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    2022年第3回定例会 川村のりあき議員が代表質問を行いました

    9月21日の本会議で川村のりあき議員は下記の7項目について代表質問しました。

     

    1.安倍元首相の「国葬」と統一協会の問題について
    2.2021年度決算と区政運営について
    3.コロナ禍と物価高騰からくらしと営業を守る施策について
    4.新型コロナウイルス感染症対策について
    5.加齢性難聴対策について
    6.神宮外苑の再開発について
    7.新宿区立高齢者いこいの家清風園廃止について

      ※正式な会議録ではありませんが、概要をご紹介します。 

      ※各質問の項目をクリックしていただくとPDFファイルをご覧になれます。

     

     

    (川村のりあき議員) 日本共産党新宿区議会議員団の川村のりあきです。会派を代表して代表質問を行います。

     はじめに、安倍元首相の「国葬」と、統一協会の問題について伺います。

     第1は、故安倍晋三元首相の「国葬」についてです。

     岸田内閣は安倍元首相の「国葬」を閣議決定し、9 月27 日に強行しようとしています。国葬は、戦前は個別の勅令で1926年以降は国葬令により行われましたが、戦後は日本国憲法に適合しないものとして失効し、現在は国葬に関することを定める法令は存在しません。また、国葬にかかる経費は総額約16億6000万円とされていますが、さらに増額する可能性も指摘されています。法的根拠のない国葬を、閣議決定のみで多額の予備費で強行することに、国民の怒りと反対世論は日増しに高まっています。報道各社の世論調査でも、国葬に対して「反対」「評価しない」がいずれも過半数を超え、読売新聞社の9月の世論調査でも「評価しない」が56%と、8月の46%から大きく増えています。

     岸田首相は、9月8日の国会の閉会中審査でも国葬実施の合理的根拠を何ら示していません。そもそも故人に対する弔意を示すかどうかは、内心の自由にかかわる問題です。しかし岸田首相は、「国葬」とは「弔意を国全体であらわす儀式」と述べました。国全体とは国民主権の国にあっては国民全体の事ですから、「国葬」とは国民全体に弔意を事実上強制することになり憲法の「思想及び良心の自由」に反します。さらに、各府省庁には「弔旗を掲揚するとともに、葬儀中の一定時刻に黙祷をする」よう岸田首相が決定しましたが、地方自治体には通知しないとしており、明らかに世論を気にした対応です。私ども区議団は9月8日、国葬問題で区長に申し入れを行いましたが、改めて以下、質問します。

     1つ目に、区長の「国葬」に対する認識と対応についてです。区長は安倍元首相の「国葬」について、どのような認識をお持ちですか。「国葬」は事実上弔意の強制にあたり、憲法違反という認識はありますか。「国葬」の中止を国に求めるべきと思いますがいかがでしょうか。

     2つ目は、区の対応についてです。区長は9月9日の記者会見で、「国葬」について「国から何も来ていないので、何もしない」と述べましたが、仮に国から要請があれば弔旗を掲げるなどするお考えですか。区役所本庁舎をはじめ区有施設、区立学校で、弔旗の掲揚や黙祷などを行わせ、区民、区職員、児童、生徒に弔意表明を押し付けることは、今回もこれからもあってはならないと考えますがいかがですか。区長と教育委員会にご所見を伺います。

     第2は、統一協会、現在の世界平和統一家庭連合及びその関連団体との関係についてです。

     統一協会は、長年に渡り詐欺的商法や高額献金を強制するなどの違法行為で多くの被害者を生み出してきた、宗教の名を借りた反社会的カルト集団です。2001年、札幌地裁は統一協会の布教活動は違法であるという判決を下し、最高裁で確定しています。全国霊感商法対策弁護士連合会によると、統一協会の霊感商法の被害だけでも1987年から2021年の間に全国3万4537件の被害相談があり、被害総額は約1237億円に及ぶとされています。これほどの被害を長い間生み出しながらも、この集団が摘発を免れ勢力を伸ばしてきた背景には、行政や政治家との強いつながりがあるからです。行政や政治家が統一協会やその関連団体と関わりをもち、広告塔の役割を果たすことにより被害を拡大することに繋がったのです。新宿区としても今後、統一協会との関わりや政治介入を許さず、被害拡大を食い止めるために、行政や政治家はこの集団との関係をきっぱりと断ち切る必要があります。以下、質問です。

     1つ目は、新宿区の行政として、統一協会との関係を断ち切ることについてです。この8月、江戸川区や足立区が過去に統一協会や関連団体から寄付を受け取っていたことを公表し、「当面の間は寄付を受け取らない」とし、世田谷区も統一協会関連団体の後援を取り消すなどしています。また、統一協会が「家庭教育支援条例」の制定などに関わって、地方政治に深く浸透している実態も明らかになりました。翻って新宿区はどうでしょうか。2002年、新宿文化センターで統一協会の関連団体である韓国少女舞踊団「リトルエンジェルス」の公演が開催されようとした際、全国霊感商法対策弁護士連絡会が新宿区に対し公的な会場が反社会的団体に使用されることのないよう申し入れをされ、私ども区議団も同様の申し入れを行っていました。ところが、2015年、再び新宿文化センターで「リトルエンジェルス東京公演」が行われたと統一協会系ホームページで紹介されていたのを発見し驚きました。結果として新宿区がこの団体の宣伝に力を貸してしまったのです。弁護士連絡会から申入れを受けていたにもかかわらず、二度も区の施設を使用させてしまったことについてどのようにお考えですか。こうしたことを再発させないためにも、区と外郭団体や指定管理者も含めて、統一協会との関与を全庁的に調査し公表すべきです。寄付、行事等への参加・共催・後援、区の事業への関わり、講演会等の講師のあっせん、その他あらゆる関与をすべて調査し、明らかにすべきです。既に調査をしているならば結果をお示しください。そして今後、区は統一協会や関連団体との一切の関係を断つことを、区長に宣言して頂きたいと思いますが、いかがでしょうか。

     2つ目に、区長と統一協会との関りについてです。区長は、自民党の国会議員秘書から、区議、都議をへて区長になっておられますが、同じ自民党の東京一区選出、山田みき衆議院議員が統一協会の関連団体の役員だと報じられたように、自民党自身の「点検」でさえも自党の国会議員の半数近くが統一協会と何らかの関係があったとしており、地方議員や首長も調査・公表すべきとの声が広がっています。国会議員の秘書が代理出席し、秘書が後に地方議員になってからも関係を続けるといった事例もあります。区長は秘書時代から現在に至るまで、統一協会とどのような関わりを持って来たのかお答えください。9月9日の記者会見で区長は、議員時代に2回ほど関連団体のイベントに接触したと述べましたが、関わったことへの反省や、今後一切関わらないといった言明が何もなかったことに驚きました。関わりを持ったことを現時点でどう思っているのか、今後は一切関わらないと明言すべきですが、区長の見解を伺います。

