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「新宿区議会議員政治倫理条例」が可決されました(2005年6月20日)


 区議会第2回定例会で、区議会議員37名の提案による「新宿区議会議員政治倫理条例」が可決されました(無所属1名は提案にも採決にも加わらず)。
 この条例は、「議会の役割並びに議員及び区民の責務を明確にし、政治倫理を確立するために議員として活動する際に遵守すべき行動基準(政治倫理基準)を定めるとともに、区民が議員の活動について説明を求め、議員に説明を義務付ける審査機関を設けることにより、議会が区民から信頼を得て、清浄で民主的な区政の発展に寄与すること」を目的とするものです。
 昨年4月に、公募された区民のみなさん5名、学識経験者2名、区議会議員7名、区議会事務局2名で構成する「新宿区議会議員政治倫理条例に関する懇談会」がスタート。6カ月におよぶ議論を経て提出された答申書にもとづき、この条例はつくられました。
 条例は、第1章で、目的と、議会の役割、議員の責務、区民の責務を定めています。
 第2章では、区議会議員の政治倫理基準として、不正な影響力の行使の禁止、区の職員等に職務に関して依頼などをした時の記録義務、兼業の報告義務、セクシュアル・ハラスメントなど人権侵害のおそれのある行為の禁止を定めています。
 第3章では、政治倫理の確立のため必要な事項について調査、勧告、建議する政治倫理審査会(学識経験者2名、区民3名、区議会議員3名で構成)の設置について定めています。区民は、議員が不正な影響力の行使の禁止、依頼等をした時の記録義務、兼業の報告義務の規定に違反したり、法令・条例に違反する行為をした疑いがあると認める時は、証明する資料を添えて、議員定数の8分の1以上の議員または100人以上の満20歳以上の区民の連署をもって、議長に審査を請求することができます。また、議員から人権侵害のおそれのある行為を受けた人は誰でも、議長に審査を請求することができます。
 審査会は、議長から審査を求められた時は、審査し、政治倫理確立のために必要と認める措置を議会に勧告することができます。議会は、審査会の報告・勧告を尊重し、当該議員が政治倫理基準に違反したと認められる時は、区民の信頼を回復するために必要な措置を講じなければなりません。
 この条例は、2005年12月1日から施行されます。


新宿区議会議員政治倫理条例

目次
 前文
 第1章 総則(第1条−第4条)
 第2章 政治倫理基準(第5条−第8条)
 第3章 政治倫理審査会(第9条−第16条)
 第4章 補則(第17条)
 附則

 地方分権が進行する中で、新宿区議会は、区民から信頼される議会を目指して、そのあり方を検討し、実際に多くの改革を実行してきた。
 今日、議会が、地方分権と区民参画の流れに対応し、区民からの一層の信頼を得るためには、議員と区民が選挙で成立した負託関係を日常的に履行する仕組みが求められている。すなわち、一方において、議員が明確な基準のもとで誇りをもって区政を担いつつ説明責任を果たし、他方において、区民は、議員を信頼し、必要な場合に議員の活動について説明を求めることができる仕組みを創設することが必要である。
 ここに新宿区議会は、議会の総意をもって、政治倫理条例を発議する。

第1章 総則

(目的)
第1条
 この条例は、議会の役割並びに議員及び区民の責務を明確にし、政治倫理を確立するために議員として活動する際に遵守すべき行動基準(以下「政治倫理基準」という。)を定めるとともに、区民が議員の活動について説明を求め、議員に説明を義務付ける審査機関を設けることにより、議会が区民から信頼を得て、清浄で民主的な区政の発展に寄与することを目的とする。

(議会の役割)
第2条
 議会は、区民の意見及び要望に耳を傾け、区民生活の実情を把握するとともに、区政の共同運営者として政策を提案し、条例、予算等を議決し、並びに区政全般が適正に行われているかを調査し、点検し、及び監視する。
 議会は、区民生活の向上と区の発展を目指すことを使命とし、区民の様々な問題の解決と区の将来を見据えた活動に努める。

