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日本共産党区議団の松ヶ谷まさおです。
私は、区の小規模工事受注希望者登録制度と、地場産業である印刷製本関連企業の振興及びその入札制度について質問いたします。
初めに、新宿区小規模工事受注希望者登録制度について伺います。
この制度は、競争入札の参加資格のない区内の建築関係事業者が、「区が発注する 130万円以下の工事の受注を希望します」と登録すれば、区がそのような工事を発注する際の参考にするとして、中小企業の育成を図ることを目的に5年前に発足いたしました。今、この制度は、新宿区を初め23区では港区、台東区が既に実施、来年度から足立区もスタート、全国では33都県で
260余の自治体に急速に広がっています。
その中のすぐれた事例の一つに、一昨年10月にこの制度を発足させた福島市があります。同市では、本来なら2年ごとの更新を特別に2年間だけ毎年登録する便宜を図り、ことし3月末現在、発足当初より3割増の
235事業所が登録、昨年度実績で受注件数 1,557件、工事金額は1億 4,000万円余に達しています。私が感心したことは、同市では、制度を所管する総務部管理課が制度促進のためのアンケートを行い、意見・要望に耳を傾け、登録者全員に仕事が回るよう配慮していることです。
ところで、この新宿区はどうでしょうか。残念ながら、せっかくの制度が本来の目的にかなって活用されていません。例えば昨年度、区が発注した工事で
130万円以下の随意契約で行われた総件数は 1,690件、金額にして4億 8,000万円余にもなります。しかし、本来それらの仕事を受注できるはずの登録事業者が受注した件数はわずか30件、金額にして1%にも満たない
400万円弱でしかありません。また登録者数も、発足以来5年もたった今日、わずかに43の事業所であります。
そこで伺います。私は、この制度の持っている役割は、今日の仕事不足にあえいでいる区内の中小建設関連企業者の「仕事起こし」となり、また行政側にとっても、循環型の地域経済を支える大きな効果を生むものであると思いますが、区長はこの制度をどのように認識されておられるか、まずお答えいただきたいと思います。
第2に、せっかくのこの制度が余りにも区内業者に知らされていない点であります。私は、この弱点を直ちに改善すべきであり、改めて登録企業者の募集を始め、この制度の普及を図るべきと考えます。
第3は、区自身の制度促進についてであります。登録者自身の「仕事起こし」の営業努力もさることながら、さきに紹介した福島市では、担当する管理課自身が、登録企業者が受注できる仕事の内容などが入った名簿を各課に紹介することによって、登録業者への発注率の向上を図っているとのことであります。
私は、このような事例に新宿区も学び、区みずからが制度促進のための努力を行うべきと考えますが、以上の3点について区長の御見解をお聞かせください。
第2の質問は、地場産業である印刷・製本関連産業の振興と、区が発注するその仕事の入札制度の改善についてです。
今日の区内の中小零細の印刷・製本関連企業者は、深刻な仕事不足と果てることのない破壊的な価格競争が続いています。過日、私は、従業員を10名ほど雇用しているある製本関連の社長さんと話す機会がありました。その方は、「とにかく仕事がない。あっても土曜・日曜に集中。従業員に土日の休みは考えるなと言ってある。しかも仕事は言い値、ひどいときには請求書に単価も書けない」と吐き捨てるように嘆いていました。このような状況は、牛込地域に集中するこの業界の中小零細企業の多くで同様の事態があります。
そこでお伺いいたしますが、第1に、このほど第四次実施計画の中で新たに重点項目以外に追加する計画事業として打ち出された、新宿のものづくり産業を広く支援するための印刷・製本関連などの実態調査についてであります。
私どもは、かつて議会として視察した東大阪市が、幹部職員を先頭にして全庁を挙げて実施した市内全事業所を対象にした悉皆調査を、この新宿区でも実施すべきと提案いたしましたが、今回の計画事業化に当たり、改めて区の地場産業であるこの業界について区職員みずからの悉皆調査を実施すべきと考えます。
第2には、区内の親事業者に対する下請中小企業振興法の遵守についてであります。
さきにお話しした社長さんの事例は、この法律に照らせば親事業者の違法行為ではないでしょうか。中小企業庁は、この法律に基づいて下請振興基準を設けていますが、その中の「納期及び納入頻度の適正化」では、「下請中小企業の労働時間短縮が可能となるよう」「週末発注・週初納入の抑制」を親事業者に要請しています。
この問題を中小企業庁だけに任せるのではなく、新宿区みずからも、区内の印刷・製本関連の親事業者に対して下請取引のルールとこの法律を遵守するよう申し入れを行うべきであります。
第3には、区が発注する印刷物についての最低制限価格制度の適用についてです。
