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◎区長(中山弘子)
沢田議員の御質問にお答えします。
1、区長の政治姿勢について
初めに、憲法9条の改正についてのお尋ねですが、私たちの平和と豊さは、先人の尊い犠牲の上に成り立ってきたもので、世界平和の実現に対しても大きな意義があり、その意味からも憲法の果たしてきた役割は大きいと思っております。
新宿区平和都市宣言の冒頭にあるように、世界の恒久平和は人類共通の願いです。世界の恒久平和の実現を目指すために、日本国憲法はいかにあるべきかに関して、さまざまな議論があることは承知していますが、自治体の長である私としては、就任以来この種の問題で繰り返し答弁しているとおり、国会での議論の推移を注視してまいりたいと考えています。
次に、サラリーマン増税や消費税増税に関するお尋ねです。
日本経済は景気の回復過程にあって、指標の上からは明るさが伺える状況となっていますが、企業収益の改善が区民所得に十分な波及効果を及ぼしているとは言い難い現状にあると考えます。
また、所得税、住民税の定率減税や諸控除の見直しなどの個人所得課税の見直しが現在進行中であり、原油価格高騰が経済に与える影響も危惧されるところです。
一方、少子高齢化が急速に進行する中、将来の社会を展望し、国民の受益と負担との関係を広く議論する上で、税財政制度全般にわたる課題を避けて通ることはできないものと考えます。私は、こうした観点から税制を考える際には、個人所得課税や消費税に加え、法人税制のあり方なども含め、広範かつ活発な論議が時間をかけて展開されることを期待するものです。
2、財政問題について
次に、財政に関するお尋ねです。
まず、平成16年度決算についてですが、実質単年度収支が12年度から5年連続の黒字となり、経常収支比率も2年連続で改善しました。また、基金の現在高は前年度に比べ37億円の増となっています。このような区財政の改善の姿は、景気の緩やかな回復の影響に加え、職員定数の削減等の内部管理経費の圧縮、財産活用を含む歳入の確保や事務事業の見直しなどに、全庁挙げて取り組んできた成果のあらわれとも言えるものと認識しています。
次に、17年度の実質単年度収支ですが、9月補正予算において、財政調整基金積立金を20億円計上するとともに、同基金の取り崩しをしないこととしています。17年度の決算収支については、今後の予算補正等の状況を見きわめる必要がありますが、実質収支額が20億円を下回らない限り、17年度も黒字を確保できるものと見込まれます。
しかしながら、区財政を取り巻く環境としては、扶助費を初め特別会計への繰出金の増や第四次実施計画事業への対応、中でも増加が見込まれる投資的経費と退職手当などへの備えが必要となっています。
また、三位一体改革などが区財政に及ぼす影響にも留意する必要があります。
こうした16年度決算の姿と区財政を取り巻く現状を踏まえ、私は必要性・緊急性の高い少子化対策や減災社会づくりなどの区政課題には、より積極的に財源を振り向けていこうと考えています。
一方で、将来にわたり安定した財政運営を行っていくためには、引き続き行財政改革を推進し、人件費等内部管理経費の縮減や事業手法の見直しなどによるさらなる効率化に取り組んでいく必要もあると考えています。したがいまして、今後は行財政の一層の効率化を進める中で、財源を効果的に配分し、事業実施の効果を見きわめつつ、区民生活を支える施策の充実を図るとともに、緊急な取り組みが必要な課題に対しては、事業の前倒し実施や区独自の事業実施なども含め、施策展開に加速度をつけて取り組むこととしています。私は、このような考え方に基づき、生活者の視点に立った課題の解決と区民生活の実態を踏まえた財政運営に努めてまいります。
次に、都区財政調整制度の主要5課題についてのお尋ねです。
現在、主要5課題の協議については、御指摘のとおり、都区双方の見解に一致点を見出すことができないまま、検討会から都区財政調整協議会に場を移して協議を行っている状況です。大都市事務については、政令指定都市の事務をめぐり、都区の見解が対立しており、清掃関連経費、小・中学校改築経費及び都市計画交付金についても、都区の見解は大きく隔たっております。
特別区長会としては、8月10日に特別区議会議長会と役員合同会議を開催して、「都区財政調整主要5課題の協議に関する申し合わせ」を行い、特別区長会と特別区議会議長会とが連携を一層強化するとともに、今年度中の一括解決に向けて、総力を挙げて取り組むことを確認しました。
また、同日、都知事に「都区財政調整主要5課題の協議に関する申し入れ」を行い、都区制度改革の趣旨に沿った解決が図られるよう、知事の強いリーダーシップを求めました。そして、この申し入れに対する特段の支援を、都議会議長及び副議長にも要請しました。
主要5課題についての区民等への説明については、昨年11月にパンフレットやホームページ掲載等による周知を図るとともに、本年5月にもパンフレットの改訂版を特別出張所で配布するなど、随時、区民への周知に努めてまいりました。17年度中の解決に向け、残された時間がわずかとなる中、楽観的な見通しを持つことのできる状況ではありませんが、今後は特別区議会議長会との連携の強化を図るとともに、特別区長会として23区結束した取り組みを続けていくことが大切であり、区民集会等の取り組みなどについても、協議の推移を見きわめる中で検討すべきものと考えます。
