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■2005年第2回定例会代表質問 笠井議員(2005年6月9日)

 私は、2005年新宿区議会第2回定例会に当たり、日本共産党新宿区議会議員団を代表して、区長並びに教育委員会に質問します。
 4月25日に発生したJR福知山線脱線事故により107名の方が亡くなり、460名もの方が重軽傷を負われました。亡くなられた方々の御冥福をお祈りするとともに、体と心に大きな傷を負われた皆様が一日も早く元気になられることを心から願っています。
 失われた命は取り戻すことができません。二度とこのような事故を起こさないために、原因を徹底究明し、抜本的な対策を講じ、教訓化していくことが求められているということを述べて、まず初めに、JR福知山線脱線事故について伺います。
 脱線の原因として制限速度を大幅に超過してカーブに突入したことが指摘され、その背景に私鉄との競争に勝つために過密ダイヤを組み、遅れた場合は高速運転を指示し、ミスをしたらいじめに等しい日勤教育をしていたことなどが明らかになりました。新型自動列車停止装置、ATS−Pも投資効果を考えて未設置でした。
 1987年、公共性より経営重視との考えに立って、国鉄分割民営化が強行されました。国鉄改革法第1条では、効率的な経営体制を確立するとうたっています。2001年、JRを完全民営化する法案審議に参考人として出席した当時のJR西日本の南谷昌二郎社長は、政府の方針にのっとり経営基盤の確立に努力し、発足当時5万人を超えていた社員を4万人を下回る体制にまで縮減した、完全民営化後は利益をとにかく稼ぐ、黒字を出していくのが民間企業としての存立のあかしと述べました。
 こうして稼ぐことを第一の課題に掲げ、やみくもに人員を削減し、安全投資も怠ってきた結果、多くの大切な命を奪う結果となりました。
             〔「そうだ」と呼ぶ者あり〕
 JR西日本と政府の責任は重大です。国鉄の後、民営化の波が堰を切ったように社会全体に押し寄せ、公共サービス部門は民間企業の利潤追求の場となってきました。地方自治体においても、民間でできることは民間でと、アウトソーシング路線を突き進んできました。私は、利潤追求より公共性が守られなければならない分野に関しては、公的機関が責任を持って仕事に当たるべきだと考えます。区長が、今回のJR西日本の事故についてどのような見方をしておられるのか、率直な意見をお聞かせください。

 次に、区長の政治姿勢について質問します。
 扶桑社の歴史教科書の検定に続き、小泉首相の5月16日の衆議院予算委員会での靖国神社参拝に対する答弁に、アジアや世界の国々から反発が強まり、日本の外交が行き詰まっています。戦争犯罪者をどのように追悼するか、他の国が干渉すべきではないとの首相答弁は、侵略した側がする発言ではありません。太平洋戦争中、国民を戦争に動員する役割を果たし、現在も、侵略戦争を起こした罪で処刑されたA級戦犯を昭和殉難者とあがめて神として祭り、侵略戦争は正しかったと宣伝する中心的役割を果たしているのが靖国神社です。
 第二次大戦で日本と同盟を結び、ヨーロッパ各地を侵略したドイツでは、ワイゼッカー元大統領が過去に目を閉ざすものは現在にも盲目になる。歴史の真実を直視しようと国民に呼びかけ、戦後60年のことしもシュレーダー首相がヒトラー・ドイツの犯罪は、ドイツ国民全体がその責任を深く胸に刻み、維持し続けることが国民の永続する道徳的な義務であると語っています。
 日本の小泉首相や、その後の自民党議員や閣僚の発言とは正反対の真摯な姿勢ではありませんか。
             〔「そうだ」と呼ぶ者あり〕
 4月のアジア・アフリカ首脳会議で演説した小泉首相は、植民地支配と侵略の歴史を謙虚に受けとめ、痛切なる反省と心からのおわびの気持ちを表明しました。今、世界から、国内からも求められているのは、日本政府がこの言明に沿った行動をとること、そして、戦争放棄を明記した憲法第9条を堅持し、外交に生かすことです。
 小泉首相の間違った信念で、近隣諸国を初め国際社会との友好を損ね、日本の国益をつぶすことは許されません。
 今月2日の衆議院予算委員会で、小泉首相は、我が党の志位委員長の質問に対し、靖国神社と政府の考え方は同じではない。参拝することが靖国神社の考えを支持しているとはとらないでほしいと答弁しています。だとすればなおのこと、首相在任中は靖国神社への参拝をきっぱり中止すべきです。一昨日、河野衆議院議長も、首相に参拝を自粛するよう申し入れました。
 そこで区長に伺います。
