子どもたちに希望ある未来を…
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    2016年第4回定例会 代表質問

    11月29日の本会議で、近藤なつ子議員が以下の項目について代表質問を行いました。

    1.新たな総合計画策定のための基本構想審議会について
    2.公共施設等総合管理計画の素案について

    3.子どもの貧困対策について

    4.介護予防・日常生活支援総合事業について
    5.予防接種について

     正式な会議録ではありませんが、概要をご紹介します。

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    (近藤なつ子議員) 日本共産党区議団の近藤なつ子です。2016年新宿区議会第4回定例会に当たり、会派を代表して区長並びに教育委員会に質問します。
     11月20日、南スーダンPKOに参加する陸上自衛隊第11次派遣隊350人のうち、第1陣となる約130人が青森空港から出発しました。政府は11月15日の閣議決定で、南スーダンPKOに関し戦争法=安保法制に基づく自衛隊初の任務として、「駆け付け警護」と「宿営地共同防護」を付与し、これに基づき稲田防衛相は18日命令を出し、任務遂行のための武器使用を可能としたのです。
     しかし、南スーダンの情勢は、政府自身が決めた自衛隊派兵の前提である停戦合意や中立性など「PKO参加5原則」そのものが崩れているのが現実です。憲法9条を踏みにじり、自衛隊創設以来初めての「殺し、殺される」事態になりかねない閣議決定と今回の命令は撤回こそ必要です。憲法の精神に立った非軍事の人道・民生支援の抜本的強化こそ、今、日本に求められているのではないでしょうか。憲法を蔑ろにする安倍自公政権は直ちに退陣すべきことを申し上げ、以下、質問に入ります。

     最初に、新たな総合計画策定のための基本構想審議会について伺います。
     新たな総合計画の策定にあたって区長は、「新宿区基本計画に盛り込むべき施策のあり方」について基本構想審議会に諮問し、これまでに6回の審議会と4回の起草部会が開催されました。区の最上位の計画ですから、他のどの計画よりも徹底した区民参加と審議を尽くすことが求められます。私は、基本構想審議会の委員として審議会への参加だけでなく、起草部会の傍聴もしてきましたが、残念ながらどちらも「審議を尽くす」という状況とはほど遠いと言わざるを得ません。
     第1に、基本構想審議会の運営についてです。
     私は審議会の初回から、審議時間・回数の保障も含めて十分な議論を尽くすための質問や提案を繰り返し会長に投げかけ改善を求めましたが、聞き入れられませんでした。パブリック・コメントを目前にした第3回起草部会で、次の審議会に提案する「骨子案」の議論が行われた際、委員から「起草部会という名前で出さないでほしい。」などという意見が出るほど議論不足のまま見切り発車され、この異常な事態に私ども区議団は10月26日、区長に審議会と起草部会の運営の改善を申し入れましたが、何の改善も図られず、結果、第6回の審議会は運営を巡って紛糾し「骨子案」の中身の議論ができませんでした。区長は、申し入れを受けて部課長にどのように伝え、何を指示されたのか伺います。
     第6回審議会は、パブコメにかける「骨子案」を取りまとめるとして開かれましたが、これまで出された意見の取り扱いを一覧にした冊子や、パブコメで提案する予定の「骨子案」の冊子等が当日机上に配布された上、延々と説明され、その日に決めてしまおうとしたため、審議会や起草部会についての不満や意見が噴出しました。「起草部会でどんな議論をしてきたのか説明してもらいたい」「出した意見がどう検討されたのか全く分からない」「10年前にも審議会に参加していたが、起草部会では更に多くの時間をとって審議してきた前回とやり方が全く違う。…今回のはまさにアリバイ的だ」「私が関わったという達成感はとても持てない」という運営に対する意見や、「ずっと審議会に参加して来たが、未だに全体のビジョンが理解できない。これで区民に説明してもわからないのでは?」という主旨の発言もあり、根本的な議論が欠如してきたことが露呈しました。最後まで「骨子案」の中身の議論に入れず、審議会としてオーソライズされないまま説明会やパブコメに付されるという前代未聞の事態となりました。区長は、このような事態になっていることをどう思われますか、お答えください。
     第2に、起草部会の役割と運営についてです。
     審議会の説明資料によると、起草部会では、審議会での意見を一件ずつ整理した上で、計画に盛り込むべき施策のあり方について案を作成するとなっています。前半の起草部会では、部会の意義についてとか、全体の構成についての意見など全体のビジョンに関わる議論も行われていましたが、事務局である区はこれらの意見をほとんど採り入れることなく無視してきました。そして、紛糾した第6回審議会後の第4回起草部会では、学識経験者から「起草部会の役割を誤解されている方が多い。…基本的にこういう話は主体が区・事務局であることは、日本では当たり前のことだ。我々が起草するなんて、我々はチェックするだけ。」「起草部会はあくまで整理するところで、意見を取り入れる取り入れないと決める場ではない」などの発言があり、「起草しないのに起草部会という名前が良くない。」という意見まで出ました。これに対し事務局が「あくまで骨子案は事務局が作成しており、それを起草部会の皆さまに確認して頂き、最終的には審議会の委員みなさんで決めていくもの」と答えていたのには驚きました。設置要綱でも起草部会は「答申の案の起草を行うために」設置されたにもかかわらず、実態は要綱に反しているのではありませんか。これでは何のために起草部会を設置したのかわかりません。
     しかも、4回の起草部会は定数7人のうち全員そろったことがないどころか、3回目は事実上3人と半数に達しなかったのです。他の審議会等の部会は設置要綱で「部会は、委員の半数以上の出席がなければ会議を開くことができない」とあるのが普通ですが、基本構想審議会の起草部会には成立要件がありません。その理由を事務局は、「学識経験者の方が多忙であること想定し、定足数というと部会が開かれないで審議が滞るということも思料し、定足数を入れなかった」と言いましたが、とんでもありません。区の最上位計画を起草する部会が半数の出席を得られないことを前提にするということはその程度の位置付けだということですか。審議会の委員も多忙な方が皆さん時間のやりくりをして出席しているのです。審議会の委員に対しても失礼とは思いませんか。そもそも、起草部会の委員選任にあたっては、出席回数等どのような条件で、どのようなことを依頼して委員を引き受けていただいたのか。そして、起草部会の役割を区長はどのようにお考えですか、お答えください。
     第3に、今後の区の対応についてです。
     これから他の2つの計画と一緒に11月25日から12月26日までパブコメと地域説明会が行われます。多数の意見が寄せられることになると思いますが、どう計画に反映させるのか、今後の審議会・起草部会のあり方が問われています。
     今の進め方は、審議会の議論も時間が圧倒的に足りず、充分な議論が保障されていません。それをカバーするための意見カードも、本来は審議会の発言とともに1件ずつ起草部会で整理し、反映されるべきものは盛り込んでいくはずが、実態として起草部会は起草せず、事務局が考え方を示した一覧表を確認するだけで、起草部会で出た意見さえも事務局が可否を決めているのですから、審議会も起草部会も区にとってのヒアリングの場でしかなく、このままでは区が作成した答申を区長に提出する自作自演になりかねません。総合計画は単なる行政計画ではなく区の最上位計画です。自治基本条例の下、一般的な行政計画であっても区民参加が保障されますが、ましてや最上位計画として議会の議決事項でもある総合計画ですから、パブコメ意見も充分に踏まえた上で、審議会・起草部会とも真剣な議論が求められています。それには審議会の回数、時間の拡大について特段の努力をすべきですし、場合によっては答申の提出期限を延期する対応も必要ではないでしょうか。区長が就任されて初めての総合計画ですから、まさにその策定過程を含めて区民は見ています。少なくとも自治が後退した、民主主義が後退した、と言われるようなことがあってはならないと思いますが、区長のご所見を伺います。以上、答弁願います。

