2007年新宿区議会第2回定例会にあたり、私は、日本共産党区議団を代表して、区長並びに教育委員会に質問いたします。

 4月に行われた区議会議員選挙で、日本共産党は、好調な区財政を有効に活用して、税金や社会保険料の負担が増え、格差と貧困が広がる区民の暮らしを守る区政の実現を訴え、得票率・得票数とも4年前とほぼ同数の支持をいただきました。この場をお借りして改めて感謝申し上げます。選挙中も選挙後も、相次ぐ負担増への怒りを私たちに訴える方もおられ、掲げた公約はなんとしても実現していきたいと決意しています。残念ながら新人が当選には至りませんでしたが、8名の区議団が力をあわせてこれまで以上に奮闘する決意を表明し、以下質問に入ります。

1.消えた年金について

最初に、消えた年金問題について質問します。

新たな不明記録も出てきて、合計6500万件にも及ぶ膨大な年金記録が宙に浮き、もらえる筈の年金が消えている問題で、国民の不安と怒りがひろがり、参議院選挙の最大争点になりそうな気配です。新宿社会保険事務所にも相談者が殺到しており、1時間2時間待ちだそうです。政府は1年以内に調査すると言っていますが、その方法や体制などは、到底加入者・受給者の安心と納得が得られるものではありません。

そこで、区長に質問します。

政府は、氏名・生年月日・性別の3条件が完全に一致したものだけ一年のうちに突き合わせるといっていますが、そもそも基礎年金番号導入時にこの作業をして残ったのが5000万件です。同じ作業では、また膨大な記録が宙に浮くことは明らかです。3条件すべてが一致しなくても調査の対象にすべきです。また、該当者には記録の存在のみ通知し、内容は知らせないといいますが、記録の中身をきちんと伝えることで、本人が解決策をはかれるようにするのが当然ではありませんか。

さらに、物的証拠がないと駄目だといっています。何年も昔の領収書や給与明細をとっている人はほとんどいません。当時の同僚の証言など状況証拠も採用して柔軟に対応し、権利を回復するのは当然ではありませんか。国が責任をとる、受給権を保証するなら、国がこうした対応をとるように、区長としても政府に強力に要望すべきであると考えますが、見解をうかがいます。

憲法をめぐる問題について

次に、憲法をめぐる問題について、区長と教育委員会に質問します。

自衛隊情報保全隊の国民監視中止を国に求めよ

改憲の手続きを定めた国民投票法を、与党が単独で強行採決しました。自民党は3年後の2010年に改憲を発議することを参議院選挙の公約に掲げます。
米軍と肩を並べて戦争する国づくりを進める安倍首相は、その第1段階として、集団的自衛権行使を解釈改憲で可能にするための有識者懇談会を設置して研究を開始しました。イラクで他国の軍隊が攻撃をうけたときに、派遣された自衛隊が応戦することを研究の対象としており、日本を守ることとは無縁です。これまでの政府見解を180度転換する解釈を無理矢理こじつけて、続く第2段階で、明文改憲に持って行こうとしています。
安倍内閣の閣僚は、3分の2が日本会議国会議員懇談会に加わっています。自殺された松岡元農水大臣もそのメンバーでした。この日本会議のホームページみると、靖国神社が発信元の歴史観や主義・主張とうり二つです。安倍首相がいう「美しい国日本」「戦後レジームからの脱却」とは、国民には主権がなく、基本的人権が保障されていない暗黒の戦時体制への回帰です。
それを実感させるような事実が内部告発により発覚しました。イラク戦争に反対したり、平和を訴える運動をはじめさまざまな国民の運動を自衛隊が日常的に監視し、情報を収集するという違憲・違法行為をしていたことが大問題になっています。演習場周辺の住民が、射撃で家が振動するからやめて欲しいと電話をすることが反自衛隊活動とみなされ、新聞記者がイラク派兵について自衛隊員に取材することもチェックの対象にされています。言論表現・集会結社など基本的自由が脅かされる事態です。違法行為を行っている陸上自衛隊情報保全隊が置かれている新宿区の区長として、国民監視は即時やめることを、政府や防衛省に強く求めるべきだと考えますが、区長の見解をお聞かせ下さい。

