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■2004年第4回定例会代表質問 沢田議員(2004年11月25日)

 私は、2004年新宿区議会第4回定例会に当たり、日本共産党新宿区議会議員団を代表し、区長並びに教育委員会に質問いたします。
 最初に、区長の政治姿勢について伺います。
 イラク・ファルージャでは、米軍の無差別攻撃による住民の大量虐殺が行われ、民間人の死者は少なくとも 2,000人と報じられています。ファルージャから命がけで脱出したイラク人は、「米兵は建物の屋上に上がり、そこから老人、女性、子どもの区別なく動くものすべてに銃撃を加えました。テロを口実にこのような攻撃をする米軍こそテロリストではないですか」と、その無法で野蛮な行為を告発しています。
 イラク国内はもとより、世界じゅうでアメリカは野蛮な殺りく行為を直ちに中止せよという声が巻き起こっています。ところが小泉首相は、この作戦を成功させなければならないという驚くべき発言で、直ちにアメリカへの全面的な支持を表明しました。
 区長は、米軍がファルージャで行っている行為についてどのような見解をお持ちですか。平和都市宣言を発した自治体の首長として、アメリカに対しすべての軍事作戦を直ちに中止するよう求めるべきと考えますが、区長の見解をお示しください。
 イラクでは、宗教者が「イラク人と日本人との強いきずなは、日本が軍隊を送ったことで崩壊に向かっている」と発言するなど、自衛隊撤退を求める世論が強まっています。日本国内の世論調査でも、自衛隊派兵の延長反対を求める意見が5割から6割以上と多数を占めています。国会では、日本共産党と民主党、社民党は共同でイラク特別措置法廃止法案を提出し、即時撤退を強く要求しています。
 今や政府が主張する自衛隊派兵の根拠さえ、すべて崩れているではありませんか。大量破壊兵器は存在せず、イラク戦争の大義は根本から崩れました。イラク全土に非常事態宣言が敷かれ、自衛隊が派兵されている地域が「非戦闘地域」でないことは明らかです。大量殺りく行為を続ける米軍を支援して派兵を続けることは、イラク国民との関係、アラブ・イスラム世界全体との関係で、日本を取り返しのつかない立場に置くことになります。
 区長は、自衛隊のイラク派兵について、これまで「反対する考えはありません」「国会の意見を尊重したい」と答弁されてきました。あくまでも政府及び国会で多数を占める与党に従うという区長の考えは、イラク国民の意向とも、世界や日本の世論ともかけ離れているのではないかと憂慮するものですが、改めて区長の見解をお聞かせください。

 次に、震災対策について区長と教育委員会に質問いたします。
 10月23日、新潟県中越地震が発生し、死者40人、負傷者 2,859人の大きな被害が出ました。被災者の皆さんに、心からお悔やみとお見舞いを申し上げます。被災地に派遣された区職員の皆さんも大変御苦労さまでした。
 私ども日本共産党区議団は、雨宮、近藤、あざみ区議と、私の4人が11月11日、12日の2日間、小千谷市を中心にボランティア活動をしてきました。私たちが行ったときは、まだ電気、ガス、水道が全く復旧していないところもあり、ひび割れや土砂崩れで3分の1ぐらいが壊れている道路や、建物も応急危険度判定の赤(危険)、黄(要注意)のステッカーが張られた家をたくさん見ました。
 被災者の方のお話も伺ってきましたが、これが新宿区だったらと思うと背筋が寒くなると同時に、今回の教訓を新宿区の震災対策に生かさなければと思いました。
 以下、4つの問題に絞って質問します。
 第1は、命を守るために倒壊しない安全な家にすることです。
 新潟県中越地震は大地震にもかかわらず、建物の倒壊による死者が阪神・淡路大震災に比べて少なかったのは、豪雪地帯で建物が頑丈だったからだと言われています。区は、アクション04事業で、木造住宅等の耐震化支援事業をことし7月20日より実施していますが、きょう現在申請が37件で、そのうち、今回の地震以降の申請が23件と、急速に関心が高まったことを示しています。
 わが党が今定例会で条例提案をしているリフォーム条例は、耐震化のための改良、改善工事を含むリフォーム工事費に助成をするものですが、着実な耐震化促進のため、区の支援は調査、計画の費用のみに限定するのではなく、工事費そのものにも助成を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。
