調査でも、全国百五十の自治体で、第一段階などに対して独自の軽減策を講じていることが発表されています。
九月十日付の「読売新聞」では、低所得者の全額免除を行う自治体が広がり、危機感をつのらせた厚生省が指導に乗り出すと報じています。住民の要望が強いからこそ各自治体が独自ででも実施せざるを得ず、周辺にも波及するのです。国が自治体に圧力をかけようなどというのは言語道断です。
〔「そうだ」と呼ぶ者あり〕
区内の老齢福祉年金受給者で、住民税世帯非課税という第一段階に属するお年寄りは百五十三人。その多くは八十九歳以上、最年少でも八十四歳です。世帯としても非課税であることなど、御家族を含め決して裕福な御家庭ではありません。月々わずか三万四千円程度の年金から徴収される保険料が痛手にならないわけはありません。
戦前・戦中・戦後と混乱の時代を生き抜き、今日の土台をつくり上げた高齢者に対して、できれば住民税非課税者まで保険料減免をと願うものですが、当面、せめて第一段階の老齢福祉年金受給者で世帯非課税者の保険料減免を重ねて要求し、区長の答弁を求めます。
次の質問は、保育園の統廃合と民間委託についてです。
新宿区は、昨年十月発表された区政改革プランの中で、「保育園の定員の適正化と施設の適正配置」の名のもとに、保育園の統廃合と民間委託を打ち出しました。区の方針は、新宿第一保育園を廃止、それを取り込んだ規模で富久町保育園を改築し、二〇〇三年度
(平成十五年度) 開設、運営は民間に委託するというものです。そして二〇〇四年度 (平成十六年度) には北山伏保育園と薬王寺保育園を廃止し、原町小学校跡地に民間の保育園を介護施設とともに設置するとしています。
私は、八月に高知県南国市と大阪府堺市を視察してきました。いずれも、保育園の民営化方針が大問題となって大きな住民運動が起きているところです。それぞれの保育行政担当者に話を聞きました。共通して言われたのが、「公立の保育園はお金がかかるからコスト削減のために民営化する」、そして「公立と民間のコストの差は人件費の差で、それは勤続年数の差から生じるものである」ということです。さらに理由として挙げられていたのは、「民間の方が柔軟だから多様な保育に対応できる」というものでした。新宿区の理事者が言ってきたこととほとんど同じです。
ところが、コストの問題で言えば、南国市は年間三千万円浮くと言いながら、一方では、企業一社に市の財政から五億四百万円もつぎ込み、堺市は、民営化しても初めのうちは余り効果がなく、財政効果の数値は示せないといって、いずれもコスト論は既に破綻していました。
こうした行政の計画に対して、南国市では、対象地域の住民過半数の反対署名が集められ、計画はいまだ実行されていません。堺市では最高で二十六万人の署名が集められるなどして、計画が一年延期されています。
このような保育園を初めとする公的事業の民間委託、民営化の流れは全国的なもので、その背景には、国が進めているアウトソーシングによるコスト削減や社会福祉基礎構造改革路線があります。つまり、公の仕事を外部に移していくことでコスト削減をねらうことと、これまでの公費で運営される措置制度から利用者の支払う利用料で支える制度、公費は利用者に対する補助として支払う契約型利用方式に切りかえていくということです。それによって公立、公設型の施設やサービスが不要になり、競争原理が働き福祉の市場化が進むというもので、それを具体的に進めるために社会福祉事業法などの改定が行われ、保育園などの運営に企業が参入することも可能となりました。こうした流れの中で、特に福祉の分野が大きなターゲットにされています。
しかし、このような考え方に沿って、新宿区が地方自治体としての責任を放棄し、区民の暮らし、福祉を守る仕事を放棄してよいのでしょうか。既に介護の分野では、介護保険の導入で契約型利用方式が実際に行われていますが、この結果、深刻な問題が噴出していることはさきに述べたとおりです。そもそも福祉の分野は金もうけや市場原理とは相いれないものです。
〔「そうだ」と呼ぶ者あり〕