3、子育てのための経済的支援について
次に、子育てのための経済的支援策についてです。
まず、児童手当の拡大について、所得制限を撤廃するか緩和すべきとのお尋ねについてお答えします。
今回の経済的支援策については、子育てを社会全体で支え、その費用を国民が連帯して負担していくべきとの考え方に立ち、今後の国の施策の展開に先駆的役割を果たしていくため、児童手当の拡大を選択したものです。このため、国制度児童手当と整合性を持たせたものであり、限られた財源の中、今、区として選択できる最善のものと考えています。したがって、所得制限の撤廃や緩和を考えていません。
次に、事業効果の拡大を図る上でも申請の促進に取り組み、申請漏れのないよう対策を講じるべきではないかとのお尋ねです。
平成16年度に小学校3年生まで対象年齢が拡大されたときには、対象児童が利用する施設にポスターの掲出やチラシの配布をしたほか、小学校を通して対象年齢の児童をお持ちの御家庭に改正を周知するチラシを配布いたしました。今回は、新宿区独自の手当でもあり、対象年齢の児童をお持ちの御家庭に個別勧奨を行うとともに、学校など対象児童が利用する施設に御案内を配布し、申請漏れのないよう周知を徹底してまいります。
次に、医療費助成の対象年齢の拡大についてのお尋ねです。
今回の子育てにかかる経済的支援策の検討に当たっては、医療費助成の年齢拡大のほか、さまざまな子育てにかかる経済的支援策について評価を行いました。その上で、区として取り得る最善の方策として児童手当の拡大を選択したものです。したがいまして、医療費助成の対象年齢の拡大については、考えておりません。
次に、東京都に対して、区として医療費助成制度の所得制限撤廃と対象年齢拡大を要求することが必要ではないかとのお尋ねです。
所得制限の撤廃につきましては、すべての区が所得制限を設けずに実施している現状を踏まえ、東京都乳幼児医療費助成事業の所得制限を撤廃することを要望しております。しかし、年齢拡大につきましては、区の財政負担も伴うものであり、現時点では慎重に検討してまいります。
4、介護保険と高齢者福祉について
次に、介護保険と高齢者福祉についてのお尋ねです。
第一に、デイサービス等通所施設利用者の食事代についての御質問です。
今回の食事代の使用者負担増は、在宅と施設の利用者負担の公平性、介護保険給付と年金給付の調整の観点から導入されております。また、食費については、本来、サービス利用者が負担すべきものと考えます。さらに、この10月からは「社会福祉法人等による利用者負担額軽減措置制度」において、対象者の収入・資産要件が緩和されるとともに、食費についても減額の対象となりますので、御質問のように食事代を補助するということは考えておりません。
第二に、介護保険料についてのお尋ねです。
まず、次期の介護保険料の見通しについてですが、今後3年間の介護サービスにかかる費用を粗く推計するとともに、今回、前倒し実施されるホテルコスト導入などによる減額を見込み、現在、算定しているところです。
次に、税制改正に伴う介護保険料への影響についてですが、公的年金等控除額の引き下げや、125万円の非課税枠の廃止により、住民税非課税段階から課税段階へと変わる場合があります。そこで、これらの方々には、緩和措置などを設けていきます。
次に、低所得者の負担軽減についてですが、今回の制度改革では低所得者対策が拡充されます。さらに、区では非課税段階の負担率0.7を維持するとともに、国の低所得者対策に該当しない現在の個別減額制度対象者については、経過措置を設け負担軽減を図ります。
次に、介護保険料の値上げを回避するためのお尋ねです。
財政調整交付金については、区長会を通じて国に要望していますが、一般財源の投入については、保険制度の根幹にかかわることですので考えておりません。
次に、自立支援型家事援助サービスについてのお尋ねです。
この事業は、高齢者のみ世帯等で虚弱な方が、要介護認定で非該当となったときに利用していただく自立支援のためのサービスです。今回の制度改正では、要支援者など軽度者の介護予防を重視しています。また、家事援助は体を動かさないことによる身体機能の低下を招くといった指摘もされており、単なる家事代行でない自立を促す支援が求められています。
区としましては、制度改正の趣旨に合わせて、非該当の方へのサービスが介護予防や自立支援へとつながることに視点を置き、事業内容を検討してまいります。したがって、自立支援型家事援助サービスについて、対象の拡大や利用時間を拡充することは考えておりません。
次に、「入院生活支援事業」のお尋ねです。
前回の御質問でもお答えしましたが、高齢者のみの世帯等では、さまざまな不安や不便があり、入院時の不便もその一つと認識しております。入院時の生活支援については、社会福祉協議会やシルバー人材センターにおいて利用いただける事業を御活用いただきたいと考えております。
次に、紙おむつ支給条件の緩和についてのお尋ねです。