(議員の責務)
第3条
 議員は、区民全体の代表として区政にかかわる権能と責務を深く自覚し、政治倫理基準を遵守して活動する。
 議員は、自ら研鎮を積み、資質を高め、及び品位を保ち、その使命達成に努める。
 議員は、自らの公約に掲げた政策の実現に努力するとともに、情報公開の原則に基づき議会及び議員の活動を積極的に区民に明らかにし、その説明責任を果たす。
 議員は、法令及び条例を遵守し、公正な職務執行を妨げるいかなる不当な要求にも屈しない。

(区民の責務)
第4条
 区民は、区民の代表たる議員に信頼を寄せるとともに、議員が誠実に行動し、公約の実現に向けて努力することを期待する。
 区民は、議員に対し、政治倫理基準を逸脱するいかなる行為も求めない。
 区民は、主権者としての自覚と誇りを持って議会を監視し、積極的に議員及び議会を通して区政運営に参画する。
 区民は、区民の代表たる議員の活動及び政治姿勢に注目し、議員が説明責任を果たすことを求める。

第2章 政治倫理基準

(不正な影響力の行使の禁止)
第5条
 議員は、区の職員並びに区が資本金、基本金その他これに準ずるものを出資し、又は拠出している公益法人(以下「出資団体」という。)及び指定管理者の役職員に対し、その権限又は地位を利用することにより、公正な職務執行を妨げ、又は妨げるような働きかけをしてはならない。

(依頼等をしたときの記録義務)
第6条
 議員は、区の職員又は出資団体若しくは指定管理者の役職員に対し、その職務に関し、口頭又は文書により意見を伝え、要望し、又は依頼をしたとき(以下「依頼等をしたとき」という。)は、口頭による場合はその内容を記録した文書(以下「記録文書」という。)を、文書による場合はその文書の写しを、依頼等をした日から10日以内に議長に提出しなければならない。ただし、公開の場等で依頼等をしたとき又は軽易な事項について依頼等をしたときは、この限りでない。
 議長は、前項の規定により提出された記録文書及び文書の写しを、当該記録文書又は当該文書の写しを提出した議員の在任期間中、区民の閲覧に供しなければならない。

(兼業の報告義務)
第7条
 議員は、議員となった時に、自ら事業を営んでいる場合又は次の各号のいずれかに該当する法人その他の団体(出資団体を除く。以下「法人等」という。)の取締役、理事、監査役、監事、顧問若しくはこれらに準ずる職に就いている場合は、議員となった日から1か月以内に、議長に、兼業報告書(以下「報告書」という。)を提出しなければならない。
(1) 主として収益事業を営む法人等
(2) 区の許認可が必要な事業を営む法人等
(3) 区から補助金等を受け、又は受けようとする法人等
 前項の規定は、議員が新たに自ら事業を営むこととなった場合又は新たに法人等の取締役、理事、監査役、監事、顧問若しくはこれらに準ずる職に就くこととなった場合について準用する。この場合において、同項中「議員となった日」とあるのは、「当該事業を営むこととなった日又は当該職に就くこととなった日」と読み替えるものとする。
 議員は、前2項の規定により提出した報告書の内容に変更があったとき又は自ら事業を営むことをやめたとき若しくは法人等の取締役、理事、監査役、監事、顧問若しくはこれらに準ずる職を離職したときは、遅滞なくその旨を記載した届出書を議長に提出しなければならない。
 議長は、第1項及び第2項の規定により提出された報告書(前項の規定により届出書が提出された場合は、当該届出書を含む。)を、当該報告書を提出した議員の在任期間中、区民の閲覧に供しなければならない。
 報告書及び第3項の届出書の様式は、議長が別に定める。

(人権侵害のおそれのある行為の禁止)
第8条
 議員は、その地位を利用して、嫌がらせをし、強制し、又は圧力を掛ける行為、セクシュアル・ハラスメント(他の者が不快に感じる性的な言動をいう。)に当たる行為その他人権侵害のおそれのある行為をしてはならない。

