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    2012年第3回定例会 一般質問

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    愛日小学校の建て替え問題について、学校冷房化、学校施設の総点検と改築計画について

     

    (質問)日本共産党区議団のあざみ民栄です。

    愛日小学校の建替え問題、学校体育館の冷暖房化、学校施設の総点検と改築計画について、区長と教育委員会に一般質問いたします。

    第1に、愛日小学校の建替え問題についてです。

    今月2日の教育委員会定例会に、愛日小学校(以下、愛日小という)の擁壁及び校舎の改築について報告がありました。今年度、地盤改良による擁壁補修及び旧 講堂建て替えのための実施設計を行うため今年2月に調査を行った結果、当初予定の地盤改良工法ではなく、現在の擁壁を撤去し新たな擁壁をつくる工法を採用 することとし、併せて愛日小が抱える旧講堂の建替えや道路を挟む体育館の課題を解決するために同一敷地内に新校舎を建設することになった。解体と建設工事 期間は26年度から28年度の28か月間で、その間牛込第三中学校(以下、牛込三中という)の校庭に仮設校舎を設置する、という報告でした。その後、5日 には愛日小の保護者説明会、6日に牛込三中の保護者説明会、14日の文教委員会で報告されました。

    擁 壁の「不健全」状態や旧講堂の耐震問題は早急に解決すべきことであり、建替えはやむを得ないと考えます。しかし保護者にとっては寝耳に水であり、丁寧な説 明が求められるところですが、愛日小の保護者説明会の案内文書は「擁壁改修の変更」であり、「建替え」の文字はなかったため、多くの保護者が説明会には参 加せず、参加者からは驚きの声があがりました。また、来年度の学校選択が終わった後に発表というタイミングも配慮が足りないと言わざるを得ません。

    今 後、保護者・地域の方も含めた建替え準備の協議会を設置するとのことですが、すべての保護者を対象に丁寧な説明を心がけ、要望があれば協議会とは別に説明 会や意見を聴く会等を開くことも必要と思いますがいかがでしょうか。また、来年度の入学で愛日小を選択した方には正確な説明を行い、その中で選択の変更を 希望する方には誠実に対応していただきたいと思いますがいかがですか。新校舎については、関係者の要望をできる限り受け止めていただき、特に新しい体育館 は、最大限現在の床面積を確保し、冷暖房完備の体育館となるよう求めるものですがいかがでしょうか。

    さて、牛込三中に設置する仮設校舎は普通教室のみで、それ以外の特別教室や体育館、校庭等は三中生と兼用します。また授業時間は愛日小が45分、牛込三中 は50分とずれるため、綿密な打ち合わせのもとそれぞれの時間割を作らなければなりません。準備にも移転後の学校運営にも両校の学校職員・関係者は相当の 労力を費やすことになります。

    牛 込三中の保護者説明会では、仮校舎について、旧都立市ヶ谷商業高校を借りられないのかという要望が出され、教育委員会から東京都に要請中であるとの答弁が ありました。東京都といまだ交渉中で返事をもらっていない段階で牛込三中に仮設校舎設置と発表するのは話を進める順序が逆であり、多くの牛込三中保護者・ 関係者は大変憤っています。旧市ヶ谷商業高校と愛日小の距離は、愛日小から牛込三中までの距離とほぼ同じであり、校舎は多少の手直しで使用可能であり、仮 校舎としては最適であると考えます。

    6 月末から始めた東京都との交渉の内容と、牛込三中に仮設校舎を設置することに至った検討経過についてお示しください。東京都と交渉している間は牛込三中に 仮設校舎を設置することについては保留とし、東京都に対し、旧市ヶ谷商業高校を借りられるよう強く要請することを求めますがいかがでしょうか。

    第2に学校体育館の冷暖房化についてです。

    現在体育館を冷暖房化していない小学校は29校中28校、中学校は10校中6校、暖房はあるが冷房化していない中学校が1校です。

    小 学校PTA連合会は平成19,20,23年度、そして来年度の予算要望として「体育館の冷暖房設備の配備」を要望しています。近年、気温上昇による熱中症 が多発していることから教育環境の改善が求められており、また大規模地震への備えとして避難所となる体育館の冷暖房化の必要性が急速に高まっています。区 民からの要望は高く、区議会でも多くの会派、議員が取り上げているところです。

    私 は、中央区の状況を調べてみました。中央区の小学校16校、中学校4校の体育館は全て冷暖房化されています。小学校は新校や改築した際校舎も含めて全体を 冷暖房化した学校が11校、既存の体育館に後付けした学校は5校です。後付の場合コストは4千万から5千万円とのことでした。平成4年からつけ始め21年 には全校完備したそうです。

    こ うした他自治体の状況も調査し、体育館の冷暖房化に向けて前向きな検討を始めるべきではないでしょうか。学校体育館の冷暖房化は、新宿区の子どもたちに とっても、また地域の核となる学校施設であり、避難所という性質からは全ての区民にとっても急がれる課題と考えますが、これまでの検討状況も含めて、区長 と教育委員会それぞれの見解をお聞かせください。

