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2003年第二回新宿区議会定例会の終了にあたって(2003年6月24日)

2003年6月24日  日本共産党新宿区議会議員団

 第2回新宿区議会定例会は、6月10日から6月19日まで開催された。

一、切実な区民要求と公約実現めざすとりくみについて

 今議会は、4月27日におこなわれた区議会議員選挙で、定数6減のなか、日本共産党が区議選史上最高の18・96%の得票率を得て9名全員当選を果たし、自民党を抜き、公明党と並んで区議会第一党に躍進して初めての定例議会であった。
 区議選で日本共産党は、区民に痛みをおしつける区政からくらしと福祉を第一にする区政への転換をよびかけ、区民の切実な願いを具体的な公約として示してたたかい、大きな共感を得た。代表質問(松ヶ谷まさお議員)、一般質問(川村のりあき議員、近藤なつ子議員)を初めとして、今定例会で日本共産党は、区議選で示された区民の切実な願いの実現を区長に迫った。

1、区立北山伏・薬王寺保育園の廃園反対、児童館・学童クラブの再編と学童クラブ指導員業務の民間委託問題、全教室へのクーラーの設置、30人学級などについて
 子育て支援・教育の分野は、区立北山伏・薬王寺保育園の存続、児童館・学童クラブの再編と学童クラブ指導員業務の民間委託について区民・利用者の意向を十分に反映させること、小中学校・幼稚園の全教室へのクーラーの設置など、区民・団体からの陳情も提出され、今定例会の焦点の一つとなった。日本共産党は、これらの区民要求とあわせ、今年4月に公設民営で開設された富久町保育園で保護者から出されている改善の要望に区が責任をもって応えること、小学校1年生からの30人学級の実施などを求めた。
 これらについて、区長および教育委員会からはいずれも具体的で前向きな回答は得られなかった。また、学童クラブ指導員業務の民間委託について、保護者から不安や疑問が多数出され、学童保育連絡協議会から拙速な実施をやめることを求める陳情が出されているにもかかわらず、区長が今定例会に民間委託へ移行するための補正予算を提案し、わが党と「社会」を除く会派・議員の賛成で可決されたことは、きわめて遺憾である。
 一方、全教室へのクーラー設置を求める陳情の審査では、区民の世論と運動を反映して、肯定的な発言をする会派が増え、継続審査となった。日本共産党は、これらの願いを実現するために、ひき続き全力をつくすものである。

2、SARS対策、特養ホームの早期建設、落合第二地域センターの建設とことぶき館、清風園、社会教育会館の存続、中央環状新宿線の工事被害・大気汚染対策などについて
 日本共産党は、SARS対策について、(1)保健所の体制強化と区内病院などとのネットワークづくり、(2)学校での対策の強化、(3)相談窓口の周知、(4)旅行業者への対策融資などを要求するとともに、特定感染症病棟をもつ国立国際医療センターについて周辺住民から不安の声が出されているもとで、院内感染や二次感染防止の対策強化と積極的な情報開示を申し入れることを求めた。
 また、特別養護老人ホームについて、公有地や学校跡地なども活用した早期建設と新たな入所調整制度(7月から)にあたって客観性、公平性を確保するための改善、在宅介護サービスの充実などを要求した。さらに、落合第二地域センターの建設にあたって、各年代各層の要望を反映させた施設内容とすること、西落合・上落合ことぶき館、落合社会教育会館、清風園の存続、首都高速中央環状新宿線の工事被害と大気汚染対策、山手通りの整備にともなう自転車駐輪施設の設置などを求めた。

二、有事法制に対する区長の認識について

 定例会開会直前の6月6日、国会で、与党3党と民主党、自由党の賛成により、有事法制関連3法案の成立が強行された。日本共産党は、区民と地方自治体をアメリカのひき起こす戦争に動員する有事3法案の成立とこれから具体化される国民保護法制についての中山区長の認識を質した。
 区長は、有事3法案については「国民の理解も得られているのではないかと認識している」、国民保護法制については「今後、国会において、地方自治法などとの関係を含め、議論されていくものと考えている」などと答弁した。

