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■2004年1定 雨宮議員の代表質問への答弁(2004年2月26日)

◎区長(中山弘子)
 雨宮議員の質問にお答えいたします。
 最初に、「区政の基本方針」と政治姿勢についての質問にお答えします。
 まず、2月17日深夜の爆発弾発射事件についてのお尋ねですが、この事件は警察など関係機関がテロの警戒をしているさなかに発生したもので、市谷本村町の防衛庁をねらった過激派のゲリラ事件と見て、現在、警視庁公安部で捜査中とのことで、警視庁が発表した新聞情報以外には承知していません。幸い、区民の皆さんに被害はありませんでしたが、区では翌18日朝一番で、各施設管理者に施設内の安全点検を指示しました。昨年もイラク戦争開戦直前に、防衛庁に向けて金属弾が発射された事件があった際、そして昨年暮れにもテロ災害対策について注意するよう、各施設管理者に指示をしています。また、1月末から2月にかけて開催した地域防災協議会の席上、警察からも見えざる敵であるテロ対策の危険性について説明し、注意と協力を呼びかけたところです。
 いずれにしても、テロ・ゲリラ事件は断固許される行為ではありませんので、取り締まり機関の徹底した捜査を期待するとともに、区としては道路と公園等の施設の安全管理に万全を期してまいります。

 次に、「イラクへの自衛隊派遣をめぐる世論や活動」について、どういう感想を持っているかとのお尋ねです。
 自衛隊を派遣することについては、国会の場でも議論の結果、「イラク特措法」の制定により、人道的復興支援を目的に派遣することになったと認識しております。派遣に当たっては、国民の間でも賛否さまざまな考えがあり、それぞれの活動があると思います。
 次に、「イラクへの自衛隊派遣は憲法違反ではないか」とのお尋ねですが、自衛隊派遣の目的は、人道復興支援、安全確保支援であり、自衛隊の活動はイラクの人々の生活と平和を守るためとされています。派遣に当たり、衆議院「イラク復興支援特別委員会」での強行採決、本会議で一部会派等の欠席の中での採決は、私も残念なことと思っています。しかし、参議院の場では本会議において、全会派の出席を得て採決がなされました。したがいまして、派遣に当たっては国会での承認を受けており、私としては憲法問題を含め国会の意思を尊重したいと考えています。

 次に、「イラクへの自衛隊派遣反対を表明すべきではないか」とのお尋ねです。
 自衛隊派遣の目的は、あくまでも人道復興支援であり、現地の復興活動に携わることです。去る24日、アナン国連事務総長が参議院本会議で国会演説を行いました。その中で、アナン氏はイラクへの自衛隊派遣に言及し、日本のイラク貢献について「窮状に立ち向かうイラクに対し、称賛されるべき連帯姿勢を示した」と評価したと報道されています。このことは、世界平和を願う我が国の貢献を、国連事務総長が評価したことです。私も、イラクの人々を初め世界の人々が安心して暮らせる日々が一日も早く訪れるよう強く願っております。したがいまして、自衛隊派遣に反対する考えはありません。

 次に、区民の暮らしの問題についてのお尋ねです。
 日本経済は、景気の回復傾向が見られますが、中小企業や地域経済への波及は一部にとどまっており、雇用や家計のレベルでは回復の実感にはほど遠い状況にあります。
 このような中で、区民生活にもさまざまな影響がもたらされ、区民の方々の中には生活費にも困窮されている方もおられます。区民の皆さんの厳しい生活面については、私は区長として及ぶ限りの対応をとっていると考えています。平成16年度予算でも、生活保護費や就学援助費などについては、相当な経費を充てています。加えて、長引く景気の低迷で資金繰りに苦しむ中小企業への対策として商工業資金の貸し付けも強化しています。
 そして、また一方では今年度の重点課題でお示ししたように、区民生活上直近の問題として、ぜひとも対応しなければならない少子高齢化対策などにも優先的に財源配分を行っています。

 次に、2004年度予算について、お答えします。
 初めに、国民健康保険料連続引き上げについてのお尋ねですが、国民健康保険料の料率改定は、医療費の伸びが大きく見込まれるために行うものです。特に、ここ数年、前期高齢者や社会保険離脱者などの増により、保険者負担分医療費が大幅に伸びている実態にあります。御指摘のように、国民健康保険の被保険者には制度的に高齢の方や収入のない方も多く、保険料の値上げが生活に響くということも否定できないと思います。そうした個別的な事情については、保険料の減額の制度で対応しているところです。
 このような措置をとりながらも、平成14年度決算における国民健康保険特別会計への一般会計からの繰入額は49億円という規模にもなっております。したがいまして、区民の皆様に支えていただいている国民健康保険の現状を考えれば、保険料引き上げはやむを得ないことと考えています。

