|
私は、2003年新宿区議会第2回定例会に当たり、日本共産党新宿区議会議員団を代表して、区長並びに教育委員会、そして選挙管理委員会に質問をいたします。
さて、さきに行われました区議会議員選挙で、私たち日本共産党は、定数6議席減という激戦の中9名全員当選を果たし、現有議席を確保、議席占有率23.7%で区議会第1党に躍進することができました。御支援をいただきました皆さんに、この場をおかりいたしまして心からお礼を申し上げるものであります。ありがとうございました。(拍手)
今後とも、公約の実現と、新宿区政が住民の暮らしと福祉を守るという自治体本来の役割が一層発揮できるよう、全力を挙げる決意を表明するものであります。
そこで、まず初めに、今回の区議会議員選挙の結果と公正な選挙について質問いたします。私たちは、今度の区議選で、区民に痛みを押しつける区政から、暮らしと福祉第一の区政への転換を呼びかけました。国民健康保険料値上げの凍結と見直し、がん検診、成人健診有料化の中止、高齢者福祉手当の復活、特別養護老人ホームの早期増設、保育園の待機児の解消、幼稚園、小・中学校の全教室の冷房化の早期実現を初めとした具体的な公約を示して、区民の皆さんに訴えました。
私たちのこの訴えは、例えば子供たちから、「暑いのは中学3年生だけではない、全部の教室に必ずクーラーをつけて」など、どこでも大きな共感の声が寄せられ、これらの願いの実現こそが今後の区政に求められていることを痛感いたしました。
そこで区長にお尋ねをいたします。私は、今度の区議選の結果には、暮らしと福祉第一の区政への転換と、これまで紹介したような切実な願いの実現を求める区民の意思が反映していると考えます。区長は、これらの区民の願いを真剣に受けとめ、実現のために取り組むべきだと考えますが、御見解をお示しください。
次に、区議選を前にして区内に配布された出所不明の謀略ビラについての選挙管理委員会の対応についてお伺いをいたします。
区議選を前にして、落合地域に、「地下鉄東西線落合駅にエスカレーター、エレベーター設置予定全くなし」という見出しの、達磨大師を名乗る出所不明の謀略ビラが配布されました。そもそも、落合駅にエスカレーターとエレベーターが設置される予定であることは、私も参加いたしましたけれども、日本共産党新宿地区委員会が営団地下鉄に要請した結果、明らかになった内容として「明るい新宿」号外で周辺地域の皆さんにお知らせをしたものです。「新宿区新聞」4月15日付も、「エスカレーター、エレベーターが設置されることは、本紙取材でも確認済み」だと報じたように、これが正確な情報であることは疑いがありません。それを否定するうその情報を流すとは、住民の皆さんの願いをもてあそぶものであります。
しかも、この出所不明のビラは、「明るい新宿」号外に掲載された写真を無断で転載した上、「問い合わせ先」として、事もあろうに、我が党の田中のりひで議員の自宅の電話番号を載せるという悪質きわまりないものであります。明らかに区議会議員選挙の投票に影響を与えることを目的とした、卑劣で謀略的なビラです。公職選挙法は第1条で「その選挙が選挙人の自由に表明せる意思によつて公明且つ適正に行われることを確保し、もつて民主政治の健全な発展を期する」とうたっています。選挙管理委員会は、このような選挙の投票に影響を与えることを目的とした謀略的なビラの配布について厳重に対処すべきだと思いますが、御見解をお聞かせください。
次に、有事法制関連法案などについての区長の認識について質問をいたします。
平和憲法を踏みにじり、アメリカの進める戦争に日本国民が丸ごと組み込まれてしまう有事法制関連3法案が、去る6月6日、ついに与党3党と野党の民主・自由両党の賛成多数で強行、成立をいたしました。
これまで、この法律に反対を表明してきた民主党が、「基本的人権の尊重」を明記させたことを理由に賛成に回るなど、国会では9割が賛成勢力という、いわば「有事法制翼賛国会」でありました。
