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    2017年第1回定例会 代表質問

    2月22日の本会議で、あざみ民栄議員が以下の項目について代表質問を行いました。

    1 .区政の基本方針と2017年度予算案について
    2. 子どもの貧困対策について
    3 .保育園の待機児童解消と学童クラブの増設及び旧都立市ヶ谷商業高校跡地の活用について
    4. 児童相談所の設置・移管について
    5. 国民健康保険について
    6 .次期学習指導要領について
    7 .資源化推進のための廃食油回収について

     正式な会議録ではありませんが、概要をご紹介します。

     

    (あざみ民栄議員) 日本共産党新宿区議団のあざみ民栄です。2017年第1回定例会にあたり、会派を代表して、区長並びに教育委員会に質問いたします。
     安倍内閣は、過去3度にわたって廃案になった「共謀罪」を「テロ等準備罪」と名称を変えて国会に提出しようとしています。金田法務大臣は野党の質問に答弁できなくなった挙げ句に、国会に出してから質問せよと質問封じの文書を作成・配布し、三権分立の原則も理解できないと批判されています。また、南スーダンPKOに従事している陸上自衛隊の「日報」を廃棄したとウソをついて安保法制に基づく新任務を付与した後で、「日報」の存在が明らかになりました。そこでは「戦闘」という言葉が多数使われており、PKO5原則や憲法9条に違反していることが明らかになりましたが、防衛大臣は「戦闘」ではなく「衝突」だと言い張っています。ポスト真実の政治、事実に基づかず個人的信条や感情へのアピールが重視される政治が国際社会で問題になっていますが、日本でも同様の政治の劣化がすすんでいます。日本共産党は、市民と野党の共闘を広げ、立憲主義を大事にするまともな政治を取り戻すために全力を尽くすことを申し上げ、質問に入ります。
     最初に、区政の基本方針と2017年度予算案について質問します。
     第1に、区民生活と区財政の実態についてです。区長は基本方針説明で、海外経済や金融資本市場の不安定要素が大きいこと、法人税の一部国税化や企業版ふるさと納税の創設、消費税率引き上げの再延期など区財政を取り巻く状況が不透明であることを述べられています。確かにそのような問題はありますが、そればかりを強調するのではなく、同時に区財政の状況を正確に示すべきです。特別区税は今年度と同様に納税義務者が増え、約15億円の増を見込み、基金残高は今年度末には403億円に積み上がる見込みであり、懸念材料がありつつも、十分対応力がある財政といえるのではないでしょうか。区長の区財政についての現状認識と、それを区民に正確に伝えることについて、見解を伺います。
     区財政への不安材料を述べられる一方で、区民の暮らしや営業の実態は語られませんでした。非正規雇用で働く若い世代は増え続け、中間層と言われる給与所得者でも賃金は上がらず、商店や中小業者のみなさんは直近の「新宿区中小企業景況調査」を見ても全ての業種が依然として不況です。私たちが毎年実施している区政アンケートでは、住民税や健康保険料、介護保険料の負担について「これ以上の負担には耐えられない」との回答が昨年度は51.8%でしたが今年度は65.5%でした。こうした区民の実態について区長はどう認識しておられますか。
     第2に、来年度予算案についてです。区長は、「現在の総合計画の総仕上げとして、新たな総合計画への橋渡しとして・・」と述べていますが、『これまでの事業を粛々と続けます、新しいことは新たな総合計画で考えます』と仰ってるように思えてなりません。予算編成方針では、「緊急性が高い区政課題への的確な対応」と言っているのですから、先ほどの区民生活の実態からすれば、例えば保険料等の負担軽減策を行うことや、区民から強く要望されている学童クラブの増設、まさに緊急性の高い子どもの貧困対策などが求められているのではないでしょうか。私の指摘も含めて、改めて来年度予算案に対する区長自身のお考えをお示しください。

     

    (吉住健一区長) あざみ議員のご質問にお答えします。
     区政の基本方針と29年度予算案についてのお尋ねです。
     はじめに、区財政の現状認識についてです。
     28年10月期から12月期までの実質GDP成長率をみても、GDPの6割を占める個人消費は0.1%減と振るわず、景気回復への展望が開けたとはいえません。また、不確実性が高まる海外経済や金融資本市場の変動、さらには、法人住民税の一部国税化や企業版ふるさと納税の創設など、区財政を取り巻く環境は予断を許さず、今後の減収リスクにも留意が必要です。
     こうした社会経済情勢の中、区は、子育て世代、高齢者や生活困窮者などへの支援、高度防災都市化に向けた災害に強いまちづくり、更新時期を迎える区有施設への対応など、増嵩する行政需要に的確に対応し、区民生活を支えなければなりません。そのためには、引き続き、区税等の増収対策、内部管理経費の削減、公共サービスのあり方の見直しや定員適正化など、常に区民の視点で、不断の行財政改革に取り組み、将来にわたり安定した財政基盤を確立しなければならないと認識しています。
     次に、区財政の状況については、これまでも正確な情報を区民の皆様にお伝えしていますが、引き続き、「予算の概要」や「新宿区財政白書」、パンフレット「新宿区の財政」を、区政情報センターや特別出張所で配布するほか、ホームページでも公開するとともに、年2回の財政状況公表などでも、周知してまいります。今後とも、区財政の状況について、区民の皆様にわかりやすく説明し、区政への関心をより一層高めていただきたいと考えております。
     次に、区民のくらしの実態についてです。
     平成28年度の区民意識調査では、生活における心配事のうち「暮らしに十分な収入が確保できないこと」については、「今は心配ではないが、4年から5年以降は心配になると思う」と答えた人が36.8%と最も多く、「自分は心配ない」が27.1%、「今、心配である」が22.0%と続いています。また、区内中小企業の景況調査では、一部で上向いているものの、全般的な業況はマイナスで推移しており、併せて行った特別調査における「平成29年の自社の業況見通し」では、「やや悪い」が32.6%と最も多く、「普通」が31.0%「やや良い」が14.9%と続いています。このように、区民のくらしと景気は楽観視することはできず、慎重に見極めていく必要があるものと認識しています。
     次に、29年度予算案についてです。
     歳入予算は、納税義務者数の増などにより特別区税が増となったものの、不安定な金融資本市場の影響などにより、配当割交付金や株式等譲渡所得割交付金などが大きく減となりました。このため、財源不足を補う財政調整基金繰入金が、前年度に比べ2億円、6.4%増の26億円に拡大するなど、今後の減収リスクが危惧されます。歳出予算は、区民生活が直面する喫緊の課題に的確に対応するために、財源を重点的に配分しました。
     まず、「暮らしやすさ1番の新宿」では、健康寿命の延伸や地域包括ケアシステムの構築、保育園待機児童の解消や学校教育の充実、障害を理由とする差別の解消の推進などに取り組み、子ども、若者、高齢者、障害者の方をはじめ、誰もが自分らしく心豊かに暮らすことができる地域社会の実現を目指します。また、「新宿の高度防災都市化と安全安心の強化」では、首都直下地震発生の切迫性が高まる中、建築物の耐震化や、不燃化による木造住宅密集地域の解消、女性の視点を踏まえた配慮を要する方への避難所運営体制の充実などの取り組みを進めます。さらに、「賑わい都市・新宿の創造」では、まちの回遊性や利便性を向上させるための都市基盤整備やユニバーサルデザインの取り組みを進めるとともに、文化・観光・産業振興などの施策を推進することで、持続的に発展する新宿を創造してまいります。こうした取り組みを総合的に推進し、基本構想に掲げる「新宿力」で創造する、やすらぎとにぎわいのまちの実現に向けて着実に歩を進めてまいります。

     


