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    2015年第1回定例会一般質問

    2月26日の本会議で、雨宮武彦議員が公衆浴場対策について一般質問を行いました。

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    ◆38番(雨宮武彦) 日本共産党区議団の雨宮武彦です。
     公衆浴場対策について一般質問いたします。
     四谷地域には、四谷四丁目の蓬莱湯、三栄町の塩湯、若葉二丁目の若葉湯の3軒の公衆浴場がありました。私は、9月初めに廃業の掲示がされていた蓬莱湯の経営者にお会いし、「近所の風呂のないアパートの人たちが困るので、ぜひ続けてほしい」とお願いをしましたが、「かまにひびが入ってしまい、他の設備も古く、建物の改修も必要だし、後継者もいないので廃業せざるを得ない」と言われました。残念ながら昨年9月に廃業となったわけですけれども、蓬莱湯を利用していた人たちは三栄町の塩湯に行かなければなりません。四谷駅の近くなんですけれども、距離が遠いために30分もかけて歩いて行く高齢者の人、途中で転んでけがをした人など、蓬莱湯を利用していた人たちから困っている声をお聞きしています。その塩湯のオーナーさんも80歳を超えた方で、「そんなにいつまでも頑張れない。そろそろ将来の構想を考えざるを得ないときに来ている」と言っています。
     もう1軒の若葉湯も存続の瀬戸際です。若葉二丁目の共同建てかえ事業に係るエリアに建っているため、周辺一帯がマンションに建てかわる計画です。若葉2-11地区のまちづくり便り第2号のニュースによると、ことし10月ごろまでに事業決定書の締結、来年4月工事着工とのことですから、早ければ年内に若葉湯が廃業になってしまう可能性があります。四谷地域に公衆浴場が一軒もなくなることが現実味を帯びてきました。
     「公衆浴場の確保のための特別措置に関する法律」第3条は、「公衆浴場の経営の安定を図る等必要な措置を講ずることにより、住民の公衆浴場の利用の機会の確保に努めなければならない」と、国と地方公共団体の任務を定めています。この法の趣旨に沿って、以下、質問をします。
     質問の第1は、公衆浴場の経営の安定を図るための措置についてです。
     1つ目は、新宿区公衆浴場の設備費補助金交付要綱を利用しやすく改善することです。5年前に私が質問した際は、同補助金については廃業から2年以内に修理費を区に返還する定めで、これが利用をためらわせていました。区は、その後、要綱を改善し、「廃業が申請者の責によらない場合、または理由が正当と認められる場合は返還を免除することができる」と改善され、浴場組合の皆さんから喜ばれています。しかし、まだ改善の余地があります。第4条では補助金の額とともに補助の制限期間が定められ、次の補助までに2年度間、あるいは4年度間という制限期間を設けています。お風呂の設備は、1カ所直してもすぐ別の箇所の修繕が必要になったりしますので、制限期間を削除すればより利用しやすくなります。補助金の利用期間の制限をなくし、必要な場合は連続して利用可能にすべきと思いますが、いかがでしょうか。
     2つ目は、ふれあい入浴証を月4回から5回にふやし、区民の利用回数をふやすこととあわせて、浴場組合に対するふれあい入浴の委託金を増額することです。これも経営安定に寄与する対策になります。公衆浴場は、全体としてお客さんが減少し、ほとんどのところがぎりぎりの大変厳しい経営状態にあります。後継者がいないこと、経営が厳しいこと、建物や設備が古くなっており修理代がかさむことなど困難を抱えながら頑張っている浴場経営者の皆さんに対して、入浴する方の人数をふやすことが最大の支援ではないでしょうか。入浴証を4回から5回にふやし、浴場組合へのふれあい入浴の委託金を増額し、積極的に支援をすべきだと思いますが、いかがですか。
     質問の第2は、住民の公衆浴場利用の機会確保のために公設民営の公衆浴場をつくることです。