    (吉住健一区長)近藤議員のご質問にお答えします。
     新たな総合計画策定のための基本構想審議会についてのお尋ねです。
     はじめに、審議会の運営についてです。
     ご指摘の審議時間の保障などに関する申し入れについては、基本構想審議会の事務局を担当する部課長に伝えています。そして、事務局として、審議会を円滑に運営するよう指示いたしました。11月8日に開催された第6回審議会でお示しした骨子案は、これまでの審議会資料に記述している「めざすまちの姿・状態」「現状と課題」「施策の方向性」などについて、ご意見を踏まえて修正を行い、冊子としてまとめたものです。このため、これまでにご審議いただいた資料を元に、どの部分を修正したのか、また、ご意見の趣旨と合致している部分はどこなのか等が分かるよう、説明を加えた資料を事務局から委員の皆様に事前に送付させていただき、当日の審議会では、この資料を中心に説明を行ったところです。
     委員からのご意見の中には、10年前と進め方が違うなど審議会の運営に関するご意見などがありましたが、骨子案について、意見を踏まえて個別施策を組み替えており丹念な作業をしている、多くの意見を盛り込んだものとしてはかなりの確度でできており、骨子案は現段階のものとして地域説明会で使っていただく、といった趣旨のご意見もいただいており、最終的には地域説明会やパブリック・コメントを行なうことが了承されています。
    また、地域説明会では、まず区のビジョンを説明し、熱意を持ってプレゼンテーションをしないと区民に伝わらない、という趣旨のご意見もいただきました。
     いただいたご意見を真摯に受け止め、区民の皆様にご理解いただけるよう、新宿区のめざすまちの姿や、5つの基本政策など、計画の全体像を明確に示すとともに、どのような施策に取り組んでいくのか、簡潔にポイントを分かりやすく説明してまいります。地域説明会では、活発なご意見を伺えるよう質疑には十分な時間をとり、全体で2時間を予定しています。また、説明会当日以外でも、パブリック・コメントにより広く意見を伺ってまいります。そして、区民の皆様からいただいたご意見を踏まえ、より充実した計画となるよう、審議会の皆様にご議論いただきたいと考えています。
     次に、起草部会の役割と運営についてです。
     起草部会の役割は、基本構想審議会の審議を効率的に行うため、基本構想審議会の会長が特に必要と認めるものについて調査審議し、審議会に意見を述べるものと、新宿区基本構想審議会起草部会要綱で定めています。起草部会の委員は、基本計画に盛り込むべき施策のあり方について、専門的知見に基づき検討を行う必要があることから、学識経験者7名を会長が指名したものです。事務局からは、起草部会の開催について、回数は5回程度、基本構想審議会と同日の開催を予定しており、基本計画に盛り込むべき施策のあり方について、ご意見をいただきたいと説明しています。
     進め方としては、はじめに、人口推計などの基礎資料を参考に、新宿区の将来像について共通認識を持っていただき、そのうえで、審議会での各委員からのご意見を一覧にまとめた資料を元に、計画に盛り込むべき施策の方向性について、どのように意見を反映していくか検討していただくこととしました。起草部会の委員からは、個別施策の組み替えのご提案や、施策の方向性の具体的な加筆修正、区民や事業者などの各主体の役割の記載などについて、ご意見をいただいています。
     また、審議会で各委員からいただいたご意見に関して、事業の内容や手法など具体的なご意見については、個別の事業計画や日々の業務の中で取り入れるべきものは取り入れていくものとし、すぐに取り組むには課題があり十分な検討が必要なご提案については、今後の区政運営の参考にしていくといった整理を行っていただきました。
     起草部会の開催にあたっては、残念ながらご多忙によりご欠席される委員もいらっしゃいましたが、資料を送付してご確認いただくとともに、メールで施策の方向性について具体的にご教示いただくなど、ご対応いただいています。このように、起草部会の委員の皆様からは、学識経験者としての専門的知見に基づいたご意見をいただいていることから、基本構想審議会の審議が効率的に行われるよう、ご尽力いただいています。
     次に、今後の区の対応についてです。
     新たな総合計画の策定にあたっては、今年の2月から5月にかけて、町会・自治会、地区協議会、各種審議会からご意見を伺うとともに、5月にはインターネットアンケート調査、6月には区民討議会を開催することにより、多くの区民の皆様のご意見を反映した計画となるよう、様々な手法によりご意見をいただく機会を設けました。
     現在、町会・自治会などの皆様に対して、骨子案の地域説明会とパブリック・コメントをご案内するとともに、いただいたご意見の傾向などについてもお示ししているところです。今後の予定では、地域説明会とパブリック・コメントで寄せられた区民からのご意見を踏まえ、1月の第7回審議会において、答申案についてご審議いただきます。そして、 2月の第8回審議会において答申をいただくこととしています。答申をまとめていただくための、大詰めの審議となりますので、活発な議論が十分に行われるよう、審議会の円滑な運営に努めてまいります。


