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■2003年1定 雨宮議員の質問への答弁(2003年2月26日)

◎区長(中山弘子) 雨宮議員の御質問にお答えいたします。

 初めにイラク問題についてですが、現在、問題の解決に向けて国連安全保障理事会の場で各国がそれぞれの国の立場から意見、態度を表明しています。
 私としては、国連の枠組みのもとで解決されることを願っておりますが、このような国際問題につきましては、今後、国会で展開される議論を見守ってまいりたいと思います。

 次に、「区政の基本方針」についてのお尋ねです。
 まず、区財政を取り巻く環境と国の政策との関係でございますが、景気などその時々の経済状況が、区財政にとって区税収入などを含めまして大きな影響を及ぼすものです。長く低迷する日本経済の状況も、区財政にとりましては厳しい現実であります。
 しかしながら、このような厳しい環境の中で、区民生活を支えるための区政執行、区財政のかじ取りに心を砕き努めてまいりますのも、区政をあずかる者としての役割でございます。
 現在の日本経済は、デフレの深刻化、株価の低迷に見られますように厳しい状況にあるものと私も思います。このような中で、国におきましてはデフレの克服を最大の課題としておりますが、今後とも、自律的経済成長を実現するための適切な対応を強く望むものであります。

 次に、「『財政非常事態宣言』を超えて、さらなる区政改革をなし遂げる」ことに関連して、今後の行財政運営についてのお尋ねです。
 区財政は、平成12、13年度決算に続いて14年度も実質単年度収支が黒字になることが見込まれることなど、これまで進めてまいりました財政健全化に向けた取り組みは着実にその成果を上げております。
 しかしながら、先行き不透明な経済状況や施設の改築や少子高齢社会への対応など、今後の施策展開に必要な財源などをも考え合わせますと、区財政は、これまでのさまざまな改革により一定の改善は見たものの、なお極めて厳しい状況にあると認識せざるを得ません。
 私といたしましては、これまでの改革がもたらした成果の上に不断の改革を積み上げていくことで、区民生活を支えるための行財政の基盤を確立することができるものと考えております。
 御指摘の趣旨が、区民に負担を求めない、事業の見直しも行わないということであるならば、これから進めようとする改革への取り組みとはその考えを異にするものと思います。
 私は、行財政改革はこれからが正念場であると考えております。事業コスト情報の提供など、区政の透明性をより高める取り組みとともに施策の再構築を進め、限られた資源を有効に生かしていくこと。事業の見直しについても、区民、団体などとの連携、協働により区民サービスの向上を図るという視点を大切にすること。また公共施設についても、更新需要なども踏まえそのあり方を見直していくこと。こうした考え方を基本に、新たな時代の課題に的確に対応していくための行財政の質的な改革、さらなる「区政改革」を進めていく決意でございます。

 次に、医療費の値上げにかかわる御質問に一括してお答えいたします。
 医療制度改革の基本方針であります「国民が一部の負担で必要な医療を受けられる体制を維持する」ことは、非常に重要なことであると認識しております。
 この医療制度改革は、危機的な状況にある医療保険の破綻を回避するために、医療の提供側と受け手側の双方に負担を求めており、提供側の負担として診療報酬や薬価基準の引き下げも行われております。
 区民の皆様が、引き続き一部の負担で適正な医療を受けられる体制を維持するという点から考えますと、このたびの医療費の値上げはやむを得ないものと認識しております。

 次に、国民健康保険料の引き上げについてのお尋ねでございます。
 今回の保険料率の改定につきましては、23区統一保険料方式により算定したものです。被保険者数の大幅な増加などにより総医療費の伸びが見込まれることから、保険者負担分医療費の2分の1を保険料で賄うという原則に基づき算定いたしました。
 その際に、中間所得層への負担の偏在を是正するため、所得割と均等割の賦課割合の改善もあわせて実施したところでございます。御指摘のございました年収 300万円の場合の保険料につきまして、金額で申し上げますと、4人世帯では月額 700円余の増額となることとなります。
 私といたしましても、国民健康保険が国民皆保険を支える制度として、他の医療保険に属さないすべての方を被保険者とすることから、高齢の方や収入のない方をも対象とし、その点制度上の問題があることは否定できないと認識しております。この点につきましては、かねてから全国市長会としても、制度の見直しを国に要望し続けているところでございます。
 当区の国民健康保険財政におきましては、現在でも既に多額の一般財源の繰り入れを行っているところであり、これ以上の繰り入れは到底困難であると認識しております。ぜひ御理解いただきたいと存じます。