     私は、2010年第4回定例会の一般質問で公衆浴場対策について、「四谷地域から銭湯がなくなる前に、区立公設民営の公衆浴場の設置を検討すべき」と質問をいたしました。その際の区長答弁は「区民の保健衛生の維持向上、健康増進、地域コミュニティの場を担う公衆浴場は、地域にとって大切な施設であり、地域的な偏在が生じないことが望ましいものと認識しています」というものでした。今まさに四谷地域に銭湯がなくなり、地域的な偏在が生まれようとしています。地域では、公衆浴場が一軒もなくなることは深刻な問題だと「四谷地域に公衆浴場をつくる会」ができ、署名運動も始まっているとのことです。
     私は、改めて近隣区の公設民営の公衆浴場を調査しました。千代田区には銭湯が5つあり、そのうち神田淡路町にある「神田アクアハウス江戸遊」は公設民営で、460円の入浴料で利用できます。港区には6つの銭湯があり、芝二丁目に「区立公衆浴場・ふれあいの湯」があり、中央区にも11の銭湯があり、銀座一丁目に「銀座湯」、入船三丁目に「入船湯」、日本橋小伝馬町に「十思湯」の3カ所の公設民営の公衆浴場があります。
     「十思湯」は昨年7月にオープンしたばかりで、町会・住民の要望を受けて、小学校跡地に高齢者施設や小体育館と合築で整備された区立の公衆浴場です。早速現地に行き、施設を見せていただき、銭湯にもつかり、サウナにも入ってきました。湯船も広く、洗い場も一人ひとりに仕切りがされておりスーパー銭湯といった感じでした。1日平均90名ぐらいの入浴者で運営は厳しいとのことですが、住民の皆さんには大変喜ばれているそうです。新宿区もこれらの3区を調査し、公設民営の公衆浴場を四谷地域に設置すべきと考えますが、いかがでしょうか。
     質問の第3は、お風呂のない方や、一人では入浴することが不安な高齢者に対する緊急避難的対策についてです。
     四谷地域にある信濃町シニア活動館と本塩町地域交流館にはお風呂があり、地域の高齢者が利用しています。利用者は、信濃町は1日25人前後、本塩町が15人前後とのことです。信濃町シニア活動館は、昨年10月以降男性の入浴者がふえており、蓬莱湯さんの廃業の影響かもしれないとのことでした。公衆浴場組合との協議により、シニア活動館等の入浴時間は12時から15時となっていますが、公衆浴場が廃業となる四谷地域についてはお風呂の時間を延長すべきと思いますが、いかがでしょうか。お答えください。
    ◎地域文化部長(加賀美秋彦) 雨宮議員の御質問にお答えします。
     公衆浴場設備費補助金の制限期間についてのお尋ねです。
     公衆浴場設備費補助金については、これまでも新宿区浴場組合との協議の中で、その都度公衆浴場経営者の要望を確認しながら、制限期間の短縮や補助金免除等の規定改正を行い、使いやすい補助金となるように改善してまいりました。これまでの浴場組合との協議を踏まえ、平成27年度からは制限期間を廃止して、公衆浴場の計画的な設備更新や修繕に対応できるようにいたします。
     次に、公設民営の公衆浴場設置についてのお尋ねです。
     御指摘のとおり、四谷地域の公衆浴場につきましては、四谷二丁目の蓬莱湯が昨年の9月に廃業し、現在は2つの公衆浴場となっています。この2つの公衆浴場についても、若葉二丁目の若葉湯につきましてはマンションの共同建てかえ事業計画、三栄町の塩湯につきましては経営者の高齢化と後継者難によりそれぞれ廃業予定と聞いております。これにより、四谷地域では将来的には公衆浴場がなくなる可能性が高いものと認識しています。
     また、御指摘のあった3区の公衆浴場については調査をいたしましたが、建設費や維持費が高額であるなどの課題があります。したがいまして、区として四谷地域に新たな公設の公衆浴場を設置することは大変難しいものと考えております。
    ◎福祉部長(小池勇士) 次に、ふれあい入浴証の利用回数を現行の月4回から5回へふやし、委託料を増額することで浴場組合への支援をすべきとのお尋ねです。