 第2は、避難所のあり方を再検討することです。小千谷市では人口約4万 1,000人に対して、最高時2万 9,243人、人口の約7割が避難者となりました。家は倒壊しなくても強い余震が続くため怖くて家に入れず、当初は人々が避難所へ殺到し、避難所に入れなかった人はガレージやテントで生活しました。
 新宿区地域防災計画の東京直下地震の被害想定によると、避難所生活人口2万 2,960人としています。これは、全区民の約8%、木造住宅居住人口の約30%であり、小千谷市の実態と比べて極端に少ない数字です。地震が平日の日中に起きたら、帰宅困難者を含めて収容できるだけの避難場所が確保されているのか再検討し、まだ避難所に指定されていない私立学校や避難所に適した企業の建物などについても協力を求め、避難所の指定を拡大すべきと考えますがいかがでしょうか。
 また、避難所になる区立小・中学校のうち、小学校5校、中学校6校が耐震補強工事が未実施となっています。早急に実施すべきですが、完了はいつになるのかお答えください。
 第3は、備蓄物資についてです。被災地では、コンビニもスーパーも壊滅状態で、多くが閉店したままでした。地域によっては通っている8本の道路のうち7本が寸断され、車で移動できず、市役所から配給されたのは2日目の夕方になってもパン5個を8世帯で分けなければならないような実態でした。
 新宿区の備蓄物資は、食料については区民の3日分を確保しているといいますが、帰宅困難者のことも含め、現状の備蓄で本当に足りるのか再調査、再検討が必要ではないでしょうか。
 しんじゅくトークで、ある町会長さんが学校の備蓄倉庫の問題点を指摘していました。区長は、教育委員会と一体となって総点検をすると答えておられましたが、その進捗状況をお示しください。
 そもそも学校内の備蓄倉庫は空き教室を間借りしている状態に過ぎず、震災のことを想定したつくりにはなっていません。今後、建てかえを行う学校については備蓄倉庫を単独で設置するなど、いざというとき使いやすい設計にすべきと考えますが、いかがでしょうか。
 また、今回の震災では、道路が大きな被害を受けたことを考えると、救援物資の運搬がすぐに開始できない可能性もあり、備蓄物資を歩いて配ることも予想されます。第二次避難所となっているところにも最低限の物資については備蓄しておく必要があるのではないでしょうか、お答えください。
 第4に、仮設住宅の建設についてです。小千谷市では11月10日現在、仮設住宅の申し込み希望者は 1,300件です。当初 400戸建設予定だったものを 800戸にしたそうですが、それでも不足しています。新宿区の防災計画では、仮設住宅建設計画の検討として、新宿中央公園に 191戸など、都立及び区立公園13カ所に 1,381戸となっていますが、木造密集住宅市街地整備促進事業地域などに3万 4,763戸もあることを考えると、被害の大きさによっては、仮設住宅の戸数も見直す必要があるのではないでしょうか、見解をお示しください。

 次に、指定管理者等事業者の選定方法について質問します。
 地方自治法の改定以降、各自治体の施設の管理運営を指定管理者制度に移行する事例がふえてきました。法により自治体の直営でない場合は、2006年度までに指定管理者の指定を行わなければならないことから、新宿区でも多くの施設がその対象として検討が進められています。
 私たちは、区の施設は基本的に区の直営で管理運営すべきであり、特に、福祉施設や社会教育施設などについては、その管理運営に区が責任を持つべきであると考えます。しかし、施設の経過などもあり、区以外の事業者が管理運営することに一律に反対するものではありません。
 ここでは、指定管理者制度や業務委託のあり方について幾つか質問します。
 その第1は、区民の負担増や利用条件が後退しないようにすることです。指定管理者制度によって、公の施設を民間企業も管理運営できるようになりました。ここには民間企業サイドから見れば、ビジネスチャンスとして指定管理者制度をとらえているのではないでしょうか。当然、指定管理者制度の中では、区は、これまでの管理運営経費の減額を大きな目的としています。したがって、区民にとって利用する際の負担が従来よりふえないか、これまでの利用条件よりも後退しないかということが心配されます。
