希望のもてる社会をわたしたちとともに
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■2005年第1回定例会代表質問 田中議員(2005年2月28日)

 第1回定例会に当たり、日本共産党新宿区議会議員団を代表して、区長並びに教育委員会に質問いたします。
 まず最初に、区長の基本方針説明に関連して質問いたします。
 現在開会中の国会で小泉内閣は家計の所得が減少しているにもかかわらず、所得税の20%、住民税の15%が減税されていた定率減税の縮小・廃止による大増税、年金保険料や雇用保険料の値上げ、配偶者特別控除の廃止、消費税の免税点の引き下げなど、この2年間で総額で7兆円、1人当たり5万円、4人家族で20万円の負担増を推進しようとしています。
 既にことし1月から公的年金等の控除額の引き下げや老年者控除についても65歳以上で所得が1,000万円以下の高齢者について所得税で年50万円の所得控除が廃止されました。その結果、65歳以上の年金受給者約2,000万人のうち、約500万人が新たに所得税が課税されるなど、総額で年2,400億円の増税です。さらに、2006年の6月からは住民税で48万円の所得控除が廃止され、大きな影響を受けることは間違いがありません。
 シルバーパスの利用者負担は非課税の方が年間1,000円、課税の方が2万510円かかります。新宿区内では2003年度で利用者が2万812人で、そのうち非課税の方が1万6,502人、課税の方が4,310人です。今後非課税の方が課税になるなど大きな影響を避けることはできません。また、特別区民税で配偶者特別控除の見直しで約1万9,500人の区民が3億1,000万円の影響を受け、定率減税が廃止されれば、およそ18億円の影響を受けます。
 国民健康保険料や介護保険料などの値上げに加え、増税によってさらに保険料が上がることになれば、二重三重の負担になります。
 区長は、区政の基本方針説明の区政運営に対する基本姿勢の中で、「区を取り巻く社会経済状況が大きく変化する中で、区民生活を守り支える区の基本的な役割と、それに対する区民の期待はますます高まっています」と述べています。そして、区民が「新宿区に住んでよかった。これからもこのまちで心豊かに暮らしていきたいと思えるまちづくりの計画的推進へ協働と参画をキーワードに新宿区第四次実施計画、新宿区第二次行財政改革計画を策定した」と述べています。今日、区民の生活実態からも区の果たすべき役割が問われていることは言うまでもありません。
 来年度予算案については、区は「総合力の高い、成果の見える区政運営をめざす」とありますが、まさにこういった状況に対し、新宿区は区民生活に手を差し伸べることこそが求められています。
 今回、条例提案をさせていただいている義務教育終了前の子どもたちに対する医療費の無料化は、経済的支援としても福祉的かつ少子化対策としても既に23区中10区で何らかの形で実施または計画されています。この間訪問した新宿区医師会なども好意的な反応を示しています。新宿区は子どもたちへの医療費への助成を今こそ実施することが求めらているのではないでしょうか。
     〔「そうだ」と呼ぶ者あり〕
 年々増加する就学援助についても現行の基準の1.2を1.3に引き上げることなど、まさに区民負担の軽減に力を尽くすべきではないでしょうか。

 区長は、戦後60年、平和都市宣言20年の節目のことし、平和の大切さを改めて認識する必要があると述べています。日本が国連に加盟した1956年12月の国連総会で当時の重光葵外務大臣は、憲法前文を読み上げ平和への決意を述べました。憲法9条は60年たった今日、国際関係を律する原則として国際的にも注目を集めています。区長としても憲法9条を守る立場を明らかにすべきと思いますが、いかがですか。
 また、来年度、平和記念誌を作成することとしていますが、日本の戦争体験だけではなく、今も戦火で苦しむ多くの子どもたちを救うユニセフの活動などに区を挙げて取り組むことも必要ではないでしょうか。戦争がいかに悲惨なものかを考える絶好の機会になると思います。