私は、介護保険の例を見ても、住民の暮らしに密着した福祉などのサービスは、国や地方自治体が責任を持って行うべきと強く実感しています。行政が責任を果たしてこそ、民間の社会福祉法人など意欲を持った事業者が育成され、発展するのではないでしょうか。また、区自らが事業を行ってこそ、住民の声を直に聞き、区民の要望を区政に生かすことができるのではないでしょうか。
〔「そうだ」と呼ぶ者あり〕
そこで、区長にお伺いいたします。
第一に、あらゆる事業の民間委託を検討するという区の方針は根本から見直し、福祉や教育など区民生活に密着した事業は民間委託すべきではないと考えますが、いかがでしょうか。
第二に、新宿第一保育園の廃止計画を撤回し、待機児解消のための抜本的対策を急ぐべきと考えますが、いかがでしょうか。
新宿第一保育園は、毎年年度途中には定員いっぱいになり、ことしはこの九月一日現在で既に満ぱいです。全区的な待機児の受け入れ園として必要とされており、保育内容もすばらしいと定評があります。しかも新しい富久町保育園のゼロ歳児、一歳児の定員は、現在の二園の定員を合計したものより十五人も少ないのです。この統廃合によって利用者に何のメリットがあるのでしょうか。しかも、近くにある私立西光保育園が来年度廃園になることも考えると、待機児はますますふえるでしょう。昨年度末の待機児は二百七十三人で、ことしも九月一日現在で百二十六人。昨年度同月比で三十四人もふえています。潜在的待機児はもっといるともいわれ、このままでは三百人を超えることも予想されます。待機児解消こそ急がなければなりません。
第三に、コスト削減のために民間委託するという区の方針を改め、公立の保育を守りながら、民間に対する支援策を強めることで保育の水準を引き上げるべきと考えますが、いかがでしょうか。
これまでの議論でも、公立と民間のコストの差はほとんどが人件費の差で、勤続年数の差によるものだということが明らかにされてきました。ここで考えなければならないのは、子供たちにとってどういう保育が望ましいのかということです。若い保育士と経験豊富な保育士とのバランスがあってこそ豊かな保育ができるというものではないでしょうか。民間の勤続年数が短いのは、運営費が十分でないために、人件費を押さえざるを得ない状況のもとで労働条件が厳しかったり、結婚、出産後も働き続けることができない現状があるのです。民間の給与を公立並みに維持してきた東京都の「公私格差是正事業」が、昨年からは「民間社会福祉施設サービス推進費補助」となり、新規施設は対象からはずされました。さらに、来年度からは打ち切りかという東京都の動向を見て、民間では今から退職不補充で非常勤化する動きも出ています。
子どもの権利条約でうたわれている「子供の最善の利益」を考えるならば、頑張って保育に当たっている民間保育園に対する助成の充実こそ行うべきです。
また、民間委託に当たって、区は「保育の質は落とさない」と説明していますが、その保障はどこにあるのでしょうか。保護者向けの説明会で区が示したように、公立と比べて保育士が二人、そのほか一人が少ない配置になります。公立でも徐々に都加算分の保育士が減らされ始めている中で、今でも勤務のローテーションが組みにくい、休みが取れない、お散歩の回数が減ったなどの弊害が出ています。それよりさらに少ない保育士で、さらに新しい事業も実施して、日常保育の質が低下しないとだれが保障できるでしょうか。
これまでも必要があって都加算の保育士が配置され、それによって民間に対する助成も充実してきました。公立の保育をさらに充実し、民間の配置基準を充実するべきです。民間の保育園に対する運営費が増額されるよう国や東京都に働きかけ、とりわけ都の公私格差是正事業の復活と充実については、新宿区長として要請すべきではないでしょうか。また、区としても、区立と同じ基準で民間保育園が運営できるよう支援策を講じるべきです。
第四に、多様な保育ニーズにこたえる対策としての休日保育の実施についてです。
区長は、民間委託することによって産休明け保育、延長保育、休日保育など多様な保育ニーズにこたえるといいますが、そのうち現在区立保育園で実施していないのは休日保育だけです。本当に必要なサービスであるなら、なぜ区は今までやらなかったのでしょうか。区立では勤務が変則になり対応できないと言いますが、必要な人的配置や予算措置を行えば、区立でもできることは、区自身が保護者に対する説明の中でも言っていることです。それを民間委託でないと早急にできないかのように言うのは、行政の怠慢を自ら公言しているようなものではないですか。休日保育の必要性が高いなら、無認可保育園など、民間で自主的に行われている休日保育を区の助成事業として位置づけてはいかがでしょうか。
