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■2003年第2回定例会一般質問 近藤議員(2003年6月11日)

 私は、児童館の再編成と児童指導員業務の民間委託について区長に質問いたします。
 ことし2月に決定された「後期基本計画」や「行財政改革計画」で取り上げられている児童館の再編成と指導員業務の民間委託の問題は、一地域の問題ではなく、新宿区の子供全体の問題です。新宿区の「子育てサービスガイド」では、児童館について、「区内21カ所に設置され、地域の子供たちに健全な遊びを提供し、仲間づくりや遊びの指導・援助、さまざまな行事、相談等を行っています」と説明され、さらに児童館のスタッフは、「子供家庭相談業務」として保護者等の子育てに関する悩み、子供自身の悩みについての話を聞き、アドバイスをしたり、必要に応じては他の専門機関と連携して、問題の解決に当たる重要な役割を果たさなければならないことも明記されています。ここで示されている事業は、現在の複雑な社会状況のもとで、子供にとっても、親にとっても欠かせない公共サービスであり、熟練を要する専門的な事業と言えると思います。
 学童保育は、1998年4月より法制化されて丸5年になります。法制化そのものは、長年の要求運動により、学童保育が法的に位置づけられたもので重要な意義を持つものです。国の動きとも合わせ、この新宿区でも2000年3月に「新宿区学童クラブ条例」がつくられ、「学童クラブを設置し、保護者が就労等により、昼間家庭にいない児童に遊びと生活の場を与え、もって子育て家庭の支援及び児童の健全な育成を図ること」が明確に区の事業として位置づけられました。これにより利用時間の延長や障害児についての6年生までの学童保育への受け入れなど、前進面と保育料の有料化や用務業務の民間委託など、区民負担と職員の削減も実施されてきました。
 そして、今度の計画で、児童館・学童クラブの再編成として、「基本は学校ごとに小学生以下を対象とし、学童クラブも併設する(仮称)こども館の設置と、ゼロ歳から18歳未満の子供を対象とする(仮称)児童センターを区内に5カ所程度設置する」という計画と、指導員業務を民間に委託することをあわせて実施しようとしています。各地でも児童館・学童クラブのあり方が大きく変更される動きが強まっています。
 23区では、全国的にも進んでいると評価の高い公設公営のあり方から、民営化や指導員の業務委託化などに転換する動きが出ています。ですから、この計画に対して区民の中からは、区の言う「地域の特性やニーズに合わせた計画」ではなく、「コスト削減のための計画」ではないか、こういう不安が広がっています。
 昨年9月に計画案が示された時点からおくれて11月中旬から、具体的に名前が挙げられている榎町、早稲田南町、西新宿各児童館・学童クラブの関係者と区との話し合いが何度も設けられました。保護者からは具体的な要望や提案が何度も出されていますが、今の現状で区民・関係利用者との理解が得られているのは以下の3点です。「第1に、榎町と早稲田南町の学童クラブは統廃合しない。第2に、榎町児童館の2階、3階部分の改修・改善については進めるべき。第3に、西新宿児童館・学童クラブの移転については同意する」というものです。

 そこで、第1に、計画の進め方についてお伺いします。父母会などとの説明会では、担当課長は、「区長から、利用者の意見をよく聞いて物事を進めるようにとの指示が出ている」と何度も話されています。区長は現場主義を強調するのであれば、今回計画の対象になっている榎町、西新宿、早稲田南町3館の学童クラブ父母会から再び出ている「児童館の民間業務委託に関する陳情」や、新宿区学童保育連絡協議会からの「学童クラブ・児童館再編に関する陳情」の双方で指摘されている西新宿児童館・学童クラブの移転のみを、指導員業務の民間委託とは切り離して実施すべきとの声こそしっかり受けとめ、7月からのプロポーザル実施は取りやめ、児童指導員業務委託のための補正予算は削減をするべきではないでしょうか。お答えください。
 また、この計画は3館だけの問題ではありません。3つの館だけでも民間委託に関し、開設時間の延長で別途保育料は徴収されるのか。業者の選定に当たって利用者の意見はどこまで反映されるのか。業者に問題があった場合どのように対応されるのかなど多くの疑問があり、まだこれらの疑問には区は十分な説明をしていません。また、中・高生の居場所は、この計画では大幅に減ってしまうのではという不安も解消されていません。残り18館の地域では計画の内容さえも知らされていないのが実情です。
 さきに行われた該当地域2カ所での意見交換会のように、特定の方だけを集めて行うような形式ではなく、すべての館ごとに学童クラブの保護者はもちろん、幼稚園や保育園の保護者、小・中学校など地域関係者を対象に、繰り返し区の計画説明と話し合いを行い、計画を進めるかどうかも含め、意見を聞きながら検討すべきです。計画の進め方、区民とどのように理解を得ていこうとしているのかについてもお答えください。

 第2に、指導員業務についてお伺いします。計画の対象である3つの父母会からの陳情では、指導員業務の民間委託については、「これを実施するしないも含めて、利用者の意見を十分に聞き、納得できる話し合いをもとに決定して」ほしいことや、「せめて1年間の検討期間を置く」ことなど、まだ納得できていない状況が示されています。保護者にとっては、児童館・学童クラブの役割は、施設としてのハード面だけではなく職員の役割が重要で、特に学童クラブは、「ただいま」と自分の家のように子供たちが通ってくれることが、安心して働き続けるために欠かせないことなのです。
 指導員業務の民間委託については、メリットとして区が説明しているのは、開設時間の延長ぐらいで、保護者からは「指導員と子供、保護者が信頼し合ってうまくやっているのに、それを崩してまで民間委託する理由がわからない」という声も出ています。現状の公務員が行うのと、民間委託のどちらが納得いく方法なのか。保護者や関係利用者などが選択することを十分に保障し、その結論について区がきちんと尊重すべきではないでしょうか。
 仮に業務委託を実施することになった際には、関係利用者の声が反映されるように進めるべきだと思います。新宿区が業務委託を実施するに当たって参考にした大田区でさえ、委託先の選定をする委員会に、地元の民生児童委員や小学校PTA代表や学童父母会会長など、利用者の代表が参加し決定しているのです。区として、この点でもいかがかお考えをお聞かせください。

 最後に、今、区としてやるべきことは、児童館・学童クラブの充実のために、人件費コスト削減のための民間委託、この計画を安易に進めるのではなく、児童館・学童クラブに対する国や東京都の低過ぎる指導員の配置基準や身分などを抜本的に改善するよう、要求すべきなのではないでしょうか。区長の考えをお聞かせください。
 以上で私の質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)




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