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日本共産党 新宿区議団 > 2013年第3回定例会 代表質問
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    2013年第3回定例会 代表質問

    9月19日に行われた沢田あゆみ議員の代表質問の概要を紹介します。

    (区長答弁)

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    1.区長の政治姿勢について
    日本共産党区議団の沢田あゆみです。2013年新宿区議会第3回定例会にあたり、会派を代表して区長ならびに教育委員会に質問します。
    今年は例年に増して猛暑、酷暑の夏でした。暑い中、6月には都議会議員選挙が、7月には参議院議員選挙が行われ、日本共産党は大きく躍進をさせていただきました。それは、消費税増税、原発再稼働、憲法改定などに危機感や不安を感じる国民のみなさんが、安倍政権の暴走に正面から対決する日本共産党に評価をいただいたからだと思います。そうしたみなさんのご期待にお応えすべく全力で頑張る決意を申し上げ、最初に、区長の政治姿勢について質問します。
    参議院選挙の結果、自公両党で参議院の過半数を確保した安倍政権は、来年の通常国会を展望し、社会保障の連続改悪をねらったいわゆる「プログラム法案」の閣議決定をはじめ、「暴走リスト」をおしすすめようとしています。8月1日から生活保護基準の引き下げが強行されましたが、来年4月からの総額13・5兆円もの消費増税は既に意向を固め10月1日に発表するとし、雇用問題では労働法制の大改悪、社会保障問題では、医療費の窓口負担増、年金支給額の削減と支給開始年齢の引き上げ、介護の要支援者の切り捨てと利用料のアップなど、手あたり次第の切り捨てが強行されようとしています。
    憲法の問題では、集団的自衛権の行使をできるように政府解釈の変更をおこなおうとし、TPP問題も秘密のうちに売国的交渉がすすめられ、米軍基地問題では沖縄で米軍機の墜落事故が起こったにもかかわらず、オスプレイの配備、辺野古への新基地建設をゴリ押しする態度を変えず、今度は横田基地にもオスプレイの配備を検討しようとしています。
    さらに原発の問題では、東京電力福島第1原発で放射能汚染水が海に漏れ出し、制御不能の危機的事態となっているにもかかわらず、原発の再稼働と輸出に意欲を燃やし、国際オリンピック委員会の総会で安倍首相が、「状況はコントロールされている。」などと言ったことに国の内外から疑問の声があがっています。一刻も早く東電福島第1原発の事故を収束させるためにあらゆる英知を結集し、最優先で取り組み、オリンピックが福島や東北の被災地復興にも寄与し、世界に平和を広げる祭典として世界の人々を迎えられるようにしなければならないと思います。
    そこで区長に伺います。私が「暴走リスト」と言ったこれらの動きは、区民生活にも大きく影響することばかりです。区民を守るべき区長の立場から、これらの事に対してどのような見解をお持ちかお聞かせください。とりわけ原発の問題については2020年東京オリンピックの招致活動を区長も行ってこられましたが、安倍首相はIOCで国際公約したことを実行せよと、東電福島第1原発の汚染水問題については東電任せにするのではなく政府の責任で早急な対策を実行するよう国に要望すべきと考えますがいかがでしょうか。そして、区長が脱原発の立場に立たれるのであれば原発の再稼働や輸出はすべきでないと国に対して意見を言うべきと思いますがいかがでしょうか。以上、答弁願います。

     

     

     

    (区長答弁)
    区民生活に関連する安倍内閣の施策の動向についてのお尋ねです。国は、長期的展望にたって少子高齢化や社会保障財源確保のための施策などに取り組んでいると認識しており、引き続き、国民の十分な理解を得られるよう積極的に議論を行い、社会・経済状況への柔軟で的確な対応を通して、国民生活の安定に取り組んでほしいと考えています。私としましては、区政運営にあたり、区民生活の不安を払拭し、だれもが夢と希望の持てる地域社会の実現に努めてまいります。
    次に、東京電力福島第1原発の汚染水問題についてのお尋ねです。安倍首相は、ブエノスアイレスでの国際オリンピック委員会総会で行った東京への招致演説のなかで、「抜本解決に向けたプログラムを私が責任を持って決定し、すでに着手しています。実行していくことをはっきりお約束申し上げたい。」と述べられています。既に政府は、関係省庁を横断する「廃炉・汚染水対策チーム」を設け、経済産業大臣をチーム長として対策に取り組んでおり、今後の解決を期待しています。
    また、脱原発についてのお尋ねですが、私は以前から、電力を原子力に依存する態勢から脱却する必要があると考えています。首相も、五輪招致決定後の記者会見において「原子力比率を引き下げ、今後3年程度の間に再生可能エネルギーの普及と省エネルギー推進を最大限加速させる。」と表明していますので、区でも地域特性に応じたエネルギーの確保と効率的利用を推進しながら、国の動向を見守っていきたいと考えています。

     

     

     

     