首都大学東京の「総合危機管理講座」受講推奨を即刻取り消せ

こうした動きにも通じますが、首都大学東京が特別区協議会・特別区職員研修所と共同で全32回の「総合危機管理講座」を企画し、各区が職員に受講を薦めています。新宿区でも内容をよく検討しないまま職員に参加をすすめていたことが、先日の総務区民委員会であきらかになりました。例えば第10回の講座は、「集団的自衛権問題・・・・現行の政府解釈は日本安保体制を揺るがす」がテーマで、集団的自衛権が国家の権利で、政府解釈は欠陥だと唱える人物が講師です。また、第31回は、「東アジア反日トライアングル」と題して、東アジアは「日本との友好など全く求めていません」「反日は永遠に終わらない」と東アジアとの対立を煽る講座です。憲法遵守義務を負う公務員に、憲法を否定する講座の受講を推奨するなどあるまじきことです。区長は、多文化共生と言いながら、東アジア諸国との敵対を煽る講座を職員に勧めているということです。「総合危機管理講座」の受講推奨を即刻取り消し、職員にそのことを伝達すべきです。区長の答弁を求めます。

DVD「誇り」を区立小学校に持ち込ませるな

日本を戦時体制に引き戻そうとするとんでもない歴史の逆行が狙われていますが、こうした動きの一環で、青年会議所が作製したDVD「誇り」が学校に持ち込まれています。日本の戦争は自衛のための戦争、アジア解放の戦争だったという歴史観・イデオロギーを子どもたちに教え込もうとする内容で、これを使った教育事業がなんと文部科学省の委託事業となっています。
そこで、教育委員会にうかがいます。2月から全国93カ所で同事業が実施または実施予定されていますが、区立の小中学校ではそのような事実はありませんか。また、今後要求があったとしても、実施するようなことがあってはならないと考えますが、教育委員会の見解をお聞かせ下さい。

住民税等の負担増への対策について

税金控除の制度復活を国に求めるべき。

次に住民税等の負担増への対策について質問いたします。

6月8日、各家庭に今年度の住民税の通知が発送され、昨年に続き大きな不安と怒りが広がっています。国や区は、税源移譲されても所得税と住民税の負担は合計すれば変わりませんという説明をしてきました。しかし、昨年度からの65歳以上の高齢者への非課税限度額の廃止、定率減税の縮小、そして今年度の定率減税の廃止が税のフラット化と重なり、6月からの住民税は大幅に上がっています。
住民税の負担増は、それにとどまりません。国民健康保険料、介護保険料や医療費・介護サービス費など他の各種制度に大きく影響するため、低所得者、とりわけ高齢者に重くかかってきます。
例えば、65歳以上で収入200万円の単身者は、去年は住民税は非課税でした。所得税が25,900円、国保料が32,100円合計で年間58,000円の負担でした。それが今年は、住民税25,800円、所得税16,200円、国保料48,478円で、合計9万円を超え、約3万2千円負担が増します。260万円の収入だと税金と国保料で100,200円だったものが226,402円になり、12万6千円も増えるのです。月20万程度の収入の方にとって1万円の負担増は相当きつい話です。区民生活の維持向上を図るため、この間なくしてきた税金控除の制度を復活することを国に求めるべきと思いますが、いかがでしょうか。お答えください。

新宿区独自でも減免制度を実施すべき

そして、区独自に、低額所得者に対する特別区民税減免制度を創設すべきです。日本共産党区議団は、今定例会に川崎市で実施しているのと同様の住民税を個別に減免する特別区税条例の改正を提案しています。名古屋市、大阪市、京都市などでは、個別減免方式ではなく、一定の所得以下の65才以上の高齢者に、住民税額の25%、50%を一律に減額する制度を実施しています。新宿区も「低額所得者への住民税の減免制度」を他区に先駆けて取り組むべきと考えますが、いかがですか。

