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■2006年第2回定例会代表質問 あざみ議員(2006年6月8日)

 私は、2006年新宿区議会第2回定例会に当たり、日本共産党新宿区議会議員団を代表して、区長並びに教育委員会に質問いたします。

 政府と自民・公明の与党は、今国会に医療改悪法案、国会投票法案、共謀罪法案、教育基本法改悪法案など、くらしと平和、民主主義を脅かす重大な法案を提出しています。

 くらしの問題では、年金、介護保険の改悪に続き、今度は医療制度を根本から破壊しようとしています。お年寄りに無慈悲な負担増を強要し、保険のきかない医療を大幅に拡大して、所得の格差を命の格差にする医療大改悪法案の強行を絶対に許すわけにはいきません。

 民主主義の問題で重大なのは、共謀罪法案です。犯罪の物的準備行為にさえ至らない意思の合意のみをもって犯罪とするもので、表現の自由、集会・結社の自由など、国民の基本的人権は重大な脅威にさらされます。共謀があったかどうかを取り締まるために、内心に立ち入って自白の強要や密告の奨励、スパイ、盗聴など、不当な捜査が大規模に行われるおそれも指摘されています。どんな修正を加えようとも、このような本質が変わらない共謀罪法案は、廃案にすべきです。

 平和の問題では、日米政府が米軍再編の最終合意の文書を交わし、住民の強い反対の声を無視して、沖縄、神奈川、岩国など基地強化を進め、そのために3兆円もの負担を国民に押しつけようとしています。この米軍再編の動き、米軍と自衛隊が一緒に訓練し、一緒に戦争に乗り出す体制づくりの邪魔になるのが憲法9条であり、自民党・公明党はその第一歩である国民投票法案を国会に上程しました。日本共産党は国民の皆さんと力を合わせ、基地強化に反対し、憲法改悪のたくらみを許さないために全力を尽くす決意を申し上げて、以下質問に入ります。

教育基本法について

 初めに、教育基本法について、区長と教育委員会に質問します。

 教育の憲法と言われる教育基本法の全面的改定案が今国会に上程され、審議が行われています。国民は非行克服や学力向上、中途退学や学校間格差の解消などを願っていますが、世論調査でも法改定でこれらの問題が解決できるとは考えておらず、むしろ戦前の軍国教育、教育勅語の再来だと危惧する声が上がっています。

 当時の為政者の政策に忠実に従い、子どもや若者を侵略戦争に駆り立てた戦前の教育の反省の上に立ち、教育基本法第10条は、教育行政に対して不当な支配に服することなく、国民全体に対し直接責任を負うべきことを求めています。改定案の重大な問題は、国民全体に責任を負い、一人ひとりの人格の完成を目指すという教育から、国策に従う人間、政府の政策に忠実な人づくりへと教育を変質させようとしていることです。米軍と自衛隊の一体化、憲法改定の動きと重ね合わせるとき、いつか来た道の再来だと危惧する声が上がるのは当然ではないでしょうか。

 改定案は憲法の定める思想・良心・内心の自由を踏みにじり、教育の目標に、国を愛する態度など20の徳目の達成を義務づけ、法律で強制しようとしています。愛国心を法で義務化し、達成度を評価できるのかという議論が起きています。

 5月31日付の毎日新聞では、新宿区の子どもの生き方パートナーの乙武洋匡さんが、「愛国心を通知表に盛り込むことに反対。数値ではかれるものではない。よい評価を気にして、本来持っているはずの郷土を大切に思う気持ちがゆがめられそうで怖い」と語っていますが、私もそのとおりだと考えます。

 また、既に愛国心を通知表で評価している学校があることも問題となっています。5月26日付の毎日新聞は、関係者の反対でやめた福岡市だけでなく、埼玉県内の52校を初め、岩手県、茨城県、愛知県などの公立小学校で愛国心を通知表の評価項目に盛り込んでいると報道しています。新宿の区立小・中学校で愛国心を評価するような学校があってはなりません。教育委員会がこの点をきちんと掌握しているのか、伺います。

 新宿区の区立学校には、5月1日現在、外国籍の児童が282人、生徒が90人、合計372人在籍しています。区内の学校現場では、母国の言葉や民族のアイデンティティーを尊重しながら、お互いの違いを認め合った中で友情をはぐくむ努力を積み重ねてきたのではないでしょうか。この努力こそ、世界の平和と人類の福祉に貢献し、個人の尊重を重んじ、心理と平和を希求する人間の育成という現行教育基本法の理念の実践です。愛国心の評価は、こうした現場の努力に水を差し、混乱と対立をもたらすものです。多文化が共生する新宿区では、今後にわたり、愛国心を通知表で評価するなどということがあってはなりませんし、それを義務化するような教育基本法改定案にきっぱりと反対の意思表示をすべきと考えますが、区長と教育委員会の見解を求めます。

◎答弁:区長(中山弘子)

 あざみ議員の御質問にお答えいたします。

 初めに、教育基本法改正案に対するお尋ねですが、現在の教育基本法は、昭和22年に施行されて以来、約半世紀以上が経過し、教育を取り巻く環境は大きく変わる中で、将来に向かって新しい時代の教育の理念を明確に示し、我が国の未来を切り開く教育を実現していくため、改正案が今国会に提出され、現在、国会においてさまざまな議論がされております。

 御指摘のように、愛国心に関しても議論されていることは承知しております。私は、児童・生徒の愛国心という心の内面を評価することについてはいかがなものかと考えておりますが、今後も引き続き、国会における議論の推移を注意深く見守っていきたいと考えております。