    2.平和施策について

    はじめに、核兵器廃絶とオスプレイ、PAC3配備について伺います。
    核不拡散条約(NPT)再検討会議が開かれる2015年は、被爆70周年の節目の年にあたりますが、そこに向けて核兵器廃絶を求める新たな国際的行動が呼びかけられています。今年4月には、NPT再検討会議準備委員会で核兵器の非人道性を訴える共同声明に80ヵ国が賛同しました。ところが日本政府はこともあろうに、この共同声明への署名を拒否したのです。多くの被爆者、国民から怒りの声が上がり、長崎の田上市長は8月9日の平和式典で、「人類のいかなる状況においても核兵器を使うべきでないという文言が受け入れられないとすれば、核兵器の使用を状況によっては認める姿勢を日本政府は示したことになります。これは2度と世界の誰にも被爆の経験をさせないという被爆国の原点に反します」と日本政府の態度を厳しく批判しました。日本政府のこの態度は、新宿区も参加する平和首長会議が進める運動の趣旨とは相いれません。新宿区長として日本政府、安倍首相に強く抗議すべきと思いますがいかがでしょうか。
    7月29日、アメリカ太平洋空軍のカーライル司令官が、オスプレイの日本配備について横田基地を有力候補地と表明しました。横田基地に配備しようとしているのは、オスプレイでも事故率の高いCV22型の機体であり、横田基地周辺の5市1町でつくる対策連絡会が防衛省に配備検討撤回を要請しています。新宿区長としても横田基地周辺自治体と連携し、オスプレイの配備反対を表明すべきと考えますがいかがでしょうか。
    防衛省は、自衛隊の市ヶ谷基地にPAC3を展開するための関連施設を整備するため、来年度予算概算要求に計上することを区に伝えて来ました。これまでも北朝鮮のミサイル打ち上げの情報があるたびに市ヶ谷基地や新宿御苑にまで配備を行い、私たちも抗議の声を上げてきましたが、今回の計画はPAC3を長期的に常時展開するもので、とても許すことはできません。平和都市宣言を行っている新宿区長として、区民の平和と安全を守る立場から今回のPAC3配備計画を中止するよう国に要請すべきと考えますがいかがでしょうか。
    次に、新宿区平和都市宣言30周年に向けた取り組みについて伺います。
    2016年3月15日に新宿区平和都市宣言30周年を迎えます。今からそこへ向けて区民と一緒になった取り組みを開始することが、平和啓発のためにも必要です。
    議会の取り組みを振り返ってみると、新宿区議会50周年記念誌には、原水爆禁止を求める当時の活動が記録されています。1954年3月1日、ビキニ環礁でアメリカが行った水爆実験で、静岡県焼津市のマグロ漁船第五福竜丸が被爆し、乗組員の久保山愛吉さんが死亡、日本は三度の原水爆被害を受けました。当時の新宿区長、区議会議長は、現在の国立国際医療研究センター病院に入院中の乗組員らを見舞うとともに、9月23日に久保山愛吉さんが亡くなった時は区議会として黙祷を捧げ、原水爆禁止に関する意見書を関係大臣に提出、4名の区議会議員が長崎での第2回原水禁世界大会に参加するなど、区長、区議会、区民の3者が一体となって原水爆禁止運動に取り組んだことが記されています。1957年12月2日の区報は、「区の原水爆禁止署名終わる」と題して、9歳以上の署名可能人口の63%に当たる16万 6677名が署名した事などを伝えています。こうして積み重ねてきた取り組みの上に立ち、平和都市宣言30周年を展望して以下、質問します。
    第1に、「(仮称)平和施策の推進に関する条例」の制定についてです。都内で平和施策の推進に関して条例を持っているのは、中野区、西東京市、三鷹市で、中野区は恒久平和を希求する憲法擁護をうたった憲法擁護非核都市の宣言を1982年に行い、1990年に平和行政を区の政策目標とし位置付けるため、「中野区における平和行政の基本に関する条例」を制定し、平和のつどい、平和企画展示、写真パネルの貸出を恒常的に行っています。中山区長の平和に対する識見や施策は私どもも評価をしており、京都教育大学の村上登司文教授の調査でも、自治体における平和啓発事業予算の2010年度予算額では広島、長崎が1、2位、新宿区は6位と都内ではトップを走っており、まさに新宿区は先進自治体であることを改めて認識しました。それだけに、新宿区でも条例を制定することで次の世代の区長に替わった時にも、着実に平和事業が進められる保証になります。30周年に向けてぜひ検討していただきたいと思いますがいかがでしょうか。
    第2に、平和都市宣言30周年記念事業についてです。20周年の時、私自身が最も心に残ったのは、この議場で区民と一緒に聞いた、対馬丸の生き残りの方による平和記念講演です。区主催の「戦争体験を語る集い」や記念誌の発行などでも、多くの被爆者・戦争体験者の記憶を語り継ぎ形に残す取り組みが積極的に行われました。今、体験を語れる方々がますます高齢化し、直接話を聞ける機会が少なくなっています。体験者の貴重なお話を30周年に向けて、学校教育のなかで子どもたちに直接聞いてもらう取り組みや、DVDなどで記録に残し、それを学校教育でも活かす取り組みを行ってはいかがでしょうか。また、区民のみなさんから戦時中に使用した物など募って展示をすることも、後世に戦争をリアルに伝える意味で大事だと思いますので、30周年を機に取り組んではいかがでしょうか。中野区は条例制定の際に平和のシンボルマークを公募し、日常的に使われていますが、新宿区でも30周年を記念してシンボルマークを公募してはいかがでしょうか。
    第3に、平和派遣事業についてです。親と子の平和派遣事業は今年で27回目を迎え、平和派遣報告会が行われています。この10年間の応募数は、平均24.1組、3.44倍となっています。多くの親子が関心と熱意を持って応募しているのですから、派遣数を現在の7組からせめて10組以上にしていただきたいと思いますがいかがでしょうか。
    第4に、平和ポスター展、平和展についてです。1987年から始まった平和ポスター展は今年も区役所本庁舎で行われ、今年の参加は24校1276点、平和展は区内2か所で行われました。多くの区民に関心を持っていただくために、平和ポスター展、平和展とも特別出張所、地域センターを活用し、平和ポスター展は、その地域の児童、生徒の作品を展示してはいかがでしょうか。
    第5に、署名の推進についてです。平和首長会議がすすめる「核兵器禁止条約の交渉開始等を求める」署名は9月1日現在80万筆を越えています。平和首長会議加盟の内137自治体では、自治体のイベント、戦争パネル展などで署名コーナーを設けて推進しています。新宿区でも、平和派遣報告会、平和コンサートなど平和事業で署名用紙を配布し、各特別出張所でも署名用紙を置いて促進してはいかがでしょうか。以上、答弁願います。

     

     

     

    (区長答弁)
    平和施策についてのお尋ねです。
    まず、核兵器の非人道性を訴える共同声明への署名に対する日本政府の対応についてのお尋ねです。昨年12月の国連総会において99か国の共同提案国を代表して日本政府の提出した核軍縮決議案「核兵器の全面的廃絶に向けた共同行動」が賛成多数で採択された一方、今年4月のNPT再検討会議準備委員会において80か国が賛同した「核兵器の人道的影響に関する共同声明」に日本政府が賛同しなかったことは大変残念なことだと考えています。今年8月5日に開催された平和首長会議国内加盟都市会議において、これらの内容を記載した「核兵器禁止条約」の早期実現に向けた取組を促す要請文の提出を決議し、内閣総理大臣あて提出しました。今後とも平和首長会議の一員として、他自治体と連携し、核兵器廃絶に向けた取り組みをすすめます。
    次に、オスプレイの横田基地への配備についてのお尋ねです。オスプレイの国内配備については、日米両政府間で協議する事項であり、新宿区長として、オスプレイの横田基地配備に意見を表明する立場にはないと考えています。
    次に、PAC-3の配備計画についてのお尋ねです。市ヶ谷基地のPAC-3関連施設整備については、国防上の問題であり、計画中止を国に要請する考えはありません。なお、今回のPAC-3関連施設整備は、必要な時に安全・迅速にPAC-3を展開するためのものであり、常時、市ヶ谷基地にPAC-3を配備するためのものとは聞いておりません。
    次に、「(仮称)平和施策の推進に関する条例」の制定についてのお尋ねです。新宿区は、昭和61年に行った新宿区平和都市宣言の趣旨に基づき、平和展や平和コンサート、親と子の平和派遣などの平和に関する事業を積極的に実施しています。平和都市宣言により、既に新宿区の平和に対する意思を表明しているため、さらに条例を制定する考えはありませんが、今後ともより多くの区民、特に次代を担う若い人たちに戦争の悲惨さと平和の大切さを伝えるため、引き続き平和施策の充実に力をいれていきます。
    次に、平和都市宣言30周年記念事業での展示の取り組みや平和のシンボルマーク作成についてのお尋ねです。戦時中の貴重な資料を展示し、平和都市宣言の趣旨を伝えていくことは大変重要なことだと考えています。そこで、平和講演会で区民からお借りした資料を展示したほか、平和展においても区民から新宿歴史博物館に寄贈いただいた資料を展示しています。平和のシンボルマークを作成する考えはありませんが、今後とも平和に関する事業の企画や資料の展示においては、創意工夫を凝らしてまいります。
    次に、平和派遣の参加者をふやすことについてのお尋ねです。平和派遣に参加された方々の多くは、被爆地広島や長崎に行って、原爆被害の実態だけでなく、戦争の悲惨さや平和の大切さを周りに伝えていくことの大切さを学んでいます。そして、自主的に学校などで戦争の悲惨さや平和の大切さを伝えるなど、平和啓発の活動の輪を拡げています。したがって、派遣者をふやすのではなく、自主的な発表の場の支援などにより、多くの人々に戦争の悲惨さや平和の大切さを伝えていきたいと考えています。
    次に、平和のポスター展、平和展を特別出張所や地域センターで開催することについてのお尋ねです。平和のポスター展については、今年度1276点の応募があり、最優秀賞を6点、優秀賞を21点、優良賞を37点、佳作を184点選定しました。今年度の新たな試みとして、現在、特別出張所において、平和のポスター展で最優秀賞を受賞した6点の巡回展示を実施しています。展示スペースが限られていることから、展示数を増やすことは難しい状況にありますが、ご質問の趣旨をふまえ、今後とも展示方法や対象者に工夫をこらしながら、多くの人に関心を持っていただけるような取り組みを進めていきます。
    次に、平和首長会議がすすめる核兵器禁止条約の交渉開始等を求める署名についてのお尋ねです。現在、総務課の窓口に署名用紙を置いているほか、区ホームページでも署名の協力を呼びかけており、リンク先の平和首長会議のページからは、オンライン署名や署名用紙のダウンロードが可能となっています。また、平和事業参加者にも署名用紙を配付し、協力をお願いしています。今後とも、多くの人に署名を協力していただけるよう努めていきます。

