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    2014年第1回定例会一般質問

    受動喫煙防止対策について

     

    日本共産党区議団の近藤なつ子でです。

     

    受動喫煙防止対策について一般質問します。

     

    WHOは2003年、「たばこ規制枠組み条約(FCTC)」を全会一致で採択しました。日本もこの条約に、世界で98番目に署名し、2004年5月 には国会で条約の批准が承認されています。2005年2月27日には世界の168か国が署名し、56か国が批准し、条約が発効しました。

     

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    2003年5月、健康増進法が施行され、その25条で「受動喫煙の防止」が明記されました。新宿では1997年4月から、空缶等のポイ捨て禁止と一 緒に受動喫煙及びたばこの火に起因する火傷等の被害の防止を図ることによって、快適な都市環境を確保することを目的として路上喫煙を禁止しています。 2004年1月に区民の声委員会がまとめた「路上喫煙・たばこのポイ捨て対策について」の調査報告書を受け、2005年6月20日から区内全体で路上喫煙 禁止にし、いわゆる歩きタバコを禁止したのです。しかし、残念ながら受動喫煙の実態はまだ解決されているとは言えません。

     

    私自身は気管支が弱く、たばこの煙に近づかないよう気をつけて生活しています。それでもたばこの煙を吸わずに済む日はありません。意識的に避けてい る私でさえそうなのですから、小さな子どもたちは知らず知らずに受動喫煙している可能性が高く、対策を強化しなければいけないという思いで、以下質問させ ていただきます。

     

    第1は、病院とその周辺での受動喫煙防止についてです。

     

    原町にある牛込成城幼稚園に隣接して都営若松住宅がありますが、現在その敷地内の幼稚園のそばに吸い殻入れが置かれているため、毎日タバコの煙はモ クモクと子ども達のいる幼稚園に流れています。幼稚園のお母さん方から「なんとかしてほしい」と東京都に要望が出されていますが、若松住宅建替えのための 仮囲いが新たに設置されまっすぐに煙が行きにくくなっていることや、そこに吸い殻入れがあることでポイ捨てが防げること、都営住宅の自治会が吸い殻の管理 をしてくれることなどを理由に都は容認の姿勢です。

     

    ここで喫煙する方のほとんどが東京女子医大の関係者であることは周知のことです。ところが、病院は敷地内を禁煙にすることで診療報酬が高くなってい るため、区内の大病院は東京女子医大を含め敷地内禁煙を徹底しています。そのため、喫煙する病院関係者や患者さんたちが外へ出た所でたばこを吸っているの が現状です。我が家のそばの国立国際医療研究センターでも慶応病院でもどこでも同じようなことが起こっています。病院の敷地内を禁煙にするのは結構なこと ですが、そのために近隣の区民が受動喫煙させられたのでは本末転倒です。このような実態について、区はどのような見解をお持ちかお聞かせください。

     

    東京医大でも過去、同じような状況がありましたが、近隣の国際ビルディングが屋外にスペースを提供し、日本たばこ産業=JTが設備を整え喫煙所を設 けたことで、苦情が減っているそうです。区は、病院やJTに協力を求め、病院関係者への喫煙マナーの徹底とともに、近隣の他の施設で喫煙所を確保するなど 早急に対策を講じるべきではないでしょうか。お答えください。

     

    第2に、区の施設で受動喫煙をさせない対策を講じることです。

     

    区の施設は現在、館内禁煙になっていますが、いまだに出入口のそばに喫煙所を設けているところがあります。周囲の人々の健康への影響を考えたら、喫 煙所が出入口のそばにあるのはいかがなものかと思います。そのような喫煙所はすべて精査し早急に対策を講じるべきと思いますが、いかがでしょうか。

     

    第3に、公的な喫煙所の設置についてです。

     

    1つ目は、駅前の喫煙所の改善です。新宿駅西口の喫煙所にはいつ行っても大変多くの方がたばこを吸っていて、排出される煙の量も半端ではありませ ん。現行の屋外喫煙所は衝立で囲っている程度で、受動喫煙を防止すると言うには程遠い状況です。煙の通り道をつくり高い場所で拡散するような構造の喫煙所 が必要です。歩道上の工作物には様々な縛りがあり、屋根もある建物で現在許可されるものには交番と公衆便所、及びこれに類するものだけです。さらに管理上 の問題もあり建物にするのは難しいとの見解がある事も承知していますが、関係機関と知恵を出し合い、法律の改正等も行いながら対策を強化する必要があるの ではないでしょうか。

     

    2つ目は、区立公園の喫煙所です。2011年4月から区立公園は、2000㎡を超ええる大規模公園の喫煙コーナーでしかたばこが吸えなくなりまし た。これ自身、画期的なことですが、喫煙所としては改善が必要です。都立公園ではJTにも協力を得て、試行的に植栽で隔離したり、分かりやすい案内で区分 しています。区立公園の喫煙所も、灰皿設置だけでなく煙が他の公園利用者にいかないような対策を講じるべきです。いかがでしょうか。

     

    3つ目は、空き店舗・空家・空き部屋などを活用した「屋内喫煙所」の設置です。新宿区内でもオーナーが無償で場所を提供し、JTの協力で、24時間 無料で利用できる屋内喫煙所がいくつかあるようですが、簡単には広がりません。千代田区では空き店舗・空家・空き部屋などを活用した屋内喫煙所を設置する ための助成事業が行われ、現在4カ所開設されています。新宿区も実施を検討すべきではないでしょうか。

     