     3つ目に、統一協会と自民党の政策との関わりについてです。統一協会と自民党の政策が、改憲案や選択的夫婦別姓・同性婚の否定などで一致しているとの指摘があり、そのためジェンダー平等や、同性婚等の政策がなかなか進まなかったと考えられています。区長は自民党の政治家としてこうした指摘に対しどう思われますか。以上、答弁願います。

     

    (吉住健一区長) 川村議員のご質問にお答えします。

     安倍元首相の「国葬」と統一協会の問題についてのお尋ねです。

     はじめに、国葬に対する認識と対応について伺います。

     岸田首相が説明しているとおり、国葬は「故人に対する敬意と弔意を表す」国の儀式であると認識しています。国葬の実施に対して、東京地方裁判所は、弔意や弔意に沿った行動を強制する効果があるとはいえない、と判断しており、憲法に違反するものではないと考えます。また、国葬は、国の責任において実施するものであり、国に中止を求める考えはございません。

     次に、区の対応についてのお尋ねです。

     国葬の実施にあたり、区において弔旗掲揚や黙とうなど、弔意を表明する予定はありません。今後、国から要請や通知等があった場合には、その内容に基づき、対応を検討します。区における弔意表明については、これまで、皇族や元首相の葬儀にあたり、国からの要請等に基づき、個別に判断するものと考えています。なお、弔旗掲揚は、行政機関としての行為であり、区民や区職員に、弔意を強制することはありません。

     次に、新宿文化センターで行われた、統一協会の関連団体による公演についてのお尋ねです。

    2002年の公演については、申し入れに関するものを含め利用に関する記録は残っていないため、当時の状況は確認できません。2015年の公演については、利用日、利用施設、主催者及び公演内容が確認できました。それらの情報から、利用申請を不承認とする理由はありませんでした。新宿文化センターの利用承認は、条例、規則等に基づき行っており、適正な手続きがなされたと考えています。

     次に、統一協会と区の関与についてです。

     平成31年4月から令和4年8月までの期間を対象に、当該団体による寄附、共催・後援、区の事業等への関わり、施設の利用状況について、外郭団体や指定管理者を含む全庁に対し調査を行いました。その結果、すでに公表した通り、日刊紙の寄贈が1件、後援名義の承認が1件、施設の利用承認が4施設で延べ8回、確認されました。今後は、当該団体による活動実態が社会的な問題となっている点を踏まえ、区としては決してその活動を擁護・容認するものではないことを明確にするため、「寄附は受け入れない」「後援名義は承認しない」「区の事業等へは関与させない」ものとします。また、施設の利用については、集会・表現の自由に対する過度の制約とならないよう配慮しつつ、当該団体からの利用申請に対しては、より慎重な審査を行うことで、区民の不安払拭に努めてまいります。

     次に、区長と統一協会との関わりについてのお尋ねです。

     先日の記者会見でも申し上げましたが、秘書時代から現在まで、当該団体から組織的な支援を受けたことはなかったものと認識しています。また、議員時代に2回ほど、イベントをとおして接点がありましたが、その当時は、旧統一協会に関連する団体との認識はありませんでした。今後も、当該団体とは、関係を持つつもりはありません。

     次に、統一協会と自民党の政策との関わりについてのお尋ねです。

     ご指摘の件については、岸田首相が会見で「旧統一協会の政策が不当に自民党の政策に影響を与えたとは認識していない」と発言されていますので、そのように認識しています。自由民主党は、国民政党として多様な立場、多様な価値観を持った国民の意見を集約し、政策を決定していると認識しています。なお、私は、区長選挙に立候補する平成26年に自由民主党の役職は辞任していますので、政策決定等の手続きについて発言する立場にありません。

     

    (針谷教育長) 教育委員会へのご質問にお答えします。

     区立学校での弔旗掲揚と児童・生徒への弔意表明の対応についてのお尋ねです。

     教育委員会では、弔旗掲揚や児童・生徒への弔意表明についての特段の通知や依頼をする予定はございません。今後、国から要請や通知があった場合には、その内容に基づき、対応を検討します。

     

     

    (川村議員) 次に、2021年度決算と区政運営について質問します。

    2021年度決算は、実質単年度収支は50億円、9年連続の黒字となり、基金残高は、前年度607億円から656億円と49億円も増え、過去最高に達しました。予算成立時は、2021年度末基金残高は459億円との見込みで197億円もの差が生まれていますが、見込みと決算額とのこれほどの乖離をどう分析しているのか、歳入歳出の両面からお聞かせください。

     私ども日本共産党区議団は、2021年度予算に対し、生活保護世帯への夏の見舞金の支給、国民健康保険料の子どもの均等割、第3子以降の無料化、がん検診の無料化、学生勤労単身者への民間賃貸住宅家賃助成、就学援助のうち給食費の支給基準の拡大、介護・障害・福祉事業者への慰労金の給付、中小事業者への事業継続給付金など、8億円の予算修正案を提出しましたが、決算から見ても現実的なものでした。コロナ禍に対応するため、私たちは13回にわたる「新型コロナウイルスから区民の命とくらし・営業を守るための申し入れ」をはじめ20回以上の申し入れを行ってきましたが、区長の反応は鈍く、やっと、今定例会に生活支援臨時給付金の提案があったものの圧倒的に施策が不足しています。ちょうど1年前の代表質問で私は、区独自で100億円規模の感染拡大防止策と区民事業者への支援を求めましたが、決算の結果はそれらが実現可能だったことを示しています。過去最高の基金残高は、本来行うべきであった感染拡大防止策と区民事業者への支援を行わなかった結果ではないでしょうか。ご所見を伺います。コロナ禍に追い打ちをかける原油高・物価高の下での区民生活や営業の実態について、区長はどう把握していますか。新型コロナウイルス対策事業として何を実施し、その中での区の独自財源支出はいくらだったか、2021年度決算の総括と併せてお答えください。

     私ども区議団が行っている区政アンケートには9月12日現在1192人の方から回答があり、生活が苦しくなった64%、変わらない28.7%、よくなった0.7%と圧倒的に生活が苦しなったとのお答えです。「節約という点でも以前からすでに最大限にしている」「1日の生活費を1000円と決めました。おつりが少なくなりました」「コロナ物価高で困っていない人はいない」との声が寄せられています。みずほリサーチ&テクノロジーズの9月12日発表レポートによれば、物価高の影響は年収300万円の世帯は81018円(負担率3.5%)、年収1000万円以上の世帯は128190円(負担率0.9%)と収入が低い世帯ほど負担率が大きくなります。いまこそ豊かな区財政は区民生活の支援に活かすべきです。同時に、賃上げが社会的要請となっている中、区ができることとして公契約条例で定める労働報酬下限額を大幅に引き上げることが必要です。2023年度の労働報酬下限額について、契約管財課は各所管の予算要求に向けていくらで行うよう依頼したのか、それによって公契約条例を持つ区の中で最低レベルだった新宿区の報酬下限額がどの程度の位置になると見込んでいるのか、答弁願います。