     

     

     

    (教育委員会答弁)
    教育委員会へのご質問にお答えします。学校において戦争体験者の話を聞いたり、DVDで記録を残し、活用したりする教育活動の取組についてのお尋ねです。本区は、昭和61年3月15日、すべての国の核兵器廃絶と世界の恒久平和の実現を願い、「新宿区平和都市宣言」を行いました。これは、平和の実現を目指す新宿区民の強い決意を表したものであり、子どもたちに他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うことの重要性を謳うものです。現在、各学校においては、総合的な学習の時間等の中で、地域のお年寄りを招き、戦争当時の様子や体験を聞く等、工夫しながら平和教育に取り組んでいます。また、落合地区在住の地域の方が作成した学童疎開等の記録DVD「ぼくたちの戦争」が各学校に寄贈され、それを鑑賞し、改めて平和について考える取組もなされています。今後の平和都市宣言30周年に向けて、未来を担う子どもたちに平和の尊さを語り継いでいく取組について、区長部局と連携し検討してまいります。

     

     

     

     

    3.2012年度決算と財政運営について

    2012年度は東日本大震災後、はじめて編成された予算であり、また、区の第二次実行計画初年度の予算でもありました。区長は、予算見積りの基本方針を「将来を見据えた財政の持続性を目指すとともに、喫緊の課題に即応し、基本構想の実現に向けて、第二次実行計画の堅実な道筋をつける予算」としましたが、区長は、決算結果はこの方針を実現できたとお考えでしょうか。また、震災対策をはじめとする喫緊の課題に的確に対応することも獲得目標でしたが、この点は達成されたと受け止めておられますか。区長の2012年度決算の基本的な評価をお聞かせ下さい。
    「将来を見据えた財政の持続性」と言った時に、多様化する区民ニーズに的確に応えるための歳入を確保していくことも重要な視点だと思います。この点では、特別区民税の調停額がわずかですが昨年度より低下しており、職員の努力で収入率が上昇し前年度比では微増ですが、努力には限界があります。「新宿区の概況」では、人口増により納税義務者は530人増加する一方、一人当たりの納税額が612円減少しています。厚生労働省の最新の勤労統計調査によれば、勤労者の所定内賃金も、家族手当や残業代などを含む「きまって支給する給与」も14ヶ月連続減少しています。非正規雇用が全労働者の4割近くになり、年収200万円以下が1000万人を超えました。区民も例外ではありません。これは日本社会全体にとって看過できない問題ですが、区財政の持続性からも放置できない問題です。区長は、区民税の今後の推移をどのよう予測しているのか、その理由も含めてお示しください。私は、区財政の将来に責任を持つ区長として、政府に賃上げと雇用の安定化を強く求めるべきと考えますがいかがでしょうか。
    2012年度決算で、経常収支比率が88.9%で、前年比0.8%上昇し財政の弾力性が低下して硬直化してきたとはいえ、法令に基づき算定する「健全化判断比率」は、どの指標をとっても健全だというのが現時点での区財政の客観的評価だと思いますが、区長の認識はいかがでしょうか。
    この年、年少者の扶養控除の廃止と特定扶養控除の縮小が実施され子育て世帯の税負担が増えましたが、これによりどの程度税収が増加したのでしょうか。区はこの年度から保育料等への影響を遮断する対応をとっていますが、今後も続けていただけるものと思いますがいかがでしょうか。
    国の制度改革は区財政の動向を大きく左右しますが、依命通達でも指摘しているように、当面は社会保障・税の一体改革が区財政に大きく影響してくることはまちがいありません。まずは消費増税の影響です。どの世論調査でも来年4月から消費税を8%に引き上げることには反対が7割を超えています。給料は上がらない、年金も生活保護費も削減、電気・ガス料金が値上げしている下で消費税が上がったら家計はたまりません。景気が悪化して税収が減ることを考慮に入れなかったとしても、地方消費税交付金は単純に60%増加するのか、区の調達にかかる増税分はどの程度増えるのか、増減を差し引きひいて果たして区財政にどの程度プラスに作用するか等、消費増税の区財政への影響について現時点でどのような想定ができるかお答えください。
    自民・公明・民主の3党合意に基づき消費増税が昨年8月国会で可決し、社会保障制度は「社会保障制度改革国民会議」で議論されてきました。その報告が8月5日に出されましたが、社会保障は自助が基本で、共助が支え、公助が補完する、保険方式が基本で公費負担は減らすというのですから、区民は消費税で負担が増えるだけでなく、保険料も利用料も負担増になります。年金も減らす方向が示されており、区民の命とくらしを守る自治体の役割は増し、住民サービスのニーズが増大することは必至です。まだ詳細がわからない段階ではありますが、今般の国民会議報告が示す大筋の方向について、区民生活や区財政への影響を区長がどのように認識しておられるのかお答えください。
    来年度予算編成の依命通達では、予算見積もりに際し、外郭団体は外郭団体調書、指定管理者は指定管理料積算調書を活用し、精査見直しすることをもとめています。介護や障害者等の福祉施設では職員の離職、利用者サービスの低下が課題となっています。来年から指定管理料が下がるという説明がされたところもあると漏れ聞いていますが、精査・見直しはイコール削減という趣旨ではないはずです。現場にはどのように伝え理解されているのでしょうか、お答えください。人件費をはじめ委託料・指定管理料は必要があれば増額すべきで、その旨職員に徹底すべきと思いますがいかがでしょうか。公共工事に従事する職人を確保できず設計労務単価を引き上げたり、保育士不足が問題になる等、公共サービスの担い手確保が行政の課題になっています。アウトソーシングしてもサービスの質をしっかり守れるよう賃金・労働条件を保障する立場を委託料や指定管理料の積算にあたっても明確にすべきではないでしょうか。以上、答弁願います。

     

     

     