 区は指定管理者制度への移行によって、決して区民負担の増大や利用条件の後退を招いてはならないと考えますが、区長の見解をお示しください。
 また、区の指定管理者制度への対応方針では、「利用料金制を導入することが利用者の不都合や区等の事務の障害となる場合は、区の歳入事務とする」としています。この立場から区民への負担を増大させないために、必要な場合には指定管理料、委託料を増額する、または補助金を出すこともすべきだと思いますが、いかがでしょうか。
 第2は、事業者選定の際、住民参加と情報公開を徹底することです。新宿区の環境学習情報センターと区民ギャラリーの指定管理者を選定した際には、都内で最初の指定管理者制度ということもあり注目されました。このときは、プロポーザル形式で環境審議会委員2名、社会教育委員1名、弁護士1名、公認会計士1名による外部委員5名と内部委員4名の9名からなる選定委員会で選定されました。
 応募のあった13団体を第1次の書類審査で5団体に絞り、第2次審査の公開プレゼンテーションは傍聴者が30名余りいる中で、その場では事業者名も明らかにされ、選定委員による質疑応答も行われました。これ以降、区の指定管理者制度への対応方針が打ち出され、これに沿って公募が行われていますが、住民参加と情報公開という点で現状はまだまだ不十分と言わざるを得ません。
 質問の第1は、選定委員会の構成についてです。環境学習情報センターと区民ギャラリーのときは、選定委員会に環境審議会委員や社会教育委員を入れることで、区民関係者の参加が一定保障されました。区の対応方針では、「選定委員会には外部委員(弁護士、公認会計士、大学教授等の学識経験者や施設特性に応じた専門分野担当、当該施設の利用者等)を加え、十分な透明性及び専門性を確保する」とされています。しかし、実際の事業者選定では、学識経験者や区の職員のみで構成され、利用者や区民の参加が十分に保障されていないのが現状です。
 例えば、中央区がことし7月にオープンした知的障害者生活支援施設の場合、6人の選定委員のうち2人は区内の知的障害者団体の代表となっています。こうした事例も参考に、選定委員会の構成は公募も含めて、区民の参加を最大限保障すべきと考えますがいかがでしょうか。
 質問の第2は、可能な限りの情報公開を行うことについてです。
 環境学習情報センターと区民ギャラリーのときは、最終選考に残った事業者の得点と、選定された事業者名が公表されましたが、公開プレゼンテーションの場で各事業者名についても事実上公開されました。しかし、これ以降区が行った事業者選定は、選定された事業者名のみを公開し、選定されなかった事業者については名誉を守るため非公開にする、企画書については、事業者のノウハウや企業機密に属することも含まれるので非公開にするという、区民から見て、透明性の低い公開の水準だと言わざるを得ません。
 新宿区においても、事業者を募集する際には事業者名や企画書の内容も含め、情報公開することを前提に募集し、より透明性を高めていく必要があるのではないでしょうか。
 以上のことを踏まえ、指定管理者制度への対応方針については見直しを行い、指定管理者以外の事業者公募の際もこれを準用すべきではないでしょうか、区長の見解をお示しください。

 次に、介護保険制度と特別養護老人ホームの建設について質問します。
 質問の第1は、現在、厚生労働省が進めている介護保険制度の見直しについてです。厚生労働大臣の諮問機関である社会保障審議会介護保険部会で、2006年実施の見直しが検討されています。
 検討の内容は、1、介護保険料を二十歳から徴収する、2、給付抑制のために介護施設利用者からホテルコストと称して、月額3万円を超える水道光熱費や食費などを徴収する。3、要支援、要介護1の軽度要介護者の給付を制限する。4、利用料の本人負担を現行の1割から2割ないし3割に引き上げる。5、障害者支援費制度と統合する、というもので、新聞等の報道では部会内の議論が紛糾し、見直し案の策定が難航しているようです。
 この問題では、区長会が6月9日に決議を採択し、国に対して要望を提出したことは承知していますが、保険者である区市町村が地域の実情に即して、それぞれの意見や要望を提出することも重要ではないでしょうか。案が固まらない今の時期こそ働きかけが重要です。
 そこで区長に伺います。