三、「安全・安心」条例、震災復興条例、補正予算など−−主な議案に対するわが党の態度について

1、「安全・安心」条例について
 区長は、今定例会に、新宿区安全・安心の推進に関する条例を提案した。この条例は、都議会第2回定例会に提案されている条例と同様に、90年代半ばから警察が推進してすでに全国の4割の自治体で制定されている「生活安全条例」の一環であり、「安全・安心」の名のもとに、有事法制と軌を一にして、警察が主導して住民が相互に監視しあう社会をつくりだすことをねらいとし、憲法で保障された基本的人権を侵害する可能性が強い条例である。この条例案に対し、平和と民主主義をおしすすめる新宿連絡会から区議会に廃案を求める陳情が提出され、区内62名の弁護士からは撤回を求めるアピールが発表された。
 日本共産党は、代表質問と災害等対策特別委員会の質疑を通じてこの条例の本質と問題点を明らかにして反対したが、他のすべての会派・議員の賛成で可決された。日本共産党は、今後も、区民のみなさんと協力して、条例の運用において人権やプライバシーの侵害を許さず、真に安全で安心な地域社会の実現のために力をつくすものである。

2、震災復興条例について
 区長は、震災復興本部設置条例と震災後の市街地復興における計画的な整備に関する条例を提案した。日本共産党は、前者の条例案には賛成したが、後者の条例案は、阪神・淡路大震災後の教訓からも、行政がすすめる市街地復興事業に住民が協力させられ、まちづくりへの住民参加と合意の見地が認められないこと、被災市街地復興特別措置法による制限のうえにさらに個人が自分の意思で自宅を建築することを制限する条項が含まれていることから、反対した。なお、他の会派・議員は賛成した。

3、一般会計補正予算などについて
 日本共産党は、8月25日からの住基ネットの本格稼働にともなう住民基本台帳カードの交付と発行手数料を定める条例案について、区民のプライバシー漏洩の危険があるため、反対した。一般会計補正予算については、学童クラブ指導員業務を民間委託へ移行するための予算、住民基本台帳カードの発行手数料の予算、議会選出の監査委員を2名から1名にするための予算が含まれているため、反対した。これらの議案には、わが党と「社会」を除く会派・議員は賛成した。

四、議会選出の監査委員の削減と選任について

 区長は、今定例会冒頭に、定数4名の監査委員のうち、これまで2名であった議会選出の監査委員を1名とし、残り3名を識者から選任することに変更する条例を提案した。
 この提案は、区議会改選後に議会の各会派の間で議長、副議長とあわせて議会選出の監査委員などの配分について話し合っている最中に、突如として区長側から議会側に知らされたものであり、今定例会の質疑のなかで、区長は政策経営会議にもはかることなく独断で決めたことも明らかになった。区政における税金の使われ方などを区民の立場、専門的立場で監査する監査委員の役割の重要性は言うまでもなく、その選出の配分をどうするかは、区民の意思を代表する区議会との十分な協議・検討を経て提案すべき事項である。日本共産党は、この立場から議案の撤回を求め、反対した。議案は、わが党と「社会」「花マルクラブ」以外の賛成によって可決された。
 区長は続いて今定例会最終日に、識者1名、議会選出1名の監査委員の選任を提案した。議会選出の1名は、第4党の「新宿無所属クラブ」所属の議員であった。日本共産党は、識者の選任については賛成したが、議会選出の選任については、区民の負託にもとづく区議会の会派構成を反映した選任でないため、反対した。この選任についても、わが党と「社会」「花マルクラブ」以外の賛成により可決された。
 今回の監査委員選任をめぐる区長と自民、公明、「新宿無所属クラブ」などの態度は、先の臨時議会(5月22日)でこれらの会派が副議長に第三党の自民党からの選出を強行したことと同様、区民の選択によって日本共産党が第一党となったという会派構成の現実を認めない民主主義を無視したものといわざるをえない。

五、建築計画の早期周知の実施について

区は、中高層建築物紛争予防条例の施行規則を改正して、延べ床面積3000u以上でかつ高さ20m以上の建築計画の標識設置期間を、現行の建築確認申請30日前から60日前にする(8月1日から施行)ことを明らかにした。これは、日本共産党が昨年来、議会質問でとりあげるとともに、他会派と共同して要求してきたことが実ったものである。ひき続き、ワンルームマンションに関する条例の制定など、住環境の保全のために努力するものである。

おわりに

 区政をめぐっては、中山区長が今年初めに策定した「第三次実施計画」「行財政改革計画」などの具体化が、今後本格的にすすめられ、その方向がきびしく問われることになる。日本共産党は、区議会第一党におしあげていただいた期待に応えるべく、区民のみなさんとの協力・共同を広げて、切実な願いの実現、くらし・福祉第一の区政の実現めざして、いっそう奮闘する決意である。




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