    第4に、飲食店などの禁煙・分煙などの表示です。いま、大手チェーン店を中心に禁煙・分煙は進んでいます。お店の入口に「全席禁煙」とか「分煙」 「時間分煙」などと分かるように表示されていると大変助かります。この間、健康部が飲食店1軒1軒に声をかけ、禁煙・分煙化と表示の実施推進を図ってきた と思いますが、仮に禁煙・分煙が困難と言うお店でも、「まずは現状の表示を」と呼びかけ、「喫煙可」などの表示することから始めてはいかがでしょうか。

     

    第5に、たばこの健康被害について意識啓発をすることです。

     

    たばこの煙には発がん性物質や依存性の高いニコチンなどが含まれ有害なものという認識は誰もが持っています。更に2012年7月、厚労省はたばこに 含まれる危険性の高い放射性物質ポロニウムによる健康被害を認めました。このことは喫煙者の健康にとっても看過できないばかりか、受動喫煙する非喫煙者に とっても大変な健康被害をもたらします。特に、子どもにはたばこの煙を吸わせないようにしなければなりません。たばこの値段も上がり喫煙者は減る傾向では ありますが、日本では若い女性の喫煙率が上がっています。喫煙所や公共施設にたばこの害についての被害や資料を掲示し、認識を高めていくことが必要ではな いでしょうか。

     

     

    【環境清掃部長の答弁】

    初めに、病院とその周辺での受動喫煙防止についてです。

     

    病院に限らず、敷地内を禁煙とすることで歩行者や周辺の方が受動喫煙の被害を受けることは、好ましくないと考えております。特に、路上喫煙に対しては条例で禁止しておりますので、路上喫煙パトロール員を派遣する等により、止めるよう指導しています。

     

    次に、病院関係者への喫煙マナーの徹底及び病院が近隣に喫煙所を確保することについてです。

     

    区では、病院等の施設管理者へマナーの徹底について、ポスターやステッカー等の掲出物、パンフレットなど路上喫煙禁止を周知する啓発物を用いてお願いします。

     

    また、近隣への喫煙所の確保についても実態を把握した上で、病院等の施設に対して、たばこ関係事業者等とも連携し、必要な対応をお願いしてまいります。

     

    次に、区の施設で受動喫煙をさせない対策についてのお尋ねです。

     

    平成22年2月の厚生労働省健康局長からの通知を受け、区において新たに施設を建設する場合は原則禁煙とし、利用者ニーズ等からやむを得ない場合でも完全に分煙できる設備を設けています。

     

    また、平成22年に88施設であった既存の禁煙の施設は、現在95施設になっています。

     

    なお、当面改修やレイアウト変更等の予定がなく、出入り口近辺に喫煙所を設けているなど、分煙が不十分な数カ所の施設については、今後、禁煙化や非喫煙者が煙を吸わないで済む対策を講じてまいります。

     

     

    【環境清掃部長の答弁】

    次に、公的な喫煙所の設置についてのお尋ねです。

     

    初めに、駅前の喫煙所の改善についてです。

     

    新宿駅東口喫煙スポットは、当該地が区道へ移管するのに合わせて、昨年2月に新しい喫煙所としてパーテーションを用いて、明るく、かつ煙も十分遮断できているため、苦情も大幅に減少しています。

     

    新宿駅西口喫煙スポットにつきましても、改修について道路管理者である東京都と協議を進めているところです。また、他のスポットについても、順次改善していきたいと思います。

     

     

    【みどり土木部長の答弁】

    次に、区立公園における受動喫煙防止策についてです。

     

    区では、2000㎡以上の18の区立公園で喫煙コーナーを設けています。

     

    喫煙コーナーは、利用者の動線から離れたところに設け、路面標示等で明確にするなどの配慮を行っていますが、 利用者の人数や風の流れ等によっては、煙が流れ、他の利用者に迷惑が及ぶことがあります。このため区では、現在、日本たばこ産業株式会社の協力を得なが ら、喫煙コーナーの周囲に衝立を設け、煙の流れを抑え、他の利用者への煙の被害を防ぐ施設の整備を検討しています。

     

     

    【環境清掃部長の答弁】

    次に、空き店舗・空き家・空き部屋などを活用した屋内喫煙所の設置についてです。

     

    公道上にある喫煙所は、区が設置しておりますが、民有地は、ビル所有者などの事業者が設置するものであり、公費を投じる誘導等は現在考えておりませんが、地域から、屋内喫煙所を作りたいというお話があれば、たばこ関係事業者等と連携し、支援してまいります。

     

     

    【健康部長の答弁】

    次に、飲食店などの禁煙・分煙などの表示についてです。

     

    区はこれまで、食品衛生大会で飲食店の責任者に、禁煙や分煙を表示するためのステッカーや、受動喫煙防止対策 に関するパンフレットの配布を行うなど、受動喫煙防止の普及啓発を行っています。また、新宿駅周辺の飲食店を対象として、受動喫煙防止対策の現状等につい て実態調査を行っています。

     

    今後、実施する実態調査などの機会に、飲食店に禁煙や分煙のステッカーを配布し、さらに普及啓発を進めてまいります。また、喫煙可能な飲食店については、未成年者や妊婦の方を受動喫煙被害から守るために、喫煙可能であることが分かる表示を行うよう、促してまいります。

     

     

    【健康部長の答弁】

    次に、喫煙による健康被害の意識啓発についてです。

     

    区は、これまでも未成年者の喫煙防止を徹底するため、区内の小中学生や保護者を対象として、喫煙防止に関する講演会を開催し、喫煙の害について意識啓発を行っています。また、世界禁煙デーに合わせて、広報しんじゅくやアルタビジョンへの広告により周知を行っています。

     

    今後は、喫煙の害についてさらに広く普及啓発していくために、区の施設においてポスターを掲出するなどの方法を検討してまいります。

     


    区議会活動 | 近藤なつ子

    2014.03.07 更新

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