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2003年第一回新宿区議会定例会の終了にあたって(2003年3月27日)

2003年3月27日  日本共産党新宿区議会議員団

 第1回新宿区議会定例会は、2月21日から3月24日まで開催された。今定例会は、昨年11月に就任した中山区長が「後期基本計画」「第三次実施計画」「行財政改革計画」など区政運営の基本方針を策定し、初めての年間予算案を提案したもとで、また、4月にひかえた区議選を目前に、各党が区民の要求と区政の果たすべき役割についてどのような態度をとるのかが大きく問われた議会であった。

一、区民の負担増をやめ、くらしを応援する区政への転換を求める

 中山区長は、区議会初日に述べた「区政の基本方針」で、95年以来、くらし・福祉の施策を次々切り捨て、区民に負担をおしつける「理由」としてきた「財政非常事態宣言」を解除したうえで、「区財政を取り巻く環境は、大変厳しい状況が続く」として、「財政非常事態宣言を超えて更なる区政改革を成し遂げる」と強調した。
 わが党は代表質問などで、実質単年度収支が2000年度から3年連続で黒字となる見こみのもと、かねて要求してきたとおり「財政非常事態宣言」の解除は当然であると指摘したうえで、小泉内閣の悪政で区民生活がかつてなく深刻な実態にあるなか、前区政のような区民への負担のおしつけ、くらし・福祉切り捨ての区政運営をきっぱりやめて、区民のくらしを支援する区政運営に転換することを強く要求した。そして、区長が「更なる区政改革」の内容としている 「『全ての人が参画し、負担し合う公正な社会』の構築に向けた構造改革」なるものが、生活困難に陥っている区民にさらに負担をおしつけることを意味するならば、区民が期待する区政の方向と相反することをきびしく指摘した。
 これに対し区長は、「ご指摘の趣旨が、区民に負担を求めない、事業の見直しも行わないということであるならば、これから進めようとする改革への取り組みとは、その考えを異にする」と答弁し、区民から求められている区政とは相反する方向を示した。
 区長のこの区政運営の方向について、自民党が「前年度に引き続き、この年度も職員定数の削減による人件費削減をはじめ、区政改革プラン、行財政改革計画、その他の事業見直しによる削減を行い……」などと評価。公明党も、「不断の改革は非常時でも正常時でも必要不可欠なことである」などと、事実上、区長のすすめる区民負担増の路線を容認する姿勢を示した。

二、「行財政改革計画」について

 わが党は第4回定例会で、区の仕事の民営化・民間委託化、区施設の統廃合などを大規模にすすめ、さらなる区民の負担を求める「行財政改革計画」案はいったん凍結して、区民の意見を十分に聞いて再検討するよう求めたが、区長は、図書館について「4館体制」という表現をなくして見直すなどごく部分的に変更しただけで、「全体としてご理解いただける」として2月に計画を決定した。
 わが党は、ごく一部の区民しか参加していない「区長を囲む会」でさえ、ことぶき館の廃止の見直し、北山伏、薬王寺保育園の廃園の再検討、学校給食民間委託反対など不安や反対の声が多数出されており、とても区民が理解したとはいえないこと、また、「行財政改革計画」の「施設の方針」で「区民の方々と議論しながら、今後も見直しの検討を進めます」と述べていることを指摘し、今後も区民・利用者に対し説明や協議の場をくり返しもち、区民の理解がえられなければ方針を変更するよう要求した。
 図書館について、教育委員会は、図書館運営協議会の公募委員を2名から4名にし、会議開催数も増やし、その他の区民の声を聞く機会も様々な方法で検討すると答弁した。また、児童館の再編計画について、区は、子育て支援にかかわる様々な区民・関係機関と意見交換すると答弁した。これらは、この間の区民世論とわが党の要求が反映されたものであり、「行財政改革計画」の内容については、ひき続き、積極的に区民の意見・世論を区に集中していくことが重要となっている。

三、国保料大幅値上げについて

 区長は今定例会に、国保料およびこれと一体に徴収する40歳以上65歳未満の介護保険料の引き上げを提案した。その内容は、たとえば夫婦と子ども2人の年収500万円の世帯で、年間、国保料が1万4120円、介護保険料が3544円、合計1万7664円もの大幅負担増となるものである。小泉内閣の悪政で生活状態の悪化が進行し、現在でも払いたくても払えない世帯が急増しているもと、とうてい容認できないものであり、区民からも引き上げ中止を求める2000人の陳情が区議会に寄せられた。わが党は、区議会開会前に、区長に議案を撤回するよう申し入れ、代表質問や委員会の質疑でも、値上げをやめるようくり返し要求したが、区長はこれに応じなかった。
 この値上げ案に対して、わが党と「社会」を除くすべての会派は、区民生活の深刻な実態に目を向けたまともな議論もすることなく賛成し、区民からの陳情には反対して不採択とした。