 次に、国などへの要求と保険料据え置きについて、お答えします。
 渋谷区の対応を「遺憾」とした理由は、23区統一保険料が瓦解するおそれがあること、また都区財政調整への影響も懸念されることからです。このいずれの点においても、新宿区にはよい結果をもたらしません。国庫支出金の増額などにつていは、これまでも全国市長会、特別区長会を通して国に要望しています。国においても、高額医療費共同事業の制度化・拡充や保険者支援制度の創設など、少しずつではありますが、財政負担の軽減などが措置されてきています。この点は、医療保険制度の抜本改革とあわせて、引き続き国に要望していきます。
 保険料の据え置きについては、前段の御質問でもお答えしたとおりの事情にありますので、特に考えてはおりません。御理解のほど、お願いいたします。

 次に、がん検診及び成人健康診査の無料制度の復活についてです。
 検診等の一部自己負担制度は、事業を安定的・継続的に実施し、検診精度の向上や新たな検診項目への取り組みを進めていくために必要なものです。また、費用の一部負担を通して、区民に「自分の健康は自分で守る」という意識を高めていただくことにもつながるものと考えています。
 受診者数についての御指摘ですが、前年度に比較して成人健診はマイナス 0.4%、がん検診は全体でマイナス 2.7%と若干減少しておりますが、平成13年度との比較では成人健診が 4.6%、がん検診が 6.7%の増となっております。これらの結果から、区民の皆様の大方の御理解が得られたものと受けとめています。平成16年度は、がん検診の受診期間を延長し、受診勧奨に努めるとともに、乳がん検診にマンモグラフィ検査を導入し、検診精度の一層の向上を図ってまいります。
 なお、この制度の導入に当たっては、2年間の経過措置を設けるとともに、生活保護世帯や特別区民税非課税世帯への免除規定を設けるなど、区民生活への影響にも配慮しております。したがいまして、がん検診等の無料制度の復活については考えておりません。

 次に、事業別行政コスト計算書についてのお尋ねです。
 事業別行政コスト計算書は、企業会計手法により事業の状況を明らかにし、事業の効率化を図るマネジメントのツール、道具として活用することと、区民へのコスト情報の提供を目的としたものです。
 区民保養所については、行財政改革計画で平成19年度までに1所にするという方向性が出ており、かつ契約更新時期が到来し相手方との交渉を進めている中でのコスト分析であり、その分析結果を事業マネジメントの道具として効果的に活用し成果を得ることができたものです。あわせて、事業の方向性などを含むコスト情報・分析の結果を区民と共有することにより、区政の透明性を高めることができたと考えています。

 次に、区民参加については、事業別行政コスト計算書が区民の皆様に大いに活用され、区の施策の妥当性を考える素材としていただくことを願っております。区としては、区広報やホームページなどを通じ、広く情報提供することにより、区民の皆様の御意見を募ってまいります。

 次に、保育の質についての判断をどのように検証したかについてです。
 保育園の提供するサービス内容には、本来、公立と私立に違いはなく、今回のコスト計算に当たっては、区から私立保育園に交付している額を用いて比較を行ったもので、園児1人当たりの総コストに 1.5倍以上の格差があることがわかりました。これを受け、平成16年度には、園別、経費別、サービス別の比較検証を行い、運営方法等における差異も分析していきますので、保育の質についてもさらに明確になってくるものと考えています。そして、公立・私立双方のすぐれた点を、それぞれが生かし合えるように取り組んでいきます。

 次に、保育事業に利潤を第一義とする企業会計を導入して事業の見直しを行うのではないかについてですが、今回のコスト分析は区職員がみずから担当する事業の状況を正確に把握し、コスト意識を持って事業をマネジメントする道具として活用することを目的として作成いたしました。また、事業ごとの行政コストを区民の皆さんに情報提供し、費用対効果に基づく施策の妥当性や代替案との比較・検証などを、一緒に考えていただくために素材として活用されることを願って、この報告書をまとめたもので、企業会計そのものを保育事業に導入しようとするものではありません。

 次に、小学生への医療費助成について、お答えいたします。
 新宿区は、乳幼児医療費助成については、他の自治体に先駆け助成対象を就学前事業まで拡大してきましたが、対象年齢を小学生まで拡大する考えはありません。区といたしましては、「北山伏子育て支援協働モデル事業」など、区民と区が協働して地域全体で子育てを支え合う仕組みづくりや、きめ細かな子育て支援サービスの充実などに重点的に取り組み、地域全体で子供の成長と子育て家庭を応援する「子育てしやすい新宿」の実現を目指してまいります。