    (区長答弁)
    平成24年度決算と財政運営についてのお尋ねです。
    まず、決算の評価についてです。24年度は、第二次実行計画の初年度にあたり、第二次実行計画を着実にスタートし、震災対策の強化や待機児童解消緊急対策など、直近の区政課題に取り組むとともに、適宜予算の補正を行い、保育所等耐震化促進事業助成や予防接種など、区民の健康や安全・安心の確保のため、緊急性が高く、重要な課題に迅速に対応しました。その結果、第二次実行計画事業をはじめ、予定された諸事業の着実な推進を図ることができたものと考えています。待機児童解消対策や減災社会を目指した安全なまちづくりの推進など、現在進行中の区政課題については、そのスピードを加速し、引き続き取り組んでまいります。
    24年度決算は、実質単年度収支が4年連続の赤字となり、経常収支比率が88.9%に上昇しました。これは、区税等の一般財源収入が改善しない中で、生活保護費などの扶助費や特別会計への繰出金が伸びるなど、区を取り巻く財政環境が厳しくなったことによるものと考えています。このような状況から、財政調整基金からの繰り入れを行うなど、今まで培ってきた財政対応力を活用しました。24年度末基金残高は、区債残高を141億円上回る384億円となっており、区財政は将来需要への一定の対応力を確保していると考えていますが、財政構造の硬直化や基金残高が減少していることから、引き続き、財政基盤の強化に徹底して取り組んでまいります。
    次に、特別区民税の今後の推移についてのお尋ねです。特別区民税の収入は、平成22年度、リーマンショックの影響で大きく減少して以降、ほぼ横ばいで推移し、平成24年度決算の収入額も対前年度比0.51%の増でした。平成25年度は、当初課税段階の納税義務者数が、当初予算策定時と比較し、3,898人増となっており、総合課税分の総所得金額も同様に4.5%伸びています。このようなことから、現段階においては、平成25年度特別区民税は当初予算の332億円を上回るものと考えています。平成25年の所得が課税ベースとなる平成26年度は、ほぼ横ばいで推移するものと見込んでいますが、平成27年度以降の見通しにつきましては、今後の経済状況に大きく左右されるところから、楽観視できないと考えています。
    次に、政府に賃上げと雇用の安定化を強く求めるべきだとのおたずねです。平成25年7月分の毎月勤労統計調査結果速報によると、現金給与総額は前年同月比0.4%の増となっているものの、きまって支給する給与は減となり、実質賃金も0.4%の減となっていることから、賃金引上げのための継続した取り組みが必要です。東京都最低賃金は10月以降に19円引き上げられ、869円になる見込みです。また、国においては、正規雇用を目指す人向けのハローワークを設けるなど様々な取り組みが行われています。区財政の持続性の面からも勤労者の賃金の引き上げや雇用の安定は必要と考えており、新宿区・東京労働局・新宿労働基準監督署・ハローワーク等で構成する新宿区地域雇用問題連絡会議を通じて認識を共有しているところです。今後もこうした機会をとらえ、賃金・雇用問題等労働環境を取り巻く様々な課題について幅広く働きかけをしてまいります。
    次に、健全化判断比率についてのお尋ねです。新宿区の財政の健全化に関する4つの指標について、「実質赤字比率」及び「連結実質赤字比率」は、全会計の実質収支が黒字のため、また、「将来負担比率」は、地方債現在高等の将来負担額が基金残高等の充当可能額を下回るため、いずれも算出されません。また、「実質公債費比率」は、マイナス0.8%で、早期健全化基準の25.0%を大きく下回っています。こうした健全化に関する4つの指標から、区の財政は健全であることが確認できます。しかし、基金残高が前年度と比較して、35億円減少し384億円になるなど、区財政の状況は厳しさを増しているものと認識しています。
    次に、年少者の扶養控除の廃止と特定扶養控除の縮小による税収の増についてのお尋ねです。平成24年度から適用となった、15歳までの年少扶養親族に対する扶養控除の廃止による影響額は、約4億7千万円、16歳から18歳までの特定扶養親族に対する扶養控除の上乗せ部分の廃止による影響額は約3千万円で、合計で約5億円の増収と分析しています。
    次に、年少扶養控除等の廃止による保育料等への影響を遮断する対応についてのお尋ねです。年少扶養控除等の廃止により、所得税・個人住民税の税額等と連動している保育料等の医療・福祉制度等に関する負担に影響が生じることとなりました。そこで、控除廃止の影響を受ける保育料等については、子育て世帯等への税負担が急激に増加することのないよう、扶養控除の見直しによる影響をできるだけ遮断することとし、今後もそうした対応を継続してまいります。
    次に、消費税増税に伴う区の地方消費税交付金の影響についてのお尋ねです。現行の地方消費税交付金は、人口と従業員数で按分され区市町村に交付されることに変更はありませんが、消費税率の引上げ分については、社会保障財源化されたことを踏まえ、人口按分のみにより交付される予定です。24年度の地方消費税交付金の決算額84億円を基礎とし、人口按分のみで試算しますと、消費税率が8%の場合、通年ベースで、31億円程度、率にして37%の増と推計しています。
    次に、区の物資の調達経費などの影響についてですが、消費税率が8%の場合、14億円程度の歳出増になるものと推計しています。地方消費税の増収分については、社会保障財源化することとされており、新宿区においても法令の趣旨に則した地方消費税の活用が求められています。今後、社会保障制度の地方財源が変動する可能性もあることから、現時点で区財政の影響を捉えることは難しい状況ですが、社会保障制度改革を巡る動向を十分注視し、区の影響を的確に捕捉し対応してまいります。
    次に、社会保障制度改革国民会議報告書の示す方向性が区民生活や区財政に与える影響についてです。国民会議では、持続可能な社会保障制度の実現を目指し、真摯な議論が尽くされたものと考えています。報告書では、少子化対策、国民健康保険をはじめとする医療保険制度、介護保険制度等について一定の改革の方向性が示されました。高齢者世代を給付の対象とする社会保障から、切れ目なく全世代を対象とする社会保障への転換を目指したもので、若い世代向けに少子化対策を盛り込む一方、高齢者や高額所得者には給付費の抑制や負担増などの協力を求めるなど、区民の生活はもとより、地方財政にも大きな影響を与える内容となっています。今後、具体的な改革の姿や行程が明らかになってくることから、その動向の把握に鋭意努めるとともに、将来を見据えて的確に対応してまいります。
    次に、26年度予算編成の依命通達についてです。26年度の予算編成では、財政構造の硬直化や基金残高の減少など、区財政の状況がより厳しさを増していることから、行政評価や決算実績に基づく事務事業の見直し、内部管理経費の精査など、徹底した経費の削減に取り組んでまいります。指定管理料については、指定管理者の課税・免税事業者の確認、事業の課税・非課税の確認、基本協定時に想定された指定管理料との整合性など、指定管理料の妥当性を検証するものです。予算の削減ありきではなく、行政監査結果も踏まえながら、積算調書を活用して経費の精査や適切な見積りに活かしていくことが目的で、その旨、職員にも徹底しています。また、指定管理者には、指定管理業務が適正な労働環境の下で行われることを確保するため、公募段階から、労働環境チェックシートによる確認を行わせるとともに、指定管理2年目には、労働環境モニタリングを義務づけています。また、新宿区が業務委託をする際にも適正な履行の確保及び労働環境の整備に配慮した調達の推進を図るため、区が定める金額以上の委託契約において労働環境の確認を行っているところです。区では、多様化する区民ニーズに、効果的・効率的に対応するため、引き続き、指定管理者を含めた民間の能力を活用するとともに、より質の高い公共サービスを行うため、労働法令を遵守し、雇用や労働条件についても適切に実施されるよう今後も対応してまいります。