     

    (吉住区長) 次に、2021年度決算と区政運営についてのお尋ねです。

     はじめに、令和3年度決算の総括並びに基金残高の見込みと決算との乖離についてです。

     令和3年度決算は、実質単年度収支が9年連続の黒字となりました。また、基金残高については、一般財源収入の増加等により財政調整基金などを取り崩すことなく、積立てを行ったことから、前年度と比較して49億円増、当初予算編成の見込みに対しては197億円増の656億円となりました。また、3年度末の区債残高は、前年度と比較して18億円減の186億円となりました。これらのことから、区財政は、一定の財政対応力を保持しているといえます。当初予算編成時からの基金残高197億円増の要因については、前年度決算確定に伴う増が46億円、当初予算を上回る基金を積み立てたことによる増が17億円、取り崩しを行わなかったことによる増が134億円となったためです。その内容としては、歳入面において、一般財源収入が大幅に好調な結果となり、収入実績が最終予算を上回りました。また、歳出面においては、各事業の目的が達成されるよう努める中で、結果として、件数や規模が想定を下回ったり、感染状況により中止・縮小した事業もあり、不用額が生じることとなりました。こうしたことから、歳入面では基金を取り崩すことなく、歳出面では基金積立増となり、基金残高が増となったものです。

     次に、新型コロナウイルス感染症対策事業についてです。

     令和3年度当初予算においては、一般会計が1,577億円で過去最大規模となり、財源不足額82億円について財政調整基金繰入金を充当することとしました。感染症対策事業については、当初予算では、十分な特定財源を見込むことができなかったため、一般財源で措置することとしました。年度の経過の中で、感染状況を踏まえ、15回の補正予算を編成し、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金など特定財源177億円を活用したことで、一般財源は25億円となりました。こうした中で、ワクチン接種体制の整備、住民税非課税世帯等臨時特別給付金等給付事業、中小事業者・商店街等への支援やICT教育環境の整備など、区民の命と暮らしを守る施策や地域経済の支援ができたものと認識しています。

     次に、原油高・物価高の下での区民生活や営業の実態についてです。

     新型コロナウイルス感染症の影響が続く中、原油価格・原材料価格の高騰、ウクライナ情勢の長期化の影響などにより、8月26日に総務省が公表した消費者物価指数の東京都区部8月分(中旬速報値)では、総合指数は前年同月比2.9%の上昇で、12か月連続のプラスとなっています。また、内閣府が公表した8月の月例経済報告では、「消費者物価は、当面、上昇していくことが見込まれる」とされています。このような状況から、区民生活は依然として厳しい状況にあり、先行きへの不安も高まっていると認識しています。また、事業者の実態については、区が実施した本年4月から6月期の景況調査では、全体的に緩やかな回復基調にある中で、業況DI(ディーアイ)はマイナス39.1ポイントと、前期のマイナス45.4ポイントから持ち直しています。一方、来期の7月から9月期の業況DI(ディーアイ)は、マイナス42.2ポイントと低迷する見込みとなっており、今後も新型コロナウイルス感染症の拡大や、物価高騰等による事業者への影響が懸念されます。このような状況から、営業の実態は、依然として厳しい状況にあるものと認識しています。

     

     

    (川村議員) 次に、コロナ禍と物価高騰からくらしと営業を守る施策について質問します。

     コロナ禍や物価高騰がくらしや営業に与える影響は深刻です。商店やサービス事業者らに景気の実感を聞く内閣府の景気ウォッチャー調査でも景気失速への懸念が数多く語られ、私どもの区政アンケートでも悲痛な声が寄せられています。消費者物価は2%を超す上昇が4月から4カ月も続き、「帝国データバンク」によると、年内に値上げされる食料品は累計で2万品目を超え、10月に値上げ予定の商品が6532品目でピークとなり、さらなる物価上昇はしばらく続くと予想されます。日銀の「異次元の金融緩和」政策が円安を誘導し、輸入物価を押し上げて物価上昇に拍車をかけていることは明白です。政府は、住民税非課税世帯に5万円の給付をすると発表しましたが、対象も金額も到底足りず、事業者への新たな支援策は何も示されていません。

     新宿区内の事業者も、食料品店は「電気代が昨年比1.37倍。電気代が家賃を超えた。もう耐えられない」、クリーニング店は「燃料代の高騰などで利益はほぼない店を閉めることも考えている」、歌舞伎町のスナック経営者からは「赤字続きでは営業している意味がなく年内で店を閉める」など廃業の危機が広がっています。飲食店にとっては、3月までは国の事業復活支援金、東京都の感染拡大防止協力金がありましたが、今は支援がないため7月、8月の売り上げはコロナ前の半分あるいは、3分の1程度のお店も少なくありません。保健所には、今年の4月~8月まで627軒の廃業届が出されています。新宿区として一刻も早い支援が求められています。以下質問します。

     第1は、事業者への緊急支援策についてです。

     1つ目は、事業復活支援金の第2弾を国に要望することです。国の事業復活支援金は、6月15日で締め切られましたが、予算2兆8千億円のうち約1兆円を使い残しました。全国知事会は8月19日、政府に対し『「事業復活支援金」と同様の支援策を創設するなど、事業継続や事業再構築等に対する支援策の一層の拡充を図る』よう要望しています。区としても国に要望すべきと考えますが、いかがでしようか。

     2つ目は、区独自の支援策についてです。都内でも物価高騰対策として自治体独自の支援策を行う区市が広がっています。江戸川区は、「運送事業者等燃料費高騰対策支援金」として売上高に応じて5万円~20万円を助成、江東区も区内に本社のある貨物自動車輸送事業者1000事業者を支援する予定です。また、墨田区や北区はエネルギーコスト上昇に伴う影響緩和策として介護や福祉のサービス事業者に給付するとしています。西東京市は、「市内事業者物価高騰等対応支援事業」として個人事業主に5万円、小規模法人10万円、小規模以外は30万円を給付しています。日野市、清瀬市、武蔵村山市は、高騰した電気・ガス・燃料費の一部助成を行っています。また、文化芸術分野では、杉並区が独自の「文化助成活動支援金」上限40万円、補助率3分の2が25件の募集に90件応募があったことから25件追加募集することになりました。新宿区でも他自治体の例を参考に独自の支援策を実施すべきと考えますが、いかがでしょうか。