 さきに述べた見直しの論点について、区長はどのように認識、評価していますか。これが実行に移されたら区民生活に及ぼす影響は甚大であり、区として反対の立場を明確にすべきであると考えます。全国市長会で要望したからよしとせず、武蔵野市や三鷹市が国に直接意見を提出しているように、新宿区としても区民の立場に立った意見を国に対して積極的に提言すべきではないでしょうか、区長の見解を求めます。
 質問の第2は、低所得者の介護保険利用料負担軽減制度を創設することについてです。介護保険制度導入前からホームヘルプサービスを利用していた方の訪問介護利用者負担を軽減する経過措置が来年3月に終了となり、区内で 288人が影響を受けます。また、国と東京都のサービス提供事業者による生計困難者に対する利用者負担軽減措置も、3月が終了期限となっています。制度上の制約から利用者が少ないとはいえ、国と都の制度合わせて区内で59人です。全国ではかなりの自治体が独自の利用者負担軽減制度をつくっていますが、新宿区には独自制度がなく、国と都の経過措置が唯一の救いでした。
 全国市長会の国に対する要望では、低所得者の保険料、利用料負担軽減のために、「財政措置を含めて総合的かつ統一的な対策を講じるよう、抜本的な見直し」を求めています。国に見直しを迫るのとあわせて、新宿区としても低所得者の介護保険利用料負担軽減制度を創設すべきではないでしょうか。厚生労働省の見直しが利用者負担引き上げの方向に向かっていることも踏まえて、区長の見解をお示しください。
 質問の第3は、特別養護老人ホームの建設についてです。私どもは、昨年の第3回定例会で、百人町四丁目の都営戸山団地の建てかえ後の跡地は国に返還するのではなく、都営住宅を建設するよう要請するとともに、その際、特別養護老人ホームの併設を都と協議するよう提案してきました。
 市谷砂土原町の計画が中止に追い込まれた後、ことしの第2回定例会での私どもの質問に対して、区長は、「今後、公有地の活用も含めさまざまな選択肢を視野に入れて、整備目標の達成に努めてまいります」と述べました。砂土原町の計画が中止になった後、目標達成のために、区長は具体的にどのようなアクションを起こしてこられたのでしょうか。また、私たちが提案してきた東京都等への働きかけはしてきたのか、したのであれば協議の進捗状況もお聞かせください。

 次に、ことぶき館について質問します。
 第四次実施計画と第二次行財政改革計画については、パブリックコメントによる意見聴取と、区長と話そう〜しんじゅくトークが行われ、計画の変更点も示されました。区民から重ねて出されている要望が幾つかありますが、中でもことぶき館の問題については、西落合地域の3つの高齢者クラブの会長が取りまとめた陳情が区議会に寄せられ、委員会で継続審査になってからも署名がふえ続け、 1,100名を超えたと聞いています。
 第1に、西落合ことぶき館の存続についてです。関係者との話し合い、また、しんじゅくトークでは、区長自身が区の考え方について繰り返し説明しても、なお住民の皆さんからは存続の要望が強く出されています。今求められているのは、区の方針を決まったこととして区民に押しつけるのではなく、区民と十分に話し合うこと。そして、話し合った結果、区民が強く要望していることについては、例えそれが当初の区の方針と違っていたとしても、区は方針を撤回して、区民の要望を実現すべきではないでしょうか。
          〔「そうだ」と呼ぶ者あり〕
 区が示した第二次行財政改革計画策定に当たっての考え方の整理では、廃止の検討をすることとしている幾つかの社会教育会館やことぶき館などについて、反対や不安の声が寄せられました。施設の見直しに当たっては、単に施設を廃止するのではなく、地域需要を的確にとらえて生涯学習の活動場所、高齢者の方の居場所を地域に確保していくことを明確にしていきますと述べています。
 西落合ことぶき館では、高齢者クラブの友愛活動などによって利用者が 1,000人もふえ、高齢者の引きこもり防止や介護予防にも大きな役割を果たしています。地域需要を的確にとらえるのであれば、ことぶき館や社会教育会館を残すことこそ、この地域の需要にこたえるものではないでしょうか。
 四谷の幼保一元化も結局は区民の意見は聞き入れられず、区の方針に沿って進められ、住民、関係者と区との間に埋めようもない大きな溝をつくる結果となりました。このようなやり方を西落合でも押し通すことは、区民と区との信頼関係に禍根を残すことになり、やるべきではありません。