    (近藤議員) 次に、公共施設等総合管理計画の素案について質問します。
     新宿区は、公共施設等総合管理計画の素案を示し、議会にも報告されました。施設白書では、区有施設更新費用にかかる不足額を、今後40年間で約523億円と試算しました。これまでの議会答弁で、不足額について区独自に推計せず、総務省ソフトを使用して割り出し、他自治体と比較可能な指標と捉えているとのことでした。今回の素案では、その不足額を今後40年間で不動産の活用で200億円確保し、PFIの導入で20億円の削減効果を生み出し、その上でなお不足する303億円を区有施設の統廃合、複合化、多機能化、機能移転等により、総延床面積の22%、135,202㎡の削減で捻出する目標をたてました。素案で示された523億の不足額自体が実態から乖離しており、その不足額を解消するためのこれらの目標も到底現実的ではなく、区民不在の計画といわざるを得ません。以下、具体的に素案の問題点について質問します。
     第1は、区有施設を民間の儲けの対象としていることです。公共施設は、地方自治法の244条で、「住民福祉を増進する目的をもってその利用に供するための施設(公の施設)を設ける」と謳っています。格差と貧困が広がっている今日、住民福祉のための公共施設の役割はますます大きくなっています。ところが、「新宿は不動産価値が高い。民間で活用すべき」との有識者会議の意見を受け入れ、「施設」から「サービス」へ発想を切り替えるとして、民間に移管・売却し、儲けさせようとするものです。これは、先ほどの地方自治法に規定する行政の役割を投げ捨てるものと考えますがいかがでしょうか。
     第2は、公的不動産の活用についてです。不動産活用の3条件として、第1に敷地面積が3,000㎡以上であること、第2に敷地の接道条件が良好なこと、第3に敷地が不整形でないことが示されました。この3条件で施設を洗い出し、現在の相続税路線価をもとに200億円と算出したとのことです。この3条件に合う施設として、区役所本庁舎、第2分庁舎、新宿ファーストウエストビルの3箇所が想定されています。例えば、新宿ファーストウエストビルの土地信託は、あと7年で終了します。この近くの西新宿1丁目は東京都の基準地価格によると、1㎡当たり1610万円です。新宿ファーストウエストビルは敷地3859㎡ですから、売れと言っているわけではありませんが、仮に売るとすれば、約621億円の価値があります。523億円の財源不足額を大きく上回る額です。この3カ所を40年活用して200億円とは非常に過小評価ではないでしょうか。いったいどの施設を何年間どのように活用するという試算なのでしょうか。お答え下さい。
     第3は、区有施設の総延床面積22%の削減計画についてです。
     この22%は、303億円の削減効果を総務省ソフトを使って算出した今後40年間の更新費用総額2,710億9千万円をベースに総務省の言う通りに計算しただけで、個別施設の使用頻度や計画修繕の度合いなどの状況はいっさい加味されていません。総務省の言いなりで試算した数字を削減目標値にすることはやめるべきではないでしょうか。
     削減計画の前提となっている人口については、納税者人口が減少するということばかり強調され、昼間人口約75万人は全く反映されていません。スポーツ施設、図書館等は、区民だけでなく在勤、在学の方なども多く利用しています。現に利用者アンケートの回答者のうち居住地域を回答している2,484人中397人、約16%が区外の利用者です。新宿区基本構想では、在勤、在学者も区民と規定しています。区外の利用者も考慮して公共施設のあり方を検討すべきです。いかがでしょうか。
     第4に、受益者負担の適正化についてです。
     今回の素案では、第1に、現在は受益者負担の対象となるコストに減価償却費を算入していないが、将来的に参入することを検討、第2に、有料化が可能な施設への利用料金の導入、第3に、導入済み施設の料金改定の検討が提案されています。そもそも減価償却費とは公営企業や民間企業の会計上の概念であり、行政財産にその経費を算入することはふさわしくありません。減価償却費を算入すれば値上げにつながり、所得の低い人たちの利用を妨げることになります。また、有料化や利用料の値上げをすれば、すでに他区と比べても高い利用料がさらに値上げされ、利用者は減っていきます。利用者が減って施設の廃止、統廃合にもつながりかねません。これでは地方自治体の目的である福祉の向上に逆行することになります。減価償却費の算入及び使用料等の有料化や値上げは止めるべきと考えますがいかがでしょうか。
     第5に、計画のすすめ方についてです。
     有識者会議で企画政策課長は、「私は課長級会議の冒頭で『自分たちの施設が利用者が多いから難しいという話はやめてほしい』との区長の言葉を示し、いままでの権益を守るところから脱却できる方向になってきた」と発言しました。これでは、所管に実情も聞かず、区民の声にも耳を傾けず削減計画を強行するという姿勢ではないでしょうか。自治基本条例では、「区は、区民が主役の自治の実現を図る」と謳っています。公共施設は、区民との共有財産です。削減ありきのトップダウン的なやり方は、自治基本条例をないがしろにするものであり、区民を主役にした充分な話し合いこそ大前提とすべきです。いかがでしょうか。以上お答えください。

    (吉住区長)公共施設等総合管理計画の素案についてのお尋ねです。
     初めに、公共施設の役割と「施設」から「サービス」へ発想を切り替えることについてです。
     区有施設は、社会的要請や行政ニーズに対応して設置され、また、必要に応じて、統廃合などが行われてきました。現在、区の人口は増加傾向にありますが、2035年以降減少に転じ、年齢構成の変化や外国人を含めた転出入の動き等、今後人口動態が大きく変化することが見込まれます。将来必要となる公共サービスの質、量は大きく変化する可能性がある中で、現在の区民ニーズだけに合わせて施設を再編した場合、次世代のニーズに対応できない施設を残すことにもなりかねません。
     区民にとって必要なのは、「施設」ではなく「サービス」です。福祉、教育、文化など公共サービスはすべて重要ですが、必ずしも、区が施設を保有しなければならない、あるいは身近になければ公共サービスが実現できないということではありません。これからは公共施設の固定的な負担を減らしながら、区民に必要な公共サービスを維持・向上させていくことが大切です。今後、老朽化に伴う大規模な改修や建替え時には、必要なサービスや機能は維持しながら、類似機能を集約化して多機能化を図るとともに、区の高いポテンシャルを活かし公的不動産活用や民間サービスとの連携強化を進め、施設にかかるトータルコストの削減やサービスの質の向上を図ってまいります。
     次に、公的不動産の活用についてのお尋ねです。
     はじめに、3施設を40年活用して200億円という収入額は過小評価ではないかとのお尋ねです。
     素案の200億円という目標数値は、公的不動産を貸し付けるなど、区が所有権を有しながら活用することを前提として試算したものです。お尋ねの施設のうち、第一分庁舎を含む本庁舎、第二分庁舎については、平成28年分財産評価基準路線価を基に必要な補正を行い、敷地面積、貸付料率を乗じて年間収入額を試算しました。新宿ファーストウエストのある淀橋第二小学校跡地については、平成35年6月30日で土地信託契約が終了しますが、その後も一定期間活用するものとして、現在の土地信託配当金収入や建物の経過年数に伴う維持修繕費の増加等を考慮し、年間収入額を試算しました。これらの施設を活用した場合の年間収入額を、それぞれ4億円から5億円程度として試算したものです。
     次に、どの施設を何年間どのように活用するという試算なのかとのお尋ねです。
     活用対象として想定した3つの施設のうち2つの施設の貸し付け等を想定し、40年の間で200億円の収入を得られるものと試算しました。
     次に、区有施設全体の総延床面積に関する目標についてのお尋ねです。
     計画素案では、今後40年間における将来予算不足額約523億円に対して、区の高いポテンシャルを活かし公的不動産活用及びPPP/PFIの導入により220億円のトータルコストの削減を図った上で、なお不足する303億円を解消するための区有施設全体の延床面積削減目標を設定しています。削減目標は、1㎡当たりの施設更新費用をすべての施設が同じ単価と仮定し、不足額に相当する費用の効果を生み出す面積として算出したものです。到達目標は本計画の実効性を確保する上で重要な1つの指標として位置付けており、区は、公共施設の固定的な負担を減らす視点から公的不動産の活用等によるトータルコストの削減だけでなく、統廃合や複合化、多機能化等により施設総量の削減を図り目標達成に向けて取り組んでいきます。
     次に、区民以外の利用者も考慮して公共施設のあり方を検討すべきとのお尋ねです。
     公共施設は区民だけでなく区民以外の方にも利用される場合も多く、施設がまちづくりや地域活性化につながる要素にもなっています。しかし、施設建設や維持管理に投じる主な資金は区民の皆様からお預かりした税金です。施設を利用する人も、利用しない人もいる中で、施設の必要性や数、規模が適正であることは、税の使い道としての観点からも大切なことであり、個別施設の検討にあたっては行政需要、地域需要、財政状況等により総合的に判断してまいります。
     次に、受益者負担の適正化についてのお尋ねです。
     区では、平成11年9月に策定した「受益者負担の適正化についての最終報告」の考え方にのっとり、区の提供する行政サービスにおける受益と負担の公平性確保の原則に基づき、施設の使用料・利用料金を設定しています。「受益者負担の適正化についての最終報告」では、将来的に減価償却費を算定基礎に加えることとしています。また、現在は無料としている施設についても本来は使用料等を負担すべき象限としている施設もあります。
    区民の皆様にご負担いただく使用料等の考え方は象限により、ゼロ、50%、100%としていますが、行政サービスに係る経費に満たない分は税で賄うこととなり、施設利用の有無にかかわらず、区民全体に負担が及ぶこととなります。使用料等を適切に見直すことにより受益と負担の公平性を確保する必要があります。
     今後も、受益者負担の適正化を図るため、原則として3年ごとに施設維持管理経費の調査を実施し、減価償却費の算入や使用料等の有料化、改定などについて検討してまいります。
     次に、計画の進め方についてのお尋ねです。
     今年度策定する公共施設等総合管理計画は、区有施設等の総合的かつ計画的な管理に関する基本的な方針を定めるものです。策定にあたっては、区民との情報共有や合意形成を行いながら進めることが重要です。区では、施設白書で明らかになった区有施設にかかる現状と課題を区民の方と共有するため、公共施設フォーラムを開催しました。また、区政モニター第1回会議でモニターの皆様からご意見をいただいたほか、新総合計画策定のための区民討議会のテーマの1つとして設定しご意見をいただきました。昨年度、区は、計画策定の参考とするため、区民意識調査の中で、区有施設のあり方に関する意識を調査したところですが、今年度は、区有施設の利用者を対象としたアンケート調査を実施しています。また、現在、パブリック・コメントで幅広く区民意見を募っているほか、来月には区内10か所で地域説明会を開催し地域の方と意見交換を行った上で、今年度末に計画を策定してまいります。