区は今年度も、税制改正の影響による緩和策として総額約1億8千万円の対策を講じています。これ自身は評価するものですが、これで低所得者の負担が増えないというわけではありません。さらに負担増を押さえる事業の拡大が求められます。

例えば国保料です。国保料の通知も6月15日に発送されますが、定率減税全廃やフラット化の影響は国保料にも及びます。これまで住民税の税率が低かった低所得層がフラット化で所得割が上がります。これに均等割の5年連続の値上げが追い打ちをかけ、さらに値上げ幅が大きくなります。23区としていくつかの緩和策を講じていますが、それでも年1万円以上値上げになる方もいるのです。値上げになった方々は、収入が増えたわけではなく、自助努力を求めるのは酷というものです。年1万円を上限に値上げ分との差額を助成する制度を作るべきだと考えます。区長の見解を求めます。

シルバーパス利用負担の軽減を

都の制度であるシルバーパスについても、緩和策を願う声が高まっています。今年度新たに70歳になった方や新規に申し込む方で課税の方は、20,510円支払わなければシルバーパスを購入できません。都に対し、新規対象者にも負担の軽減を求めるとともに、区としても独自に一部補助も行うべきと思いますが、いかがですか。

「お役立ち情報」を徹底的に周知すべき

最後に、第1回定例会でも質問しましたが、減税につながる制度をお知らせする「お役立ち情報」を、広報などで徹底的に周知することです。制度の存在が知られておらず、まだまだ使いこなされていないのが現状です。こうした制度は複数の課が関与しますので、区長がよく言われるように「横串」も刺して、関係する課が共同して情報提供して欲しいと思います。区報やホームページ、パンフレットなどで、簡潔でわかりやすく利用につながる内容にし、繰り返し伝える努力をしていただきたいのです。なおその際、該当者に高齢者が多いのですから、文字は大きくすることも注文しておきます。
特に、区が把握している情報で減税になる可能性が高い方に対しては、個別に丁寧にお知らせすべきです。岐阜市では、介護保険の要介護認定者6,200人全員に障害者控除についての案内と申請書を発送し、3,245人が減税になっています。介護保険だけでなく、高額の医療費がかかった方に医療費控除の制度を個別にお知らせするなどきめ細かく対応すれば、新宿区は一人一人の区民を大事に考えているんだと信頼度・好感度がアップすることでしょう。区長の考えをお聞かせください。

ワーキングプアへの支援策について

労働環境の改善を都や国に求めるべき。区雇用の賃金を1000円以上にすべき

次に、ワーキングプアへの支援策について質問します。
総務省の労働力調査では、非正規労働者が1726万人に及び、労働者の3人に1人は派遣やパート・アルバイトなどの非正規雇用です。なかでも24歳以下は約半数が非正規雇用で、東京都産業労働局の調査でも、「若年者が正社員として就業することが困難な状況」と指摘しています。若者の多くが、低賃金且つ不安定な仕事にしか就けないという状況は、度重なる労働法制の改悪によって人為的つくられてきました。
1980年代から、弾力化・規制緩和の名で労働時間法制が変えられ、変形労働時間・裁量労働制などで長時間労働と残業代不払いが合法化されてきました。さらにホワイトカラー・エグゼンプションで、不払い残業をより広範囲に合法化しようとしています。
1986年、派遣はごく限られた職種とのふれ込みで労働者派遣法が制定されました。その後相次ぐ法の改悪で、例外だった派遣が原則自由化され、製造業にまで拡大されました。これが非正規雇用・不安定就労を爆発的に拡げたことは、誰もが認めるところです。
今国会では、14年ぶりにパート労働法が改定されましたが、均等待遇とはほど遠く、差別的取り扱いの禁止はごく一部のパートしか対象にならないというザル法です。
ワーク・ライフ・バランスとか、少子化対策と言いますが、その土台が蝕まれていては有効な対策とはなりません。労働組合の組織率が10%台の日本では、とりわけ法律や行政の果たす役割が大きいものがあります。区長として、労働時間や労働契約に関する法律を働くものの立場に立って改正するよう政府に求めるべきだと考えますが、いかがですか。
ワーキングプアをなくすために、パート・アルバイトなどの賃金を生活できるレベルに引き上げることが何よりも重要です。いま東京の最低賃金は719円です。これでは1日8時間働いても月収は12万円程度で、とても自立できる収入ではありません。政府に、最低賃金は1000円以上にするよう迫るべきです。同時に、区が雇用しているパートの賃金も1000円以上に引き上げ、区が率先してワーキングプア解決の姿勢を示すべきではありませんか。ご答弁下さい。