 新宿区には、本年1月1日現在、2万8,637人の登録外国籍住民がおり、韓国・朝鮮籍1万1,764人、中国籍9,273人を含め、かつて日本が侵略したアジア諸国の方が多数を占めています。過去の侵略の歴史にふたをして、これら外国籍の方との真の友好は得られません。この過去は何世紀も前の風化した歴史ではなく、日本の侵略によって身内や仲間を殺され、財産を奪われ、強制連行により祖国から遠く引き離されて強制労働に従事させられた方々にとっては、忘れることのできない生々しい事実です。
 区長は、多文化共生をこの過去の歴史とどのように向き合って進めようとしているのですか。御自身の歴史認識も含めてお答えください。
 そして、多文化共生を掲げる新宿区として、小泉首相に靖国参拝中止を厳しく求めるべきです。区長の見解を伺います。

 この問題に関連して、中学校教科用図書の採択について教育委員会に質問します。
 来年度から中学校で使われる教科書の選定作業が始まりました。今、この教科書問題はアジアの国々との平和的な友好関係を壊す国際問題にまでなっています。侵略戦争を美化する新しい歴史教科書をつくる会のメンバーが執筆した扶桑社の教科書が検定に合格したからです。日本の侵略戦争をこの教科書は大東亜戦争とし、自存自衛のための戦争で、アジアの解放につながったかのように記述しています。
 南京大虐殺についても、当時世界に大々的に報じられ、関係者の無数の証言が残されている歴史的な事実であるにもかかわらず、実態については資料の上で疑問点が出され、さまざまな見解があり、今日でも論争が続いていると記しています。強制連行や従軍慰安婦など、アジアの人々への加害の事実を隠し、植民地支配を正当化する内容で、侵略戦争への反省は全くありません。
 侵略戦争と植民地支配についての歴史の真実を知り、その反省の上に平和と民主主義の憲法があることを学ぶことは、日本の子どもたちが21世紀を生きる主権者として育つ上で欠かせません。
 前回4年前の教科書採択では、扶桑社の教科書は東京都と愛媛県だけが養護学校に、その後、都立の中高一貫校で使うことを決めましたが、市区町村立中学校での採択はありませんでした。今回、この教科書を出版した扶桑社が検定申請図書、いわゆる白表紙本を検定規則に違反して、検定合格前に地方の教育委員会関係者に渡していたことがわかりました。
 前回も全国の書店に平積みするなど、不法な行為が問題になりましたが、このようなルール違反の教科書が検定で通ること自体異常と言わざるを得ません。万が一にもこのような教科書が学校現場で採用されるようなことがあってはなりません。特に新宿区には、区立小・中学校においても中国、韓国を初め多くの外国籍の子どもたちが学んでいます。子どもたちも含め区民が歴史認識をどうはぐくんでいくかということが大切です。
 このことを申し上げ、以下質問します。
 第1に、教育委員会は、新しい歴史教科書をつくる会作成の歴史教科書の以上のような歴史の事実をゆがめる記述に関して、どのような認識を持っておられますか。新しい歴史教科書をつくる会が作成した教科書は、近隣諸国との友好と相互理解を破壊し、さらにルール破りを重ねているという点からしても採択すべきではないと考えますが、いかがでしょうか。
 第2に、東京都教育委員会は、平成18年度使用図書の採択について、4月20日付で各区市町村の教育長あてに通知しています。この中では、静謐な環境の中で採択する、外部からの働きかけに左右されることなくとした上で、円滑な採択事務に支障を来すような事態が生じた場合や、違法な働きかけがあった場合には、警察等の関係機関と連携を図りながら、毅然とした対応をとるようになど、市民からの働きかけを排除することが憂慮されます。
 また、教育委員会が責任を持って採択するとして、現場教員からの意見は参考にする程度で、現場の意見を軽く扱おうとしています。採択に当たっては、教科用図書という性格上、調査委員会を初め専門家としての現場の教員の意見が従前のように最大限尊重され、その意見をもとに採択すべきと思いますがいかがでしょうか、お伺いします。

 次に、東京厚生年金病院を公的病院として存続させることについて質問します。
 政府は、昨年3月10日の自民党と公明党の与党合意に基づき、国民の批判を浴びたグリーンピアなど、箱物施設と十把一からげにして、区内津久戸町にある東京厚生年金病院を含む全国10カ所の厚生年金病院を、民間病院などへ売却する方針を決めました。この売却方針に対し、大分県湯布院町を初め全国の厚生年金病院のある地元で、大きな反対運動が広がっています。
 東京厚生年金病院でも、何でも民間、民間と言うが、民間になれば採算がとれないといって小児科や産婦人科がなくなるかもしれない、公的な病院だから個室以外は差額ベッドなしで安心して入院できるが、民間病院だとそうはいかないと、公的病院として存続を求める声が広がり、地元の町会や患者さんたちが東京厚生年金病院の存続、発展を願う会をつくり、厚生労働大臣に提出する要望書の署名に取り組んでいます。