 次に、がん検診・成人健診の無料制度の復活についての御質問ですが、がん検診等の一部自己負担制度につきましては、昨年の第3回定例議会で議決を受け、「新宿区保健事業の利用に係る使用料等を定める条例」を制定したところでございます。
 この制度は、サービスを利用される方々に応分の負担をしていただく「受益者負担の適正化」の観点から、無理のない範囲で費用の一部を御負担いただくこととしています。限られた財源の中で、区民の皆様の要望に的確にこたえていくためには必要な制度であると考えています。
 なお、急激な負担増とならないよう、2年間の緩和措置及び減免措置を講じているところでございます。
 今後、さらに区民の皆様の健康に対する意識を深め、一層の理解が得られるよう積極的に啓発に取り組んでまいります。

 次に、介護保険についてお答えします。
 まず、国の特別対策であるホームヘルプ減額は、介護保険制度導入前に利用されていた旧措置者に対する経過措置として実施しているものであり、新規の利用者に対しては、国制度を改善した都制度による利用者負担額軽減措置事業を実施しているので、区独自の軽減策を講じる考えはありません。
 また、平成15年度から17年度までの次期の保険料につきましては、高齢者保健福祉推進協議会や区民の御意見を踏まえつつ、介護給付費準備基金の全額投入を前提に、可能な限り上昇を抑えたものとして条例提案をしております。
 また、6段階保険料制度の導入により、保険料の支払いが最も困難な所得階層である第2段階につきましては5%の値下げとなり、現行制度の中で区独自の工夫により、可能な限り負担能力に見合った保険料が設定できたものと考えております。したがいまして、国の三原則に反して一般財源を投入することは考えておりません。
 さらに、保険料の個別減額制度につきましても、第2段階を対象に引き続き実施してまいる予定ですが、減額の条件につきましては、他区や近県の自治体に比べても遜色なく、減額制度としては適切なものと考えておりますので、預貯金の条件の拡大は考えておりません。

 次に、在宅の重度要介護者への支援策についてのお尋ねです。
 区独自の支援策により、高齢者福祉手当の事実上の継続をしている他区の例を取り上げての御質問ですが、老人福祉手当は、在宅サービスの確保が十分でなかった時代に現金給付をするというものでした。介護保険制度の開始とともに、在宅サービスは相当程度に確保されました。またサービスの給付水準についても、要介護度が4以上の重度の方の支給限度額は月額30万円を超えております。このようなことから高齢者福祉手当については、経過措置を設け、平成14年度をもって廃止することといたしました。
 要支援・要介護の高齢の方には、介護保険で適切なサービスを提供することが基本と考えておりますので、御質問のように、高齢者福祉手当の代替策として現金給付をすることは考えておりません。
 したがいまして、区独自の「(仮称)新宿区重度要介護高齢者手当条例」を提案する考えはございません。

 次に、借り換え融資制度についてのお尋ねでございます。
 まず、この制度の特徴についてでございますが、返済期間の長期化により、月々の返済額を軽減できることにあると考えております。したがいまして、融資制度全体の検討に際しましては、当然その対象の一つであると考えているところでございます。
 私といたしましては、当区の産業振興を進めるために、融資制度のみならず商店街振興施策を含めて、いま一度、全体的にその具体的事業を検討してみたいとかねてより考えておりました。限りある財源の政策配分を含めて、その判断を行うために時間をいただきたいと申し上げたところでございます。
 御指摘にございますように、今日の中小企業者の資金繰りの苦しさは、その多くが国の財政金融政策によるものでございます。区といたしましては、当初予算に事業規模で50億円のデフレ対策融資を盛り込んでおり、可能な限りの対応はとっていると考えております。
 一般に国家の政策の影響をすべて区が補完するということはできないことでございます。むしろ、当区の産業振興の観点から必要な事業を今後十分に検討したいと考えております。したがいまして、実施の可否などについてはいまだ申し上げられる段階にはございません。