    (近藤議員) 次に、子どもの貧困対策についてです。
     第一に、ひとり親家庭の支援についてです。
     「新宿区ひとり親家庭等アンケート調査」以下、アンケートと言います、が実施されました。今回の調査は、児童扶養手当を受給している方が対象で958件50.4%回収されました。区長は、アンケートの結果を見てどう受け止め、今後どう生かされようとしているのか、まずお聞かせください。
     アンケートの困りごと第1位は、「生活費」で51.6%でした。児童扶養手当等を含めた世帯年収は、100万円から150万円未満が最も多く14.1%、300万円未満の世帯が8割にもなります。3歳未満のお子さんが一人の家庭では、月額にして児童扶養手当4万2330円、児童育成手当1万3500円、児童手当1万5000円、計7万830円、年間約85万円ですから、手当が世帯収入の多くを占めていることがうかがえます。「受給停止となったが、手取り18万円ではギリギリ」「18歳で打ち切られると、これからお金がもっとかかるのに大変」等の声も多数出されています。そこで区長に伺います。国と東京都に対し、まず手当の増額と所得制限の緩和、支給年齢の延長を求めるべきと考えますが、いかがでしょうか。また区として、国や都が実施するまでの間、増額や対象拡大をすべきですし、少なくとも支給方法の改善はできるはずです。児童扶養手当、児童育成手当については国と都からの予算措置で原資は確保されているのですから、区として支給方法を4カ月ごとの支給から毎月支給に改善すべきと考えますが、いかがでしょうか。ご所見をお聞かせください。
     安定した収入を確保するには、資格を取ることも重要です。アンケートでは、現在の仕事を「続けたい」方が67.0%の一方、「転職したい」方が29.1%にのぼり、その理由は「収入がよくない」が53.8%と圧倒的でした。新宿区では、自立支援給付事業として受講費用の助成や国家資格取得の際の経済的支援をしていますが、「利用したことがない」という86.8%の方のうち、「利用したいが(時間的・経済的)余裕がない」が37.0%をしめ、「知らなかった」という方も18.0%に上ります。自由意見欄では「この支給額では暮らせない」との声もありました。確かにこの制度は、指定講座の受講費用の6割を後払いするという制度ですので、生活費をどうするのかという問題があります。訓練を受けている間の生活費の支援をする高等職業訓練促進給付金がありますが、実際どうでしょう。児童扶養手当を受給していることが条件ですから、満額もらっている190万円以下の年収では月収は多くとも15万円強、給付金は非課税で月10万円となります。手当とあわせても約25万円、仕事をしていなければ約17万円で家賃光熱費をやりくりし、高額な学費も先に工面しなければなりません。そこで伺います。ひとり親家庭の経済的自立を支援するため、両制度の周知と区独自で高等職業訓練促進給付金を増額することや修業年限を3年から4年にすべきと考えますが、ご所見を伺います。
    次に、住居の問題です。アンケートで困りごと第2位は、「住まい」の24.7%でした。5月の「ひとり親世帯向け区営住宅」の募集は、最高28倍の応募と高倍率でした。
     ひとり親家庭の住宅問題解決のため、私たちは、決算特別委員会で特定住宅について取り上げました。特定住宅は、設置から20年が経過した区民住宅を、引き続き15年の期間に限り提供しているもので、一定基準以上の所得があり、中学生までの子どもと同居している子育てファミリー世帯向住宅です。家賃が高いため入居者が集まらず随時募集をしていますが、空き室が増え、昨年度決算では空き室16戸で区は月260万円の支出をし、年間3千万円が区の持ち出しとなっています。現況は29戸、月約460万円の支出に増えています。アンケートでは「家賃の負担が大きい。都営、区営、区の家賃補助など外れ続け、貯金もなくなり、このままでは生活できない。来年から上の子の養育費もなくなる」という声があるように、高額な家賃、借りられる物件は限られるなど、心を痛めている様子が切々と伝わってきます。空き室が増えている特定住宅については、少しでも借りやすい家賃設定に見直し、ひとり親家庭支援に活用すべきと考えますが、いかがでしょうか、ご所見を伺います。
     以上のような制度につなぐためにも、相談窓口の充実が不可欠です。アンケートでは、相談に対する要望として「土日・祝日の利用」が33.1%、「一カ所で相談できる」が16.5%、「夜間の相談利用」が14.6%でした。ひとり親家庭の方は、多忙で、相談の時間が限られています。自由意見欄には、メール相談の要望も出されています。ワンストップで土日・夜間・祝日の閉庁時も対応する(仮称)ひとり親相談窓口を開設し、専門機関との連携はもちろん、解決まで見届ける体制をつくると同時に、アクセスの一助としてメール相談の受付を開始してはいかがでしょうか、ご所見をお伺います。
     第二に、スクールソーシャルワーカーについてです。
     スクールソーシャルワーカー、以下SSWと言います、の配置状況について、23区調査をしてみたところ、ほとんどの区が子どもや家庭にアウトリーチすることを基本とする運用がされており、関係機関のコーディネートを基本としているのは新宿区と荒川区の2区だけでした。私どもは、区の取り組みを評価しつつも、一人でも多くのお子さんと家庭の困難を解決したいと考え、アウトリーチ強化のため人員増をすべきと提案してきました。教育委員会は、他区の事例をどのように調査・検討されたのか、お聞かせください。
     杉並区は、2006年にSSWを導入しました。2名から始まり現在8名で、家庭訪問を基本としています。HPには「スクールソーシャルワーカーのご案内」とあり、誰でもSSWに直接連絡が取れます。家庭や学校からの要望に応じ、子どもに直接対応し、家庭訪問を行い、「頼れる大人」として、具体的支援を進めています。各機関からの情報収集と連携を行い、ケース会議で対応方針を決めソーシャルワークを行い、効果を確認するまで支援を継続します。ソーシャルワークには社会資源の開拓が大事と、SSW自らがボランティア団体などに出向き、啓発を行い、社会資源を連携させ、「歩く相談窓口」を理想として活動しています。国の「子どもの貧困対策大綱」には、伴走型の支援が提起され、より個人に寄り添った支援が求められています。子どもの貧困対策部を置く足立区では、学校訪問回数、家庭訪問回数を指標に掲げ取り組んでいます。新宿区のSSWもアウトリーチで取り組み、訪問目標を掲げ、年次計画を持って増員すべきと考えますが、いかがでしょうか。せめて、需要の多い地域にモデル地区を設定しアウトリーチの拡大に取り組んではいかがでしょうか、教育委員会のご所見をお聞かせください。