     ふれあい入浴証の利用状況は、平成25年度実績で延べ64万人の方が利用しておりますが、交付枚数の64%の利用率にとどまっていることから、利用者にとって月4回の利用回数は適正な回数であると考えています。
     また、浴場組合のふれあい入浴証委託料の支払いについては、利用実績により支払い額が変動することのない総価契約となっております。
     以上のことから、現状の利用回数の増や委託料の増額については考えておりません。
     次に、信濃町シニア活動館、本塩町地域交流館の入浴時間延長についてのお尋ねです。
     これら高齢者施設にあるお風呂につきましては、高齢者同士の触れ合いや交流の場を目的として設置したもので、無料で御利用いただいております。お風呂の運営は、日曜日を除く週6日で、曜日によって男性と女性とで御利用いただける日が決まっております。区内には類似する高齢者施設が17施設あり、これらの施設のお風呂は地域の高齢者だけでなく、区内の全域の高齢者の方々に御利用いただいております。
     一部の地域において入浴時間を延長する場合、他の地域とのバランスや浴場組合との再協議が必要になることから、高齢者施設の入浴時間を延長することは慎重に検討する必要があると考えております。
     以上で答弁を終わります。
    ◆38番(雨宮武彦) 答弁ありがとうございました。
     まず、四谷地域への公衆浴場の公設民営の風呂の件ですが、これは私も、この前の5年前の調査のときは銀座湯に行ってきました。いずれにしても、中央区では積極的に、地域の中から浴場がなくなっちゃうということに対して、きちんとそれを地方自治体の役割として、任務としてきちんと保障しているんですよ。ですから、これは、この法の立場からしても、建設が難しいということではなく、せっかく四谷の皆さんはふれあい入浴証をもらっても使えなくなっちゃうんだよ。そうでしょう。だから、これは建設が難しいことではなくて、ぜひ検討していただきたいというふうに思っています。地域の皆さんがどんな思いでそういう要望をしているのかということをよく考えていただきたいということで、この点については意見を述べておきます。
     それと、きのうも自民党の代表質問でも公衆浴場の問題が取り上げられました。今、新宿区にも、今のところまだ27あります。まだ若葉湯も塩湯さんも残っていますので、そういった意味では、より公衆浴場さんの支援という立場で、先ほど期限は撤廃するということで、5年前に私がその質問をしたときにも、利用の改善をすべきだということで要綱も平成23年4月1日に要綱が変わっているんですね。そういった意味では、平成27年からかえるということでは積極的なことだというふうに思いますので、浴場組合との定期的な話し合いもされているということですから、その点も含めて、今後、四谷地域のように廃業が出ないように積極的な支援を行っていただきたい。これはもう超党派で要望できることなので、よかったなというふうに思っています。
     それと、シニア館については、確かに区内どこでも使えるかもしれませんけれども、圧倒的に行っているのは地域の人なんですよ。部長、そういうふうに言うけれども、ですから、この点については、せっかく信濃町シニア活動館も、改修工事でなくなるというのを、区長の判断で、皆さんの判断であそこにお風呂を残してくれたわけですから、より住民の皆さんがしっかりと活用できやすいように、今でも25人で20分ぐらいで出なくちゃいけないんですよ。女性のほうは大変なんです。だから、これも浴場組合の皆さんの了解を得なくちゃいけないけれども、そういうなくなっちゃうんだということを、それをカバーする、当面カバーする。公設民営の浴場ができるまでカバーしていただくという視点から、ぜひ前向きにこれはやっていただきたいという意見を述べて一般質問を終わります。
     以上です。(拍手)

    区議会活動 | 雨宮たけひこ

    2015.06.08 更新

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