 また、記念誌だけではなく、ビデオやDVDなどの作成も必要ではないでしょうか。区長の考えをお聞かせください。

 さて、区長は今後の区政のキーワードを「協働」と「参画」としています。協働と参画を推進するためにも、新宿区が区民にとってどのような役割を果たすべきなのか、区長の役割、区議会の役割、区民の役割を明らかにした自治基本条例の制定が今こそ求められています。
 例えば北海道のニセコ町では、自治基本条例をまちづくり基本条例として2001年4月に施行しています。この基本条例には、住民による自治の理念、住民の権利、自治の基本となる制度が総合的に盛り込まれています。
 ニセコ町が目指したことは、情報共有や住民参加の実践をいかに法令として裏打ちするかという視点であり、ニセコ町では基本条例が意図するものは、まちづくりのための共通ルール、いわば町のミニ憲法としての性格を持っています。また、町のあらゆる計画づくりに住民が白紙の段階からかかわり、その進捗状況を町職員が住民へ説明するこまめな取り組みが進められています。そして、まちづくり委員会もつくられ、この委員会には小・中学生の委員会も設けられています。
 新宿区は、これまでも制定の必要性は認めてきました。第四次実施計画では基本構想の見直し、基本計画や都市マスタープランの策定を多くの区民の参加で行おうとしています。そうであるならば、地方自治の新たな地平を切り開く自治基本条例の制定に今こそ取り組むべきだと思いますが、いかがですか。区長の御見解をお伺いします。
 また、子ども参加についても質問したいと思います。これまでは子どものための大人のリーダーシップに力点が置かれていましたが、世界子供白書2003では子どもに影響を及ぼすあらゆる事柄について、どんな子どもにも参加する権利があり、大人のパートナーとして参加することの重要性が強調されました。まさに子どもを権利行使の主体としてとらえる子ども観が問われています。既に川崎市など子どもの権利条例がつくられ、子ども参加の促進が明確に位置づけられています。次世代育成支援計画の推進の立場から子どもの参加を促進する条例をつくるべきではないでしょうか。子ども家庭課の新しい体制のもとで一層求められていると思いますが、いかがですか。
 さて、いよいよ来年度から文化国際課が設置されます。新宿区の人口の1割を外国人が占める状況の中で、仮称「外国人居住者会議」などで意見を反映させることが大切だと思います。区長の見解をお示しください。

 第二次行財政改革計画は区民の参画と協働と言いながら、区民の中には、結局、区が決めたことを押しつけるだけではないかという意見が根強くあります。
 例えば西落合ことぶき館については、多くの高齢者から廃止反対の声があり、議会に陳情も出されています。これについては廃止時期についての見直しはあったものの、廃止の決定はそのままです。区民の参画と協働はどこまで区民の意見を取り上げることができるのか。本来、区民の参画と協働と言うならば、西落合ことぶき館については落合第二区民センター建設と切り離し、そもそも高齢者施設としての存在意義があるかないか、率直な議論が求められているのではないでしょうか。コスト削減ありきではなく、事業について区民参加で検証していくべきではないでしょうか。改めて西落合ことぶき館の廃止計画については見直すべきと思いますが、いかがでしょうか。
 同時に、つつじ荘についても2007年度までその検討が先送りされています。しかし、区民の中には既にあじさい荘の廃止が言われている中でどうなるのか不安も広がっています。つつじ荘については区立として改修し、存続すべきと思いますが、いかがですか。
 区長は基本方針説明の中で、組織の合理化や職員数の削減を推進すると述べています。職員の削減計画の中に、既に学校警備の問題については退職者不補充の方針のもと、人員削減と機械警備への移行等が行われています。しかし、最近の寝屋川市の中央小学校の事件で改めて機械警備でなく有人警備についての対応の必要性も言われています。隣の渋谷区では、来年度、全小学校に警備員を配置することになったそうです。現在の状況のもとで改めて学校警備の問題について現行計画の見直しも含め、人員増も含む対応が求められていると思いますが、教育委員会の御見解をお願いします。