◎答弁:教育長(金子良江)

 教育委員会の御質問にお答えします。

 新宿区立学校における愛国心を評価する学校についてと、教育基本法改正案についてのお尋ねです。

 国を愛する心情を育てることは、現行の学習指導要領の小学6年社会科の目標の中で、我が国の歴史や伝統を大切にし、国を愛する心情を育てるようにすると記述されています。学校では、国の歴史や伝統、文化、先人の働きなどを学習していく中で、総括的に国を愛する心情をはぐくんでおります。

 調査したところ、新宿区立学校で通知表の評価項目の一部に、「歴史と政治、国際関係に関心を持って意欲的に調べ、国に対する愛情を持とうとする」という表現を使用している小学校が1校ありましたが、国を愛する心情だけを取り上げて、内心に立ち入って評価している学校はありません。教育基本法改正案については、教育委員会といたしましては、国会で基本的・根本的な議論が十分に尽くされるように期待したいと考えております。

(仮称)四谷子ども園について

 次に、(仮称)四谷子ども園について、区長と教育委員会に質問します。

 来年4月開園予定の(仮称)四谷子ども園は新宿区初の幼保一元化施設として、区民の注目も高まっています。私は四谷子ども園について、現行の保育園、幼稚園の水準を下げないこと、区直営の施設として区が責任を持って運営することがまず何よりも必要なことと思いますが、区長と教育委員会はどのようにお考えですか。そして、水準を下げないということを担保するために、区独自の幼保一元化施設の規準を明記した条例を策定するべきではないでしょうか。

 現在、国会では、幼保一元化施設を国として制度化する認定子ども園法案が審議中です。幼保一元化については長年議論されており、幼稚園と保育園の垣根を越えた両施設の水準を保ち、さらによいところをあわせ持つ子育て支援の施設を望む声があることは事実です。しかし、今回の認定子ども園法案は、国民の期待とはかけ離れた内容になっています。

 認定子ども園導入の背景には、保育のあり方そのものを変えようというねらいがあります。3月に閣議決定された規制改革・民間開放推進3カ年計画では、認定子ども園の実施状況も見ながら、認可保育所への直接契約制や保育料の自由設定制を導入することを検討しています。規制改革・民間開放推進会議では、保育制度を福祉的サービスからニーズに応じて自由に選択できる環境づくりに変えることが必要であり、民間への開放と規制緩和の必要性を説いています。ここには、保育とは全く相入れない市場化や、もうけ優先の原理を持ち込むねらいがあることは明らかです。

 認定子ども園は、これまでの保育園・幼稚園の基準ではなく、都道府県が地域の実情等を踏まえて認定基準を定めてよいことになっており、政府が実例として挙げたのは、東京都の認証保育所です。認証保育所は、入所条件に「保育に欠ける」などの優先順位もなく、地元自治体住民優先もない、3歳未満で言えば、月額8万円もの高い保育料が払えるかどうかが唯一の入所条件と言っても過言ではない施設です。認証保育所は国基準以下の保育施設に東京都が独自にお墨つきを与え、この施設をふやすことで、認可保育園つぶしをねらっているのです。四谷子ども園をこうした施設にするわけにはいきません。

 四谷子ども園は、間違っても認定子ども園導入によって政府がねらう、これまでの保育園と幼稚園の水準引き下げを行うべきではないと思いますが、四谷子ども園についての区側の提案を見ますと、認定子ども園になることを前提としたがゆえの問題点があることを指摘せざるを得ません。

 問題の一つは、入所基準です。昨年10月に発表された四谷子ども園の概要案では、入所対象児童をゼロ歳のみ「保育に欠ける児童」と、現行の保育園入所要件と同様で、1歳から3歳は「保育を要する児童」、4・5歳は「保育を希望する児童」としています。これでは、1歳から5歳までの応募が定員より多くなった場合、保育に欠ける本当に保育を必要とする児童が入所できないおそれがあります。保育に欠ける児童が入所できない事態が起こらないようにするべきではないでしょうか。

 2つ目の問題は保育料です。現在、認可保育園は応能負担で所得によって保育料が決定します。幼稚園は応益負担の考え方から、定額です。四谷子ども園の保育料はこの2つの考え方をミックスして設定することを検討しているそうですが、これは認定子ども園が保育料を自由に設定できるというところから来ているのでしょうか。本来の保育園機能の部分に応益負担の考え方が入り込めば、現行より保育料が高くなる可能性があります。四谷幼保一元化懇談会でも、既存の施設と比べ料金が高くなると不満が出るのではないかという懸念の声が出ています。保育料は、既存の認可保育園・幼稚園より高くならないよう設定するべきではないでしょうか。

 3つ目に、給食についてですが、民間委託にする予定と議会答弁がありましたが、現在、区立保育園の給食はすべて直営です。四谷子ども園の運営は区が責任を持つということと矛盾するのではないでしょうか。給食は民間委託にすべきではないと考えますが、いかがでしょうか。

 以上のような問題ある提案がされるのは、認定子ども園にすることを前提としているからではないでしょうか。そうであるならば、四谷子ども園は認定子ども園にすべきではありませんし、しかも認定子ども園にすることでの補助金などの財政的メリットがないことからも、認定子ども園にする必要性がないと思いますが、区長及び教育委員会の見解をお聞かせください。

◎答弁:区長(中山弘子)