 要望書では、現在のように地域の住民の診療所にとって信頼が厚く、社会的弱者や身体障害者のために診療を行う病院の性格を維持するためには、利潤追求を主目的にした民間企業への売却は好ましくありません。公益性の高い病院として、今後も診療を続けてくれるものと考えていますとして、質が高い診療サービスが将来にわたって存続し、ますます充実していくことを強く望んでいます。この要望書に賛同する署名は、5月半ばで既に3万筆を超えているそうです。
 そこで、第1の質問は、3万人を超すこの区民の切実な要望を区長がどのように受けとめているのか伺います。東京厚生年金病院は、これまで地域医療に大きな役割を果たしてきました。病院がまとめた調査によれば、昨年10月から12月までの3カ月間で、延べ2万4,750人の新宿区民が外来患者として受診しており、年間に直せば延べ10万人に達します。ちなみにこれは、第2位の文京区民の約3倍です。
 また、医療機関が機能分担をして相互に助け合う病院と診療所の連携についても、同時期の区内の開業医や診療所からの紹介患者は2,290人で、2番目の文京区の約2.5倍です。
 さらに、区長も御承知のように、区の事業の一つである緊急一時入院病床確保事業の契約病院としても、貴重な役割を果たしてきました。医療水準も充実しています。都心でありながらプールや体育館まで備えた高度なリハビリ施設を持ち、急性期疾患からリハビリまでの一貫する連携した施設と体制をとっている病院は、他に見られません。
 脳血管障害の患者が急性期でなくなったからと退院を迫られ、近隣のリハビリ病棟が満杯で遠くの病院を紹介されて困っているという話はよく聞く例です。東京厚生年金病院の回復期リハビリ病棟では、発症早期の患者を集中的・効率的に機能回復を図った後、外来での維持期リハビリへつなげ、社会復帰の手助けを図ってきたのです。
 看護師さんも先生方もとても親切で、患者の立場に立って診療に当たってくれるというのが、地域での評判ですが、昨年、日本医療評価機構による病院評価をもとに日経メディカルが行ったランキングでは、東京厚生年金病院が総合順位で第1位です。
 第2の質問では、東京厚生年金病院が地域医療に果たしてきた役割や医療水準について、区長がどのように評価されているのかお伺いします。
 そして、重要なのは、同病院がなぜこのような役割と水準を持ち得たかです。私は、それは厚生年金保険法の「政府は、被保険者、被保険者であった者及び受給権者の福祉を増進するため必要な施設をつくることができる」との規定に基づいて、国が設置した公的医療機関であり、病院職員や関係者がこの目的を果たすため、日夜分かたぬ努力をしてきたからこそと確信するものです。区長はこの点についてどのようにお考えかもあわせてお答えください。
 全国の反対運動の高まりの中で、政府与党は本年2月、病院の譲渡に当たっては病院機能の公益性を損なうことのないように十分検証した上で、適切な方法によって結論を得るべきと附帯条件をつけざるを得なくなりました。しかし、その後の参議院厚生労働委員会での厚生労働大臣の答弁は、例外なく譲渡・売却するということを決めましたので、例外はつくらないと、売却方針を変えていません。
 公益性の高さを維持するのであれば、民間に売却せず、公的病院として存続させる以外にありません。そもそも、なぜ東京厚生年金病院を民間に売却しなければならないのでしょうか。グリーンピアのように大赤字を出して、国民から批判を浴びているわけでもなく、2003年度、全国の10の厚生年金病院はすべて黒字です。公的病院として残せという声はあっても、民間に売ってしまえという声は、国民からは出ておらず、どさくさに紛れて十把一からげにして民間に売却する政府のやり方は、余りに乱暴ではありませんか。
 第3の質問は、区長が、東京厚生年金病院を公的施設として存続させる運動の先頭に立っていただくことについてです。
 大分県湯布院町長は、既に厚生労働大臣あてに、湯布院厚生年金病院及び同保養ホームの公的施設としての存続に関する要望書を提出しています。さきに紹介した要望書では、「私たちは質が高い診療サービスが将来にわたって存続し、ますます充実していくことを強く望みます。この願いを実現するために、思想・宗教・政治的立場の違いを超えて、東京厚生年金病院の存続・発展を願います」としていますし、今議会にも同趣旨の陳情が出されています。
 私は、区長みずからが要望書の趣旨に沿って厚生労働省に働きかけるなど、同病院を公的医療機関として存続・発展させる運動の先頭に立っていただくよう要望するものですが、区長の御見解をお聞かせください。

 次に、入院生活支援制度の創設について質問します。
 先日、間もなく80歳になるひとり暮らしのお年寄りが入院されました。ふだんは介護保険制度のヘルパー派遣で家事援助、通院介助などを受けながら何とか生活している方です。ケアマネジャーから、入院すると介護保険が使えないんですよと言われ、途方に暮れていました。いつも来ているヘルパーさんが見るに見かねて週に1回、下着の洗濯や買い物などを無償で手伝ってくれて何とかなりました。