    (あざみ議員) 次に、子どもの貧困対策について質問します。
     今年度、子どもの貧困対策として、子ども未来基金の立ち上げや保育料の軽減策、そして、「ひとり親家庭等アンケート調査」も行いました。忙しい中アンケートに答えてくれたみなさんは、新宿区が私たちの声を聴いてくれていると喜び、来年度はさらにアンケート結果に基づく新たな施策展開を期待していたはずです。しかしそうした内容の事業は見あたらず、何のための調査だったのかと思わざるを得ません。昨年の第4回定例会で区長は「調査結果を参考にニーズや課題を踏まえたひとり親家庭等への支援策を実施してまいります」と答弁されていますが、どのように支援策を検討されたのか、来年度予算案にはどのように反映されているか、お答えください。
     貧困の連鎖を断ちきるために教育が必要なことは言うまでもありません。しかし、「ひとり親家庭等アンケート調査」の「子どものことで悩んでいること」の1位が「進路」、2位が「教育費」で、自由意見欄には「進学時に必要な金額を用意できるか、金銭的理由で断念させてしまうのではないか不安」「教育費にお金が回らない、教える時間もない」「やりたい習い事や塾が高い」等々、同様の回答がたくさんありました。先日、女性団体会議の公開講座でしんぐるまざあずふぉーらむの中島知美さんの「子どもと女性の貧困」と題する講演を聴きました。中島さんは、ひとり親家庭と全世帯との進学率格差や学歴別生涯賃金の格差等の統計を示し、学習支援の現場を見る立場から、「今はこぼれている子どもを救う取り組みだが、本当は全ての子どもが平等に教育を受けられることが一番いい」と話されました。貧困の連鎖をなくすため、国は不充分ながらも大学生等の給付制奨学金を予算計上し、東京都は私立高校等の授業料負担軽減の拡充に踏み出したように、高等教育の無償化が焦点となっています。一方で、憲法26条には「義務教育はこれを無償とする」と明記され、授業料や教科書代は無償ですが、憲法26条の精神をより広く実現するため、様々な保護者負担は無償とすべきです。第一義的には国が責任を持つべきものですが、区立小中学校の設置者として区が独自で取り組めるものもあるのではないでしょうか。区長並びに教育委員会はアンケートの回答の感想も含め、教育費のあり方についてどのようにお考えですか。お答えください。
     以下、教育費への支援について4点伺います。
     第1に、学校給食の無償化についてです。学校給食は、今無償化の流れが起こっており、現在、全国で55市町村が実施しています。埼玉県滑川町(なめがわまち)にお話を伺いました。滑川町は多くの自治体が少子化・人口減少対策として学校給食無償化を実施しているのとは異なり、増加している子育て世代への最も有効な子育て支援策としてこの事業を実施している点が特徴的です。実施方法も、補助金方式ではなく、申請に基づく免除方式を採用しています。これは、学校給食法の「食材費は保護者負担とする」という規定よりも、憲法26条の「義務教育費は無償とする」という考え方に立っているからです。新宿区は全国に先駆けて、子どもの医療費無料化を3歳未満から就学前まで実施しました。その後、中学3年生まで拡大したこの施策は全国に広がり、子育て世代を大いに励ましました。そうした取り組みを行ってきた新宿区が学校給食無償化に踏み出すことは大きな意義があると考えますが、区長と教育委員会のご所見を伺います。
     学校給食の無償化については、一定の経費が伴いますが、一方、無償化によって教師の多忙の大きな要因である、徴収事務がなくなるというメリットもあります。そして、経費が大きすぎるということならば、段階的導入も検討できるのではないでしょうか。例えば、葛飾区では第3子以降の学校給食費の無料化を実施しています。全額補助ではない、一部補助は全国362区市町村にのぼっています。新宿区もすでに牛乳代の一部は補助しているのですから、補助の範囲を拡大することからでも検討してはいかがでしょうか。
     第2に、学校生活にかかわる保護者負担の軽減についてです。義務教育にもかかわらず小学校ではランドセル、体育着、上履き、道具箱、習字道具、裁縫セット、修学旅行費、アルバム代等、中学校はさらに制服、部活動費など、たくさんの負担があります。青森市は小学1年生に対し入学記念品として6200円相当の学用品セットを支給しています。北海道東川町(ひがしかわちょう)は中学校入学時にジャージをプレゼントしています。こうした自治体のように現物支給を行うか、または、習字道具や裁縫セット等は、算数セットをそうしたように自費購入から学校の備品にするなど、全児童・生徒を対象とした保護者負担軽減策を検討してはいかがでしょうか。
     第3に、学校以外の塾や習い事への支援についてです。受験生チャレンジ支援貸付事業や生活困窮者自立支援の学習支援などがあることは承知していますが、対象者は限られています。大阪市は、市内在住の公私立中学生の養育者で、子ども一人の場合322万円の所得の範囲内の方に対し、塾や習い事にかかる経費、月額1万円を上限に助成し、現在中学生の約5割が対象になっているそうです。世帯の経済的格差は、学習面のみならず、社会的・文化的経験の格差にもつながります。新宿区としてこうした事業を検討してはいかがでしょうか。
     第4に、就学援助の新入学学用品費の前倒し支給を小学生にも行うことについてです。都内では八王子市が今年度、武蔵野市が来年度実施予定です。就学前健診のお知らせに就学援助の申請用紙を同封するという方法です。ぜひ来年の新1年生から実施して頂きたいと思いますがいかがでしょうか。お答えください。

     

    (吉住区長) 子どもの貧困対策についてのお尋ねです。
     はじめに、ひとり親家庭への支援策についてです。
     「新宿区ひとり親家庭等アンケート調査」では、児童扶養手当の現況届の対象となった半数以上の方に、ご協力をいただきました。また、自由記載にもたくさんの意見を寄せていただいています。支援策の検討にあたっては、まず、区が実施している事業を利用したことがない理由や、利用してみて悪かった点に着目しました。この中で、ひとり親家庭家事援助者雇用費助成については、「費用が高額」と誤解されている方や「手続に時間がかかる」「急な利用ができない」という手続に対するご意見がありました。これらを踏まえ、現在2開庁日前までの申請を原則としていますが、来年度は、前日の申請に対応できる事業者を確保するとともに、事業内容をわかりやすく周知するなどの改善を図ることとしました。また、ひとり親同士の交流を望む意見を受け、今年度から始めている「ひとり親家庭の生活支援講演会」を実施する際、相談交流会も合わせて開催し、相談や交流を望む方が参加しやすいようにしていきます。さらに、土日・祝日に相談をしたいという意見に応え、児童扶養手当の現況届をしていただく8月には、第4日曜日の区役所本庁舎窓口開設にあわせ、子ども家庭課の窓口も開き、現況届をお受けする中で、家庭の状況を把握して、そのご家庭の状況に即した制度や事業の紹介をするとともに、相談ができる体制にしてまいります。このように、事業実施や周知の方法を工夫することで、支援策を進めていくため、来年度予算案での増額はしておりませんが、計画事業の「ひとり親家庭の生活向上支援の充実」のほか、経常事業を着実に進めて、ニーズや課題にあった、ひとり親家庭等への支援策としてまいります。
     「新宿区ひとり親家庭等アンケート調査」において、「子どものことで悩んでいること」として、「進路や教育費」を挙げられている方が多いことは、お子さんの将来に対する親の責任と、それをひとりで支えることへの不安を感じられていることの現れであると受け止めています。教育費については、文部科学省は、憲法に定める義務教育の無償の範囲について、国公立が設置する学校における義務教育については授業料を徴収しないとの考えを教育基本法では定めているとの認識を示しています。私も同様の趣旨の考えでおりますが、経済状況に問題を抱えた家庭の児童・生徒が、それに左右されることなく教育を受けられる環境を整えられるよう、きめ細かい施策に取り組んでまいります。
     次に学校給食の無償化についてのお尋ねです。
     保護者のみなさんにご負担いただいている給食費は、学校給食法の規定に基づき、学校給食の実施に要する経費のうち、食材料費相当額のみとなっています。なお、経済的な理由により給食費の負担が困難な保護者に対しては、就学援助で適切に対応するなどしていることから、学校給食費の無償化は考えておりません。
     次に、学校以外の塾や習い事への支援についてです。
     現在、塾代等への支援については、受験生チャレンジ支援貸付事業や生活困窮者自立支援法に基づく学習支援のほか、生活保護受給世帯の小中学生を対象に、基礎学力の向上等を目的として、学習塾等への通塾費用を支給しています。また、子ども総合センターと子ども家庭支援センターで、小学校低学年のための学習支援教室を行っています。新宿区子ども未来基金を活用して学習支援活動を行っている団体もあります。習い事へ直接支援するしくみはありませんが、区では、子ども総合センターや児童館等の事業の充実、地区青少年育成委員会が行う事業への支援、地域団体等が子どもを主役として実施するコンサートや発表会との連携等、地域と協力し子どもの体験や交流を豊かにする事業の充実に積極的に取り組んでいます。これらの事業は、貧困の状態にある子どもに限らず、すべての子どもに開かれた、文化、スポーツ、自然との交流等の機会であり、だれもが参加しやすいものとなっています。子どもが生まれ育った環境により子どもの将来が左右されることがないよう、また、貧困が世代を超えて連鎖することがないよう、区は経済的支援だけではなく、教育、生活、就労等あらゆる面での支援を行い、未来を担う子どもたちが心身ともに豊かに育つための次世代育成や子育て支援の施策に取り組んでまいります。