第五に、北山伏保育園と薬王寺保育園の廃止計画を撤回し、原町小学校跡地に民間の保育園を設置することは、今後の保育需要を見ながら再考すべきと考えますが、いかがでしょうか。
北山伏保育園も、薬王寺保育園も、長い間地域住民に利用され愛されてきました。また、保育園が身近な場所にあることは、私も含め働く母親にとっては命綱ともいうべきものです。この二つの園を廃園にする必要がどこにあるのでしょうか。区立保育園二園をつぶしてまで民間保育園を設置することは、まさしく区の責任放棄としか言いようがありません。
以上、保育園の問題で五点にわたって質問いたしました。区長の見解をお示しください。
次に、保育園の民間委託に関連して、今問題となっている旧富久町区民福祉会館の建てかえ計画について質問します。
旧富久町区民福祉会館、現在は児童館、保育園、ことぶき館と、それぞれ独立した名称になりましたが、この建てかえ計画は区政改革プランで打ち出されたもので、ことぶき館については廃止、児童館は学童クラブの定員を拡大し、保育園については、新宿第一保育園を廃園にして富久町保育園を大規模化し民間委託するというものです。
これまでに、施設の利用者や地域住民を対象に何度か説明会が開催され、住民による独自の懇談会も開かれています。区側の説明としては、当初西新宿の建てかえ計画があったが、富久町児童館の学童クラブが定員を大きく超えた状況が続き、この事態を解消しなければならないこと。保育園についても、待機児解消や多様な保育需要にこたえるため、新宿第一保育園を吸収した規模の保育園とし民間委託すること。そうしたことを考えた結果、西新宿より先に富久町を建てかえることにした。また、現在の場所での建てかえとなるため、スペース上の制約からことぶき館は廃止し、高齢者の活動場所として、地域交流室と談話コーナーを設けるというものでした。
しかし、各施設の利用者や住民からは、「少子化対策と言いながら、なぜ保育園を統廃合するのか」「高齢化はますます進むのに、なぜことぶき館を廃止し、高齢者の活動場所を奪うのか」「ことぶき館を毎日利用している人が大勢いる。ほかのことぶき館に行けと言われても、そう簡単な問題では済まされない」「区政改革プランだって住民の意見をよく聞いたものではない。計画をつくる前になぜ住民の意見を聞かないのか」「保育園の民間委託は不安だ」などの声が出されています。
本来、公共施設の建設や建てかえに当たっては、数十年間使うものですから、その地域の将来にわたってのニーズはどうなのか。また、区はその地域のまちづくりをどのような展望を持って進め、それによって高齢者や子育て世代の人口がどのように推移するのかということを、区政全体の中で考えて検討されるべきではないでしょうか。
〔「そうだ」と呼ぶ者あり〕
今回の計画は、そうした将来展望もなく、学童クラブの定員問題を口実にしながら、財政削減のため、必要とされている新宿第一保育園を廃止し、保育園の統廃合、民間委託を強行するために建てかえ、高齢者が追い出されることになったと思うのはうがった見方でしょうか。
私たちは、何もこの施設の建てかえそのものに反対しているわけではありません。この地域で子供を産み育てながら、若い世代も住みやすい、お年寄りも生き生きと暮らせる、そういうまちづくりの核となるような施設にするべきではないかと言っているのです。
〔「そうだ」と呼ぶ者あり〕
このためにも、住民の声を十分に聞きながら、この計画は再考すべきです。
以上の立場から、以下具体的に質問します。
質問の第一は、学童クラブの定員オーバー問題や二十一館構想にとらわれることなく、余丁町小学校地域への増設も含めて検討することが必要と考えますが、いかがでしょうか。
質問の第二は、高齢者が住みなれた町で元気に長生きしていただくためにも、活動やいこいの場としてことぶき館はどうしても必要です。ことぶき館の廃止は撤回し、この場所にぜひ存続させるべきと考えますが、いかがでしょうか。