    (吉住区長) 子どもの貧困対策についてのお尋ねです。
     はじめに、ひとり親家庭の支援についてです。
     「新宿区ひとり親家庭等アンケート調査」は、新宿区のひとり親家庭等におけるニーズや課題を把握し、ひとり親家庭等への支援策の充実を図るための参考とするため、実施しました。児童扶養手当の現況届の対象となった半数以上の方に、ご協力をいただき、また、自由記載欄にたくさんの意見を寄せていただいたことは、区にとりまして、貴重なものと受け止めています。今後は、この調査結果を参考に、ニーズや課題を踏まえた、ひとり親家庭等への支援策を実施してまいります。
     次に、国や東京都に対し、児童扶養手当と児童育成手当の増額と所得制限の緩和、支給年齢の延長を求めるべきとのお尋ねです。
     児童扶養手当法の一部を改正する法律可決の際になされた附帯決議で、「児童扶養手当の加算額を含む支給額について引き続き、その在り方について検討する」とされています。
    本年度は、5年に1度の「全国ひとり親世帯等調査」が実施されており、こうした調査も踏まえ、国において検討がなされると認識していますが、今後、機会をとらえて、都市部の状況を踏まえた手当の増額等について国に要望していきたいと考えております。また、東京都の児童育成手当は、都が独自の支援として、国に上乗せして実施しているものです。
    ひとり親家庭の経済的支援については、本来、国が実施すべきであると考えており、増額や所得制限の緩和、支給年齢の延長について、東京都へ要望することは予定していません。
     次に、区として、国や都が実施するまでの間、増額や対象拡大をすべきとのお尋ねです。
     区が増額や対象拡大をすることは考えておりませんが、新宿就職サポートナビを活用した就労支援などにより、世帯の収入増が図られるよう、努めてまいります。
     次に、区として支給方法を4か月ごとの支給から、毎月支給に改善すべきとのお尋ねです。
     児童扶養手当法の一部を改正する法律可決の際になされた附帯決議のとおり、現在、国が、地方公共団体における手当の支給実務の負担等を含めた状況調査を実施しています。区においては、手当の支給実務にかかる負担が大きいことから、人件費を含めた相応の経費について国に実態を伝え、それを踏まえたうえで、支給月の検討をするよう要望しています。また、東京都の児童育成手当は、先に述べましたとおり、国に上乗せした独自の制度であり、手当の支給実務にかかる負担が大きいことから、支給月を毎月にすることは考えておりません。
     次に、自立支援給付事業についてのお尋ねです。
     まず、自立支援教育訓練給付金と高等職業訓練促進給付金の周知については、広報しんじゅくや区のホームページに掲載するとともに、窓口でチラシ配布をしていますが、特に、就労相談の中で、具体に紹介をしているところです。今後も、こうした周知により、両制度が活用されるように働きかけていきたいと考えています。
     次に、区独自の給付金の増額と高等職業訓練促進給付金の修業年限の延長についてです。
     就労相談においては、区独自の給付金の増額や高等職業訓練促進給付金の修業年限の延長より、自立支援教育訓練給付金の対象となる講座の種類についての要望が多くあります。たとえば、現在対象とされている修業年限の長い、高度な資格取得をめざすものに加え、短期間で資格が取得できる初心者向けの講座の要望が寄せられています。このため、こうした講座を対象としてもらえるよう、機会をとらえて国へ要望してまいります。
     次に、特定住宅のひとり親家庭支援への活用についてのお尋ねです。
     特定住宅は、多くの子育てファミリー世帯の入居機会を増やすため、新たに入居する世帯については定期借家制度を導入するとともに、市場家賃の8割相当を使用料として設定しているところです。空き室解消のため、定期募集で応募がなかった空き室は随時募集とするとともに、12月からは区内不動産団体と協定を結び、入居者募集に民間のノウハウを活用してまいります。今後も、他区の例などを参考にしながら、特定住宅の空き室解消に取組み、子育て世帯への住宅施策を推進してまいります。したがって、現時点では、特定住宅の家賃設定の見直しについては考えていませんが、ひとり親家庭の方々に対しては、新たに住まいを確保する際の助成として、住み替え居住継続支援や家賃等債務保証料助成を実施し、居住の安定確保に取り組んでいます。
     次に、相談窓口の充実についてです。
     現在、ひとり親家庭の相談窓口では、手当や医療費助成などの手続のほか、母子・父子自立支援員や自立支援プログラム策定員、家庭相談員がそれぞれの専門知識を生かすとともに、専門機関と連携し、解決まで支援する体制を整えています。専門機関との連携のため、閉庁時の対応はむずかしいと認識しており、また、個々の事情をお聞きして、きめ細かく支援していくためには、メールでの相談も困難と考えておりますが、現行の相談員のスキルアップや各専門機関との連携強化等により、ひとり親家庭の相談対応の充実を図ってまいります。
    (酒井敏男教育長) 教育委員会へのご質問にお答えします。
     スクールソーシャルワーカーについてのお尋ねです。
     教育委員会に設置している学校問題支援室では、4区のスクールソーシャルワーカーの運用状況等について、調査を行っています。4区のうち3区は、本区と同様に校内体制構築の支援や関係機関との連絡調整を基本とした運用をしているとの回答でした。いずれも、学校等から要請があった場合や教育委員会が必要と判断した場合には家庭訪問等の個別対応を行っていました。
     こうした調査状況も踏まえ、家庭訪問等の直接支援について検討してきましたが、家庭環境などの事情が複雑・多様化する中で、個々の事例に適切に対応するには、スクールソーシャルワーカーが訪問をするよりも、既存の仕組みを最大限に生かし、それぞれの専門家が連携をしながら関わることが有効な対応策であると考えています。また、現在、家庭への支援が必要と判断される場合には、速やかにサポート会議を開催し、不登校児童・生徒の多い5校に配置した11名の「家庭と子供の支援員」が子どもの相談相手になるほか、子ども家庭支援センターのワーカーによる家庭訪問を依頼しています。昨年度の事例として、不登校生徒に関するサポート会議において、スクールソーシャルワーカーが関係機関と対応方針の確認や役割分担等を行い、学校及び関係機関による定期的な家庭訪問や対応などを実施しました。その結果、登校が可能となり、進路の決定や家庭状況の改善につながりました。こうしたことから、アウトリーチの拡大に向けたモデル地区の設定について、実施の予定はありませんが、今後も、スクールソーシャルワーカーが、関係諸機関と学校とをつなぎコーディネートをしながら、オール新宿として、組織的に子どもと家庭の問題の解決を図ってまいります。