 また別のケースでは、高齢の御夫婦で奥さんが入院、御主人は足が悪く病院までなかなか行けないというので、御近所の70歳代の女性が洗濯物を届けるなどお手伝いをしていましたが、入院が長引き私の方が倒れそう、何か制度はないですかと相談に来られました。
 入院生活にまつわる苦労の話には枚挙にいとまがありません。千代田区では、このような方々を支援するために、昨年5月から入院生活支援事業を実施しています。この事業は、ひとり暮らしの高齢者及び高齢者のみの世帯を対象に、入退院時の自宅居室の簡易な整理整頓、入院中の洗濯物、一時外出時の付き添いなどの支援を行うためヘルパーを派遣するものです。
 1回3時間以内、週2回、年間最大12週まで派遣できるとしています。昨年の実績は34人、延べ123週、ことしは5月13日現在で既に12人が派遣されています。千代田区内で事業を行っている事業者は、当然この制度を知っていますから、ヘルパーやケアマネジャーの方からも、「千代田区には制度があるのに新宿区ではこういう制度ができないものでしょうか」という声が寄せられています。
 我が区議団は、今定例会に条例提案をいたしますが、入院生活支援事業を新宿区として行うよう、先日区長に申し入れを行いましたが、改めて区長の御見解をお聞かせください。

 次に、次世代育成のための経済的支援について質問します。
 2004年の合計特殊出生率が前年度に続き1.29と発表されました。1989年の1.57ショック以来、少子化対策が叫ばれてきましたが、政府の対策は功を奏しておらず、回復どころかさらに少子化が進行しています。
 急激な少子化は社会保障の維持、労働力と税収の確保など、国民生活のあらゆる方面に重大な影響をもたらします。出生率低下の背景はさまざま指摘されますが、新宿区が次世代育成支援計画策定に当たって実施したアンケート調査で、子育て支援事業に望むことの一番の要望は、経済的支援であり、計画にも盛り込まれました。しかし、残念ながら計画では、区民が期待しているような新たな具体策は示されませんでした。
 区は、本年4月から経済的支援策について検討する庁内のプロジェクトチームを立ち上げ、これまで他の自治体や諸外国の先進的な事例などを調査し、勉強会もしていると聞いています。こうした検討は前進であり、私たちも積極的な支援策を期待しています。
 しかし、スウェーデン、イギリス、ドイツなど、先進諸外国の例から見ても、国民の医療費の自己負担が無料ないしは低く抑えてあり、その上に立って少子化対策に取り組んでいます。したがって、新宿区でも、まず医療費助成の対象を広げ、しかる後に現金給付である手当、就学援助、住宅施策といった経済的支援を総合的に実施することが、少子化を克服するために求められています。
 区長の現状認識と経済的支援についての具体的な考え方をお示しください。
 また、検討は、区の内部だけで行うのではなく、区民と一緒に考えていくべきではないでしょうか。日ごろから協働を掲げているのですから、プロジェクトチームの調査結果や、勉強会の中身も区民に示し、区民参加で検討すべきと考えます。この点についても、区長の御見解をお伺いします。
 その上で、2つの具体的な経済的支援について伺います。
 まず医療費助成についてです。対象者が多く医療費という目的が明確であることから、公平性が高い乳幼児医療費助成の対象年齢拡大は、まず最優先に行うべきです。区民の皆さんからは、気軽に受診ができれば病気の重症化を防ぐことができる。体が弱い子は、小学生になってもすぐには丈夫にはならない。ぜひ小学生まで無料にしてほしいなど、医療費助成を小・中学生に拡大する要望は大変強くなっています。
 23区では、既に10区が対象年齢拡大を行っていますが、練馬区は来年中に、墨田区も来年度以降の実施を検討中です。そうなれば、過半数の区が医療費助成の対象年齢を拡大することになり、この流れはさらに加速することは間違いありません。
 「子育てみんなで応援宣言!」のスローガンを掲げる新宿区が、医療費助成の対象年齢の拡大を早急に決断することを改めて求めます。区長の見解をお示しください。
 同時に東京都に対して、区として所得制限撤廃と対象年齢拡大を要求することが必要です。先日、私たちは区民の皆さんと東京都に要請しましたが、「最近、急速にこの要望が強くなっている」、「皆さんの要望の切実さは大変理解できる」、「持ち帰って考えたい」など、これまでとは違う前向きな姿勢が示されました。
 都議会でも、福祉保健局長が、現在都議会での議論を初めさまざまな意見があることは十分承知していると答弁しています。所得制限の撤廃は区長会を通じて都に要望していますが、対象年齢拡大についても早急に要求すべきと考えますが、いかがでしょうか。
