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二〇〇一年三月二十三日 日本共産党新宿区議会議員団
団 長 佐 藤 文 則
一、二〇〇一年度の区の予算審議を主な議題とする新宿区議会第一回定例会は、二月二十二日から三月二十三日まで開催された。
わが党は、代表質問や予算特別委員会などの論戦を通じて、小野田区政が「区政改革プラン」の名のもとにすすめる、区民犠牲と負担増、そして地方自治体の役割放棄につながる民間委託化などの「行革」路線の転換を迫るとともに、介護保険の改善などの福祉施策の拡充をはじめ、子どもと教育、商 工業振興、路上生活者(ホームレス)対策、家電リサイクル法への対応を含む清掃・リサイクル施策、環境問題、交通バリアフリー法もふまえた安全で利用しやすい駅施設づくり、建築紛争と街づくり問 題など、切実な区民要求の実現と区政の課題解決に全力をあげた。
また、KSD汚職、機密費疑惑、米原潜による漁業実習船「えひめ丸」衝突事故への不見識な対応に加え、経済対策の失政により国民的には完全に「不信任」状態にある森自公保政権への姿勢について追及した。さらに、開発優先・都民生活切り捨て路線をつきすすむ石原都政に対する区長の評価と対応についてただした。
一、小野田区長は、冒頭の本会議で行った区政の基本方針説明のなかで、区の財政の現状について、これまでの「財政危機」一辺倒の言い方から「小康を得るに至った」との表現への転換を示した。確かに区財政は、二〇〇〇年度の最終補正で三十九億円の余裕財源を生み、新年度予算においても従来の見込みに比べ二十億円近い「改善」が予想されている。
この区財政好転の大きな要因は、IT関連企業の収益増と人員削減などの企業リストラを背景とした法人関係税の増収にもとづく都区財政調整交付金の増額である。
わが党は、こうした財源は、介護保険料・利用料の軽減対策など、最悪の不況下にある区民生活支援にこそ活用すべきことを強く主張した。
一、ところが小野田区長が区議会に提出した二〇〇一年度新宿区予算案は、「区政改革プラン」でしめされた暮らし・福祉切り下げと区民への負担押しつけの路線を引き続きすすめるものとなった。
社会教育会館、消費生活センターなど、無料施設の利用が有料化され、高齢者福祉手当の廃止をすすめ、不況対策として実施されてきた商工業緊急特別融資の廃止がうちだされた。また、特別養護老人ホームや高齢者在宅サービスセンターの運営委託料における人件費分の削減が行われ、当該施設の運営にいっそうの困難が押しつけられた。
一方、予算案では、西新宿六丁目南地区の市街地再開発事業に十七億円の補助金支出を予定し、さらに同地域周辺四地区の再開発にむけての調査等の予算が軒並み計上されるなど、「開発優先」の姿勢が貫かれたものとなった。
わが党は、このような小野田区政の行財政運営の方向をきびしく批判し、その転換を強く要求した。
一、新年度予算案では、わが党が障害者団体の要望を受けて要求してきた知的障害者へのガイドヘルパー派遣事業が新たに計上された。また、区民のきびしい批判をあびた敬老入浴券の廃止は、入浴証というかたちで事実上復活されることとなった。
わが党は、今後も、ひとつひとつの区民要望の実現のため努力するものである。
一、今定例会の大きな争点となったのが、介護保険料と介護サービス利用料の軽減対策の実施の問題であった。介護保険料の負担が低所得者に重い負担となり、利用料負担が利用抑制をまねいているなか、全国的にも都内でも数多くの自治体が保険料と利用料の軽減対策に踏み出している。二十三区でも過半数の十二区で何らかの軽減策を実施している。
わが党は、こうした事実と、区民から寄せられている切実な声を示して、軽減策の実施を強く求めた。しかし、小野田区長は、「公平性を欠く」などとしてまたしても実施を拒否した。
わが党は、軽減策の実施をめざして、区予算に対する修正案を提出した。わが党は修正案への賛成者をより拡大する立場から、特に所得の低い高齢者の居宅サービス利用料の軽減という項目に絞った提案を行った。予算規模はわずかに六百三十万円ですむものであった。
この修正案は賛成少数で否決されたが、民主無所属クラブの二議員、一粒会の一議員、社会新宿の二議員が賛成したことは、今後に展望を示すものであった。
修正案を否決した自民党、公明党などに対する区民の批判は避けられない。
一、今定例会には、新宿区防災会議の構成員に陸上自衛隊を加えるための条例案が提案された。
わが党は、地震などの災害が発生し、国民の生命・安全を守る必要が生じたときに自衛隊を活用することはありうると考えている。しかし、自衛隊は憲法第九条に明確に違反し、あくまで「軍事」と「治安維持」を目的とした部隊で、防災のための専門組織として位置付けられているものではない。
わが党は、防災体制の強化のためには、消防力など本来の防災機関の拡充こそすすめるべきであることを主張し、防災対策の名のもとに自治体と自衛隊が密接に連携することは自衛隊の治安出動訓練に道をひらく危険もあることから、提案に反対した。
一、今定例会には、新宿区情報公開条例が提案されたが、同条例に対し、全議員の発議により議会を実施機関に加えるための修正が行われた。議会の情報公開についてわが党は一貫して主張してきたが、自民党・公明党が議員の発言時間制限とのセットでの実施に固執したため、実現ができずにいたものである。
議会の情報公開の実現は、区政と区議会をより区民にひらかれたものとしていくための重要な機会となるものである。
一、今定例会では、わが党の提起にもとづき「新大久保駅での人身事故を教訓に、鉄道駅の安全対策の強化を求める意見書」が全会一致で可決・提出された。また、米原潜衝突事故に関し、原因の徹底究明や再発防止、遭難者に対する補償等を求める意見書が可決・提出された。
わが党は介護保険の改善やKSD汚職の徹底究明を求める意見書案についても提起したが、自民党 ・公明党がこれに同意せず、意見書提出にいたらなかった。
一、森内閣は、いまや国政をあずかる資格も能力もないことを天下にさらし続けている。わが党は、この森内閣の一刻も早い退陣を強く要求するとともに、来るべき参議院選挙で、わが党の躍進を実現し、自公保政治に国民的審判をくだすために奮闘するものである。
また、石原都政のもとで行われる都議会議員選挙では、開発優先・都民施策切り捨ての路線に歯止めをかけるとともに、都議会第二党として都政をうごかし、数々の都民要求を実らせてきたわが党都議団の力をさらに大きくするために奮闘する決意を表明する。
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