     

    (酒井敏男教育長) 教育委員会へのご質問にお答えいたします。
     はじめに、教育費のあり方についてのお尋ねです。
     文部科学省は、憲法に定める義務教育の無償について、教育基本法に基づき授業料の徴収をしないことを意味するものとした認識を示しています。教育委員会においても、同様の趣旨で考えているところですが、各家庭の経済状況が異なる点を踏まえ、就学援助による支援を実施することで、児童・生徒が家庭の経済状況に関わらず教育を受けられるように取り組んでおります。また、子ども家庭部が実施した「ひとり親家庭等アンケート調査」については、教育費として、高等学校や大学への進学費用に対して不安が大きいものと受け止めています。こうしたことから教育委員会としては、引き続き国に対して、無利子奨学金の事業費の増額や給付型奨学金制度の拡充等、奨学金事業のさらなる充実を要望するとともに、区の奨学資金貸付制度の実施により修学の支援を図ってまいります。
     次に、学校給食の無償化についてのお尋ねです。
     学校給食の実施に要する経費については、学校給食法の規定に基づき、食材料費だけを給食費として保護者に負担していただき、調理業務委託費、設備費などその他の経費は全額公費で負担しています。学校給食は、食育の生きた教材として大きな役割を担っていますが、一方では、食事の提供という側面もあります。このため、適正な受益者負担の観点から、学校給食法が規定する経費負担区分を踏まえ、今後も保護者に対し食材料費相当額の負担をお願いしてまいります。学校給食費の一部補助につきましては、今年度、牛乳一本に対し7銭の補助を国の負担で実施していますが、それ以外の補助は、実施しておりません。現在、経済的な理由により給食費を負担することが困難な保護者に対しては、就学援助で適切に対応していることから、現時点で学校給食費に対する補助の範囲の拡大について具体的に検討することは考えておりません。
     次に、学校生活に関わる保護者負担の軽減についてです。
     ご指摘のとおり、学校生活において自己負担をお願いしている体育着、上履き、裁縫セットなどについて、現物支給や学校の備品などで対応を行っている自治体があることは承知しています。教育委員会では、子どもを健やかに育てる環境づくりをより一層進め、子どもたちが教育を等しく受けるため、経済的理由により児童生徒の就学が困難にならないよう、就学援助を充実していくことが最も大切なことと考えています。そのため、就学援助の認定所得基準は、生活保護基準の見直しの影響が及ばないよう、引き続き改定前の基準で認定を行い、配慮を続けているところです。こうしたことから、全児童・生徒を対象とした保護者負担軽減策は考えておりません。
     次に、学校以外の塾や習い事への支援についてのお尋ねです。
     ご指摘のとおり、世帯の経済的格差が様々な教育分野における能力・経験等の格差につながることのないよう取組むことが重要であると考えています。現在、教育委員会では世帯の所得に関わらず、学習面においては、小・中学校全校で「放課後等学習支援」を実施し、授業だけでは学習内容の習得が十分でない、又は学習意欲・学習習慣に課題がある児童・生徒に対し、きめ細かな指導を行っています。また、移動教室や夏季施設のほか、演劇・音楽・美術等の芸術鑑賞等の多様な体験の機会を設け、児童・生徒の豊かな創造性を養い、情操の涵養に資するよう努めています。今後も、個々の家庭環境の違いが様々な格差につながらないよう、より一層取り組んでまいります。
     次に、就学援助の新入学用品費について、新小学校1年生にも前倒し支給を実施すべきとのお尋ねです。
     就学援助の実施にあたっては、学齢簿の情報をもとに保護者の所得について判定を行っています。そのため、既に学齢簿がある新中学1年生は、比較的支障が少なく前倒し支給が可能です。一方、未就学児については、学齢簿が編製されていないことから、現段階では、新小学校1年生について、就学援助を前倒し支給することは難しいと考えています。

     