    (近藤議員) 次に、介護予防・日常生活支援総合事業について質問します。
     新宿区は、今年4月から要支援1、2の方に対して「介護予防・日常生活支援総合事業」、以下、新総合事業と言います、をスタートさせました。これにより要支援の方に対するサービスは、全国一律の介護保険給付から外れて区の独自事業になりました。高齢者が増加することを理由に、専門職のヘルパーによるサービスは中重度者に振り向ける、軽度者は無資格者やボランティアを活用して給付を削減することが狙いです。いままでより報酬単価が下がるため、利用者にも事業者にも影響が大きく、制度設計や担い手確保など課題も多く、これまでに移行したのは全国的には3割台にとどまっています。
     新宿区の新総合事業は、訪問型サービスは2種類で、専門職のヘルパーが訪問する訪問介護相当サービスと、区の研修を受けただけの無資格者が家事を支援する生活支援サービスがあります。訪問介護相当サービスの報酬単価は、身体介護の時間によって3ランクに設定されています。30分以上の身体介護を含む価格は従来の予防訪問介護の報酬単価と同じですが、20分から30分はその84%、20分未満は約63%に設定されています。訪問型では、身体介護20分未満の訪問介護相当サービスの利用が圧倒的に多いと伺いました。通所型サービスは3種類で、従来のディサービスと同じ通所介護相当サービス、送迎・風呂・昼食がつかないミニディサービス、3ヶ月で生活機能回復を図る短期集中サービスがあります。ほとんどの方は通所介護相当サービスを利用しており、報酬は従前の予防通所介護と同じですが、送迎と入浴は別料金で、月単位から1回ごとの精算に変わりました。
     この制度設計と報酬単価でスタートして、給付額はどう変化したでしょう。利用件数は昨年とほぼ同レベルですが、訪問介護は昨年同月と比べて今年8月が63.2%、9月が60.4%と大幅に減少し、通所介護は約8割に低下しました。この給付実績について、区長は給付削減の目的を達成したと考えておられるのか、それとも削減幅が大きすぎたと受け止めているのか、現時点での評価をお聞かせください。
     10月1日付「毎日新聞」は、「軽度向け事業所半減 報酬減で採算懸念」の見出しで、新方式の介護サービスに参入する事業所が5割未満との記事を掲載しました。新宿では新総合事業の参入事業者は従前に比べてどの程度減少しているのか、事実上新規の受け入れを拒んでいる事業者がないかなど、把握していればお示しいただくとともに、その状況を区長がどのように受け止めているかお答えください。
     また、同紙が全国157自治体に聞いたところ、報酬は平均2割減に設定されていたとのことです。10月1日に「介護をよくする東京の会」が介護フォーラムを開催し、新総合事業の都内自治体の動向調査結果が示されましたが、訪問介護では現行相当で実施している区やマイナス幅が10%台のところが多く、通所も現行相当で実施という区が相当数あります。新宿区は全国や23区と比較して、報酬の下げ幅が極めて大きいと言わざるをえませんが、その認識がおありでしょうか。大都市の中心部に位置し、家賃等の負担が大きい新宿が、他の自治体より下げ幅が大きいことが事業者に対してどのような影響を与えていると区長はお考えですか、お答えください。
     新総合事業の低価格問題が顕在化している中、厚生労働省老健局振興課は、本年10月27日付で「従前相当サービスについては、訪問介護員等によって提供される専門的サービスであること等を踏まえ、地域の実情に応じ、ふさわしい単価を定める必要がある。」という内容の通知を出しました。新宿区の単価は事業者が利益が上がらず、赤字だと言っており、地域の実情に合わない低価格だと思います。また通知では、サービス事業者の採算に影響を与えるから十分な協議を重ねることが大切だと指摘していますが、事業者からは、移行に際して区からの説明が不足していたとの意見も聴いています。この通知も踏まえて来年度からの報酬単価を引き上げるべきと考えますが、区長のご所見をお聞かせください。
     この急激な価格低下は、介護現場に深刻な影響を及ぼしています。要支援者に対するケアマネージメントを担っている高齢者総合相談センターは、「継続利用者はなんとかなっても、新しく要支援者を受けてくれる事業者はいない。」「身体介護の時間が少なく報酬が減少するので新規の依頼はたいへん厳しい」と言っています。また、通所事業者は、「要介護の配偶者と一緒の場合とか、要介護から要支援になった方などを除けば、原則、要支援者の新規利用は受け付けない。」と言い、ヘルパー事業者も「単価が下がり売り上げが減った。経営が厳しい。」「利益がないボランティア的仕事で、赤字サービス」と言っています。
     新総合事業実施から半年以上経過し、現場への影響も今後の見通しも見えてきていると思います。高齢者総合相談センターや介護事業者に対して、新総合事業に移行した影響調査を実施すべきと考えますが、区長のご所見をうかがいます。いま第7期介護保険計画策定に向けた高齢者の保健と福祉に関する調査が行われていますが、新総合事業の影響に関する項目はありません。早急に影響調査を行い、再来年度からの介護保険事業計画見直しを待たず、来年度の見直しに活かすべきと考えますが、いかがですか。