しかし、たとえ与党と民主党の合意があったとはいえ、そもそも戦争そのものが基本的人権を侵害する行為の最たるものであることは明瞭であり、その戦争を遂行するための法律の本質と危険性は全く変わりありません。
〔「そうだ」と呼ぶ者あり〕
しかも、この法案の本質が、衆参の我が党の国会質問でも明らかになったように、米軍が引き起こす海外の先制攻撃の戦争に、自衛隊が公然たる武力行使をもって参戦し、罰則つきで国民を強制動員するところにあることは明瞭であります。
朝日新聞のコラムニストの早野透氏が、5月27日付のコラム欄に、「あれこれ思い巡らせてやはりそうなのかと思うのは、共産党の指摘する「米軍支援」という要素である」と書き、「20日の参議院審議で、同党の筆坂氏の質問を聞くと、耳を傾けるべきものがある。小泉さんの「備えあれば憂いなし」はわかりやすい。だが看板に偽りありという気もする」と述べています。
また、日本弁護士連合会は、有事法制が成立したその日、再度の会長声明を発表しました。そこには、「毎日新聞の世論調査によると、4割が「有事法制の整備を評価すべきかわからない」と回答しており、有事法制法案について国民に対する説明が尽くされていないことは明らかである。しかるに、そうした状況下で、我が国の針路を決定づける有事法制法案が可決成立したことは、極めて遺憾である」としています。
そこで区長に質問をいたします。区長は、有事法制について、これまで我が党の質問に対して、「国民の理解と合意が得られるよう十分な議論が必要だと考えております」と答弁されてこられましたが、成立に至った今回の有事法制をめぐる議論の推移を見て、「もう十分議論され、国民の理解と合意が得られた」と思われておられているか。または、「そこまでには至っていない」と思われるか。まず、この点についての認識を伺います。
質問の第2は、有事法制のもとでの地方自治体の責任や役割を具体化するために、1年以内に整備するとした「国民保護法制」についてであります。
私はこの法制が、実際は「国民保護」の名のもとに、自治体が政府や自衛隊の手足となって、住民の活動を統制し、戦争のために一丸となる体制が平時から進められる危険があると言わざるを得ません。
そもそも戦争において、「国民保護」を目的として、自治体が体制や計画をつくり活動すること自体が矛盾しています。それは、国会で小泉首相が「自衛隊も事実上の軍隊」と言ってはばからないように、自衛隊は敵をせん滅することが目的であり、自治体や住民はそのような自衛隊や米軍の活動のために、必要な環境づくりをすることが求められることになるからであります。
そこで区長に質問いたします。第1に、このように地方自治体のあり方の根本が問われる法案について、政府は、この新宿区を初めとした地方自治体に対して、十分な説明をしているのかどうかお伺いをいたします。
第2には、私はこの法案が、自治体本来の仕事である自然災害から住民の生命と安全を守るための災害対策基本法や災害救助法などと相入れないものであり、また、地方自治法第1条の2、1項は、「地方公共団体は、住民の福祉の増進を図ることを基本として、地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割を広く担うものとする」としていますが、法案が、この地方自治の原則を真っ向から踏みにじるものであると思いますが、以上の2点について、これは言うまでもなく、新宿区という1つの地方自治体の責任者としての区長の見解をお聞かせください。
次に、今定例会に提案されている新宿区民の安全・安心の推進に関する条例(案)について質問をいたします。
1990年代半ばから全国で制定が進められているいわゆる「生活安全条例」は、警察とその関係団体である防犯協会などが、犯罪から住民の安全を守るという名目で積極的に制定を推進してきたものであります。
犯罪の増加と凶悪化、歌舞伎町の客引き、青少年への悪影響など、区民が不安を感じている憂慮すべき事態に対し、その対策が必要なことはだれもが同感であります。