     第2は、学校給食費の無償化についてです。

     学校給食費の無償化は、義務教育無償の観点から本来、国において行われるものではありますが、多くの自治体が子育て支援の観点から様々な支援を行ってきたのが実情です。23区内では、北区と足立区は児童生徒が3人以上いる多子世帯の第2子は半額、第3子以降は全額を補助しています。葛飾区は2013年から区立小中学校に3人以上子どもが在籍している世帯の3人目以降は給食費を無償にし、2015年には給食食材費に補助を行い、補助額を増やし続けてきましたが、ついに来年度から完全無償化すると発表しました。所得制限を設けない学校給食の完全無償化は23区で初めてです。物価高騰で苦しむ区民の負担を軽減するためにも、新宿区でも学校給食の無償化に踏み出すべきではないでしょうか。以上、答弁願います。

     

    (吉住区長) コロナ禍と物価高騰からくらしと営業を守る施策についてのお尋ねです。

     はじめに、事業復活支援金の第2弾を国に要望することについてです。

     区としては、事業復活支援金と同様の支援策の創設を国に要望することは考えておりませんが、特別区長会を通じて、地域経済対策等の充実について要望をしております。

     次に、区独自の支援策を実施することについてのお尋ねです。

     区では、これまでも「商工業緊急資金(特例)」をはじめ、「専門家活用事業」や「おもてなし店舗支援事業」、「地域商業活性化推進事業」など、区独自の事業を実施してまいりました。また、物価高騰等の影響を受ける事業者を支援するため、本年8月1日から「商工業緊急資金(特例)」の貸付限度額を1000万円から2000万円に引き上げるとともに、貸付期間を5年から10年、据置期間を12か月から24か月に延長するなど、資金繰り支援の拡充を行っています。引き続き、こうした区独自の支援策を実施し、社会情勢に応じた適宜適切な支援を行ってまいります。

     

    (針谷教育長) 教育委員会へのご質問にお答えします。

     学校給食費の無償化についてのお尋ねです。

     学校給食費については、学校給食関係法令に基づき、保護者にご負担頂くことを基本としながらも、就学援助制度により、支援が必要なご家庭に対しては、実費支給をさせていただいています。また、令和4年7月からは、昨今の食材料費の高騰への対応として、学校給食費に対する高騰分補助を公費で実施することにより、保護者にご負担いただくことなく、質の維持を確保しながら安定した給食の提供に取り組んでいます。今後も、適宜、状況を踏まえながら適切な対応を実施していく考えであることから、学校給食費の無償化については、現時点では予定していないところです。

     

     

    (川村議員) 次に新型コロナウイルス感染症対策についてです。

     新型コロナウイルス感染症は拡大の波の度に被害規模が大きくなり、今夏の第7波は過去最大の被害となりました。医療機関も保健所など区職員のみなさんも苦労の連続だと思います。感染力が強いオミクロン株の亜種BA.5が主流となった第7波で、政府は経済を優先し、水際作戦の緩和や感染対策の緩みなどにより、WHOの集計による「1週間の新規感染者数」が日本は7月18日から6週間連続世界最多となりました。週間死者数も3週連続で世界2位です。日本の死者数の累計は9月9日時点で4万2554人となり、東日本大震災の関連死を含めた1万5900人と比べても圧倒的に多く、更に厚生労働省の調査によれば何らかの後遺症を訴えている方が1年後でも3割以上にのぼることを考えれば、新型コロナ感染症は国民にとってまさに災害です。新宿区の累計感染確認者数は9月10日時点で8万5千人を超え、区民の4人に1人に近い方が感染したことになります。以下質問です。

     第1は、区内の新型コロナウイルス感染症による死亡者数についてです。

     今年1月から直近までの区内の死亡者数を月ごとにお聞かせください。年代などの傾向と、いわゆる在宅死が何人だったのかもあわせてお答えください。

     第2は、検査と診療の体制についてです。

     発熱外来は第7波でまたもやパンクしました。「101回目の電話でやっとPCR検査が受けられた」「39℃を超える熱があっても65歳以上でないからと解熱剤すら処方されず市販薬を自分で買うよう言われた」など、陽性者になり症状があっても医療を受けられず自宅でただ耐えるしかないという事態が区内でも発生しました。区長はこのような実態をどう把握しておられたのでしょうか。発熱外来がパンクしている状況に対し何か有効な対策を取ったのでしょうか、伺います。

     世田谷区では、有症状でも医療機関での受診が困難な状況が続いた事を踏まえ、8月10日から重症化リスクの低い有症状者を対象に大規模なオンライン診療体制をつくりました。ウェブ上の専用フォームで申請すると抗原定性検査キットがない方にはバイク便でキットを届け、自己検査で陽性の結果が出たら結果の写真や医療保険証、問診票などをフォームから送信しオンライン診療を受け、必要な場合は薬を処方し当日又は翌日にバイク便で自宅に届けています。これによりクリニックでは高齢者など重症化のリスクが高い方を優先に診療出来るようになります。東京都が20代から40代までを対象に陽性者登録センターをつくりましたが、ワンストップの診療や処方は行っていません。区はPCR検査センターでの検査を7月以降行っていませんが、なぜやめてしまったのかお答えください。せめて発熱外来が逼迫し検査難民が発生している時には区のPCR検査センターを稼働させるべきですが、なぜ稼働させないのかお答えください。現場を担う医療機関のみなさんから発熱外来の逼迫状況や薬の供給状況、スタッフの感染実態など、実状を聞いて打開策を打つ必要があったのではないでしょうか。そして、次の波で同様の事態を発生させないよう、区として世田谷区などのように診療まで出来る体制を発熱外来逼迫時に直ちに立ち上げられるよう今から対策を講じるべきではないでしょうか。区長の見解を伺います。

     第3は、初期スクリーニング検査の体制構築についてです。感染者が発生した施設等で行う初期スクリーニング検査は感染拡大を防止するため大変重要な施策です。2021年度の当初予算では592万8千円でしたが、執行額は3万9千円と1%も執行されていません。なぜこのような執行率になったのかお答えください。第6波以降のオミクロン株では子どもの感染が急増していたにも関わらず子どもの施設で初期スクリーニング検査が全く行われていません。第7波も子どもの感染で保護者である医療従事者などを含むケア労働者が仕事に行けず、医療や公共交通機関が滞るなど経済活動に影響がありました。早期に感染者を把握し新たな感染拡大を防ぐのに初期スクリーニング検査は重要な役割を果たします。現在も子どもの施設では感染が続いています。医療機関に負担をかけないためにも区が初期スクリーニング検査を積極的に実施すべきではないでしょうか。