 次に、子供たちの教育環境整備についてのお尋ねです。
 平成16年度に中学校の全普通教室の冷房化が完了しますが、これは義務教育の総仕上げとなる中学校の良好な学習環境の充実を図るために実施するものです。しかし、今後とも厳しい財政運営が予想される状況のもと、小学校については中学校に比べ夏休み期間中の普通教室の使用頻度が少ないことなどから、全普通教室への冷房化を見送ることはやむを得ないものと考えます。平成16年度については、引き続き道路騒音等により教育環境の改善に配慮が必要な特殊事情がある普通教室について、冷房化を進めてまいります。また、リース方式については、単年度ごとの財政負担は軽減されますが、複数年度の契約期間の総額から見ますと、リース方式の方が財政負担が大きいと言わざるを得ません。

 次に、商店街振興のお尋ねですが、商店街灯の維持助成については、区道上における道路の交通安全、防犯及び美観の見地から、商店街がその地域発展のために設置したもので、区は商店街灯の維持管理費の一部を助成しています。これは、道路交通の安全を確保するため、商店街が補完的に商店街灯の設置を進めることに対して、電気代の補助を行ってきた経緯があります。その結果、商店街灯の助成対象基数も道路照明と同様に、30メートルを基準として算定しているのが現状です。
 また、道路管理という観点から、管理者の異なる都道などに設置されたものの助成は行っていません。このような状況の中で、商店街の振興として商店街灯の設置経費の助成を実施しているところですが、維持助成については現行の助成制度で対応していきたいと考えます。

 次に、補助基準の見直しについては、商店街灯に同じものがないというくらい、各商店街が個性のある装飾灯を設置しています。また、光源や灯柱の数についてもさまざまですので、実費から算定するのではなく一定の基準に基づき助成することが妥当と考えます。

 次に、商店会への加入促進についてのお尋ねです。
 これまでも、区内の商店会が加入促進につながるさまざまな取り組みを行う場合には、区としても適切な支援を行ってきたところです。しかし、基本的には商店会への加入は加入者の任意であり、区としては会費を負担しても加入する魅力ある商店会活動となるよう、区内の商店会を支援していくことが問題の根本的な対策であると考えています。
 また、区内にはチェーン店が多数存在し、それらの営業地域は多くが単一の区内にとどまらず広域に及んでいることから、こうした問題に適切に対応するには、より広域的な対応が必要と認識しています。このため、今後、区としても東京都など関係機関との間で必要に応じ情報交換を行うなど、適切な対応に努めていきます。

 次に、中小企業振興基本条例の制定についてのお尋ねです。
 商店街振興施策については、私としても商工施策の重要課題として、大いに力を注いでいるところです。施策の充実という点では、御指摘のような形を整えることよりも、むしろ時代に即したさまざまな具体的施策を効果的に展開することで、「にぎわいのあるまち新宿」をつくっていきたいと考えています。したがって、区独自の中小企業振興基本条例を制定することは考えていません。
 なお、チェーン店等の商店会への加入促進については、先ほど申し上げましたように、適切に対処をしてまいります。

 以上で答弁を終わります。

◎教育長(山崎輝雄)
 教育委員会への御質問にお答えをいたします。
 初めに、子供たちの教育環境整備についてのお尋ねです。
 御案内のとおり、平成16年度については、中学校1、2年の普通教室の冷房化を計画いたしております。また、小学校については、近隣道路や鉄道の交通騒音等教育環境の改善を要すべき特殊事情のある学校4校の普通教室について冷房化する予定です。
 御指摘のように、新校建設等に多額の財政負担が見込まれるという財政的側面もありますが、中学校については、義務教育の総仕上げになるという意味でも、学習環境の充実が急がれます。また、学校選択制導入に当たっても、区内全域が選択の対象となったこと、さらに夏休み期間中の普通教室の使用頻度が小学校に比し多いことなどを重視し、冷房化することといたしました。
 他方、小学校については、同じく学校選択制導入といいましても、学校選択の範囲も中学校と異なるなどの事情もあり、当面、他の小学校に比し道路騒音等の特殊事情を抱える4校について、諸事情を総合的に勘案し、環境改善を図ることとした次第です。教育委員会といたしましては、今後も引き続きこのような特殊事情がある学校等につきましては、冷房化を検討してまいりたいと考えております。

 次に、小学校1年生について、30人以下学級を実施することについてのお尋ねです。
 学級編制は、東京都教育委員会の権限に属する事項であり、区教育委員会が独自に実施するには、教員採用・任用・費用等の多くの課題があり、実現が極めて難しい状況は依然として変わりありません。きめ細かな指導の充実を図るために、教育委員会としては小学校1年生に限らず、少人数学習指導やチーム・ティーチング指導の教員を配置するなど対応をとってまいりました。来年度は、小学校30校中27校に都からの加配教員が配置され、残りの3校については区費講師を配置する予定であり、全校配置が実現されます。今後、教員給与の義務教育費国庫負担制度の弾力的運用に対する、今後の国や都の動向を見据えながら、一層きめ細かな指導の充実を図ってまいります。

 以上で答弁を終わらせていただきます。




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