 次に、児童手当についてです。手当は世帯によって異なる需要に対応できるなど、効果的な支援策であり、まず国に拡充を求めるのが当然ですが、その上で区独自の上乗せも検討すべきです。
 千代田区は、昨年度から独自の千代田区児童手当を支給しています。これは、国の小学校3年生までを対象にする児童手当と同じ金額を、ほぼ同じ条件で小学校4年生から6年生までの児童を養育している世帯に支給する制度です。しかし、所得制限が低いために、対象者は300世帯と少ないそうです。
 新宿区は、私立幼稚園保護者に対する補助金については所得制限枠を拡大しましたが、こうした先例も参考にして、区独自の児童手当を経済的支援の一つとして検討すべきと考えますがいかがでしょうか、お答えください。

 次に、学童クラブについて質問します。
 ことし4月1日現在で、区立学童クラブ22カ所と1分室のうち、12の学童クラブが定員オーバーし、中でも定員を大きく超える5カ所については緊急な対策が必要です。新宿区でも少子化と言われる一方、学童保育の需要はむしろ増加しています。共働き世帯の増加と、ここ数年は子どもをねらった事件が相次いでいることから、学童クラブに子どもを預けて安心して働きたいという保護者の意向を反映し、2年生、3年生になっても学童クラブをやめず在籍する子どもがふえ、4月1日で、昨年878人だった在籍児童数が、ことしは946人と68人もふえています。
 特に定員を大きく超えている高田馬場第二学童クラブでは、4月1日現在で70人の定員に対して98人の在籍です。おやつのときには子どもがいっぱいで職員が配膳できず、ゆっくり食べることができません。遊ぶスペースも限られていますから、職員の皆さんは、けがをさせないようにと神経を使っています。
 高田馬場第二学童クラブでは、ことし1月の申し込み時点で70人の定員に対して98人になったことから定員オーバーを解消するため、区は2月1日、民間事業者を公募し、ただ一つ応募してきた事業者を補助予定事業者として決定しました。そして、ことし4月1日から、西早稲田に定員30人の早稲田フロンティアキッズクラブが開設されましたが、5月23日現在の在籍児童数はまだ12人です。
 一方、高田馬場第二学童クラブは依然として97人が在籍しており、さらに二、三人の方から今後入りたいという問い合わせがあり、定員オーバーは解消されるどころか、このままでは100人を超える深刻な事態になってしまいます。
 高田馬場第二学童クラブからこの民間学童クラブに移籍した児童は一人もいません。区立の学童クラブがおやつ代込みで月6,000円であるのに対し、この民間学童クラブは入会金3万1,500円、年間施設管理料1万500円を一括払いし、保育料は放課後から18時までの基本利用で1万2,600円、さらに延長すると料金が加算されます。おやつ代は月2,625円なので、最低でも月1万5,225円と、区立の2.5倍の負担です。このほかにも、土曜日の利用は1日2,000円、行事の振りかえなどで学校が休みの平日は500円増しです。このように、利用料金から見ても、これが高田馬場第二学童クラブの代替にはなり得ません。
 そこでお聞きします。民間学童クラブの誘致が定員オーバーの解消策になっていないことについて、区としてはどこに原因があるとお考えですか、お伺いします。そして、今後どう対処しようとして考えておられるのかお答えください。
 富久町学童クラブでは、定員オーバーを解消するため、富久小学校内に分室として学童クラブを設置し、一般の子どもも一緒に遊ぶことができるようにしたことで、とてもよく利用されています。区が本当に定員オーバーを解消しようとしているのであれば、学童クラブを含めた児童館そのものを増設するか、富久町のように一般児童も利用できる分室を直ちにつくるべきではないでしょうか。お答えください。
 また、このほかにも百人町や北山伏の学童クラブなど、定員を大きく超えているところは早急に対策を検討することが必要です。区の次世代育成支援計画では、学校内学童クラブで対応できないようなところは、民間学童クラブを誘致し、2009年度までに4カ所設置するとしていますが、幾ら区が補助金を出しても、区民が何を求めているのかというニーズを無視して、単に民間学童クラブを誘致しても決してうまくいきません。
 今回の教訓を踏まえ、今後の計画については民間任せでなく、区が責任を持って学童クラブを増設すべきと考えますが、区長の見解をお聞かせください。

 次は、新宿区高度地区変更原案について質問します。
 新宿区は、土地の有効高度利用が街並みや景観と調和した形で図られるように、建物の絶対高さ制限を定める高度地区変更原案を昨年12月に発表し、パブリックコメントや地域説明会を開いてきました。説明会の参加人数は591人、パブリックコメントは334件と賛否両論の多数の意見が寄せられました。