しかし、犯罪が増加している背景には景気の低迷などの社会不安があり、その対策をとるのが政治と行政の役割です。また、警察法第2条で、「警察は、個人の生命、身体及び財産の保護に任じ、犯罪の予防、鎮圧及び捜査、被疑者の逮捕、交通の取締その他公共の安全と秩序の維持に当ることをもつてその責務とする」と定めています。
しかし、条例案は、区民や事業者に対して、「区及び関係行政機関が実施する生活の安全に関する施策に積極的に協力する」役割を負わせています。しかし、区民等は本来犯罪から守られ、安全を享受する側にあり、行政や警察の施策に協力義務を負わせることは、警察と行政の役割放棄ではありませんか。
犯罪や迷惑行為等は刑法、軽犯罪法、道路交通法、暴力団取締法、風営法などなどの現行法や条例で適正に取り締まり、処罰することが可能であります。歌舞伎町火災などの再発防止は、消防法や建築基準法などの厳格な運用と必要な改定によってこそ可能であります。
現行の体制下で、これらの責務の遂行が不可能だとすれば、職員をふやすなど具体的に改善を図るべきであり、安易に区民と事業者に役割分担を強いることは問題の所在と責任をあいまいにするもので、犯罪捜査の技術も権限もない区民などに防犯への協力を求めることは、かえって危険にさらすことにもなります。
「IT交番」と称してコンピュータだけの交番になってしまったとか、交番にいつもお巡りさんがいないために、犯罪の取り締まりが手薄になっているのではないかなど、区民から苦情や不安の声が寄せられています。牛込警察署管内では、防衛庁前の交番に人員が移動したため、他の地域の交番が常時開設ではなくなったところもあります。また、神奈川県警が我が党の緒方靖夫国際局長宅を盗聴したり、ストーカーの違法行為を放置して殺人にまで至った埼玉・桶川事件など、不祥事や事件が相次いでいることも区民の警察への不信となっています。犯罪から区民生活の安全を守るというならば、不祥事を発生させない具体的対策や、交番に十分な人員を配置するなどの刑事警察の力量を強化することを、区として東京都に対して要望することこそすべきではないでしょうか。
そこで質問いたしますが、第1は、区長が、犯罪が増加している背景や原因はどこにあり、犯罪の予防や取り締まりの責務はだれが負っているのか。責務を遂行できずに犯罪が防止できていない問題点はどこにあると認識しているのかであります。
本条例案は、区民や事業者に警察等を含む関係行政機関の施策に協力する役割を負わせています。区民が防犯や安全に注意し、良好な地域社会を構築すること自体は当然のことであります。しかし、それを条例化して「役割」とすることで、これまで区民が自発的に行ってきた安全な環境づくりに警察が関与し、警察への協力を事実上強制すればどうなるでしょう。現に犯罪がなくても防犯のためだとしてパトロールに協力を求められ、参加・協力しない者は地域の安全を考えない異端者として排除されかねません。だれだれさんは夜遅く泥酔して帰ってきたとか、どこそこの家にはしょっちゅう人が集まっているが、よからぬたくらみをしているのではないかとか、隣の家から家族が言い合う声が聞こえたら、事件が起きるかもしれないなどと互いに監視し、不審者探しを担わされ、しかも安全目的の活動で得た情報は警察に集中することとなります。日常生活に警察が入り込む暮らしは、不信と猜疑心に満ちたゆがんだ地域社会をつくり出し、憲法で保障された権利や自由を脅かしかねません。それは、いざというときに互いに助け合うような……
〔「そのとおりだ」と呼ぶ者あり〕
良好な地域社会とはほど遠い、管理され、監視された地域社会の出現をも意味します。我が党は、住民が相互に監視し合う社会をつくり出し、基本的人権や自由を侵害するおそれの大きい本条例には反対であります。
質問の第2は、この条例の第4条で適用上の注意を規定していますが、この条項は「目的達成のために」「正当」に適用すれば区民の人権や自由を制限できると解釈できます。プライバシーの権利を初めとする区民の基本的人権や自由を脅かさない保障が本当にあるのかとの疑問をぬぐえません。この点について明確に御答弁を願います。