「ネットカフェ難民」などへの支援について

第2に、いまクローズアップされている「ネットカフェ難民」への支援についてです。
住む家も持たず、インターネットカフェ・まんが喫茶などの畳一枚ほどのスペースに、パソコンとリクライニングシートがひとつ置いてあるだけの場所で一晩を過ごし、翌朝早くに日雇いの仕事に出かけていく、それを毎日繰り返している若者が「ネットカフェ難民」と言われ、若い女性もかなり含まれています。インターネットで「インターネットカフェ・まんが喫茶店舗一覧」を見ると、東京に576店舗、新宿区には52店舗あり、歌舞伎町など新宿駅周辺に集中しており、新宿区の対応は全国的に大きな意義をもちます。
彼らの多くは、求めてこの境遇になったわけでも、このままでいいと思っているわけでもありません。彼らのブログを見ると、「自分なりに、この生活から脱出する方法を考えてみます」「明日は仕事がある。仕事があるだけでも感謝しなきゃ」などの書き込みがあり、現状への不安や、そこから抜け出そうと必死にもがいている姿がかいま見えます。
彼らは、今はまだ「路上生活者」にはなっていないが、住む家がないという点ではすでに「ホームレス」です。住まいの確保と就労支援という、ホームレス対策と同様の支援が求められます。ホームレスの自立支援事業、都区の共同事業として実施している地域生活移行支援事業をネットカフェ難民にも適用し、早急に解決を図ることを国や都に求めるべきと考えますがいかがですか。
その際、地域生活移行支援事業の「巡回相談事業」をネットカフェ難民となった若者が利用しやすいように工夫を凝らす必要があるでしょう。駅頭などでの相談活動、ネットカフェやまんが喫茶、ファーストフード店にビラを置かせてもらう、ネットカフェのホームページにリンクを張ってもらい、区や都のホームページに具体的な事業内容を紹介するなどしてはどうでしょう。そして、必要な人には低家賃の借り上げアパートを提供し、いまの境遇から引き上げて、自立につなげていくべきと考えますが、あわせてお答えください。

青年向け家賃助成制度の拡充と総合相談窓口の設置を求める

第3に、新宿区内にいるワーキングプアの若者を、ホームレスにしないための対策についてです。
全国の若者がおこなったネットカフェ利用者への聞き取り調査では、「アパートの更新料が払えずに引き払った」「敷金礼金が払えないからアパートを借りられない」「いつ家賃が払えなくなるか分からないから部屋を借りない」という人もいて、「難民」状態になった原因は家賃が負担できないということです。ワーキングプアの若者をネットカフェ難民にしないために、現行の家賃助成制度を福祉的施策として位置づけし直し、対象者数と助成額を拡大し、水際でくい止めていくことが求められます。必死でまじめに働く若者が長く新宿区に住み続けられるように、いまある家賃助成制度を拡充するとともに、更新料も助成するよう提案しますが、いかがですか。
同時に、若者のホームレス化をくい止めるために、労働相談、生活・借金の相談、住宅の相談などを休日や夜間も気軽にできる総合的な相談窓口や電話・メールのホットラインを、NPOなどにも協力をお願いして設置することも重要だと考えます。