    (あざみ議員) 次に、保育園の待機児童解消と学童クラブの増設及び旧都立市ヶ谷商業高校跡地の活用について質問します。
     今年4月に向けた今年度の待機児童解消策として、当初の計画を上回る524名の定員拡大を行ったことは評価いたしますが、2月17日付の不承諾通知は409名に送られました。4月の待機児童数、新定義・旧定義の見込みについてお答えください。
     いよいよ来年4月は第3次実行計画の目標である待機児童ゼロを実現させなければなりません。来年4月までの定員拡大は681名ですが、見通しはいかがでしょうか。私たちは旧定義と呼んでいますが、認可保育園に申し込んでも入れず、やむなく認証保育所など認可外保育施設に入所したり、育休を延長するケースなど、現在の待機児童数に入らない、いわゆる「隠れ待機児童」がいま全国的に問題になっています。京都市や横浜市では、それを「保留児童」と呼び、「待機児童はゼロ」と発表していることに対し、市民から「それはうそでしょ!」「うちは待機児です!」と、怒りの声が上がっています。待機する状況は色々であっても認可保育園を申し込んで待っている子どもは待機児童数に含むことが実態を反映させることになると考えますが、区長の見解をお示しください。現在、厚生労働省では待機児童の定義の見直しが検討されており、定義統一化がどこまで実態を反映するか不透明ですが、区としては来年4月、隠れ待機児童を含んだ待機児童をゼロにするために、現在予定している定員拡大以上の取り組みを行って頂きたいと思いますがいかがでしょうか。
     東京都は来年度予算案で、民有地活用の新規事業として、建物賃借料の4分の3を東京都が5年間補助する事業や、土地の貸し主に係る固定資産税・都市計画税を減免する事業を計上しました。また、民有地や空き家等を活用した保育所整備を取り組む区市町村に支援する「民有地マッチング事業」が大幅拡充されます。こうした都の事業を民間事業者や土地所有者によく周知し、活用してはいかがでしょうか。また、都有地の活用としては西早稲田の児童相談所跡地や旧都立市ヶ谷商業高校跡地の活用を都に要請すべきではないでしょうか。お答えください。
     保育園の定員拡大が進めば当然学童クラブのニーズも高まります。切れ目のない子育て支援が求められています。学童クラブの増設については、基本計画と公共施設等総合管理計画のパブリックコメントに26件もの意見・要望が寄せられ、基本構想審議会でも議論となり、緊急性の高い区政課題と捉えるべきです。愛称を付けても放課後子どもひろばは学童クラブとは法的にも実態としても明確に別物であり、学童クラブの代替にするのはもうやめるべきです。学童クラブの定員拡大のための増設を求めるものですがいかがでしょうか。
     関連して、旧都立市ヶ谷商業高校跡地の今後の活用について伺います。私たちはこれまでも旧市ヶ谷商業高校跡地を活用し、区民ニーズの高い施設の設置を要求してきましたが、現在、区が行っている活用の検討に反映して頂くために改めて1月24日、「旧都立市ヶ谷商業高校跡地の活用に関する要望書」を区長に提出いたしました。そこで、要望書に基づいて5点お聞きします。
     第1に、先に述べた保育園の待機児童解消策としての活用と合わせて、近隣にある賃貸物件活用の私立保育園には園庭がほとんどないので、校庭や体育館をそうした周辺保育園の園庭の代替としても活用してはいかがでしょうか。
     第2に、中町学童クラブの定員オーバー解消策として活用することです。中町学童クラブは定員オーバー比率が区内で最も高く、4年生以上の待機児童も生まれています。この地域は保育ニーズが高いことから今後ますます定員オーバー状態が続くはずであり、喫緊の課題です。来年度の申し込み状況はいかがですか。旧愛日小体育館を出席児童の多い時に活用するだけでは根本的な解決とは言えません。当該跡地に(仮称)矢来町学童クラブを設置すべきと考えますがいかがですか。
     第3に、当面、具体的な活用が決まるまでの間だけでも、体育館や校庭は4月以降もこれまで通り開放することです。スポーツ施設が現在でも足りない中、スポーツ団体や地域のみなさんからは使用継続の強い要望が出ています。いかがでしょうか。
     第4に、将来的には、隣接の牛込第一中学校をはじめ、老朽化した区有施設の建て替え等に活用することを求めるものですが、いかがでしょうか。
     第5に、地域住民に対しては、活用方針を決定する前に丁寧に情報提供し、意見を聞く場を設けていただきたいと思いますがいかがでしょうか。 お答えください。

     次に、児童相談所の設置・移管について質問します。
     児童福祉法の改正により、今年4月から特別区も児童相談所を設置できるようになります。先日、文教子ども家庭委員会で新宿区内にある東京都児童相談センターを視察しました。虐待等での保護児童が増加し、一時保護所は常に100%、在籍期間の平均が全国は29日のところ、東京都は40日間、長い児童は200日というケースもあるとのことでした。児童養護施設がそもそもいっぱいで、空き待ち状態であること、また近年増加している発達障害児は児童養護施設になかなか受け入れられず、では児童自立支援施設に入所を、といってもこちらもいっぱい、というお話でした。こうした現状から、現在の児童相談所は限界に来ているとの認識のもと、今回の法改正が行われているのですから、特別区での設置、事業の移管はできる限り速やかに行われなければなりません。現在、特別区は児童相談所移管準備連絡調整会議を設置し、各区のロードマップをつくり、設置を進めるのと同時に、東京都に事業の移管を求め、協議していると認識しています。2020年度設置をめざす世田谷区、荒川区、江戸川区は用地取得等の経費を来年度予算に計上し、また新宿区と同じ2021年度設置をめざす港、文京、板橋、豊島、中野もそれぞれ関連予算を計上しています。新宿区はすでにある子ども総合センターに児童相談所を設置することから、来年度予算案には準備にかかる予算計上がないのかもしれませんが、一時保護所についてはどうされるのでしょうか。一時保護所については他区との共同設置や都施設の活用等の可能性も含め検討中、とこれまで答弁していますが、各区の準備はそれ以上に進んでいます。文京区は整備予定地に独自の一時保護所をつくる予定です。港区にもお話を伺いましたが、やはり単独設置を予定しているそうで、「共同設置や都施設の活用もあるかもしれないが、基本的には緊急時に確実に保護できる体制が求められるので小規模でも各区が一時保護所を持ち、それを23区で『相互利用』できるようにするのが良いと思うから」とのことでした。新宿区の要保護児童相談件数は東京都児童相談センター管内9区島しょの内、児童人口比で一番多いと聞いています。そうであるならば、他区以上に一時保護所の単独設置を行う必要があるのではないでしょうか。直ちに設置場所の検討に入るべきであり、例えば旧児童相談所跡地は適所と考えますがいかがでしょうか。
     また、一時保護所から次の措置する場所を整えること、受け皿づくりが課題と考えますが準備状況はいかがですか。今後、子どもの養育は家庭的環境で行うことが求められ、特に3歳未満の代替的養護は家庭を基本とするという国連指針に基づき、国は里親・ファミリーホームへの委託を推進しています。2015年度現在、児童養護施設・グループホームを除く乳児院への委託が76.4%、グループホーム7.9%、里親・ファミリーホームは15.8%ですが、2029年度までにこの割合を概ね3分の1ずつにすることを目標としています。里親普及のため、新宿区は都と共催で年1回、「養育家庭体験発表会」を行っていますが、もっと頻繁に特別出張所毎にでも行ってはいかがでしょうか。また、ファミリーホームは主に里親経験者が補助者と一緒に5~6人の子どもと暮らす制度であり、新宿区として制度の周知と区内の空き家や住宅をあっせん、マッチング等を行ってはいかがでしょうか。
     2020年度と2021年度に設置をめざす新宿を除く8区は、来年度予算に開設準備経費を計上したことにより、区民に児童相談所設置のロードマップが周知され、区民とともに準備する態勢に入っています。これまで新宿区は、児童相談所の移管に向けて他区に先がけて子ども家庭支援センターを増やし、都との人事交流を行い、人材確保・育成を進めてきたことは評価いたします。今後は、ロードマップを単なる目途ではなくタイムリミットととらえ、これまで以上に準備を加速し、次期の実行計画にも位置づけるべきではないでしょうか。そして、児童相談所の設置をめざしていることを区民に周知し、実現に向けての理解と協力を求める必要があると考えますがいかがでしょうか。また、目標とする2021年度を確実なものとするためには財源措置、施設の活用、人材確保等、東京都の協力なしでは実現しません。都に対し、これまで以上に強く協力を求めるべきです。現在の協議の状況と区長の決意をお聞かせください。