 第1回定例会では代表質問、一般質問、予算特別委員会の質疑、環境建設委員会での陳情質疑等、議会でも積極的な議論、意見が出されました。こうした議論を踏まえ、区は2つの対応策を示しました。
 一つは、既存不適格となる建築物について、既に環境を形成している実態もあり、財産の保護という観点から、改築の際には現状の高さを容認する。もう一つは、都市計画決定の当初のスケジュールにこだわらず、時間をかけて十分な説明を行うとするものです。
 既存不適格となる建造物については、既に当該建物に住んでいる方の財産や権利を侵害することができないとの考えからの措置と思いますが、一方で変更された高さに制限されれば、本来得られたであろう権利・利益を損なう周辺住民の立場も当然考慮されなければなりません。
 そこで伺いますが、既存不適格建物を現状の高さにして建てかえる際、建て主と地域住民との話し合いが十分行われ、双方の合意が形成されるよう新宿区が指導・援助することを明確にすべきと考えますがいかがですが、お伺いします。
 さて、原案発表から半年近く経過しました。説明会では、区はさきに述べた2つの対応策を区民に話しておらず、管理組合などに求められない限りは現場に出向いて説明することもしていません。その後の考えをホームページ等にも載せておらず、区民の間では原案は示されたが、それっきりどうなっているのかとの疑問の声が上がっています。
 区は第1回定例会で、当初のスケジュールにこだわらず、時間をかけて十分な説明をすると言いました。この間、時間は経過していますが、区民に理解してもらうために、区はどのような努力をしてきたのでしょうか、お伺いします。
 次に、今後の見通し、スケジュールについてお聞きします。
 心配されていた駆け込み建築と思われる事例が区内各地域に起こり、地域住民からも不安の声と、高さ制限を早く決めてほしい、原則的な指導を新宿区としてやってほしいという声が起きています。区民の皆さんへの周知と理解を早急に得られる努力をしなければなりません。そのために、第2回目の地域説明会をできるだけ早い時期に開き、区民の合意を得た上で早期に都市計画決定して実施に移すべきと思います。
 今後どのようなスケジュールで決定・実施しようとしているのかお答えください。なお、今後開催する説明会では、規制を緩和する大規模な一団の土地についても、面積等の具体的な内容を示して区民の意見を聞くべきです。この点もあわせてお答えください。
 都市計画決定がされるまでの駆け込み建築に対する指導については、第1回定例会で区が高度地区の原案を作成した意図を事業者に伝え、施行前であっても都市計画の趣旨に沿った協力をお願いしてまいりますと答弁しています。今、起こっている駆け込みの事例は、まさに区の姿勢が試されます。原案提案の趣旨に沿って建築主を説得し、近隣住民の合意を条件にするよう指導すべきと思いますが、お答えください

 次に、震災対策について質問します。
 3月21日の福岡県西方沖地震は、人が活動し始めた朝の時間帯であったため、不幸にして1名が亡くなりましたが、震度6という地震の規模にしては、これまでの大震災に比べ被害が比較的小さかったといえると思います。しかし、玄海島の家屋の倒壊などをテレビで見ていると、被害の深刻さがうかがえます。
 また、福岡市内では、新耐震後に建てられたマンションにひびや亀裂が走り、ビルの窓ガラスが飛散し、ブロック塀の倒壊で女性が死亡しています。前原市では本震後の強い余震の影響で、一部損壊家屋が当初52戸から1,389戸に急増しています。福岡市内の築6年、15階建てマンションでは、割れたガラスや動いた家具で室内の散乱はすさまじく、外から室内が見えるほど壁が崩れました。多くの箇所にエックス型の亀裂が入り、住み続けられるかという不安があるということです。
 耐震診断の基準の見直しも含め、診断と補強工事を急ぎ実施するために、具体的な実効ある対策が緊急に求められていると実感しました。この経験からも改めて具体的な震災対策が求められていると思いますが、いかがでしょうか。
 初めに、家具の転倒防止対策についてです。
 新宿区の昨年度の家具転倒防止取りつけ事業の実績は、実施世帯64で、ふんばる君97個など、取りつけた器具の総数は158個ということです。区が負担した取りつけ委託料は26万5,000円、区民が負担した器具購入費は、私の計算では33万7,000円になります。予算額146万5,000円、予定世帯300に対して、実績は思いのほか低かったと言えます。区長がこの実績をどのように評価しているのか、実績が伸びなかった原因がどこにあると分析しているのか伺います。
 この事業は、実績が低いからとやめるのではなく、より実効あるものに改善すべきです。震災10年の1月以降申し込み件数が増加したとのことですが、さらに広報などで啓発に力を入れるとともに、購入費用に助成して器具取りつけを促進することを再度求めます。