以上の2点についてお答え下さい。

後期高齢者医療制度について

次に、後期高齢者医療制度について質問します。

75歳以上のすべての高齢者が対象となる「後期高齢者医療制度」が来年4月から導入されます。これまで加入していた国民健康保険などを脱退させられ、高齢者だけが加入する独立した保険制度に組み入れられ、保険料は、厚生労働省の試算では厚生年金208万円の受給者を「平均的なケース」として月額6,200円、介護保険料の月額平均4,900円と合わせれば毎月1万円を大きく超える負担となり、大多数は年金から「天引き」されるのです。しかも、保険料は2年ごとに改定され、後期高齢者の増加に応じて自動的に保険料が上がる仕組みとなっています。75歳以上の医療を他の医療保険から切り離すことで、保険料の値上げか医療水準の引き下げかという、どちらをとっても痛みしかない選択を高齢者に迫るものとなっています。
さらに、年金からの保険料天引きは、65歳から74歳までの「前期高齢者」の国民健康保険にも適用され、70歳から74歳までの医療費負担も1割から2割に引き上げられようとしています。老年者控除の廃止や年金課税の強化などで急激な負担増に見舞われている高齢者に、さらに過酷な負担を強いることはあまりにも無慈悲ではありませんか。
そのうえに、今回の「後期高齢者医療制度」は、保険料を支払うことができない高齢者には短期保険証や資格証明書を発行するという、さらに血も涙ない制度です。

そこでお伺いします。

短期保険証や資格証明書は発行するな

昨年与党がゴリ押しして成立させた「医療費関連法案」は、国の医療費8兆円を削減することが目的です。「後期高齢者医療制度」では都道府県に対し、老人医療費の適正化を義務付けており、「適正化」の名のもとに医療内容の劣悪化と医療差別の持ち込みが懸念されています。「後期高齢者医療制度」は、高齢者の人間としての尊厳を守り、国民皆保険制度のもとで等しく医療を受ける権利と、憲法で保障されている生存権を当然の前提として実施されるべきと考えますが、この点についての区長の認識をお聞かせください。また、医療を受ける権利を奪う短期保険証や資格証明書は発行すべきではありません。この点での区長の見解もあわせてお聞きします。

保険料の減免制度を作るよう要請すべき

第2に、保険料についてです。厚生労働省は「天引き額が年金額の2分の1を超えないように配慮する」としていますが、裏を返せば2分の1まではむしり取っても良いという冷酷な宣言です。保険料は、最低生活費非課税制度の原則に則り、その生活を脅かすことのないように設定すべきであり、また、所得の低い人に対する全額免除制度をつくるべきです。全国市長会が6月6日「後期高齢者医療制度の円滑な実施に関する決議」をあげ、「国において十分な低所得者対策を講じること」を主張していることは承知していますが、さらに踏み込んで、区長として、保険料の減免制度や、国庫負担を引き上げるよう国に要求すべきです。同時に、広域連合として独自の減免制度をつくるよう要請していくべきと考えますが、いかがでしょうか。

年金からの保険料天引きをやめよ

第3は、保険料の徴収方法についてです。厚生労働省の案によれば、年金月額15,000円、年額にして18万円以上の高齢者と、前期高齢者が世帯主の世帯は機械的に年金から天引きするとしています。しかし、保険料の年金からの天引きについては、すでに、介護保険の導入時にも見られたように、「それでなくても少ない年金なのに、本人の同意も得ず、天引きとはひどい」と、大きな批判が寄せられました。今回、その上塗りをする徴収方法はやめるべきであり、それでも「年金からの天引き」をするというのであれば、本人の同意を得るべきです。この点での区長の見解をお聞かせ下さい。