しかも、本条例案は、関係行政機関が実施する施策の具体的中身、区民、事業者が協力すべき内容、非常時とはどのような事態で、さらにその「おそれ」とは何か、安全推進地域活動とはどのような活動なのか。パブリック・コメントの際に例示した活動は区内全域で行われているが、何をもって重点地区と指定するのかなど、随所に具体的な定義等が不明確な事項が定められ、しかも施行はすべて区長に白紙委任です。このようなつくりは、安全のためと言えばどのような拡大解釈も可能な危険な条例と言わなければなりません。条例が、憲法に保障された基本的人権や自由を侵すような事態を招来させないためには、個別具体的に内容を明示すべきです。これらについて、一つ一つ具体的にその意味するところをお答えください。
次に、SARS対策について質問をいたします。
SARS問題は世界的な規模で広がり、カナダのトロントでは、新聞報道でも 6,400人が隔離されるなど重大な事態が発生しています。
そういった中で、世界保健機構(WHO)総会は5月28日に、SARSを「21世紀に登場した初の深刻な感染症」と規定し、健康や経済に深刻な脅威を与えている新型肺炎SARS制圧のため、WHOを中心に国際的な連帯を強め、地球規模で迎え撃つ体制を整えるとする決議を全会一致で採択いたしました。
また、新宿区内にある国立国際医療センターは特定感染症指定医療機関でもあり、SARSが流行するアジアに医師を派遣するなど積極的な対応もされています。しかし、医療センターにかかわる患者の皆さんや地域住民にとっては、新たな感染に対する不安があるのは当然です。区として医療センターに対し、院内感染や二次感染防止の対策強化と、区や地域の住民に積極的に情報を開示し、不安の解消にも努めることを申し入れるべきだと思いますが、まずこの点についてお答えください。
さて、区はこれまで情報提供や相談窓口の設置に取り組んできました。そして、今後についても、総務部危機管理室より全所属に情報提供がされるとともに、新宿文化国際交流ニュースなど関連団体の広報に5カ国語などで広報する予定だそうです。また、既に6月5日号の「広報しんじゅく」にも、SARSについての記事が掲載されました。
しかし、いまだに熱が出て、風邪の症状が出ても、病院へ行くと感染の危険性があるのではないかとの不安があり、市販の薬で対応するなど、区民の中にもまだまだ大きな不安は払拭されていません。
新宿区の特性として、ホテルや旅館が多く、日本語学校も多くあるなど、いわゆる伝播地域からの観光客なども多く来訪しており、他の地域以上に態勢の強化が求められています。
そこでお伺いします。大阪府の堺市では、病院、医師会、保健所が協力して感染対策のネットワークがつくられ、8つの病院が幹事となって活動、いずれの病院も感染対策チームが日常的に機能しているそうです。
第1に、保健所の体制強化については今後どうされる予定ですか。また、堺市のように、区内の病院や医師会などとのネットワークづくりを進めるべきと思います。また、トロントの事態や台湾の事例にあるように、最悪の事態に対する訓練、シミュレーションを行い、必要な対策をとるべきだと思います。
第2に、学校関係については文書のお知らせだけでなく、必要な体制を養護教諭などや学校医などと連携し、不安を抱いている児童・生徒・保護者への個別相談も行うべきであります。
第3には、相談窓口については、この6月から東京都保健医療情報センター・ひまわりに休日夜間のSARS健康相談を持ち、また、そこでは外国語相談窓口も設置されています。区の相談窓口の強化を進め、周知については広報やホームページ、また区の掲示板なども活用し、もっといろいろな方法で周知すべきだと思いますが、いかがですか。
最後に、旅行業者などSARS問題で大きな影響を受けていますが、BSE問題のときのように、緊急の対策融資や生活支援策を行うべきだと思いますが、以上の点についてもお答えください。
次に、特別養護老人ホームの増設と入所調整について質問をいたします。