〔「そうだ」と呼ぶ者あり〕
質問の第三は、以上のことを含め、区民の意見をよく聞き、それを最大限取り入れた建てかえ計画とするため、延長も含め建てかえ時期を再考すべきと考えますが、いかがでしょうか。
以上、旧富久町区民福祉会館の建てかえ計画について、三点にわたり質問しました。区長の見解をお示しください。
次に、建築紛争とまちづくりについて質問いたします。
マンション建築による建築紛争は区内で後を絶たず、最近の傾向では、用途地域見直しなどに伴い、それまで低層の住居ばかりだった地域、または商業地域であっても、昔ながらの町並みを大切にしている地域などに、突如として高層または大規模マンション計画が持ち上がり、紛争となる例がふえています。神楽坂や舟町の三十階建て超高層マンション、上落合のまさに擁壁のような巨大マンション計画など、余りにも周辺と調和のとれない、しかも住環境に多大な被害を与える建築計画が持ち上がっています。業者まかせに無秩序なマンション建築を許すのでなく、区民主体のまちづくりを一層進めるためにも、新宿区独自の対策が求められています。
そこで、区長に三点質問いたします。
第一に、用途地域指定と都市マスタープランの見直しについてです。
日本共産党区議団は、九四年の用途地域見直し及び都市マスタープラン策定の際、住環境を良好に保全する上で重大な問題が生じ兼ねない内容を含んでいることから、区の提案に反対いたしました。区は都市マスタープランを基本にして、定住化やまちづくりを進めてきたと言っていますが、現実はどうでしょうか。
最近の建築紛争の多くは、まさに用途地域の見直しで、より高い建物が建てられるようになった地域で起こっています。日影や風害の被害を受ける住民は、新宿区に住み続けることに不安を抱くとともに、このような環境破壊をもたらす建築計画に関して、新宿区が「法律に違反していないから」「新たな定住につながるから」と、容認する姿勢をとっていることに失望さえしているのです。
多くの区民は、現在の用途地域の指定に対して納得しておらず、環境破壊につながる用途地域については、その見直しを強く求めています。今まさに用途地域指定及び都市マスタープランの見直しを、区民の住環境をどう守るかという視点から検討すべき時期にきているのではないでしょうか。その際には、案ができた時点で区民の意見を聞くのではなく、構想立案作業から区民の参加を求め、区民主体で新宿区をどういう「まち」にしていくのか。十分に時間をかけて検討すべきです。区長の見解をお示しください。
第二に、「中高層建築物の建築に係る紛争の予防と調整に関する条例」を、より効力のある条例に改正することについてです。
新宿区は、毎年「建築の手引き」を発行しています。建てかえをする区民や建築紛争にかかわる区民などから大変役立っていると聞いています。建物の計画から完了まで建築主が守らなければならないこと、配慮すべきことなどが丁寧に書かれています。私は、これらの内容を条例に盛り込むべきではないかと考えます。今まで「建築の手引き」で指導されていたことが改めて条例に明記されることで、より事業者への、近隣住民への配慮が強まるはずです。ちなみに、京都市、逗子市の同様の条例には、「建築主等の配慮等」とし、建築計画上の配慮、工事中の措置、テレビの受信被害に関する措置等の条文が盛り込まれています。
もう一つ改正すべき点は、説明会等の報告です。現行条例の第六条、「区長は必要があると認めるときは、説明会等の内容について報告を求めることができる」を、「説明会等を開催したときは、速やかに区長に報告しなければならない」という、報告義務の条文に変えるべきではないでしょうか。これにも、実は区内の建築計画を把握することができ、また事業者はいいかげんな説明会などはできなくなり、まさに建築紛争の予防になるはずです。
二十三区内では、既に十一区が報告することが義務になっています。この点について、区長の見解をお示しください。
第三に、大規模建築物に対し、区独自の規制をつくることを提案したいと思います。
京都市は、ことし五月「土地利用の調整に係るまちづくりに関する条例」を制定しました。京都市でも、不況による工場転出や閉鎖が相次いでおり、その跡地に大型店建設が進み、市街地もマンションやオフィスビルが建ち並び、いわゆる京都らしい町屋建築が消えていき、業者と地元住民との紛争も少なくないそうです。