制度に被保険者や都民の声が反映される運営を求めよ

第4に、被保険者である高齢者の意志を広域連合に反映できる仕組みについてです。国民健康保険制度にあるような「運営協議会」を設置するなど、被保険者および都民が制度の運営に意志を反映できる仕組みを広域連合の規約に盛り込むよう、区長として要請すべきです。区長の見解をお聞かせください。

待機児童解消と保育料値下げについて

待機児童ゼロが実現できなかった事実を、どう総括するのか

次に、待機児童解消と保育料値下げについて質問します。
中山区長は就任直後に、2007年4月1日には保育園の待機児童をゼロにすると打ち出しました。本年4月1日現在どうでしょうか。どこにも預けられずに待っている子どもが26人、とりあえず認証保育所などに入って認可園を待っている子どももいれると92人です。待機児童ゼロは、結果的に実現することができませんでした。まず最初に、約束を果たせなかったこの事実を区長がどのように受け止め、総括しているのかうかがいます。
この結果をみて、北山伏保育園や新宿第一保育園などが存続していれば実現できたのにと思うのは私だけではないはずです。保護者の存続の願いを聞き入れず、区立園を廃止して今日の事態を招いたことをどう考えているかも、あわせてお聞かせください。

新たな待機児童解消計画は、認可園の増設で受入数の拡大をはかるべき

ところで区はこの事態を受け、今後4年間の新たな「待機児童解消への対応」策を策定する、そのために認証保育を3ヶ所誘致する予定だと、先日の福祉健康委員会で報告がありました。すでに認証保育は6ヶ所270人の定数になっています。区は、今後の待機児童解消を認証に頼り、区立や私立の認可園は一切増やさないいつもりなのでしょうか。
新宿区は、昨年度区内の企業に対して「ワーク・ライフ・バランス」のアンケート調査を実施し、男女共同参画計画の見直しもこの観点を盛り込むとのことです。仕事と家庭の調和をはかれるように企業に努力を求め、整備すべき社会基盤も民間任せというのでは、区の責任はどこにあるのですか。認証を誘致することが区の責任だというのではあまりにお粗末過ぎます。新たな待機児童解消計画は、認可園の増設で受入数の拡大をはかるものにすべきです。区長の見解をうかがいます。

認証保育所を希望しているのか、利用者の声を聴くべき

認証保育所は、上限はあるものの週5日預けて保育料が8〜10万円です。区は今年度から、認証利用者に月2万円の補助金を出して利用誘導していますが、それでもこれからパートの仕事を探さなければと考えているような家庭にとっては二の足を踏む金額です。区があくまで認証保育所で待機児童解消を図るというであれば、認可園なみの保育料負担となるように、保護者に支援するのが当然ではないでしょうか。問題は保育料だけではありません。児童福祉法の最低基準に満たない施設、正規雇用の保育士の数も6割以上でいいなど、保育環境や質の面でも問題があります。今後の待機児童解消を認証に委ねる計画にしたいというのなら、認証を利用している理由や保育料・サービス内容に納得しているかなど、保護者が認証保育所を希望しているのか、認可園を望んでいるのか正面から問うアンケートを実施すべきではありませんか。昨年実施したアンケートではそれを避けています。新計画の策定に当たり再度アンケートを実施することについても答弁願います。

つくし保育園の認可化を決断せよ

待機児童解消では、つくし保育園の認可化問題にも触れなくてはなりません。つくし保育園の設置主体である国立国際医療センターが独立行政法人化されることに伴って、このまま保育園が存続できるかどうが懸念されています。今年2月6日、世田谷区は、国立成育医療センター敷地に、国有財産法の改正を活用して認可保育園を設置すると発表しました。計画では、24時間保育、医師・看護師の協力も得て病時保育・病後時保育、一時保育、さらには育児相談の地域センターとして機能することになっており、保護者にとってはうれしい内容です。
新宿区もこれをチャンスととらえ、国立国際医療センターと協力し、新たな多様なニーズに応える認可園を設置する方向で積極的に動くべきではないでしょうか。区議会には、厚生労働省と国立国際医療センターに対して保育園の新築・認可化を要望して欲しいと、9666名分の陳情署名が寄せられました。周辺には4月1日現在27名の待機児童がおり、医療センター・女子医大・厚生年金病院など大病院も近く、医師・看護師など医療従事者のワークライフをサポートするうえでも大事な役割を果たすことは間違いありません。つくし保育園の認可化を決断し、関係方面と早急に調整に入るべきと思いますが、いかがですか。