    (吉住区長) 保育園の待機児童解消と学童クラブの増設及び旧都立市ヶ谷商業高校跡地の活用についてのお尋ねです。
     初めに、4月の待機児童数、新定義、旧定義の見込みについてです。
     2月17日に発送した平成29年度第一次申込みに対する不承諾通知数は409通で、昨年の424通からやや減少しました。例年待機児童が多い0歳児は申込者が33名増えた反面、不承諾者は42名減っています。不承諾には転園を希望する方も多く含まれ、例年育児休業の延長や転出による申請の取り下げが、今後一定数発生します。また今年は、不承諾通知書を送付する際に空き保育室型定期利用保育の案内を同封して利用の促進を図ることなどから、29年4月の待機児童数は、昨年に比べて改善が図られるものと見込んでおります。
     次に、待機児童ゼロの実現に向けた見通しについてです。
     区では、子ども・子育て支援事業計画を策定する中で、新宿自治創造研究所による人口推計や認可保育所等の申込実績等を活用し、「保育の量の見込み」である、いわゆる保育需要を算出しています。今後も、的確に保育需要を捉えながら、30年4月の待機児童ゼロの実現をめざしてまいります。
     次に、待機児童数に含む子どもの考え方と現在予定している定員拡大以上の取組みについてです。
     区では、国が示した定義に沿って、育児休業中の方や特定の保育所等を希望し、保護者の私的な理由で待機している方、認証保育所のような地方公共団体における単独保育施設を利用している方などを待機児童から除外しています。現在、国が保育所等利用待機児童数調査に関する検討会を設置しており、今年度中に一定の方向性が示される予定のため、区は今後国から示される定義に従って待機児童数を把握していきます。今後も窓口等での丁寧な聞き取りによる保育ニーズの把握に努め、平成30年4月の待機児童ゼロの実現をめざしてまいります。
     次に、都の民有地活用事業の活用及び民間事業者や土地所有者への周知と、都有地活用についてです。
     区では平成27年度に、賃貸物件を活用した認可保育所整備における賃借料補助を開始したところ、多くの事業者提案があり、賃料の高い本区において、保育所整備に大きな効果があったものと認識しています。このたび都が創設した賃借料補助の活用は、区の財政負担軽減に資するものであると考えます。一方では、このように事業者から、多くの保育所整備の提案があることから、民有地マッチング事業は、活用の必要が無いと考えています。また、都有地の活用については、これまでと同様に、必要な場所に適地があれば、都に対し活用の要請をしていきます。
     次に、学童クラブと放課後子どもひろばについてのお尋ねです。
     学童クラブは、保護者に代わって子どもを保護・育成する機能を持っています。学童クラブ機能付き放課後子どもひろば「ひろばプラス」は、学校施設を活用し、遊びと学びの支援を行う放課後子どもひろばの特徴を活かしながら、おやつや出欠管理、連絡帳等、学童クラブで行っている保護機能を付加した事業です。両事業とも利用者アンケートで高い評価を得ていることから、小学生の放課後の居場所については、子どもの自立度や保護者の状況等に応じた、多様な選択肢を提供することが大切であると考えています。今後、定員を大きく上回る学童クラブについては、出席予定児童数の状況も見ながら、児童館内に優先的に利用できるスペースを確保することを考えていますが、必要な地域では、学童クラブの確保方策も検討してまいります。
     次に、旧都立市ケ谷商業高校跡地の今後の活用についてです。
     平成29年度以降の当該地の活用については、先般、東京都から地元自治体である新宿区の意見を伺いたいとの申し出があったことから、現在、施設活用検討会において、当区における行政需要及び地域需要を鑑みた検討を行っているところです。ご質問いただいた、保育園関係での活用、利用児童の多い中町学童クラブへの対応、体育館等の開放、老朽化した区有施設建替えへの活用などについては先ほど申し上げたとおり検討の途中であることから、具体的にお答えすることはできませんが、当該地の活用については多方面から様々なご意見及びご要望をいただいておりますので、それらの点も含め十分な検討を行い、区としての意見をまとめ、東京都に提出してまいります。今後、区の意見に対する検討が東京都でなされたのち、活用方針の決定を行う際には、地域住民のみなさまに対し十分な説明と情報提供を行うとともに、意見を伺う機会を設けるなど丁寧に対応してまいります。

     児童相談所の設置・移管についてのお尋ねです。
     初めに、一時保護所についてです。
     一時保護は児童相談所の重要な機能であり、区では、必要な時に児童の保護ができるよう、区内に一時保護所を整備する方針です。現在、平成30年度には基本設計に入れるよう、区内での設置候補地や運営方法について、検討を進めているところです。
     次に、社会的養護の準備状況等についてのお尋ねです。
     様々な事情により、家庭に戻れないお子さんのための支援が必要です。現在、特別区では、児童福祉主管課長会の子ども家庭支援センター部会において、児童養護施設や乳児院、自立援助ホーム等の整備について、検討しているところです。今後、都に各区の需要についての詳細な情報の提供を求め、必要な施設を特別区全体でどのように確保していくか、既存施設の活用も含め、検討を進めていきます。また、家庭的養護として里親の拡大は重要と考えており、今後は養育家庭体験発表会に加えて、ショートステイ協力家庭やファミリー・サポート・センター提供会員が集まる機会等をとらえて、趣旨の普及や担い手の拡大に努めていきます。さらに、ファミリーホーム等については、制度の周知のほかに、意欲のある方に対する場所の確保等の支援策について、家庭的養護を検討する中で研究してまいります。
     次に、児童相談所開設に向けた今後の準備についてです。
     区ではロードマップに基づき、平成33年4月に開設できるよう、着実に準備を進めています。今後、具体化に向けては、次期の実行計画にも位置づけていくべきものと認識しています。児童相談所の設置については、意義や新宿区の児童相談所のあり方について、広く周知の機会を持っていきたいと考えています。都と協議する主な課題については、関連経費の財源移譲の方法のほかに、おおきく3点あります。1点めは、人材の派遣や交流、また、一時保護所や施設入所に係る広域調整など、立ち上げに対する支援及び設置後の連携に関する事項です。2点めは、都施設の活用や都区間の里親委託の仕組みづくりなど、社会的養護に関する事項です。そして、3点めは、児童相談所設置市の事務に関する情報提供や児童福祉施設の認可、指定、指導、検査の事務等に関する技術的援助についてです。
     今後、できるだけ早くこれらの課題について具体的な協議を開始し、妊娠期から児童の自立まで、基礎自治体ならではの寄り添いのもとに、一貫した支援や援助が行える児童相談所の設置を目指してまいります。

     