 次に、(仮称)四谷子ども園の保育・教育水準を現行の保育園・幼稚園より低下させるべきではない、また、区が直営し責任を持って運営すべきではないかとのお尋ねです。

 (仮称)四谷子ども園は、生涯にわたる人間形成の基礎が培われる重要な時期である就学前の子どもたちに生活の流れを大切にした保育環境を設定し、年齢や発達に応じた保育・教育を受けられることを目的とした施設です。

 ここでの保育の内容は、新宿区子ども園指針を基本とし、年齢ごとの保育・教育計画は、保育所保育指針及び幼稚園教育要領に基づき行うほか、4・5歳児については、小学校との交流、接続を視野に入れた計画的な連携を図ってまいります。さらに、保育園・幼稚園の認可をそれぞれ取得するので、現行の保育園・幼稚園に比べ、質的に低下することはないと考えております。

 施設の運営形態は直営とし、教育委員会所管の施設として教育委員会が区長部局と一体となり、管理運営してまいります。

 次に、(仮称)四谷子ども園は、認定子ども園として認定を受ける必要がないのではないかとのお尋ねです。

 (仮称)四谷子ども園は、財政的メリットを追求するためのものではありません。保育園・幼稚園の文化と、そこで働く職員の意識を一体化・融合化させ、施設全体として、就学前における子どもの発達にとって最もふさわしい保育・教育を行うとともに、子育て相談や親子の集いの場の提供など、地域における子育て支援事業を行うことを目的としています。

 現在、10月1日施行予定の認定子ども園法案が国会で審議されています。それを受けて、都道府県知事が具体的な認定基準を定めることになっていますが、新宿区としても(仮称)四谷子ども園を認定子ども園とすることを検討してまいります。

◎答弁:教育長(金子良江)

 次に、(仮称)四谷子ども園は、区が責任を持って運営することが何よりも必要とのお尋ねです。

 (仮称)四谷子ども園は、ゼロ歳から就学前までの一貫した保育・教育を行うとともに、就学前の子どもであれば、だれもが同じ環境のもとで保育・教育を受けられることを目的とした施設であり、平成17年10月の政策経営会議で、教育委員会が所管していくことが決定しています。この決定を踏まえ、教育委員会が区長部局と一体となり責任を持って運営していきます。

 次に、区独自の幼保一元化施設の基準を明記した条例とし、水準を確保すべきとのお尋ねです。

 (仮称)四谷子ども園の設置条例については、平成18年第3回定例区議会に、区長から提案させていただきたいと考えています。この条例制定とあわせて、保育園・幼稚園の認可を取得しますので、現行の保育園・幼稚園の水準は当然維持していきます。

 次に、(仮称)四谷子ども園の入所基準についてのお尋ねです。

 (仮称)四谷子ども園では、1歳から3歳までは「保育を要する児童」、4歳、5歳は「保育を希望する児童」を入園の要件とすることを予定しています。現在、1歳から3歳までの「保育を要する」との要件は、「保育に欠ける」要件を緩和するということで検討しています。そのため、同時に入園の申し込みがあれば、「保育に欠ける」児童が「保育を要する」児童に優先して、入園できるようにしていきます。

 また、先ほど御答弁したとおり、(仮称)四谷子ども園は、就学前の子どもであれば、だれもが同じ環境のもとで保育・教育が受けられることを保障する施設であり、幼稚園としての認可も取得していくことも予定しています。そのため、4・5歳児については、希望すれば、だれもが入園できる施設としていきます。

 なお、4・5歳児の待機児童数については、各年度末現在、ほとんど発生していない状況にあり、新宿区全体で保育に欠ける児童が保育所に入所できない状況はないものととらえています。

 次に、保育料の考え方についてのお尋ねです。

 (仮称)四谷子ども園の保育料については、議会での御審議をいただき、条例で決定していく予定です。保育料の額については、現行の認可保育園・認可幼稚園との均衡を確保しつつ、決定していきます。

 次に、(仮称)四谷子ども園の運営については、区が責任を持つのであるから、給食は委託にすべきではないとのお尋ねです。

 (仮称)四谷子ども園の給食については、調理業務の中の作業の部分を委託するものであり、献立の作成や食材の発注等は、従来どおり区が行っていきます。また、委託に伴い、非常勤栄養士を配置することも予定しており、保育園と同程度またはそれ以上の水準や質を確保した上で、食育等の積極的な事業展開も図っていきます。

 給食における責任は、直営や業務委託という実施方法のみで考えるべきものではありません。保育所保育指針に定める子どもの発達状況に応じた摂取を考慮し、家庭との連携を図るという保育所の役割や食育基本法に基づく「食育に関する方針」を踏まえ、施設全体として果たしていくべきものと考えます。

 次に、(仮称)四谷子ども園は、認定子ども園にする必要がないのではないかとのお尋ねです。

 親の就労の有無にかかわらない施設利用や適切な規模の集団での子どもの育ちの場の確保など、認定子ども園の制度化の背景や目的と、新宿区の定める幼保連携・一元化の理念や四谷子ども園の設置の目的は、多くの部分で共通するものと理解しています。

 認定子ども園とすることは、財政的メリットを追求するものではなく、保育園・幼稚園の文化と、そこで働く職員の意識を融合させ、施設全体として、就学前における子どもの発達にとって最もふさわしい教育・保育を行うことを目的としています。

 現在、法案そのものが国会で審議されており、それを受けて、都道府県知事が具体的な認定基準を定めることになっていますが、(仮称)四谷子ども園を認定子ども園とすることを検討してまいります。