    (吉住区長) 介護予防・日常生活支援総合事業についてのお尋ねです。
     まず、総合事業の評価についてです。
     これまで要支援1、2の認定者が利用していた予防給付の訪問介護、通所介護は、平成28年4月から総合事業の訪問型サービス、通所型サービスに移行しました。総合事業は、各区市町村が中心となって、地域の実情に応じて、住民等の多様な主体が参画し、多様なサービスを充実することにより、地域の支え合いの体制づくりを推進し、要支援者等に対する効果的かつ効率的な支援等を目指すものであり、結果として、給付費の削減につながるものと捉えています。したがって、給付費の削減の観点から評価すべきものとは考えておりません。
     次に、総合事業の参入事業者数についてです。
     これまで要支援1、2の認定者を対象として予防給付サービスを提供してきた事業者は、都道府県の指定を受けていました。総合事業開始にあたってそれまでに指定を受けていた事業者は、平成29年度末までは引き続き指定を受けていたものとみなしているため、訪問及び通所介護相当サービス事業者の数は総合事業開始前と比較してもほぼ同数の約270事業者となっています。新たに総合事業のサービスを利用する場合においては、サービス事業者の状況などにより調整が以前よりも難しいケースがあるとの声は聞いています。その場合でも、利用者の心身の状況や意向を踏まえ、引き続き別のサービス事業者に依頼し、最終的には適切なサービスの利用につなげることができているものと認識しています。
     みなし指定の期間が終了する平成29年度末には、サービスを継続して提供するために各事業者が指定の更新を行う必要があります。区内の訪問及び通所介護相当サービスの指定事業者数が大きく変わるとすればこの時点ですが、利用者のニーズと指定事業者数や生活援助サービスなど新たなサービスの提供状況といった、需要と供給のバランスを注視していく必要があると考えています。
     次に、総合事業の報酬の減少と事業者へのその影響、今後の報酬単価の引き上げについてです。
     総合事業で設定されている訪問介護相当サービス、通所介護相当サービスのそれぞれの単価は、介護保険の給付と同様に地域区分に応じた最上位の額で算定しており、大都市の特性を踏まえたものとなっていると認識しています。訪問介護相当サービスでは、昨年度までの介護予防給付では1種類だった単価を身体介護の時間に応じた3段階に分割しました。この事業は、軽度の方を対象としており、現在は3段階の最も低い単価の利用が約8割を占めていることから、報酬の減少に影響していると考えています。また、通所介護相当サービスでは、昨年度までの月額定額払いから利用回数に応じた実績払いとしたため報酬の減少につながっています。これらにより事業者の受け取る報酬は減少していますが、利用実績に即した報酬となったものと捉えています。したがって、現段階での報酬の引き上げについては考えていません。
     次に、総合事業移行による影響調査の実施と事業の見直しについてです。
     現在実施している「高齢者の保健と福祉に関する調査」の事業所調査において、継続して総合事業に取り組むために必要なことを尋ねる設問を設定しています。また、すでに利用者の窓口である高齢者総合相談センター管理者会を通じて現場の声の把握に努めています。事業者の声は、7月の介護保険サービス事業者協議会などで聞いていますが、今後も安定的な事業運営に向けて、同協議会の訪問介護部会と通所介護部会を通じ、それぞれの事業者との意見交換を行っていく予定です。現在は、これら関係者の意見を聞きながら、実績を分析し、よりよい制度のあり方を整理している段階のため、事業の将来像は平成30年度から始まる第7期介護保険事業計画の中でお示ししていきます。したがって、来年度の事業の見直しは考えておりません。


    (近藤区議) 次に、予防接種について質問します。
     区民の命と健康を守る予防接種の充実は、来街者の多い新宿区においては区民のみならず、広く公衆衛生に寄与するもので、新宿区は国の定期接種化にさきがけて任意接種に対する助成制度を充実してきました。東京2020オリンピック・パラリンピックに向けて更なる充実が求められていますので、以下、質問いたします。
     第1に、B型肝炎ワクチンの定期予防接種化に関する問題です。
     新宿区は国の定期接種化に先駆けて今年2月からB型肝炎ワクチン予防接種に対する助成を始め、この10月からは国の定期接種化に伴い経過措置が取られています。B型肝炎ワクチン予防接種は3回接種が標準的ですが、対象者は1歳未満となっており、1回目の接種から3回目の接種を終えるまでに約半年間かかることを考えるなら接種漏れとなる可能性も高く、費用助成の期間内に確実に接種が完了することを呼びかけるポスター等を作成し周知徹底することが必要ですが、区の対応はどうか伺います。
     また、費用助成の対象となる2016年4月から7月に誕生した子どもは、任意接種の期間はあったにしても定期接種は該当する期間が短いため期間内に標準的な接種を終えられない可能性が高く、同年度内の対象者間に格差が生じることになります。対象となる子どもが1歳を超えても接種を受けられる救済措置を講じている区もあり、新宿区も早急に行うべきです。国は対象年齢を1歳未満としていますが、3歳未満の子どもが感染すると持続感染者になりやすく、将来的に慢性肝炎、肝硬変、肝がんへと進行する危険性が指摘されていることから、対象者を3歳未満に拡大することが必要で、八王子市などが実施しています。周知、救済措置、対象年齢拡大などは国に対しても要望すべきと考えますが、それ待ちにするのではなく区独自にでも行うべきではないでしょうか。
     第2は、大人のMR(麻しん・風しん混合)ワクチン予防接種についてです。
     新宿区では、大人の風しんについては19歳以上の妊娠を予定又は希望している女性と、その配偶者又はパートナー、風しん抗体価が低い妊婦の配偶者又はパートナーに限って抗体検査の結果、風しん抗体価が低い場合は風しん単体ワクチンは3,140円、MRワクチンは5,120円の自己負担で受けられるよう助成し、生活保護世帯等の方は全額助成となっています。
     23区では、大人のMRワクチン風しん単体ワクチンについて、対象を配偶者・パートナーだけでなく同居者まで拡げている区もあり、助成額も女性に対し全額出しているのは16区、対象者すべてに全額助成しているのは8区となっています。新宿区も全額助成としてはいかがでしょうか。また、20~40歳代のすべての成人に対してMRワクチンを接種希望者には助成すべきと考えますがいかがでしょうか。
     第3は、ロタウイルスワクチン予防接種についてです。
     ロタは、5歳までに1回以上はかかる感染症で、嘔吐・下痢が続き、まれに脱水症で入院が必要になったり、脳炎などの重い合併症を引き起こしたりすることがあります。ロタウイルスワクチンはこうした胃腸炎にかかりにくくなったり、重症化を防ぐ効果があり、国も定期接種化を検討しています。23区では、品川、渋谷、中野、杉並の4区がロタの予防接種に対する助成を行っています。新宿区でも先行実施区を参考に助成に踏み切るべきと考えますがいかがでしょうか。
     第4は、大人のおたふくかぜ(流行性耳下腺炎)ワクチン予防接種についてです。
     新宿区では、1歳から小学校入学前の子どもを対象に、おたふくかぜワクチンの予防接種を自己負担3000円で生活保護受給世帯等の方は自己負担なしで受けられるよう全額助成しています。罹患すると、約300人に1人が難聴の後遺症が残り、大人は子どもより重症化するとされています。大人にも助成を行ってはいかがでしょうか。
     第5は、ワクチン不足の解消についてです。
     現場の医師からの声として、MR、B型肝炎、日本脳炎のワクチンが不足しており、特にMRについては大人の接種にも助成を行っていることから子どもの定期接種に間に合わないケースが多発しているとのことです。国や東京都に対しワクチンの確保を強く要望すべきと考えますが、区の対応について伺います。
     第6は、接種率向上のための対策です。
     1つ目は、自己負担についてです。新宿区は、基本的に生活保護世帯は全額助成で自己負担ゼロ、それ以外は一定額の自己負担を求めています。一方で、がん検診などは生活保護受給世帯と住民税非課税世帯が無料で受けられます。MRについては先ほど述べたとおりですが、その他にも例えば、成人用肺炎球菌については千代田区、台東区が住民税非課税世帯も全額助成、渋谷区は通常の対象者も含めて全額助成しています。高齢者インフルエンザについては、住民税非課税世帯も全額助成しているのは台東区、それも含めた65歳以上のすべての住民に全額助成しているのは千代田区、港区、渋谷区です。新宿区も住民税非課税世帯も全額助成とすべきと考えますがいかがでしょうか。
     2つ目は、子どもの予防接種に関する保護者の負担軽減策です。子どもの予防接種は現在、定期接種が10種類で22~28回、任意接種が4種類と、子どものうちに多くの予防接種を受けなければならず、保護者はスケジュール管理を含めて心理的にも物理的にも大きな負担となっています。スケジュール管理については、スマートフォンで使える予防接種アプリが開発されており、足立区や墨田区などがアプリを区民に提供しています。新宿区でも実施してはいかがでしょうか。
     また、保護者からは、「かかりつけ医は夜間やっていないし、予防接種のたびに仕事の調整が大変。」「予防接種のために病院に行ったら患者さんでいっぱいで、病気をもらわないか心配になった。」などの声があります。現在、予防接種は医師会に委託し指定医療機関で行われていますが、さらに予防接種を受けやすい環境をつくるため、予防接種の日を設定したり、土日も含め夕方以降の対応など、区から医師会を通じて働きかけてはいかがでしょうか。医師会区民健康センターでは第1日曜日を子どもの予防接種の日としていますが、1歳以上の子どもを対象としているため一番必要としている0歳児が対象から外れていることと、PR不足もあって、有効活用されているとは言い難い状況です。0歳児にも対象を広げ、もっとPRをしてはいかがでしょうか。以上、医師会と協議の上、実現していただきたいと思いますがいかがでしょうか。以上、答弁願います。