    (あざみ議員) 次に、国民健康保険について質問します。
     第1は、来年度の国民健康保険料についてです。来年度の国民健康保険料は、医療分・後期高齢者支援金分・介護納付金分を合わせた法定減額後で、1人当たり6,643円値上げの提案がされており、前年度と比べて5.36%アップ、過去5年で最大の値上げで、均等割も4,200円もの値上げです。
     来年度の「基準保険料率算定における基本的な考え方」で示された項目の1つは、高額療養費等の賦課総額算入率についてですが、これが値上げの大きな要因の一つとなっています。これまで一般財源で負担してきた高額療養費を2014年度から順次保険料に転嫁されてきましたが、国保事業の広域化が1年先送りされてもなお保険料が押し上げられるため、来年度は100分の84を算入する予定を100分の75に変更し、残りは再来年度一気に転嫁する予定としています。広域化イコール法定外の一般財源投入ゼロという前提となっているため、広域化される前から一般財源の投入額を減らして先取り的に保険料を上げるやり方をとってきたものの、予定通り算入率を引き上げていけば負担感は限界を超えてしまうということであり、高額療養費の転嫁という考え方そのものの破綻を表していると思いますが、区長はどう思われますか。高額療養費の転嫁はやめるべきと思いますが、いかがでしょうか。
     昨年も、私たちは保険料を引き下げる方策として、国の支援制度で措置される被保険者1人当たり5,000円分の財源を活用すべきと提案しましたが、23区はこの財源を保険料引き下げに使うのではなく一般財源からの繰入金を減額するために使いました。支援制度は来年度も続行されます。これを保険料引き下げのために活用すべきですが、区長会ではどのような議論だったのか、吉住区長の見解とあわせて伺います。
     第2に、国民健康保険事業の広域化についてです。2018年度から国保事業の広域化が実行され、これまで区市町村が保険者で、保険料を決定していましたが、今後は都が区市町村ごとに決定した国保事業費納付金を区市町村が納付し、都は給付に必要な費用を全額、交付金として区市町村に支払うこととなります。
     お隣の埼玉県は、広域化された場合の第1回シミュレーションを市町村別に公表し、県平均で一人あたり保険料が31%程度上昇。最も上がり幅の大きい蕨市は77%、上がり幅の小さいときがわ町(まち)でも7%上昇するとして、あくまで現段階の試算とはいえ危機感が広がっています。東京都は試算を公表していませんが、国の資料によれば、国のソフトで第1回目の試算を行い11月に報告すること、その数字を都道府県と区市町村の協議に使い、今年に入ってすぐ第2回目の試算を行うとされています。23区の国保料がどの程度の試算になっているのかお答えください。今でも高すぎる国保料がこれ以上負担増にならないためには、国に対してさらに財政支援を求めることが不可欠です。現在も国が低所得者対策の強化として出している1700億円と、加えて広域化後は国保改革に伴う財政基盤の強化として1700億円を出すことになっていますが、到底これだけでは足りません。この増額を求めるべきと考えますがお答えください。今年の秋には都道府県が各区市町村の納付金の額 の算定ルールや、国保の運営方針等を検討・決定する事になっています。その際、国保事業の運営主体となる東京都に国の低所得者対策のような財政支援を求めることが必要と考えますがいかがでしょうか。
     第3は、子育て世帯の国保料減免についてです。広域化に向けた地方からの要望を受け、国会で附帯決議がなされた「子どもに係る均等割保険料の軽減措置」については未だ具体化がされていませんが、都内では東大和市が先行して同一世帯内に18歳以下の加入者が3人以上いる多子世帯の場合、3人目以降の均等割を無料とする措置を、一般財源を投入して実施しています。対象世帯は170世帯で予算額900万円程度だそうです。広域化以降の条例でも継続するとのことです。新宿区で同様の制度をやるとしたら対象は300世帯、予算規模は1700万円です。
     一方で、これも地方からの要望で、子ども医療費助成に係る国保の減額調整措置、いわゆる国のペナルティを未就学児まで廃止することとなり、新宿区の影響額は1000万円以上と思われますが、いくらでしょうか。対象年齢が拡大されれば新たな財源が生まれることになり、子どもの均等割減免や子育て世帯への支援に活用することができます。
     広域化へ向けては、子どもに係る均等割保険料の軽減措置の実現と、子ども医療費助成に係る国のペナルティ全廃を国に強く要請し、広域化までに何としても実現すべきではないでしょうか。子どもに係る均等割保険料減免は、国がやらない場合も当面は新たな運営主体となる都が実施するよう、今後の協議の中で区側から提案すべきではないでしょうか。そして、国や都の実施待ちではなく区独自にでも実施すべきです。少なくとも多子世帯については区として早急に実現すべきと考えますがいかがでしょうか。お答えください。


    (吉住区長) 国民健康保険についてのお尋ねです。
     まず、高額療養費を賦課総額に算入して保険料算定をしている点についてです。
     特別区では、保険料賦課総額の算定方法を基準政令に近づけるため、高額療養費について平成30年度の100%算入の可能性を見据え、平成26年度保険料から段階的に賦課総額に算入するロードマップを実施しています。ロードマップの実施については、医療費の伸び、保険料額とその上昇率を勘案し、柔軟に対応することとしています。従って、今後も被保険者、特に低所得者への影響を十分考慮した上で、高額療養費を賦課総額に算入していくべきと考えています。
     次に、国の支援制度で措置される財源についてです。
     国の支援制度は、国民健康保険の安定化に向けた改革の一つとして、低所得者対策の強化のため、平成27年度から保険料の均等割軽減対象者数に応じた財政支援策を拡充しているものであり、直接、保険料の引き下げに使うものではありません。このため、区長会において、保険料の引き下げに活用することの議論は行っていません。区としては、保険料の急激な上昇を抑えることに配慮しながら、法定外繰入金の圧縮に努めるべきと考えます。
     次に、国民健康保険事業の広域化についてのお尋ねです。
     広域化された場合の特別区における保険料の試算額については、国において算定方法を見直す予定であることから、東京都は試算結果を公表していません。そのため、現段階では試算についてお答えすることはできません。
     次に、国の財政支援を引き上げるよう国に要望すべきとのお尋ねです。
     区は、全国市長会を通じ、平成29年度の国への重点提言として、国民健康保険の健全な運営に向け、財政支援を拡充し、更なる国保財政基盤の強化を図るよう要望しています。今後も引き続き、国に対して財政支援について要望するとともに、必要に応じて東京都に対して要望することを検討してまいります。
     次に、子育て世帯の国民健康保険料の減免についてのお尋ねです。
     国は、子どもの医療費助成に係る国民健康保険の公費を減額調整する措置について、平成30年度から未就学児への助成は対象としない方針を明らかにしました。しかし、具体的な算定方法が示されていないことから、区への財政影響額は算出できません。また、減額調整の全廃については、全国市長会において、既に提言していることから、区として独自に要望することは考えていません。子どもに係る均等割軽減措置については、子育て世帯の負担軽減を図るため、国が制度を創設するべきであると考えており、全国市長会においても同様の提言がなされています。このため、区単独で実施することや東京都に対して実施を提案することは考えていません。多子世帯に係る均等割額の減免措置については、国民健康保険の中でも限られた世帯への一般財源投入となり、公平性の観点から実施する考えはありません。

     