 次に、行財政改革についてのお尋ねでございます。
 まず、区民の方々からちょうだいいたしました数多くの御意見、御要望などについてですが、今回のパブリックコメント制度や「区長を囲む会」などでの御意見については十分に受けとめ、また区の考え方もお示しし、多くの方には御理解いただける形で各計画の中に反映させることができたものと考えております。
 御質問の中に例示としてございました「ことぶき館」につきましては、単なる施設廃止を考えているものではなく、地域センターなどとの役割分担の中で適切な地域配置を目指すものであることを御説明いたしましたし、民営化・委託化への懸念のお声に対しては、サービスの質の確保、安全性の確保については区が責任を持って対処していくことを約束しておりますので、基本的な考え方につきましては御理解いただけたものと考えております。
 今後も一つ一つ取り組みを進め、課題が生じればその都度誠意を持って対応してまいりますので、これからの進め方につきましても御理解いただけるものと考えております。
 また、区民の方々が共同しての取り組みを希望される事業につきましては、地域支援の観点から区といたしましても、経費をかけないで実施する工夫や自助・共助の仕組みの中で実現する工夫などに努め、きめ細やかな対応を行ってまいります。

 次に、行財政改革計画の中で挙げた「施設方針」についてですが、これは、現在の区有施設の規模を見直していかないと、今後の財政運営に大きな影響を与えかねないという背景からのものです。
 それを受けての各施設の方針ですので、施設を利用される方々はもちろん、区民の皆様全体にかかわる問題として、区民意識調査やパブリックコメント制度等を今後も十分に活用しながら解決していきたいと考えております。
 このような取り組みを進めるに当たりましては、社会経済状況などの変化に柔軟に的確に対応することが重要ですので、施設方針も適宜見直していくべきであると考えております。
 また、図書館のあり方の見直しにつきましては、教育委員会によります今後の取り組みを支援し、十分に連携しながら、より効果的・効率的なサービスについて、区民の皆様と議論できるように努めてまいります。
 日影制限の見直しについてですが、このたびの見直しは、都心地域等における土地利用の混在・複合化、建築物単体での用途混在・高層化等が進行しており、都心居住の推進等の視点からも、市街地内での住宅の多様な立地状況に対応した居住環境の確保を図る必要があることを踏まえたものです。
 区としては、都市計画が期待するまちのあり方の実現のために、日影制限を可能な限り、都市計画との整合と調整を図ったものとすることを目的としながら、見直し作業を進めているものです。
 見直し素案につきましては、広報や住民説明会により、広く周知が図られるよう実施してきました。さらに、ホームページやパブリックコメント制度の活用により、従来に増して一層きめ細やかな対応を行ってまいりました。この結果、数々の御意見や御要望が寄せられたことから、素案の一部を修正することにより原案といたします。
 この原案の周知方法については、広報やホームページ等でお知らせすると同時に、さらに町会の回覧板を活用するとともに住民説明会も行い、十分な説明をしていきたいと考えております。

 次に、ワンルームマンション建築に係る条例の制定時期についてのお尋ねです。
 区では、昨今のワンルームマンションをめぐる状況を踏まえて、行政の透明性と実効性の向上を目指して、条例化に向け検討を開始したところです。
 条例の制定に当たりましては、正確な実態把握の上に立った素案づくり、住宅まちづくり審議会における審議や、パブリックコメント等を活用した区民の方々からの意見の聴取などを行うことを予定しており、これらの一連の手続をできる限り速やかに進めてまいります。

 次に、条例の内容についてのお尋ねですが、ワンルームマンションの問題は、建築に関するハード面とその管理運営に関するソフト面の両面から、そのあり方を考えることが必要だと考えております。
 具体的には、定住が可能なマンションの質の向上、地域の居住環境への配慮、コミュニティーとの調和に配慮した管理方法などを盛り込むべき内容として、検討を進めてまいりいたと考えております。

 次に、建築計画の早期周知に関するお尋ねですが、区では現在、ワンルームマンションの建築に係る条例の制定に向けて、建物の規模と紛争との関係や周辺に与える影響などの実態把握とあわせて、計画の周知期間についても検討しているところです。建築計画の早期周知につきましては、ここでの検討状況を勘案してその周知時期を決定してまいります。
 なお早期周知については、単独条例ではなく、現行の新宿区中高層建築物の建築に係る紛争の予防と調整に関する条例の施行規則の改正で対応していきたいと考えております。またその規則改正の時期は、できるだけ早期に行うよう準備を進めてまいります。

 以上で答弁を終わらせていただきます。

◎教育長(山崎輝雄) 教育委員会への御質問にお答えいたします。

 図書館についてのお尋ねでございます。
 区立図書館のあり方につきましては、図書館運営協議会を中心に検討してまいりますが、広く区民の声を聞く構成にするため公募委員を2名から4名に、会議開催も年6回を10回にふやし、精力的に審議していただく予定にしています。
 また、その他の区民の声を聞く機会については、さまざまな方法を検討してまいります。

 以上で答弁を終わらせていただきます。




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