 以上で私の答弁を終わらせていただきます。

乳幼児医療費助成制度の対象年齢拡大について

 次に、乳幼児医療費助成制度の対象年齢拡大について質問します。

 6月1日、厚生労働省が発表した2005年の合計特殊出生率は過去最低だった2004年の1.29より0.04ポイント下がり、1.25まで落ち込みました。過去最低の更新は2001年以降5年連続です。人口減への危機感に、少子化対策に関する協議会を発足させた政府・与党は、6月中にも総合対策を打ち出す方向のようですが、依然少子化に歯どめがかからない現状が明らかになりました。特に東京都は、0.98と、初めて1.0を下回り、さらなる少子化対策が求められています。

 さて、区内医療機関では、新宿区以外の各区の小学生や中学生までの医療費助成の対象年齢拡大についてのポスターが掲示され、「新宿区はいつからですか」と、私たちのところにも声が寄せられています。また、難病である心房中隔欠損症のお子さんを持つ方からは、「以前は東京都の小児慢性疾患対策で医療費は無料だったが、昨年国が法制化したことで、対象から外れてしまった。国や都のやり方はひどい。これから手術や検査で一体幾らかかるかわからない。他区のように医療費助成が拡大されれば希望の光が見えるのに、新宿区はどうなのでしょうか」と、切実な声が寄せられています。せめて小学生まで無料にしてほしいなど、要望は大変強くなっています。乳幼児医療費助成制度の対象年齢拡大を早急に決断することを改めて求めます。区長の見解をお示しください。

◎答弁:区長(中山弘子)

 次に、乳幼児医療費助成の対象年齢の拡大についてのお尋ねです。

 23区の中で、現在18区が何らかの形で医療費助成の対象年齢拡大を実施または実施予定としていますが、その内容は外来・入院合わせて実施が8区、入院のみの区が10区と、さまざまです。

 新宿区では、平成17年度に子育てに係る経済的支援策についての検討を行い、個々の家庭で医療費や教育費など異なるニーズに対応できる支援策として、中学生までの児童手当を4月から実施し、区民の皆様から評価を得ております。

 また、国においても、医療費制度改革・児童手当の増額等、新たな少子化対策が検討されています。

 今後も、国や都の状況を見ながら、限られた財源の有効活用を検討していきたいと考えております。

介護保険制度について

 次に、介護保険制度について質問します。

 改定介護保険法が施行され、施設利用者の負担増、居宅サービスの切り下げ、介護報酬引き下げ等々、利用者・関係者の痛みと混乱は大変なものです。今、介護の現場には課題が山積していますが、2点に絞って質問します。

 第1に、施設利用者の負担増についてお聞きします。

 昨年10月から施設の居住費や食費が保険から外され、全額自己負担になりました。Aさんは脳血管障害を患い、長い在宅介護の後、3年ほど前に奥多摩の特別養護老人ホームに入所しました。年金が月額約23万円あるAさんは、国の低所得者対策である補足給付がなく、値上げの影響をもろに受けています。昨年9月分は5万6,000円だった請求が、10月からは10万円近くになりました。食事代が1日780円から1,578円となり、月2万4,000円ふえました。居住費は4人部屋で1日320円、月額9,600円新たに請求されています。その他の日用品費なども上がり、月4万円以上の負担増です。Aさん宅は23万円の年金から特養に10万円払った残りの13万円が奥さんの生活費です。奥さんも定期的に通院する身で医療費も大変、国保料や介護保険料の負担も一気に重くなるそうで、生活にゆとりというものがなくなりました。幸い都営住宅なのでどうにかやっているが、民間のアパートならとても無理だと、奥さんは話しています。

 千代田区では、こうした影響に対応して、1年間の時限措置ではありますが、利用者負担段階が第3・第4段階に属する施設入居者に対して、1日当たり175円から325円まで50円刻みで4区分して居住費の助成を行っています。新宿区でも、居住費の負担軽減策を講じるべきではありませんか。

 区では、今年度からデイサービス等に通所する低所得者に1食200円の食事代を助成し、利用者と家族、事業所で働く方からも大変喜ばれています。しかし、施設入所者には区としての支援がありません。通所介護と同じように食費代の助成を行い、少しでも負担の軽減を図っていくべきです。区長の見解を伺います。

 第2に、軽度要介護者のサービス切り下げへの対応についてです。

 新制度のもとで、在宅サービスも大きな変更を求められています。ベッドや車いすなどの福祉用具は、原則要介護2以上となり、要支援と要介護1の方は使えなくなりました。介護保険でベッドを利用している要支援・要介護1の方は、区内には700人近くいると伺いました。この方々が、9月末には経過期間が終了するため、ベッドを返さなくてはならないと言われ、不安と悲しみにさらされています。私たちのところにもどうにかしてほしいという声がたくさん届いています。

 Bさんは変形性股関節症で要支援ですが、介護保険はベッドだけで、ほかのサービスは利用していません。9月中には返還とケアマネジャーに言われていますが、いすに腰かけて調理する状態のBさんにとって、ベッドは必需品です。国民年金と預金の取り崩しで生活する身なので、自己負担をふやすことはできない。これまで程度の負担でベッドが使えないだろうかと、おっしゃっています。生活保護の方からも、老齢加算が廃止されて生活費はぎりぎり、ベッドを引き続き使うためには、1日1,000円に抑えている食費をもっと切り縮めなくてはならないから、あきらめるしかないのかという悲痛な声も届いています。