 東京消防庁が3月に出した家具類転倒落下防止対策検討委員会報告書は、転倒防止の重要性については認識していても、どのような器具を選んでよいかわからないとか、賃貸住宅で壁に傷をつけられないなどの理由から、実施率が向上していないと述べています。
 広報などで器具の普及を図るとともに、不動産業界などを通じて民間賃貸住宅での家具転倒防止器具取りつけを家主に働きかけること、そして、まず、区自身が家主である区立住宅で取りつけを奨励し、みずから率先してこの事業を推進すべきと考えますが、いかがでしょうか。
 次に、木造住宅耐震診断補強工事助成についてです。
 目黒東大助教授の講演を聞いて、目からうろこの区長の言葉に、当時私も共感した一人でした。しかし、ことしの第1回定例会での我が党の質問に対して、区長は、みずからの命はみずから守ると自己責任を主張し、工事費の助成は個人の資産形成につながると答えました。さらに、予算特別委員会では、個人に補助金を出していくかどうかは政策判断の問題とも答弁されました。こうして新宿区が二の足を踏んでいる間にも、耐震工事に助成する区は急速にふえています。
 今年度、港区、世田谷区、墨田区、荒川区、文京区、葛飾区などが実施しました。これらの区では耐震診断、耐震補強工事に助成金を出して、住民の命を守ることを最優先するとの政策判断を下したわけです。
 区が作成した啓発ビデオは、「耐震補強をどうするか、あなたとあなたの家族の命を守れるかどうかは、あなた自身の判断です」と結んでいますが、区民の命と安全・安心の確保は、区長の政策判断にかかっています。せめて倒壊危険度が高いとされている地域や、高齢者、障害者世帯に対してでも耐震診断と工事費の助成をすることを求めます。区長の見解をお聞かせください。
 次に、ブロック塀等の倒壊防止についてです。1978年の宮城県沖地震では、ブロック塀倒壊等による死者が13人も出ました。阪神・淡路大震災後の2001年に修正された区の防災計画では、がけ、擁壁、ブロック塀等の倒壊防止については、法律に基づく指導等のほか実態調査、改善指導を行うとしています。これらの対策がその後どこまで進んでいるのか、まずお聞かせください。
 私は、5月初旬、区内建築NPOの方が行っている木造住宅密集地域の避難危険物調査活動に参加しました。ふだん何気なく歩いている町並みを、もし大地震が起きたら家屋、塀、看板は安全かとチェックリストに基づいて歩きました。
 行きどまりの細街路では入り口の老朽住宅が倒壊したり、ブロック塀が倒壊したらたちまち避難路を断たれ、火災が発生したら大惨事になりかねません。倒壊のおそれのあるブロック塀に対しては改善指導するとのことですが、費用がかかるために取り壊したくてもできない経済的困難者に対しては、区が費用負担して撤去できるように支援すべきではないでしょうか、お答えください。
 最後に、私自身、自分の住んでいる地元地域を専門家の皆さんとともに、震災対策という視点でウオッチングして、改めて気づいたことがたくさんありました。区の職員も参加して町会ごとにこうした取り組みを進めることが、まさに実感を伴う啓発になると思います。新宿区でも、阪神・淡路大震災の後、区内町会単位に防災危険マップを作成していますが、つくって終わりではなく、参加者も交えて継続して検証を重ねていくことを提案します。区長の御見解を伺います。

 次に、放置自転車対策について質問します。
 初めに、東京メトロ丸の内線西新宿駅周辺の放置自転車対策についてです。青梅街道に沿って西新宿駅は、100メートル以上にわたっておびただしい数の自転車がとめられています。私は、この場所の放置自転車対策について、これまでも繰り返し改善を求めてきましたが、青梅街道の拡幅計画があり、しかも拡幅に数年を要するということで、整理区画はしばらく無理だとされてきました。
 暫定的な期間での設置の検討も含めてお願いしてきたところです。1998年に策定された新宿区自転車等の駐車対策に関する総合計画では、この西新宿駅はハード施策の対象駅とされ、整備目標50台となっています。
 しかし、いまだ対応は放置されたままであり、周辺は事務所ビルの増加で乗降客はさらにふえ、整理区画もなく整理指導員も配置されておらず、この場所は二重にとめられた自転車等で往来にも支障を来しており、もはや放置できません。
 西新宿駅の自転車整理区画については、その後、東京都や鉄道事業者である東京メトロとどのように協議しているのか、いつまでにどのような改善を図ろうとしているのか、また、見通しについてもお伺いします。
 区としてすぐにでもできる自転車整理指導員の配置については、早急にやるべきではありませんか、あわせて伺います。