 この間、第四次実施計画や各部のアクションプランなど、特別出張所なども含め各部ではこれまで以上に仕事量がふえているのではないでしょうか。生活福祉課でも産業医の指摘では、ケースの1人当たりの件数の減少、すなわち人員の増が指摘されています。当然、職員の皆さんのスキルアップは必要でしょう。しかし、IT化による健康管理を含め、職員の皆さんが健康的に働ける職場こそ結果的には区民のために一生懸命働くことになるのではないでしょうか。必要なところには必要な人員を配置する。そういった立場で職員体制については臨むべきだと思いますが、いかがですか。

 次に、都区財政調整制度について質問します。
 2004年度決算も黒字の見通しであり、5年連続実質単年度収支が黒字になることが予想されます。その要因の一つが都区財政調整制度による特別区交付金の増加であり、2005年度予算案においても特別区交付金の増加が見込まれています。区の安定した財政運営を行うための歳入確保として、財政調整制度による特別区交付金が大きな役割を持っていることは言うまでもありません。
 区は「新宿区の財政について」の中で、特別区交付金について2000年4月の都区制度改革によるそれまでの23区の44%から52%になった配分割合について、「必ずしも満足のいくものではなく特別区の財政自主権が強化されるよう東京都と協議しています。また、区間相互の配分についても新宿区はその税収に比較して、交付額は23区の合計の2.5〜4.0%と極めて低いものとなっており、改善に向けて努力していきます。」と述べています。ここで改めて決意をお伺いしたいと思いますが、いかがですか。
 さて、2006年までに解決しなければならない都区財政調整に係る主要5課題については、大都市事務検討会、清掃関連経費検討会、小中学校改築等検討会の3つの検討会で協議され、この4月には財調協議会でこれまでの協議結果が報告される予定になっています。しかし、どの課題をめぐっても都区間の意見の隔たりが大きく協議は難航をきわめ、とりわけ昨年5月の大都市事務検討会に都が新たに「大都市行政」という概念を持ち出してきたことにより、協議は一層膠着しています。
 このような中で、都はことし1月18日にかねてから区側が都に明示を求めていた「都のおこなう大都市事務についての一覧や所要財源の考え方」を提示しました。しかし、その内容は、都が本来行うべき特別区の区域において限定的に行う市町村事務を示さずに、都が現在行っている事業の相当の部分を大都市事務であるとして、その経費の総額は1兆2,000億円にも達するとしています。これは区側にとって到底認めることのできないものであり、直ちに区側が都の考え方の問題点を指摘する文書をまとめ、1月31日の大都市事務検討会で提示したことは当然です。
 特別区交付金は、2003年度決算では前年度より減少したものの215億円と歳入総額の20.3%を占めるものであり、さきにも述べたように、都区協議の推移は今後の区政のあり方と区民生活にとって重要な問題です。しかも、都が提示した今回の考え方は、これまでの都区間での協議をもないがしろにするものであるだけに、到底認めることができません。そこで、改めて次の点について区長に質問します。
 今重要なことは、都区の役割分担を踏まえた財源配分のあり方について明確にすることではないでしょうか。
 都の大都市行政及び大都市事務についての考え方は「府県事務か市町村事務かという観点の前に、大都市にとって必要かどうかという大都市行政の観点から都の事業をピックアップし、その中から都が実施する大都市事務としてふさわしいと考える事業を選別し、所要経費を絞り込んだ」としています。
 しかし、これは1月31日に区側が提示した都が行う大都市事務の基本的な考え方でも述べているように、地方自治法の規定と法改正に至る国会質疑をも無視したものと言わざるを得ません。