全区立園で、産休明け保育と延長保育を早急に実施すべき

さて、受入れ月齢が6ヶ月のところは年度当初比較的空きがあることからみて、全区立園で産休明けや延長保育の拡大を急ぐことが求められます。徐々に改善していますが、25ある区立保育園のうち、1歳児クラスから入れるのが3園、6ヶ月からは9園です。また、延長保育が実施されていないからという理由で待機しているケースもあります。全区立園で、産休明け保育と延長保育を早急に実施すべきだと考えますが、区長の見解をお聞かせ下さい。 

子育て支援のため保育料を10%値下げをすることを提案する

この項の最後に、保育料の値下げについてうかがいます。
新宿区では、定率減税の縮小・廃止による保育料への影響を緩和する独自対策をとっており、私たちはこの点については評価をしています。しかし、格差と貧困が広がる中で、現在の保育料が果たして妥当な金額といえるでしょうか。
区は、2000年4月に保護者の大反対を押し切って保育料を35%値上げしました。この値上げは、95年の財政非常事態宣言とその後の「区政改革プラン」に基づくものでした。いまや区財政は7年の連続黒字で、453億円も基金があるのです。

一方、当時と比べて区民の暮らしはどうでしょうか。
東京都が本年4月に発表した2006年度の福祉保健基礎調査では、年収300万円未満の世帯が27.2%、300〜500万円の世帯は23.7万円で、500万円未満が半分以上でした。2001年の調査では、300万以下が17.9%で、500万未満は37.8%でしたから、この5年間で収入が少ない世帯が増えています。厚生労働省の「平成18年国民生活基礎調査」では、児童のいる世帯で、生活が苦しいが26.2%、やや苦しいが35.6%で、合計61.8%が苦しいと回答しています。

区長が子育て支援に本腰を入れて取り組むのであれば、この苦しい子育て世帯の生活実態に即した対策として、保育料を引き下げるべきだし、区財政もそれが可能な状態です。
そこで私は、子育て支援のため保育料を10%値下げをすることを提案いたします。認可園で計算すれば、約8千万円あれば実現できます。区長の判断をぜひお聞かせ下さい。

全国学力テスト等教育行政について

次に、全国学力テスト等教育行政について質問します。

安倍首相直属の諮問機関である教育再生会議は、改悪された教育基本法を具体化する議論が非公開という異常な形で行われ、児童生徒の出席停止や体罰の見直しを盛り込んだ第1次報告に続き、6月1日には徳育の教科化や授業時数10%増の具体策、教員評価を踏まえた給与体系、学校選択制の拡大と実績に応じた予算配分などを盛り込んだ第2次報告が出されました。マスコミからは、「過度の競争原理導入は、教育現場に混乱をもたらす。再生会議の今後の検討課題には、「教育バウチャー」制や公立学校への効率的予算配分なども挙げられているが、慎重な議論を望みたい。」など、危惧する論調が目立っています。

教育再生会議の報告については、どのような見解か

教育再生会議が、安倍首相の戦前回帰的な発想や、財界の競争至上主義の考えに沿っていくら議論をしても、教育が良くなるどころか現場を混乱させるだけです。新宿区の教育委員会は、教育再生会議の内容を先取りするかのように学校選択制の導入や夏休みの短縮を行ってきましたが、教育委員会は、教育再生会議の報告についてどのような見解をお持ちでしょうか。まず最初に伺います。