第3章 政治倫理審査会

(政治倫理審査会の設置)
第9条
 議会に、新宿区議会議員政治倫理審査会(以下「審査会」という。)を置く。

(審査会の所掌事務)
第10条
 審査会は、第13条第1項及び第2項の規定による審査の請求があった事案について、議長の求めに応じ審査する。
 前項に定めるもののほか、審査会は、政治倫理の確立のため必要な事項について調査し、その結果を議会に勧告し、又は建議することができる。

(審査会の組織等)
第11条
 審査会は、次に掲げる者につき、議長が委嘱する委員8人をもって組織する。
(1) 学識経験者 2人
(2) 区民 3人
(3) 議員 3人
 審査会の委員は、原則として男女いずれか一方の性が委員総数の4割未満にならないように委嘱するものとする。
 審査会の委員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、同様とする。

(委員の任期)
第12条
 委員の任期は2年とする。ただし、1期に限り再任することができる。
 委員に欠員が生じた場合における後任の委員の任期は、前任者の残任期間とする。

(区民の審査請求権)
第13条
 区民は、議員が第5条(不正な影響力の行使の禁止)、第6条(依頼等をしたときの記録義務)若しくは第7条(兼業の報告義務)の規定に違反し、又は法令若しくは条例に違反する行為をした疑いがあると認めるときは、これを証する資料を添えて、議員定数の8分の1以上の議員又は100人以上の満20歳以上の区民の連署をもって、議長に審査を請求することができる。
 何人も、議員から第8条(人権侵害のおそれのある行為の禁止)の規定に違反する行為を受けたときは、議長に審査を請求することができる。
 議長は、前2項の規定により審査の請求がなされたときは、審査会にその審査を求めなければならない。

(政治倫理の審査、勧告及び公表)
第14条
 審査会は、議長から審査を求められたときは、当該審査の請求の適否及び当該事案の存否について審査を行い、文書で議長に審査結果を報告しなければならない。この場合において、審査会は政治倫理の確立のため必要と認める措置を議会に勧告することができる。
 審査会は、前項の規定による報告を、審査を求められた日から60日以内に行うよう努めなければならない。
 審査会は、第1項の審査を行うため、審査の請求の対象とされた議員(以下「被請求議員」という。)又は関係人に対し、事情聴取等必要な調査をすることができる。
 議長は、審査会から審査結果の報告を受けたときは、審査の請求をした者及び披講求議員に対し、その旨を文書で通知するとともに、その概要を公表しなければならない。

(被請求議員の協力義務及び弁明)
第15条
 被請求議員は、審査会から審査に必要な資料の提出又は審査会への出席を求められた場合は、それに従わなければならない。
 被請求議員は、審査会において口頭又は文書により弁明することができる。
 被請求議員は、審査結果について議長に対し弁明書を提出することができる。
 前項の規定により弁明書が提出された場合は、議長は、前条第4項の規定による公表を、当該弁明書の全部又はその概要と併せて行うものとする。

(議会の措置)
第16条 
議会は、第14条第1項の規定による報告又は勧告を尊重するとともに、当該被請求議員が政治倫理基準に違反したと認められるときは、区民の信頼を回復するために必要な措置を講ずるものとする。

第4章 補則

(委任)
第17条
 この条例の施行に関し必要な事項は、議長が別に定める。

附 則

(施行期日)
 この条例は、平成17年12月1日から施行する。

(経過規定)
 この条例の施行の際、議員が現に自ら事業を営んでいる場合又は法人等の取締役、理事、監査役、監事、顧問若しくはこれらに準ずる職に就いている場合は、この条例の施行の日に、新たに自ら事業を営むこととなり、又は法人等の取締役、理事、監査役、監事、顧問若しくはこれらに準ずる職に就くこととなったとみなして、第7条第2項の規定を準用する。
 審査会の設置に関し必要な行為は、この条例の施行前においても行うことができる。
 第13条の規定は、この条例の施行日前になされた議員の行為については、適用しない。



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