    (あざみ議員) 次に、次期学習指導要領について質問します。
     中央教育審議会は昨年12月21日、「幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善及び必要な方策等について」の答申、以下答申と言います、をまとめ、文部科学大臣に提出しました。本来であれば、学校現場として課題になっている、学力格差や「いじめ」の問題などに正面から応えるものにしていくべきですが、「新しい時代に必要となる「資質・能力」を新たに規定し、その「育成」のために学習内容や指導方法、学習評価の仕方を細かく例示し、教育現場が縛られるのではないかと危惧する声が聞かれます。次期学習指導要領は、小学校は2020年度、中学校は2021年度から全面実施されることとなっており、今月14日には指導要領改訂案が示めされました。この時点に立って以下、3点伺います。
     第1は、答申の掲げる「新しい時代に必要となる資質・能力」についてです。答申が初めて掲げた「資質・能力」とはなんでしょうか。日本経団連が、昨年4月19日に提言した「今後の教育改革に関する基本的考え方」の中で、グローバル競争の激化など環境変化の中でも生涯現役で活躍できる人材をと、育成したい「素質・能力」を成果目標として掲げ、その手段としてアクティブラーニングや英語教育等の項目を詳細に挙げています。答申の内容はこの経団連の提言で言っている通りの改訂内容が並んでいるという事実を見れば、はたして誰のための「資質・能力」なのかと思わざるを得ません。そもそも成長・発達する主体は子どもであってそれを保障するのが教育です。特定の「資質・能力」を定めてそこに向かって教育するというのは本末転倒で、教育基本法に掲げる「個人の人格の完成」という教育本来の目的とはかけ離れたものになってしまうのではないかと危惧されますが、教育委員会の見解をお聞かせください。また、区長と教育委員会に伺いますが、新宿区教育大綱やこれから策定される新教育ビジョンには、次期学習指導要領をどのように反映するお考えでしょうか。特に教育の目的にあっては、答申が掲げる一面的な「資質・能力」ではなく、「個人の人格の完成」に確固とした土台を置き、一人ひとりの人格や個性を尊重し全面的に資質や能力を発展させていくべきと考えますがいかがでしょうか。
     第2は、アクティブラーニング「主体的・対話的で深い学び」についてです。アクティブラーニングについては一定の教育効果が認められる一方で、先行事例でも「形式的に対話型を取り入れた授業や特定の型を目指した技術の改善」のみにとどまる形骸化が指摘されるなど課題も多く指摘されていることから、14日示された指導要領改訂案ではアクティブラーニングという言葉は使用せず「主体的・対話的で深い学び」という言い方に統一されました。それだけ実践には困難さが伴うということです。新宿区内では落合中学校と戸塚第一小学校が教育課題研究校となり、研究発表に向けて取り組みを進めています。
    「主体的・対話的で深い学び」の有用性と課題についてどのように捉えているのか教育委員会のご所見を伺います。
     グループ学習などの取り組みは今までも取り組まれてきましたが、文教子ども家庭委員会で私も視察した授業では、教材の準備や授業の進行など技量の高さが求められ、とても素晴らしいものでしたが、教員の負担は大変なものと推察されます。増加する新任教員も、今までの指導からの転換を迫られるベテラン教員も、それぞれに大変さがあると思われます。導入に当たっては、教員の多忙解消を行った上で授業準備時間の確保と教材提供や研修などの支援が必要と考えますがいかがでしょうか。
     第3は、小学校における英語の教科化についてです。指導要領改定案で示された内容は、歌やゲームに親しむ「外国語活動」を3年生からに引き下げ、5・6年生については教科化し授業数が増やされます。英語教諭免許を持たない小学校教員が多数のもとで教科化ができるのかという根本的な問題や、3年~6年生で各学年35コマずつふえる授業時間をどう確保するのか等、課題が山積しています。先行自治体の事例や現場の教員からは、塾通いを増やし経済力による格差が生まれる、かえって英語嫌いが増える、等の指摘もされています。児童は、次期学習指導要領のもと文法と700語の単語を身に着けることとなっていますが、授業時間の確保やカリキュラムの内容など児童の負担を考慮すると同時に、確実な習得ができるよう配慮したものにすべきと考えますがいかがでしょうか。
     また、教育委員会は、5・6年生を担任する教員については英語の研修を行うとしています。教員にとって大きな負担になると思いますが、具体的にはどのように行うのかお聞かせください。品川区では次期学習指導要領の英語の教科化についてモデル授業を行っています。指導にあたる教員は、45分授業は区費講師の英語専科教員が担い、短時間学習は担任が指導しています。区費講師の英語専科教員は3年かけて全校配置しており、来年度完了する予定です。「担任が一人で45分授業をすると質が保てず準備の負担が大きい」ためと、当該校の校長のコメントが報じられていました。英語の教科化にあたっては、ALTの大幅増員はもちろんですが、英語の専科教員を区で採用し、質の担保と教員の多忙化に対応していくべきと考えますがいかがでしょうか。
     以上述べてきましたが、文部科学省の実態調査を引くまでもなく、学校現場は多忙状況にあります。次期学習指導要領の実施に伴い授業時間数は大幅に増えますが、教員が子どもたちに向きあう時間が削られるのは本末転倒です。一人ひとりの子どもの育ちを保障するため、30人学級の実現や教職員の定数増が不可欠です。国に対して要望するとともに、新宿区としても一層の人員配置を行うべきと考えますがいかがでしょうか。お答えください。

     

    (吉住区長) 次期学習指導要領についてです。
     新宿区教育大綱に次期学習指導要領をどのように反映させるかというお尋ねです。
     区は、子どもたちが自ら学び、考え、行動できる「生きる力」を育むとともに、地域の方とのつながりにより健やかに育ち成長することを願い、平成27年11月に新宿区教育大綱を定めました。大綱の策定により、区と教育委員会の連携はより一層強化され、総合教育会議においても、地域における教育の課題や子どもたちの成長に向けた施策のあり方について議論しています。今後、教育委員会では、文部科学省から示された学習指導要領の改定案等を踏まえ、新教育ビジョン策定に向けた検討に入ることになります。教育大綱への反映については、新教育ビジョンの策定に向けた検討を踏まえ、総合教育会議で議論してまいります。

     

