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    2014年第1回定例会一般質問

    日本共産党区議団の田中のりひでです。

     

    区立住宅の改善について一般質問いたします。

     

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    現在新宿区の区民住宅は2014年2月1日現在、借上型区民住宅は30住宅で337戸、所有型6住宅44戸、合計36住宅381戸とこの間定住化など一定 の役割を果たしてきました。しかし、2011年6月10日に区民住宅制度の見直し及び借上型区立住宅の契約期間満了に伴う対応が示され、区民住宅としての 用途を廃止した所有型区民住宅や、借上期間20年が満了した借上型区民住宅は、15年間の期間に限り順次再借上をおこなって特定住宅制度と位置付けること になりました。

     

    特定住宅制度は、まず第1に現在区民住宅に入居している人は使用の許可の期限は3年間であり、その後は原則として、更新手続きを行うことにより使用を継続できる。使用料については区民住宅と同様の算定方法で算出した使用料を毎年3.5%上げていく。第22012年度から、公募により新たに区民住宅に入居する人の使用期間は区民住宅の終了時までとする。その後は特定住宅となり使用料は定額となる。第3にいまだに公募はされていませんが2012年度から公募等により新たに特定住宅に入居する人の使用期間は5年であり、使用料は定額になるという内容です。

     

    すでに30住宅中、6住宅については借上期間が満了になり特定住宅になっています。区民住宅の使用料は12階層に分かれ基準使用料は61400円から22万円までになっています。しかし特定住宅は不動産鑑定額の8割を使用限度額にすることから弁天町第1特定住宅については仮に50㎡の場合、家賃は141350円の定額になります。これまでの区民住宅のほぼ7階層の基準使用料になり、1~6階層の方にとっては大きな負担になることはいうまでもありません。

     

    そもそも23区では17区が区民住宅を管理運営していますが期間満了後の契約更新は行わない区が多いと聞いています。お隣の豊島区も20年 の契約期間満了を迎えた区民住宅については例外なくオーナーに返還するとしています。そのうえでオーナーに対する支援措置として区民住宅の契約満了後は子 育てファミリー世帯の住み替え家賃助成の対象住宅として空き家の解消に努めるとともに入居者に対する支援措置として一定の家賃助成を行うとしています。豊 島区では区民住宅の契約満了前から傾斜家賃制度で近傍家賃よりも高い家賃になったりすることから家賃の引き上げの凍結や引き下げなどを行っているそうです が、空き室は解消されずしたがって公募対象も区内在住に限定せず行われているそうです。いかに高い家賃が制度の大きな壁になっているということがわかりま す。

     

    新宿区も直近の区民住宅の公募では例えば2年後に特定住宅になる蜀江坂ハウスでは入居時はこれまでの応能応益の家賃から途中で市場家賃の定額となります。この場合使用料設定の基準となる不動産鑑定は1㎡3505円であり、55㎡の場合、192775円になります。これに対し8割を使用料限度額として154220円が特定住宅の家賃として設定されます。これではたしかに通常の民間マンションと大差なく、場合によっては一般よりも高い場合も考えられます。

     

    そもそも区では2003年度以降、現在まで区民住宅の新規供給が行われていません。しかし、2008年の新宿区次世代育成支援に関する調査によると子育てファミリー世帯にとって、現在住んでいる住宅に対しては「家が狭い」という悩みが筆頭に挙げられています。家の広さは当然家賃と連動していることは言うまでもありません。

     

    その点から特定住宅の使用料限度額の設定はこの悩みにこたえるものになっているとは到底考えられません。現在でも収入基準が当てはまらず都・区営住宅には申し込めない。しかし、区民住宅の申込み資格の最低所得額2276000円ではとても広い民間賃貸住宅には住めない現状が依然として残されるのではないでしょうか。したがって子育て世帯に配慮するための施策は引き続き求められているのではないでしょうか。

     

    そこで質問します。

     

    第1に所有型の区民住宅については、区営住宅に転換するとともに、特定住宅として募集する住宅についても条件のあるところは区営住宅に転換を図るべきと思いますがいかがですか。

     

    第2に現在すでに居住し、継続して居住する場合は年3.5%引き上げるとしていますが、一律にするのではなく居住者の現状を考えて家賃の引き上げを抑えるべきと思いますがいかがですか。

     

    第3に子育てファミリー世帯については、子どもが義務教育を終了するまでは区民住宅の算出基準による使用料を設定してはどうでしょうか。

     

    第4に、特定住宅へなる際、民間賃貸住宅へ転居する際一定の基準で住み替え家賃の助成制度を設けてはどうでしょうか。

     