厚生労働省は昨年8月、指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準の一部改正を行い、特別養護老人ホームの入所は、これまでの申し込み順から、必要性の高い入所希望者を優先的に入所させるよう努めることが義務づけられました。
新宿区はこれを受けて、新宿区介護老人福祉施設入所指針を決定し、7月1日から申し込みの受け付けを実施、10月から入所を開始しようとしています。
新宿区では、年を追うごとに特別養護老人ホームの待機者はふえ続け、2003年3月末現在で 1,279人もの人が入所を待っています。区は、介護保険制度に移行してからの待機者がふえていることについて、「要介護1以上の人が申し込めるようになったため、すぐに必要でない人も申し込みをしている。入所調整で待機者が圧縮される」などと言ってきました。しかし、最大の要因は特別養護老人ホームの不足と、現在の制度では、在宅サービスだけで介護を支えることができないことなどが問題であります。幾ら入所調整を行っても、施設入所を必要とする待機者が激減するわけはありません。
全国で初めて優先入所を行った神戸市は、待機者を減らそうとして、これまでの申し込みを白紙にし、再度申し込みをさせたために高齢者が混乱し、ケアマネジャーからも、入所の見通しが立たなくなり、本人や家族に説明ができず困ったとの不満が出たそうです。新宿区でも、このような混乱を起こさせてはなりません。
そこで質問いたしますが、第1は、特別養護老人ホームの入所調整を行うに当たっての客観性、公平性を確保し、制度変更による混乱を回避することについてです。
新宿区介護老人福祉施設入所指針では、入所の必要性を判断する基準は、項目別に得点化して優先順位を定めることとされていますが、それぞれが抱えている状況を一律の基準で得点化することは大変難しく、公平さを欠くことになります。
例えば、介護者の状況にかかわる項目の中で、「在宅サービス利用状況の評価」という項目があります。経済的な理由から、サービスを受けられない低所得者が排除されることにつながります。単純な得点だけではなく、状況を総合的に判断し、決定に関しては客観性、公平性が保たれなければなりません。そのためには経済的事情を把握する項目や、特記事項を記入できるように改善を図るべきではないでしょうか。
また、介護保険制度自体も理解するのが大変な高齢者に、このような複雑な制度を説明し、理解を求めていくことはなおさらであります。既に申し込みをしている人には、区が郵送で申請書を送付し、郵送での受け付けを行うとしていますが、その際、申請書が送付されてこない人には、電話や訪問など個別に丁寧な対応をすることが必要です。新規申込者の申請手続なども含めて、混乱を招くことのないよう区が責任を持って区民に説明や対応を行い、施設やケアマネジャーなど民間の事業者にも丁寧な説明、対応ができるよう指導すべきと思いますが、区長の見解をお聞かせください。
質問の第2は、特別養護老人ホームの早期増設についてであります。
特別養護老人ホーム待機者の解消という根本的な問題解決のためには、特別養護老人ホームの早期増設を区が責任を持って行うべきことは当然です。区内にある公有地をあらゆる方法で活用し、早急に特別養護老人ホームの増設を具体化すべきであります。
例えば、百人町四丁目の都営団地建てかえが行われている地域は、高齢化が進み特別養護老人ホームの需要も多い地域です。2号棟には区の在宅サービスセンターも併設されています。これから建てかえが行われる都営住宅の敷地の中には、現在の34号棟から48号棟までの地区は国有地ですが、今後の土地の活用方法が定まっていません。そのような公有地や区の学校跡地などを活用して、増設を図るため国や都に働きかけたり、近隣住民との話し合いを持つなど特別養護老人ホームの建設を急ぐべきと考えますが、区長の見解をお示しください。
質問の第3は、在宅サービスの充実についてです。