     第4は、東京都の集中的・定期的検査の実施についてです。区立の小中学校及び幼稚園、保育施設での感染を抑えるため、職員に対し都が行っているのが集中的・定期的検査です。ところが新宿区では各施設任せにし、実施施設数も把握していないと聞いています。区と教育委員会の責任で、どの施設でも希望者が実施できるようにすべきではないでしょうか。現時点で実施している施設数も合わせてお答えください。

     第5は、自宅療養者とその家族への対応についてです。7月の中旬以降、食料や貸出用パルスオキシメーターを発送している「うちサポ東京」について、区民から「申し込んだが届いたのは隔離期間が終わった後だった」、「いっぱいだからと断られた」「家族全員感染したのに1世帯1人分だった」など、自宅療養中の食料調達などで苦情や相談が寄せられました。練馬区や北区などでは区が独自に食料品などの支援を実施しています。私ども区議団は7月29日、これらの状況を踏まえ区としても食料などの支援を行うよう要望しましたが、どのように検討されたのか伺います。また、パルスオキシメーターについては区独自に第7波で452台貸出したとお聞きしましたが、3万人余の感染者に対し十分とは言えません。世田谷区では昨年9月からパルスオキシメーターの配送と集荷を事業者に依頼することで必要な区民に確実に届け、保健所の業務軽減にもなっています。新宿区のパルスオキシメーター保有数は2323台ですが更に購入し民間の力も借りて希望する方全員に速やかに貸出せるようにすべきではないでしょうか。区長の見解を伺います。

     

    (吉住区長) 新型コロナウイルス感染症対策についてのお尋ねです。
     はじめに、今年1月から直近までの新型コロナウイルス感染症による区内の死亡者数及び年代の傾向についてです。令和4年1月から8月までの区内における死亡者数は、1月は2人、2月は19人、3月は6人、4月は無し、5月は3人、6月は2人、7月は4人、8月は13人となっています。年代の傾向としては、655歳以上の高齢者が約9割を占めており、そのうちの85歳以上が占める割合は約7割です。
     次に、いわゆる在宅死の人数についてです。入院が必要な方で、医療機関の逼迫により自宅療養を余儀なくされ、必要な治療が受けられず結果的に自宅で亡くなった方は、1月以降確認されていません。
     次に、検査と診療の体制についてのお尋ねです。
     第7波では、一部の医療機関の発熱外来において電話が繋がりにくい状況があったと認識しています。そのような状況下でも、区の発熱等電話相談センターでは、受診可能な医療機関の情報を集約し案内することで、医療機関に繋いでいました。区の実施するPCR検査センターについては、必要に応じてすぐに検査を開始できる体制を維持しています。なお、7月以降は、高齢者や障害者施設において実施する検査を支援するため、検体の回収や検査機関への搬入準備等に活用しています。現在、地域の多くの医療機関で、PCR検査ができるようになっています。特に有症状者については、速やかに診察、検査、治療薬の処方を行う必要があることから、医療機関で検査を受けることが適切であると考えます。そのため、オミクロン株感染拡大下においても、有症状者を対象として、区のPCR検査センターを稼働することは考えていません。
     次に、発熱外来の実状を聞いた上での打開策の必要性と次の波の対策についてです。
     区は、基幹病院と医師会との連絡会などを定期的に開催し、医療現場の実状を把握するとともに、関係機関と区内の感染状況や医療提供状況を共有してきました。また、新型コロナウイルス対策医療介護福祉ネットワークの会議を毎月開催し、それぞれの現場の声を取り入れています。これらの情報をもとに発熱外来の案内や入院調整に活用するなど、様々な対応を実施し、適切に医療を提供することができたものと考えています。新宿区の特性は、医療資源に恵まれ、基幹病院と医師会、区で緊密な連携がとれていることです。今後も、こうした地域特性を生かして新型コロナウイルス感染症に対応して参ります。
     次に、初期スクリーニング検査の体制構築についてのお尋ねです。
     予算の執行率については、令和3年度当初予算に、検査実施に係る医療職の報償費を計上していました。しかし、保健所の医療職や、施設が自ら検体を採取したため、結果的に予算を執行せず検査を行うことができました。
     次に、初期スクリーニング検査を区として積極的に行うことについてです。
     第6波以降は、オミクロン株の特性を踏まえた国の通知に基づき、重症化リスクの高い高齢者施設や障害者施設等に対して、重点的に検査を行っています。
     次に、東京都の集中的・定期的検査の実施についてのお尋ねです。
     区としては、感染者を早期に発見し、感染拡大・集団感染を防止する趣旨に鑑み、各保育所・子ども園等に対し、通知等による検査受診の勧奨を行っているところです。現在、32所の保育施設において、定期的な検査を実施しておりますが、未実施の園についても、あらためて制度の説明を行いながら、引き続き勧奨を実施してまいります。

     

    (針谷教育長) 教育委員会へのご質問にお答えします。
     東京都の集中的・定期的検査の学校・園での実施と実施している施設数についてのお尋ねです。
     教育委員会では、区立学校・園に対して、東京都の集中的・定期的検査への申し込みや積極的な活用 について定期的に周知しており、各校・園に検査を希望する職員がいる場合、対応できる体制を整えています。検査の実施状況については、9月初旬に調査を行っており、全ての区立学校・園が検査キットを東京都に申し込み、必要に応じて検査を行っていることを確認しています。

     

     

    (川村議員) 次に、加齢性難聴対策について伺います。

     加齢性難聴対策については、私はこれまで代表質問や一般質問、予算決算の委員会で取り上げ、厚労省への聞き取りにも積極的に参加し、直近では8月24日に行って参りました。高齢化社会の進展する中、65歳以上で約45%、80歳以上で約80%が難聴者とされ、聞こえのバリアフリーへの取り組みは急務です。2017年7月、ランセット国際委員会が、「難聴は認知症の最も大きな危険因子である」と指摘して以降、難聴対策が認知症対策につながることは、2017年に改定された新オレンジプランにも反映されています。2019年の「WHO認知症予防ガイドライン」でも「難聴を適時に発見し治療するために、スクリーニングと難聴のある高齢者への補聴器の提供が行われるべきである」と指摘されました。私どもの会派が行っている第17回新宿区政アンケートでも、聞こえのお困りごととして「高音やテレビの音が聞こえにくい」「会話が少なくなった」「母が補聴器をしてくれない」等の声が寄せられています。区の取り組みをさらに進めるため、以下質問します。

     第1に、次期の高齢者保健福祉計画・第9期介護保険事業計画(以下、「同計画」)に認知症対策として聞こえの問題を位置付けることです。

     昨年の第4回定例会で、練馬区が詳細な「きこえ設問」を独自に加え、補聴器補助、認知症対策へと発展させたことを紹介し、「同計画」に先立つ「新宿区高齢者の保健と福祉に関する調査」で、聞こえの設問を取り入れることを提案したところ、「高齢者保健福祉推進協議会において協議」するとの答弁でした。この間の検討状況についてお聞かせください。また、高齢者保健福祉計画・第9期介護保険事業計画策定に当たっては、「WHO認知症予防ガイドライン」の指摘を踏まえ、加齢性難聴対策について位置づけるべきと考えますが、ご所見を伺います。