 私は、第1に、都の考え方はこうした原則を明らかに踏み外したものであり、都の配分割合の拡大のみを目指すものと言わざるを得ないと思いますが、区長はどのように認識されているか伺います。
 さらに、特別区の自治権の確立とそれにふさわしい財源の確保という都区制度改革の原点に立ち返った立場から、都に対しては市町村事務のうち都が限定的に行う事務を明らかにするよう、再度、要求すべきであると考えますが、区長の認識と決意をお聞かせください。
 第2に、都の考え方が府県としての都の役割をあいまいにしながら、大都市特有の行政課題に対応する事務は大都市事務であるとして、府県事務や特別区の区域では府県事務として行うべき政令指定都市の事務まで大都市事務に含めていることです。その内容は、生活保護費都負担金の134億円を初め、老人ホーム建設費補助などの老人福祉施設等の運営・整備の86億円、保育事業や児童福祉施設等の運営・整備などの210億円など、福祉分野を中心にして総額で970億円にも及んでいます。
 区側はこの点について、現行制度と全く異なる政令指定都市制度を特別区の区域に持ち込む架空の議論は制度論として無理があるのみならず、都区制度を設けた自治法の趣旨にも反するとしたことは当然であることはいうまでもありません。
 そこで伺いますが、私は、都も住民の福祉の増進を図るという責務を果たすべきであり、区が行う施策への補助金や交付金を含め今後とも都が責任を持って維持・発展させるべきものであり、特別区側はその原則をいささかも崩さず、今後の都区協議に当たるべきと思いますが、その点についての区長の考えをお聞かせください。
 第3に、今日の重要な局面を打開するためにも主要5課題の都区協議の経緯を広く区民に周知をし、その世論を背景にした新たな運動を展開することが求められているのではないでしょうか。
 新宿区議会は、さきの第4回定例会で、主要5課題の早期解決に関する決議を行いました。23区中、大半の区議会が同様の決議を行っています。また、特別区長会も「未完の都区制度改革の解決をめざして」というPR用の資料を発行、各方面への理解の促進を図る努力をしてきました。
 そこでお伺いします。私は冒頭でも述べましたが、事態は特別区のあり方と区民生活に直接大きく影響する問題です。重大な局面を迎えている主要5課題をめぐる今日の事態を打開するために、例えば23区の区広報の活用や新聞への意見広告などを行い、広く住民に知らせ、住民とともに運動を起こしていくことが、今、求められているのではないでしょうか。
 そして、かつて23区が自治権拡充運動で体験してきたように、仮称「主要5課題の早期解決を要求する区民集会」の開催を区が率先して提唱すべきと考えますが、区長の見解をお聞かせください。

 次に、震災対策について質問いたします。
 阪神・淡路大震災から10年、昨年の新潟県中越地震、さらには年末のインドネシア・スマトラ島沖地震は改めて関東直下地震に対する対策の必要性を示しました。
 1月16日に行われた「あなたは生き残れるか」と題した防災講演会も前年よりも多くの参加があり、その後、各防災区民組織などでも上映されたビデオは好評で関心も広がっているそうです。
 昨年末、政府の首都直下地震対策専門調査会が東京での直下型地震の発生による被害想定を公表しました。都庁を震源地とする都心西部直下では死者1万2,000人に達するというものです。
 区長は基本方針説明で、減災社会を築いていくことが重要だと述べています。その立場から、想定される被害を少なくするためには、どのような対策が求められているのでしょうか。
 一昨年の目黒公郎東大助教授のお話に、当時区長は職員へ向けてのメッセージで、「阪神大震災の死者の92%は地震直後のたった15分以内に、住宅や家具の下敷きになって死んでいた。これは、住宅の補修や補強を含めて、事前のハード対策がない限り犠牲者が出る。また、地震後の火事による焼死者の問題も同様で、消防の問題を指摘する前に、構造物の問題があったことを認識しなくてはならない。事前の耐震補強が何よりも重要であり、行政にとっても、住民にとっても、また、安全なまちづくりといった観点からも、いかにメリットがあるか、豊富な情報量と説得力のある提案が多数なされた」、まさに「目からうろこが落ちた思いだった」と述べています。当時、私もこの講演を聞き、震災被害を可能な限り最小限にするためには改めて予防の対策の重要性を痛感しました。