    (酒井教育長) 教育委員会へのご質問にお答えします。
     まず、答申が示す「資質・能力」に対する教育委員会の見解についてのお尋ねです。
     学校教育法は、学校教育において重視すべき三つの要素として「知識・技能」「思考力・判断力・表現力等」「主体的に学習に取り組む態度」を掲げています。答申が示す「資質・能力」は、この三要素を議論の出発点とし、学習する子どもたちの視点に立って整理されたものです。子どもたちが変化の激しい社会の中で直面する様々な課題を柔軟に受け止め、感性を豊かに働かせながらよりよい社会を創りあげていくためには、「何を知っているか」にとどまらず、「何ができるようになるか」が重要であり、答申にある「資質・能力」の三つの柱「生きて働く『知識・技能』」「未知の状況にも対応できる『思考力・判断力・表現力』」「学びを人生や社会に生かそうとする『学びに向かう力・人間性』」は、いずれも生きていく上で必要な「資質・能力」であると認識しています。また、「人格の完成を目指し、平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成を期する」という教育基本法が掲げる教育の目的や理念は、先に公開された次期学習指導要領改訂案においても冒頭に示されており、変わるものではないと考えています。
     次に、新教育ビジョンに次期学習指導要領をどのように反映させるかのお尋ねです。
     次期学習指導要領の案では、教育基本法等を踏まえ、これまでの学校教育の実践や蓄積を活かし、子どもたちの生きる力を育むための資質・能力をより一層確実に育成するとともに、現行の学習指導要領の教育内容を維持した上で、知識の理解の質をさらに高めて、確かな学力を育成することなどを基本的な考え方としています。このことから学習指導要領の基本的な方向性は変わるものではないと考えますので、新たな教育ビジョンについては、教育基本法に定める教育の目的や目標に基づき人格の完成を目指すとともに、生きる力の一層の育成に向けて、次期学習指導要領を踏まえながら策定してまいります。
     次に、「主体的・対話的で深い学び」の有用性と課題についてのお尋ねです。
     「主体的・対話的で深い学び」の視点に立った質の高い学びによって、児童・生徒には社会で生きて働く知識や技能、多様な考え方を理解し考えを形成する力、主体的に学習に取組む態度等が身に付きます。これらの資質・能力は、学習や生活の基盤として児童・生徒が生きていく上で役立てられていくものと考えています。一方、「アクティブ・ラーニング」という言葉が先行し、学習活動を児童・生徒の自主性のみに委ねたり、特定の学習や指導方法にこだわるあまり形式的な指導となってしまったりしていることは、これまでの実践事例でも課題として示されています。本来、学習指導は、児童・生徒それぞれの興味や関心を基に、一人ひとりの個性に応じた学びを引き出すことが重要です。教員が目の前の児童・生徒の状況に応じて、児童・生徒に働きかけたり、活動を修正したりする力を身に付けることが必要です。今後、各学校において、実践を通して教員が互いに学び合い、授業の質を高めていくことができるよう支援してまいります。
     次に、「主体的・対話的で深い学び」の導入にあたっての教員の授業準備時間の確保と教材提供や研修などの支援についてのお尋ねです。
     教員の授業準備時間の確保のために、現在、教育のICT化を進めており、ICT機器の活用等により業務の効率化が進み、教員の授業準備時間の確保につながっています。また、各校や区内教育研究会が作成した教材を共有フォルダ内に保存することで、教員が自由に教材を共有・活用することができるようにしており充実を図っているところです。今後、次期学習指導要領に基づいた授業の資料についても提供できるよう環境を整えてまいります。また、教員が実践を通して学び合い、優れた授業のイメージを共有し授業改善への意欲を高めることができるよう区の研修会や各校の校内研究会、OJTの充実を図ってまいります。
     次に、英語の教科化にあたって授業時間の確保やカリキュラムの内容など児童の負担を考慮することについてのお尋ねです。
     教科の指導内容や授業時間数については、文部科学省が示した学習指導要領に基づき行うものですが、平成32年度から全面実施となる小学校3、4年生の外国語活動及び5、6年生の外国語科については、増加する35時間の確保や新たに追加される事項をどのように指導していくかが課題です。そのため、来年度、教育課題モデル校を指定し、児童への負担を考慮した時間の確保の仕方に重点をおき研究を進めます。また、平成30・31年度の教育課題研究校では、指導方法等の研究を進めます。研究成果は区内で共有し、外国語活動及び外国語科の授業が円滑に進められるようにしてまいります。
     次に、文法や単語を確実に習得できるよう配慮することについてのお尋ねです。
     教科の指導内容については、文部科学省が示した学習指導要領に基づき行うものですが、教科化される5・6年生の外国語科については、「聞くこと・読むこと・話すこと・書くこと」の基礎的な能力をどのように指導していくかが課題です。この課題を解決するためには、3・4年生の外国語活動で慣れ親しんだ基本的な表現や簡単な語句を5・6年生で始まる読むことや書くことの指導の際に再度取り上げ、繰り返し学習することで意味を理解できるようにし、自分の気持ちを伝え合うなど基礎的な力を育成していくことが大切です。次年度、小学校外国語活動の研修を新たに年間5回実施するとともに小学校外国語活動アドバイザーの学校訪問等により外国人講師と連携した効果的な指導について助言し、充実を図ってまいります。
     次に、5、6年生を担任する教員へ英語の研修を行うことによる負担についてのお尋ねです。
     今年度は、各学校から英語教育推進の中核となる教員を集め、英語教育還元研修を全6回計4日間行いました。この還元研修は、平成27年度に文部科学省が実施した中央研修を受講した教員が講師となり実施したものです。参加した教員は、各学校で講師となって研修を進めています。各学校では、5・6年生担当教員だけでなく、すべての教員が外国語教育の意義や必要性を感じ、研修に参加し、学校全体で外国語活動や外国語科を進めようとする意識が高まっています。今後も、外国語活動や外国語科を実施する学年の担任だけが外国語教育を担わなければならないとの負担感につながらないよう、各学校に指導してまいります。
     次に、英語の教科化にあたってのALTの増員と、英語の専科教員を区で採用し、質の担保と教員の多忙化に対応することについてのお尋ねです。
     まずALTの配置についてですが、ALTすなわちアシスタント・ランゲージ・ティーチャーは、外国語学習における学級担任の補助が役割となります。学校では、学級担任が主になって授業を進め、外国語を聞いたり話したりするコミュニケーションスキルの部分をALTが補助するよう、学習プランに沿って授業を行っています。新宿区では29年度、小学校5・6年生は学習指導要領に定められた年間35時間の外国語活動の授業を行い、また、3・4年生は次期学習指導要領への移行期間に先駆けて、年間20時間程度の外国語活動を行う予定です。これらの全ての外国語活動の時間にALTを派遣し、教員を支援することが可能であることから、ALTを増員することは、現在考えていません。
     また、小学校学習指導要領解説外国語活動編では、「児童の外国語への不安を取り除き、新しいものへ挑戦する気持ちや失敗を恐れない雰囲気を作り出すために、豊かな児童理解と高まり合う学習集団作りが指導者に求められている」とあり、学級担任の関わりの重要性が示されています。外国語活動においては、普段から児童とコミュニケーションを図り、安心感を与えることができる学級担任の関わりが重要であることから、学級担任がALTと協力しながら行うことが適当であると考えています。学級担任の外国語の指導力向上を図るために、研修を計画的に実施し、またALTを有効に活用することにより、児童が楽しく、意欲的に取組める授業を行うとともに、教員の負担軽減を図ってまいります。
     次に、30人学級の実現を国に要望すべきではないかとのお尋ねです。
     35人以下等の少人数学級の実現については、平成25年度から、全国市長会を通じ要望を行っており、今後も、国や都に引き続き要望をしていきますが、30人学級については、教員の確保や教室の整備など、複数の課題があるため、法制度や財政的措置など、今後も、国や都の動向を注視してまいります。また、区として一層の人員配置すべきとのお尋ねですが、一学級の児童・生徒数や教職員の定数は、東京都により基準が定められており、新宿区のみで対応できるものではありません。教育委員会としては、区費講師をはじめ特別支援教育推進員などを配置することで、今後も、教員が子どもたちに向き合う時間が確保されるよう支援を行ってまいります。

     


    (あざみ議員)  次に、資源化推進のための廃食油回収について質問します。
     事業所から排出される廃食油は、産業廃棄物となり、事業所は独自に産廃業者と契約して処分しています。また、一般家庭の多くは食用油を揚げ物で使用した後は炒め物などに利用して、できるだけ使い切るように努力されているのではないでしょうか。それでも残ったら凝固剤で固めて一般ごみとして出すか、新聞紙等に吸わせて出しており、エコギャラリーやリサイクルセンターなど5カ所に回収センターがあるものの、油を持参してわざわざ行くのも困難です。現在は、区として廃食油回収を実施しておらず、資源化の方針も持っていないことが課題だと思います。 墨田区では循環型社会の実現をめざし、2000年度から廃食油の回収に取り組んでおり、現在、63カ所の回収拠点があります。2015年度の実績は19tで、回収は事業者に委託し、1回の回収経費は2万8千円程度、2016年度予算では年間86万9400円の委託費だそうです。回収した廃食油は、事業者によってディーゼル車の燃料や、洗濯用石鹸など、色々な物の原料としてリサイクルされています。墨田区は、廃食油回収とリサイクル日本一を目指して取り組んでおり、回収量は今後も増量傾向で一層のPRをして取り組むことになっているそうです。
     練馬区は40カ所以上の区施設で回収に取り組み、区が自前の精製機でバイオディーゼル燃料を作り、区の清掃車の燃料にしています。豊島区も区施設19カ所で回収し石鹸や飼料などにリサイクルし、2014年度は2915㎏の回収量になっています。葛飾区でも21カ所の区施設と、民間事業者による自主回収が5カ所で取り組まれ、2015年6月から区の公用車1台をその燃料で走らせています。中野、渋谷、千代田区などの隣接区でも行政回収が行われています。新宿区としても他区の事例を参考に、廃食油の行政回収拠点を設置するなど廃食油の行政回収に取り組むべきと思いますがいかがですか。
     次に、「エコストア」の認定について伺います。墨田区では、簡易包装・はかり売り、再生資源を使った商品の販売、資源の自主的回収、リサイクルや清掃・環境に関する情報提供、区で行う乾電池・廃食油の回収など、地球環境にやさしい取り組みをしているお店を「エコストア」として認定しています。これを参考に、新宿区としても小売店や飲食店などで推進してはいかがでしょうか。 以上、答弁を求めます。

     

    (吉住区長) 資源化推進のための廃食油回収についてのお尋ねです。
     はじめに、廃食油の行政回収についてです。
     家庭で発生する廃食油については、リサイクル活動センターや環境学習情報センターで回収しています。また、廃食油から石鹸やロウソクを作る講座を開催するなどの事業も行っています。ご指摘のとおり食用油は、各家庭でできる限り使い切っていただくことが原則であり、区では回収拠点の拡大は考えていません。
     次に、「エコストア」の認定についてのお尋ねです。
     墨田区の制度は、区が地球にやさしい取り組みを行う各店舗の申請に基づき「エコストア」として認定する制度と認識しています。一方、新宿区では、区や百貨店、スーパー及び業界団体等で構成する新宿区3R(スリーアール)推進協議会において、簡易包装や、ごみの分別・減量、リサイクル等を推進しています。区としては、店舗ごとに「エコストア」として認定することは考えていませんが、今後も新宿区3R推進協議会を通じて業界団体の取り組み等を支援し、エコなくらしについて発信していきます。

    区議会活動 | あざみ民栄

    2017.03.10 更新

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