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■2005年第3回定例会一般質問 笠井議員(2005年9月27日)

公衆浴場対策について

 日本共産党議員団所属の笠井つや子です。公衆浴場対策について質問します。
 まちのおふろ屋さん「銭湯」と親しまれてきた公衆浴場には、私もふろつきの社宅に入れるまでの5年間ほどのアパート生活で通った1人です。銭湯には、湯上がりの赤ちゃんの世話をしてくれる人がいて、新米の母親には頼もしくありがたい存在でした。また、銭湯は子どもたちが清潔感やマナーなど、社会性を身につける場でもあり、地域の人との交流の場でもありました。

公衆浴場の果たす役割をどう認識しているか

 その公衆浴場は新宿区の場合、1975年度末89浴場、1985年度末で77浴場、1989年、平成元年64浴場と減り続け、東西の浴場組合が合併し「新宿区浴場組合」となった1996年度47浴場、その後も毎年廃業が続き、今現在は34浴場となってしまいました。自家ぶろ所有に伴う利用客減、経営者の高齢化、後継者難、浴場施設の老朽化など、廃業の原因と思われます。
 私の住む柏木特別出張所管内には、かつて8つの銭湯がありましたが、現在では2カ所しかありません。角筈特別出張所管内も今2カ所のみです。老朽化した木造住宅の建てかえや、マンション建設等が進み、自家ぶろを持つ家庭はふえていますが、おふろのない区民も相当数います。例えば、生活保護の基準家賃とされている5万3,000円の木造アパートでは、まずふろがありません。公衆浴場を利用する区民はさまざまです。高齢者の方など、浴室の清掃が困難で銭湯を利用される方もいます。自宅にふろがあっても、広いふろに手足を伸ばしてゆっくり入りたい人、サウナやジャグジーなど家庭で味わえないふろ、人との触れあいを楽しみにしている等さまざまです。
 東京都のホームページに、公衆浴場は「その利用の目的及び形態が地域住民の日常生活において保健衛生上必要な施設として利用されるもの」、「これを簡単に言うと、都民の健康と衛生を守っていくために、なくてはならない施設だということです」と紹介しています。
 ふろのないアパートに居住しているある高齢者は、近くても四、五百メートルも歩かないと銭湯がないため、夏でも体をふいて済ませていると言います。また、遠くまで歩けないと回数を減らしているとか、自転車はもちろん、バスを利用している人もいるそうです。東京都公衆浴場基礎資料によると、公衆浴場の月平均利用者数は1浴場当たり23区平均、1989年度219人が、2004年度137人、新宿区の場合は270人が185人と激減し、自家ぶろ所有世帯は91.9%と聞いています。
 現在、新宿区は公衆浴場対策として、設備費助成、資金の貸し付け、利子補給、生活保護世帯への入浴券交付、ふれあい入浴事業等を実施しています。かつては、敬老入浴券が高齢者の健康増進と公衆浴場支援として、その役割を果たしてきましたが、「区政改革プラン」で廃止され、支援策は後退しました。
 そこで、区長にお尋ねします。
 まず初めに、公衆浴場の果たす役割と公衆浴場の減少により区民の入浴の機会の確保が困難になっている実情について、どのように認識されているのか伺います。

区民の入浴の機会の確保のために、区が積極的な支援策を

 第2は、区民の入浴の機会の確保のために、区が積極的に支援策を講じる立場に立つことについてです。
 「公衆浴場の確保のための特別措置に関する法律」は、「公衆浴場は住民の日常生活において欠くことのできない施設であるとともに、住民の健康の増進等に関し重要な役割を担っているにもかかわらず、著しく減少しつつある状況にかんがみ、公衆浴場についての特別措置を講ずるよう努めることにより、住民のその利用の機会の確保を図り、もって公衆衛生の向上及び増進並びに住民の福祉の向上に寄与すること」を目的に制定されました。
 そして、国及び地方公共団体の任務として、「公衆浴場の経営の安定を図る等、必要な措置を講じることにより、住民の公衆浴場の利用の機会の確保に努めなければならない」とし、公衆浴場について、「その確保を図るため、必要と認める場合には所要の助成、その他必要な措置を講ずるように努めるものとする」と規定しています。この趣旨に基づいて、隣の渋谷区は昨年12月、地元町会などの陳情も受け、廃業になる本町四丁目の公衆浴場を1億6,000万円で購入し、そのまま浴場を存続する対策をとって、地域住民から歓迎されているそうです。
 さらに、今定例会には、その他の公衆浴場の整備条例のための3,000万円の補正が提案されるとのことです。千代田区、中央区、港区でも、区が公衆浴場確保のために経費補助をしています。
 千代田区では、これ以上の廃業を食いとめたいと、1994年度から経営の継続に要する最低入浴料の確保が不可能な場合、その差額を補てんする「千代田区経営確保指定公衆浴場制度」をつくっています。中央区では、「確保浴場」選定要綱を設けて、区長が必要と認める浴場を確保し、助成策を講じています。また、港区では公衆浴場確保の緊急的対応として、人件費、燃料費補助をして、転廃業防止に効果を上げています。
 新宿区としても、区民の健康増進と入浴の機会の確保、公衆浴場の経営支援のために、さらなる積極的支援策を持つべきではないでしょうか。公衆浴場の廃業が続いている中で、ふろのない利用者は不安になっています。地域特性も考慮し、区の責任で確保することを検討する時期に来ているのではないでしょうか。区長の見解をお伺いします。

公衆浴場の経営に対する緊急支援を

 第3は、公衆浴場の経営に対する緊急の支援と、国と東京都へ財政措置を求めることについてです。
 昨年来の重油の高騰は、浴場経営を圧迫しており、ある浴場の場合、キロ当たり2万円くらい値上がりをしていた、燃料費だけで月20万から25万円くらいかかると嘆いています。利用者が少ない浴場はもっと深刻です。文京区は、「重油価格の急騰が浴場経営をさらに圧迫している。経営手腕だけでは乗り切れない」として、1浴場につき18万円を上限に助成措置を、この6月実施しています。各浴場の実情も調査して、新宿区としても燃料費への支援を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。
 また、「公衆浴場の確保のための特別措置に関する法律」が定めるところの任務に沿って、国と東京都に対して浴場確保や施設整備に対する、さらなる財政措置や相続税の軽減措置などを求めるべきですが、いかがですか、お伺いします。
 3点について、区長の御答弁をお願いいたします。
 以上で、私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)




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