 私たちはベッド会社に調査に行きました。ベッドを大量に返還されたら、倉庫の確保も大変になるため、そのまま据え置いてレンタル料を安くすることも検討したが、一物二価になるので、それはできない。利用者の中には、前から使っていたベッドを処分して介護保険のベッドに変えた方もいて、それこそ本当にお気の毒ですと、語っていました。

 同社では、軽度要介護の方向けのベッドを5月から販売しています。当面は高さ調節だけだが、重度になったらもっと機能をつけ加えて介護保険に対応できるというベッドで、月のレンタル料は税込みで3,150円からというものです。

 腰、ひざ、股関節などが痛くて物につかまらないと立ち上がれないようなお年寄りが、布団で寝起きするよりベッドの方がいいことは、だれでもわかることです。第三次介護保険計画では、介護予防、必要に応じた支援、自立と安心、尊厳ある暮らしなど7つの基本目標を掲げています。軽度の方が引き続きベッドを使用できるように支援することは、これらの目標に合致するものではないでしょうか。

 そこで、区長に具体的に伺います。

 要支援1・2、要介護1と認定され、ベッドを必要とする低所得者が軽度要介護者向けのベッドをレンタルする場合、月額3,150円の半分くらいを区が助成すれば、今まで介護保険で負担してきたベッド代程度で済みます。ベッドレンタル料として月額1,500円の助成をしようではありませんか。また、生活保護の方に対しては、区独自の法外援護として全額を助成すべきです。区長の答弁を求めます。

◎答弁:区長(中山弘子)

 次に、介護保険制度についてのお尋ねです。

 まず、施設利用者の居住費及び食費の負担軽減についてです。

 昨年の改正は、在宅と施設の利用者負担の公平性や介護保険給付と年金給付の調整の観点から導入されたものです。しかし、所得の低い方に対しては、居住費・食費への負担限度額の設定や社会福祉法人による利用者負担額軽減制度など、所得に応じたきめ細かな対応を行っています。

 また、利用者負担、第4段階の高齢者夫婦等世帯で、一方が個室に入り、在宅配偶者の収入が一定額以下となる場合などには居住費・食費を引き下げる制度もあります。このため、区独自で居住費・食費に関して、軽減を図ることは考えておりません。

 次に、軽度要介護者へのサービスについてのお尋ねです。

 まず、要支援1・2、要介護1と認定された方で、低所得者のベッドレンタルについてです。

 今年度から、特殊寝台等が日常的に起き上がりまたは寝返りが困難な方を除いて、福祉用具貸与から除外されたのは、要介護者等の自立支援に十分な効果を上げる観点からです。

 なお、現在、利用している方については、9月までの経過措置期間中は引き続き利用ができます。9月以降の対応については、自立支援の観点から必要性等を検討しているところです。また、生活保護の受給者についても、あわせて検討しております。

障害者自立支援法について

 次に、障害者自立支援法について質問します。

 この4月から障害者自立支援法が施行されました。当事者の声を聞けば聞くほど、弱い者いじめの格差が国によって拡大させられていることを実感します。いつもはおとなしいお母さんが、もう頭に来ている、だれがこの法律を決めたのと怒り、工賃を上回る利用料を払わなくてはならない、これまでたびたび利用してきたガイドヘルパーはもう利用できないかもしれないと嘆いていました。また、別のお母さんは、利用料が1万円を超えるようなので、作業所に行くより家でじっとしている方がいいよとなってしまうと語っています。これから、本格的に各世帯に請求書が届けば、こうした声がさらに区内に充満することでしょう。

 自立支援法の応益負担導入は、サービスを受ける人と受けない人との平等性と言いながら、結局は受けている人のサービスを減らして、これが平等だというもので、障害者の自立や社会参加は一層遠のいてしまいます。これは自立支援ではなくて自立破壊法だとの怒りと批判の声は増すばかりです。

 日本の精神医学の祖とも言うべき呉秀三氏は、1918年に、「我が国10何万人の精神病者は実にこの病を受けたるの不幸のほかに、この国に生まれたるの不幸を重ぬるものと言うべし。精神病者の救済と保護は実に人道的問題にして、我が国目下の急務」と述べましたが、今回の障害者自立支援法は、精神障害者のみならず全障害者にとって、この言葉の持つ意味が今日でも当てはまっていることを示しています。

 新宿区は、国が食費負担軽減措置の対象外とした住民税課税世帯に属する障害者の通所施設での食事代を助成し、食材費のみの負担とする区独自の軽減策を実施しています。負担軽減策は、23区中17区で講じられていますが、率直なところ、新宿区の対策はおくれていると言わざるを得ません。千代田区や台東区はこれまで無料だった所得税年額14万円以下の課税世帯の利用者負担を半額の5%に軽減しています。全国的には、横浜市が新たに負担が生じる低所得者のサービス利用を支援するために、利用者負担の全額を3年間を目途に補助しています。その内容は、障害者の自立支援法の低所得1、低所得2の区分で対象見込み数4,000人、約7億2,000万円に上っています。

 障害者自立支援法の実施主体は区であり、新宿区が障害児者に対しどのように考えているかが根本的に問われています。まさに、区長自身の姿勢が問われているのではないでしょうか。

 区内の障害者が真に自立していくために、新宿区独自の軽減策の一層の拡充が求められています。国に対し応益負担の撤回を求めるとともに、千代田区や台東区のように新制度移行前は無料だった住民税課税世帯については、当面利用者負担を5%に軽減すべきと思います。さらに、横浜市のように低所得1、低所得2を無料にするとともに、住民税課税区分についても細分化すべきと思いますが、いかがでしょうか。

