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    2016年第1回定例会 一般質問

     2月25日の本会議で、近藤なつ子議員が弁天町コーポラスについて一般質問を行いました。
     *正式な会議録ではありませんが、概要をご紹介します。

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    (近藤なつ子議員) 日本共産党区議団の近藤なつ子です。弁天町コーポラスについて一般質問します。
     東京都から移管された早稲田南町の3つの区営住宅の建替えによる弁天町コーポラスへの移転が昨年の6月末に完了しました。最終的に73戸中、61世帯が移転しました。私は事前の住民説明会に参加し、入居後も居住者の方から話を伺い、相談も受けてきました。「エレベーターもあるし、本当によかった」という声を聞く一方で、部屋のタイプや人数によっては苦情も多く、いくつもの問題が浮かび上がってきました。
     第1に、区の世帯別入居基準の判断、部屋の決め方についてです。
     区は今回の建替えで、早稲田南町の2DK約36㎡の第1アパート、3DK約42㎡の第2・第3アパートの住民の「居住水準の向上を図る」ことを目指すとしていました。これまでは同じアパートであれば部屋の大きさはほとんど同じでしたが、今回区は都営住宅の建替えの際に実施している世帯人数を反映する型別タイプを計画しました。小タイプは1人~2人用として1K35㎡10戸と1DKの35㎡10戸、中タイプとして1人~3人以上可とする約40㎡の2K20戸と約42~43㎡の1DK18戸、そして2人以上が入居可とする大タイプ約53㎡15戸、計73戸という内容でした。転居当時の世帯構成は、1人世帯が27組、2人世帯が23組、3人世帯が9組、4人世帯が1組、5人世帯が1組ですから、3人以上の11世帯が全て大タイプに入居するようにし、順次2人世帯、1人世帯と部屋を決めていけば、ほとんど問題はなかったはずです。都営住宅の建替えでは、事前に内覧をしたうえで多人数世帯から順次に抽選をします。
     ところが、弁天町の場合、図面のみの参照で世帯数ごとに入居が可能な部屋の中から一斉に希望を受付け抽選を行いました。当然2人以上も可能な大タイプや大きめの中タイプは希望が多く抽選になり、3人世帯4組4人世帯1組が、抽選に外れた方を含め中タイプの2Kに4人世帯を含む4世帯、1DKに1世帯を入居させてしまったのは明らかな失敗です。何度聞いても合点がいきません。どうして多人数世帯から順次決めなかったのか、このような抽選を実施したのか、反省しているのか、お答えください。
     第2に、なぜ「内覧・下見」という当たり前の手続きをしなかったのかということです。
     不動産業者ではお客さんに部屋の情報を正確につかんでもらい、齟齬をなくすため図面と同時に余程のことがない限り内覧を行い説明をしています。仮に提示した情報が違っていた場合には、契約を解除され引越代等を返金することもあるそうです。都営住宅でも、転居の際、抽選の対象の住宅はいくつも見せてくれます。それだけ部屋を決めるというのは大きな事なのです。住民は建設中の一昨年12月に、内覧なしで部屋を決めることを余儀なくされ、その後も再三に渡り内覧を要望していたのに拒まれていたのです。
     内覧を実施しなかった結果、引越後に支障をきたす世帯が出てしまいました。引越をするという段階で、ほとんどの人が愛着のある家財や服や本などを捨ててきました。内覧をしない代わりに「ミリ単位で数字を示した」と区は言っていましたが、図面で記載されている数字は壁の中心、いわゆる壁芯からの寸法で、住民が本当に知りたい部屋の内側の寸法ではありませんでした。冷蔵庫が指定の場所に入らない、既製品のカーテンはツンツルテンで使えなかったなどの他、持ち込んだほとんどの物を捨てて買い換えざるを得なかったというのも、結局内覧が出来ず必要な寸法さえ図面に記載されていなかったからです。また、細長く変形している部屋や2Kのキッチンの狭さなども困難の原因となっています。引越後の出費が50万円という方もいました。その方以外にも、引越し後に想定外で十万円前後の出費をした方が何人もいます。区は責任を感じているでしょうか。引越にあたって必要な情報提供をしなかった区の責任は重大です。だからこそ昨年4月30日に首都圏不燃建築公社から引き渡された後、多少引越の時期を遅らせてでも内覧を行えば、少なくとも不要なものを運ばなくて済んだはずです。なぜ内覧を行わなかったのか、住民が想定外に被った精神的・物理的・経済的負担をどのように受け止めて、どう対処しようとしているのかお聞かせください。
     第3に、今回の転居に関するアンケートを住民に取ることについてです。
     引越しに関する区からの費用が妥当なものであったのか、部屋の決め方はどうだったのか、内覧をしなくても大丈夫だったのか、現在困っていることはないのか、転宅やリフォームの希望の有無などのアンケートを実施し住民の実態を把握した上で、住民の要望に沿った対応をし今後に活かすべきです。いかがですか。
     第4に、真の居住水準向上のために、転宅又は部屋の改善をすることです。
     約40㎡2Kの中タイプは壁の厚みを考えると実際には39㎡未満です。都営住宅の入居者の場合、4人世帯で50㎡未満、3人世帯で39㎡未満ならば、狭小な住宅と認定され他の公営住宅に申込みが出来るのです。この面積水準は住生活基本計画における「最低居住面積水準」とほぼ同じですから、2Kに入っている3人以上の4世帯はこの水準を満たしていないということです。もちろん、1DKの3人世帯も大きな違いはありません。区の失策によって、不利益を被っている3人以上の5世帯には、住民ともよく相談し適切な住宅を区が責任もって用意すべきです。
     私がこの間相談を受けてきた2Kに親子2人で住んでいる方は、住み心地が悪くここに住んでいる限りノイローゼが悪化しどうにかなりそうと不安を訴えています。区として住民へのアンケートを行った上で、転宅やリフォームの希望があった場合、要望に沿うべきと思います。いかがですか。
     転宅の希望を叶えるには、いまある区営住宅のストックだけでは不足するかもしれません。現在閉鎖管理している早稲田南町アパートは、エレベーターは付けられませんがリフォームして、転居可能な住宅にすることはできるはずです。また、区内の建替えを行った百人町、弁天町、若松町の都営住宅には更なる建替えの住み替え用に、いわゆる事業用住宅が空き家としてあります。若松町アパートの1,2号棟の建替えが昨年12月に完了し、現在約80戸の空き家があり、弁天町、百人町のアパートを合わせれば、2月時点で約280戸の事業用の空き家が存在します。東京都と協議し、転宅の候補になるよう要望してはいかがでしょうか。お答えください。
     第5に、今後申込みの住宅公募基準を改善することです。
     35㎡の小タイプ、約40㎡2Kの中タイプは単身用とすべきです。実際2人で2Kに半年余り生活している方から使いづらいと悲鳴が出ています。区は昨年5月に小タイプを2人以上の一般世帯対象に12戸公募しましたが、6世帯も辞退しています。面積だけで見れば、36.4㎡の第1アパートとそう変わらないように見えますが、弁天町コーポラスは壁が大変厚く、また従前のアパートと比べトイレ・洗面所・お風呂などの空間が広い分、居住面積が小さくなっています。区は、ここで2人世帯が快適に生活できるとお考えでしょうか。区営住宅の単身用の公募はとても少なく、優先制度を実施しているほどです。この際単身用に切り替え公募を行うべきです。見解をお聞かせください。