    (吉住区長) 予防接種についてのお尋ねです。
     初めに、B型肝炎ワクチンの定期予防接種化についてです。
     B型肝炎ワクチンは、生後2か月からできるだけ早期の接種が推奨されています。そのため、区では、平成28年10月からの定期接種化に先駆け、2月から任意接種に対する助成を行ってまいりました。定期接種対象者のうち、4月から7月生まれのお子さんは、定期接種としての接種期間が短いことから、生後1カ月時に送付する任意予防接種の通知において、定期接種の対象は1歳未満であり、期間内に漏れなく接種するように周知してきました。また、医療機関に対しても、医師会を通じて制度の説明を行うとともに、同様のポスターの掲示を依頼しています。区は、生後早い時期からの接種を推奨し、4月から7月生まれのお子さんが1歳に至るまでに接種が完了できるよう、定期接種化に向け、先駆けて任意接種の助成事業を実施しましたので、今後、1歳以上に任意接種の助成対象年齢を拡大すること、国へ要望することは考えていません。
     次に、大人のMRワクチン予防接種についてのお尋ねです。
     大人のMRワクチンについては、平成24年夏からの風しんの流行を受け、東京都医療保健政策区市町村包括補助事業に基づき先天性風しん症候群対策として、任意接種に対する助成を行っています。区は、任意接種は半額程度をご負担いただく方針であり、全額助成は考えていません。対象については、都の包括補助事業では、風しん抗体検査の結果、抗体価が低く接種が必要と認められる19歳以上の妊娠を予定又は希望する女性のみとしていますが、区では、夫及びパートナーも含めています。ワクチンの供給量には限りがあるため、子どもの定期接種に支障が生じないようにすべきであることから、抗体価が不明な者など広く一律に助成することは考えていません。
     次に、ロタウイルスワクチン予防接種についてのお尋ねです。
     平成23年7月及び24年1月に、2種類のロタウイルスワクチンがそれぞれ製造販売承認を受けたことを踏まえ、現在、厚生科学審議会の「ワクチン評価に関する小委員会」において、ワクチンの有効性や安全性、費用対効果について整理し、定期接種化についての評価、検討を進めている状況です。区は、国の動向を注視して、定期接種に向けた準備を進めていきたいと考えています。
     次に、大人のおたふくかぜワクチン予防接種についてのお尋ねです。 
     おたふくかぜワクチンは、子どもについては、国が広く接種を促進すべきとしており、都の包括補助事業の対象にもなっているため、区は任意接種に対する助成を行っています。一方で、大人については、国の審議会等における検討の対象となっておらず、また、都の包括補助の対象にもなっていないため、助成を考えていません。
     次に、ワクチン不足の解消についてのお尋ねです。
     東京都からのワクチンの安定供給に係る通知に基づき、ワクチン不足が発生した際には、区市町村、医療機関及び医薬品卸売販売業者等が協力して対応することになっています。
    区は、今回のMRワクチンの不足に関する医療機関からの情報について、都へ報告しています。区からの情報に基づき、都が国へ報告したことによって、国から定期接種を優先するなどの指示が出され、関係機関と連携して対応しています。
     次に、接種率向上のための対策についてのお尋ねです。
     はじめに、自己負担についてです。
     高齢者肺炎球菌ワクチン、高齢者インフルエンザワクチンは、予防接種法において、個人的疾病の予防、重症化の予防を目的とする定期接種B類に位置づけられています。B類は、接種についての努力義務が無く、自らの意思で希望する者に対して接種を行うものであるため、半額程度ご負担をいただくことが妥当であると考えています。また、定期接種に位置付けられていない任意接種についても同様に、自己負担をいただいています。
     次に、子どもの予防接種に関する保護者の負担軽減策についてのお尋ねです。
     区では、接種率向上のため、子育て情報を配信するスマートフォンアプリ「しんじゅく子育て応援ナビ」のプッシュ通知により、接種を勧奨しています。近年、定期予防接種の数が増え、乳幼児の予防接種はスケジュール管理が複雑になっており、予防接種に特化したアプリを導入している区もありますが、国が平成29年7月から運用を開始するマイナポータルでは、予防接種のお知らせ機能が想定されていることもあり、区は、国の動向を注視していきます。予防接種の受けやすい環境づくりについては、新宿区医師会区民健康センターにおける0歳児の予防接種など、医師会と協議していますが、小児科医の確保等の点から困難であると考えています。土日や夕方以降に接種できる医療機関リストの作成について、今後、医師会と協議し、分かりやすい情報提供に努めていきます。

    区議会活動 | 近藤なつ子

    2016.12.14 更新

日本共産党新宿区議団
〒160-8484 新宿区歌舞伎町1-4-1 新宿区役所5階 TEL.03-5273-3551 FAX.03-3200-1474