 西落合ことぶき館については存続をさせ、新たに建設される落合第二区民センターとあわせて区民の活動拠点となるよう充実させるべきです。区長の見解をお示しください。
 第2に、ことぶき館の有料化問題についてです。パブリックコメントやしんじゅくトークでも出されていたのは、ことぶき館を引き続き無料で使えるようにしてほしいという要望でした。第二次行財政改革計画でことぶき館については、当面区の直営とし、2006年度以降に指定管理者制度へ移行し、それに伴って利用料金制度を導入、個人利用以外は有料化するという区の考え方を示したのに対し、区民から「待った」の声が上がっているのです。
 先ほども述べたように高齢者が生き生きと活動できるのは、いつでも、無料で、気軽に利用できることぶき館があるからです。しんじゅくトークでは、「ことぶき館の看板を下げず、有料化しないでほしい」、「区の高齢者福祉に対する姿勢が問われている」、「高齢者もボランティアとして活動しているんだ」という、町会、高齢者クラブの役員の方からの意見もありました。区は、住民との協働を言うのであれば、区民、ボランティアが活動しやすい環境をつくることも区の重要な仕事ではないでしょうか。ことぶき館については、2006年度以降も引き続き無料とすべきです。見解をお示しください。

 次に、新宿駅周辺の再開発について伺います。
 新宿区まちづくり懇談会に区が資料として提出した新宿駅周辺の巨大開発構想は、区民に大きな驚きを広げています。最終的な完成は30年後とするその構想は、5つの地区に分けられて、合計18のプロジェクト計画が示されています。中でも、新宿駅界隈地区については、「空港ターミナルビルの雰囲気を醸す開放感あふれる未来型デザインの広大な駅空間を創出する」「線路上空の一部には駅ビル建てかえによる超高層複合タワーが南口のタワーとともにそそり立つ」。その中には、ホテル、オフィスのほか劇場などを入れて「観光交流拠点」に、また、「駅周辺のデパート群などの建てかえにあわせて」、「新宿摩天楼」と称する高層タワー群を建設し、「24時間眠らない未来型の空中国際ビジネス街の形成を目指す」という内容です。
 まちづくり懇談会で、区長は、「『え、こんなタワーが建って、こんなビジネス空間?』という感じもあるかと思うのですが、次のビジネス空間というものをここに期待したい、次なる時代の都心センターにふさわしいまちの建て直しということで御提案をさせていただいております」と強い思い入れを表明されています。
 区がこのような構想を示している日本テレビ跡地から西新宿に至る新宿駅周辺地域は、国が進める都市再生事業の緊急整備地域に指定されており、まちづくり懇談会の資料では、その実現を図るために、都市再生事業の手法をふんだんに活用することが前提となっています。都市再生事業では、都市計画や建築の各種の規制が緩和され、民間主導で計画を提案し、短期間に都市計画決定することが可能になります。
 緊急整備地域に指定された大崎駅周辺地域の例では、明電舎跡地を都市再生特別地区とし、容積率 300%の準工業地域で 750%の容積率を確保、31階建て、延べ床15万 5,160平米の商業ビル建設がわずか4カ月で都市計画決定されました。
 既に都内は、バブル最盛期の倍といわれる建設ラッシュで、この5年間に、高さ 100メートル以上の業務商業ビルだけでも46地区、延べ床面積およそ 507ヘクタールという巨大な超高層ビル群が建設され、二酸化炭素の増大やヒートアイランド現象など、東京の環境は深刻な事態を迎えています。
 区がまちづくり懇談会に示した資料には、大型幹線道路の整備に合わせて街路樹や広い歩道を整備する「光と風の道」など、「環境共生」と称する対策もありますが、新宿駅周辺に超高層ビルを林立する構想は、それをはるかにしのぐ都市環境悪化への道ではないでしょうか。
 しんじゅくトークでも意見が出されましたが、区民の皆さんからは、「区は、がん検診の有料化やことぶき館、社会教育会館の廃止など、区民に直結する仕事はどんどん後退させておいて、超高層ビル建設に熱中するつもりなのか」という心配の声が上がっています。
 そこで区長に伺います。区長が描く新宿駅界隈の将来像と、その実現プロセス、及びそこへの区の関与と区財政の投入をどのようにお考えなのかお答えください。また、都市再生緊急整備地域である新宿駅周辺地域の整備についての区の考え方と方針をお示しください。