現在の在宅サービスだけでは在宅での介護を支え切れないことも、入所希望者がふえている1つの要因です。せめてホームヘルプサービスだけでも、武蔵野市が行っているように、自立支援型家事援助サービスを拡大して、限度額を超えるサービスをカバーできるようにすべきです。また、低所得者に対しては、区独自の利用料軽減制度を実施することを重ねて要求するものでありますが、以上の点について区長の見解をお示しください。
次に、保育園の待機児解消と民間委託についてですが、まず初めに、待機児解消について質問いたします。
待機児数は、昨年度末で 265人、今年度に入っても6月1日現在で既に 114名、ゼロ、1、2歳の低年齢児では89名に上っています。入所率で見ても94.9%であり、年度当初でほぼいっぱいという状況で、待機児解消の取り組みは一刻の猶予もありません。が、そうでありながら、区はなぜ北山伏、薬王寺保育園の2園を廃止するのかという疑問が多くの区民から寄せられています。
そもそも、牛込原町小学校跡地の民設民営の保育園の規模は、両保育園を合わせた定数であり、ほとんど待機児解消にはなりません。両保育園が存続されれば、新たに牛込原町小学校跡地の保育園ができることによって、待機児解消の大きな前進になると思いますが、区長はどのようにお考えでしょうか。
保育園の廃園計画に対し、両保育園の保護者から、「公立保育園に通わせたいのに、なぜ民間保育園に移らなければいけないのか」という疑問や、「牛込原町小学校跡地にできる保育園は、シックハウス対策について十分行うと言っているが、今の対策の基準は成人対応のものであって、果たして子供にとって大丈夫なのか」という不安の声もあります。
1997年の児童福祉法改正により、保護者は保育園を自ら選択できるようになり、また入所期間も、それまでの6カ月から小学校就学前までとなりました。したがって、小学校就学前まで、保護者が選択した保育所で保育を受けることが保護者の権利として保障されているのであり、両保育園の保護者は保育園の廃園によって、児童福祉法で定められた保育所選択の権利を侵害されることになり、違法ではないでしょうか。区長の見解をお聞かせください。
また、公立保育園は、地方自治法第 244条第1項にいう「住民の福祉を増進する目的をもってその利用に供するための施設」、つまり「公の施設」に当たります。「公の施設」を利用するためには、その前提として「公の施設」が設置されているのが当然です。地方自治法は地方自治体に対し「公の施設」の設置義務を課しているのです。「公の施設」である保育園が不要になっていないにもかかわらず、廃止するのは設置義務違反であり、地方自治法違反であると言えます。この点について区長のお考えをお聞かせください。
現在、牛込地域の待機児はふえ続け、両保育園は不要どころかますます必要とされている「公の施設」であることは明瞭です。両保育園の廃止はこれだけの違法性があり、撤回しなければならないと考えますが、区長の見解をお示しください。
次に、保育園の民間委託についてであります。
新宿区では、初めての公設民営保育園である富久町保育園がスタートし2カ月がたちました。保護者から区に対しメールが寄せられています。「富久町保育園の現実を、かかわった方全員に見に来ていただきたい。あれでよくなったと言えるのか。民営化はやはり人件費削減しか子供、保護者のもとには返ってきていない」というものです。こうした不満を持つのはこの方だけではありません。私たちも保護者、関係者の方から同様の意見を聞いています。保護者は保育園と区にさまざまな改善を求めていますが、十分に対応してもらっていないと感じています。現在、登園拒否になる子、区立保育園に転園の相談をする保護者、実際転園した子供もいます。多くの保護者は、民間委託になって、サービスが向上したどころか、保育の質が落ちたと感じ、区に対する不信は大きくなっています。
そもそも「公の施設」は地方自治体が直営するのが原則ですが、地方自治法はほかに委任をする例外を認めています。その条件は、「公の施設の設置の目的を効果的に達成する必要があるとき」と定めています。これは、「地方自治体が自ら管理するよりも、一層向上したサービスを住民が享受することになり、ひいては住民の福祉がさらに増進されることとなる場合であります。今回の富久町保育園はまさにこのケースであり、サービスを向上させなければ地方自治法の趣旨に合いません。休日保育や延長保育などのオプション保育ができることだけをもってサービス向上と言うのではなく、通常の保育が民間委託でよくなったと、保護者や区民が思うようにならなければサービス向上とは言えないのではないでしょうか。
