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都区財政調整「主要5課題」について、日本共産党の23区区議団が合同で東京都に申し入れ(2005年4月7日)


 日本共産党の23区の区議団は4月7日、東京都に対し、都区財政調整の都と区の配分をめぐる「主要5課題」についての申し入れを合同でおこないました。新宿区議団からは、田中のりひで区議が参加しました。

■「主要5課題」の協議の行方は、区財政と住民のくらしに直結

 都区財政調整交付金は、年間約8000億円に及び、23区にとって特別区民税を上回る最大の財源となっており、都と23区との間でおこなわれている「主要5課題」の協議の行方は、区財政と住民のくらしに直結する重要課題になっています。
 主要5課題の協議は、2003年3月に都区間で設置した「大都市事務検討会」「清掃関連経費検討会」「小学校改築等検討会」で協議・検討がすすめられてきましたが、どの課題をめぐっても都区間の意見の隔たりが大きく、膠着した状態が続いています。

■区が自治体本来の責務を果たすために、都は財源保障を

 申し入れでは、都が地方自治法を逸脱した議論をもちこみ、大規模開発の推進のために都区財政調整の財源を強引に確保しようとしていることを批判。区との協議を同法にのっとり誠意をもっておこない、区が「住民の福祉の増進を図る」という自治体本来の責務を果たすための財源保障をするよう求めました。
 応対した東京都総務局の島博文都区制度改革担当部長は、「都は真摯に検討してきた」などと述べましたが、参加者からの質問にはまともに答えられませんでした。

都区財政調整「主要5課題」とは

 東京都と特別区は、地方自治法に基づいて、本来、市町村税である固定資産税などを都区間で配分することになっていおり、これを「都区財政調整制度」といいます。
 現在の配分割合は、区が52%、都が48%ですが、これは暫定的なものです。2005年度中に都区の役割分担を明確にし、配分割合を確定するための協議が続けられていますが、意見の隔たりが大きく、難航しています。
 清掃関連経費の取り扱いや小・中学校の改築のための必要経費を同制度で充当することなど、5項目の検討課題が「主要5課題」と呼ばれるものです。


都区財政調整「主要5課題」に関する申し入れ

 東京都知事 石原慎太郎 殿

2005年4月7日
日本共産党東京23区各区議会議員団

 都区財政調整交付金は、2003年度決算で特別区の歳入の28.4%を占め、特別区民税の26.1%を上回り、特別区にとって最も大きな財源となっている。都区財政調整制度にもとづく財源配分がどうなるかは、都と特別区の行政のあり方および住民の暮らしに直結する重要な問題である。
 この間題に係わり、これまで5項目の課題(主要5課題)について都区間で協議がすすめられてきたが、そのとりまとめをおこなわなければならない年度を迎えた。
 主要5課題の協議は、2003年3月に都区間で設置された「大都市事務検討会」、「清掃関連経費検討会」、「小中学校改築等検討会」で協議・検討がすすめられてきたが、どの課題をめぐっても都区間の意見の隔たりが大きく、膠着した状態が続いている。
 議論が進展しない要因は何か。端的に言って、都が、この間の都区制度改革の経緯や改正された地方自治法の精神を逸脱した議論をもちこんでいるために他ならない。
 主要5課題のなかでも基本となるべき課題は、特別区の区域における都区の役割分担とそれにもとづく事務および財源配分の明確化である。
 この点で、地方自治法の規定は明解である。同法は、特別区を基礎的自治体と位置付けるとともに、特別区の区域における都と区の役割分担の原則を定め、都は特別区の区域において、市町村事務(=「大都市事務」)のうち、「行政の一体性及び統一性の確保の観点から、・・・都が一体的に処理することが必要であると認められる事務」のみを処理し、それ以外の事務は特別区が処理すること、そして、この原則にもとづく事務配分に応じて調整三税を配分すべきことを規定しているのである。
 したがって、都が都区協議でおこなうべきことは、地方自治法第2条に規定された市町村事務のうち、都が一体的に処理することが必要と認められる事務を厳密に峻別し、その所要財源を明示することである。
 ところが都は、こうした法のもとめる観点からの真摯な検討をおこなうことをせず、議論をすり替え、大都市・東京の膨大な行政を都と区がどう担うのかといった「大都市行政」論を強引に持ち込み、協議を難航させているのである。
 「大都市行政」論は、住民要求をどう実現させるのかという立場からのものではない。この議論は、昨年5月の第5回大都市事務検討会で都から持ち出されたものだが、同じ時期に都が発表した「地方分権に関する東京都の基本的見解」では、「大都市は、世界を相手に国際競争の最前線で勝ち抜くことで、日本経済を牽引していく存在である」との論が展開されている。財務局が7月に発行した「今後の地方財政を考える」と題する冊子にも、「大都市に特有の財政需要」という項目が書き込まれた。これらの考えの大もとには、東京を、「激化する世界の都市間競争に勝ち抜き、日本経済を牽引する国際都市」にするため、「都市再生」と称する大型開発路線を推進する石原都政の基本戦略がある。
 「住民の福祉の増進を図る」という地方自治体の責務に立脚せず、大規模開発に偏重して都財政を注ぎ込みながら、この戦略のための財源として、府県財源だけではなく特別区の区域における市町村財源をさらに動員しようする都の姿勢は都民の願いに反するものと言わなければならない。
 主要5課題の協議が地方自治法の規定と都区制度改革の精神にもとづきすすめられ、都区の事務と財源の配分が適切におこなわれることによって、都区それぞれが住民の要求と期待に応える自治体運営をおこなうことが強く求められている。
 以上の立場から、主要5課題の協議について、下記の通り申し入れるものである。