 第2に、新制度施行によって、通所施設を運営している事業所が収入減と経営危機に陥る問題です。

 自立支援法によって、通所施設の報酬がこれまでの月払い方式から日払い方式になります。日払い方式とは、利用者の出席日数による実績払いです。日によって状態が大きく変わる障害者は、毎日施設に通えるわけではありません。利用者の欠席がそのまま施設の収入減につながり、施設を維持することが困難になってしまいます。精神障害者の皆さんが社会的役割の喪失から回復を図り病気を克服する上で、通所施設は大きな役割を果たしており、地域で生活するために欠かせない存在です。障害者の働く権利はその障害の程度に見合った保護のもとで保障されなくてはなりませんが、日払い方式は全く実態にそぐわないやり方です。

 葛飾区では、法施行で収入減が見込まれる民間通所施設に対し、月払い方式による施設利用料報酬の10%を限度として助成し、足立区でも一部助成を決定し、助成規模を検討することにしているそうです。

 国に対し、以前の月払い方式に戻し、報酬を引き上げることを求めるとともに、新宿区として減収となる民間通所施設に対して現行の家賃助成を拡充し、運営費についても助成すべきと思いますが、いかがでしょうか。

 同時に、この分野では各団体とも施設の確保に大きな努力を払っています。小平市では、旧小川東小学校を活用した複合施設をつくっています。「小平元気村おがわ東」と言い、1階は心身障害者の通所授産施設、地域生活支援センター、シルバー人材センター、2階が子ども家庭支援センターや青少年センターなど、さまざまな機能を持つ施設です。区としても,区立学校の空き教室の活用、区施設の活用、統廃合の学校を活用し、複合施設で自立の場を提供していくべきだと思いますが、いかがでしょうか。

 質問の第3は、障害福祉計画についてです。

 法に基づく障害福祉計画の策定が義務づけられ、現在、新宿区でも障害者施策推進協議会で議論が進められています。10月には、パブリックコメントを実施し、来年2月には策定というスケジュールになっており、現在、地域生活支援事業項目、利用者負担が検討されていると聞いています。大事なことは、策定に当たっては国の基準に追随することなく、自治体の独自性を大いに発揮して計画を策定することです。

 策定に当たっては、@支援費制度を総括すること、A策定の前提になるニーズ予測を決めるに当たっては、介護給付、訓練等給付、地域生活支援事業のすべてのサービス内容を利用者に説明し、利用意向はすべての障害者を対象に調査すべきです。

 既に、区は、4月に身体・知的障害者を対象に、障害者施設利用者向け調査と障害者団体向け調査を行い、さらに精神障害者対象に事業者向けと利用者向け調査を行っています。このような調査方法では、計画を策定するに当たっての利用者の実情と意向がどれだけ反映されるのでしょうか。実態に即した計画をつくるためには悉皆調査を行うべきであり、特に精神障害者については、当事者だけでなく、保健師や関係者などの協力も得て実態を把握すべきと思いますが、いかがでしょうか。

◎答弁:区長(中山弘子)

 次に、障害者自立支援法についてのお尋ねです。

 初めに、国に対して利用者の応益負担の考え方を撤回するように求めることについてです。

 障害者自立支援法制定の趣旨の一つは、増大する福祉サービスの費用を皆で負担し支え合うという考え方です。サービスの利用者が利用したサービス料や所得に応じた公平な負担を行うとともに、国と地方自治体が責任を持って費用負担を行うことをルール化することで財源を確保し、必要なサービスの充実を図ろうとするものです。

 このような法の趣旨による費用負担の考え方は必要であると認識しており、国に対し撤回を求めることは考えておりません。

 次に、低所得世帯や制度移行前は利用料が無料であった課税世帯に対する利用者負担軽減策についてのお尋ねです。

 低所得者に対しては、ホームヘルプ利用者負担を3%とする軽減策を実施しているほか、区立施設では、給食サービスを食材料費のみの負担とすることや、社会福祉法人等減免制度を適用するなど、区としての軽減策の工夫をしております。現在のところ、利用者負担区分の細分化を含め、さらなる利用者負担の激変緩和策については考えておりません。

 次に、民間通所施設に対する家賃助成等についてのお尋ねです。

 新宿は家賃が高いという地域性のため,区はこれまで施設借上費の一部助成などを行ってまいりました。今後、利用者が施設を継続して利用できるよう配慮してまいります。

 また、運営費の助成については、都の動向が明らかになっておらず、今後の推移を見守っていきたいと思います。

 なお、報酬を月払い方式に戻すこと及び報酬額の引き上げについては、利用者負担にも影響を与えることであり、慎重な対応が必要と考えております。

 次に、区立施設や空き教室等の活用による複合施設での自立の場の提供についてのお尋ねです。

 御指摘の点については、第四次実施計画や障害者計画などに基づき、障害者の方々が住みなれた地域で自立した生活を送るための必要な施設の整備など、さまざまな施策を進める中で検討してまいります。

 次に、障害者福祉計画の策定についてのお尋ねです。

 障害者自立支援法において、障害者福祉計画は国の基本指針に基づき策定することになっています。また、サービス見込み量の設定に当たっても、同様に国の指針が出ています。

 区は、計画策定に当たり、障害者の実態把握を的確に行うため、施設利用者意向調査、障害者団体意向調査、精神障害者事業者向け調査、及び精神障害者アンケート調査を既に実施しており、今後、障害者を対象とした悉皆調査の実施は予定しておりません。