     

     

     

     

    4.生活保護と就学援助について

    新宿区の生活保護受給者は、リーマンショックの起こった2008年度末は6,823世帯7,812人、保護率24.8‰だったのが、昨年度末は8,997世帯10,387人31.7‰に年々増加しています。就学援助の認定率も2008年度小学校20.29%、中学校29.7%が、昨年度は小学校23.3%、中学校36.2%と増加し、特に生活保護を受けている要保護世帯が増えており、区民生活がますます苦しくなっていることを示しています。
    違法な水際作戦を合法化するものだと問題視されていた生活保護法改悪案は、参議院議員選挙前の国会で廃案となったものの、生活保護基準の引き下げはこの8月から強行され、単身の方で1,000円強、夫婦と3人の子どもが居る世帯では8,000円近い減額が行われました。保護費の減額は96%の被保護世帯に影響し、来年、再来年も実施される予定で、最大1割の下げ幅、子育て世代ほど大幅に下がるというとんでもないものです。
    生活保護基準の引き下げは、様々な制度に影響を及ぼすことから、国も「できる限り影響が及ばないように」と自治体に対する通知を出していましたが、それを受けて自治体ごとに対応しています。区民に一番身近な区政が、区民生活の実態を把握し、区民に寄り添った対応をすることが求められています。以下、質問です。
    第1に、生活保護基準改定が区民生活に与える影響と、区としての対応についてです。私ども区議団が毎年行っている区政アンケートでは、アベノミクスの影響で物価が上がったとの回答が多く、税や社会保障の負担もこれ以上は耐えられないという意見が多数寄せられました。ますます生活が厳しくなる中で今後も続く保護費の削減に対して、全国各地で行政不服審査請求の動きがあります。新宿区の福祉事務所にも「なぜ保護費が減ったのか?」などの声が寄せられていると思いますが、新宿区では何世帯何人に総額いくらの減額、または停止となったでしょうか。減額された世帯のうち最高額はいくらでそれはどのような世帯構成だったのでしょうか。福祉事務所への抗議や問い合わせは何件で、区としてどのような対応をしてきたのかお答えください。
    また、生活保護基準改定の影響を受ける制度が新宿では何事業あるのか。他事業に影響が出ないようにすべきですが、区として具体的にどう対応するのかお答えください。特別区長会では国に対する予算要求の中で、「基準の見直しにあたっては、低所得者世帯に影響が及ばないよう国が確実に財政措置を講じること。」と、他制度への影響に対する財政措置を求めていることは承知していますが、それにとどまらず、区民の生活実態からしても生活保護基準の引き下げをしないよう、国に意見を上げるべきと考えますがいかがでしょうか。
    今回の改定で、「自分は年金があるから、もらっている保護費は少ない。これ以上保護費の基準が下がり保護を切られてしまうと、医療費が心配だ。」という不安の声を聞きます。また、今は保護を受けていないけれど、蓄えがなくなったら受けざるを得ないという方も、「自分は受けられないのでは?」という方もいます。こうした不安に対しては、年金額だけでなく医療費も含めて保護の要否が判定されることなどを丁寧に説明し、不用な心配をしないよう、また、必要な人が制度から漏れることのないようにすべきです。その点で、いのちのネットワークはどのように運用されているでしょうか。お答えください。
    第2に、就労支援についてです。今回の改定では、就労を奨励する考え方のもと基礎控除の最低区分額が8,000円から15,000円に引き上げられました。とりわけ働ける年齢の方からは、「可能な限り働きたいが、働き口がない。」という声も多く、被保護世帯へ適切に仕事の斡旋を行うことも必要です。現在もハローワークと連携した就労支援が行われていますが、充分とは言えません。「担当のワーカーから仕事を増やすよう言われても、仕事を紹介してくれるわけではないので困った。」という声も寄せられています。区として雇用対策の一環として行っている事業もありますが、それが必ずしも区民の直接的な雇用にはなっていません。そうした区の事業なども活用して具体的に仕事を斡旋できる仕組みが必要と考えますがいかがでしょうか。
    第3に、クーラーの設置費用についてです。毎年、これでもかというほど猛暑が続いています。2011年、日本共産党の田村智子参議院議員が国会で取り上げたことを契機に、高齢者など一定の条件のある生活保護受給世帯に対し、年金などの収入のある人には社会福祉協議会の生活福祉資金を貸付、その分は収入認定をしないことと、他に収入のない人には東京都が4万円の補助を行い、クーラーの設置が行われました。生活福祉資金の貸付については現在も同様の取り扱いがされており、その実績は2011年度、都の補助金が16世帯、貸付は4世帯、計20世帯。2012年度の貸付は2世帯、今年度8月末現在の貸付が3世帯となっています。社会福祉協議会ではクーラーの設置費用が必要な生活保護受給者に、緊急に対応しなければ命に関わるとの判断から緊急扱いで貸し付けた事例が去年も今年も数件あったと聞いています。しかし、生活福祉資金を借りられるのは保護費の他に年金や就労などの収入がある世帯に限られ、保護費のみで生活している世帯は、子どもの学費以外は貸付できない制度となっています。しかし、猛暑はその人の収入に関わらず命を脅かすほどの酷暑となっている現状を考えた時に、区としても国の対応待ちではなく早急な対策が求められているのではないでしょうか。2011年度の実績を見ても貸付金より補助金の方が多く活用されており、区としては国に対する制度改善だけでなく、東京都に対しても2011年度に行った補助制度を復活するよう求めるべきです。それが実現するまでは、区が独自にでも実施すべきと考えますがいかがでしょうか。
    第4に、就学援助の周知についてです。区立小中学校に通っている児童・生徒は、年度が変わる時に学校を通じて就学援助の希望の有無も含めて提出を求める申請書が各家庭に配布されます。しかし、区立以外の学校に通う子どもの家庭には、区の広報やホームページでしか周知はされていません。学校運営課は来年度から就学支援システムの再構築を行いますが、そうしたシステムを活用すれば、児童・生徒の居るすべての家庭に就学援助の制度を周知し、必要な人に申請を促すことができます。必要な人が制度から漏れることのないよう、今言ったような対策を含め、また年度途中での申請などについてもきめ細かく周知を行うべきではないでしょうか。以上、答弁願います。

     

     

     