「まちづくり条例」は、大規模な開発に対して、構想段階から事業者に情報公開と行政との協議を求める内容になっています。京都市は「市民・業者・行政が一緒にまちづくりを考える場をつくり、交渉の経過もオープンにするのが条例の趣旨」と述べています。
区長は今定例会に、「特定業務施設の新設等に伴う周辺環境の保全に関する条例」を提案しています。これは、大型店の無秩序な出店を新宿区独自に規制をかける内容です。こうした条例の制定を強く求めてきた私たちとしても、条例制定を決断した区長の姿勢を評価するものです。
そこで、区長にお伺いいたします。
この条例のような精神を生かして、京都市の「まちづくり条例」も参考にして、マンション等の大規模建築物を、住民の立場に立って規制できる新宿区独自の条例を検討されてはいかがでしょうか。
以上三点について、お答えください。
次に、防災対策について質問いたします。
ことしの防災訓練は、三宅島での噴火災害による全島民避難という自然災害の恐ろしさを身近に感じる中で行われました。
新宿区では、八月二十七日に区内十カ所で避難運営管理協議会を中心として訓練が行われ、二千三百人が参加しました。今回の訓練は、新宿区及び防災機関と防災区民組織である避難所運営管理協議会に結集する区民が、震災発生直後の消火・人命の救出と救助を目的として行われ、文字通り自治体と消防・住民が一体となった防災訓練でした。
一方、九月三日に行われた東京都の総合防災訓練「ビッグレスキュー東京2000」が、午前七時、震度六強、マグニチュード七・二の直下地震が二十三区に起きたとの想定のもと、中央区銀座など都内十会場で自衛隊を中心とする内容の訓練を行ないました。
訓練には、車両千九百台、航空機百二十機、船舶二十二艘が参加し、C−一三〇自衛隊輸送機三機で、福岡県や愛知県から支援部隊が輸送され、銀座ではヘリコプターが編隊して飛び、装甲車が走るなど、まさに今までの防災訓練とはかけ離れ、自衛隊を異様に突出させた防災訓練となりました。
大規模災害に際し、自衛隊の出動が必要となることは当然あり得ます。しかし、自衛隊はもともと消防や災害救助の専門集団ではなく、こういう組織に災害対策の主役を求めるのは筋違いです。
〔「そうだ」と呼ぶ者あり〕
「自衛隊が来れば万事解決」と言えるような自衛隊頼みの防災訓練のやり方は、肝心な本来の防災体制をおざなりにすることにつながりかねず、災害対策に明らかに逆行するものです。
今必要なのは、阪神・淡路大地震の教訓を生かし、自治体と住民と消防などが協力して、震災発生直後の消火・人命救助の訓練を積み上げる防災訓練ではないでしょうか。
自治体の災害即応体制については、災害救助の専門組織である消防組織などを中心に、あくまで自治体の持てる組織と機構を総結集して進める立場を貫くべきであり、その体制を住民とともに点検・充実するのが自治体の本来の防災訓練であると思います。「ビッグレスキュー東京2000」は、このような立場からしても逸脱しているものといえます。
区長は、「ビッグレスキュー東京2000」について、どのように認識しているのか伺います。私が今指摘した点を踏まえてお答えください。
また、このような「自衛隊主導」といえる防災訓練については、来年度以降改めるよう東京都に申し入れすべきと考えますが、区長の見解をお示しください。
質問の第二は、外国人を含めた防災訓練のあり方についてです。
新宿区は、九八年に策定された「地域防災計画」に基づき、外国人に対しては英語、中国語、ハングルによる「地震に備えて」というパンフレットを配布しています。また「被災した外国人への情報伝達を行う」という広報活動が中心となっています。
九月二日に、西新宿七丁目の常円寺で、「多文化共生防災実験」という防災訓練が、新宿消防署の協力のもと、約五百名の外国人が参加する中行われました。これは辛淑玉さんたちの呼びかけによる「多文化探検隊」の主催で、中国、韓国、イランなどさまざまな外国人が参加し、展示物もまんがや災害のパネルが数カ国後で紹介され、応急手当や消火・搬送訓練などの体験もしていました。
