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2002年12月26日 日本共産党新宿区議会議員団
第四回新宿区議会定例会は、十二月六日から十二月二十日まで開催された。
一、中山区長の区政運営の姿勢を質す
今定例会は、自民、公明、民主などの支援をうけて当選した中山弘子区長が就任して初めての区議会であった。区長選で問われたことは、小泉内閣の悪政と長引く不況に苦しむ区民の生活をかえりみず、くらし・福祉を支えてきた施策を次々と切り捨ててきた前区長の二度にわたる住民税滞納をはじめ、区政の不祥事が相次いだことに対する区民のきびしい批判であった。これらの問題について、新区長の姿勢を正面から質したのは、わが党だけであった。
1、区政の不正・腐敗を正す問題について
わが党は代表質問で、前区長の住民税滞納および元区幹部職員による埋蔵文化財私物化について、真相と今後の解決方法・再発防止対策の公表を求めた。区長は、前者については、「公人たる立場の区長の滞納は許されない」としつつ「これまでも前区長に対しては納税の促進について可能なかぎり努力してきたし、前区長の協力もいただいてきた」、後者については、「本人にはより正確な事実経過を書面で提出するよう要請したが、拒否されたと聴いている」と述べるにとどまり、積極的に調査・公表する姿勢を示さなかった。
不正・腐敗の再発防止についてわが党が示した具体的提案に対し、区長は、内部告発者の保護機能をもつ「職員休日電話相談室」の実施、「区民の声委員会」の機能拡充および政策経営会議(区の基本方針や重要施策等を審議決定する会議)の議事概要の公開の検討を表明した。
2、切実な区民要求の実現を−−区民の世論と運動が区政を一歩動かす
中山区長は、今定例会の議案提出にあたって、前区政のもとで今年度限りで廃園の予定だった区立新宿第一保育園の存続およびデフレ対策融資(前年より売上げが減った中小業者が対象、1月6日から受付)の実施を明らかにした。これらについては、関係者・区民の強い願いであり、日本共産党も議会等でくり返し要求してきた。粘り強い区民の運動、広範な区民・団体のみなさんが力をあわせて「くらし第一の区政」の実現をめざしてたたかった区長選の奮闘が区政を動かした貴重な成果である。
わが党は代表質問で、中小企業の相次ぐ倒産、失業、自己破産、自殺の増大など区民生活の深刻な実態を示し、区民のくらし第一の区政運営への転換を主張し、中小業者のための借り換え融資制度の創設、北山伏・薬王寺保育園の廃園計画の見直し、障害者の支援費制度充実のための基盤整備の促進、特養ホームの早期建設、首都高速中央環状線建設にともなう公害防止対策、地区計画よる住民本位のまちづくりへの支援、ワンルームマンション建設の規制、幼・小・中の全教室の冷房化など、切実な区民要求実現を求めた。また、12月19日には、「深刻な経済危機から区民のくらしを守る緊急対策」17項目の実現を区長に申し入れた。
区長は、代表質問に対する答弁で、借り換え融資制度の検討、ワンルームマンション建設に関する指導要綱をつくることを表明した。また、区長選の争点となった区立図書館を9館から4館に削減する計画について、「前提として4館体制ありきではなく、利用者・区民と議論を重ねていく」と答弁し、事実上の再検討をおこなう考えを示したことは重要である。
3、「行財政改革計画」案は区民の意見を十分に聞いて再検討を
わが党は代表質問で、前区長が策定にとりかかり、ことぶき館、社会教育会館、児童館、区民保養所など区の施設の統廃合・再編、区立保育園の全園民営化をはじめとした民営化・民間委託を大がかりに推進しようとする「行財政改革計画」案について、拙速な決定はやめ、時間をかけて区民・利用者の意見を十分に聞いて再検討するよう、強く求めた。区長は、前述のとおり図書館削減については見直しの意向を明らかにしたが、「行財政改革計画」案の方向性は「基本的には妥当なもの」「断行する」として、来年2月上旬に決定することを表明した。
4、区民のくらしを支える区政運営への転換こそ求められている
今定例会の論戦を通じてある程度明らかになった中山区長の区政運営の方向は、「区財政はなお極めてきびしい」と強調して「行財政改革計画を断行し、区政の抜本的な見直しに着手」すること、「地域の中にあるあらゆる資源を活用して、多様な主体による地域に必要な公共サービスを提供することが重要」として民営化・民間委託を推進することを前提に、「区民が施策の選択ができるよう、施策の必要性や費用対効果などの情報を積極的に提供していくなかで区政の透明性を高めていく」とするものである。
しかし、区長が今定例会でもしきりに強調した「生活者の視点」に立ち「新宿区を暮らしやすさも一番に」というのなら、「行財政改革計画」案をはじめとする区政の基本的な計画や各施策について、時間をかけて徹底して区民の意見・要求を聞いて区政に反映させる姿勢を貫き、区民のくらし・福祉を支える区政運営に転換すべきである。
また、区財政についていうなら、わが党がくり返し指摘してきたように、実質的な単年度収支でも2年連続黒字である。わが党が、区民施策削減の最大の根拠とされてきた「財政非常事態宣言」の撤回を求めたことに対し、区長は「『宣言』をとらえなおしていく必要はある」と答弁、その後の委員会質疑では企画部長が、「宣言」は解除される段階にあるとの認識を初めて明らかにした。そうであるならば、区民施策削減の路線はとりやめ、区民のくらしを支える財政運営を貫くべきである。
二、提出された議案についてのわが党の態度などについて
今定例会には、区長から、補正予算2件、条例5件、その他1件の議案が提出された。
一般会計補正予算案は、中小業者の要求に応えるデフレ対策融資が含まれていたが、余丁町運動広場(旧余丁町小跡地)を都に売却する予算が含まれていたため、わが党は反対した。この用地売却は都道環状4号線建設のためであるが、周辺住民のなかでも、住宅地を分断する道路建設に対して反対や疑問の声が多数あり、強引にすすめるべきではない。しかも、都は「財政難」と言って福祉を削る一方で、このような幹線道路建設にに莫大な予算を注ぎこむことは許されない。また、ゲートボール、野球、サッカー、リサイクルなどに運動広場を利用している区民に対し、売却について区からは十分な説明がなかった。これらのことから、この用地は急いで売却する必要はないものである。
一方、余丁町運動広場を利用している600名を超す区民から、ひき続き利用できるようにすることを求める陳情が区議会に提出された。区議会は全会一致で、この陳情を採択するとともに、都知事に対して利用継続を要請する意見書を議決し提出した。
住基ネットによる情報提供先に対する区長の調査権限と情報提供の停止権限、住民基本台帳の情報の一定の閲覧制限、本人確認の徹底などを定める住民基本台帳基本条例案について、わが党は、住基ネットの個人情報保護の仕組みが未整備であることが明らかになっている以上いったん接続を中断すべきであること、住民票等の請求に際しての本人確認についての利便性を確保するために区民証を発行すべきことなどを指摘したうえで、現状より個人情報保護のうえで一定の前進がはかられることから、賛成した。
今定例会では、東京大気汚染公害裁判原告団から提出された陳情を全会一致で採択し、政府と国会に対して「大気汚染公害について新たな被害者救済制度の確立を求める意見書」を議決し、提出した。
おわりに
区長選のたたかいでつくった到達点のうえに、区民の世論と運動がこれまでにもまして区政の方向性を左右していく可能性が生まれている。わが党は、区民のみなさんの世論・運動と結んで、要求の実現と、清潔で公正、くらし優先、区民本位の区政めざし、議会内外でいっそう奮闘する決意である。
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