    (区長答弁)
    生活保護と就学援助についてのお尋ねです。
    生活保護基準の改定により、生活扶助額が減額となった世帯は8,490世帯、9,835人で、総額、約1,100万円です。また、保護廃止は4世帯、停止は3世帯です。減額となった世帯の最高額は、11,160円で、世帯人員の多い母子世帯です。福祉事務所へ寄せられた問い合わせは、158件で、世帯の状況を把握している地区担当員や査察指導員が、個別に説明をしています。
    次に、生活保護基準改定の影響を受ける制度の事業数についてのお尋ねです。5月に国から「生活保護法による保護の基準の一部改正について」の通知を受け、改正の概要及びそれに伴う影響について庁内周知を行いました。その結果、生活保護基準額を準用した事業で影響が出る「就学援助」については、改正の影響が及ばないよう対応を検討しているところです。今回の生活保護基準改定のうち、生活扶助基準については、社会保障審議会生活保護基準部会の検証結果を踏まえ、年齢・世帯人員・地域差の3要素による影響を調整するとともに、平成20年以降の物価下落を勘案して見直されています。また、激変緩和措置として、改定幅の限度が10%となるよう調整され、3年間かけて段階的に実施されるものです。今回の生活保護基準引き下げについては、一般の低所得者世帯と均衡を図る適正な判断がなされたものと考えています。したがいまして、生活保護基準の引き下げをしないよう、国に要望することは考えていません。
    次に、生活保護が必要な人が、制度から漏れることのないように、いのちのネットワークがどのように運用されているかについてです。平成24年9月に「新宿区いのちのネットワーク」を構築しました。このネットワークの運用により、区民、地域団体、区内関係団体等と官公署及び区関係課が、「気づきを支援につなげる」ことで、区は、区民等からの連絡・通報を受け、経済的に困窮している方には、生活保護制度をていねいに説明し、漏れのない対応をしています。
    次に、就労支援として、具体的に仕事をあっせんできる仕組みについてです。区は、これまでも、就労支援員を配置するなど、生活保護受給者それぞれの方に合った就労支援を行い、就労に結びつけています。平成23年7月には、被保護者に対する就労支援充実の取組みとして、都内で初めて、ハローワークと連携した「新宿就職サポートナビ」を庁舎内に開設し、迅速かつきめ細かな一体的就労支援を実施しています。開設から平成25年3月までに555人を支援し、391人が就労に結びついています。24年7月からは、更なる就労による自立を促進するため、来所面談に消極的だった方などを対象に、就労支援に経験や実績のあるNPOへ就労支援業務委託を始めました。家庭訪問等による日常の生活指導や就労体験など、柔軟で、粘り強い就労支援を行うことにより、平成24年7月から25年3月までの9か月間に、116人を支援し、21人が就労に結びつきました。区の事業にかかわる求人情報については、個別の就労指導の中で積極的に紹介することにより、生活保護受給者の就労機会の幅を広げ、就労につなげています。それぞれの適性に応じた支援を実施することで、少しずつではありますが、着実に自立の助長が図られているものと認識しており、引き続き、現在の施策に取り組みたいと考えております。
    次に、クーラーの設置費用についてのお尋ねです。平成23年度のクーラー設置補助については、外出が困難で、かつ健康維持管理上クーラーが必要と考えられる高齢世帯のうち、希望される世帯に対し、クーラー設置を支援しました。ここ数年猛暑が続き、熱中症になる方が少なくない状況もあるため、ケースワーク業務の中で、熱中症の予防対策をお知らせするとともに、高齢者福祉施設等の利用を勧めています。クーラー設置費用については、国に対し、東京都を通じ毎年要望しています。区独自の対策については考えておりませんが、東京都に対して、補助制度の復活を要望してまいります。

     

     

     

    (教育委員会答弁)
    教育委員会へのご質問にお答えします。就学援助の周知について、区立以外の学校に通う家庭など必要な人が制度から漏れることのないようにきめ細かく周知を行うべきとのお尋ねです。区立以外の学校に通う子どもの家庭への周知については、これまで区ホームページと広報しんじゅくの他、翌年度に区立以外の学校に進学される方も含めて配付されている学校案内の中でも就学援助制度をお知らせしてまいりました。今後は、学校案内を送る際に、就学援助制度について区立以外の学校に通う場合の申請手続きの方法をより分かりやすく周知するよう努めてまいります。

     

     

     

    5.高齢者福祉について

    第1は、介護保険の要支援者への保険給付廃止についてです。
    厚生労働省は今月4日、社会保障審議会介護保険部会で、「要支援」と認定された高齢者に対する保険給付を廃止し、市町村に任される「新しい地域支援事業」に丸投げする方針を明示しました。介護給付費の上昇を抑えるために軽度者を保険から外して、区市町村の事業にする法案を来年の通常国会に提出する計画です。同部会では、委員から、「ボランティアではサービスは担えない」、「要支援者に対するアセスメントやケアプラン作成が十分にできるのか」、「予防給付の廃止はいささか乱暴だ」など異論が続出しました。
    全国では約150万人が要支援と認定され、内約100万人がディサービス・ヘルパーなどを介護保険で利用しています。区内の要支援者は本年3月末現在3915名で、8割以上が75才以上の高齢者です。内介護予防給付を受けている人は2667人です。
    この方々が保険から外されればどうなるのでしょうか。要支援という括りがなくなり軽度者はみな自立・非該当と見なされるのでしょうか。誰がプランをたてサービスをコーディネートし、報酬管理をするのか。サービス費用は全額自己負担で自己負担限度額も適用されなくなるのか。ボランティアを集めるのはどこで、しかも充足するのか。そもそも専門知識もない方に介護予防を担わせるべきなのか。疑問が尽きません。結局引きこもりになり、身体機能は低下し認知症が進行して、要介護状態になる時期を早め介護保険財政を逼迫させるのが落ちではないでしょうか。区長は、要支援者が保険から外されることによってどんな事態が引き起こされると認識しておられるのかお聞かせ下さい。
    もともと社会保障改革の目的とするところは公費負担削減であり、特に国庫負担の削減です。区の事業となる「新しい地域支援事業」に現状のサービスを維持するだけの国費が来るとは到底考えられません。そうなれば、区の負担が増大するか、大幅にレベルダウンするか、二つに一つです。もはや国の動向を注視するなどと言ってはおれません。このたびの社会保障審議会介護保険部会の方針に、区長はどのような姿勢で臨むのか明確にお示しください。
    要支援の方は、保険から外されると聞いて不安になっています。また、ヘルパー事業者からも、「利用者の3分の1は要支援者で、保険給付外となったら経営が成り立たない。軽度であってもケアサービスをいれることで見守り・相談ができているのに」と、不安の声が出されています。サービス利用者・提供者を奈落の底に突き落とすような制度の見直しは行わないよう、区長として国に強く求めるべきと考えますがいかがでしょうか。
    第2に、おむつ費用助成についてです。
    新宿区は現在、65歳以上の高齢者に対し月額8千円を上限におむつ費用を助成しています。在宅の方は、要介護度4・5、身体障害者手帳1・2級、愛の手帳1・2度の方を対象とし、入院中の方は常時おむつが必要と病院が認めれば対象となります。昨年調査した時は、23区の中で要介護4・5に限っているのは新宿区、北区、葛飾区の3区のみでした。そのうち葛飾区は、昨年8月から要介護2以上に拡大し、北区も今年4月から75歳以上の要介護3の方まで対象を拡大しました。葛飾区では、介護認定の医師の意見書の中にある「失禁状態の有無」の項目を調査し、要介護2でもおむつ使用の方が一定割合いることを把握し、拡大したそうです。新宿区では介護認定の意見書で失禁状態有りとなっている方は要介護度別でどれくらいいるのかお答えください。実態を踏まえた上で、新宿区もいよいよ対象の拡大を図るべきと考えますがいかがでしょうか。
    第3に、高齢者の見守りや介護予防事業を行う団体への財政支援についてです。
    区内では、高齢者を対象に見守り・相談・介護予防・引きこもり防止等を目的とした事業が様々な団体によって行われています。区も地域支援事業として若返りパワーアップ体操教室等の介護予防サービスを行っていますが、利用期間は3ヶ月と決まっているため、その後は地域の団体が行う事業が頼りで、「地域安心カフェ」のような自主的に行われている事業が区の事業を補完する役割を担っています。しかし、団体の多くは財政基盤が脆弱で、会費だけでは安定的な運営は困難です。
    宮城県岩沼市は、地域で自主的な介護予防を展開する団体等に対して、「地域介護予防事業助成金」を交付しています。運動機能向上のための体操や学習など行う「予防教室事業」は年間限度額48万円、コミュニティづくりを取り入れた「介護予防サロン事業」は限度額14万4千円が交付されます。新宿区の制度では、高齢者対象の会食サービスを実施している14団体に約1000万円助成を行っているほか、高齢者福祉活動基金を活用した補助金で1団体上限30万円の助成を行っていますが、これは単年度ごとの助成で継続事業には使えません。区内団体の継続的な活動を支援するために今ある制度の拡充や、岩沼市のような制度を作ることも含めて財政支援を強化してはいかがでしょうか。以上、答弁願います。