新宿には二万人を超える外国人が住み生活しています。今回の取り組みは大変意義深いものと考えています。区としても、「多文化探検隊」の今回の取り組みを生かして、外国人と日本人の共同した防災訓練をできるようにすべきと考えますが、区長の見解をお示しください。
なお、こうした活動からの教訓や外国人の方々の意見、要望を取り入れ、新宿区の防災計画をさらに見直すことが必要と考えますが、あわせて区長に伺います。
質問の第三は、消防団の手押しポンプを小型自動車ポンプにかえ、消火能力をアップさせることについてです。
現在、消防団は、火災が発生すると手押しポンプを数名で押して火災現場へ行きます。しかし、四谷、牛込、落合地域は坂が多く、手押しポンプでの移動は時間もかかり、体力的にも大変です。いつ震災が来るかもしれないのです。消火能力のアップ、迅速な行動により区民を災害から守る上からも、小型自動車ポンプを早急に配備する必要があります。東京都へ強く要請すべきと考えますが、区長の見解をお示しください。
質問の第四は、三宅島の島民の皆さんに対する援助についてです。
三宅島の全島民の避難に際し、島民の皆さんは身の回りの品だけで避難しており、今後の生活のこと、住宅のこと、仕事をどうするか。いつ島に帰ることができるかと、不安な気持ちでいっぱいであろうと察するに余りあります。同じ東京都民として、新宿区としても、庁舎に募金箱を設置するなど、区民へ支援の協力を要請することも含めて支援策を検討すべきと考えますが、区長の見解をお示しください。
次に、教育委員会に二点質問いたします。
第一に、中学校などで行われる部活動への支援についてです。
小学校の高学年から中学校になると、放課後の活動としての部活動があります。授業だけではない学年を超えた関係の中で、共通の目的を追求し心身ともに鍛えていくことができる貴重な時間となっています。子供たちの心と体の問題がこれだけ指摘されているとき、さらに部活動の活性化が求められます。
二〇〇二年からは新学習指導要領実施に伴う完全週五日制で部活動のあり方も大きく変わろうとしています。PTAでも大いに議論になっているところです。現在、新宿区ではスポーツ人材バンクを活用し、学校ボランティアである外部指導員が、昨年度より二百時間多い各校四百時間活用できるようになって多彩な活動が広がっているようです。
このような援助と同時に必要なのは、先生方が部活動に参加しやすくするための環境を整備することです。先生方の協力なしに部活動は成立しません。しかし、熱心にやればやるほど土日の練習や試合、その他の対応など相当の時間と労力もかかり、経費も持ち出しになることもあると聞きます。先生自身の仕事も過密になりがちなとき、継続してやり続けることは大変苦労がいることです。まさに部活動を維持、発展させるためには総合的な改善が必要です。
ところが教育委員会は、顧問の先生に出されていた一回千円のささやかな部活動教職員謝礼を今年度から廃止しました。法律上の問題が指摘されてのことと聞いていますが、先生方の部活動への参加を促進するため、そうした問題をクリアした上で対策を講じるべきと考えますが、いかでしょうか。
また、部活動の道具が足りない、壊れたままという声を子供たちからも聞きます。支障がなく活動できているのか、調査する必要があるのではないでしょうか。
新宿区でも、九月十一日に「部活動あり方検討会」を内部組織として立ち上げ改革を図るとしています。「部活動あり方検討会」については単なる内部検討にとどめず、PTAの代表なども参加する検討会にして実態を把握し、現場の子供や先生、保護者などからの声を十分に聞いて行うべきと考えますが、いかでしょうか。教育委員会の見解をお伺いします。
第二に、今日の教育基本法「改正」論議についてお伺いします。
森首相は、七月の臨時国会所信表明演説で、教育基本法について「抜本的に見直す必要がある」と表明するなど、改正に向けた動きを強めています。中曽根弘文文部大臣が、九月六日、首相の私的諮問機関である「教育改革国民会議」が、教育基本法について、「時代の変化に合わせた改正が必要」との認識で一致したと発言したのを受け、自民党が翌日の七日、来年夏の参議院選挙に向け、教育基本法の「改正」作業に近く着手する方針を固めました。