     第2に、聴力検査についてです。

     補聴器は聞こえの問題を早期発見し装用開始することが大切であり、区が健康診査で独自の項目として「耳はよく聞こえますか」という質問を設けていることは評価できます。ただ、加齢性難聴は自分では気が付かない場合も多く、やはり区の健康診査では高齢者に聴力検査を行うべきです。区政アンケートでも聴力検査を導入すべきと思う方が89%となっています。いかがでしょうか、ご所見を伺います。さらに、敷居を低くするという点では、身近な場で聴力検査ができることも重要です。豊島区は、区が実施する健康診査で高齢者に聴力検査を行っていますが、これに加え、今年度から区内16か所の区民ひろば等で「ヒアリングフレイル」=聞き取る機能の衰えのチェックをしています。誰もが気軽に立ち寄り、「みんなの聴脳力チェックアプリ」を使い、簡単に測定でき、聴取率6割未満の方には耳鼻咽喉科を案内するというもので、啓発と同時に専門医を紹介できる仕組みです。WHOガイドラインの指摘にも適っています。そこで区長に伺います。「みんなの聴脳力チェックアプリ」等を活用し、高齢者総合相談センターや地域センター、地域交流館等で、身近に聴力検査をして専門医につなげ、必要な方には補聴器の装用ができるようにすべきと考えますが、ご所見を伺います。

     第3に、補聴器購入に対しての助成制度の創設についてです。

     加齢性難聴に対し、新宿区と江東区は補聴器の現物支給を行っていますが、13区では補聴器購入に対しての助成を行っています。「調整にも便利な身近な補聴器店で自分に合った補聴器を購入したい」との要望も多く、区政アンケートでも、「購入費の補助があれば利用したい」が72%となっています。港区では13万5000円を上限とする助成が始まりました。江東区では、今年度現物支給に加え、3万円の費用助成を始めました。補聴器支給者にアンケートをとり、購入後に助成金をもらうことへの要望が多いことが確認できたとのことです。実績も、従来の現物支給の実績に加え、200人以上増えているとのことです。これは更なる普及の力になります。現行の現物支給に加え助成制度を創設し選択できるようにすべきと考えますが、ご所見を伺います。

     第4に、支給者へのアンケートやアフターケアについてです。

     江東区の補聴器支給者に対してのアンケートは、友人・家族との交流、聞こえの改善、補聴器の使用・使用していない理由、調整、ヒアリングループ等について聞いており、施策の改善に非常に有効です。また板橋区では、「補聴器購入アフターケア証明書」を発行し、調整とトレーニングの実効が上がるよう工夫しています。せっかく支給した補聴器が活用される取り組みが大切です。新宿区でも支給者へのアンケートや調整とトレーニングが行われる仕組みづくりをすべきではないでしょうか。以上答弁願います。

     

    (吉住区長) 加齢性難聴対策についてのお尋ねです。

     はじめに、高齢者保健福祉計画・第9期介護保険事業計画に認知症対策として聞こえの問題を位置付けることについてです。

     区はこれまで、高齢者保健福祉計画・第9期介護保険事業計画の策定に向けて、高齢者保健福祉推進協議会等でご意見をいただきながら、10月から実施する「高齢者の保健と福祉に関する調査」の設問内容等の検討を行ってきました。本調査を通じて、高齢者等の心身の状態を広く把握するため、一般高齢者調査、要支援・要介護認定者調査及び第2号被保険者調査において、新たに「耳の病気及びその後遺症の有無」を確認する設問を追加することとしました。

     次に、加齢性難聴対策についてです。

     難聴は認知症の危険因子の一つであり、高齢者の方が難聴に気づいて、個々の状況に合った対応を取ることは、高齢者の健康保持・増進にとって大切なことであると考えています。現計画では、補聴器の支給を「自立生活への支援」施策の一事業に位置付けています。今後は、「高齢者の保健と福祉に関する調査」で現状を把握するとともに、高齢者保健福祉推進協議会のご意見を伺いながら、次期計画の策定を進めてまいります。

     次に、区の健康診査で高齢者に聴力検査を行うことについてのお尋ねです。

     区の健康診査は、原則として国が示す標準的な検査項目に沿って実施しています。ただし、医師会との協議により、検査時間が増えることなく対応できる血液検査や尿検査では、検査項目を追加しているものもあります。一方、健康診査の中で聴力検査を実施する場合、今まで以上に健康診査全体の時間がかかることや、医療機関の体制も含めて課題があるため、聴力検査を検査項目に追加する考えはありません。しかし、健康診査の質問票に「耳はよく聞こえますか」との項目を区独自に追加し、医療機関において問診等をする中で、不安がある場合には、必要に応じて相談先として保健センター等をご案内しています。

     次に、「みんなの聴脳力チェックアプリ」等を活用し、聞こえのチェックを実施して専門医につなげ、必要な方には補聴器の装用ができるようにすべきとのお考えについてです。

     高齢者総合相談センターでは、日頃から高齢者の様々な相談に応じており、その際に、聞こえの問題がある方については、補聴器支給事業をご案内するとともに、耳鼻科への受診を勧奨するなど、必要な助言を行っています。また、補聴器の使い方や難聴者との上手なコミュニケーションの取り方など、高齢者の聞こえをテーマとした介護者講座なども実施してきました。ご指摘いただいた、他自治体でのアプリの活用を始めとした様々な取り組みについては、今後の施策の参考としてまいります。

     次に、補聴器購入に対しての助成制度創設についてのお尋ねです。

     区は、入札で選定した事業者と年間契約を締結することにより、一般価格と比較して安価に補聴器を調達することを可能としており、利用者負担額も低額となっています。購入代金への助成を実施した場合、利用者は一旦高額な費用を事業者に支払う必要があります。区の助成額を差し引いたとしても、現在の利用者負担額と比べて高額な負担となることが見込まれます。また、購入後に領収書等の書類を添えてご申請いただくなど、事務的な負担をお掛けすることも課題となります。広く高齢者が、少ない負担で補聴器の支給を受けられる現行の事業を継続していくために、現時点では、購入代金への助成制度を創設し、現物支給との選択制にする考えはありません。

     

     