     

    (新井建也都市計画部長) 近藤議員のご質問にお答えします。
     弁天町コーポラスについてのお尋ねです。
     はじめに、区の世帯別入居基準の判断、部屋の決め方についてです。
     弁天町コーポラスは、老朽化した早稲田南町アパート、早稲田南町第2アパート及び早稲田南町第3アパートの再編整備のため、新たに建設したものです。
     これら3住宅の入居者の部屋を決めるにあたり、入居者の実情を把握するため、アンケート調査を実施しました。その結果、広さを重視した世帯と使用料を重視した世帯が同程度となりました。このため、多人数世帯から順次決めるのではなく、1人世帯は大タイプを、3人以上の世帯は小タイプを、それぞれ希望できないこととし、3人以上の世帯には抽選番号を2つ付与するという一定の優遇措置を設けたうえで、重複して希望する個々の住戸ごとに抽選を行いました。
     このような部屋の決め方については、入居者説明会を開催して了承を得るとともに、相談窓口を開設して丁寧な対応に努めてきたことから、適切なものであったと考えています。
     次に、内覧・下見についてのお尋ねです。
     弁天町コーポラスへの入居者の移転にあたっては、建設工事完了後に速やかに移転できるよう、工事中に部屋決めを実施しました。そのため、内覧・下見は行いませんでしたが、早めに入居者説明会を複数回開催しました。その際には、工事中であったことから、部屋の平面図には壁芯寸法で表示するとともに、寸法の注意を記載したうえで説明しました。
     また、入居にあたっての部屋決めや部屋の寸法、移転に要する費用など入居者の不安に対しては、相談窓口を開設し、個々の相談に丁寧に対応することで、入居者の精神的・物理的・経済的負担の軽減に努めてまいりました。
     次に、転居に関するアンケートの実施及び転宅または部屋の改善についてのお尋ねです。
     区からの移転費用については、東京都や補償基準等を踏まえたものであり、適正かつ妥当なものであると考えています。
     部屋決めや内覧を行わなかったことについては、入居者に適切に説明を行ったものであり、また、現在困っていることや転宅・リフォーム希望については、実際の生活に著しい不便が生じている場合には個別に対応してまいりますので、アンケート調査を行うことは考えていません。これまでの移転の中でいただいたご意見・ご要望については、参考にしてまいります。
     旧早稲田南町アパートは、既に区営住宅としての用途を廃止しており、ご指摘のような転宅先にすることは考えていません。また、都営住宅については、東京都が主体として管理運営を行っていることから、ご指摘のような転宅の候補先として東京都に要望することは考えていません。
     次に、住宅公募基準の改善についてのお尋ねです。
     弁天町コーポラスでは、単身者向ではなく、全て一般世帯向として募集しています。
     平成27年5月の募集では、小タイプ12戸を募集したところ、補欠者を含め辞退者が6名発生したため、1戸が埋まりませんでした。これに、入居予定者が転出して空き家となった中タイプ1戸を合わせた2戸について11月に募集しました。その結果、小タイプに6世帯、中タイプに46世帯の応募があり、当選した方に今後入居していただく予定です。
     公募の際には、募集案内に間取り図、階数及び専用面積を明記し、抽選で当選した方には、現地の内覧や設備などを説明したうえで、入居していただくことになっています。
     したがって、補欠者枠数の設定に工夫してまいりますが、小タイプと中タイプの部屋は一般世帯向として適切なものであることから、単身者向に変更することは、現時点で考えておりません。

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    2016.03.09 更新

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