そこで区長に伺います。第1に、現在保護者から出されている諸問題に、区が責任を持って対応し、保護者の信頼をかち取り、富久町保育園の保育サービス、質の向上を行うことを求めます。
第2に、そのためにも保護者と区、保育園との懇談会や保護者アンケートなども定期的に行い、そこで出された意見に区が責任を持って対応すべきです。区の初めての試みである公設民営保育園の状況を正確に把握すべきではないでしょうか。
最後に、教育委員会に質問をいたします。
第1に、幼稚園・小・中学校の全普通教室の冷房化をこの夏一気に進める問題についてです。我が党区議団は去る5月13日、リース方式を採用し、6月議会で補正予算を組み、この夏一刻も早く幼稚園、小学校、中学校の全普通教室に冷房化を行うことを求める申し入れを行いました。全教室の冷房化について再三要求してきたところであり、さきの区議会議員選挙でも、多くの保護者を初め子供たちも含め、関係者からの強い期待が寄せられました。
新宿区でも、やっと冷房化への第一歩が始まり、この夏に間に合わせるための設置工事が進められ、受験期を控えた中学3年生の普通教室と、西新宿中学校と落合中学校は全教室に設置されることになりました。これにより、中学校については、既に設置済みの西戸山中学校、四谷中学校と合わせて13校中4校が全教室設置となります。しかし、暑いのはどの学校、どの子にとっても同じであります。
この間、我が党が調査した中でも、千代田区、中央区に次いで、昨年は品川区、目黒区、荒川区が小・中学校で設置済みであり、港区、渋谷区、中野区などは、この6月には幼稚園・小・中学校の全教室に設置すると聞いています。さらに、中学校の普通教室については、豊島区では前年度に、文京区でも今年度に設置するとのことであります。都心区の中で最も高層ビル化が進み、ヒートアイランド現象の激しい新宿区で、公共施設の中で唯一空調化の残された普通教室については、区の姿勢が問われています。
ましてや、区教育委員会は、来年度から学校選択制の導入を決めました。中学校4校だけは全教室冷房化、他の9校は3年生だけと施設・設備に差をつけたままでは、行政の平等性からしても、もはや関係者からの理解も得られません。今後、どのような計画で進めようとしているのか、周辺区の状況も踏まえた上でお答えください。
質問の第2は、30人以下学級の実施をまず小学校1年生から行うことについてであります。新宿区議会でもこの間、国や東京都に対して意見書も上げてきました。1人1人に行き届いた教育を進めるために、少人数学級の実現は国の責任で行われるべきでありますが、全国29道府県の自治体で既に少人数学級が実施されています。昨年、25人学級をスタートさせた埼玉県志木市で、この3月「実態及び実感調査結果」と題する報告をまとめています。7割の教師が「教えやすくなった」、保護者の78.9%が「少人数になってよかった」「担任に1人1人をよく見てもらえるようになった」と答えています。
仮に新宿区で今年度の1年生を30人以下で編制した場合、11名の教員採用で、そのための人件費は 4,400万円程度で実施が可能であります。また、区立小学校の実態は、既に48学級中32学級が30人以下、つまり7割が30人以下学級であり、30人以上の学級はわずか3割とも言える状況です。このことは、新宿区で30人以下学級をつくることが、より教育の格差是正を進めることになるのではないでしょうか。
したがって、30人以下学級をまず小学校1年生から実施することを求めるものであります。教育委員会の御答弁を求めます。
以上で私の質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
|