    第3に、学校施設の総点検と改築計画についてです。

    現 在築50年以上の学校は、小学校15校、中学校3校です。早稲田小学校の築85年をはじめ、津久戸小築79年、江戸川小築77年、牛込第一中学校築59年 という状況です。耐震工事は5年前に全校完了し、必要な修繕は行っていることと思いますが、これらの学校が老朽化していることは否めません。今後しばらく は児童が増加傾向にあり、また少人数学級が進めば以前のような統廃合で新校建設とはいきません。また、今回の愛日小や区役所本庁舎のような、降ってわいた ような建替えや大規模工事が度々あると財政運営上も支障をきたします。

    そ こで、建物の耐震強度だけではなく配管等の設備も含め、学校施設の総点検を行い、中長期的な見通しを持って、改築のための年次計画を策定すべきと考えます がいかがでしょうか。そして改築の際は、児童生徒数の増減に対応できるようにするのは当然ですが、極端に減少した場合も想定し、その時々の区民ニーズに応 える施設、現在でいえば保育園や高齢者施設等を取り込める柔軟性のある建物にすべきと考えますがいかがでしょうか。区長と教育委員会の答弁を求めます。

     

    (答弁)あざみ議員のご質問にお答えします。

    愛日小学校の擁壁及び校舎の建替えについてです。説明会については、学校関係者、PTA関係者及び地域関係者で構成する協議会とは別に、皆様からのご要望があれば開催し、丁寧な対応に努めてまいります。

    次に愛日小学校を選択した方への対応についてです。今回の建替えの周知が、工事期間中の仮校舎の選定及び調整に一定の期間を要したことにより、学校選択の時期に間に合わなかったにことについては、指定校変更制度の中で適切に対応してまいります。

    次に新校舎についてです。新校舎建築の際には、体育館を校舎内に取り込む形での設計を考えており、敷地が狭い中での配置等を、協議会の中で十分検討してまいります。また、校舎全体の空調化を図る中で、愛日小学校の体育館にも冷暖房設備を設置してまいります。

    次 に旧市ヶ谷商業高校施設についての東京都との交渉内容についてです。6月末以降、東京都教育庁に借用を要請しておりますが、東京都では特別支援学校の建築 計画を抱えている等の理由により、現時点において借りられる状況となっておりません。こうした状況ですが、改築計画の設計には1年以上の時間を要するた め、本定例会において設計にかかる補正予算を上程させていただきました。仮校舎については、近隣区立学校の内、最も校庭面積が広く且つ愛日小学校の通学範 囲である、牛込第三中学校を予定しておりますが、今後も旧市ヶ谷商業高校施設を東京都から借用できるよう、粘り強く交渉してまいります。

    次 に、学校屋内運動場の冷暖房化についてのお尋ねです。新設校の体育館では、部分的に冷暖房するスポット空調設備により、冷暖房化を図っています。しかし、 既設校では、設備機器、室外機等の設置により新たな荷重が生じることから、構造上の検討が必要となります。また、建物の断熱性能や熱負荷の大きさにより熱 効率が悪く、効果的な冷暖房ができません。このため、学校ごと具体的に、大規模改修の時期を捉えて慎重に検討していきます。

    次 に学校体育館の冷暖房化についてのお尋ねです。災害時の避難所となる体育館の環境面での整備は必要であると認識しており、空調については、校舎の建替え時 に整備することとしています。既存の体育館に後付けで空調を設置することは不可能ではありませんが、設備機器、室外機等の設置により新たな荷重が生じるこ とから、構造上の検討が必要となります。このため、各学校の状況等により、大規模改修の時期を捉えて慎重に検討していきます。

    次 に学校施設の総点検と改築計画についてです。築50年以上の区立小中学校が一定数ありますが、各学校の現況と劣化度について調査し、その結果をデータベー ス化して予防保全の考え方で修繕し、中長期計画のもとに資産の長寿命化を図っています。今後も適切な維持管理を行い、良好な教育環境の整備に努めてまいり ます。

    次 に、学校施設の改築の際に、福祉施設等を取り込める柔軟性の高い施設にすべきとのお尋ねです。区では、これまでも統合新校を建設する際に、どのような学校 施設にするか、児童・生徒の保護者や、町会などの地域団体、同窓会、学校長等からなる統合協議会と一緒に検討を行い、その結果を設計に反映しています。こ の設計に基づき、地域の方が利用する際の出入口や動線を分けて建設することにより、学校教育への支障の回避や、利用者の利便性にも配慮した柔軟性の高い学 校施設となっています。今後も、学校施設の建設に際しては、これまでの経験を活かした柔軟性の高い施設となるよう、教育委員会との調整を図りながら進めてまいります。

     


    区議会活動 | あざみ民栄

    2012.12.03 更新

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