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    2017年第1回定例会 一般質問

    2月23日の本会議で、阿部早苗議員が以下の項目について一般質問を行いました。

    1.自転車対策について

     正式な会議録ではありませんが、概要をご紹介します。

    (あべ早苗議員) 日本共産党区議団の阿部早苗です。私は自転車対策について一般質問します。
     昨年12月国会では「自転車活用推進法」が全会派一致で可決され、「自転車活用が公共の利益増進に資する」との基本理念が初めて法律で定義されました。新法では国が目標や制度・財政措置を含む「自転車活用推進計画」を定めることとされ、地方自治体にも計画作成の努力義務が課されました。
     さて、新宿区は2008年に「自転車等の利用と駐輪対策に関する総合計画」を作り直し、自転車利用環境整備、利用者のマナー・意識向上により適正利用を推進する方向に転換し、この10年施策を進めてきました。そして2018年度からの新総合計画を策定するために、「自転車等駐輪対策協議会」で議論が重ねられています。同協議会には、走行空間整備やシェアリングを充実させる「走る環」、駐輪場の利便性向上などの「止める輪」、ルールやマナーを「守る和」、自転車の情報を「伝える話」の4つの「わ」をつなげることが基本方針として提起されているところです。
     以上の段階にあることを踏まえて以下何点か質問します。
     1点目は「走る環」となる自転車走行空間の整備目標をもち、達成のために東京都に強く働きかけることです。先日山手通りで自転車道を走行しましたが、歩道と自転車道が明確に分かるように区別されており、大変快適でした。区も自転車走行空間整備を進めており、来年度予算でも3箇所が計上されています。区道の2箇所は350m程度、もう1カ所の神宮球場前は東京都がオリンピック・パラリンピックに向けて都内7カ所の自転車推奨ルートを整備する中の1箇所で、整備するルートのほとんどは渋谷区内です。基本方針で「走る環」というのであれば、自転車走行空間がぶつ切りにならず繋がっていることが大切であり、そのためには都道上で整備するのが現実的です。都が自転車走行空間の整備計画をつくり、もっとスピード感をもって進めるよう強く求めるべきと考えますが、いかがですか。
     明治通りの新田裏から諏訪通りまでは道路が拡幅され、自転車道ができるのではないかと期待しましたが残念ながらできていません。今後は都道拡幅の際は自転車走行空間を整備することを基本方針にし、拡幅工事が進んでいる外苑東通りなどは確実に整備するよう都に求めるべきです。また、大久保通りの東戸山小学校前付近の車道は双方向にパーキングがズラリと並んでいます。歩道は新宿7丁目側は狭く、戸山ハイツ側は高齢者が通行していて自転車走行は危険ですし、車道もパーキングになっているうえ坂道のために危険を感じます。ここは荷さばきのための駐車場を別に整備しなくてもすぐにもパーキングを廃止できると思いますので、自転車専用レーンとして整備するよう都に働きかけていただきたいと思いますが、いかがですか。
     2点目は「止める輪」の駐輪対策です。先日、傷害のある方から「定期利用がなくなり1日利用だけにすると聞いたが、1日利用には減免がないし、自転車を停めるのに持ち上げなくてはならず困る」という電話がありました。地下鉄西早稲田駅のところに新たにできた駐輪場は全て1日利用だけで、定期利用がひとつもありません。私どもは1日利用の拡大を求めてきましたが、定期利用がゼロというのは極端に過ぎます。駅真上の駐輪場であり通勤・通学の利用者も多いと思います。一部を定期利用にする等の改善を求めます。
     また新総合計画では付置義務駐輪場の在り方が検討課題になっていますが、今問題となっている集客施設とともに、今後10年を見込んで勤務先での駐輪場所整備の主体は行政なのか雇用主なのか、民間に依拠するのかを明確にすることが必要ではないでしょうか。
     3点目は自転車等駐輪対策協議会の名称です。新法が制定され、区の施策も転換しているのですから、時宜にあわせて自転車活用を促進する名称に変更してはいかがでしょうか。 最後の質問は、自転車保険の加入促進についてです。 私は昨年末に、自転車事故の被害者となり肋骨4本にヒビが入るケガをし、改めて自転車は凶器にもなるんだと実感しました。
     この間、小学生が夜間帰宅途中に62才女性と正面衝突し頭蓋骨骨折で意識が戻らないケースで9521万円、高校生が車道を斜め横断し対向車線を自転車で直進してきた男性に衝突し重大な障害が残ったケースで9266万円の損害賠償が命じられて、1億円近い賠償金の命令が出されました。こんな多額の賠償金の支払いは加害者家族も大変な負担ですし、払えなければ被害者と家族の生活が破綻します。
     こうした中、2015年に兵庫県が条例で損害保険加入を義務づけたのを皮切りに、2016年には大阪府や滋賀県も義務化しました。自転車利用者や保護者、雇用主に保険加入を義務づけ、自転車販売業者は保険加入の有無の確認と加入に関する情報を提供するように努める等の内容です。東京都も、「自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例」で保険加入を規定していますが、努力義務にとどめています。
     区は2008年の「自転車等の利用と駐輪対策に関する総合計画」策定にあわせて、それまでの「放置防止と駐車場整備」について規定した条例から「新宿区自転車等の適正利用の推進及び自転車等駐輪場の整備に関する条例」に、名称も内容も大幅に改正しました。2018年度からの新総合計画ではさらに自転車の利用を進めるものと考えますので、適正利用のためにルール・マナーを守るとともに、万一に備えて保険加入を強力に進める必要があります。今回の計画見直しに際しても、時代のニーズにあわせて保険加入を条例で規定するとともに、加入促進のための具体策を講じるべきと考えますがいかがですか。
     兵庫県の加西市は、2015年10月から自転車保険の加入を市として義務化し、自転車通学している中学生を対象に一括して保険に加入しています。市内の中学生1200人が保険に加入し、一人当たり1000円の掛け金は市が負担しています。補償の及ぶ範囲は中学生本人とその家族で、最大1億円まで補償されます。この加西市を参考にして神奈川県大和市でも2016年11月から自転車で遠出するようになる小学校5.6年生を対象に市として保険に加入しています。保険は1年間の掛け捨てで、一人当たり810円、対象人数3800人分の掛け金は市が全額負担しています。この4月からは中学生まで対象を拡大し人数は9000人になるとのことですから、単純計算で730万円程度の予算です。仮に新宿区で区立の小学校4年生から中学3年生まで同じ内容の保険契約で加入するとすれば年550万円程度の予算で可能です。これで同居家族も含めて自転車にかかる損害をカバーすることができますから、子育て支援にもなります。新宿区でも実施すべきと考えますが、いかがですか。