 今年度から建築物耐震化支援事業がアクション04事業として実施されています。その実績は2月21日現在、予備診断99件、そのうち耐震工事着工が4件、完了は1件です。それでも人手が少なく、今、予備診断を申し込んでも4月になるそうですが、職員の体制の強化が求められているのではないでしょうか。
 お隣の中野区では、1970年以前の木造建築物は約3万5,000棟残っている実態があり、阪神・淡路大震災の教訓から木造住宅等の適法化や耐震化を推進することが震災時の被害を減少させ、人命の安全や財産を確保することにつながり、さらに震災後の復旧などに伴う経費も大幅に軽減され、費用対効果の面からも有効であるとして、今年度から10年間の中野区木造住宅等の耐震性確保に係る総合支援事業をスタートさせています。
 その実績は、昨年11月22日時点では、耐震相談の予約は225件、簡易診断は174件で、総合評定1.0の基準を満たしているものが23件で13%程度、安全でないものが151件で87%だそうです。そのうち、診断士を派遣する耐震診断申し込みが78件、報告書を受理したものが6割程度ということです。さらに1月21日時点で、補強工事実施済み11件、相談中19件と伺いました。
 また、墨田区は来年度、1981年の新耐震基準以前の木造住宅の耐震簡易改修に助成することを明らかにしました。生活安全チェックシートを全世帯に配って調べ、訪問による無料相談をした後、診断、補強計画作成、簡易改修または本格改修につなげるというものです。墨田区は、対象住宅が区内住宅の75%、約2万5,000棟と言われています。そのうち、区面積の15%に当たる密集地域を緊急対応地域に指定し、部分改修については25万円を上限に費用の2分の1を、全体改修には50万円を上限に補助する予定だそうです。さらに、補強計画作成についても1万5,000円の助成をするとして、総額約1,870万円を計上しています。
 横浜市は、横浜市木造住宅耐震改修促進事業として2004年度申請分から耐震改修工事費用の上限額を500万円としました。15年度決算で見た場合、135件の実績、平均400万円弱の工事費だそうです。
 新宿区の耐震化支援事業の助成対象は1981年以前の建物ですが、東京都が2002年に発表した「第5回地震に関する地域危険度測定調査報告書」では、区内の1970年以前の建築物は2万7,167棟であり、1981年までに建てかえ等が進んだとしても、まだ相当数あることになります。区長は「安全安心、くらしやすさも一番の新宿をめざす」としています。工事完了を条件にせず、せめて簡易診断後の耐震診断にも助成し、また工事費についての補助制度を創設すべきではありませんか。
 次に、命を守るために、家具の転倒防止器具購入助成について質問いたします。
 家具の転倒防止は、この間の震災の重要な教訓です。町会連合会のホームページで、家具の転倒・落下防止器具の設置の項があり、そこでは東京土建新宿支部が箪笥町会に転倒・落下防止器具を寄贈したことなど、まとまった地域に一斉に設置促進がされるのは東京でも初めてのことと述べられています。設置を促進するためにも、新宿区があっせんしている器具購入にもっと安価になるように助成し、とりわけ災害弱者等への普及を図るべきだと思いますが、いかがですか。
 次に、分譲マンションの耐震診断、補強工事への助成制度の創設について質問いたします。