今、全国的に印刷物の官公需の入札の改善の取り組みが広がっています。それは、印刷物の官公需も長引く不況のあおりを受けダンピング競争が激しく、常識ではあり得ない低価格での落札が平然となっているからであります。
新宿区でも例外ではありません。例えば昨年、区が発注した「私の便利帳」の落札価格は、経済調査会の印刷積算資料により試算した適正価格の約6割の価格で落札されています。私は、言うまでもなく、税金のむだ遣いや談合の防止といった納税者からの観点を決して軽く見るつもりはありません。しかし、もう一方の重要な観点であるその納税者自身が働く経済社会や産業育成などの視点も重視すべきが当然と考えます。
新宿区と同様に印刷・製本関連を地場産業に指定している中央区では、既に一昨年から印刷物の入札に最低制限価格制度を適用、その限度額を毎年引き下げ、本年度からは
130万円以上にその適用を引き下げています。
私は、当区においても早急に最低制限価格制度を導入すべきと考えます。また、不当なダンピングによる落札の防止と入札の透明性の確保のために、予定価格の事後公表、入札書と同時に見積明細書の添付を義務づけることなどの検討も行うべきと思いますが、以上の3点について区長の御見解をお聞かせください。
以上で私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
■松ヶ谷議員の再質問
自席から発言をさせていただきます。
今、総務部長と区民部長事務代理の方から答弁をいただきました。小規模工事受注希望者登録制度については、私が指摘したとおり、区がせっかくつくった制度が十分周知されていなかったということもそちらはお認めになりましたし、それを克服するための今後の努力ということについても言及されておりますので、ぜひひとつそういう立場に立って普及を強めていただきたい。
私は福島市の例を挙げましたけれども、これは何も福島市だけではありませんで、隣の埼玉県では、90ある自治体のうち80%を超す73の自治体が既にもう実施しているんですね。しかもその中で教訓的なのは、埼玉県の鶴ケ島市ですけれども、「工事等」ということで、工事に限らず物品についてもこの受注制度を行っているということでございました。ちなみに実績を調べてみましたところ、昨年度の実績で69社
301件、金額にして 1,345万 2,000円になる。そのうち工事関係が 122件で 786万円、残り 180件近くが物品ということだそうです。そういった先進的な事例もぜひとも学んでいただいて、「工事」から「工事等」ということで、そういう物品などにも広げていただきたいというふうにお願いしたいと思います。
区民部長事務代理からも御答弁をいただきました。一つは悉皆調査の問題ですけれども、最も効果的なものは、しかも費用対効果の面も含めて効果的なものは、やはり区職員による悉皆調査であると私は思っているんです。それは、東大阪市の事例もそうですし、23区では墨田区もこういう方式でやって、区の職員自身が区の言うならば経済を支える中小企業がどういう状態にあるかということをみずから実体験で聞いてくる。そのことによって、なるほど中小企業によって経済が賄われている、中小企業の今の大変さを実感したということなどが事例として出されておりますので、そういった実態調査をぜひともやっていただきたいと、重ねてお願いしておきます。
一つ総務部長にお尋ねします。印刷の入札における最低制限価格制度の適用は経験やまたノウハウもないので難しいというふうにおっしゃっておりますけれども、地方自治法の施行令が一昨年3月に変わりましたね。これで印刷や請負の最低制限価格制度がどんなふうに変わったのかお聞きしたい。
もう一つは、ぜひ入札が終わった事後に予定価格の公表をしてもらいたいとお願いしたわけですけれども、これについても余りよい返事ではなかったわけです。しかし、既に実施している区もあるし、同時にまた新宿区においても工事では事後に公表しているんですね。工事では事後に公表していながらなぜ印刷物ができないのか、この2点だけお答えいただきたいと思います。
■松ヶ谷議員の再発言
今、総務部長から答弁をいただいたわけですけれども、一昨年の3月に地方自治法施行令の改正があって、第 167条の10の2項ですけれども、これまでは「工事又は製造の請負」が対象でしたが、そこに1つ入ったんですね。「その他についての請負」という、これは御存じでしょう。
〔「はい」と呼ぶ者あり〕
いや、いいです、再々質問はできないということになっていますから。
「その他についての請負」というのが入って、ここにいわゆる印刷物の範疇を置いて、ずっと広げているんです。中央区もそうですし、北海道や香川県などもそういったことでやっていますから、ぜひそういう事例を調査して前向きに検討していただきたい。
以上です。
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