     

    (野崎みどり土木部長) 阿部議員のご質問にお答えします。自転車対策についてのお尋ねです。
     はじめに、東京都へ自転車走行空間の整備計画をつくり整備を進めるよう、求めることについてです。
     東京都は、平成24年10月に東京都自転車走行空間整備推進計画を策定しています。この計画の中で、都は国や区市町村と連携して自転車走行空間を整備し、ネットワークを構築することにより自転車交通の安全性や利便性の向上を図ることとしています。区としては、この計画に基づき早急に整備するよう、東京都に働きかけていきます。
     次に、外苑東通りなどで、自転車走行空間の整備を求めることについてです。
     東京都は、外苑東通りなどの都市計画道路では、自転車走行空間を確保する方針であり、拡幅工事を行う際には、自転車走行空間を整備することにしています。
     次に、大久保通りの東戸山小学校付近で、自転車専用レーンを整備するよう東京都に働きかけることについてです。
     大久保通りの東戸山小学校付近は、坂道で歩道が狭いため、歩行者が安心して歩けない状況であることから、以前にも自転車専用レーンなどの安全対策を要望してきましたが、再度、都へ安全対策を講じるよう働きかけていきます。
     次に、地下鉄西早稲田駅の駐輪場の一部を定期利用にすることについてです。
     自転車利用者の増加やライフスタイルの変化に伴い、一時利用できる駐輪場への要望が高まっているため、区では駐輪場の新設や改修する際、一時利用を増やすこととしています。西早稲田駅の駐輪場は、限られた土地を有効活用し、多くの方に利用していただけるよう全てを一時利用として整備しました。一部を定期利用にすることについては、今後も利用状況を踏まえるとともに、駐輪場利用者の声を聞き、検討していきます。
     次に、勤務先の駐輪場整備の主体についてです。
     「東京都自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例」では、事業者は、自転車通勤する従業員がいる場合、事業者自らが駐輪場所を確保するか、従業員に対して駐輪場を利用していることを確認しなければならないとしています。このことから、勤務先での駐輪場は建物所有者もしくは事業者が、確保するべきであると考えます。
     次に、自転車等駐輪対策協議会の名称変更についてです。
     区の自転車等駐輪対策協議会は、「自転車の安全利用の促進及び自転車等の駐車対策の総合的推進に関する法律」第8条に規定する協議会として位置づけていることから、区として、名称の変更は考えていません。
     次に、自転車保険の加入促進についてです。
     最近、自転車利用者が加害者となり、重大事故となる事例もあることから、自転車保険への加入は必要と考えています。このため、区では、これまで自転車教室や地域センターまつり等でチラシの配布、定期的に区広報へ掲載するとともに自転車小売業者等へ依頼も行ってきました。区が保険の加入を条例で規定することや保険料を公費で負担することは考えていませんが、これからも多くの区民の方に自転車保険に加入していただけるよう周知に努めてまいります。

    区議会活動 | あべ早苗

    2017.03.10 更新

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