    (川村議員) 次に、神宮外苑の再開発について質問します。

     神宮外苑の再開発は、三井住友不動産、伊藤忠商事、明治神宮、日本スポーツ振興センターが事業主体となり、神宮球場と秩父宮ラクビー場の位置を入れ替え更新し、超高層ビル3棟を建設する計画で、この計画によって既存樹木約1,000本が伐採され、歴史ある神宮外苑の景観と自然環境が破壊されることを私ども区議団は再三にわたり指摘し、計画の変更を求めてきました。この計画はオリンピック・パラリンピック会場となった新国立競技場建設の時から幾度か変遷し、今の形になるにあたっては森喜朗元首相が深く関与しており、まさに今、オリンピック組織委員会を巡る汚職事件で、渦中の人となっています。

     都市計画決定がされた後も東京都環境影響評価審議会では激論が交わされ、5月26日の審議会第1部会が結論を先送りする事態となったことは第2回定例会の代表質問でも触れ、計画がこのまま進めば事業者から伐採の許可申請が出されることになり、許可権限を持つ区長の姿勢が問われることを指摘しました。その後、第1部会は8月16日に再開、審議会総会は8月18日に開催されました。事業者は、樹木の伐採を971本としていたものを556本とし、移植は70本から191本に、移植検討は19本、存置は340本から615本に変更すると報告し、いかにも樹木の伐採を減らすかのように示しましたが、この数字にはごまかしがあることは環境アセスの大家、千葉商科大学の原科幸彦(はらしなさちひこ)学長が指摘されており、審議会の場でも専門委員から「いちょうの根の調査結果や、16日の第一部会で求めた修正などが、評価書にどのように反映されるか。審議会で確認していくことが必要だ」「秩父宮ラグビー場のPFI事業決定プロセス前後の情報連絡をしっかりお願いしたい」「着工してしまうと取り返しがつかなくなる可能性がある。着工前に全ての懸念項目について調査を行い、その内容を審議する機会を担保してほしい」等の意見が出され答申後も審議会が事業者の取り組みを継続的にチェックすることを盛り込んだ異例の答申となりました。

     また、審議会の前日、8月15日に新宿区都市計画委員でもある中央大学研究開発機構の石川幹子教授が記者会見を行い、1991年開通の新宿御苑地下トンネル工事の際に移植した樹木を調査した結果、トンネルに近いほど被害が大きかった一方、トンネルから15メートル以上離れた樹木は保全に成功している事を明らかにしました。石川教授は会見で「新野球場といちょう並木が8メートルの距離では、いちょうを守ることはできない。絶体絶命の危機にある」と訴えました。更に日本イコモス国内委員会は神宮外苑問題の現状に危機感を持って緊急の研究会を開き、神宮外苑を守る事の重要性を各分野の専門家が訴えました。このように多くの専門家も神宮外苑の再開発に疑問を投げかけ、都民・国民の間に拡がった樹木伐採反対のネット署名は10万人を大きく超えています。区長と話そうしんじゅくトークでも神宮外苑の樹木を守って欲しいという意見が出されましたが、私ども区議団の区政アンケートでも回答者の9割が伐採に反対で、「先人たちが未来を想像して、植えた大切な木々たちを守りたい」「伐採した木が元に戻るまで大変な時間がかかります。今の現状を維持すべき絶対反対!」との声が寄せられ、区長は伐採を許可すべきではないという声が圧倒的です。以下、具体的に質問します。

     第1は、区長の認識についてです。

     東京都環境影響評価審議会の第1部会と総会の議論と答申について、区長はどのように認識しておられるのか。また、石川幹子教授の指摘についてどのようにお考えか伺います。ネット署名が10万人を超えていることや、区民の声についてどのように受け止めておられるのか伺います。

     第2は、調査と情報開示についてです。

     計画では最初に神宮第2球場が解体され、その周辺の樹木が撤去され、建国記念文庫の森は新ラグビー場建設により3分の2が撤去されることになっています。撤去される樹木のうち移植とされたものは、どこの圃場にどのような方法で移植するのか、神宮外苑の敷地内に再び移植するのはどの樹木で、どこにどのような方法で移植するのか、事業者は一切示していません。樹木の伐採・移植は行われるべきではありませんが、少なくとも区として事業者にそういった最低限の情報は開示させるべきではないでしょうか。都の審議会「答申」では様々な指摘や課題が出され、土壌の質や土壌水分量等の土壌環境と土壌生態系を含めまとまりのある生息環境となる樹林地の保存及び再生の考え方を示すよう事業者に要請されました。新宿区としても事業者に詳細な調査を求め区民に情報を開示すべきではないでしょうか。それ無しに伐採許可申請が出されるようなことがあってはならないと考えますが、いかがでしょうか。

     第3に、風致地区における伐採の許可申請についてです。

     「東京都風致地区条例に基づく樹木の伐採に関する基準」に基づき、区長は樹木の伐採・移植の許可権限を持っています。第2回定例会で区長は、「新宿区の基準に基づき厳正に審査を行う」と答弁されましたが、厳正な審査とは具体的にどのようなことを行うのでしょうか。建国記念文庫の森は、3分の2も樹木を撤去すること自体が風致地区の主旨に反すると思いますが、区長は事業者から伐採の許可申請が出された場合、許可を前提として審査を行うのか、それとも許可をしないこともありうるのか。許可をしない場合の基準は何か、伺います。みどりの条例では、「・・みどりの保護と育成に関する知識の普及及び意識の啓発を図り、並びに区民の提案を尊重するように努めなければならない」としており、この計画に対しては都民や日本イコモス含めた専門家から様々な対案が提案されています。私どもは、神宮外苑の樹木の伐採は許可すべきでないと考えますが、区長は少なくとも区民の意見を聴き提案を受ける場を設けるべきと考えますがいかがでしょうか。

     

    (吉住区長) 神宮外苑の再開発についてのお尋ねです。

     はじめに、東京都環境影響評価審議会の第一部会と総会の議論と答申についてです。

     本年5月に実施された第一部会では、既存樹木の状態を示す資料が不足している等の理由で、結論が先送りになりました。8月の第一部会及び総会においては、事業者が新たに実施した既存樹木の詳細調査の結果を踏まえて削減された伐採本数や移植位置や方法が示されました。都知事からは、「本事業の評価書案における調査や予測、評価は、おおむね東京都環境影響評価技術指針に従って行われた」との意見が示されたものと認識しております。

     次に、石川教授の指摘についてです。

     事業者が都に提出した環境影響評価書案では、今後、いちょう並木の根系調査を実施し、根が建物の計画範囲に延びていた場合、根に影響を与えないよう、野球場棟の基礎形状の変更や、いちょうの根への影響を最小限に抑える施工方法を採用するなど、いちょう並木を保全するとしています。一方、石川教授からは、新宿御苑における地下トンネル工事の事例を踏まえ、神宮外苑のいちょう並木の生育に支障が出るとの指摘がなされています。このことについては、事業者に対し、野球場棟建設の施工方法を検討する際、石川教授の指摘を考慮するよう申し伝えます。