 昨年3月に発行した「新宿区分譲マンション実態調査報告書」では、1981年の新耐震基準以前の建物が4割、そのうち耐震診断は6.6%の実施にとどまっています。調査報告書では、耐震診断の実施とその結果を受けた必要な修繕あるいは建てかえを誘導していく必要があると述べています。既に2002年10月当時で、23区中12区が耐震診断へ、10区が耐震補強工事へ助成をしていますが、いまだ新宿区としての施策は相談体制の充実、普及啓発を行うにとどまっています。新宿区としても直ちに支援制度を創設すべきではないでしょうか。
 最後に、超高層建築物に対する対策等、防災計画の見直しについて幾つか質問いたします。
 東京直下地震を想定した被害のシミュレーション結果が既に出され、この3月に報告が出る予定ですが、新たに問題になってくる長周期地震動による超高層建物への対応は、避難所等の新たな確保も含めた検討が必要になってきます。さらに、近年、区内では超高層マンションの建設が進んでいます。高層住宅の震災対策を行うべきだと思いますが、いかがですか。
 昨年3月に、東京理科大学、牛込消防署、牛込消防団、牛込防火協会で震災時の地域支援協定が結ばれ、現在200人の理科大生が震災時に帰宅困難者から地域の防災力として活動するよう登録されているそうですが、区としても関係機関と検討し、区内に拡大してはどうでしょうか。

 次に、保育園の待機児童解消策について質問いたします。
 新宿区は2003年7月末に保育園待機児童解消策を発表し、施策を進めてきました。第四次実施計画や次世代育成支援計画でも2007年4月をめどに年度当初の待機児童解消を目標に取り組むとし、定員の拡大と定員を超えた受け入れ、いわゆる弾力化を進め、2004年度末比で2007年度末には定員増、弾力化の推進で受け入れ枠を3,535人から3,640人にふやし、105人の受け入れ人数の増加を図るとしています。
 区長は基本方針説明でも認可保育園における入所定員の見直し、下落合保育園の建てかえなどにより、地域需要に見合った受け入れ枠の拡大と保育サービスの拡充を図っていくと述べています。子育てファミリー世帯の区内転入を促進する上でも、果たしてこれで待機児童解消策は完了すると言えるでしょうか。とても言える状況ではありません。
 現在も年度途中で新たに発生する待機児童の現状は深刻です。子どもをおぶりながら、暑い厨房で仕事をしている中華料理店を経営している保護者。また、厳しい不況の中、働かないと生活が維持できないのに、入所を申し込んでもあきがないため、仕方なく無認可に預けたが、保険料の負担が重くてやっていけないという人など、年度途中に激増する待機児童を持つ家庭では大きな困難を抱えています。
 新宿区が行った次世代育成支援に関する調査の中では、「仕事と子育ての両立には何が必要ですか」という設問に対して、「家族の協力」とともに「保育施設やサービスの充実」が1位、2位を占めており、まさに保育施設やサービスの充実を図ることが行政の責任と言わなければなりません。
 ことし1月21日現在の来年度4月入園申し込み状況によると、ゼロ歳児は現時点では余裕がありますが、1歳児から4歳児を見ると、1歳児は募集見込み数180名に対して、第1希望者は215名で35名オーバーしており、2歳児、26名、3歳児は41名、4歳児は10名とそれぞれオーバーしていますが、区は2005年度当初の待機児童をどのように見ているのでしょうか、お伺いしたいと思います。
 しかし、保育園の待機児童解消策が年度当初における待機児童解消を目標としていることは、果たして子育て家庭の期待にこたえるものでしょうか。2003年度も年度当初4月の待機児童は117人でしたが、年度末の3月には178人でした。2004年度は年度当初4月の待機児童は68人でしたが、ことしの2月1日時点では208人です。年度当初の待機児童解消を目標にした現計画では2003年度45人、2004年度134人もの年度途中で発生した待機児童は解消されません。年度途中で発生する待機児童を解消するためには、認可保育園の増設をこそ図るべきと考えますが、区長のお考えをお聞かせください。