しかし、その後のマスコミ報道では、文部大臣の発言は、必ずしも事実を正しく伝えたものではなく、国民会議の委員からも、現在の教育の荒廃は、必ずしも教育基本法のせいではないなどの意見も出ていることが明らかになっています。教育基本法の「改正」については今でも多くの反対意見があります。それを国民への合意形成も怠って、一気に「改正」しようというのは大問題です。
私たちは、現在教育現場で起こっているいじめ、不登校、学級崩壊、そして心の荒れなどの実態は、まさにこの間の教育基本法から逸脱した自民党・財界流の「教育改革」の結果ではないかと主張してきました。そもそも教育行政とは、教育に欠かすことができない学問の自由と教育の自主性を守り、教育諸条件を整備・確立することではないでしょうか。このことは、現行の教育基本法の精神と合致していると思います。
当区の教育行政を預かる教育委員会としては、現行の教育基本法についてどのように認識されているのでしょうか。まず基本的な考え方をお聞かせください。
また、政府のねらう教育基本法の「改定」は行うべきではないという姿勢を示すべきと考えます。教育委員会の見解をお示しください。
次に、土地信託事業について質問いたします。
区長は、今定例会に、淀橋第二小学校跡地で安田信託銀行を受託者として土地信託事業を実施するための議案を提出しました。この土地信託事業について、私たちは、自治体行政の不動産会社化への変質につながるものであり、かつ区民共有の大規模な財産の活用でありながら、区民の意見を聞く機会をほとんど設けないなど、内容的にも、手続的にも、区民の理解を得られるものではないとの立場を繰り返し述べてまいりましたので、今回は一点についてのみお伺いいたします。
それは、八月二十五日付の新宿区新聞が、「気になる業者の選定」と報道した、受託業者の選定をめぐる問題についてです。新宿区新聞は、受託業者の選定について、「本紙の予想どおり、安田信託−−日建設計グループが落札した。一年先にゼネコンが決定するが、大成建設の受注公算も強く、
"出来レース" との疑惑も出てくる」と報道したのです。
私は、これだけの事業ですから、今後とも疑惑などと言われることは決してあってはならないと考えます。私は、区が今回の受託業者選定に当たって、選定委員会の委員名を非公開にするなど一定の配慮をしたことは承知しています。
しかしながら、率直に言って、私が一番疑問に感じたことは、区が安田信託銀行案と住友信託銀行案を比較検討して、住友案を退けた理由を見たときでした。区は自治体の土地信託として、どちらが適切であるか比較検討したとして、第一に、住友案はテナント管理がマスターリース方式であるため、区の監査や調査が及ばない懸念があること。第二に、工事発注が性能発注方式で自治体の通常の工事発注とは異なること。第三に、工法として特定建設会社の技術で完成実績のないものを提案していることを挙げています。
すなわち、住友信託銀行は、最初から自治体の土地信託にはふさわしくない内容を提案したのです。これが、全国で数多くの自治体から土地信託を受託している銀行のやることでしょうか。マスターリース方式も性能発注方式も、当然のことながら採用している自治体はありません。住友信託銀行がそのことを知らないわけはありません。新宿区新聞の「出来レース」という言葉がつい頭をよぎってしまうのは私だけでしょうか。
そこで、お伺いいたしますが、区長は、住友信託銀行が、最初から自治体の土地信託としては不適切な提案を行ったことについて、疑問の気持ちは持たれなかったのでしょうか。率直なお気持ちをお聞かせください。
いずれにしても、この事業は新宿区にとって初めての一大事業であり、社会的にも注目されています。折しも各自治体の公共事業入札をめぐって引き続き談合情報などが寄せられ、入札方式や契約が見直されるニュースも伝わってきています。したがって、この土地信託事業については、幾重にも慎重かつ厳格な姿勢が求められていると考えますが、区長の見解をお示しください。
以上で私の質問を終わります。長時間の御静聴ありがとうございました。 (拍手)
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