     

     

     

    (区長答弁)
    高齢者福祉についてのお尋ねです。
    最初に、介護保険の要支援者への保険給付廃止についてです。8月の社会保障制度改革国民会議の報告を受け、社会保障審議会介護保険部会では、介護保険制度の見直しの検討が始まったところです。その社会保障審議会介護保険部会の資料によれば、制度の見直しにより、要支援者に対する介護予防給付は、介護保険制度の対象外となるわけでなく、現行の地域支援事業に移行され、要支援の認定を受けた方は、ケアマネジメントに基づきサービスを利用することになっています。新しいサービスは、全国一律のサービスによるものではなく、地域の実情に応じた柔軟な対応が可能となるものです。今後は、民間事業者、社会福祉法人、NPO、ボランティア等の多様な地域資源を効果的に活用し、介護予防事業のメニューの目的や専門性に応じた、適切なサービス提供主体による新しい地域支援事業の実施が可能となります。制度改正については、具体的な内容の検討に入ったところであり、区としては国の動向を注視していきますが、いずれにしましても、介護予防の衰退や区民サービスの低下を招くことはあってはならないものと考えています。したがって、現時点で国に対して制度の見直しを行わない旨の要望を行うことは考えていません。
    次におむつ費用助成についてです。要介護認定の際に医師が作成する意見書には、尿失禁のチェック欄がありますが、個別のチェック項目ごとの統計はとっていません。今回の介護保険法改正では、要支援者を対象とした予防給付の地域支援事業への移行など、大幅な制度改革が検討されており、区の実施する様々な介護保険外サービスにも影響があるものと捉えています。おむつ費用助成については、今後、高齢者人口が増加していく中でも、持続可能な制度として安定的に運営していけるよう、法改正の内容を見定めながら、対象要件だけでなく助成金額も含め検討していきます。なお、検討を行う際には、利用者の実態を把握するために、必要な調査を行ってまいります。
    次に、高齢者の見守りや介護予防事業を行う団体への財政支援についてのお尋ねです。区では、3か月の介護予防教室の終了後も運動を継続していただくために、地域支援事業として、区民サポーターと協働で行う「新宿いきいき体操」の講習会の開催や、自主的に介護予防を行っている地域グループに対して専門講師を派遣するなど、側面支援を行っています。一方で、区内のシニア活動館等では自主グループやボランティアグループが、館を運営する指定管理者と共催で体操教室やカフェを開催するなど、地域の方々が主体的に介護予防や閉じこもり防止などに取り組む機運が高まっており、体操教室は平成25年8月現在12カ所で実施され、登録参加者が70人を超える教室も出ています。財政的な援助については引き続き、「高齢者福祉活動基金助成」及び「高齢者食事サービス事業助成」による援助を継続していきますが、その他については、こうした地域支援事業や地域での自主活動のバックアップなどを併せた総合的な支援で対応してまいります。

     

     

     

     

    6.特別支援教育について

    新宿区は、2007年度から特別支援教育に取り組み、特別支援教育推進員の派遣、特別支援教育コーディネーターの全校配置、特別支援教育校内委員会の全校設置、今年度からの就学支援シートの活用と、着実に進めてきました。東京都では、東京都特別支援教育推進計画第三次実施計画に基づき、2016年度の「特別支援教室」区立小学校への全校設置が計画されており、都内の4自治体のモデル事業も注目されています。一般的には、児童の約6~9%が支援を必要としているとのことで、30人のクラスなら2~3人は支援が必要な児童が居る状況で、実際に、情緒障害等通級指導学級が年度初めに定員いっぱいとなる事態です。教育委員会の後援で新宿通級児親の会が主催した「心配なあの子はダイヤの原石」と題する山梨県立こころの発達支援センター所長の本田秀夫先生の講演には、定員100名の所、約140名の方々が参加されたそうです。2016年度の「特別支援教室」区立小学校への全校設置に向け、保護者の悩みに寄り添い、児童を真ん中にした新宿区の特別支援教育をどう具体化していくのかについて、以下質問します。
    第1に、特別支援教育推進員をはじめとした教員の配置等についてです。特別支援教育推進員は現在、24名で2015年度まで2名ずつ増やす計画です。一方、「週2回では少ない」「人数を増やせないか」との声が保護者・学校から出され、新宿通級学級児親の会からは、港区で特別支援教育推進員を増員して当該児童の症状改善に効果を発揮している事例を踏まえ、大幅増員の要望が出されています。特別支援教育推進員の週5日派遣と、専任教員を全校に最低1名配置すべきと考えますがいかがでしょうか。また、特別支援教育に係る経費の多くが区の独自財源によるものです。東京都教育委員会に対しては、特別区教育長会として人的財政的措置を要望してきたことは承知していますが、都教委の方針で特別支援教室を設置するのであればなおのこと強く求めるべきではないでしょうか。都のモデル事業を実施している目黒区では、拠点校からの巡回指導となっていますが、2016年度に新宿区で本格実施する際には、各校に専門性のある人材を常駐させ系統的な指導・援助をすすめられるよう検討すべきです。ご所見を伺います。
    第2に、情緒障害等通級指導学級の増設についてです。通級学級は現在、天神小、落合第一小、戸塚第二小に設置されています。特別支援教育課題検討会では、通級学級に遠方より通っている現状を分析し、東部にセンター機能が必要との検討がされたと承知しています。東部地域への設置を決断すべきと考えますがいかがでしょうか。
    第3に、学校・教員の専門性向上と、各機関の連携についてです。個別の児童に対する支援では、保護者の期待に対して学校あるいは教員の専門性が追いついていないことも課題と感じますが、文部科学省の中央教育審議会の下にある特別支援教育の在り方に関する特別委員会がまとめた報告でも、「すべての教員は、特別支援教育に関する一定の知識・技能を有していることが求められる。」「学校全体の専門性を確保していく上で、校長等の管理職のリーダーシップは欠かせない。」として、「校長等の管理職や指導主事等を対象とした研修を実施していく必要がある。」と指摘しています。区教育委員会としてこの点についてどのような取り組みがされてきたでしょうか。対応事例の交流を行うなど、専門性向上のため、文部科学省の「発達障害に関する教職員の専門性向上事業」の財源なども活用し強化する必要があると考えますがいかがでしょうか。また、1人ひとりの教育支援計画作成のため、各機関の連携はどのように図られているでしょうか。お答えください。
    第4に、窓口となるスクールカウンセラーと学校内の連携の問題です。都費と区費によるスクールカウンセラー配置は、特別支援教育において重要な役割を担っています。週5日の派遣についてはかねてから要望のあるところですが、少なくとも保護者が時機を逸せず相談できるよう、直通電話の設置や、特別支援教育校内委員会でもさらに役割を果たせるよう位置づけるべきと考えますがいかがでしょうか。
    第5に、保護者、就学前施設関係者の声を施策に活かすことです。特別支援教育、わけても情緒障害等の対応については比較的新しい課題です。特別支援教育課題検討会には、就学前施設の代表や保護者は入っていません。特に、2016年度の特別支援教室全校設置にむけては、関係者のご意見を十分に採り入れるため、今からでも検討会に就学前施設の代表や保護者の委員を加えるべきと考えますがいかがでしょうか。東京都教育委員会に対しては2016年度の特別支援教室全校設置に向け、人的財政的措置を今から要望すべきと考えますが、ご所見を伺います。
    第6に、特別支援学級の介助員の処遇についてです。特別支援教育の現場において重要な役割を担っている介助員の勤務形態は6ヶ月勤務し1ヶ月休み、その間に次の期間の契約を行う臨時職員という扱いです。社会保険にも加入できず低賃金、労働時間数の制限という枠内で、就労しやすい環境とは決して言えず、処遇面で不安があり、転職等もあるとのことで、今年も、区立小学校PTA連合会から、子どもたちのためにも安心して働き続けられるよう処遇改善をとの要望が出されました。また、学校現場からは、募集・採用を教育委員会が一括で行ってほしいとの声もありました。検討会では、介助員の委託化も検討されていると聞いていますが、安定した雇用で介助員の資質向上を図るべきで、委託化によって偽装請負が指摘されるような事があってはならないのは当然です。研修や現場での指示もスムーズな非常勤職員での一括採用も含めて検討すべきと考えますがいかがでしょうか。以上、教育委員会の答弁を求めます。