 区がまちづくり懇談会で示した構想の一部は、既に具体化が始まっています。その中で、2つの事業についてお伺いします。
 第1は、区と東京都、JR東日本、小田急電鉄などが参加した検討委員会で、来年3月に策定予定の新宿駅周辺整備計画についてです。わが党はこれまで、首都の拠点ターミナルであり、区民以外の利用者が圧倒的に多い東西自由通路について、区が多額の負担をする形での事業遂行をきっぱりと拒否すべきだと指摘してきました。区が事業主体となれば、建設費の3分の2を区の責任で調達することになり、それだけで数十億円の区民の税金の投入を余儀なくされ、管理費まで負担することになります。仮に財源が都区財調だとしても、区民が納めた税金であることに変わりありません。東西自由通路の概算整備費用、事業主体などについて検討委員会での検討状況と、現時点での区の考え方についてお示しください。
 検討委員会では、自由通路のほかにも駅周辺の建物、道路の再整備、駅前広場周辺地区の段階的整備なども含め、駅周辺整備計画を策定することになっています。一方、まちづくり懇談会の資料では、さきに紹介した超豪華な新宿駅建設を目標としながら4つの主要事業として、「駅内広場と東西自由通路」、「駅ビルに文化・観光の拠点づくり」、「東口広場の再生」、「空中歩行者デッキ」を「順次整備していく」と書かれています。検討委員会では、これらについてどの範囲まで検討対象とされているのでしょうか。また、駅周辺整備計画に区民の意見をどのように取り入れるつもりなのか、あわせてお答えください。
 第2は、歌舞伎町の再開発についてです。Yomiuri Weekly11月7日号は、「歌舞伎町で進む摩天楼構想」という記事を掲載しました。その中で、まちづくり計画担当副参事は、まだ懇談会レベルと前置きして、「歌舞伎町の再開発は代官山、渋谷、丸の内の比ではない。東京のセンター都市として、ニューヨークのマンハッタン、上海のプートンに匹敵する世界レベルの都市にしたいと考えている」と発言されています。また、区長は、まちづくり懇談会で「ニューヨークのタイムズスクエアを参考にしたような再生の取り組みを提示させていただいた」と発言されており、区民は、区長及び区が相当膨大な再開発構想を描いていると受けとめています。
 さらに、まちづくり懇談会の資料では、歌舞伎町全体の再開発の整備手順や、先行再開発エリアである「劇場都市」については、行政も加わった再開発組織、まちづくり協議会の立ち上げ、構造改革特区としての観光交通特区の手法などが具体的に記されています。現に、歌舞伎町商店街振興組合が中心となって立ち上げられた歌舞伎町まちづくりプロジェクトには、区もオブザーバー参加し、再開発や構造改革特区の活用も視野に入れた検討が進められています。わが党は、環境浄化も含めた歌舞伎町の計画的なまちづくりは重要であると考えますが、大事なことは、その内容と進め方です。そこで区長に伺います。
 第1に、区長が描かれている歌舞伎町のまちづくり構想はどのようなものか、Yomiuri Weeklyの報道も踏まえてお答えください。
 第2に、先行再開発エリアとされるいわゆる「劇場都市」について、区として再開発、都市再生特別地区の活用などの事業手法を考えているのか。また、構造改革特区の活用について検討していることがあればお答えください。
 第3に、とりわけ歌舞伎町のまちづくりについては、その成り立ちからも地権者の意向だけで進めるわけにはいかないと考えます。歌舞伎町の料飲文化を支えているさまざまな人々や関係者、区民の意向を十分反映させる必要があると考えますが、区として具体的に検討していることがあればお答えください。

 次に、学校選択制度について教育委員会に質問します。
 新宿区で学校選択制度が導入されて2年目になろうとしています。既に5年目に入った品川区では、選ばれる学校になるために、学校のPR紙づくりやケーブルテレビの番組製作など、本来の教育活動のほかに宣伝活動にも教職員が時間を割かなければならない事態や、子どもの安全を保障するPTAの地域パトロールも困難さを抱え、学校を核にして培われてきた町会などのコミュニティー活動も、世代の継続性に不安の声が出されるなど、学校選択制度による弊害が顕著にあらわれています。