 2007年度を目指すならば、百人町四丁目の都営住宅跡地に社会福祉法人が特別養護老人ホームと療護施設の建設が目指されています。説明会では、子ども関係の施設もつくってもらいたいとの声が出ております。直近の新栄保育園を初め、近隣の保育園は待機児童が大勢います。また、JR住宅跡地を初め、マンションの建設による需要が予想されます。ぜひ可能性を酌み尽くし、関係機関に働きかけ施設を確保すべきと考えますが、いかがでしょうか。
 質問の第2は、待機児童解消のため休園している幼稚園を活用し、子育て支援の拠点として検討してはいかがでしょうか。この4月から戸塚第三幼稚園を改修して、当面2年間下落合保育園が開設されます。幼稚園舎を使うという点では、小学校との連携など新たな環境面での運営も期待されています。
 年度末までに発生する待機児童は例年150名ほどです。待機児童を解消し、仕事と子育てを両立し、子育ての悩みにこたえるために休園している幼稚園の活用を検討してはどうでしょうか。23区内では世田谷区、墨田区、板橋区に各1カ所、練馬区2カ所で学校施設内に保育園の分室を開設しています。休園している幼稚園では、保育園としてこうした未就園児の相談、一時保育の需要にもこたえられるものにし、まさに子育て支援の拠点として整備してはどうでしょうか。
 新宿区内には教育委員会の学級編制基準の引き上げにより休園を余儀なくされた幼稚園があります。幼稚園が休園に至った経過はそれぞれあり、この間、需要の調査や再募集も求めてきたところです。今の時点に立って休園後の地域の需要を踏まえ、よく調査をした上で保育園の開設を検討してはいかがでしょうか。
 質問の第3は、新宿第一保育園の廃止計画を見直し、年度末の待機児が解消されるまで存続することです。ゼロ、1歳児を対象にした新宿第一保育園は待機児解消に重要な役割を果たしており、関係者は存続を強く要求してきました。待機児童数は昨年度末でゼロ歳が103人、1歳が50人、低年齢児では合計153名に上っています。入所率で見ても95.5%あり、年度当初でほぼいっぱいという状況で、待機児解消の取り組みは一刻の猶予もありません。都営大江戸線が既に開通し、今後、地下鉄13号線が開通と、ますます交通至便地域となるこの地に区立保育園が存続する意義は大きいと考えられます。
 区長は、新宿第一保育園の廃園を行っても、さまざまな施策の取り組みによる待機児童の解消が実現できると考えています。保育園は児童が入園から卒園まで同一の保育園に通園することは保護者のニーズであり、他の保育園のゼロ歳児、1歳児の定員の拡充にあわせ新宿第一保育園はその役割を終えると考え、閉園するという趣旨の発言をされていますが、年度途中の待機児童、特にゼロ歳児は年度途中での待機児童が最も高い増加率を示している現状に変わりはなく、新宿第一保育園の存続をするべきと考えますが、区長の御所見を伺います。

 最後に、30人学級の実施と学校選択制度の見直しについて、教育委員会に伺います。
 2001年度の法律改正で都道府県の権限で少人数学級が実施できるようになって以来、少人数学級は全国の大きな流れ、常識となっています。今年度までに42の道府県が何らかの形で少人数学級を実施し、さらに来年度から3県が実施の方向です。いよいよ残されたのは香川県と東京都のみとなっています。
 ところが、東京都はいまだに少人数学級の実施をかたくなに拒否しており、このままでは東京の子どもたちだけが40人学級のまま取り残されかねない状況となっています。
 新宿区の学級編制の実態はどうでしょうか。今年度、小学校では278中108クラスは38.9%、中学校では90クラス中58クラス、全体の62.1%が31人以上の学級です。ある小学校の4年生の学年は、3年生までは40人近い人数の2クラスでしたが、今年度は学年の児童数が82人となり、27人と28人の3クラスの編制になりました。保護者の方に話を伺うと、3年生までは教室いっぱいで小さな声はすべての子どもに届かなかった。目の悪い子が後ろの席になると黒板が見えない。授業参観に行っても保護者が中に入れないなど、これまでの問題が解決され、様子が一遍したと大変喜んでいました。しかし、毎年転出入する児童も多く、5年生になったら学級の人数がどうなるかわからないので、やっぱり30人学級になるといいのにねと話しています。