     

     

    (教育委員会答弁)
    特別支援教育についてのお尋ねです。
    はじめに、特別支援教育推進員をはじめとした教員の配置方法についてです。特別支援教育推進員は知的な遅れのない発達障害のある児童・生徒を対象に、学校が作成する個別指導計画に基づく支援を行っています。常に児童・生徒の傍らで補助を行うのではなく、学級担任をサポートして、児童・生徒が自立して活動できるようにすることが目的です。派遣日数については各学校一律ではなく、在籍する発達障害のある児童・生徒の実情に応じて適切な日数を勘案し派遣しているものです。発達障害のある児童・生徒の増加傾向に対応し、平成27年度までに28名に増員してまいります。発達障害のある児童・生徒が区内全校・全学級に在籍していることを前提とした体制整備は急務となっています。特別支援教室構想の実現に向け、特別支援教育推進員等の配置・活用方法も含め、特別支援教室を中心とした在籍校・在籍学級の支援体制整備のあり方について検討しています。専任教員の全校配置については、従来より特別区教育長会を通じて東京都教育委員会に要望しています。また、人的財政的措置の要望も引き続き行ってまいります。専門性のある人材の活用等については、現在、都のモデル事業を実施している目黒区での検証結果を参考に、新宿区としての体制整備について考えてまいります。
    次に情緒障害等通級指導学級についてのお尋ねです。教育委員会事務局に設置している特別支援教育課題検討会において、特別支援教室の設置に向けた検討を現在進めているところです。特別支援教室構想における拠点校は、巡回指導を行う教員の拠点になるとともに、小集団指導を行う学習拠点となります。拠点校は現在の通級指導学級の機能を維持しながら、より身近な地域で児童に対し適切な指導を行うことを目指しています。そのため、拠点校の設置については、平成25年度末に示される東京都のモデル事業の中間報告を参考とし、教員の指導体制や勤務形態、教室の施設・設備、さらに児童・保護者にかかる移動の負担等に十分配慮しながら検討してまいります。区の東部地域における通級指導学級の設置については、現在も検討を重ねていますが、区全体の拠点校の配置と合わせて検討してまいります。
    次に学校・教員の専門性の向上及び関係機関との連携についてのお尋ねです。特別な支援を必要とする児童・生徒は増加傾向にあり、特別支援教育を推進していく上で、教員の特別支援教育に関する専門性の向上は不可欠です。教育委員会では、研修をとおして教員の専門性向上に努めており、夏季に行う全教職員を対象とした集中研修では、障害の種類と程度等に応じた指導方法や障害の特性に関する研修を実施しています。さらに、校内で特別支援教育の推進役を果たしている特別支援教育コーディネーターが、継続的に専門性の向上を図れるよう特別支援教育研修会を実施しています。校内では、校長のリーダーシップの下、職員に対して研修を促すことや、専門家による支援チームの巡回相談等において、個別の事例に応じた具体的な支援の方法を学ぶなど、自己研鑽にも励んでいます。より専門性の高い研修についても、すでに中野区や渋谷区と共催し、医療との連携をはじめとする様々なテーマに対応した研修を実施しています。
    次に、関係機関との連携についてです。現在、個別の教育支援計画は、必要とされる児童・生徒について、本人や保護者の希望を踏まえて各学校が作成しています。校内委員会が中心になって、一人一人のニーズを正確に把握し、子ども家庭支援センターや保健センターなど関係機関の様々な側面からの取組みを含めた個別の教育支援計画を作成しています。
    次に特別支援教育におけるスクールカウンセラーと学校内の連携についてのお尋ねです。特別な支援を要する児童・生徒に対しては、校内委員会が中心となって支援内容等を検討しています。校内委員会では、必要に応じてスクールカウンセラーが関与できる体制をとっており、スクールカウンセラーは、特別な支援を要する児童・生徒やその保護者に対し、面談を通して気持ちに寄り添いながら適切な助言を行うなどの役割を担っています。また、保護者との面談日の設定については、特別支援教育コーディネーターが保護者の希望を十分に聞きながら調整しています。
    次に保護者、就学前施設などの声を施策に活かすことについてのお尋ねです。特別支援教育課題検討会は区の第二次実行計画期間である平成27年度までを検討期間として、特別支援教育を巡る諸課題を整理・検討することを目的に教育委員会事務局に設置した内部組織です。一方、教育委員会では、保護者や学校現場、就学前施設の声を活かしながら特別支援教育を推進するため、平成18年度に特別支援教育推進委員会を設置しました。この推進委員会は保護者の代表、就学前施設の代表、学校関係者などで構成されており、この推進委員会において特別支援教育課題検討会の検討経過を随時報告し、ご意見を伺っています。人的財政的措置については、東京都教育委員会に対して、機会を捉えて働きかけてまいります。
    次に特別支援学級の介助員についてのお尋ねです。特別支援学級介助員は、児童・生徒に対する授業参加への促しや声掛け、移動支援等の補助的な業務を担うことから、臨時職員として担任教諭の授業をサポートしています。臨時職員の勤務可能な雇用期間や勤務時間等は、区の定めがあり、勤務形態には制約があります。今後はより効果的な支援ができるよう、勤務体制や配置方法等について検討してまいります。

     

     


    区議会活動 | 沢田あゆみ

    2013.10.04 更新

日本共産党新宿区議団
〒160-8484 新宿区歌舞伎町1-4-1 新宿区役所5階 TEL.03-5273-3551 FAX.03-3200-1474