    現在も中堅所得階層や子育てファミリー世帯への助成制度は求められている重要課題です。現在の区民住宅を有効活用し、より住みやすい新宿区をめざして新宿区独自の制度を創設すべきと思いますがいかがでしょうか。

     

    次に区立住宅の共益費について質問いたします。

     

    この間議会では共益費の負担軽減や生活保護世帯への対策などについてなんどとなく質疑がおこなわ れてきました。共益費については区は借上げ住宅の場合はオーナーさんから実際の維持管理費を領収書などを精査し高いところは低減のためにオーナーさんと直 接交渉をするなど努力をおこなっていることや、適正な共益費の検討をすることなどが答弁されています。

     

    区営住宅については所有型の中落合コーポラスや南元町アパート、早稲田南町アパートなどは共益費は無しであり、またエレベーターがないところは関連する共益費はなく、住宅によってはその他一般の共益費のみがないところもあります。最高で月額11300円、区営住宅でも借上げ型のフローラ上落合のように9300円のところもあります。民間賃貸住宅と比べても共益費の負担は決して少なくはありません。

     

    特に区営住宅は当然生活保護世帯も入居の対象になっています。ところが生活保護費の住宅扶助は家賃は対象に なっても共益費は対象になりません。共益費が生活費に食い込むことになります。共益費の適正な検討を待つことなく、生活保護世帯については早急な対策が求 められているのではないでしょうか。家賃については生活保護の住宅扶助の基準内に収まっていながら、共益費が生活費に食い込む、これが民間賃貸住宅ならば 居住することに問題が指摘されるような内容ではないでしょうか。この際、生活保護世帯の共益費については減額もしくは免除の対応をすべきと思いますがいか がですか。また、区立住宅の共益費のあり方についても早急に検討すべきと思いますがいかがですか。以上、ご答弁をお願いします。

     

     

    【答弁】

    田中議員の質問にお答えします。

     

    区民住宅から特定住宅への移行に関する区立住宅の改善についてのお尋ねです。

     

    区民住宅は、バブル期の地価高騰による子育てファミリー世帯の定住対策として供給してきたものであり、民間賃貸住宅の家賃水準がバブル期と比べ大幅に低下 していることや区内の民間住宅の供給数が増加していることなどから、その政策的な意義は薄れてきました。しかし、引き続き子育てファミリー世帯への支援の 必要性を踏まえ、供給期間が20年を経過した区民住宅を対象に、入居条件等の見直しを行ったうえで、特定住宅制度を創設しました。

     

    特定住宅では、多くの子育てファミリー世帯の入居機会を増やすため定期借家制度を導入するとともに、市場家賃の8割相当を使用料限度額として設定しました。また、従前からの区民住宅居住者の負担が、急激に重くなることを避けるため、特定優良賃貸住宅制度で国が定める年3.5% の傾斜型家賃方式を採用し、特定住宅の供給期間である15年間で使用料限度額に近づくようにしました。こうした特定住宅制度は、子育てファミリー世帯に十 分配慮したものと認識しています。このような考えから、所有型区民住宅や既に供給している特定住宅を区営住宅に転換することは、現時点では考えていませ ん。また、傾斜型家賃方式を採用するとともに、その使用料限度額を市場家賃の8割相当にし、子育てファミリー世帯の経済的負担を軽減していることから、義 務教育修了前の子どもがいるなど居住者の状況に応じた使用料の設定や、特定住宅から民間賃貸住宅に移る際の住み替え家賃助成制度を新たに創設することは考 えていません。

     

    現時点では区独自の制度の創設は考えていませんが、それぞれの所有型特定住宅の供給期間が終了した後の活用方法については、区営住宅への転換を含めて、区立住宅全体のあり方として今後検討していきます。

     

    次に、区立住宅の共益費について、生活保護世帯を減額もしくは免除の対象とするとともに、共益費のあり方について早急に検討すべきとのお尋ねです。

     

    共益費は使用者の共通の利益を図るためのエレベーターや共用廊下等共用部分に要する費用であり、居住者がその実費を負担しています。また、一部の所有型住 宅では、各住宅の自治会費として、共益費に相当する費用を居住者が負担しています。ご指摘のとおり、一部の借上げ型区立住宅では、建物の規模や仕様の違い などから所有型と比べ共益費が高い住宅がありますが、適正な共益費を居住者が等しく負担すべきものと考えています。

     

    このため、区ではオーナーから清掃委託費などの領収書の提出を求め、適正でない場合は見直しを求めています。 したがって、現時点で共益費の生活保護世帯への軽減やあり方について検討することは考えていませんが、共益費が適正でない住宅については、今後も、オー ナーと粘り強く交渉をすすめながら、いっそう共益費の適正化を目指していきます。

     


    区議会活動 | 田中のりひで

    2014.03.03 更新

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