 また、この駅周辺には、再開発で超高層ビルがふえていますが、これらのビルの公開空地に自転車、バイクが放置されていたり、また、逆にその周辺の歩道が自転車、バイクで占拠され、歩道の体をなしていません。災害時に被害拡大をさせることにもつながります。事務所ビル管理者の責任で、来所者を駐輪場へ誘導するよう、区は道路管理者として指導すべきではないでしょうか。
 また、区の自転車に関する条例では、こうした大規模な事務所ビルには、自転車駐車場の附置義務はありませんが、こうした現状にかんがみて、今後、総合計画の見直しや条例の中で検討する必要があると思いますがいかがですか、お伺いします。

 最後に、30人学級の実施について質問します。
 さきの第1回定例会で、30人学級を実施する上で必要な教室を確保することを質問してきましたが、この間の少人数学級をめぐる国の動向は、いよいよその必要性を増しています。文部科学省は、中央教育審議会の義務教育特別部会を受けて、高倉翔明海大学長を座長とする教職員配置等に関する調査研究協力会議を設置し、学級定数についてこの7月中旬をめどに報告書をまとめ、来年度の概算要求に反映させるとしています。
 5月13日の共同通信は、文部科学省は1学級の上限を40人としている小・中学校の標準定数を30人学級に引き下げた場合、新たに教員給与が年間7,800億円必要で、35人なら3,300億円必要との試算をまとめたそうです。まさにこうした国の具体的な検討が始まったことを受けて、必要な教室を確保することについて再度伺います。
 区立小学校では、5月1日現在、31人以上の学級が277学級のうち115学級、41.5%、中学校は90学級中53学級、58.9%、また35人以上でも小学校では58学級あり、中学校は38学級です。市ヶ谷小学校、早稲田小学校、余丁町小学校などでは、特別教室も普通教室に変更され、既に余裕教室は一つもないと聞いています。
 国のこうした見直しが始まったことを受けて、現実的な問題として、教育委員会は足りなくなる教室の確保をどのように対応するかが迫られてきます。さきの定例会で、学校の増改築についての質問に対し、区といたしましては現在のところ、30人学級を前提とした改築計画は必要ないと考えておりますと答弁されましたが、国の新たな動向を踏まえ、改めてこの時点でのお考えをお聞かせください。
 また、東京都教育委員会に対しても、学級編制と教員の配置についても、国の動向を踏まえた検討に入ることを申し入れるべきと思いますが、あわせてお答えください。
 以上で、私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)

■笠井議員の再質問
 自席より発言させていただきます。
 先ほど、区長並びに教育長の方から御答弁をいただきました。幾つかいろいろ伺いたいことはあるわけですけれども、こういう時間でもありますので、とりあえず1点お聞きしたいのですけれども、先ほど、東京厚生年金病院の問題で質問いたしました。
 区長からは、いろいろ貴重な御答弁もあったかと思うんですけれども、最後に、私は、大分県の湯布院町長のこうした国に要望書を出している、そういうこともとらえて、区長みずからが要望書の趣旨に沿って厚生労働省に働きかけるとか、こういう存続の運動の先頭に立っていただきたいということを申し上げたのですけれども、これについては御答弁がなかったかと思うんです。これについて、もう一度お聞かせいただきたいのです。

■笠井議員の再発言
 再質問はこれでできませんということですので、意見として言わせていただきますけれども、平成17年度中に売却をしないのは当然のことであると思います。
 ぜひ今、恐らく3万筆以上、既にもっとたくさん集まっていると思いますし、この問題は区民の多くの皆さんの関心であり、心配事でもありますし、区にとっても大変大事な問題だというふうに、先ほど区長の御答弁からもそのことはうかがえました。
 ですので、ぜひこの要望書に沿った形で、これからも区長が動いていただきたいということを申し上げておきたいと思います。
 私は、靖国神社の問題でも中止を要請するというのではなくというお話がありましたけれども、今、いろいろな立場、特に自民党のいわゆる長老といわれる、かつて国会議員をやられたような方も、この問題については、やはり自粛を申し入れていらっしゃるということですので、こういう問題についても私たちは参拝中止を求める区民の皆さんと一緒になって、平和のために、先ほどのこの議場でお話を聞きました戦争を繰り返してはならない、こういう決意でこれからも取り組みたいということを申し上げて、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)




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