|
二〇〇一年十二月六日 日本共産党新宿区議会議員団
団 長 佐 藤 文 則
一、第四回新宿区議会定例会は十一月二十七日から十二月六日まで開催された。今定例会は、アメリカ軍などがアフガニスタンへの報復戦争を激化させ、日本政府がこの戦争支援のための自衛隊派兵法の成立を強行し、戦後初めて戦闘地に自衛隊艦船が出動するというきわめて重大な情勢のもと開かれた。
わが党は、代表質問で、すでに多数の罪のない市民が犠牲となっているこの報復戦争と憲法に明確に違反する自衛隊派兵法に対する小野田区長の認識をはじめ、国民に大負担増を押しつけようとする政府の医療制度「改革」案への姿勢と対応、都立大久保病院の公社化問題、区の基幹的行政計画である基本計画の見直しに際しての区民参加の考え方、産業振興策のあり方、介護保険の改善、東京都が発表した都市づくりビジョンのもとでのまちづくりの方向、分譲マンション対策の強化、区立学校の新たな統廃合計画ともいえる基盤整備検討委員会の「中間の報告」の問題点、などについて区長と教育委員会に質問をおこなった。
一、小野田区長は、報復戦争について、「民間人を含めた犠牲者が出たことについては残念なことですが、・・テロリズムと戦う米軍等を非難する気持ちはありません」と答弁し、報復戦争を支持する立場から市 民の犠牲はやむを得ないという認識を示した。自衛隊派兵について示した「国際社会の取組みに積極的に寄与しようとするもの」との認識とあわせて重大といわなければならない。
また医療制度「改革」案についても、「医療制度改革の一定の方向が示されたものと評価」するという見解を示したが、国民各層からきびしい批判が集中している大負担増については、一言もふれなかった。そして都立大久保病院の公社化についても、「地域に密着した・・病院として充実されていく」と答弁するなど、医療への不安を高める区民の気持ちと相反する姿勢を示した。
一、二〇〇三年度から向こう五カ年の区の基幹的行政計画である後期基本計画の骨子案と、区施設の再編・統合を目指した「施設白書」が公表され、区民説明会が開催されている。
わが党は、区が後期基本計画策定方針で示した「自助・自立が基本」、「行政施策の委託化・民営化の促進」などの方向が行政の役割放棄につながりかねないものであることを批判するとともに、区が強調する「区民との協働」を実のあるものにするためには、行政への区民参加条例などを制定するとともに、計画づくりの作業にあたっても、単なる説明会方式ではなく「ワークショップ」方式を採用すべきことを求めた。
そして、すでに「施設白書」で示された「図書館の四館への削減」や「勤労福祉会館の廃止」方針に対し出されている反対の意見を十分に採り入れるよう強く要求した。
一、介護険料減額制度が実施に移され、申請受付が開始されるなかで、区が設けた基準のうち、預貯金の限度額が低すぎ、低所得の高齢者の多くが対象外となっている事態があきらかとなった。わが党は、預貯金など保有資産の要件をそもそも撤廃すべきことを主張し、当面預貯金限度額を大阪市や神戸市の基準にま で引き上げることを求めた。区長はこれも冷たく拒否した。
一、教育委員会が設置した教育基盤整備検討委員会は、「学校適正配置計画のビジョン作り」「通学区域の弾力的運用の検討」「少人数学習指導の推進」などについての検討状況を「中間の報告」として発表した。
わが党は、これらの課題は区立学校のあり方にかかわる重要課題であり、教育委員会の内部組織での検討にとどまらず、学校関係者をはじめ区民の参加をあおいだ委員会を設置して検討すべきことを要求した。
そのうえで、学校間の格差と競争を激化させる通学区域のさらなる弾力化は必要ないこと、少人数教育については三十以下学級の実現こそ求められていることを主張した。
一、わが党は、この教育基盤検討委員会で検討中の課題のうち、学校施設整備について取り上げ、このなかで、区立の小・中学校普通教室の冷房化など夏季の暑さ対策の実施を重ねて求めた。
これに対し教育委員会は、教育基盤検討委員会において検討していることを明らかにした。教育委員会が普通教室の冷房化を検討していることを表明したのは初めてのことであった。
この間のPTA関係者などの熱心な要望活動が実をむすんだ貴重な成果である。
一、わが党は、代表質問のなかで、小野田区長が新宿区環境衛生協会連合会の総会での祝辞で「歌舞伎町の犯罪の七割は『三国人』だ」、「原宿に新たな留置場をつくるのは結構なこと」などときわめて不適切な発言をおこなったことをきびしく追及した。
区長は改めて発言の取り消しと謝罪の意は明らかにしたが、昨年四月に石原都知事がおこなった「三国人」発言を間違ったものと認識し、撤回を要求するよう求めたことについては、「その考えはない」と答弁した。
わが党は、区長の基本的認識を今後も質すとともに、世界の人々が真に共生する新宿区をつくるために努力を重ねるものである。
一、今定例会には区長より区立保育園で年末保育を実施するための条例案と関係予算案が提案された。
わが党は、年末保育の実施には賛成したが、区が示した保育料が、料金の算定基礎に人件費分を加えるという新たな考えを採り入れ、他区に比べても高額に設定されたことから、保育料については反対する態度をとった。
一、今定例会で、区内戸山町の住民から提出されていたマンション建設にあたって、近隣住民との十分な話し合いを建設主に求める内容の陳情が採択された。マンション等の建設をめぐる近隣住民との紛争は引き続き頻発している。わが党は、住環境を守る立場から行政と議会がより積極的に対応するよう努力するものである。
一、今定例会では「首都機能移転の撤回を求める意見書」「BSE(牛海綿状脳症)対策の強化に対する意見書」などが全会一致で可決・提出された。
一、定例会中の十二月三日、東京都交通局が来年三月をめどに運行を予定している都バス路線の検討案が明らかとなった。小滝橋車庫と飯田橋をむすぶ路線が新設され、昨年大江戸線の開業にともなって廃止された路線の事実上の代替措置が講じられるなど、住民の要望に沿った内容となっている。
わが党区議団は、大山とも子都議会議員とともに住民のみなさんと協力して、バス路線の復活と改善に全力で取り組んできたが、今回の都の措置は、住民の世論と運動が実った大きな成果と考える。
わが党は今後も住民の利便性の向上めざし、バス路線の新設・改善に取り組んでいくものである。
|