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■2004年第3回定例会一般質問 笠井議員(2004年9月17日)

 日本共産党議員団所属の笠井つや子です。
 来年2005年度は、太平洋戦争終戦60年、広島、長崎の被爆60周年、新宿区平和都市宣言20周年に当たります。その節目の年度を控え、平和施策の拡充について区長並びに教育委員会に質問します。昨日の質問者と重なる部分がありますが、よろしくお願いします。

 質問の第1は、新宿区が核兵器廃絶に向けて積極的な役割を果たすことについてです。
 新宿区議会50周年記念誌には、原水爆禁止を求める区議会の先輩たちの活動が記録されています。1954年3月1日、ビキニ環礁でアメリカが行った水爆実験で、静岡県焼津市のマグロ漁船第五福竜丸が被爆し、持ち帰った築地市場のマグロから高濃度の放射能が検出され、乗組員の久保山愛吉さんが死亡するなど、全国民に大きなショックを与えました。当時の新宿区長、区議会議長は、戸山町の国立病院に入院中の乗組員らを見舞い、区議会は9月28日、亡くなられた久保山愛吉さんに対して弔意をあらわし、黙祷を捧げました。
 そして、区議会として、原水爆禁止に関する意見書を各関係大臣に提出、新宿区原水爆禁止協議会が結成され、今は亡き鈴木徳之助議員、茶山克巳議員、高山勘治議員、加藤春子議員が原水禁大会に参加しました。さらに、運動の発展のために、当時の岡田区長が顧問に、区議会議長が会長に、役員も3分の2は区議会議員という、区長、議会、区民の3者が一体となって原水爆禁止運動に取り組み、同年12月2日の区報は「区の原水爆禁止署名終わる」と題して、9歳以上の署名可能人口の63%に当たる16万 6,677名が署名したと報道しています。
 国際平和年を翌年に控えた1985年12月10日、新宿区議会はこうした先輩たちの活動を受け継いで、非核三原則を明記した新宿非核平和都市宣言の制定を求める決議を全会一致で可決しました。これを受け、区は翌年の3月15日に、新宿区平和都市宣言を制定したのです。
 来年は6回目の開催になる平和都市市長会議に、これまで区長みずから参加し、会議参加国に連帯して核保有国の核実験には、直ちに抗議電を打ってきました。
 今、核兵器をめぐる世界の情勢はどうでしょうか。広島、長崎の両市長は、ことしの平和宣言で、核不拡散条約体制が危機にひんしていると警告し、いまだに1万発の核兵器を保有し小型核兵器の開発を進めるアメリカの核戦略を告発するとともに、日本政府に対して、憲法を守り被爆国として核兵器廃絶に役割を果たすべきだと迫りました。そして、来年5月の核不拡散条約再検討会議に向けて、核兵器廃絶の道筋をつけるための行動を呼びかけました。
 区長に2点お伺いします。
 新宿区議会と新宿区の歴史的な取り組みも踏まえ、核兵器廃絶へ向けた決意をお聞かせください。
 来年開催される平和都市市長会議に区長御自身が参加され、核兵器廃絶に向けて積極的な役割を果たしていただきたいのですが、いかがですか、お答えください。

 質問の第2は、(仮称)新宿区平和行政推進に関する条例の制定についてです。
 東京大空襲のあった3月10日は、区役所庁舎内でも黙祷を呼びかける放送がありますが、新宿区は4月13日、5月24日、25日にも空襲を受け大きな被害を受けたことを、今どれほどの区民が知っているでしょうか。1996年には、終戦50年「平和への願い・新宿区平和都市宣言10周年記念誌」が戦争体験集として発行されましたが、より積極的な平和施策の推進が求められています。戦後60年が経過し戦争体験者の高齢化が進み、語り継ぐことが薄れてきています。
 同時に、平和の問題では、今まさに世界と日本が直面している大きな課題です。イラク戦争では1万人以上のイラクの人々の命が奪われました。また、ロシア・北オセチア共和国、インドネシア・ジャカルタと残虐なテロが相次いでいます。テロと武力行使の連鎖は決して問題を解決しません。
 8月に沖縄で起きた米軍ヘリコプター墜落事故では、日本に現場検証さえ行わせず、飛行を再開するという、アメリカの主権侵害の横暴と軍事優先の姿が浮き彫りになりました。
 私たち日本国民は、二度と戦争の惨禍を繰り返さないとの誓いから、世界の先駆けと言える平和憲法を制定しました。「戦争の惨禍を人々に訴えるとともに、永遠の平和を築き、この緑の地球を次の世代に引き継ぐ責務がある」と誓う新宿区平和都市宣言に基づき、区の施策としてより具体的に推進するために、仮称・新宿区平和行政推進に関する条例を制定すべきではないでしょうか。
 1994年、新宿区環境都市宣言を行い、その後、新宿区環境基本条例を制定して環境行政を推進しているように、平和行政を推進させるためにも条例制定すべきと思いますが、御見解をお聞かせください。

 質問の第3は、新宿区平和都市宣言20周年記念事業についてです。
 8月21日と22日、新宿区も後援した第50回日本母親大会が東京で開催され、私も参加してきました。ユニセフ親善大使として活動している歌手のアグネス・チャンさんが「みんな地球に生きる人」と題して記念講演し、イラクなど戦地で苦しんでいる子どもたちとの出会いを語り、「どんな子どもにもお腹を痛めて産んでくれた母親がいます。一瞬にして命を消してしまう戦争を許してはなりません」「子どもたちは選んでイラクにいるのでない。今、戦争をしない選択をするとき」と切々と呼びかけました。下痢や飢えで死んでいく子、目をそむけたくなる光景が浮かび、会場は怒りの涙となりました。
 今、区内の学校でもユニセフ募金活動に協力していますが、過去の戦争を風化させないこと、今起きている世界の現実の問題を子どもたちにも知ってもらうことは、21世紀を平和の世紀にするためにも大切ではないでしょうか。
 新宿区は、世界 100カ国以上の人が暮らす国際都市です。新宿区平和都市宣言20周年記念事業に、親子でユニセフ親善大使の話を聞く集いなどを教育委員会と共催で企画することを検討してはいかがでしょうか、お伺いします。

 最後に、ことし6月23日、沖縄県全戦没者追悼式で、県立首里高校の金城実倫さんが朗読した詩の最後の部分を紹介させていただきます。
 「今 また世界のどこかで戦争が起きている 人は何を求め 何を奪うために「戦争」をするのか 残酷と悲劇の産物である「戦争」 お婆たちが教えてくれたあの「戦争」 わたしたちはどうすればいいのか どうしようもないのか どうすることもできないのか いやそうではない そうではないはずだ 私たちは生きている 私たちは生きているのだから考えることができるのではないか 話し合うことができるのではないか だから 目を逸らさずに見つめていこうではないか 今世界で何か起きているのかを! 「命」の尊さ 自然のすばらしさを! そして「平和」の真の意義を! 戦争をしないと決めたこの国で……」
 どうか、この高校生の平和への思いも受けとめていただき、お答えくださるようお願いをして、私の一般質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)




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