 また、障害福祉計画については、10月に実施するパブリックコメントによる御意見及び障害者施策推進協議会の御意見を勘案しながら、策定してまいります。

国有地の活用について

 次に、新宿区内にある公務員宿舎跡地などの国有地の活用について質問します。

 政府の国家公務員宿舎の移転・跡地利用に関する有識者会議は、先ごろ、その検討結果の大要を発表しました。郊外の国有地にマンション型宿舎を建設し、都心にある国家公務員宿舎を、原則として2007年度から10年程度をかけて売却する方針であるとし、この6月中旬にも最終報告を行うとしています。

 ところで、去る5月25日、参議院の行政改革特別委員会は行革関連法案を自民・公明などの賛成多数で可決していますが、この採決に先立って、我が党の大門みきし参議院議員がこの有識者会議に関連して質問に立ちました。

 大門議員は、有識者会議には、森ビル・アカデミーヒルズ会長の伊藤滋氏が座長に座り、委員に三井不動産や三菱地所の部長らなど不動産開発会社の現場関係者がいること、これらの会社が都内の一等地の国有地の払い下げを受けて開発を進めており、国有地が大企業のもうけの場になっていることを追及しました。

 そこで質問しますが、第1に、区内の公務員宿舎跡地などの国有地の活用のあり方についてです。

 大門議員は、国有地が大企業のもうけの場になっている実例として、千代田区大手町の合同庁舎跡地の開発を挙げました。この開発はその土地が国から一たん都市再生機構に随意契約で売却、8カ月後には関係会社でつくる有限会社大手町開発へ譲渡、都市再生機構は、事実上トンネルの役割を果たしました。この土地はその後、政府の第五次都市再生プロジェクトに指定され、容積率は700%から1590%にアップ、等価交換した土地が倍以上の利益を生み出す結果となっています。

 また、新宿区内においても、かつて清掃工場の建設予定地であった市谷本村町の国有地が、その計画の撤回後、地域住民に十分な情報が提供されないまま三菱地所が取得し、その後三井不動産と野村不動産も入り、三社共同売り主となり、現在、地上38階建ての超高層マンションが建設中です。

 私は、今後万が一にも、区内にある国民の共有財産である国有地の活用が、ただいま事例に挙げましたような民間大企業のもうけのえじきとなってはならないと思いますが、区長はどのように考えておられるか伺います。

 第2には、今国会で可決成立した「国有財産の効率的な活用を推進するための国有財産法等の一部を改正する法律」についてです。この法律には、国有財産を活用しようとする自治体にとって、大変大きな影響を及ぼす内容が含まれています。

 一つには、未利用国有地の売却手続の明確化と称し、これまで未利用国有地については、公用・公共用利用優先の考え方を原則として、先に応募した地方公共団体からの利用要望を優先して売却されてきたものを、今後は地方公共団体等からの利用要望の受付期間を3カ月間とし、契約を締結するまでの期限を原則2年に設定する、また、受付期間中に利用要望がない場合や契約期限までに契約が締結されない場合は、速やかに一般競争入札により売却するとしています。

 いま一つは、優遇措置の運用の見直しであり、これまで地方公共団体が活用する場合、譲与・無償貸し付け、減額売り払い等の優遇措置があったものを、今後は、財政事情等を理由にしてその措置をもなくすとしています。

 そこで伺いますが、私は、この法改正は国民の共有財産である国有地を住民のために有効活用しようとする自治体に制限を加える一方で、大手民間ディベロッパーのための窓口の拡大としか受けとめることができませんが、区長はどのようにお考えでしょうか。また、これまであった地方自治体への優遇措置を引き続き確保できるよう、他の自治体の首長にも呼びかけ国に働きかけるべきと考えますが、御見解をお聞かせください。

 第3の質問は、このように国有財産法が改変されたもとでの区内にある国有地のうち、売却が具体化され、その活用をめぐって、既に地域住民の運動と話題になっている国有地の活用についてです。

 その一つは、2006年度末に廃校となる四谷第三小学校とそこに隣接している、同じく2006年度中に民間への売却が決まっている財務省官舎についてです。

 さきに述べました有識者会議の第4回目の会議に当区の都市計画部長が出席、四谷駅前地区の開発計画のオリエンテーションを行っていますが、区としてどのような開発計画を予定しているのでしょうか。また、現在、地権者と地元商店街を中心としたまちづくり検討会の意見や、地元住民の強い要望であるスポーツ施設の設置など、地域住民の総意が計画に反映するようにすべきと考えますが、いかがでしょうか。

 2つ目は、弁天町にある国税庁と参議院宿舎跡地等についてです。

 御承知のように、この跡地は地権者間の裁判での抗争があったとはいえ、空き地となったまま余りにも長い間の未利用の状態が続き、地域住民からは何らかの有効利用をとの運動があった国有地です。この国有地については、あす近藤議員が一般質問でその活用計画について具体的な提案をしますが、私は今回の法改正も踏まえ、以上2つの国有地の活用を初め、今後、区は区内の国有地の売却・活用について、いち早い情報の把握とともに、地域住民への速やかな情報提供を行うべきと考えますが、区長の見解をお聞かせください。

 以上で私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手

◎答弁:区長(中山弘子)