     次に、ネット署名や区民の声についてです。

     これらの意見の多くは、既存樹木の保全に関するものと認識しており、区は、引き続き、施設計画の詳細検討において、既存樹木がより一層保全されるよう、都や事業者に対し働きかけてまいります。

     次に、神宮外苑の樹木に関する調査と情報開示についてのお尋ねです。

     事業者は、本年5月に、神宮外苑における具体的な検討内容について広く情報開示するため、インターネット上にプロジェクトサイトを立ち上げました。今年度事業者が新たに実施した樹木の詳細調査を踏まえ、伐採又は移植される樹木の位置及び移植方法を示した環境影響評価書案が、同プロジェクトサイトに公開されています。本年8月に、都知事は、樹林地の保全及び再生、既存樹木のより一層の伐採の回避などを環境影響評価書案に対する意見として示しています。併せて、環境影響評価審議会においても、今後の事業者の環境保全措置に継続的に関与するとしています。そのため、今後、事業者による樹林地の保全及び再生についての詳細な検討内容が、同審議会に提示されるものと認識しています。区は、樹木の伐採許可申請のタイミングに関わらず、既存樹木や樹林地の再生などの具体的な検討が行われた段階で、順次、同プロジェクトサイトにおいて情報開示がなされるよう、都や事業者に対し働きかけてまいります。

     次に、風致地区における伐採の許可申請についてのお尋ねです。

     東京都風致地区条例では、風致地区内において、樹木の伐採や移植を想定した計画である場合、あらかじめ許可を受けることを規定しています。神宮外苑の再開発について、風致の許可申請があった場合には、支障木の伐採が必要最小限に止められているか、現存する植生はできるだけ残存させているか、さらに伐採したあとは積極的に修景植栽を行う計画となっているかなど、新宿区の許可基準に基づき審査を行ってまいります。

     また、建国記念文庫の森について、風致の許可申請があった場合にも同様に、区の許可基準に基づき審査を行い、許可の可否については、許可基準の適否により判断してまいります。

     神宮外苑の再開発については、すでに都市計画の説明会などの場において区民の意見を聴く機会があったことから、改めて区民の意見を聴き、提案を受ける場を設けることは考えておりません。

     

     

    (川村議員) 次に、新宿区立高齢者いこいの家清風園廃止について伺います。

    昨年11月29日、新宿区立高齢者いこいの家清風園廃止について、新宿区を被告とした行政訴訟が提起され、いまも係争中です。なぜ、裁判が起こったのか教訓をくみ取るべきです。

    清風園は解体され、2度にわたる説明会であれだけ「守ってほしい」といわれた樹木は伐採されてしまいました。区が清風園のお風呂の代わりだとした銭湯の利用料はわずか2年の間に470円から今では500円となり、燃油高騰の折、さらなる値上げが懸念されています。「新宿区の説明はいつもその場しのぎだね」との区民の方から言われた言葉が私の胸に痛切に響きました。現時点で、以下2点質問します。

    第一に、区民意見の聴取の方法です。

    2020年1月18日、19日の説明会は、清風園の廃止と跡地を障害者グループホームにすることを同時に説明するという前代未聞の説明会で、清風園存続を願う区民と障害者グループホーム建設を願う区民とをあえて対立させ分断を持ち込む異常なやり方でした。施設には設置の目的があり、利用者があります。ましてや清風園は地域交流館等類似施設22施設中3番目に利用者が多い施設でした。区長が、区民や利用者の意見を尊重する立場なら、まず利用者の声をよく聴き、廃止すべき施設なのかを検討すべきで、廃止施設と跡地利用を同時に説明するような乱暴なやり方は二度とすべきではありません。ご所見を伺います。

    第二に、区民意見の記録と公開、(仮称)公文書管理条例の制定についてです。

    私が参加した1月19日の説明会では、再度の説明会を求める声が多く、区側もそれに応じると述べていたため、代表質問で取り上げようと確認したところ、説明会の冒頭、音声を記録する旨区側が発言したにもかかわらず、区側に記録がないとの答えで驚きました。私の作成した議事録に比べ、区側が作成した説明会の要録が、清風園廃止反対の意見があまりに少なく恣意的なまとめになっており疑問を持ちました。これとは別に区民が議事録や音声データの開示請求したところ、詳細な議事録はなく、音声データも要録を作成後消去したとのことで、事後の検証ができず大問題です。今後行われる区民への説明会では、議事録の作成と音声データの保存を義務付けるべきと考えますが、いかがでしょうか。

    新宿区自治基本条例第 15 条 では情報公開として「区の行政機関及び議会は 、区民の区政に関する情報を知る権利を保障し、を積極的に公開することにより、区民との共有を図るものとする」とあります。情報のこれ共有は民主主義の基礎です。住民からの意見聴取についても、議事録の作成と音声データの保存を義務付け「新宿区における文書等の保存及び廃棄に関する規程」「新宿区文書等取扱規程」「新宿区文書等保存期間設定基準」の規定を整備し、(仮称)公文書管理条例を制定して区民への説明責任を果たすべきと考えますが、ご所見を伺います。以上、答弁願います。

     

    (吉住区長) 新宿区立高齢者いこいの家清風園廃止についてのお尋ねです。

     はじめに、廃止施設と跡地利用を同時に説明したことについてです。

     清風園廃止後、どのように跡地を活用していくのかは、地域住民にとっても関心が高く重要なことから、令和2年1月18日及び19日の説明会では、清風園を廃止して、その跡地に障害者グループホーム等の整備を行うという方針案を合わせて説明させていただきました。

     次に、住民説明会や住民からの意見聴取に係る議事録の作成等や規程整備についてのお尋ねです。

     住民説明会や住民からの意見聴取の場では、発言の内容で個人が特定されることや、発言の内容が深くプライバシーに関わる場合もあります。そのため、住民説明会や意見聴取の場における記録は、それぞれの事業内容に合わせて作成・公開し、情報共有をしていくことが望ましいと考えています。

     新宿区文書等取扱規程などは、文書の作成、保存等に係る総則的な規程のため、個別・具体的な文書の作成について義務付けることは考えていませんが、新宿区自治基本条例に定める区民の知る権利を保障し、積極的に情報を公開し、区民と共有していくことは大切なことだと認識しています。そのため、今後も必要な文書の作成や保存、公開がされるよう、改めて庁内に周知徹底してまいります。

     次に、公文書管理条例の制定についてです。

     区は、文書の取扱いについて、「新宿区文書等取扱規程」などにのっとり、区民への透明性の確保と説明責任を果たすべく、文書の適正な管理を行っています。このため、他自治体の動向も含め、引き続き調査・研究はしてまいりますが、現時点で条例を制定する考えはありません。

    区議会活動 | 川村のりあき

    2022.10.17 更新

日本共産党新宿区議団
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