四、区民の緊急切実な願いの実現を求めた日本共産党の4つの条例提案

 わが党は、今定例会に、がん検診・成人健診の無料制度復活、重度要介護高齢者手当(高齢者福祉手当の継続・拡充)、介護保険利用料(低所得者のホームヘルプサービス)の軽減の3つの条例案と障害者支援費制度導入に便乗したショートステイなど区独自の制度の有料化をやめさせるための条例修正案を提案した。区民の健康と介護に重要な役割を果たしてきたがん検診・成人健診の有料化と高齢者福祉手当の廃止は、自民、公明、民主などが賛成して決められ、障害者の区独自の制度の有料化とあわせて、いずれも2003年度から区民に新たな犠牲を強いるものであり、この条例案提出は区民の強い願いにこたえるものであった。
 わが党は、各会派に賛同を求めたが、重度要介護高齢者手当についてはすべての会派の反対で、他の3条例案については「社会」を除く会派の反対で否決された。

五、区長が提案した2003年度予算案と日本共産党が提案した予算修正案について

 区長が提案した2003年度予算案については、PTA関係者などの長年の要望であった普通教室の冷房化について、中学校3年生等の普通教室についてのみという不十分さはあるものの予算に計上、保育園の待機児解消に逆行して、今年度かぎりで廃園の予定となっていた、低年齢児を対象とした新宿第一保育園を存続させるなど、区民の世論と運動による成果として評価できる面もあるが、国民健康保険料の大幅値上げやがん検診・成人健診の有料化、高齢者福祉手当の廃止など、区民にいっそう負担を強いる予算案となっており、わが党は反対した。
 わが党は、3年連続して実質単年度収支で合計50億円近くの黒字が見こまれる今日、深刻さを増す区民生活を支援する施策の実施こそ大切との立場から、予算修正案を提出した。 
 その内容は、総額にして3億5000万円で、前年度くりこし金を財源に、前述のがん検診・成人健診の無料化の継続(2366万円)、重度要介護高齢者手当(2億7355万円)、介護保険利用料の軽減(7152万円)と区立幼稚園・小中学校の全普通教室の冷房化(1億1408万円)を実施するものである。しかも、学校冷房化は、リース方式にすることにより、区長が提案した1億3500万円で中学校3年生等の普通教室を冷房化する予算案より安い予算で幼稚園と小中学校のすべての普通教室を冷房化するものである。
 この予算修正案は、他の会派の賛成がえられず、否決された。

六、ワンルームマンション規制条例、建築計画早期周知実現へ

 区長はわが党の質問に対し、ワンルームマンションの建築、管理についての基準を設ける条例の制定と、建築計画の早期周知の義務づけなどについて建築紛争予防条例の施行規則改正による実施を約束した。ワンルームマンションの条例は、わが党が第4回定例会の代表質問で要求したもの、建築計画の早期周知は、昨年の第3回定例会でわが党が条例案を準備して、他会派の議員にもよびかけて区に実現を申し入れるとともに、議会質問でも要求してきたものである。区民要求実現へむけた重要な前進である。

七、アメリカによるイラクへの軍事攻撃反対について

 今定例会開催中の3月20日、アメリカ・ブッシュ政権は、世界中の反対世論と多数の国々の平和解決への努力をふみにじって、イラクへの軍事攻撃を開始した。
 わが党は、攻撃が開始される前、本会議の代表質問、予算特別委員会の質疑で、区長に対し再三、軍事攻撃反対の立場を表明するよう求めた。区長は、「国会で展開される議論を見守っていく」としつつ、「国連の枠内での平和的解決をのぞむ」と述べるにとどまった。
 その後開始されたブッシュ政権によるイラクへの軍事攻撃は、国連憲章の平和のルールも国連の枠組みも真っ向からふみにじったものである。わが党に答弁した内容からしても、区長はアメリカ政府に対しただちにイラクへの軍事攻撃を中止するよう求めるべきである。

八、意見書・決議について

 今定例会で日本共産党は、「4月からの健康保険の本人3割負担を凍結することを求める意見書」などの議員提出を求めたが、自民、公明などの賛意がえられなかった。
 また、定例会終盤、ブッシュ政権によるイラクの軍事攻撃が開始される情勢のもと、「イラク攻撃の中止を求める決議」案の提出を他会派によびかけたが、自民、公明などが拒否したため、提出するに至らなかった。なお、区民から出された陳情にもとづき、「国連決議に基づかないすべての軍事行動に反対する意見書」が全会一致で可決された。

おわりに

 わが党区議団は、区民のくらし・福祉を守るために、今定例会をふくめ、2000年の第1回定例会以来この4年間連続して、区長の提出した当初予算案に対して、修正案を提出してきた。国や都の悪政が区民に痛みをおしつけるなか、地方自治法が規定する「住民の福祉の増進」という地方自治体本来の責務を果たすことが、いま、新宿区政に強く求められている。わが党は、区民の切実な願いがかなう区政を築くため、今後とも全力をあげて奮闘することを誓うものである。




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