 次に、区内の公務員宿舎跡地などの国有地の活用のあり方についてのお尋ねです。

 国有地の活用については、国として財政構造改革を進めることが喫緊の課題となっていることなどから、国有財産の一層の効率的な活用を目指しているものと理解しております。

 次に、「国有財産の効率的な活用を推進するための国有財産法等の一部を改正する法律」についてのお尋ねです。

 このたびの改正は、未利用国有地等の売却手続を明確化することにより、国有財産行政において効率性の向上を図るためのものと受けとめております。

 改正により、地方公共団体等から利用要望のあった未利用国有地については、受付期間や契約期限が付されるとともに、優遇措置が是正されましたが、民間より先に取得の意思を表明できる仕組みがあります。したがって、区は取得の機会については、民間よりも優先されていると考えております。

 また、これまであった地方公共団体等への優遇措置等を引き続き確保できるよう、他の自治体の首長にも呼びかけ、国に働きかけるべきとの御意見です。

 未利用国有地の所在は、各自治体にばらつきがあり、かつ自治体における政策課題も異なるため、現時点では、他の自治体との共同歩調により、国に要望することは難しいと考えております。したがって、区は個別に機会あるごとに国に働きかけてまいります。

 次に、区立四谷第三小学校と財務省官舎についてのお尋ねです。

 これら跡地を含む周辺地区のまちづくりを検討するために、平成16年12月に地域住民と地権者による四谷駅前まちづくり協議会が発足し、まちのあり方などについて検討が行われてきました。

 区としては、小学校の跡地を活用していくことから、教育や文化を基本に、四ツ谷の駅前にふさわしいまちのにぎわい等が図られるように誘導してまいります。そのためには、四谷駅前まちづくり協議会を初め、地域住民の意見が計画に反映できるよう、地区計画など多様な都市計画手法を活用し、まちづくりを進めてまいります。

 次に、区内の国有地の売却・活用についていち早い情報の把握とともに、地域住民への速やかな情報提供を行うべきとの御意見です。

 現在、区は国から文書により、区内の国有財産の売却情報を得ております。また、国は財務省関東財務局のホームページで、区に文書で情報提供するときと同時期に同じ内容を公開しています。区民の皆さんと区が情報を得る時期にずれがないため、区が個別に国有地の売却・活用について情報提供を行う考えはございません。

 以上で私の答弁を終わります

再質問:あざみ区議

 自席より発言させていただきます。

 幾つかあるんですけれども、教育基本法のところについて、区長と教育委員会から御答弁をいただきました。

 区長からは、子どもたちの心の内面に立ち入るのはいかがなものかと思うという、御自分のお考えを述べていただきました。そのことと同じような答弁が教育委員会の方から、要するに愛国心を通知表で評価することについて、教育委員会としてどのように思っているかということがストレートな答えとしてなかったような気がするので、それについてもう一度お聞きしたいのと、それから、新宿区内の小学校に1校あったということなんですけれども、愛国心のことだけではなくて、その前段に、我が国の歴史や伝統を大切にするという文脈があるわけですけれども、それにしても、国を愛する心についての評価を、通知表ですから評価をするわけですよね。通常3段階だと思いますけれども、そのような評価をするという通知表があったということは、私は大変重大ではないかというふうに思います。この通知表についてどうするというような部分の答弁もちょっとなかったような気もするんですけれども、どのようにされるおつもりなのか。

 これは国会で議論が相当あったんですけれども、小泉首相も、子どもを評価するのは難しいと、あえてこういう項目を持たなくていいのではないかとおっしゃったり、文部科学大臣も、内心についての評価ABCをつけるというのはとんでもないことだというふうに、政府の方自体がこういうことを言っているわけですから、もちろん指導要領に基づいてそういった項目を設けたのだとは思いますけれども、やはりこれはふさわしくないというふうに思いますので、是正をしていただくということでやるべきではないかと思うのですけれども、再質問させていただきます

◎答弁:教育長(金子良江)

 2点ございました。1点の愛国心の評価についてでございますが、先ほど申し上げましたように、国を愛する心情だけを取り上げて内心に立ち入って評価するということはふさわしくないというふうに考えております。

 それから、今回の通知表の評価項目の一部に、そうした今御答弁申し上げましたような記載があったということにつきまして、私ども中身を調べてみましたところ、この通知表の評価をするもとになる評価規準というのがあります。これは学校ごとに、「規準」というのは規則の規をあらわすんですが、規準表というものを定めておりまして、そのもととなる規準表にはそうしたさまざまな態度について評価するということになってございまして、その結果として、国に対する愛情を持とうとするということについて、通知表の中で表現されているというふうに理解しております。

 つまり、このことにつきましては、私どもとしては、この評価項目が間違っているというふうには考えておりません。実際に評価そのものは、先ほど申しましたように国を愛する心情だけを取り上げて内心に立ち入って評価をしているというものではないと考えております。

●あざみ議員

 自席より発言いたします。

 御答弁をいただきましたけれども、その通知表については、教育委員会としては何も対応しないということとして、今の答弁ですとそのようにしか受けとめられないのですけれども、私は先ほども言いましたように、もちろん国の歴史や伝統を大切にするという部分はそのとおりだというふうに思います。それをもって、勉強して評価をしていくというのは、それはあるのではないかと思いますけれども、国を愛する心情を持っているか持っていないかを3段階で、やはりこの部分は評価していくことになってしまうのではないかと思いますので、きちんとここは教育委員会としても考えていただいて、是正を求めていただきたいというふうに、もう再質問はできませんので、要望いたしまして終わりにしたいと思います。(拍手)




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