 品川区教育委員会は、「小規模校でも小規模校なりの学校運営があり、統廃合はしない」と明言し、学校統廃合とセットで学校選択制度を進めることはしていませんが、それでも入学生のふえる学校と減る学校との格差は広がる一方です。まして新宿区は、学校適正配置の名による統廃合と同時並行で学校選択制度を進めることで、既に品川区同様の弊害が出始めています。
 今年度の小・中学校新1年生保護者アンケートでは、通学区域の学校を選ばなかった理由で、「児童・生徒数の少ない学校」が小学校で 15.03%で第3位、中学校は 10.61%で2位です。また、来年度の小学校の選択理由を見ると、「クラス数、児童数が多い」が11%で、兄弟関係、近い、幼稚園の関係に次ぐ4番目になっています。裏を返せばクラス数、児童数の少ない学校は選ばないということです。
 10月12日、学校選択制度に伴う小学校の抽選が行われた結果、早稲田小学校20名、余丁町小学校20名、市谷小学校48名の補欠が発生しました。昨年も2校が抽選になりましたが、結果として落選者はありませんでした。しかし、ことしは市谷小学校だけを見ても、現在の6年生の2クラス分、80名までしか新1年生の受け入れができません。私立などに行く児童があったとしても、通学区域内の子どもと兄弟が在学している区域外の子どもしか入学できる見込みはなく、学校選択制度のもとで選択を行った子どもがほとんど落選するという事態です。
 補欠になったある保護者は、「子どもの人間関係で区域内の小学校には行けない。選択制は行きたいところを選べると思っていたのに、子どもにどう説明していいのかわからない」と大変嘆いていました。
 昨年もある小学校の補欠になったお子さんが、繰り上げ当選が決まるまで夜眠れず、情緒不安定になってしまったという話を聞きました。補欠になって入学する学校が決まらないことだけでも子どもは心を傷めます。まして、落選して希望でない学校へ入学することになった子どもの気持ちはどんなものでしょうか。教育委員会は、こうした子どもや保護者の気持ちをどのように受けとめ、どう対処していくつもりなのかお答えください。
 以上のような実態から見ても、学校選択制度は、子どもたちのよりよい教育環境づくりに資するとはとても思えません。学校選択制度は廃止すべきです。また、学校適正配置計画も現在進行している計画以降は、白紙にすべきではないでしょうか、お答えください。
 以上で私の代表質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)

■沢田議員の再質問
 自席より発言をさせていただきます。
 大方納得がいかないところの多い答弁だったわけなんですけれども、細かいところでは再質問はしないんですが、ただ1点、区長の政治姿勢についてお尋ねをしました。今の現状につきましての区長のお考えとしては、世界の恒久平和を願うということで、そういう気持ちは私も全く同感で同じなんですけれども、ただそうであるならば、今、あのような事態になっている、米軍がファルージャで行っているような行為についてどのような見解をお持ちなのかという質問や、それから、アメリカに対してはすべての軍事作戦を直ちに中止するよう求めるべきではないかという質問もしておりますので、これについては明確にお答えをいただきたいと思うんですが、先ほどの御答弁では、その辺のところがよくわかりませんでしたので、そこだけ再質問させていただきます。

■沢田議員の再発言
 それでは、さっきの答弁と同じだと思うんですね。聞いたことに答えていただけていないと思うんです。要するに、世界の恒久平和を願うという点では私も同じなんですけれども、であるならば、今の現状をどう見ているのか。やはりああいうアメリカ軍の軍事作戦中止を求めるべきではないかということに対するお答えがなかったので、再質問させていただいたのですが、残念ながら同じような答えが返ってきてしまいました。
 これについては、引き続きどこかのところでまた議論しなければならないとは思ってはおりますが、いずれにしても、そういう区長の政治姿勢も含めて、区民の皆さんは、区長がどういう考えを持ってやっているんだろうかということについては、非常に関心を持っておられるので、そこのところについては、今後は明確にお答えをいただきたいということで、私の発言を終わります。(拍手)




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