 少人数学級を実施している県のさまざまな調査結果が出されていますが、その教育効果は学習面でも生活面でも明瞭です。1999年に行われた日本教育学会の学校・学級の編制に関する研究委員会の調査研究でも、代表の桑原俊明・筑波大学副学長は、「学級規模25人前後を境に教育効果は大きく変わる。学級定員の標準は20人程度とすべきだ」と報告しています。新宿区内でも、どの学年も20人前後というある小学校の先生は、少人数クラスなので勉強でも生活でもどんな場面でも子どもたち一人ひとりに出番があって、とても活発。コミュニケーションがよくとれ、友達同士がよくわかっている。落とし物がほとんどないし、ごみも落ちていないと話しています。
 新宿区のどの子どもたちにもより行き届いた教育を行うようにするために、一刻も早く30人学級を実現すべきではないでしょうか。
 昨年9月に行った我が党議員団と教育長の懇談で、山崎前教育長は「30人学級は私たちも望んでいるところ」と、その必要性を述べられました。改めて、30人学級の実施について教育委員会の見解をお聞かせください。
 新宿区が30人学級を実施する上で障害となっているのは、先ほど述べたように、全国の常識に反して都教育委員会が40人学級に固執しているからです。しかし、全国の子どもたちと東京の子どもたちに教育条件の格差を続けさせるわけにはいきません。都が少人数学級を認めるよう、これまで以上に強力に働きかけるとともに、新宿区教育委員会として30人学級の実施を都教育委員会に申請すべきだと考えますが、見解をお聞かせください。
 次に、30人学級を実施するために必要な教室を確保することについてです。
 新宿区は、1992年の適正配置等の答申以来、小学校35校から2007年には29校へ、中学校15校から2005年度には11校にする大規模な学校統廃合を実施する予定です。また、今年度から学校選択制が本格実施され、集中校と減少校の二極化が強まっています。これらが相まって、例えば市谷小、早稲田小、余丁町小では、せっかく確保してきた特別教室を普通教室に変更して対応し、既に1つの余裕教室もありません。また、統合して新築された花園小は6つの普通教室しかないために、あらかじめ複数のクラスを設置できない建物になっています。このほかにも30人学級にした方がよいが、現実的な問題として教室の数が足りないという学校はたくさんあります。30人学級を実施していくために、区の責任で必要な教室を確保するため、改築、大規模改修などの計画を建てることが求められていると考えますが、教育委員会の見解を伺います。
 最後に、学校選択制は2年目を迎えますが、集中校では40人に限りなく近い学級がふえています。これは先ほど述べた日本教育学会の調査研究に照らしても、少人数学級の流れに逆行する事態で、また子どもと保護者が学校を選択するのではなくて、教室が足りないために抽せんになり、小学校・中学校の入学時に区立学校にもかかわらず、ふるい落とされることから、子どもの心を区教育委員会が曇らせる結果になっています。子どもが選択される事態になっている、学区外通学で子どもの安全が心配、学校と地域のつながりが希薄になるなど、さまざまな矛盾が浮き彫りになり、事態は深刻になっています。
 新聞報道では、世田谷区は学校が競い合う学校選択制ではなく、地域ぐるみで子どもたちをはぐくんでいく、地域に根差した教育を推進するとして学校選択制については導入していません。導入していない区は共通して、地域とのかかわりが希薄になることを理由にしています。教育委員会として、今日の子どもを取り巻く状況を直視し、改めて学校選択制については直ちに見直すべきだと思いますが、いかがですか。
 これをもちまして、区長並びに教育委員会に対する私の代表質問を終わらせていただきます。咳き込んでお聞き苦しいこともあったと思いますが、お許しを願いたいと思います。どうも御清聴ありがとうございました。(拍手)




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