  1. 都区の役割分担にもとづく事務・財源の配分について
     前記の通り、都が明示すべきは、特別区の区域において都が処理する必要がある限定的な市町村事務の内容と所要財源額である。「大都市行政」論と、それにもとづいて1月の「大都市事務検討会」に提示した都の資料は撤回し、区側との協議を法の規定に則り誠意をもっておこなうこと。
  2. 清掃関連経費の取扱いについて
     都区財源配分に反映されなかった清掃関連経費(いわゆる4経費)については、2000年2月の都区協議会での確認のとおり、区の財源配分に反映させることを基本に協議すべきである。その際、4経費を含む清掃事業経費について、今後の見通しもふまえた需要算定がおこなわれるべきは当然である。4経費は今後縮減していくことが確実で、財源として都に留保された745億円をこれからも財調外で都に残す合理的根拠はない。
  3. 小中学校の改築需要急増への対応について
     義務教育施設である小中学校の改修・改築は基礎自治体の最も基本的な責務のひとつであり、最優先に財源保障が図られるべき事業である。大規模震災が国内外で相次ぐなか、耐震補強などの改修とともに、老朽化がすすんだ校舎の改築は避けることができない課題となっている。現行の仕組み(需要算定)では間近に迫っている改築計画の急増に対応する財源が確保できないことは明らかである。都区共同による実態調査もふまえ、府県としての役割をはたすとともに、都区財政調整制度においても、安全で快適な教育条件整備の財源を十分に保障する立場で協議すること。
  4. 都市計画交付金のあり方について
     都市計画交付金については、「都区双方の実施状況に見合った配分がおこなわれるよう検討する課題とする」とした都区協議会の確認および1986年2月19日の都区合意(「都区制度改革の基本的方向」)、さらに地方自治法改正の際の国会質疑からも、この交付金の性格が財務局の冊子が言うような「任意的補助金」でないことは明白である。特別区の区域から収納される都市計画税は、都区双方の都市計画事業の財源として、応分に配分されるべきものである。都区それぞれの都市計画事業について住民の目線から必要な検証をおこなうことを当然の前提に、特別区住民の暮らしの向上に役立つまちづくり事業に必要な財源が確保される制度となるよう交付対象事業の見直しをはじめ必要な検討をすすめるべきである。
  5. 国と地方の制度改定などにともなう配分割合の変更について
     政府がすすめる「三位一体改革」など行財政および税制の改変が特別区の財政に大きく影響してくる事態があり得る。都区財政調整制度は「特別区の行政の自主的かつ計画的な運営を確保するため」のものであり、そのような場合に都区財政調整が有効に機能しなければならない。こうした状況の変化には、配分割合の変更を含めた対応が必要であり、しかるべき仕組みやルールを整えておくべきである。

以 上




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