全国学力テストについて

競争原理による義務教育の序列化を行おうとする動きは既に始まっています。「全国学力・学習状況調査」、いわゆる全国学力テストが4月24日、小学6年生と中学3年生を対象に新宿区でも実施されました。
「全国学力テスト」が行われるのは約40年ぶりですが、当時は「学校の平均点をあげるため、テスト当日、勉強の苦手な子どもを欠席させる」などの事態が各地でおき、過度の競争をまねいたとして1966年に廃止されたのです。この経験からも、学力テストが生み出す学校や地域の序列化が、現在進行している経済格差と連動することによって深刻な教育格差が生じることは明らかです。

わが国は、国連子どもの権利委員会より、「過度な競争」の是正を2度にわたって勧告されており、学力テストを実施することは、この国連勧告を無視し、「過度な競争」の弊害をさらに深刻化させようとすることにほかなりません。「学力世界一」で知られるフィンランドでは、国や地域レベルの一斉テストは皆無で、授業時数も日本に比べて少ないのです。今回、国公私立の小中学校約三万三千校が参加しましたが、愛知県犬山市教育委員会は「教育への競争原理導入で、豊かな人間関係の中で人格形成と学力保障に努めてきた犬山市の教育を否定することになる」として参加せず、私立も約四割が参加しませんでした。

今回の学力テストは、個人情報保護の観点からも重大な問題が指摘されています。
全国学力テストには、教科のテストとともに、学校や家庭での勉強や生活について子どもにたずねる「質問紙」がありますが、生活習慣や教科の好き嫌いなどのほか、「今住んでいる地域が好き」か、など内心にかかわる質問もあります。また、「学習塾(家庭教師を含む)に通っていますか」という質問もあり、「質問紙」は、小学生に99項目、中学生には69項目も答えさせるものになっています。
こうした質問をすること自体が問題ですが、重大なのは、これらの個人情報を文部科学省が一手に握るだけではなく、全国学力テストの回収、採点、集計、発送業務は受験産業が業務を請け負い、小学校はベネッセコーポレーション、中学校はNTTデータが教育測定研究所・旺文社グループと連携して行うのです。
国民の批判を受けて、テストは記名でも番号制でも可能になり、新宿区は番号制を選択しましたが、それでも個人情報が完全に守られるという保障はありません。
以上のことを指摘した上で、質問します。

地域や学校のランク付けにつながるような公表をしないよう、都に要請すべき

第1は、全国学力テストの結果の公表についてです。国は、都道府県ごとの結果のみ公表する方針ですが、新宿区の教育委員会としては学校ごとの結果は公表しないというこれまでの方針を堅持し、東京都に対しても地域や学校のランク付けにつながるような公表はしないよう要請すべきと考えますがいかがでしょうか。

学力テストの中止を国に求めよ

第2は、全国学力テストの中止についてです。教育再生会議の報告を見ても、全国学力テストの目的は学校間の競争をあおり立て、学校選択制の導入とあわせ予算配分まで差を付け、教育の分野でも格差を拡大していこうとするものに他なりません。全国学力テストは中止をするよう国に求めるべきと考えますがいかがでしょうか。

学力テストではなく、少人数学級など教育環境を整備にすべき

第3は、教育環境の整備についてです。今求められているのは、60億円もの税金を使って全国学力テストの実施を続けることではなく、少人数学級や教員の負担軽減などの条件整備こそ必要です。朝日新聞が「教員の現状は11時間近く働き、休憩8分」と書いたように、区立学校でも教員の多忙感を解消することが課題となっています。その最も確実な方法は教員の数を増やすことです。少人数学級は、その具体策でもあり実現が急がれます。新宿区立の学校では小学校276学級中110学級(39.9%)、中学校87学級中68学級(78.2%)が31人以上の学級です。新宿区では確かな学力推進委員の配置など、教員を増やす一定の努力はしていますが、さらにもう一歩踏み込んで教員の増員を進め、30人以下学級の実現に向けて取り組むべきではないでしょうか。
教育委員会の答弁を求めます。

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