この事業では、介護度4及び5などの高齢者を対象に、おむつ費用を助成しています。介護度にかかわらず失禁などの症状のある方への支給を認めるべきとのことですが、制度の趣旨はあくまでも寝たきりなどの重度の高齢者への支援となっています。また、現状でも紙おむつの利用対象者は大幅に増加をしております。したがいまして、紙おむつ支給の条件を緩和することは考えておりません。
なお、区では失禁などの症状のある方に対しては、介護予防事業で尿失禁の予防と改善を目指した教室を実施しており、今後とも事業の拡充を図ってまいります。
5、アスベスト対策について
次に、アスベストを吸入した方の健康管理についてのお尋ねです。
区では、保健所・保健センターにおいてアスベスト健康相談を実施し、区民の不安解消に努めています。この相談の中で、検診を希望される方については、生活習慣病健診及び肺がん検診を定期的に受診することをお勧めしています。御提案のレントゲンの再読影につきましては、両検診とも呼吸器疾患の専門医による再読影を従来から行っています。さらに、アスベストによる疾患を疑う所見を有する場合には、必要に応じて専門医を紹介しています。
次に、吹きつけアスベストが残存している17の区有施設についての確認結果と今後の対策についてのお尋ねです。
吹きつけ石綿、または石綿含有吹きつけ岩綿使用施設について確認調査をしたところ、あゆみの家、文化センターなどの9施設で、主に常駐者がいない機械室や、ほとんど人が出入りしない倉庫等において、損傷、剥離等が確認されました。このことについては、区のホームページに掲載し、公表する予定でおります。
また、当面の方針として、今年度内に2施設で除去及び補修、3施設で除去、4施設で補修工事を、その他の施設については、引き続き適正な維持管理を実施いたします。
なお、すべての区有施設について、再度調査を実施し、アスベスト使用の実態を把握してまいります。
次に、区有施設に準ずる施設に対する区の支援についてですが、区有施設に合わせて確認調査を希望する私立保育園・幼稚園などについても調査を実施することとしています。その調査の結果、緊急に除去工事を必要とする場合、当該施設管理者に対する助成制度を検討していきます。
次に、区としても独自の条例等を制定すべきとのことですが、国は「アスベスト問題への当面の対応」として、来年の2月までに関係規定を改正し、「大気環境への飛散防止措置の対象となる解体・補修作業の規模要件等を撤廃する」としており、現在、改正作業を行っております。これにあわせて、都の条例も改正が予定されますので、これらの動向を注視し、区としての対応を考えていきます。
また、個人の調査・除去工事に対する支援についてですが、既存の融資制度を活用することで対応していきます。
6、絶対高さ制限を導入する高度地区変更について
次に、絶対高さ制限を導入する高度地区変更についてお答えします。
まず、大規模敷地の特例に関する御質問です。この特例は、一定の街区を形成する敷地について、良好な市街地環境を誘導するために定めるものです。敷地面積だけでなく、緑と空地の整備を図るという市街地環境の整備改善に資する計画などについて、建築審査会の意見を聞いて認定するものです。大規模敷地であれば、自動的に高さの制限値の2倍、3倍が認定されるものではありません。対象とする敷地面積に関しては、街区単位に良好な環境と健全な形態を有する建築物を建築することを目的とした特定街区の基準をもとに定めており、適切であると考えております。
次に、大規模敷地の特例に関する近隣住民の意見を反映する仕組みについてのお尋ねです。
大規模敷地の特例を適用する場合には、先ほど申し上げたように、建築審査会の意見を聞くこととしております。これに先立ち、新宿区中高層建築物の建築に関する紛争の予防と調整に関する条例に基づき、説明会を開催する等の方法により、近隣関係住民に説明することとする予定です。この説明会を通し、近隣住民の意見を聴取するよう、建築主に対して指導してまいりたいと考えております。
次に、既存建築物の特例の適用についてのお尋ねです。
通常、新たな制限を施行された場合、建てかえの際には、その制限に適合させなければなりません。しかし、絶対高さ制限につきましては、既存建築物は既にその高さでまちの環境を形成しているため、現状の高さまでの建てかえを認めることとしました。絶対高さ制限施行前に完成している建築物に限り、建てかえを認めることが適切かどうかにつきまして、さまざまな角度から今後十分に検討してまいります。
次に、施行時期に関するお尋ねです。
この高度地区の変更につきましては、本年12月の都市計画審議会への付議を予定しており、都市計画決定後、一定の周知期間を経た上で施行する考えです。
次に、よりよい住環境のため、事業者に対する指導のあり方についてのお尋ねです。
この高度地区変更は、現在の用途地域、容積率、道路の整備状況をもとに、制限高さを定めたものであり、建築物の高さを一定の範囲にとどめようとするものです。区では、これまでも事前協議などにおいて、よりよいまちづくりがなされるよう、事業者に対し指導しています。今後も、この絶対高さ制限の制度を活用して、土地の有効高度利用と居住環境の維持の調和を図るとともに、街並み景観の形成に資するよう指導してまいります。
以上で私の答弁を終わります。
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